JP2013204113A - 鋼板コイルの熱処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】インナーカバー内から排気された高温の雰囲気ガスを冷却し、再びカバー内に供給して鋼板コイルを冷却する熱処理設備における高温の雰囲気ガスによる熱交換器の損傷を軽減するとともに、雰囲気ガスの冷却に伴う体積収縮に起因したカバー内への外気の侵入を防止する。
【解決手段】インナーカバー内の鋼板コイルに熱処理を施した後、冷却する際、前記インナーカバー内に冷却用の雰囲気ガスを供給する箱型の熱処理設備において、当該冷却用の雰囲気ガスによってインナーカバー外に排気された高温の雰囲気ガスを冷却するガス冷却機構と、当該冷却機構で冷却した雰囲気ガスを再びインナーカバー内に供給するガス送風機構とからなる循環経路を有し、かつ、前記循環経路には、高温の雰囲気ガスが冷却される際の循環経路内のガス圧変動を吸収する緩衝機構を設けてなることを特徴とする鋼板コイルの熱処理設備。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイル状に巻かれた鋼板(鋼帯)に熱処理を施す箱型の熱処理設備に関し、特に、3mass%程度のSiを含有する方向性電磁鋼板用の鋼板コイルの仕上焼鈍に用いる箱型の熱処理設備に関するものである。なお、上記箱型の熱処理設備には、バッチ式の熱処理設備の他、鋼板コイルを載置した回転台車を熱処理炉内に周回させて、連続的に熱処理を施す回転式の熱処理設備を含むものとする。
方向性電磁鋼板は、一般に、3mass%程度のSiを含有する鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して冷延板とし、脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布してコイル状に巻き取り、その後、上記鋼板コイルに、二次再結晶焼鈍と純化処理を兼ねた仕上焼鈍を施し、さらに、必要に応じて形状矯正や絶縁被膜等の表面処理を施して製品とされる。
上記仕上焼鈍では、コイル状に巻かれた鋼板(鋼帯)に、制御された雰囲気下で高温長時間の熱処理を施す必要がある。そのため、上記仕上焼鈍には、主にとして、鋼板コイルにインナーカバー(以降、単に「カバー」とも称する。)を被せ、その内部の雰囲気を制御して熱処理を施す箱型のバッチ式焼鈍炉や、同様の機能を備えた多数のカバーを備えた回転台車を焼鈍炉内に周回させて熱処理を施す回転式熱処理炉が用いられている。
ところで、仕上焼鈍は、鋼板コイルを1200℃程度の温度まで加熱し、均熱した後、冷却することで完了するが、上記のように、高温長時間の熱処理を施す必要があるため、方向性電磁鋼板の生産性を低下させる要因の一つとなっている。仕上焼鈍における上記加熱および均熱過程は、本質的に必要な過程であり、加熱速度や均熱の温度・時間を厳密に管理する必要がある。しかし、冷却過程は、単に温度を下げるだけであるにも関わらず、最も長い時間を要しているのが実情である。
そこで、仕上焼鈍における冷却時間を短縮する方法として、特許文献1には、回転台車式熱処理炉の冷却において、炉内冷却帯ではマッフル(本発明のインナーカバーに相当)外の炉内温度を調整して被処理材コイルをマッフル外から間接的に冷却し、前記炉外自然冷却帯では冷却雰囲気ガスをマッフル内へ積極的に導入し、循環させることにより、マッフル内で直接的に被処理材コイルを冷却し、被処理材コイルの冷却速度を上昇させる方法が開示されている。
特開2000−265216号公報
上記特許文献1の技術を適用することで、方向性電磁鋼板の仕上焼鈍における冷却時間を大幅に短縮できるとともに、冷却時の冷却不均一に起因した熱応力によるコイル内周部の形状不良や鉄損特性の劣化をある程度防止することができる。しかしながら、上記方法を適用した場合には、マッフルから排気された雰囲気ガスを冷却する熱交換器が、急激に高温に曝されるため劣化が激しく、また、雰囲気ガスの冷却に伴う体積収縮によってカバー内の圧力が低下して負圧となり、外気がカバー内に侵入して製品品質に悪影響を及ぼすという新たな問題が発生する。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱処理設備のカバー内から排気された高温の雰囲気ガスを冷却し、再びカバー内に供給して鋼板コイルを冷却するときの高温の雰囲気ガスによる熱交換器の損傷を軽減するとともに、雰囲気ガスの冷却に伴う体積収縮に起因したカバー内への外気の侵入を防止し、もって、製品品質への悪影響を回避することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討を重ねた。その結果、上記カバーから排気された雰囲気ガスを熱交換器で冷却して再びカバー内に供給して鋼板コイルを冷却する循環経路内に、雰囲気ガスの冷却に伴う体積収縮に起因した循環経路内の圧力変動を吸収する緩衝機構を配設し、上記緩衝機構に導入する高温の雰囲気ガス量を制御してやることが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記知見に基く本発明は、インナーカバー内の鋼板コイルに熱処理を施した後、冷却する際、前記インナーカバー内に冷却用の雰囲気ガスを供給する箱型の熱処理設備において、当該冷却用の雰囲気ガスによってインナーカバー外に排気された高温の雰囲気ガスを冷却するガス冷却機構と、当該冷却機構で冷却した雰囲気ガスを再びインナーカバー内に供給するガス送風機構とからなる循環経路を有し、かつ、前記循環経路には、高温の雰囲気ガスが冷却される際の循環経路内のガス圧変動を吸収する緩衝機構を設けてなることを特徴とする鋼板コイルの熱処理設備である。
本発明の熱処理設備における上記緩衝機構は、リザーブタンクであることを特徴とする。
また、本発明の熱処理設備における上記緩衝機構は、ガス冷却機構とガス送風機構とが閉回路を形成可能に設置され、当該閉回路が上記循環経路に徐々に接続可能としたものであることを特徴とする。
また、本発明の熱処理設備における上記緩衝機構は、導入する雰囲気ガスの量を、冷却開始時は定常時の10%以下とし、その後、徐々に増量して15分〜5時間で定常時の量とするガス流量制御機能を有することを特徴とする。
また、本発明の熱処理設備は、前記冷却用の雰囲気ガスを鋼板コイルの内径部に供給するノズルを有することを特徴とする。
本発明によれば、ガス冷却機構とガス送風機構とからなる冷却用雰囲気ガスの循環経路に、ガス圧の変動を吸収する緩衝機構を設け、かつ、その緩衝機構に流すガス流量を制御可能としたので、熱処理設備から回収した高温雰囲気ガスの冷却に伴う循環経路内のガス圧変動を抑制し、カバー内への外気の侵入による製品品質への悪影響を回避するとともに、熱交換器の損傷を軽減することが可能となる。
従来技術の冷却用雰囲気ガスの供給・排気フローを説明する図である。 本発明の冷却用雰囲気ガスの供給・排気フローを説明する例図である。 本発明の冷却用雰囲気ガスの供給・排気フローを説明する他の例図である。 本発明における雰囲気ガスの冷却手順を説明する図である。 従来技術における雰囲気ガスの冷却手順を説明する図である。
以下、発明を実施するための形態について説明する。
図1は、特許文献1に開示の技術と同様に、焼鈍設備のカバー内に低温の雰囲気ガスを供給し、高温の雰囲気ガスを回収し、冷却してカバー内に再度供給する循環経路で形成することで鋼板コイルを積極的に冷却するときの、冷却用雰囲気ガスの供給・排気フローを示したものである。図1中、鋼板コイル1は、例えば、厚さ:0.23〜0.35mm、板幅:1000〜1300mmの鋼板(鋼帯)を、内径:510mmφ、外径:1600mmφ程度のコイル状に巻いたものであり、熱処理時の雰囲気ガスを封じ込めるカバー2の中に、アップエンドに載置され、上記カバー2と炉殻(炉体)3との間に、バーナによる燃焼ガス4を吹き込むことで加熱される。
焼鈍時には、カバー2内への外気の侵入を防ぐため、通常、雰囲気ガスが、カバー2内に配管5から毎時10Nm程度の流量で供給され、外部より常に正圧となるよう保持されている。余剰の雰囲気ガスは、サンドシール6などのシール部からカバー外へ排出される。
燃焼ガス4の吹き込みにより、所定の温度まで加熱され均熱されて二次再結晶焼鈍と純化処理を兼ねた仕上焼鈍が施された鋼板コイル1は、その後、バーナが消火され、カバー2と炉殻3の間に空気を吹き込んだり、炉殻3を取り除いたりして、カバー2が被せられた状態で冷却される。
上記鋼板コイルの冷却において、カバーと対向している鋼板コイルの外周面側は、カバーの温度低下に伴って速やかに冷却されるが、鋼板コイルの内周面側は、カバーとの間で熱交換が十分になされないため、冷却速度が遅くなる。そのため、上記冷却速度差に起因した熱応力により、鋼板コイルの内径部側には、形状不良や磁気特性の低下が起こり、歩留りの低下をもたらす。
このような問題に対して、特許文献1に開示の冷却方法は、コイルの軸心部に冷却用の雰囲気ガスを吹き込むノズル7と、冷却後の雰囲気ガスをカバー外に排気する回収管8を配設して、コイル内周面部を急速冷却している。そして、回収管8でカバー外に排気され、回収された高温の雰囲気ガスは、熱交換器9によって冷却された後、送風機10によって再びカバー内にノズル7から吹き込まれる循環経路が形成されている。
上記冷却方法の場合、ノズル7から冷却用の雰囲気ガスをコイル内径部に吹き込み、押し出された高温の雰囲気ガスを回収管8で回収し、熱交換器9の前に設けられた切替弁12を開くことで、雰囲気ガスが熱交換器9に導入されて雰囲気ガスが冷却される。このとき、1000℃を超える回収した雰囲気ガスの通過によって、熱処理炉側の圧力変動を吸収する圧力調整弁11や、上記した切替弁12、熱交換器9が損傷を受け易いという問題がある。
また、ノズル7から吹き込まれた冷却用の雰囲気ガスによって、回収管8からカバー外に押し出された高温の雰囲気ガスは、熱交換器9によって冷却されるが、この際、雰囲気ガスの体積が収縮し、閉じた空間からなる循環経路内の圧力が急激に低下する結果、カバーと外部とを隔てるサンドシール6などから外気がカバー内に吸い込まれて、流入した酸素によって鋼板が酸化して鉄損が上昇する等の品質劣化が起こるという問題がある。特に、冷却時間を短縮するには、冷却用雰囲気ガスの流量を増やすことが有効であるが、熱交換器の処理能力を大きくすればするほど、熱交換器で冷却された雰囲気ガスの収縮量が増大して循環経路内の圧力が急激に低下するため、外気の吸い込み量も大きくなる。
そこで、本発明は、冷却開始初期に、カバー内に供給された冷却用の雰囲気ガスによってカバー外に押し出された高温の雰囲気ガスを熱交換器等のガス冷却機構で冷却し、その冷却した雰囲気ガスをガス送風機構で再びカバー内に供給する循環経路を設けて鋼板コイルを冷却する際、上記循環経路内に、冷却に伴う雰囲気ガスの体積収縮による急激な圧力低下を防止する緩衝機構を設けることで、上述した問題点を解決するものである。
上記緩衝機構の具体例として、本発明は、下記の2つの緩衝機構を提供する。
その一つは、上記循環経路内に、循環経路内の容積とほぼ同等以上の容量を有するリザーブタンク(予備タンク)を配設して、循環経路内に存在する雰囲気ガスの体積を大きくすることで、雰囲気ガスの体積収縮による循環経路内の圧力低下を軽減する緩衝機構である。
図2は、図1に示した雰囲気ガスの供給・排気フローの循環経路に、熱処理炉のカバー2内とほぼ同体積の容量を有するリザーブタンク13を設けた例を示したものである。この図の例では、熱処理時にカバー内とリザーブタンク内を雰囲気ガスで満たしておけば、冷却用雰囲気ガスの供給によってカバー2から排気された高温の雰囲気ガスは、一旦リザーブタンク13に入って、タンク内の低温の雰囲気ガスと混合されて冷却され、体積収縮を起こすが、タンクの容量が大きいため、循環経路内の圧力が過大に低下することがない。また、リザーブタンク13を経て熱交換器9に導入される雰囲気ガスは、熱交換器内の雰囲気ガスとの混合により冷却されており、徐々に温度が上昇するため、熱交換器の損傷も軽減することができる。
また、他の一つは、冷却を開始する前に、上記循環経路内に設けられた熱交換器と送風機構を循環経路から分離して熱交換器と送風機構とで閉回路を構成して、その中に熱処理時に供給する低温の雰囲気ガスを循環させて定常状態を作っておき、冷却を開始した後、分離した閉回路と循環経路とを徐々に接続させて、排気された高温の雰囲気ガスを閉回路に徐々に取り込むことで、循環経路内の圧力の急激な低下を抑制するとともに、熱交換器への熱負荷を軽減する緩衝機構である。
図3は、図1に示した雰囲気ガスの供給・排気フローの循環経路に、熱交換器9と送風機10とを結ぶ経路よりも管路抵抗の小さな配管経路を別に配設し、その中途に流量調節弁15を設けて、熱交換器9と送風機10と流量調節弁15とを結ぶ閉回路からなる緩衝機構を設けた例を示したものである。この図の例では、熱処理時には、回収管8と熱交換器9との間に設けた切替弁12、ノズル7と送風機10の間に設けた切替弁14を閉止し、送風機10も停止しておく。熱処理が完了し、冷却を開始する際には、図4(a)に示すように、まず、流量調整弁15を開けるとともに、送風機10で低流量の送風を行い、熱交換器9と送風機10の間で雰囲気ガスを循環させて定常状態にしておく。
次いで、図4(b)に示すように、切替弁12および切替弁14を開けると、送風機10により送り出された低温のガスは、熱交換器9と送風機10とを結ぶ経路よりも管路抵抗の小さい流量調整弁15が配設された配管経路側に送り込まれるとともに、その一部が供給ノズル7からカバー内に供給される。これに伴い、回収管8から排気された高温の雰囲気ガス(図中のA点)は、上記流量調整弁15が配設された配管経路側から送りこまれる低温のガスによって希釈され(図中のB点)、温度が下がった状態で熱交換器9に流れるとともに、熱交換器9で冷却された雰囲気ガスが、送風機10によって焼鈍設備のカバー2内に再度送り込まれる。その結果、熱交換器9での温度変化(図中のC点とD点の温度差)は少なくなり、冷却に伴うガス収縮は小さくなる。
その後、図4(c)に示すように、流量調整弁15を徐々に閉じていくと、熱交換器9へと流れる、排気された雰囲気ガスの比率が大きくなる。流量調整弁15が配設された配管には、低温のガスが流れるため、流量調整弁15には流量精度の高い弁を用いることができるので、回収管8から排気される雰囲気ガスの量を徐々に増やすことが可能となり、排気される雰囲気ガスの温度も徐々に低下していく。切替弁12は高温のガスに曝されるが、開閉のみで流量の調整が不要となるので、耐熱性の高い弁を用いることができる。そして、排気される雰囲気ガスの温度が熱交換器9の耐熱温度より下がった時点で流量調整弁15を閉止するとともに、送風機10の送風量を最大に設定することでさらに冷却が促進される。
一方、従来の方法では、図5(a)に示すように、熱処理時には圧力調整弁11と切替弁12を閉止しておき、熱処理完了後、冷却を開始する際には、図5(b)に示すように圧力調整弁11と切替弁12を開けるが、切替弁12は高温に曝されるので、耐熱性の低い流量調整弁を用いることができず、冷却初期から熱交換器9に多くの高温ガスが流入する。そのため、冷却でのガス収縮量が大きくなり、負圧が発生し、外気がカバー2内に吸い込まれてしまい鋼板に悪影響を及ぼす。
これに対して、本発明では、前述した緩衝機構を採用することにより、熱交換器に流れる高温の雰囲気ガスの流量を、流量調整弁15で精度よく広範囲(微量から大流量まで)に制御することができるので、配管経路内の圧力変動を抑制することが可能となる。
また、上記循環経路内の圧力変動をより低減し、熱交換器の損傷をより軽減するためには、図2および図3に示した緩衝機構に流す回収した高温の雰囲気ガスの流量は、冷却開始時には少なくしておき、具体的には、定常時の流量(最大流量)の10%以下としておき、その後、徐々に流量を増して定常時の流量とするのが好ましい。また、上記定常時の流量とするまでの時間は15分以上5時間以下とするのが好ましい。15分未満では、上記緩衝効果が小さく、逆に、5時間を超えると、緩衝機構を設けた意味がなくなるからである。
なお、上述した図2および図3に示した雰囲気ガスの供給・排気フローの循環経路には、管内の圧力を調整するために、図示しない圧力計が設けられている。また、送風機10の下流には、送風機の流量を調整して循環経路全体の流量を調整する、図示しない流量調整弁が設けられている。
図2におよび図3に示した緩衝機構を、実機の熱処理設備の雰囲気ガスの供給・排気フローの循環経路に設置し、表1に示した条件で方向性電磁鋼板の仕上焼鈍を行い、製品コイル内の不良発生率を調査した。ここで、不良発生率は、JIS C2550でのエプスタイン試験によって製品コイル内の10点以上の個所で鉄損を測定し、基準より10%以上損失が大きい点数の比率とした。また、比較例として、本発明の緩衝機構を設けない特許文献1に開示の熱処理設備を用いて仕上焼鈍を行い、製品コイル内の不良発生率を同様にして調査した。
なお、上記仕上焼鈍の焼鈍サイクルは、いずれの条件も1180℃で10hrの保持を行なうものとし、冷却開始前には、鋼板コイルに被せたカバー内に雰囲気ガスを10Nm/hrの流量で常時供給した。また、冷却時におけるノズル7からの冷却用雰囲気ガスの供給量は、表1に示したように、No.1およびNo.2では、最初から100Nm/hrで供給し、No.2〜10では、冷却開始時の流量を5Nm/hr、定常時の流量(最大流量)を100Nm/hrとして、冷却開始から最大流量まで流量を上昇させる時間を15分、1時間、5時間および10時間に変化させた。
表1のNo.1およびNo.2の対比から、本発明の緩衝機構を設けることで、不良発生率を大幅に低減できることがわかる。
また、No.2〜10の対比から、冷却機構に流す流量を徐々に増やすようにすることで、不良発生率をさらに低減でき、5時間以上かけて最大流量まで増加させた場合には、鋼板の酸化に起因した不良の発生をほぼ完全に防止できることがわかる。
Figure 2013204113
本発明の技術は、方向性電磁鋼板の仕上焼鈍に用いる熱処理設備に限定されるものではなく、例えば、無方向性電磁鋼板や、冷延鋼板、ステンレス鋼板、その他金属板等の焼鈍設備にも適用することができる。
1:鋼板コイル
2:インナーカバー(カバー、マッフル)
3:炉殻(炉体)
4:燃焼ガス
5:雰囲気ガス供給管
6:サンドシール
7:冷却用雰囲気ガス供給ノズル
8:冷却用雰囲気ガス回収管
9:熱交換器
10:送風機
11:圧力調整弁
12、14: 切り替え弁
13:リザーブタンク
15:流量調節弁
16:煙突

Claims (5)

  1. インナーカバー内の鋼板コイルに熱処理を施した後、冷却する際、前記インナーカバー内に冷却用の雰囲気ガスを供給する箱型の熱処理設備において、
    当該冷却用の雰囲気ガスによってインナーカバー外に排気された高温の雰囲気ガスを冷却するガス冷却機構と、
    当該冷却機構で冷却した雰囲気ガスを再びインナーカバー内に供給するガス送風機構とからなる循環経路を有し、かつ、
    前記循環経路には、高温の雰囲気ガスが冷却される際の循環経路内のガス圧変動を吸収する緩衝機構を設けてなることを特徴とする鋼板コイルの熱処理設備。
  2. 前記緩衝機構は、リザーブタンクであることを特徴とする請求項1に記載の鋼板コイルの熱処理設備。
  3. 前記緩衝機構は、ガス冷却機構とガス送風機構とが閉回路を形成可能に設置され、当該閉回路が前記循環経路に徐々に接続可能としたものであることを特徴とする請求項1に記載の鋼板コイルの熱処理設備。
  4. 前記緩衝機構は、導入する雰囲気ガスの量を、冷却開始時は定常時の10%以下とし、その後、徐々に増量して15分〜5時間で定常時の量とするガス流量制御機能を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板コイルの熱処理設備。
  5. 前記冷却用の雰囲気ガスを鋼板コイルの内径部に供給するノズルを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼板コイルの熱処理設備。
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