JP2013206908A - 高圧フィルムコンデンサ異常検出装置とその検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】破損プロセスの早い時期に異常を検知して、外形変形や破裂に至る前に異常による危険を未然に防止する。
【解決手段】高圧フィルムコンデンサの出力電圧を高圧プローブ161で検出し、サンプルホールド回路162,163にて高圧パルスの立ち上がり時の第1のタイミングとそれから一定時間経過後の第2のタイミングで検出電圧のレベルをそれぞれで取得し、差動増幅器164により第1及び第2のタイミングそれぞれのホールド電圧の差分電圧を生成し、コンパレータ165により前記差分電圧を予め決められた閾値と比較して閾値を超えるとき異常と判定する。
【選択図】図1
【解決手段】高圧フィルムコンデンサの出力電圧を高圧プローブ161で検出し、サンプルホールド回路162,163にて高圧パルスの立ち上がり時の第1のタイミングとそれから一定時間経過後の第2のタイミングで検出電圧のレベルをそれぞれで取得し、差動増幅器164により第1及び第2のタイミングそれぞれのホールド電圧の差分電圧を生成し、コンパレータ165により前記差分電圧を予め決められた閾値と比較して閾値を超えるとき異常と判定する。
【選択図】図1
Description
本実施形態は、クライストロン等を駆動するPFN(Pulse Forming Network)を有する高圧パルス電源において使用される高圧フィルムコンデンサの異常検出装置とその検出方法に関する。
一般に、高圧パルス電源にあっては、高圧パルス電力の生成にPFNが用いられる。このPFNでは、インダクタとキャパシタによるLC回路が、π√LCのパルスを比較的簡単に生成できることから多用されている。
ところで、PFN用のコンデンサは、その周波数特性の良さからフィルムコンデンサが使われることが多いが、高圧大電流の高いストレスにさらされる。すなわち、高圧フィルムコンデンサは、印加電圧が高圧であるかゆえに、その故障モードとしてコロナ放電、絶縁抵抗の劣化、発熱を伴い、外形の変形、破裂に至ることもある。これら万一の故障を検出する方法は、外形の変形を目視によって見つけるしかないのが現状である。
以上のように、PFN用のように高圧大電流の高いストレスにさらされる高圧フィルムコンデンサの故障を検出するためには、外形の変形を目視によって見つけるしかなく、検出に熟練を要している。
本実施形態の目的は、高圧フィルムコンデンサの故障を客観的な手法で容易に検出することができ、破損プロセスの早い時期に検知して、外形変形や破裂に至る前に異常による危険を未然に防止することのできる高圧フィルムコンデンサ異常検出装置とその検出方法を提供することにある。
本実施形態は、高圧パルス電源に用いられ、充放電により出力電圧を生成する高圧フィルムコンデンサの異常を検出する高圧フィルムコンデンサ異常検出装置において、前記出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記高圧フィルムコンデンサの充電電圧が設定電圧に到達した時に前記検出電圧のレベルをサンプルホールドする第1のサンプルホールド手段と、前記設定電圧の到達時から一定期間経過後に前記検出電圧のレベルをサンプルホールドする第2のサンプルホールド手段と、前記第1及び第2のサンプルホールド手段それぞれのホールド電圧の差分電圧を生成する差分電圧生成手段と、前記差分電圧を予め決められた閾値と比較して閾値を超えるとき異常と判定する異常判定手段とを具備することによって、問題の解決を図る。
また、本実施形態は、高圧パルス電源に用いられ、充放電により出力電圧を生成する高圧フィルムコンデンサの異常を検出する高圧フィルムコンデンサ異常検出方法において、前記出力電圧を検出し、前記高圧フィルムコンデンサの充電電圧が設定電圧に到達した時の第1のタイミングとそれから一定時間経過後の第2のタイミングで前記検出電圧のレベルをサンプルホールドし、前記第1及び第2のタイミングそれぞれのホールド電圧の差分電圧を生成し、前記差分電圧を予め決められた閾値と比較して閾値を超えるとき異常と判定する態様とする。
本実施形態の構成によれば、高圧フィルムコンデンサの絶縁抵抗の低下を故障の前兆として捉え、パルス毎に高圧フィルムコンデンサの絶縁抵抗を監視し、事前に設定した閾値を超えたとき高圧パルス電源をシャットダウンするようにしている。
したがって、上記構成によれば、高圧フィルムコンデンサの故障を客観的な手法で容易に検出することができ、破損プロセスの早い時期に異常を検知して、外形変形や破裂に至る前に異常による危険を未然に防止することのできる高圧フィルムコンデンサ異常検出装置とその検出方法を提供することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は実施形態に係る高圧フィルムコンデンサ異常検出回路の構成を示すブロック図である。図1において、PFN回路11は、インダクタLとキャパシタCによるLC回路で構成され、キャパシタCには高圧フィルムコンデンサが用いられる。このPFN回路11には、定電流出力の充電電源12からスイッチ13及びダイオード14を介して充電電流が供給される。PFN回路11に蓄積された電力は高圧パルス生成回路15に送られ、高圧パルス生成に供される。
上記構成によるPFN回路11に対して、実施形態の異常検出回路16は、PFN回路11の出力端間に高圧プローブ161を接続し、当該高圧プローブ161で得られたPFN分圧電圧Vpfn を第1及び第2のサンプルホールド回路(S/H)162,163に入力する。第1のサンプルホールド回路162は入力電圧をt=0(設定電圧到達時)のときのタイミングでサンプリングし、第1のサンプルホールド回路163は入力電圧をt=t1 (設定電圧到達時からt1 経過後)のときのタイミングでサンプリングする。それぞれのサンプルホールド出力は差動増幅器164に入力されて両者の差分電圧が取り出される。この差分電圧はコンパレータ165に送られ、事前に設定された閾値と比較される。ここで、差分電圧が閾値を超える場合には、異常と判定して出力遮断の指示信号を送り、差分電圧が閾値に満たない場合には、異常なしと判定する。
図2に上記構成に異常検出時の等価回路を示す。ここで、Rd は高圧プローブ161の直流抵抗、Rt は高圧パルス生成回路15のブリーダ抵抗、Rc はPFN用高圧フィルムコンデンサ(以下、PFNコンデンサ)Cpfn の絶縁抵抗、Rcx はPFNコンデンサの異常時絶縁抵抗Cpfn を示す。
図2において、通常時、充電電源(定電流電源)14より高圧フィルムコンデンサCpfn に充電する。ここで、充電電圧が予め設定した電圧Vpfn に到達した時点をt=0とし、この時点でスイッチ13をオフするものとする。
図3にPFNコンデンサ端子電圧を示す。t=0以降は、コンデンサCpfn の充電電荷は、Rd //Rt //Rc //Rcx を介して放電される。そのときのCpfn の端子電圧は、Vpfn =設定値を初期値として垂下する。
ΔVpfn =Id ・t/Cpfn …(1)
ここで、Id ≒Vpfn /(Rd //Rt //Rc //Rcx )
正常時は、Rcx =∞,Rc >Rd >Rt 、故にId ≒Vpfn /Rt
異常時は、Rc >Rd >Rcx となると仮定するとId ≒Vpfn /Rcx
上記(1)式より、t=t1 後の垂下電圧ΔVpfn>任意設定値となるRcx を異常検出用の閾値とする。
ここで、Id ≒Vpfn /(Rd //Rt //Rc //Rcx )
正常時は、Rcx =∞,Rc >Rd >Rt 、故にId ≒Vpfn /Rt
異常時は、Rc >Rd >Rcx となると仮定するとId ≒Vpfn /Rcx
上記(1)式より、t=t1 後の垂下電圧ΔVpfn>任意設定値となるRcx を異常検出用の閾値とする。
すなわち、図1に示した異常検出回路16では、Vpfn 分圧電圧(高圧プローブ出力)は2つのサンプルホールド回路162,163に入力される。一方のサンプルホールド回路162は、t=0の時のVpfn 分圧電圧を出力し、他方のサンプルホールド回路163は、t=t1 のときのVpfn 分圧電圧を出力する。後段の差動増幅器164により、そのときの差電圧すなわちΔVpfn に比例した電圧を出力し、終段のコンパレータ165により事前設定閾値と比較し、出力する。閾値を超えたとき異常と判断し、高圧系出力をオフにする。
上記構成によれば、異常検出回路16が機能することにより、高圧フィルムコンデンサの絶縁抵抗劣化状態をパルス毎に監視するようにしているので、破損プロセスの早い時期に異常を検知することができ、外形変形や破裂に至る前に異常による危険を未然に防止することができる。
尚、上記実施形態はそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせでもよい。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11…PFN回路、12…充電電源、13…スイッチ、14…ダイオード、15…高圧パルス生成回路、16…異常検出回路、161…高圧プローブ、162,163…第1及び第2のサンプルホールド回路(S/H)、164…差動増幅器、165…コンパレータ。
Claims (3)
- 高圧パルス電源に用いられ、充放電により出力電圧を生成する高圧フィルムコンデンサの異常を検出する高圧フィルムコンデンサ異常検出装置において、
前記出力電圧を検出する電圧検出手段と、
前記高圧フィルムコンデンサの充電電圧が設定電圧に到達した時に前記検出電圧のレベルをサンプルホールドする第1のサンプルホールド手段と、
前記設定電圧の到達時から一定期間経過後に前記検出電圧のレベルをサンプルホールドする第2のサンプルホールド手段と、
前記第1及び第2のサンプルホールド手段それぞれのホールド電圧の差分電圧を生成する差分電圧生成手段と、
前記差分電圧を予め決められた閾値と比較して閾値を超えるとき異常と判定する異常判定手段と
を具備することを特徴とする高圧フィルムコンデンサ異常検出装置。 - 前記高圧パルス電源はインダクタ及びキャパシタによるPFN(Pulse Forming Network)を備え、
前記高圧フィルムコンデンサは、前記PFNのキャパシタであることを特徴とする請求項1記載の高圧フィルムコンデンサ異常検出装置。 - 高圧パルス電源に用いられ、充放電により出力電圧を生成する高圧フィルムコンデンサの異常を検出する高圧フィルムコンデンサ異常検出方法において、
前記出力電圧を検出し、
前記高圧フィルムコンデンサの充電電圧が設定電圧に到達した時の第1のタイミングとそれから一定時間経過後の第2のタイミングで前記検出電圧のレベルをサンプルホールドし、
前記第1及び第2のタイミングそれぞれのホールド電圧の差分電圧を生成し、
前記差分電圧を予め決められた閾値と比較して閾値を超えるとき異常と判定することを特徴とする高圧フィルムコンデンサ異常検出方法。
Priority Applications (1)
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JP2012070863A JP2013206908A (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 高圧フィルムコンデンサ異常検出装置とその検出方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106340405A (zh) * | 2016-09-27 | 2017-01-18 | 中山方圆谷涂装科技有限公司 | 一种高压电容串制作工艺 |
CN114113858A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-03-01 | 广东电网有限责任公司 | 一种低压电容柜在线监测系统 |
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CN106340405A (zh) * | 2016-09-27 | 2017-01-18 | 中山方圆谷涂装科技有限公司 | 一种高压电容串制作工艺 |
CN106340405B (zh) * | 2016-09-27 | 2019-02-22 | 中山方圆谷涂装科技有限公司 | 一种高压电容串制作工艺 |
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CN114113858B (zh) * | 2021-11-26 | 2023-11-07 | 广东电网有限责任公司 | 一种低压电容柜在线监测系统 |
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