JP2013206596A - 有機el素子とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上に機能性材料を適切に配設することにより、良好な発光特性の発揮を期待できる有機EL素子とその製造方法を提供する。
【解決手段】基板1に透明導電性材料で陽極2を形成し、陽極2の上に反射膜3を形成する。反射膜3の上に斜面部5cを有する開口部101を確保しつつ、バンク5を形成する。基板1上からUV光を照射し、斜面部5cにおいて、UV入射光と、反射膜3からの反射光の双方で、バンク表面の撥液性成分を除去する。これにより、機能性材料を含むインクとバンクの斜面部5cとの接触性を改善し、機能層の未形成領域の発生を防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は有機EL素子とその製造方法に関し、特に機能層の未形成領域の発生を抑制する技術に関する。
有機EL素子は電流駆動型の発光素子であり、陽極と陰極からなる電極対の間に、有機発光材料を含む有機発光層や、ホール輸送層、バッファ層等の機能層が配設された基本構造を有する。駆動時には電極対間に電圧印加し、陽極から有機発光層側に注入されるホールと、陰極から有機発光層側に注入される電子との再結合で発生する電界発光現象を利用する。有機EL素子は自己発光を行うので視認性が高く、完全固体素子であるため、耐衝撃性に優れるなどの特徴を有する。
有機EL素子は、機能層の材料によって大きく2つの型に分類される。
第1に、有機低分子材料を蒸着法などの真空プロセスで成膜してなる蒸着型有機EL素子である。
第2に、有機高分子材料や薄膜形成性の良い有機低分子材料をインクジェット法やグラビア印刷法等のウエットプロセスで成膜し、ホール輸送層や有機発光層を形成してなる塗布型有機EL素子である。
現在は、塗布型有機EL素子を発光単位とし、基板上に行列方向に沿って複数にわたり配設してなる有機EL表示パネルが、電子機器のディスプレイや画像表示装置等として開発されている。
有機EL素子の製造工程では、基板上に有機発光層等の機能層を配設する際、基板上の所定領域に機能層の材料となる機能性材料を適切に配設することが求められる。このため、例えば塗布型有機EL素子の製造工程において、基板表面の機能層を形成しない領域に予め撥液性を付与し、この領域に機能性材料を含むインクを付着しにくくさせる対策がなされている。
特開2010−244868号公報
しかしながら従来の有機EL素子の製造工程では、未だ機能層を所定領域に適切に形成できない場合がある。
機能性材料が所定領域に適切に配設されないと、機能層の未形成領域を含む有機EL素子が製造される。このような未形成領域を含む有機EL素子では、駆動時に未形成領域で短絡が生じる等の問題によって発光特性が著しく低下することがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、基板上に機能性材料を適切に配設することにより、良好な発光特性を期待できる有機EL素子とその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る有機EL素子の製造方法は、基板の上方に、第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記基板の上方に、エネルギー線に対して反射特性を有する反射膜を形成する反射膜形成ステップと、内周が前記斜面部で囲まれた開口部を存在させつつ、前記エネルギー線に対して透過性を有し且つ撥液性成分を含有する隔壁を、前記基板表面を平面視した場合に前記斜面部相当部分に前記反射膜が位置するように形成する隔壁形成ステップと、前記エネルギー線を前記基板の上方から照射し、前記隔壁への前記エネルギー線の入射光と、前記隔壁を透過し且つ前記反射膜で反射した前記エネルギー線の反射光とによって、前記開口部の前記斜面部の少なくとも一部における前記隔壁表面の撥液性を低下させる表面処理ステップと、前記開口部の内部に、前記撥液性が低下した前記隔壁表面に接触するように機能性材料を配設して、前記基板の上方に機能層を形成する機能層形成ステップと、前記機能層の上方に、第2電極を形成する第2電極形成ステップとを経るものとする。
上記した本発明の一態様における有機EL素子の製造方法では、基板上にエネルギー線に対して反射特性を有する反射膜を配設するとともに、前記基板上にエネルギー線に対して透過性を有し、且つ撥液性を有する材料を用いて開口部を存在させながら隔壁を形成する。ここで前記反射膜は、基板を平面視した際、前記開口部の斜面部相当部分に位置するように配置する。
この工夫により、基板にエネルギー線を照射する表面処理ステップでは、開口部の斜面部の隔壁表面に対し、エネルギー線の入射光と、隔壁内を透過し反射膜で反射されたエネルギー線の反射光の双方が照射され、撥液性成分が豊富なエネルギー線により分解される。これにより斜面部の隔壁表面では撥液性が効果的に低減されるため、開口部の内部に機能性材料を接触させて機能層を形成する際、機能性材料を斜面部に対して良好な濡れ性で接触させることができる。その結果、開口部内の斜面部付近における機能層の未形成領域の発生を防止することができる。
よって本発明の一態様における有機EL素子の製造方法では、基板上に機能層を適切に形成し、良好な発光特性を持つ有機EL素子を製造することを期待できる。
実施の形態1に係る有機EL素子100Gの概略構成を示す部分断面図である。 有機EL素子100R、100G、100Bの配置を示す有機EL表示パネル10の正面図である。 有機EL素子100Gの製造工程の一例を示す図である。 有機EL素子100Gの製造工程の一例を示す図である。 有機EL素子100Gの製造工程の一例を示す図である。 実施例(反射膜有)と比較例(反射膜無)のUV照射前後における、隔壁表面の機能性材料の接触角の変化を示す図である。 比較例(反射膜無)にUV照射処理を行った場合の有機層材料の未形成領域を観察した結果を示す写真である。 実施例(反射膜有)にUV照射処理を行った場合の有機層材料の未形成領域を観察した結果を示す写真である。 比較例(反射膜無)で発生した未形成領域の測定結果を示すグラフである。 トップエミッション型とボトムエミッション型の各素子の隔壁の濡れ性の差を示すグラフである。 実施の形態2に係る有機EL素子100G1の概略構成を示す部分断面図である。 実施の形態3に係る有機EL素子100R2、100G2、100B2の概略構成を示す部分断面図である。
<実施の態様>
本発明の一態様に係る有機EL素子の製造方法は、基板の上方に、第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記基板の上方に、エネルギー線に対して反射特性を有する反射膜を形成する反射膜形成ステップと、内周が前記斜面部で囲まれた開口部を存在させつつ、前記エネルギー線に対して透過性を有し且つ撥液性成分を含有する隔壁を、前記基板表面を平面視した場合に前記斜面部相当部分に前記反射膜が位置するように形成する隔壁形成ステップと、前記エネルギー線を前記基板の上方から照射し、前記隔壁への前記エネルギー線の入射光と、前記隔壁を透過し且つ前記反射膜で反射した前記エネルギー線の反射光とによって、前記開口部の前記斜面部の少なくとも一部における前記隔壁表面の撥液性を低下させる表面処理ステップと、前記開口部の内部に、前記撥液性が低下した前記隔壁表面に接触するように機能性材料を配設して、前記基板の上方に機能層を形成する機能層形成ステップと、前記機能層の上方に、第2電極を形成する第2電極形成ステップとを経るものとする。
ここで本発明の別の態様として、前記表面処理ステップでは、前記エネルギー線として紫外線を用いることもできる。
また本発明の別の態様として、前記反射膜形成ステップで形成する前記反射膜は、紫外線に対する反射率が50%以上90%以下とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記反射膜形成ステップでは、アルミニウム、アルミニウム合金、ロジウム、ロジウム合金の少なくともいずれかを用いて前記反射膜を形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記機能層形成ステップでは、前記機能性材料を含むインクを前記開口部の内部に塗布することもできる。
また本発明の別の態様として、前記機能性材料を有機発光材料とし、前記機能層を有機発光層とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記機能性材料をホール輸送層材料とし、前記機能層をホール輸送層とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記開口部の周縁における斜面部の表面と、前記開口部内の前記基板表面との間の角度を鈍角とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記基板として透明基板を用い、前記第1電極形成ステップでは、透明導電性材料を用いて前記第1電極を形成し、前記第2電極形成ステップでは、可視光反射特性を有する導電性材料を用いて前記第2電極を形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記反射膜形成ステップでは、前記反射膜を前記第1電極の上面に形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1電極形成ステップでは、可視光反射特性を有する導電性材料を用いて前記第1電極を形成し、前記第2電極形成ステップでは、透明導電性材料を用いて前記第2電極を形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記反射膜は、前記基板上における前記第1電極の周囲の少なくとも一部領域に形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記基板表面を平面視した場合、前記開口部は、第1の方向を長軸とし、これに交差する第2の方向を短軸とする形状であって、前記反射膜形成工程では、前記第1の方向に沿った前記開口部両端の少なくともいずれかの前記斜面部相当部分に位置するように前記反射膜を形成することもできる。
また本発明の一態様である有機EL素子は、基板と、基板の上方に設けられた第1電極と、前記基板の上方に設けられた、エネルギー線に対して反射特性を有する反射膜と、
前記基板表面を平面視した場合、前記斜面部相当部分に前記反射膜が位置するように、内周が前記斜面部で囲まれた開口部を存在させつつ、前記エネルギー線に対して透過性を有し且つ撥液性成分を含有するように形成された隔壁と、前記基板の上方において、前記開口部の内部に形成された機能層と、前記機能層の上方に形成された第2電極とを有し、前記開口部の前記周縁の少なくとも一部領域の第1隔壁表面における撥液性が、前記第1隔壁表面以外の第2隔壁表面の撥液性に比べて低く、前記機能層は、前記第1隔壁表面に接触するように形成されているものとする。
ここで本発明の別の態様として、前記反射膜は、紫外線に対する反射率が50%以上90%以下の材料からなる構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記反射膜は、アルミニウム、アルミニウム合金、ロジウム、ロジウム合金の少なくともいずれかを用いてなる構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記機能性材料は有機発光材料であり、前記機能層は有機発光層である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記機能性材料はホール輸送層材料であり、前記機能層はホール輸送層である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記開口部の周縁における斜面部の表面と、前記開口部内の前記基板表面との間の角度が鈍角である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記基板は透明であり、前記第1電極は、透明導電性材料からなり、前記第2電極は可視光反射特性を有する導電性材料からなる構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1電極は、可視光反射特性を有する導電性材料からなり、前記第2電極は透明導電性材料からなる構成とすることもできる。
また本発明の一態様は、前記本発明のいずれかの態様の有機EL素子が、互いに交差する第1方向及び第2方向に沿って平面状に複数にわたり配設されてなる有機EL表示パネルとする。
<発明の経緯>
塗布型有機EL素子の製造工程において、機能層の未形成領域が発生する原因を本願発明者らが検討したところ、機能性材料を含むインクと接触する開口部の斜面部における隔壁表面の撥液性成分を分解除去するため、基板表面にエネルギー線を照射する表面処理ステップにおいて、その撥液性成分の分解除去効果が十分に得られていないことを確認した。
特に、従来のボトムエミッション型の塗布側有機EL素子を製造する場合には、第1電極及び基板、隔壁がともに透明な構成となる。この場合、表面処理ステップにおいて、基板の上面からUV光等のエネルギー線を照射すると、エネルギー線の大部分は第1電極、基板、隔壁等を透過する。このため、インクと接触する斜面部の隔壁表面における撥液性成分を十分に除去できないことを突き止めた。
そこで本発明の一態様における有機EL素子の製造方法では、基板を平面視した際、基板の上方に、開口部の内周に設けられた斜面部相当部分に合わせ、エネルギー線に対して反射特性を有する反射膜を形成する。
この工夫により表面処理ステップでは、反射膜を設けた上方の斜面部相当部分における隔壁表面に対し、エネルギー線の入射光と、反射膜による反射光の双方による豊富なエネルギー線が照射される。その結果、当該隔壁表面における撥液性成分の分解除去効果を高めることができる。
これにより、機能性材料を含むインクを撥水性成分が適切に分解除去された斜面部に付着させて機能層を形成できるため、斜面部付近における機能層の未形成領域の発生を抑制できる。よって、駆動時に機能層の未形成領域に起因する短絡の発生を抑制して、良好な発光特性を有する有機EL素子を製造することが可能である。
また表面処理ステップでは、基板上に配設した反射膜を用いてエネルギー線の反射光を利用することにより、斜面部の隔壁表面の撥液性成分を除去するためのエネルギー線の照射時間をそれほど掛けなくても良い。このため長時間のエネルギー線照射による基板上の構成要素のダメージ(熱損傷等)を抑制し、有機EL素子の長寿命化や高温環境下での良好な連続駆動を実現することも可能である。
<実施の形態1>
(有機EL表示パネル10)
図1は、有機EL表示パネル10の1画素を示す部分断面図である。また図2は、有機EL表示パネル10の1画素を示す部分的な正面図である。
有機EL表示パネル10では、赤(R)色、青(B)色、緑(G)色の各発光色の有機EL素子100R、100G、100Bがバンク(隔壁)5で区画された各領域にX方向に沿って配置されている。有機EL素子100R、100G、100Bの各々はサブピクセルを構成する。そして図2に示すように、隣接する3つの有機EL素子100R、100G、100Bは、1組で1画素(ピクセル)を構成している。
なお、X方向に沿って、例えば1画素毎や数画素毎にバスバー(補助配線)領域が設けられることもある。
図1に示すように、有機EL表示パネル10は、TFT基板1(以下、単に「基板1」と記載する。)と、その上面に同順に積層された第1電極(ここでは陽極)2と、反射膜3と、ホール注入層4とを有する。さらにホール注入層4の上には、隣接するバンク5の間に、ホール輸送層(IL層)6A、有機発光層6Bと、電子輸送層7と、陰極8と、封止層9とを有する。
陽極2、反射膜3、ホール輸送層6A及び有機発光層6Bは、有機EL素子100R、100G、100B毎に個別に形成される。ホール注入層4、電子輸送層7、陰極8、封止層9は基板1の表面の全体にわたり一様に形成される。ここでは基板1、陽極2を透明材料で構成し、陰極2を可視光反射材料で構成することで、有機EL素子100R、100G、100Bをボトムエミッション型として構成している。
有機EL表示パネル10の利用形態としては、オーディオ装置と組み合わせたテレビジョンシステムの一部とすることができる。有機EL表示パネル10は液晶ディスプレイ(LCD)のようにバックライトを必要としないので薄型化に適しており、システムデザイン設計という観点から優れた特性を発揮する。
以下、有機EL素子100R、100G、100Bの各構成要素を述べる。
[基板1]
基板1は有機EL素子100R、100G、100Bの基材となる部分であり、基板本体の表面に透明なTFT配線部が形成されてなる。基板本体は、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコン系樹脂、またはアルミナ等の絶縁性材料のいずれかで形成することができる。
[陽極2]
陽極2は、有機発光層6B側にホールを供給するための電極である。実施の形態1では、有機EL素子100R、100G、100Bをボトムエミッション構造とするため、陽極2を透明導電性材料、たとえばIZOまたはITO等の薄膜で構成する。
[反射膜3]
反射膜3は実施の形態1における主な特徴部の一つであって、UV等のエネルギー線に対して反射性を有する材料、例えばアルミニウムやアルミニウム合金(ACL等)で構成される。
ここで図2では、基板1を平面視した際の反射膜3の配設位置を点線で示している。反射膜3は図2に示すように基板1を平面視した際、バンク5の上端部5aから下端部5bに挟まれた斜面部5cに相当する位置に合わせて環状に設けられる。ここでは配置マージンを考慮し、一例として反射膜3の内側端部3bをバンク5の下端部5bと重ならせ、反射膜3の外側端部3aをバンク5の上端部5aよりやや外側まで延長して設けている。このような反射膜3は、製造時の基板1上にエネルギー線を照射する表面処理ステップにおいて、バンク5内に入射されたエネルギー線の入射光を上方側に反射する目的で設けている。
[ホール注入層4]
ホール注入層4は有機発光層6B側にホールを注入する際の注入効率を高める目的で配設され、例えば遷移金属酸化物からなる透明な薄膜で構成される。
[バンク5]
バンク5は、透明な絶縁性材料からなり、サブピクセルを区画する開口部101R、101G、101Bを存在させつつ、ホール注入層4の表面において、一定の台形(テーパー状)断面を持つストライプ構造または井桁構造をなすように形成される。開口部101R、101G、101Bは内周が斜面部5cで囲まれている。斜面部5cは上端部5aから下端部5bにかけて傾斜し、開口部101R、101G、101Bと斜面部5cの表面との間の角度は鈍角になっている。
[ホール輸送層6A]
ホール輸送層6Aは、有機発光層6B側にホールを輸送する際の輸送効率を高める目的で配設され、例えばアミン系高分子材料を用いて構成される。
[有機発光層6B]
有機発光層6Bは、駆動時に陽極2側から供給されるホールと、陰極8側から供給される電子とを再結合し、発光させる目的で配設される。有機EL素子100R、100G、100Bの各素子の有機発光層6Bは、同順に赤色、緑色、青色発光材料を用いて構成されている。
[電子輸送層7]
電子輸送層7は、有機発光層6B側へ電子を輸送する際の輸送効率を高める目的で配設され、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属からなる膜で構成される。
[陰極8]
陰極8は、有機発光層6B側に電子を供給する電極であって、可視光反射特性を有する材料、例えばアルミニウムやアルミニウム合金材料を用いて構成される。
[封止層9]
封止層9は、有機発光層6Bが水分や空気等に触れて劣化するのを抑制する目的で配設され、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の材料を用いて構成される。
(効果)
以上の構成を持つ有機EL素子100R、100G、100Bにおいては、製造時に反射膜3を利用した表面処理ステップによって、バンク5の斜面部5cの表面における撥液性成分が適切に分解除去されている。これにより、製造時に機能性材料が斜面部5cに良好に接触し、未形成領域の発生を抑制して各開口部101R、101G、101Bの内部にホール輸送層6A及び有機発光層6Bが形成されている。
このようにホール輸送層6A及び有機発光層6Bの未形成領域の発生を抑制することによって、駆動時にホール輸送層6A及び有機発光層6Bの未形成領域に起因する短絡の発生を防止でき、優れた発光特性の有機EL素子100R、100G、100Bが実現されている。
また、反射膜3の配設により、表面処理ステップにおけるエネルギー線の照射時間を比較的短く抑えられるため、エネルギー線を照射することで基板側に及ぶダメージを軽減でき、有機EL素子100R、100G、100Bの長寿命化を図るとともに、高温環境下における有機EL素子100R、100G、100Bの連続駆動が可能になっている。
<有機EL素子100R、100G、100Bの製造方法>
次に、有機EL素子100R、100G、100Bの製造方法を図3〜5を用いて例示する。図3〜5は、有機EL素子の製造工程を順次示す断面図である。このうち図4は、表面処理ステップを示す図である。
[基板準備ステップからバンク形成ステップまで]
まず、基板1を準備する。基板1上にパターンマスクを介し、真空蒸着法に基づいて透明導電性材料を用いて成膜する。これにより、基板1上に所定間隔ごとに陽極2を形成する(図3(a))。
次に、各陽極2の表面であって、後に形成するバンク5の斜面部5cの位置に合わせ、パターンマスクを介してアルミニウム材料を蒸着する。これにより反射膜3を形成する(図3(b))。なお、反射膜3を形成する位置は基板1上に直接設けても良いし、陽極2の横に設けることもでき、その配設位置は限定されない。ここでは陽極2の上に反射膜3を設ける例を示している。
次に、反射膜3を形成した基板1の表面全体にわたり、真空蒸着法に基づき、ホール注入層4を成膜する(図3(c))。
次に、基板1の表面に感光性レジスト層を一様に形成する。フォトリソグラフィー法に基づき、パターンマスクを介して露光を行い、現像処理を実施することで、所定の形状を有するバンク5を形成する(図3(d))。このとき、当図に示すように、バンク5の斜面部5cの上端部5aと下端部5bの間に反射膜3が位置するように、バンク5を形成する。
[表面処理ステップ]
次に、バンク5を形成した基板1の上方から、一様にエネルギー線を照射する。これにより、基板1の表面に残存しているバンク残渣を分解除去するとともに、バンクの斜面部5cの表面の撥液性成分を分解除去する。
ここで照射するエネルギー線としては、一例として波長254nmのUV光を用いることができる。
図4に示すように、基板1の表面に対し、オゾン(O3)存在下にて、UV光を一様に照射する。これによりUV光を照射されたオゾン分子に起因して活性酸素が発生し、基板1の表面に存在する微小なバンク残渣が分解除去される。
ここで基板1、ホール注入層4、バンク5は透明であるため、これらに入射したUV光の入射光の大部分は、基板1の裏面側より透過する。
しかしながら反射膜3を設けた領域では、入射光は反射膜3の表面で反射され、反射光となって上方側に照射される。これにより、反射膜3の上方に位置するバンク5の斜面部5cには、UV光の入射光と反射光の双方が照射され、豊富なUV光のエネルギーによって斜面部5cの表面の撥液性成分が効率よく分解除去される。
なお、厚み(Z)方向からバンク5に入射されるUV光のエネルギーは、バンク5の内部へ進行するに従って減衰する。
ここで、バンク5の高さh0よりも低い、高さh1、h2(h1>h2とする。)における各バンクの斜面部5cでの撥液性成分の分解効果を考える。高さh1よりバンク5の内部に入射されたUV光の入射光と、反射膜3にて反射された反射光の総量は、高さh2よりバンク5の内部に入射されたUV光の入射光と反射光の総量よりも少ない。よって、バンクのZ方向高さが高いほど、そのZ方向高さに応じた斜面部5cの表面で発揮される撥液性成分の分解除去効果は低く、斜面部5cでの撥液性成分の分解除去効果は、上端部5aから下端部5bにかけて高いと考えられる。
これにより機能性材料と接触し易い、下端部5b寄りの斜面部5cの領域では、高い撥液性成分の分解除去効果が発揮される。一方、上端部5aよりの斜面部5cの領域では撥液性がある程度維持され、隣接する開口部101R間で機能性材料を含むインクの混色を適切に防止する効果が発揮されることとなる。
このように実施の形態1の表面処理ステップでは、基板1の上方より一様にUV照射を行っても、反射膜3を配設することで、その配設位置に応じた位置において撥水性成分の分解除去効果を良好に得ることができ、しかもバンク5の高さに応じて撥水性成分の分解除去効果を変化させることができる。
このような諸効果は、単に基板1の上方からエネルギー線を照射するだけでは得られず、反射膜3及びバンク5を基板1上の所定の位置に形成し、その上からエネルギー線を照射することによって初めて得られるものである。
[機能層形成ステップから封止層形成ステップまで]
次に、バンク5で区画された開口部101R、101G、101Bの各内部に、ホール輸送材料を含むインク6AXを塗布する(図5(a))。このとき、先に行った表面処理ステップによって、バンクの斜面部5cの表面は撥液性成分が適切に分解除去されているため、良好な濡れ性を有している。従ってインク6AXは比較的小さな接触角で斜面部5cに接触し、未形成領域の発生を防いで適切にインク6AXが充填される。これにより、ホール輸送材料も斜面部5cに良好に接触する。充填されたインク6AXを溶媒乾燥すると、ホール輸送層6Aが形成される。
次に、開口部101R、101G、101Bの各内部に、有機発光材料を含むインク6BXを塗布する(図5(b))。この工程でも、表面処理ステップでバンクの斜面部5cでは撥液性成分が適切に分解除去されていることにより、良好な濡れ性が発揮され、インク6BXが適切に斜面部5cと接触する。これにより、有機発光材料も斜面部5cに良好に接触し、有機発光層6Bの未形成領域の発生を抑制できる。インク6BXを溶媒乾燥することで、有機発光層6Bが形成される。
その後、有機発光層6Bの上面、及びバンク5が露出している表面に対し、真空蒸着法に基づき、一様に電子輸送層7を形成する(図5(c))。これと同様の要領で、陰極8、封止層9を順次成膜すると、有機EL素子100R、100G、100Bが得られる(図1)。
このような工程で有機EL素子100を基板1上に複数形成することで、有機EL表示パネル10が完成する。
<有機EL素子100の各構成材料について>
有機EL素子100を上記製造方法で製造する際、各構成要素の材料例としては、次の各材料を用いることができる。
[基板1の材料]
基板1における基板本体の材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の透明な絶縁性材料が挙げられる。また、有機樹脂フィルムを用いることもできる。一方、基板1におけるTFT配線部の材料としては、公知の透明な導電性材料及び半導体材料を用いることができる。
[陽極2の材料]
陽極2の材料としては、可視光透過性を有する材料、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明導電性材料を用いることができる。
[反射膜3の材料]
反射膜3の材料としては、表面処理ステップで用いるエネルギー線に対して反射特性を有する材料であれば限定されない。例えばアルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料を用いると、コスト的にも有利である。
[ホール注入層4の材料]
ホール注入層4の材料としては、酸化タングステン、酸化モリブデン等の線に金属酸化物材料を利用できる。但し、ボトムエミッション構造の有機EL素子を製造する場合は透明材料を用いる点に留意する。
[バンク5の材料]
バンク5の材料としては、絶縁性を有する樹脂等の透明な有機材料が挙げられる。有機材料の例として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等がある。バンク5は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。さらに、バンク5はエッチング処理、ベーク処理等がなされるので、それらの処理に対して過度に変形、変質を起こさない耐性の高い材料で形成することが好ましい。
[ホール輸送層6Aの材料]
ホール輸送層6Aの材料としては、高分子材料または低分子材料のいずれを用いてもよい。フルオレン部位とトリアリールアミン部位を含む共重合体や、低分子量のトリアリールアミン誘導体等のアミン系材料を例示できる。
[有機発光層6Bの材料]
有機発光層6Bとしては、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリパラフェニレンエチレン、ポリ3−ヘキシルチオフェンやこれらの誘導体などの高分子材料や、特開平5−163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質を挙げることができる。
[電子輸送層7の材料]
電子輸送層7の材料としては、例えばバリウム等のアルカリ金属材料やアルカリ土類金属材料を挙げることができる。
[陰極8の材料]
陰極8は、可視光反射特性を有する導電性材料、例えばアルミニウムやアルミニウム合金(ACL等)を挙げることができる。
[封止層9の材料]
封止層9の材料としては、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、炭素含有酸化シリコン(SiOC)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)等の材料がある。
<性能確認試験>
(インクの接触角の変化について)
上記実施の形態の反射膜による効果を確認するため、実施例と比較例の各サンプルを作成して実験を行った。
実験用サンプルとして、実施例は基板1上に上記した製造方法と同様の方法で反射膜3及びバンク5のみを形成した構成とした。一方、比較例は、反射膜3を設けない以外は実施例と同様の構成とした。
これらの実施例及び比較例に対し、表面処理ステップ前に機能性材料を含むインクとして、ホール輸送材料を含むインク(以下、単に「インク」と称する。)をバンク5に接触させ、接触角を測定した。その後、表面処理ステップにおいて、波長254nmのUV光を180sec照射後、200℃にて15分間ベーク処理を実施した。その後、先と同様の手順でインクをバンク5に接触させ、接触角を測定した。図6に実施例及び比較例における、インクとバンク5との接触角の変化を示すグラフを示す。
当図に示すように、UV照射前の状態では、実施例及び比較例のいずれも、インクの接触角は比較的高い値を示している。しかしながらUV照射とベーク処理を実施した後は、実施例が比較例よりも低い接触角に低減されていることを確認できる。これにより反射膜を配設して表面処理ステップを実施すると、反射膜の配設相当位置において、反射膜が無い場合に比べてバンク表面の撥液性成分の分解効果が改善されることを確認した。
(機能層の未形成領域の発生について)
次に、実施例サンプル及び比較例サンプルの有機EL素子を複数ずつ用意し、反射膜がある場合と無い場合とで、開口部に機能性材料を含むインクを塗布した場合に、機能層の未形成領域の発生の頻度に差があるかを調べた。
まず、実施の形態1と同じ全体構造を有し、反射膜のみ設けない比較例サンプルの有機EL素子の組立中間体を18個用意した(No.1〜18)。
このうちNo.1〜9の各比較例サンプルに対し、約200℃にて15分、初期加熱処理を行った後、表面処理ステップとしてUV照射を180sec行った。その後、No.1〜9の順に、開口部内に一定量の機能性材料を含むインク(本実験ではではホール輸送層材料を含むインク)を滴下した。
一方、No.10〜18の各比較例サンプルに対し、約200℃にて15分、初期加熱処理を行った後、表面処理ステップとしてUV照射を300sec行った。その後、No.10〜18の順に、開口部内に一定量のインクを滴下した。
次に、実施の形態1と同じ全体構造を有する実施例サンプルの有機EL素子の組立中間体を18個用意した(No.19〜36)。その後は実施例No.19〜27を比較例No.1〜9とそれぞれ同様の手順で処理した。一方、実施例No.28〜36では初期加熱処理を行わず、表面処理ステップとしてUV照射を180sec行った。
各基板の上方から顕微鏡で確認した比較例及び実施例の結果を、同順に図7、8に示す。図中、「判定」は目視にて未形成領域が確認できなかったものを「OK」、確認したものを「NG」で示している。
図7に示すように、反射膜が無い比較例では、UV照射時間が少ないサンプルにおいて、長手方向端部に機能層(ホール輸送層)の未形成領域が発生している(サンプルNo.1、3、6−9)。これは反射膜が無いためにUV光が基板を透過してしまい、十分にバンクの斜面部の撥液性成分の分解効果が得られず、バンクの斜面部よりインクが離れたことが原因であると考えられる。一方、サンプルNo.10〜18については、機能層の未形成領域の発生は確認できなかったが、UV照射時間が比較的長かったため、基板が熱損傷によりダメージを受けていることを確認した。
一方、図8の各実施例サンプルを見ると、初期加熱の有無に関わらず、UV照射時間が180secと比較的短い場合であっても、未形成領域の発生は確認できなかった。これは反射膜の採用により、短い照射時間であってもUV光によってバンク表面の撥液性成分を適切に分解除去し、良好にインクを塗布できた結果であると考えられる。
なお、この実施例の結果より、UV照射処理前に基板を加熱しなくても反射膜を用いることで、バンク表面の撥液性成分を十分に除去できると考えられる。UV照射時間を短時間で済ませることで、UV照射に伴う基板のダメージを軽減する効果も期待できる。
(インクの未濡れの検出方法について)
インクの未濡れの検出方法としては、例えば図9に示すように、素子断面構造を見ることで実施できる。この図9の例では、バンク及びバンク間の基板の表面形状が「下地表面形状」として表わされ、機能層(この場合はホール輸送層(IL層))の表面形状が下地表面から大きく離脱した部分が存在すれば、その部分で機能層の未形成領域が発生していることを確認できる。当図では、右側側面付近においてIL層表面形状が膨出しており、機能層の未形成領域が存在していることを確認できる。
(トップエミッション型とボトムエミッション型のIL層の各膜厚について)
本願発明者らは、トップエミッション型とボトムエミッション型の各素子の製造工程において、開口部に同じ液滴数の機能性材料を含むインクを滴下し、機能層を形成する場合、バンクの斜面部の撥液性の程度により、機能層の膜厚に差異が生じうることを確認した。これを図10を用いて説明する。
図10には、開口部に滴下するホール輸送層材料を含むインクの液滴数と、これに応じて形成されるホール輸送層(IL層)の膜厚との関係を示す。本願発明者らが検討したところ、同じ液滴数のインクを開口部に滴下しても、従来のボトムエミッション型の素子の方がトップエミッション型の素子よりもIL層の膜厚を厚くできることが分かった。この原因として、次のことが考えられる。
すなわち、トップエミッション型の素子では、陽極が可視光を反射する反射陽極として形成されるため、表面処理ステップにおいてUV光を照射する際、UV光が反射陽極にて反射される。その結果、バンクの斜面部にもUVの反射光が若干及び、その分、バンクの斜面部の撥液性が除去される。これにより、開口部に塗布されたインクはバンクの斜面部に比較的多く被着し、その分、バンクに囲まれた基板底面への付着量が減少するため、IL層の膜厚が薄くなる。一方の従来のボトムエミッション型の素子では、多くのUV光が透過光として基板を透過するため、バンクの斜面部の撥液性成分を十分に分解除去できない。よって従来のボトムエミッション型の素子では、バンクの斜面部に残存する撥液性により、バンクの斜面部に被着するインクの量が比較的少なくなり、IL層の膜厚が厚くなると思われる。但し、従来のボトムエミッション型では前述したように、IL層の未形成領域が発生するという別の問題が存在する。
そこで実施の形態1のように、ボトムエミッション型の素子においても反射膜を配設すれば、機能層の膜厚をある程度維持しつつ、機能層の未形成領域の発生も効果的に防止できる。このため実施の形態1の製造方法は、機能層の膜厚の一定の確保と、機能層の未形成領域の防止とを両立させる効果を期待できるものである。
続いて、本発明の別の実施の形態について、実施の形態1との差異を中心に説明する。
<実施の形態2>
図11に、実施の形態2に係る有機EL表示パネル10Aの有機EL素子100G1周辺の構成を示す。
有機EL素子100G1は、トップエミッション型であり、基板1の表面に可視光反反射特性を有する反射陽極2Aを形成している。反射陽極2Aは、例えばアルミニウムまたはACL等のアルミニウム合金で構成される。反射陽極2Aの表面には、透明導電性材料からなる電極被覆層を設けても良い。
一方、陰極8は可視光透過性を有する透明導電性材料、例えばITOやIZOで構成される。
反射膜3Aは、反射膜3と同じ構成であるが、反射陽極2Aの周囲を取り囲むように、バンク5の斜面部5cの位置に合わせて形成される。駆動時には、有機発光層6Bから発光は反射陽極2Aより反射されて上面より取り出される。
以上の構成を持つ有機EL素子100G1においても、実施の形態1と同様に、製造時の表面処理ステップにおいて、バンク5の斜面部5cへのUV光の入射光と、反射膜3Aで反射される反射光とによって、バンク5の斜面部5cの表面の撥液性成分が効果的に除去される。これにより、未形成領域の発生を防いでホール輸送層6A及び有機発光層6Bを良好に形成でき、実施の形態1と同様の効果を期待できる。
<実施の形態3>
図12に、実施の形態3に係る有機EL表示パネル10Bの部分的な正面図を示す。
有機EL表示パネル10Bでは、基板1上に設けられた有機EL素子100R2、100G2、100B2において、開口部101R、101G、101Bの各長軸(Y)方向の両端にのみ、部分的に反射膜3B、3Cを設けた特徴を有する。
このような構成によれば、従来、ホール輸送層6A及び有機発光層6Bの未形成領域が比較的発生し易かった開口部101R、101G、101Bの部分に限定して反射膜を設けることができ、実施の形態1、2と同様の効果を期待することができる。
また、反射膜3、3Aに比べて反射膜3B、3Cを小面積で形成することができるため、材料を削減でき、素子構造を簡略化することも可能である。
<その他の事項>
上記各実施の形態では、機能層の一つとしてホール輸送層6Aを設ける例を示したが、これは必須ではなく、適宜省略することもできる。
バンクの形状はピクセルバンク構造に限定されず、Y方向にストライプ状に形成する、いわゆるラインバンク形状であってもよい。
また、機能層としては、ホール輸送層、有機発光層の他、バッファ層等であってもよい。
上記実施の形態では、ホール輸送層及び有機発光層をウエットプロセスで形成する例を示したが、機能層はウエットプロセスに限定されず、ドライプロセスで形成してもよい。例えばホール輸送層や有機発光層を蒸着法等の真空プロセスにて成膜することも可能である。
表面処理ステップにおいて、基板1に照射するエネルギー線としては、紫外線の他、例えば軟X線 (Soft X−ray)を挙げることができる。
本発明は、例えば携帯電話用のディスプレイやテレビなどの表示素子、各種光源などに使用される有機EL素子の製造方法として利用可能である。いずれの用途においても良好な発光特性または画像表示性能を発揮することのできる有機EL素子や有機EL表示パネルの製造を期待することが可能である。
1 TFT基板
2 第1電極(透明陽極)
2A 第1電極(反射陽極)
3、3A、3B、3C 反射膜
3a、3b 反射膜の端部
4 ホール注入層
5 バンク(隔壁)
5a バンク上端部
5b バンク下端部
5c バンクの斜面部
6A 機能層(ホール輸送層)
6B 機能層(有機発光層)
7 電子輸送層
8 第2電極(陰極)
9 封止層
10、10A、10B 有機EL表示パネル
100R、100G、100B、100R1、100G1、100B1、100R2、100G2、100B2 有機EL素子
101R、101G、101B 開口部

Claims (22)

  1. 基板の上方に、第1電極を形成する第1電極形成ステップと、
    前記基板の上方に、エネルギー線に対して反射特性を有する反射膜を形成する反射膜形成ステップと、
    内周が前記斜面部で囲まれた開口部を存在させつつ、前記エネルギー線に対して透過性を有し且つ撥液性成分を含有する隔壁を、前記基板表面を平面視した場合に前記斜面部相当部分に前記反射膜が位置するように形成する隔壁形成ステップと、
    前記エネルギー線を前記基板の上方から照射し、前記隔壁への前記エネルギー線の入射光と、前記隔壁を透過し且つ前記反射膜で反射した前記エネルギー線の反射光とによって、前記開口部の前記斜面部の少なくとも一部における前記隔壁表面の撥液性を低下させる表面処理ステップと、
    前記開口部の内部に、前記撥液性が低下した前記隔壁表面に接触するように機能性材料を配設して、前記基板の上方に機能層を形成する機能層形成ステップと、
    前記機能層の上方に、第2電極を形成する第2電極形成ステップとを経る
    有機EL素子の製造方法。
  2. 前記表面処理ステップでは、前記エネルギー線として紫外線を用いる
    請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記反射膜形成ステップで形成する前記反射膜は、紫外線に対する反射率が50%以上90%以下である
    請求項2に記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記反射膜形成ステップでは、アルミニウム、アルミニウム合金、ロジウム、ロジウム合金の少なくともいずれかを用いて前記反射膜を形成する
    請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  5. 前記機能層形成ステップでは、
    前記機能性材料を含むインクを、前記開口部の内部に塗布する
    請求項1〜4のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  6. 前記機能性材料は有機発光材料であり、前記機能層は有機発光層である
    請求項1〜5のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  7. 前記機能性材料はホール輸送層材料であり、前記機能層はホール輸送層である
    請求項1〜5のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  8. 前記開口部の周縁における斜面部の表面と、前記開口部内の前記基板表面との間の角度が鈍角である
    請求項1〜7のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  9. 前記基板として透明基板を用い、
    前記第1電極形成ステップでは、透明導電性材料を用いて前記第1電極を形成し、
    前記第2電極形成ステップでは、可視光反射特性を有する導電性材料を用いて前記第2電極を形成する
    請求項1〜8のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  10. 前記反射膜形成ステップでは、
    前記反射膜を前記第1電極の上面に形成する
    請求項9に記載の有機EL素子の製造方法。
  11. 前記第1電極形成ステップでは、可視光反射特性を有する導電性材料を用いて前記第1電極を形成し、
    前記第2電極形成ステップでは、透明導電性材料を用いて前記第2電極を形成する
    請求項1〜8のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  12. 前記反射膜は、前記基板上における前記第1電極の周囲の少なくとも一部領域に形成する
    請求項11に記載の有機EL素子の製造方法。
  13. 前記基板表面を平面視した場合、前記開口部は、第1の方向を長軸とし、これに交差する第2の方向を短軸とする形状であって、
    前記反射膜形成工程では、前記第1の方向に沿った前記開口部両端の少なくともいずれかの前記斜面部相当部分に位置するように前記反射膜を形成する
    請求項1〜12のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  14. 基板と、
    基板の上方に設けられた第1電極と、
    前記基板の上方に設けられた、エネルギー線に対して反射特性を有する反射膜と、
    前記基板表面を平面視した場合、前記斜面部相当部分に前記反射膜が位置するように、内周が前記斜面部で囲まれた開口部を存在させつつ、前記エネルギー線に対して透過性を有し且つ撥液性成分を含有するように形成された隔壁と、
    前記基板の上方において、前記開口部の内部に形成された機能層と、
    前記機能層の上方に形成された第2電極とを有し、
    前記開口部の前記周縁の少なくとも一部領域の第1隔壁表面における撥液性が、前記第1隔壁表面以外の第2隔壁表面の撥液性に比べて低く、
    前記機能層は、前記第1隔壁表面に接触するように形成されている、
    有機EL素子。
  15. 前記反射膜は、紫外線に対する反射率が50%以上90%以下の材料からなる
    請求項14に記載の有機EL素子。
  16. 前記反射膜は、アルミニウム、アルミニウム合金、ロジウム、ロジウム合金の少なくともいずれかを用いてなる
    請求項14〜15のいずれかに記載の有機EL素子。
  17. 前記機能性材料は有機発光材料であり、前記機能層は有機発光層である
    請求項14〜16のいずれかに記載の有機EL素子。
  18. 前記機能性材料はホール輸送層材料であり、前記機能層はホール輸送層である
    請求項14〜16のいずれかに記載の有機EL素子。
  19. 前記開口部の周縁における斜面部の表面と、前記開口部内の前記基板表面との間の角度が鈍角である
    請求項14〜18のいずれかに記載の有機EL素子。
  20. 前記基板は透明であり、前記第1電極は、透明導電性材料からなり、
    前記第2電極は可視光反射特性を有する導電性材料からなる
    請求項14〜19のいずれかに記載の有機EL素子。
  21. 前記第1電極は、可視光反射特性を有する導電性材料からなり、
    前記第2電極は透明導電性材料からなる
    請求項14〜19のいずれかに記載の有機EL素子。
  22. 請求項14〜21のいずれかに記載の有機EL素子が、互いに交差する第1方向及び第2方向に沿って平面状に複数にわたり配設されてなる
    有機EL表示パネル。
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