JP2013206978A - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents

気相成長装置および気相成長方法 Download PDF

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慶紀 木下
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Abstract

【課題】気相成長によって基板表面に薄膜を均一に形成し、且つ基板端部での微小なクラックの発生を抑制する。
【解決手段】被処理基板25の外周端面と凹部37の側壁との被処理基板25の表面方向への間隙S1を、1.3mm以上、且つ3.0mm以下に設定する。上記間隔S1を1.3mm以上にすることにより、被処理基板25の外周端近傍に成長する薄膜の膜厚低下を抑制して、微小なクラックの発生を抑制する。さらに、上記間隔S1を3.0mm以下にすることにより、間隔S1内に露出している基板保持部材24の表面に反応生成物が付着するのを防止する。こうして、被処理基板25を凹部37内に再現性良く載置して、成長される薄膜の特性を均一に維持する。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)等の化学的気相成長法によって基板表面に薄膜を形成する気相成長装置および気相成長方法に関する。
従来より、化合物半導体材料を用いる発光ダイオード,半導体レーザ,宇宙用ソーラーパワーデバイスおよび高速デバイスの製造においては、トリメチルガリウム(TMG)あるいはトリメチルアルミニウム(TMA)等の有機金属ガスと、アンモニア(NH3),ホスフィン(PH3)あるいはアルシン(AsH3)等の水素化合物とを、成膜に寄与する原料ガスとして成長室に導入して化合物半導体結晶を成長させるMOCVDが用いられている。
上記MOCVDは、上記原料ガスをキャリアガスと共に成長室内に導入して加熱し、所定の基板上に気相反応させることによって、上記基板上に化合物半導体結晶を成長させる方法である。MOCVDを用いた化合物半導体結晶の製造においては、成長する化合物半導体結晶の品質を向上させながら、コストを抑えて、歩留りと生産能力とをどのように最大限確保するか、ということが常に高く要求されている。
上記MOCVDによりウエハ表面に薄膜を形成する薄膜成長装置として、特許第4343580号公報の図7および図8(特許文献1)に開示されているようなものがある。この薄膜成長装置におけるMOCVD装置の模式的な構成を簡略化して図7に示す。また、図7における基板保持部材の構成を簡略化して図8に示す。
上記従来の薄膜成長装置におけるMOCVD装置1においては、ガス供給源(図示せず)から薄膜成長室2に原料ガスおよびキャリアガスを導入するためのガス配管(図示せず)が配設されており、薄膜成長室2の上部には薄膜成長室2に原料ガスおよびキャリアガスを導入するための複数のガス吐出孔(図示せず)を有するガス供給部3が設置されている。
また、上記薄膜成長室2の下部中央には、アクチュエータ(図示せず)によって自在に回転される回転機構4が設置されており、この回転機構4の先端にはガス供給部3と対向するようにウエハホルダ5が取り付けられている。ウエハホルダ5の下部にはこのウエハホルダ5を加熱するためのヒーター6が設けられている。
さらに、上記薄膜成長室2の下部側方には、薄膜成長室2内のガスを排気するためのガス排気部(図示せず)が設置されている。
上記構成のMOCVD装置1において、化合物半導体結晶を成長させる場合には、先ずウエハホルダ5にウエハ7を設置し、回転機構4の回転によってウエハホルダ5を回転させ、ヒーター6の加熱によりウエハホルダ5を介してウエハ7を所定の温度に加熱する。その後、ガス供給部3に設けられている上記複数のガス吐出孔から薄膜成長室2に原料ガスおよびキャリアガスを導入する。
図8に示すように、上記ウエハホルダ5には凹部8が形成されており、凹部8にはウエハ7が載置される。その場合、図8に示すように、凹部8の直径は円板状のウエハ7の直径より大きく形成されており、ウエハ7を載置した状態で凹部8とウエハ7との間隙を利用して、ピンセット等でウエハ7のセットや取出しが行われる。
上記特許文献1の図7および図8に開示された従来の薄膜成長装置においては、凹部8の深さとウエハ70の厚さとが同じになるようにウエハホルダ5が形成されており、ウエハホルダ5の表面とウエハ7の表面とが略同一平面になるようにしている。こうして、ウエハ7の外周端部近傍の領域におけるガス流の乱れを抑制しようとしている。
しかしながら、上記ウエハ7を載置した状態で凹部8とウエハ7との間に間隙が形成されているため、ウエハホルダ5の回転に伴ってウエハ7に発生する遠心力に対する凹部8の側面の反力等によってウエハ7が変形し、ウエハ7が凹部8の側面から離反するという問題がある。
そこで、そのような問題を解決するために、特開平11‐145065号公報(特許文献2)に開示された気相薄膜形成装置においては、図9に示すように、ウエハホルダ11に、ウエハ基体(図示せず)より僅かに大きい直径を有して上記ウエハ基体を収容するウエハ基体収容座11aを設け、ウエハホルダ11の上面上におけるウエハ基体収容座11aの周縁に沿って突起部12を設けている。そして、ウエハホルダ11の回転に伴って、上記ウエハ基体が、遠心力の作用でウエハ基体収容座11aの側壁に当たり、上記側壁の反力等によってウエハ基体収容座11aの側壁上端を超えて浮き上がっても、上記ウエハ基体が突起部12によってウエハホルダ11から飛び出すのを防止している。
しかしながら、特許文献1に開示された従来の薄膜成長装置におけるMOCVD装置1においては、以下のような問題がある。
すなわち、上記凹部8からウエハ7をピンセット等によって取出し可能なように、凹部8の直径をウエハ7の直径よりも大きく形成する必要である。そのため。凹部8とウエハ7とによって間隙が形成され、ウエハホルダ5の表面とウエハ7の表面とが連続した一平面とはならない。したがって、ガスの流れが上記間隙によって乱されることになり、正常な薄膜の気相成長が阻害され、ウエハ7の表面に均一に薄膜を形成することが困難になるという問題がある。
また、特許文献2に開示された従来の気相薄膜形成装置においては、上記ウエハ基体収容座11aの周縁に沿って設けられた突起部12によってガスの流れが乱れ、正常な薄膜の気相成長が阻害され、上記ウエハ基体の表面に均一に薄膜を形成することが困難となるという問題がある。
特許第4343580号公報 特開平11‐145065号公報
そこで、この発明の課題は、気相成長によって基板表面に薄膜を均一に形成することが可能であり、且つ基板端部での微小なクラックの発生を抑制することを可能にする気相成長装置および気相成長方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の気相成長装置は、
反応炉内に、
基板収納部を有すると共に、上記基板収納部内に載置された被処理基板を保持する基板保持部材と、
上記被処理基板を加熱する基板加熱ヒーターと、
ガス吐出孔を有すると共に、上記ガス吐出孔から上記被処理基板の表面に原料ガスおよびキャリアガスを供給するガス供給部と
を備え、
上記基板収納部は、この基板収納部内に載置される上記被処理基板の外周端部と上記基板収納部の側壁との間の間隔の上記被処理基板の表面と平行方向の寸法が、1.3mm以上、且つ3.0mm以下になるように形成されている
ことを特徴としている。
上記構成によれば、基板保持部材の基板収納部内に載置された被処理基板に対して気相成長を行う際に、上記被処理基板の外周端部と上記基板収納部の側壁との間の間隔の上記被処理基板の表面と平行方向の寸法を1.3mm以上にすることにより、上記被処理基板の外周端近傍に成長する薄膜の膜厚低下を抑制して、微小なクラックの発生を抑制することができる。したがって、上記薄膜が成長された基板に基づいて作製される半導体デバイスの製造歩留を向上させることが可能になる。
さらに、上記寸法を3.0mm以下にすることにより、上記被処理基板の外周端面と上記基板収納部の側壁との隙間内に露出している上記基板保持部材の表面に、反応生成物が付着することを防止することができる。したがって、上記被処理基板を上記基板収納部内に再現性良く載置することができ、成長される薄膜の特性を安定して維持することが可能になる。
また、1実施の形態の気相成長装置では、
上記基板収納部内に載置されている上記被処理基板の表面と上記基板収納部の側壁の上端とにおける上記被処理基板の表面に垂直な方向への差が0.5mm以下である。
この実施の形態によれば、上記被処理基板の表面と上記基板収納部の側壁の上端との高さの差を0.5mm以下にしている。したがって、上記被処理基板の表面に成長される薄膜の膜厚のばらつきを小さくすることができる。
また、1実施の形態の気相成長装置では、
上記基板収納部は、上記基板保持部材の表面における上記被処理基板が載置される箇所に形成された凹部である。
この実施の形態によれば、上記基板保持部材の凹部内に上記被処理基板を載置して保持する場合に、上記被処理基板の外周端近傍に成長する薄膜に対する微小なクラックの発生を抑制することができる。さらに、上記被処理基板を上記凹部内に再現性良く載置することができ、成長される薄膜の特性を安定して維持することが可能になる。
また、1実施の形態の気相成長装置では、
上記基板保持部材の表面における上記凹部の周囲にカバープレートが設置されており、
上記基板収納部は、上記カバープレートで囲まれた領域と上記凹部とでなる。
この実施の形態によれば、上記基板保持部材のカバープレートで囲まれた領域の上記凹部内に上記被処理基板を載置して保持する場合に、上記被処理基板の外周端近傍に成長する薄膜に対する微小なクラックの発生を抑制することができる。また、上記被処理基板を上記カバープレートで囲まれた領域の上記凹部内に再現性良く載置することができ、成長される薄膜の特性を安定して維持することが可能になる。
さらに、上記基板保持部材における上記凹部の周囲の表面を上記カバープレートで被覆することによって、上記表面が高温下で上記原料ガスや上記キャリアガスに接触することを抑制できる。したがって、上記基板保持部材の寿命を長くして、気相成長のコストを低減することができる。
また、1実施の形態の気相成長装置では、
上記基板保持部材の表面における上記被処理基板が載置される箇所の周囲に設置されたカバープレートを備え、
上記基板収納部は、上記基板保持部材の表面における上記カバープレートで囲まれた領域である。
この実施の形態によれば、上記基板保持部材のカバープレートで囲まれた領域内に上記被処理基板を載置して保持する場合に、上記被処理基板の外周端近傍に成長する薄膜に対する微小なクラックの発生を抑制することができる。また、上記被処理基板を上記カバープレートで囲まれた領域内に再現性良く載置することができ、成長される薄膜の特性を安定して維持することが可能になる。
さらに、上記基板保持部材における上記被処理基板が載置される箇所の周囲の表面を上記カバープレートで被覆することにより、上記表面が高温下で上記原料ガスや上記キャリアガスに接触することを抑制できる。したがって、上記基板保持部材の寿命を長くして、気相成長のコストを低減することができる。
また、1実施の形態の気相成長装置では、
上記カバープレートは、石英あるいは炭化ケイ素で形成されている。
この実施の形態によれば、上記カバープレートを、石英あるいは炭化ケイ素で形成したので、上記カバープレートの熱膨張率を小さくでき、上記カバープレートの表面に付着した反応生成物を除去する際にエッチング等によるダメージを受け難くできる。
また、この発明の気相成長方法は、
基板保持部材と基板加熱ヒーターとガス供給部とを備えた反応炉内において、
上記基板保持部材における基板収納部内に、被処理基板を、上記被処理基板の外周端部と上記基板収納部の側壁との間の間隔の上記被処理基板の表面と平行方向の寸法が、1.3mm以上、且つ3.0mm以下になるように載置し、
上記基板加熱ヒーターによって上記被処理基板を加熱し、
上記ガス供給部によって、ガス吐出孔から上記被処理基板の表面に原料ガスおよびキャリアガスを供給して、
上記被処理基板の表面に薄膜を成長させることを特徴としている。
上記構成によれば、基板保持部材の基板収納部内に載置された被処理基板に対して気相成長を行う際に、上記被処理基板の外周端部と上記基板収納部の側壁との間の間隔の上記被処理基板の表面と平行方向の寸法を1.3mm以上にすることにより、上記被処理基板の外周端近傍に成長する薄膜の膜厚低下を抑制して、微小なクラックの発生を抑制することができる。したがって、上記薄膜が成長された基板に基づいて作製される半導体デバイスの製造歩留を向上させることが可能になる。
さらに、上記寸法を3.0mm以下にすることにより、上記被処理基板の外周端面と上記基板収納部の側壁との隙間内に露出している上記基板保持部材の表面に、反応生成物が付着することを防止することができる。したがって、上記被処理基板を上記基板収納部内に再現性良く載置することができ、成長される薄膜の特性を安定して維持することが可能になる。
以上より明らかなように、この発明の気相成長装置および気相成長方法によれば、基板保持部材の基板収納部内に載置される被処理基板の外周端部と上記基板収納部の側壁との間の間隔の上記被処理基板の表面と平行方向の寸法を、1.3mm以上にしたので、気相成長を行う際に、上記被処理基板の外周端近傍に成長する薄膜の膜厚低下を抑制して、微小なクラックの発生を抑制することができる。この微小なクラックは上記被処理基板の面内中心方向に成長することや、成長された上記薄膜の応力を緩和してその薄膜上に作成したデバイスの特性に影響を及ぼすことが考えられる。したがって、この発明を用いることによって、半導体デバイスの製造歩留を向上させることが可能になる。
さらに、上記寸法を3.0mm以下にしたので、上記被処理基板の外周端面と上記基板収納部の側壁との隙間内に露出している上記基板保持部材の表面に、反応生成物が付着することを防止することができる。したがって、上記被処理基板を上記基板収納部内に再現性良く載置することができ、成長される薄膜の特性を安定に維持することが可能になる。
さらに、上記寸法を3.0mm以下にしている。したがって、上記基板保持部材の回転に伴って上記被処理基板に発生する遠心力に対する基板収納部の側面の反力等によって上記被処理基板が変形し、上記被処理基板が上記基板収納部の側面から離反することも防止される。そのため、上記基板収納部の周縁に沿って上記被処理基板の飛び出しを防止するための反突起部を設ける必要が無く、上記突起部によるガス流の乱れも発生することはなく、被処理基板25の表面に均一に薄膜を形成することができる。
この発明の気相成長装置における概略構成図である。 図1における基板保持部材表面の凹部と被処理基板との位置関係を示す図である。 図2に示す被処理基板の表面に形成される微小なクラックおよびピットを示す図である。 微小なクラックの有無およびピットの有無と膜厚比率との相関を示す図である。 図2に示す間隙と膜厚比率との関係を示す図である。 カバープレートを用いる場合の基板保持部材の変形例を示す図である。 従来のMOCVD装置の模式的な構成を示す図である。 図7における基板保持部材を示す図である。 従来の気相薄膜形成装置におけるウエハホルダを示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。尚、この発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。また、説明に使用する図面は、一部分を誇張して表現した箇所が存在するものであり、図面内の寸法,寸法比率および位置関係は必ずしも正しいものではない。
図1は、本実施の形態の気相成長装置における概略構成図である。図1において、本気相成長装置21は、中空部である成長室を有する反応炉22と、ガス吐出孔を配設したガス供給部23と、被処理基板25を載置する基板保持部材24と、基板保持部材24を回転駆動する回転機構26と、基板保持部材24を介して被処理基板25を加熱するヒーター27を備えている。
また、上記気相成長装置21においては、ロードロック室(図示せず)およびゲートバルブ(図示せず)を備えており、反応炉22内の上記成長室に大気を導入することなく、被処理基板25を基板保持部材24に載置することが可能な構造になっている。
上記基板保持部材24は、ガス供給部23と対向するように配置されている。また、回転機構26は、アクチュエータ(図示せず)等によって、基板保持部材24を、基板保持部材24の表面に垂直な方向を回転軸として回転させる。反応炉22における側壁の下部には、反応炉22の上記成長室内のガスを外部に排気するためのガス排気ライン28の一端が接続されており、ガス排気ライン28の他端は、パージライン29を介して、排気されたガスを無害化するための排ガス処理装置30に接続されている。
また、III族系ガス供給源31から、キャリアガスを含むIII族系ガスが、第1マスフローコントローラ32およびIII族系ガス配管33を介して、ガス供給部23内のガス混合室(図示せず)に導入される。さらに、V族系ガス供給源34から、キャリアガスを含むV族系ガスが、第2マスフローコントローラ35およびV族系ガス配管36を介して、ガス供給部23内の上記ガス混合室に導入される。
上記ガス供給部23に導入されたIII族系ガス,V族系ガスおよびキャリアガスは、ガス吐出孔より反応炉22内の上記成長室に吐出される。その際に、ヒーター27によって基板保持部材24を介して被処理基板25が加熱され、被処理基板25の表面で気相成長反応が促進される。こうして、被処理基板25の表面に薄膜が成長されるのである。
本実施の形態においては、原料ガスとして、III族の原料ガスとV族の原料ガスとを用いている。上記III族の原料ガスとしては、Ga(ガリウム)を含むトリメチルガリウム(TMG)を用いている。また、上記V族の原料ガスとしては、アンモニア(NH3)ガスを用いている。さらに、夫々のキャリアガスとして、水素ガスおよび窒素ガスを用いている。また、被処理基板25としては、サファイア基板を用いている。
上記構成の気相成長装置21を用いた気相成長では、気相成長の条件を2段階に分けており、各段階での条件は以下の通りである。
1段階目:反応炉22の上記成長室内の圧力=53.3kPa、III族ガス供給量(キャリアガス含む)=63SLM、V族ガス供給量(キャリアガス含む)=275SLM、基板加熱温度=1245℃。
2段階目:反応炉22の上記成長室内の圧力=26.7kPa、III族ガス供給量(キャリアガス含む)=30SLM、V族ガス供給量(キャリアガス含む)=150SLM、基板加熱温度=1295℃。
また、上記気相成長を行った際に用いた気相成長装置21において、上記ガス供給部23は、壁面に多数のガス吐出孔を備えて、III族ガスとV族ガスとを上記壁面から一様に供給することができるシャワー型構造のガス供給機構を有している。尚、上記気相成長においては、基板保持部材24上に載置された被処理基板25と、この被処理基板25に対向して配置されたガス供給部23の底面との距離を、12.5mmに設定している。
さらに、上記気相成長を行う際に、図2に示すように、上記基板保持部材24の表面に形成された上記基板収納部の一例としての凹部37と、凹部37の内部に載置された被処理基板25とを、図のような位置関係にしている。
具体的には、上記被処理基板25の外周端部と凹部37の側壁との間隔の被処理基板25の表面と平行方向の寸法S1(以下、間隙S1と言う)を、1.3mm以上、且つ3.0mm以下に設定する。さらに、被処理基板25の表面と、凹部37の側壁の上端を含む凹部37の周囲の基板保持部材24の表面(以下、単に凹部37の周囲の基板保持部材24の表面と言う)との高さ方向の差H1を0.5mm以下に設定する。
以下、上記間隙S1と上記高さの差H1との範囲を上述の範囲に設定した理由について説明する。
発明者らは、当初、上記被処理基板25と凹部37との間隙S1が小さい程、被処理基板25の外周端面に沿って流れるガスの状態を乱すことがなく、被処理基板25の表面に形成される薄膜の膜厚のばらつきを小さくできると考え、間隙S1が1mm以下になるように凹部37を設計して気相成長を行った。しかしながら、気相成長後の被処理基板25の表面を観察してみると、図3に示すような微小なクラック42やピット状の凹み43が被処理基板25の外周端の近傍の薄膜に発生していた。
このピット状の凹み43が形成されている被処理基板25の外周端近傍の上記薄膜の膜厚を測定した結果、微小なクラック42の有無およびピット状の凹み43(以下、単にピット43と言う)の有無と上記薄膜の膜厚との間には、図4に示すような相関があることが分かった。図4の横軸は、被処理基板25の外周端から0.2mmの位置での膜厚と外周端から5mmの位置での膜厚との比率である「膜厚比率」を示している。
気相成長後の上記被処理基板25の表面の観察結果によって、微小なクラック42はピット43が形成されている箇所で発生しており、ピット43が形成されていない箇所では発生していないことが確認された。また、ピット43が形成されているため微小なクラック42が発生する可能性がある箇所の上記膜厚比率は0.8以下となっており、ピット43は、被処理基板25の外周端部での膜厚が小さく、気相成長の成長レートが低い箇所で発生していることが確認された。一方、ピット43が形成されておらず微小なクラック42も発生していない箇所では、上記膜厚比率が略0.8以上であることが確認された。
上述の観察結果より、上記微小なクラック42の発生が被処理基板25の外周端部の膜厚が小さい箇所で起きていることから、微小なクラック42の発生には被処理基板25の外周端部の表面におけるガスの流れの状態が影響していると考え、被処理基板25と凹部37の側壁との間隙S1と、上記膜厚比率との関係を調べた。すなわち、凹部37の直径を変化させることにより上記間隙S1を種々変化させて上記気相成長を行った。その結果を図5に示す。
図5の縦軸は、図4の横軸と同じ「膜厚比率」であり、被処理基板25の外周端から0.2mmの位置での膜厚と被処理基板25の外周端から5mmの位置での膜厚との比率である。また、図5の横軸は、被処理基板25の外周端面と凹部37の側壁との間隙S1の距離である。図5より、上記膜厚比率が0.8以上であってピット43が形成されない範囲を呈する上記間隙S1の範囲は、1.3mm以上であることが分かる。
また、上記間隙S1を3.0mmより広くした場合には、間隙S1内に露出している基板保持部材24の表面において、反応生成物の付着が顕著に確認された。このように、基板保持部材24の表面に反応生成物の付着がある場合には、被処理基板25が上記付着物に乗り上げると、ヒーター27による加熱状態が上記乗り上げ状態によって変化し、再現性の良い安定した気相成長を行うことができなくなる。
以上の2つの理由から、上記被処理基板25の外周端部と凹部37の側壁との被処理基板25の表面方向への間隙S1を、1.3mm以上、且つ3.0mm以下に設定するのである。
尚、上述のように、上記間隙S1を3.0mm以下に設定している。したがって、基板保持部材24の回転に伴って被処理基板25に発生する遠心力に対する凹部37の側面の反力等によって被処理基板25が変形し、被処理基板25が凹部37の側面から離反することも防止される。そのため、図9に示す上記従来の気相薄膜形成装置のごとく、凹部37の周縁に沿って突起部を設ける必要が無く、上記突起部によるガス流の乱れも発生することはなく、被処理基板25の表面に均一に薄膜を形成することができる。
また、上記被処理基板25の表面と凹部37の周囲の基板保持部材24の表面との高さ方向の差H1については、以下の理由から0.5mm以下に設定する。すなわち、上記高さ方向の差H1が0.5mmを超えた場合、被処理基板25の表面内の膜厚のばらつきが5.0%となった。一方、上記高さ方向の差H1を0.5mmとした場合には、上記膜厚のばらつきが2.5%となり、被処理基板25の表面内の広い範囲で膜厚差の小さい気相成長を行うことができた。尚、上記膜厚のばらつきは、
σ(標準偏差)/平均値×100(%)
の計算式によって求めている。
以上の理由から、上記被処理基板25の表面と基板保持部材24の表面との高さ方向の差H1を、0.5mm以下に設定するのである。
尚、上述のように、上記間隙S1を3.0mm以下に設定し、且つ上記差H1を0.5mm以下に設定している。したがって、基板保持部材24の表面と被処理基板25の表面とは略連続した一平面を形成している。そのために、ガスの流れが上記間隙S1によって乱されることもない。
上記実施の形態においては、上記基板保持部材24における凹部37の周囲の表面で原料ガスが接触する状態で気相成長を行っているが、必ずしもこのような構成に限るものではない。
上記実施の形態の場合、上記基板保持部材24における凹部37の周囲の表面に原料ガスが反応して反応生成物が生成される。この反応生成物の付着量が多くなると、基板保持部材24の上記表面に密着することなく粉状となって付着し、正常な気相成長が出来ない状態となる。そのため、定期的に基板保持部材24を反応炉22外に取出し、専用の加熱炉を用いて1000℃以上の焼成を行い、基板保持部材24に付着した反応生成物を除去する必要がある。
しかしながら、近年、上記被処理基板25のサイズの大型化および多数枚化が進行しており、被処理基板25を載置する基板保持部材24も大面積化している。大型化した基板保持部材24を反応炉22の外に取出す機構やそれを加熱処理するための装置を準備することにはコストを要する。
そこで、図6(a)に示すように、上記基板保持部材24における凹部37の周囲の表面をカバープレート38で被覆して、気相成長を行うことも可能である。この場合には、気相成長を複数回行った後、上記反応生成物が付着したカバープレート38のみを反応炉22の外に取出し、付着した反応生成物をエッチング装置やサンドブラストを用いて除去することが可能になる。
また、高価な上記基板保持部材24における凹部37の周囲の表面がカバープレート38で被覆されることによって、上記表面が高温下で原料ガスや水素ガスに接触することが抑制される。したがって、基板保持部材24の寿命を長くすることが可能になり、気相成長のためのコストを抑制することができる。
この発明においては、上述のようなカバープレート38を用いた場合においても、被処理基板25の外周端部とカバープレート38の内側壁との被処理基板25の表面方向への間隙S2を、1.3mm以上、且つ3.0mm以下に設定する。また、好ましくは、被処理基板25の表面とカバープレート38の内側壁上端を含むカバープレート38の表面との高さ方向の差H2を、0.5mm以下に設定するのである。
尚、上記カバープレート38の材質としては、石英あるいは炭化ケイ素(SiC)が好ましい。その理由は、熱膨張率が小さいため、および、表面に付着した反応生成物を除去する際にエッチング等によるダメージを受け難いためである。
また、上記カバープレート38と基板保持部材24と凹部32と被処理基板25との関係は、図6(a)に示すような状態とは限らない。
例えば、図6(b)に示すように、上記基板保持部材24に凹部32を形成しない状態であっても良い。その場合であっても、基板保持部材24における被処理基板25の載置箇所の周囲にカバープレート39を設置し、被処理基板25の外周端部とカバープレート39の内側壁との間隙S2を、1.3mm以上、且つ3.0mm以下に設定する。また、好ましくは、被処理基板25の表面とカバープレート39の内側壁上端を含むカバープレート39の表面との差H2を、0.5mm以下に設定するのである。こうすることによって、図6(a)に示す状態と同様の効果を得ることができる。
あるいは、図6(c)に示すように、上記基板保持部材24に凹部32を形成せず、基板保持部材24における被処理基板25の搭載箇所の周囲に上記搭載箇所よりも低い段部40を形成した状態であっても良い。その場合であっても、段部40にカバープレート41を設置し、被処理基板25の外周端部とカバープレート41の内側壁との間隙S2を、1.3mm以上、且つ3.0mm以下に設定する。また、好ましくは、被処理基板25の表面とカバープレート41の内側壁上端を含むカバープレート41の表面との差H2を、0.5mm以下に設定するのである。こうすることによって、図6(a)に示す状態と同様の効果を得ることができる。
ここで、図2および図6においては、上記基板保持部材24と被処理基板25との接触箇所が平面状になっているが、必ずしも平面接触に限るものではない。使用する被処理基板25のサイズによっては、基板保持部材24における被処理基板25との接触箇所のみを凸状に形成し、被処理基板25が熱膨張で反った場合でも被処理基板25内が均一に加熱されるように構成してもよい。
本発明は、加熱した基板上に原料ガスを供給して基板表面に気相成長を行う気相成長装置として有用であり、MOCVD装置等に利用することができる。
21…気相成長装置、
22…反応炉、
23…ガス供給部、
24…基板保持部材、
25…被処理基板、
26…回転機構、
27…ヒーター、
28…ガス排気ライン、
29…パージライン、
30…排ガス処理装置、
31,34…ガス供給源、
32,35…マスフローコントローラ、
33,36…ガス配管、
37…凹部、
38,39,41…カバープレート、
40…段部、
42…クラック、
43…ピット。

Claims (7)

  1. 反応炉内に、
    基板収納部を有すると共に、上記基板収納部内に載置された被処理基板を保持する基板保持部材と、
    上記被処理基板を加熱する基板加熱ヒーターと、
    ガス吐出孔を有すると共に、上記ガス吐出孔から上記被処理基板の表面に原料ガスおよびキャリアガスを供給するガス供給部と
    を備え、
    上記基板収納部は、この基板収納部内に載置される上記被処理基板の外周端部と上記基板収納部の側壁との間の間隔の上記被処理基板の表面と平行方向の寸法が、1.3mm以上、且つ3.0mm以下になるように形成されている
    ことを特徴とする気相成長装置。
  2. 請求項1に記載の気相成長装置において、
    上記基板収納部内に載置されている上記被処理基板の表面と上記基板収納部の側壁の上端とにおける上記被処理基板の表面に垂直な方向への差が0.5mm以下である
    ことを特徴とする気相成長装置。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載の気相成長装置において、
    上記基板収納部は、上記基板保持部材の表面における上記被処理基板が載置される箇所に形成された凹部である
    ことを特徴とする気相成長装置。
  4. 請求項3に記載の気相成長装置において、
    上記基板保持部材の表面における上記凹部の周囲にカバープレートが設置されており、
    上記基板収納部は、上記カバープレートで囲まれた領域と上記凹部とでなる
    ことを特徴とする気相成長装置。
  5. 請求項1あるいは請求項2に記載の気相成長装置において、
    上記基板保持部材の表面における上記被処理基板が載置される箇所の周囲に設置されたカバープレートを備え、
    上記基板収納部は、上記基板保持部材の表面における上記カバープレートで囲まれた領域である
    ことを特徴とする気相成長装置。
  6. 請求項4あるいは請求項5に記載の気相成長装置において、
    上記カバープレートは、石英あるいは炭化ケイ素で形成されている
    ことを特徴とする気相成長装置。
  7. 基板保持部材と基板加熱ヒーターとガス供給部とを備えた反応炉内において、
    上記基板保持部材における基板収納部内に、被処理基板を、上記被処理基板の外周端部と上記基板収納部の側壁との間の間隔の上記被処理基板の表面と平行方向の寸法が、1.3mm以上、且つ3.0mm以下になるように載置し、
    上記基板加熱ヒーターによって上記被処理基板を加熱し、
    上記ガス供給部によって、ガス吐出孔から上記被処理基板の表面に原料ガスおよびキャリアガスを供給して、
    上記被処理基板の表面に薄膜を成長させることを特徴とする気相成長方法。
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