JP2013205451A - カメラレンズアダプタ - Google Patents
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Abstract
【課題】極微小単位での焦点調節を可能とすること。
【解決手段】カメラボディ100とレンズ鏡筒200との間に、着脱自在に介装されるカメラレンズアダプタであって、光学的媒質を含有し、厚み方向に変形可能な透明平行平板を備え、前記透明平行平板の厚みが変化することで、光学系の焦点状態を調節可能な焦点調節光学系340と、前記焦点調節光学系の前記透明平行平板の厚みを変化させることで、前記光学系の焦点状態の調節を行なう焦点調節手段330と、前記焦点調節光学系を振動させる振動手段330と、を備えることを特徴とするカメラレンズアダプタ。
【選択図】図1
【解決手段】カメラボディ100とレンズ鏡筒200との間に、着脱自在に介装されるカメラレンズアダプタであって、光学的媒質を含有し、厚み方向に変形可能な透明平行平板を備え、前記透明平行平板の厚みが変化することで、光学系の焦点状態を調節可能な焦点調節光学系340と、前記焦点調節光学系の前記透明平行平板の厚みを変化させることで、前記光学系の焦点状態の調節を行なう焦点調節手段330と、前記焦点調節光学系を振動させる振動手段330と、を備えることを特徴とするカメラレンズアダプタ。
【選択図】図1
Description
本発明は、カメラボディとレンズ鏡筒との間に、着脱自在に介装されるカメラレンズアダプタに関するものである。
従来より、焦点調節用のレンズを、モータなどのアクチュエータにより駆動することで、焦点調節用のレンズを光軸方向に移動させ、これにより、光学系の焦点調節を行なう撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術では、モータなどのアクチュエータにより、焦点調節用のレンズを移動させて、光学系の焦点調節を行なうものであるため、極微小単位での焦点調節を行なうことが困難であるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、極微小単位での焦点調節を可能とすることにある。
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。なお、以下においては、本発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、この符号は本発明の理解を容易にするためだけのものであって発明を限定する趣旨ではない。
[1]本発明のカメラレンズアダプタは、カメラボディ(100)とレンズ鏡筒(200)との間に、着脱自在に介装されるカメラレンズアダプタであって、光学的媒質を含有し、厚み方向に変形可能な透明平行平板を備え、前記透明平行平板の厚みが変化することで、光学系の焦点状態を調節可能な焦点調節光学系(340)と、前記焦点調節光学系の前記透明平行平板の厚みを変化させることで、前記光学系の焦点状態の調節を行なう焦点調節手段(330)と、前記焦点調節光学系を振動させる振動手段(330)と、を備えることを特徴とする。
[2]本発明のカメラレンズアダプタにおいて、前記振動手段(330)が、前記第2の焦点調節光学系を厚み方向に振動させるように構成することができる。
[3]本発明のカメラレンズアダプタにおいて、前記焦点調節手段(330)が、下記式(1)に従って、前記焦点調節光学系の前記透明平行平板を通過する光による像の結像面を、光軸方向に沿って移動させることで、前記光学系の焦点状態の調節を行なうように構成することができる。
(上記式(1)において、Δs’は透明平行平板を通過する光による像の結像面の光軸方向における移動量、nは透明平行平板に含有される光学的媒質の屈折率、n0は真空の屈折率、ΔDは透明平行平板の光学的媒質の厚みの変化量である。)
[4]本発明のカメラレンズアダプタにおいて、前記振動手段(330)が、前記焦点調節光学系による焦点状態の調節が終了する前に、前記焦点調節光学系を振動させるように構成することができる。
本発明によれば、極微小単位での焦点調節が可能となる。
以下においては、本発明のカメラレンズアダプタを一眼レフデジタルカメラに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る一眼レフデジタルカメラ1を示すブロック図であり、本発明のカメラレンズアダプタに関する構成以外のカメラの一般的構成については、その図示と説明を一部省略する。
本実施形態の一眼レフデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という。)は、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とを備え、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とは、マウントアダプタ300を介して、着脱可能に結合されている。
レンズ鏡筒200には、レンズ211,212,213、および絞り220を含む撮影光学系が内蔵されている。
フォーカスレンズ212は、レンズ鏡筒200の光軸L1に沿って移動可能に設けられ、エンコーダ260によってその位置が検出されつつフォーカスレンズ駆動モータ230によってその位置が調節される。
このフォーカスレンズ212の光軸L1に沿う移動機構の具体的構成は特に限定されない。一例を挙げれば、レンズ鏡筒200に固定された固定筒に回転可能に回転筒を挿入し、この回転筒の内周面にヘリコイド溝(螺旋溝)を形成するとともに、フォーカスレンズ212を固定するレンズ枠の端部をヘリコイド溝に嵌合させる。そして、フォーカスレンズ駆動モータ230によって回転筒を回転させることで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ212が光軸L1に沿って直進移動することになる。なお、レンズ鏡筒200にはフォーカスレンズ212以外のレンズ211,213が設けられているが、ここではフォーカスレンズ212を例に挙げて本実施形態を説明する。
上述したようにレンズ鏡筒200に対して回転筒を回転させることによりレンズ枠に固定されたフォーカスレンズ212は光軸L1方向に直進移動するが、その駆動源としてのフォーカスレンズ駆動モータ230がレンズ鏡筒200に設けられている。フォーカスレンズ駆動モータ230と回転筒とは、たとえば複数の歯車からなる変速機で連結され、フォーカスレンズ駆動モータ230の駆動軸を何れか一方向へ回転駆動すると所定のギヤ比で回転筒に伝達され、そして、回転筒が何れか一方向へ回転することで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ212が光軸L1の何れかの方向へ直進移動することになる。なお、フォーカスレンズ駆動モータ230の駆動軸が逆方向に回転駆動すると、変速機を構成する複数の歯車も逆方向に回転し、フォーカスレンズ212は光軸L1の逆方向へ直進移動することになる。
フォーカスレンズ212の位置はエンコーダ260によって検出される。既述したとおり、フォーカスレンズ212の光軸L1方向の位置は回転筒の回転角に相関するので、たとえばレンズ鏡筒200に対する回転筒の相対的な回転角を検出すれば求めることができる。
本実施形態のエンコーダ260としては、回転筒の回転駆動に連結された回転円板の回転をフォトインタラプタなどの光センサで検出して、回転数に応じたパルス信号を出力するものや、固定筒と回転筒の何れか一方に設けられたフレキシブルプリント配線板の表面のエンコーダパターンに、何れか他方に設けられたブラシ接点を接触させ、回転筒の移動量(回転方向でも光軸方向の何れでもよい)に応じた接触位置の変化を検出回路で検出するものなどを用いることができる。
フォーカスレンズ212は、上述した回転筒の回転によってカメラボディ100側の端部(至近端ともいう)から被写体側の端部(無限遠端ともいう)までの間を光軸L1方向に移動することができる。ちなみに、エンコーダ260で検出されたフォーカスレンズ212の現在位置情報は、レンズ制御部250およびアダプタ制御部330を介して後述するカメラ制御部170へ送出される。そして、この情報に基づいて演算されたフォーカスレンズ212の駆動量が、カメラ制御部170からレンズ制御部250を介して送出され、これに基づいて、フォーカスレンズ駆動モータ230は駆動する。
絞り220は、上記撮影光学系を通過して、カメラボディ100に備えられた撮像素子110に至る光束の光量を制限するとともにボケ量を調整するために、光軸L1を中心にした開口径が調節可能に構成されている。絞り220による開口径の調節は、たとえば自動露出モードにおいて演算された適切な開口径が、カメラ制御部170から、アダプタ制御部330を介してレンズ制御部250を介して送出されることにより行われる。また、カメラボディ100に設けられた操作部150によるマニュアル操作により、設定された開口径がカメラ制御部170から、アダプタ制御部330を介してレンズ制御部250に入力される。絞り220の開口径は図示しない絞り開口センサにより検出され、レンズ制御部250で現在の開口径が認識される。
マウントアダプタ300は、マウント部310を介して、カメラボディ100と、また、マウント部320を介して、レンズ鏡筒200と、それぞれ着脱可能に結合されている。マウントアダプタ300は、図1に示すように、アダプタ制御装置330および平行平板光学系340を備えている。平行平板光学系340は、極微小単位での焦点調節を行なうための光学系である。この平行平板光学系340については、後述する。
また、アダプタ制御装置330は、カメラ制御部170およびレンズ制御部250と互いに通信可能となっており、アダプタ制御装置330は、たとえば、カメラ制御部170から平行平板光学系340を制御するための信号を受信した場合に、受信した信号に基づいて、平行平板光学系340を制御することで、撮影光学系の焦点状態の微調節を行なう。
一方、カメラボディ100は、被写体からの光束を撮像素子110、ファインダ135、測光センサ137、焦点検出モジュール161へ導くためのミラー系120を備える。このミラー系120は、回転軸123を中心にして被写体の観察位置と撮影位置との間で所定角度だけ回転するクイックリターンミラー121と、このクイックリターンミラー121に軸支されてクイックリターンミラー121の回動に合わせて回転するサブミラー122とを備える。図1においては、ミラー系120が被写体の観察位置にある状態を実線で示し、被写体の撮影位置にある状態を二点鎖線で示す。
ミラー系120は、被写体の観察位置にある状態では光軸L1の光路上に挿入される一方で、被写体の撮影位置にある状態では光軸L1の光路から退避するように回転する。
クイックリターンミラー121はハーフミラーで構成され、被写体の観察位置にある状態では、被写体からの光束(光軸L1)の一部の光束(光軸L2,L3)を当該クイックリターンミラー121で反射してファインダ135および測光センサ137へ導き、一部の光束(光軸L4)を透過させてサブミラー122へ導く。これに対して、サブミラー122は全反射ミラーで構成され、クイックリターンミラー121を透過した光束(光軸L4)を焦点検出モジュール161へ導く。
したがって、ミラー系120が観察位置にある場合は、被写体からの光束(光軸L1)はファインダ135、測光センサ137および焦点検出モジュール161へ導かれ、撮影者により被写体が観察されるとともに、露出演算やフォーカスレンズ212の焦点調節状態の検出が実行される。そして、撮影者がレリーズボタン(不図示)を全押しするとミラー系120が撮影位置に回動し、被写体からの光束(光軸L1)は全て撮像素子110へ導かれ、撮影した画像データを図示しないメモリに保存する。
クイックリターンミラー120で反射された被写体からの光束は、撮像素子110と光学的に等価な面に配置された焦点板131に結像し、ペンタプリズム133と接眼レンズ134とを介して観察可能になっている。このとき、透過型液晶表示器132は、焦点板131上の被写体像に焦点検出エリアマークなどを重畳して表示するとともに、被写体像外のエリアにシャッター速度、絞り値、撮影枚数などの撮影に関する情報を表示する。これにより、撮影者は、撮影準備状態において、ファインダ135を通して被写体およびその背景ならびに撮影関連情報などを観察することができる。
測光センサ137は、二次元カラーCCDイメージセンサなどで構成され、撮影の際の露出値を演算するため、撮影画面を複数の領域に分割して領域ごとの輝度に応じた測光信号を出力する。また、測光センサ137は、被写体認識用の撮像素子も兼ねており、撮影光学系により焦点板131上に結像された被写体像を電気信号に変換して画像信号を出力する。測光センサ137で検出された信号はカメラ制御部170へ出力され、自動露出制御および被写体認識処理に用いられる。
焦点検出モジュール161は、被写体光を用いた位相差検出方式による自動合焦制御を実行するための焦点検出素子であり、サブミラー122で反射した光束(光軸L4)の撮像素子110の撮像面と光学的に等価な位置に固定されている。焦点検出モジュール161は、射出瞳の異なる一対の領域を通る一対の光束を、一対のラインセンサで受光し、一対のラインセンサで受光して得られる一対の像信号の位相ずれを周知の相関演算によって求めることにより焦点調節状態を検出する。
AF−CCD制御部162は、オートフォーカスモードにおいて、焦点検出モジュール161に備えられた一対のラインセンサのゲインや蓄積時間を制御するもので、焦点検出モジュール161に備えられた一対のラインセンサにて検出された像信号を読み出し、デフォーカス演算部163へ出力する。
デフォーカス演算部163は、AF−CCD制御部162から送られてきた像信号のずれ量をデフォーカス量に変換し、これをレンズ駆動量演算部164へ出力する。
レンズ駆動量演算部164は、デフォーカス演算部163から送られてきたデフォーカス量に基づいて、当該デフォーカス量に応じたレンズ駆動量を演算し、これをカメラ制御部170へ出力する。そして、カメラ制御部170は、レンズ駆動量に基づいて、レンズ制御部250を介して、フォーカスレンズ駆動モータ230へ駆動指令を送出し、フォーカスレンズ212を移動させることで、粗調節を行ない、次いで、アダプタ制御部330を介して、平行平板光学系340を制御することで、微調節を行なうことで、ピントを合わせる。
撮像素子110は、カメラボディ100の、被写体からの光束の光軸L1上であって、レンズ211,212,213を含む撮影光学系の予定焦点面となる位置に設けられ、その前面にシャッター111が設けられている。この撮像素子110は、複数の光電変換素子が二次元に配列されたものであって、二次元CCDイメージセンサ、MOSセンサまたはCIDなどで構成することができる。この撮像素子110で光電変換された電気画像信号は、カメラ制御部170で画像処理されたのち図示しないメモリに保存される。なお、撮影画像を格納するメモリは内蔵型メモリやカード型メモリなどで構成することができる。
操作部150は、シャッターレリーズボタン、ズームボタン、および撮影者がカメラ1の各種動作モードを設定するための入力スイッチであり、自動露出モード/マニュアル露出モード、オートフォーカスモード/マニュアルフォーカスモードの切換や、また、オートフォーカスモードの中でも、焦点調節に用いるための焦点検出エリアを自動で選択する自動選択モードなどの設定が行えるようになっている。また、シャッターレリーズボタンのスイッチは、ボタンの半押しでONとなる第1スイッチSW1と、ボタンの全押しでONとなる第2スイッチSW2とを含む。
カメラボディ100にはカメラ制御部170が設けられている。カメラ制御部170はマイクロプロセッサとメモリなどの周辺部品から構成され、アダプタ制御部330を介して、レンズ制御部250と電気的に接続され、このレンズ制御部250から、レンズ鏡筒200の焦点調節範囲の情報などを含むレンズ情報を受信するとともに、レンズ制御部250へデフォーカス量や絞り制御信号などの情報を送信する。また、カメラ制御部170は、デフォーカス演算部163から送られたデフォーカス量に基づき、レンズ制御部250を介して、フォーカスレンズ212を移動させることで、粗調節を行ない、次いで、アダプタ制御部330を介して、平行平板光学系340を制御することで、微調節を行なうことで、ピントを合わせる。さらに、カメラ制御部170は、これらに加えて、撮影画像情報の補正やレンズ鏡筒200の焦点調節状態、絞り調節状態などを検出するなど、カメラ1全体の制御を司る。
次いで、マウントアダプタ300に備えられた平行平板光学系340について、説明する。平行平板光学系340は、後述する光学的媒質342を備えており、光学的媒質342の厚みDが変化することにより、平行平板光学系340を通過する光に光路長差を生じさせ、これにより光学系の焦点状態の微調節が可能な光学系である。ここで、図2(A)、図2(B)は、平行平板光学系340の側面図であり、図2(C)は、平行平板光学系340の斜視図である。なお、図2(A)、図2(B)においては、光学的媒質342の厚みを変化させる前後における平行平板光学系340の側面図である。また、図2(C)においては、光学的媒質342については、図示を省略している。
図2(C)に示すように、平行平板光学系340は、4個の圧電素子343を介して、互いに平行に配置されてなる一対の理想平行平板ガラス341,341と、図2(A)に示すように、一対の理想平行平板ガラス341,341の間に介装された光学的媒質342とを有する。なお、平行平板光学系340は、カメラ1中においては、一対の理想平行平板ガラス341,341が、光軸L1と垂直となるように配置されている(図1参照)。
平行平板光学系340は、4個の圧電素子343に直流電圧を印加することで、印加された直流電圧に比例して、圧電素子343の厚みが、一対の理想平行平板ガラス341,341の主面と垂直な方向に微小に変化し、これにより、一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離が微小に変化するようになっている。そして、平行平板光学系340においては、このように一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離が微小に変化することに伴い、たとえば、図2(A)に示す状態から、図2(B)に示す状態へと変化することで、一対の理想平行平板ガラス341,341間に介装されている光学的媒質342の光軸L1方向における厚みDも、D0からD1へとΔDだけ変化する。そして、これにより、平行平板光学系340を通過する光に光路長差の変化を生じさせるものである。
本実施形態では、このような平行平板光学系340を構成する光学的媒質342の光軸L1方向における厚みDは、カメラ制御部170からの指令に基づき、アダプタ制御部330によって、4個の圧電素子343に印加する直流電圧を制御することにより、調節される。この際において、アダプタ制御部330は、予め定められた印加電圧と圧電素子343の厚みとの関係を示すテーブルを用いて、光学的媒質342の光軸L1方向における厚みDを調節する。あるいは、光学的媒質342の光軸L1方向における厚みDを検出するためのセンサを設けておき、センサの出力に基づいて、光学的媒質342の光軸L1方向における厚みDを調節するような構成とすることもできる。
なお、図2(A)〜図2(C)においては、一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離を微小に変化させるための装置として、4個の圧電素子343を用いるような構成を例示したが、これら一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離を微小に変化させることができるような機構や装置であれば何でもよく、特に限定されず、たとえば、圧電素子に代えて、油圧ポンプ、コイルなどを用いてもよい。
また、光学的媒質342としては、特に限定されず、撮影光学系からの光を透過可能であり、かつ、図2(A)、図2(B)に示すように、一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離の変化に追従して、変形可能な材料とすればよいが、低粘度、低密度、高透過率、高アッベ数であり、低複屈折のものが好ましく、さらには、これらの性質に加えて、屈折率の温度特性や屈折率の圧力特性が比較的均一なものがより好ましい。このような光学的媒質342の具体例としては、たとえば、液体またはゲル状ガラスなどが挙げられる。
たとえば、光学的媒質342として、液体を用いる場合には、図2(A)、図2(B)に示すように、光学的媒質342としての液体が、所定の形状を維持できるように、光学的媒質342としての液体を、ベローズなどの袋状の部材内に密封した状態で、一対の理想平行平板ガラス341,341間に介装させることができる。そして、この場合には、ベローズなどの袋状の部材の外周部分を、一対の理想平行平板ガラス341,341の内面側に接続させておくことで、一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離が変化した際に、一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離の変化に応じて、袋状の部材内に密封された光学的媒質342としての液体の厚みDが変化するような構成とすることができる。
あるいは、光学的媒質342として、ゲル状ガラスを用いる場合には、図2(A)、図2(B)に示すように、光学的媒質342としてのゲル状ガラスを、ベローズなどの袋状の部材内に密封せずに、直接、光学的媒質342としてのゲル状ガラスを、一対の理想平行平板ガラス341,341の内面側に密着させておくことで、一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離が変化した際に、一対の理想平行平板ガラス341,341間の距離の変化に応じて、光学的媒質342としてのゲル状ガラスの厚みDが変化するような構成とすることができる。
次いで、平行平板光学系340を用いることによる、光路長差を変化させる方法について、説明する。ここで、図3は、平行平板光学系340と、結像面との関係を説明するための図であり、図3(A)は、平行平板光学系340が存在しない場合を、図3(B)は、平行平板光学系340が存在している場合を、それぞれ示している。図3(A)に示すように、平行平板光学系340が存在しない場合において、被写体Pとフォーカスレンズ212との距離(撮影距離)sと、フォーカスレンズ212と結像面αとの距離s’とは、ガウスの結像公式より、下記式(2)に示す関係となる。
なお、上記式(2)において、fはレンズの焦点距離である。
上記式(2)は、図3(A)に示すように、平行平板光学系340が存在せず、フォーカスレンズ212の両側の媒質が同一である場合にける関係を示すものである一方で、図3(B)に示すように、平行平板光学系340が存在している場合には、上記式(2)は、下記式(3)で表すことができる。
上記式(3)において、nは透明平行平板340に含有される光学的媒質342の屈折率、n0は真空の屈折率、Dは透明平行平板340の光学的媒質342の厚みである。
そして、上記式(3)において、下記式(4)のように置き換えを行なうと、平行平板光学系340が存在している場合には下記式(5)が成立する。すなわち、平行平板光学系340が存在している場合には、図3(A)、図3(B)に示すように、結像面の位置が、位置α(フォーカスレンズ212から距離s’の位置)から、位置α’(フォーカスレンズ212から距離uの位置)へとシフトすることとなり、下記式(5)の関係が成立することとなる。
この上記式(4)、(5)によれば、透明平行平板340に含有される光学的媒質342の厚みDと、光学的媒質342の屈折率nに対応して、結像面の位置α’(フォーカスレンズ212から距離uの位置)が変化することを示している。そして、光学的媒質342の厚みDをD=0とした場合における、フォーカスレンズ212と結像面(位置α)との距離をs’とすると、結像面の光軸L1上における移動量Δs’は、下記式(1)で算出されることとなる。
上記式(1)において、Δs’は透明平行平板340を通過する光による像の結像面の光軸方向における移動量、nは透明平行平板340に含有される光学的媒質342の屈折率、n0は真空の屈折率、ΔDは透明平行平板340の光学的媒質342の厚みの変化量である。
ここで、図4は、平行平板光学系340を構成する光学的媒質342の厚みDと、結像面との関係を示す図であり、図4(A)は、光学的媒質342の厚みがD0である場合を、図4(B)は、光学的媒質342の厚みがD1である場合を、それぞれ示している。図4(A)に示すように、光学的媒質342の厚みがD0である場合(たとえば、平行平板光学系340が、図2(A)の状態にある場合)に、フォーカスレンズ212と結像面(位置α0)との距離をu0とすると、図4(B)に示すように、光学的媒質342の厚みをD0から、D1に変化させると(たとえば、平行平板光学系340が、図2(A)の状態から、図2(B)の状態に変化させた場合)、フォーカスレンズ212と結像面との距離が、上記式(1)に従い、ΔS’だけ移動し、結像面は、α0の位置からα1の位置へと移動することとなる。すなわち、本実施形態によれば、平行平板光学系340を構成する光学的媒質342の厚みDを変化させることにより、上記式(1)に従い、結像面をΔS’だけ移動させることにより、光学系の焦点状態の微調節が可能となる。
たとえば、平行平板光学系340の光学的媒質342として、純水(純水の屈折率n=1.33×100、真空の屈折率n0=1.00×100)を用いた場合において、光学的媒質342の厚みをΔD=1μmだけ変化させた際には、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=0.330μmとなる。また、この場合において、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=1μmとするためには、光学的媒質342の厚みをΔD=3.03μmとする必要がある。
あるいは、平行平板光学系340の光学的媒質342として、純水(純水の屈折率n=1.33×100、真空の屈折率n0=1.00×100)を用いた場合において、光学的媒質342の厚みをΔD=10μmだけ変化させた際には、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=3.30μmとなる。また、この場合において、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=10μmとするためには、光学的媒質342の厚みをΔD=30.3μmとする必要がある。
また、平行平板光学系340の光学的媒質342として、パラフィン油(パラフィン油の屈折率n=1.48×100、真空の屈折率n0=1.00×100)を用いた場合において、光学的媒質342の厚みをΔD=1μmだけ変化させた際には、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=0.48μmとなる。また、この場合において、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=1μmとするためには、光学的媒質342の厚みをΔD=2.08μmとする必要がある。
さらに、平行平板光学系340の光学的媒質342として、パラフィン油(パラフィン油の屈折率n=1.48×100、真空の屈折率n0=1.00×100)を用いた場合において、光学的媒質342の厚みをΔD=10μmだけ変化させた際には、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=4.80μmとなる。また、この場合において、光軸L1方向における結像面の移動量Δs’=10μmとするためには、光学的媒質342の厚みをΔD=20.8μmとする必要がある。
また、本実施形態に係る平行平板光学系340は、カメラ制御部170からの指令に基づき、アダプタ制御部330によって、4個の圧電素子343に直流電圧に加えて、交流電圧を重畳することで、図5(A)、図5(B)に示すように、光学的媒質342の光軸L1方向における厚みD方向において、一対の理想平行平板ガラス341,341を微小に振動させることができ、これにより一対の理想平行平板ガラス341,341上に付着した塵や埃などを除去するダストリダクションを実行させることができる。
ここで、図5(A)は、図2(A)に示す状態において、ダストリダクションを実行させた場合における平行平板光学系340の側面図を、また、図5(B)は、図2(B)に示す状態において、ダストリダクションを実行させた場合における平行平板光学系340の側面図を、それぞれ示している。本実施形態では、図5(A)、図5(B)に示すように、4個の圧電素子343に交流電圧を印加することにより、一対の理想平行平板ガラス341,341を、サイン波を描くように振動させることができ、これにより、平行平板光学系340にダストリダクション機能を実現させることができる。特に、本実施形態によれば、4個の圧電素子343に直流電圧に加えて、交流電圧を重畳することにより、直流電圧の印加により、光学的媒質342の光軸L1方向における厚みDを所定の厚みに保ったまま、交流電圧により、一対の理想平行平板ガラス341,341を振動させることが可能となる。
なお、一対の理想平行平板ガラス341,341を振動させる際に、圧電素子343に印加する交流電圧の周波数は特に限定されないが、一対の理想平行平板ガラス341,341上に付着する塵や埃などの種類により最適な周波数が異なる傾向にあるため、これらに最適な周波数に応じたものとすればよい。圧電素子343に印加する交流電圧の周波数としては、たとえば、20kHz以上の周波数に設定することができ、さらには、種々の塵や埃に対応可能なように、印加する交流電圧の周波数は可変とすることができる。特に、一対の理想平行平板ガラス341,341を振動させる際に印加する交流電圧を、たとえば、20kHz以上と高周波とすることにより、一対の理想平行平板ガラス341,341を振動させている際に平行平板光学系340を通過した光束の光路を平均化することができ、これにより、焦点検出精度の低下を引き起こすことなく、ダストリダクション機能を実現させることができる。
また、図5(A)、図5(B)においては、一対の理想平行平板ガラス341,341を振動させるための装置として、光学的媒質342の厚みDを変化させるための装置としての圧電素子343をそのまま用いるような構成を例示したが、光学的媒質342の厚みDを変化させるための装置と、一対の理想平行平板ガラス341,341を振動させるための装置とを別々のものとしてもよい。すなわち、一対の理想平行平板ガラス341,341を振動させるための装置として、圧電素子343に代えて、たとえば、磁歪素子や、ボイスコイルモータなどを用いてもよい。
次に、本実施形態に係るカメラ1の動作例を説明する。図6は、本実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1では、撮影者によりシャッターレリーズボタンの半押し(第1スイッチSW1のオン)がされたかどうかを判断し、第1スイッチSW1がオンした場合はステップS2へ進み、第1スイッチSW1がオンしていない場合はステップS1で待機する。
ステップS2では、デフォーカス演算が行われる。具体的には、焦点検出モジュール161の一対のラインセンサによる電荷の蓄積が行われ、AF−CCD制御部162により、一対のラインセンサで蓄積された信号情報の読み出しが行なわれる。そして、読み出した信号情報がデフォーカス演算部163に出力され、デフォーカス演算部163により、信号情報に基づいて、像信号のずれ量の算出およびずれ量に基づくデフォーカス量の算出が行なわれる。
ステップS3では、ステップS2で算出されたデフォーカス量が、所定の第1閾値Df1以下であるか否かの判断が行なわれる。デフォーカス量が、所定の第1閾値Df1より大きい場合には、ステップS4に進み、フォーカスレンズ212を移動させることによる、焦点状態の粗調節が行なわれる。一方、デフォーカス量が、所定の第1閾値Df1以下である場合には、焦点状態の微調節を行うために、ステップS7に進む。なお、この場合における、第1閾値Df1としては、平行平板光学系340による焦点調節の微調節が可能な範囲にあるか否かを判断可能な閾値に設定することができる。たとえば、平行平板光学系340の光学的媒質342として、純水(純水の屈折率n=1.33×100、真空の屈折率n0=1.00×100)を用いた場合において、光学的媒質342の厚みの最大変化量ΔDMAXが、A[μm]である場合には、第1閾値Df1は、0.330×A[μm]に設定される。
ステップS3において、デフォーカス量が、第1閾値Df1よりも大きいと判断された場合には、ステップS4に進み、ステップS4において、フォーカスレンズ212を移動させることによる、焦点状態の粗調節が行なわれる。具体的には、カメラ制御部170が、レンズ駆動量に基づいて、レンズ制御部250を介して、フォーカスレンズ駆動モータ230へ駆動指令の送出を行なうことで、フォーカスレンズ212の駆動が行なわれる。
次いで、ステップS5では、平行平板光学系340について、一対の理想平行平板ガラス341,341を微小に振動させるダストリダクション動作を実行させたか否かの判定が行なわれる。ダストリダクション動作が実行されていない場合には、ステップS6に進み、ダストリダクション動作が実行される。一方、ダストリダクション動作を既に実行している場合には、ステップS2に戻り、再度、デフォーカス演算を行い、ステップS3において、デフォーカス量が、第1閾値Df1以下になったと判断されるまでは、フォーカスレンズ212を移動させることによる、焦点状態の粗調節が継続される。
また、ステップS5において、ダストリダクション動作が実行されていないと判定された場合には、ステップS6に進み、平行平板光学系340のダストリダクション動作が実行される。具体的には、カメラ制御部170の指令に基づいて、アダプタ制御部330により、平行平板光学系340に備えられた4個の圧電素子343に、直流電圧に加えて、交流電圧を重畳する処理が行なわれ、これにより、一対の理想平行平板ガラス341,341を微小に振動させることで、平行平板光学系340のダストリダクション動作が実行される。
一方、ステップS3において、デフォーカス量が、第1閾値Df1以下と判断された場合には、焦点状態の微調節を行うために、ステップS7に進む。まず、ステップS7では、平行平板光学系340について、一対の理想平行平板ガラス341,341を微小に振動させるダストリダクション動作を実行させたか否かの判定が行なわれる。ダストリダクション動作が実行されていない場合には、ステップS8に進み、上述したステップS6と同様にして、ダストリダクション動作が実行され、次いで、ステップS9に進む。一方、ダストリダクション動作を既に実行している場合には、ダストリダクション動作を実行せずに、ステップS9に進む。
ステップS9では、上述したステップS2または後述するステップS11で算出したデフォーカス量が、所定の第2閾値Df2以下であるか否かの判断が行なわれる。デフォーカス量が、所定の第2閾値Df2より大きい場合には、ステップS10に進み、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDを変化させることによる、焦点状態の微調節が行なわれる。一方、デフォーカス量が、所定の第2閾値Df2以下である場合には、合焦状態にあると判断し、ステップS12に進み、透過型液晶表示器132に、合焦表示を行なわせて、本処理を終了する。なお、この場合における、第2閾値Df2としては、合焦状態にあると判断できるような閾値に設定することができる。あるいは、第2閾値Df2としては、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDの最小変化量(最小の変化単位)に設定してもよい。
ステップS9において、デフォーカス量が、第2閾値Df2よりも大きいと判断された場合には、ステップS10に進み、ステップS10において、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDを変化させることによる、焦点状態の微調節が行なわれる。具体的には、上述したステップS2または後述するステップS11で算出したデフォーカス量に基づいて、カメラ制御部170により、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDを変化させるための指令が、アダプタ制御部330に送出される。そして、アダプタ制御部330は、カメラ制御部170からの指令に基づき、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDを変化させるために、所望の変化量ΔDに応じた直流電圧を、4個の圧電素子343に印加し、これにより、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みをΔDだけ変化させる制御が行われる。
そして、ステップS11に進み、上述したステップS2と同様にして、デフォーカス演算が行われ、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みをΔDだけ変化させた後のデフォーカス量の算出が行なわれる。次いで、ステップS9に戻り、デフォーカス量が、第2閾値Df2以下になったと判断されるまで、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDを変化させるための処理(ステップS10)、デフォーカス演算(ステップS11)が繰り返し行なわれ、デフォーカス量が、第2閾値Df2以下となると、ステップS12に進み、透過型液晶表示器132に、合焦表示を行なわせて、本処理を終了する。
なお、上述した動作例では、シャッターレリーズボタンの半押し(第1スイッチSW1のオン)がされた後(ステップS1)、焦点調節動作中において、平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行する回数を1回とする例を示したが、たとえば、焦点調節動作中において、平行平板光学系340のダストリダクション動作を複数回実行してもよい。たとえば、図7に示すように、時間t0〜t1において、フォーカスレンズ212を移動させることによる、焦点状態の粗調節が実行され、次いで、時間t1〜t2において、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDを変化させることによる、焦点状態の微調節が実行され、これにより、時間t2において、合焦状態となる場面を例示して説明すると、タイミングT1に加えて、タイミングT2およびタイミングT3において、平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行するような構成としてもよい。すなわち、焦点状態の粗調節中に、平行平板光学系340のダストリダクション動作を複数回するような構成としてもよい。なお、この場合においては、タイミングT1,T2,T3において、平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行する際に、圧電素子343に印加する交流電圧の周波数は同じとしてもよいし、あるいは、異なるものとしてもよいが、種々の塵や埃に対応可能なように、印加する交流電圧の周波数を異なるものとすることが望ましい。
あるいは、図7に示す場面例において、タイミングT1、さらにはタイミングT2,T3に加えて、タイミングT4やタイミングT5において、平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行するような構成としてもよい。しかしその一方で、本実施形態においては、焦点調節精度をより高いものとすることができるという観点より、タイミングT1,T2,T3,T4のうちのいずれか1以上のタイミングで、平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行することが好ましく、タイミングT1,T2,T3のうちのいずれか1以上のタイミングで、平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行することがより好ましい。すなわち、焦点調節精度をより高いものとすることができるという観点より、焦点状態の微調節が完了する前に平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行することが好ましく、焦点状態の粗調節中に平行平板光学系340のダストリダクション動作を実行することがより好ましい。
また、上述した動作例においては、焦点調節動作中に、平行平板光学系340のダストリダクション動作を行なう例を挙げて説明したが、たとえば、焦点調節動作中に加えて、カメラ1の電源オン時および電源オフ時に、平行平板光学系340のダストリダクション動作を行なうような構成としてもよい。
本実施形態のカメラ1によれば、極微小単位での焦点調節を行なうための光学系である平行平板光学系340を備えているため、フォーカスレンズ212のみにより焦点調節を行なった場合と比較して、極微小な単位で、高精度に光学系の焦点調節を行なうことができる。加えて、本実施形態によれば、フォーカスレンズ212に駆動誤差が生じた場合でも、平行平板光学系340により、焦点状態の微調節を行なうことにより、このようなフォーカスレンズ212の駆動誤差に基づく、焦点状態の調節誤差を有効に防止することができる。特に、本実施形態においては、極微小単位での焦点調節を行なうための光学系である平行平板光学系340が、マウントアダプタ300に備えられているため、このようなマウントアダプタ300を用いることで、たとえば、平行平板光学系340を備えていないカメラであっても、極微小単位での焦点調節が可能なものとすることができる。
加えて、本実施形態においては、平行平板光学系340を構成する一対の理想平行平板ガラス341,341を微小に振動させ、これにより、一対の理想平行平板ガラス341,341上に付着した塵や埃などを除去するダストリダクションを実行することにより、塵や埃などの影響を適切に除去することができ、これにより、焦点状態の調節精度をより向上させることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
また、上述した実施形態では、平行平板光学系340として、図2(A)、図2(B)に示すような構成を例示したが、たとえば、平行平板光学系340を、図8(A)、図8(B)に示すような構成としてもよい。ここで、図8(A)、図8(B)は、本発明の他の実施形態に係る平行平板光学系の側面図であり、図8(A)、図8(B)においては、光学的媒質342の厚みを変化させる前後における平行平板光学系340の側面図である。すなわち、図8(A)、図8(B)に示すように、光学的媒質342aとして、液体を用いる場合において、光学的媒質342aとしての液体を、ベローズなどの袋状の部材内に密封した状態とし、光学的媒質342aとしての液体を密封する袋状の部材の内部に、一対の理想平行平板ガラス341,341に配置し、一対の理想平行平板ガラス341,341の外側において接続したような構成としてもよい。あるいは、図8(A)、図8(B)に示すように、光学的媒質342aとして、ゲル状ガラスを用いる場合には、光学的媒質342aとしてのゲル状ガラスの内部に、一対の理想平行平板ガラス341,341に配置したような構成としてもよい。
さらに、上述した実施形態では、フォーカスレンズ212を移動させることによる、焦点状態の粗調節を行なった後に、平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDを変化させることによる、焦点状態の微調節を行なうような態様を例示したが、デフォーカス演算部163により演算されたデフォーカス量に基づいて、フォーカスレンズ212の駆動量および平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDの変化量を同時に演算し、これらフォーカスレンズ212の駆動および平行平板光学系340の光学的媒質342の厚みDの変更を同時に行なうような態様としてもよい。
また、上述した実施形態においては、光学系の焦点状態の検出を、位相差検出方式により行う場合を例示したが、位相差検出方式以外の方法、たとえば、コントラスト検出方式により光学系の焦点状態の検出を行う場合にも、もちろん上述した方法は適用可能である。
また、上述した実施形態では、平行平板光学系340が、マウントアダプタ300に備えられたような構成を例示したが、図9に示すように、平行平板光学系340が、レンズ鏡筒200側からみて、撮像素子110の手前に配置されるような構成としてもよい。この場合においては、レンズ鏡筒200側からみて、撮像素子110の手前に設けられる光学式ローパスフィルタを省略し、平行平板光学系340が光学式ローパスフィルタとしての機能を兼ねることもでき、これにより、製造コストの低減が可能となる。さらに、この場合において、平行平板光学系340は、シャッター111を兼ねてもよい。
なお、本実施形態のカメラ1は、上述した一眼レフデジタルカメラに限定されず、銀塩フィルムカメラや、レンズ一体型デジタルスチルカメラ、ビデオカメラにも適用できる。また、携帯電話機などに内蔵される小型カメラモジュール、監視カメラ、ロボット用視覚認識装置等にも適用できる。
1…一眼レフデジタルカメラ
100…カメラボディ
110…撮像素子
161…焦点検出モジュール
162…AF−CCD制御部
163…デフォーカス演算部
164…レンズ駆動量演算部
170…カメラ制御部
200…レンズ鏡筒
212…フォーカスレンズ
230…フォーカスレンズ駆動モータ
250…レンズ制御部
300…マウントアダプタ
330…アダプタ制御部
340…平行平板光学系
100…カメラボディ
110…撮像素子
161…焦点検出モジュール
162…AF−CCD制御部
163…デフォーカス演算部
164…レンズ駆動量演算部
170…カメラ制御部
200…レンズ鏡筒
212…フォーカスレンズ
230…フォーカスレンズ駆動モータ
250…レンズ制御部
300…マウントアダプタ
330…アダプタ制御部
340…平行平板光学系
Claims (4)
- カメラボディとレンズ鏡筒との間に、着脱自在に介装されるカメラレンズアダプタであって、
光学的媒質を含有し、厚み方向に変形可能な透明平行平板を備え、前記透明平行平板の厚みが変化することで、光学系の焦点状態を調節可能な焦点調節光学系と、
前記焦点調節光学系の前記透明平行平板の厚みを変化させることで、前記光学系の焦点状態の調節を行なう焦点調節手段と、
前記焦点調節光学系を振動させる振動手段と、を備えるカメラレンズアダプタ。 - 請求項1に記載のカメラレンズアダプタにおいて、
前記振動手段は、前記第2の焦点調節光学系を厚み方向に振動させることを特徴とするカメラレンズアダプタ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のカメラレンズアダプタにおいて、
前記振動手段は、前記焦点調節光学系による焦点状態の調節が終了する前に、前記焦点調節光学系を振動させることを特徴とするカメラレンズアダプタ。
Priority Applications (1)
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JP2012071054A JP2013205451A (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | カメラレンズアダプタ |
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JP2012071054A JP2013205451A (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | カメラレンズアダプタ |
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Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2012-03-27 JP JP2012071054A patent/JP2013205451A/ja active Pending
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