JP2013203993A - 液晶ポリエステル樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】黄色系顔料を含有しても流動性に優れている液晶ポリエステル樹脂組成物、及び該液晶ポリエステル樹脂組成物を用いた成形体を提供する。
【解決手段】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエステル樹脂と、酸化チタンを主成分とし、アンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含んで構成される複合金属酸化物からなる黄色系顔料と、を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、前記黄色系顔料の粒子表面が、アルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物又は酸化物で被覆されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ポリエステル樹脂組成物及び成形体に関するものである。
液晶ポリエステルは、溶融流動性に優れ、耐熱性に優れ、強度・剛性も高いことから、電気・電子部品をはじめ各種製品・部品の材料として検討されている。
これまで液晶ポリエステルは、微細な部品の形成材料として使用されることが多かったが、近年では、液晶ポリエステルを、製品の筐体のような外観部品や比較的大型の部品等、見た目が問題となりやすい成形体の形成材料に使用する機会が増えている。
これらの成形体では、他の外観部品との色調の調整やデザインの点から、調色を要求されることが多い。
例えば、特許文献1〜2には、高温雰囲気下で使用時の変色を防止する目的で、液晶ポリエステルと、カーボンブラックとを配合してなる液晶ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、液晶ポリエステルに意匠性やデザイン性を付与する目的で、液晶ポリエステルと、無機焼成顔料とを配合してなる液晶ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
特開2001−279066号公報 特開2011−157422号公報 特開平4−4253号公報
しかしながら、所望の色調に調整するため、液晶ポリエステルに黄色系顔料を添加した場合、液晶ポリエステル樹脂組成物の流動性が低下することが本発明者により明らかとなった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、黄色系顔料を含有しても流動性に優れている液晶ポリエステル樹脂組成物、及び該液晶ポリエステル樹脂組成物を用いた成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、粒子表面がアルミニウム、ケイ素、ジルコニウムの群から選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物又は酸化物で被覆されている黄色系顔料を含有することにより、驚くべきことに、流動性に優れた液晶ポリエステル樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエステル樹脂と、酸化チタンを主成分とし、アンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含んで構成される複合金属酸化物からなる黄色系顔料と、を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、
前記黄色系顔料の粒子表面が、アルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物又は酸化物で被覆されていることを特徴とする。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、前記黄色系顔料の体積平均粒子径が0.01μm以上1μm未満であることが好ましい。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、さらに、酸化チタン、群青、及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明の成形体は、前記液晶ポリエステル樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする。
本発明によれば、黄色系顔料を含有しても流動性に優れている液晶ポリエステル樹脂組成物、及び該液晶ポリエステル樹脂組成物を用いた成形体を提供することが可能となる。
実施例に用いられる薄肉流動長測定金型を示す模式図である。
≪液晶ポリエステル樹脂組成物≫
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエステル樹脂と、
酸化チタンを主成分とし、アンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含んで構成される複合金属酸化物からなる黄色系顔料と、を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、
前記黄色系顔料の粒子表面が、アルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物又は酸化物で被覆されている。
先ず、原料樹脂としての液晶ポリエステルについて説明する。
[液晶ポリエステル樹脂]
原料樹脂としての液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステル樹脂であり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。
液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合(重縮合)させてなるもの、複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合させてなるもの、並びに、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン、及び芳香族ジアミンとして、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体を用いてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、及びカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
中でも、本発明に用いる液晶ポリエステルは、下記一般式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を少なくとも1種有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記一般式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記一般式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)と、をそれぞれ少なくとも1種有することがより好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(−NH−)を表す。前記Ar1、Ar2及びAr3中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(式中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
Ar1、Ar2及びAr3中のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
Ar1、Ar2及びAr3中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
Ar1、Ar2及びAr3中のアリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6〜20であることが好ましい。
Ar1、Ar2及びAr3中の一つ以上の水素原子がこれらの基で置換されている場合、その置換数は、Ar1、Ar2又はAr3を構成する基毎に、それぞれ独立に2個以下であることが好ましく、1個以下であることがより好ましい。
Ar4及びAr5中のアルキリデン基としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Ar1が1,4−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、1,3−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、ジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましく、1,4−フェニレン基であるもの、4,4’−ビフェニリレン基であるものがより好ましい。
繰返し単位(3)は、液晶ポリエステルの溶融粘度が低くなり易いという観点から、X及びYがそれぞれ酸素原子であること、すなわち、所定の芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有することが好ましく、繰返し単位(3)中、X及びYのみが酸素原子であることがより好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、30モル%以上が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40〜70モル%が特に好ましく、45〜65モルが最も好ましい。繰返し単位(1)の含有量が30モル%以上の場合には、溶融流動性や耐熱性や強度・剛性が向上し易く、80モル%以下の場合には、溶融温度や溶融粘度が高くなりすぎず、成形に必要な温度が高くなりすぎない。
繰返し単位(2)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下が好ましく、10〜35モル%がより好ましく、15〜30モル%が特に好ましく、17.5〜27.5モル%が最も好ましい。
繰返し単位(3)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下が好ましく、10〜35モル%がより好ましく、15〜30モル%が特に好ましく、17.5〜27.5モル%が最も好ましい。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、0.9/1〜1/0.9が好ましく、0.95/1〜1/0.95がより好ましく、0.98/1〜1/0.98が特に好ましい。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
液晶ポリエステルは、芳香族ヒドロキシカルボン酸(繰返し単位(1)を与えるモノマー)と、芳香族ジカルボン酸(繰返し単位(2)を与えるモノマー)と、芳香族ジオール(繰返し単位(3)を与えるモノマー)と、を重合(重縮合)させて製造されるものであることが好ましい。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、及び芳香族ジオールは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
液晶ポリエステルは、これを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下で行ってもよく、この場合の触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
上記繰り返し単位から構成される液晶ポリエステルは、その流動開始温度が、所定の範囲にあることが好ましい。下限値としては、280℃であることが好ましく、290℃であることがより好ましい。また、上限値としては、380℃であることが好ましく、350℃であることがより好ましい。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、高過ぎると、溶融温度や溶融粘度が高くなり易く、その成形に必要な温度が高くなり易い。
また、流動開始温度が低過ぎると、耐熱性が不十分となる可能性がある。
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、これら液晶ポリエステル樹脂を複数種類含有していてもよい。
[黄色系顔料]
本発明において用いられる黄色系顔料は、酸化チタンを主成分とし、アンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含んで構成される複合金属酸化物である。なお、本明細書において、主成分とは、材質の全成分の質量に対してその成分の含有量が50質量%以上(好ましくは70質量%以上)であることをいう。
即ち、本発明において用いられる複合金属酸化物は、主成分として酸化チタンを50〜95質量%含有し、副成分としてアンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物を5〜50質量%含有することが好ましい。
副成分の組合せとしては特に限定はなく、アンチモン−ニッケル系、アンチモン−クロム系、バリウム−ニッケル系、鉄−亜鉛系等が挙げられる。
酸化チタンの原料としては、メタチタン酸、オルトチタン酸、又は酸化チタンが好ましく用いられる。
副成分として用いられる金属酸化物の原料としては、アンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属元素の酸化物または水酸化物を好ましく用いることができる。また、中和や加水分解により酸化物、水酸化物を生成する塩化物、硫酸塩、金属酸塩のいずれかを用いてもよい。
また、本発明に用いられる黄色系顔料は、例えば、酸化チタン粉末と、アンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物粉末との混合粉末を900℃以上に加熱して一次焼成した後に粉砕し、次いで300〜1200℃で二次焼成して得られるものであってもよい。
中でも、ルチル型酸化チタン(TiO)の結晶格子の中にニッケルおよびアンチモン原子を熱拡散させて得られるものが好ましい。
(黄色系顔料の表面処理)
本発明で用いられる黄色系顔料は、その粒子表面がアルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物又は酸化物で被覆されているものである。
黄色系顔料の粒子表面に、これらの含水酸化物又は酸化物を被覆する方法としては、黄色系顔料と、アルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素を含有する化合物を含む表面処理剤とを、水又は有機溶剤中に分散させ湿式処理する方法;黄色系顔料と、アルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素を含有する化合物を含む表面処理剤とを、スーパーミキサー,ヘンシルミキサー等により乾式処理する方法が挙げられる。
これらの中でも、得られる黄色系顔料の表面がより均一に表面処理されることから、湿式処理が好ましい。
ここで、アルミニウムを含有する化合物を含む表面処理剤としては、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。ケイ素を含有する化合物を含む表面処理剤としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、四塩化ケイ素等が挙げられる。ジルコニウムを含む表面処理剤としては、硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等が挙げられる。
湿式処理に関し、一例を挙げて、さらに詳細を説明すると、まず黄色系顔料を含む水性スラリーを調製し、かかる水性スラリーに前記のような表面処理剤を加えた後、酸又はアルカリにてpHを6〜7程度に調整して、黄色系顔料表面に表面処理剤を被覆させる。
次いで、この水性スラリーをフィルタープレス、ドラムフィルター等を用いて濾過し、さらに洗浄して、残存する表面処理剤を洗い流す。
次いで、バンドドライヤー、噴霧乾燥機等で乾燥した後、電気炉又は回転型焼成炉等を用いて焼成する。焼成後は、適宜粉砕等を行って、黄色系顔料を製造することができる。
(黄色系顔料の体積平均粒径)
本発明で用いられる黄色系顔料の体積平均粒径は、例えば、黄色系顔料の外観を走査形電子顕微鏡(SEM)で測定し、得られたSEM写真を画像解析装置(例えば株式会社ニレコ社製「ルーゼックスIIIU」)を用いて、一次粒子の各粒径区間における粒子量(%)をプロットして分布曲線を求め、その累積した分布曲線より、累積度50%(平均粒径)で求められる。
黄色系顔料の体積平均粒子径は、0.01μm以上1μm未満であることが好ましい。
体積平均粒径が0.01μm以上の場合には、得られる成形品が黄色に着色されるために多量の黄色系顔料を必要としない点で好ましい。
体積平均粒径が1μm未満の場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物における黄色系顔料の分散性がよく、発色がよい点で好ましい。
本発明に用いられる黄色系顔料としては、石原産業(株)のTIPAQUE TY−55、TY−100等が挙げられる。
本発明の液晶ポリエステル組成物における前記黄色系顔料の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましく、0.2〜3質量部がさらに好ましい。0.01質量部以上の場合、得られる成形品が効率よく着色され、また、5質量部以下の場合は、成形品のブリスターが発生しにくい。かかる範囲内の場合、液晶ポリエステルの機械特性や耐熱性等の特性がバランスよく維持される。
本発明の液晶ポリエステル組成物は、このように表面処理された黄色系顔料を含有することにより、流動性に優れている。
本発明の液晶ポリエステル組成物は、さらに、酸化チタン、群青、及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。以下、詳細に説明する。
[酸化チタン]
酸化チタンは、樹脂充填剤として市販されているものを使用することができる。なお、酸化チタンと呼称されて樹脂充填剤として市販されているものはそのまま使用することができ、企図せず含有される不純物を排除するものではない。また、酸化チタンは後述するような表面処理が施されたものも使用可能である。
酸化チタンは、含有される酸化チタン自身の結晶形は特に限定されず、ルチル型、アナターゼ型、又は両者が混合したものを用いてもよい。液晶ポリエステル組成物からなる成形体の着色ムラが良好となる点からは、ルチル型の結晶形を含有する酸化チタンを用いることが好ましく、ルチル型の結晶形のみからなる酸化チタンを用いることがより好ましい。
酸化チタンの体積平均粒径については特に限定されないが、液晶ポリエステル組成物からなる成形体における酸化チタンの分散性の観点からは、その平均粒径が0.10〜0.50μmであることが好ましく、0.15〜0.40μmであることがより好ましく、0.18〜0.30μmであることがさらに好ましい。なお、体積平均粒径は、上述した黄色系顔料の体積平均粒径の測定方法と同様の方法で求められる。
酸化チタンの製造方法は、硫酸法や塩素法で製造された酸化チタンを含む酸化チタンであることが好ましく、塩素法で製造された酸化チタンを含む酸化チタンであることが特に好ましい。ここでいう硫酸法と塩素法を簡単に説明する。硫酸法は、チタン源である鉱石(イルメナイト鉱やイルメナイト鉱を処理して得たチタンスラグ等)を硫酸と反応させて水で抽出することで硫酸塩を得た後、得られた溶液を冷却し、硫酸塩中の鉄分を除去した後に加水分解することで酸化チタンを得る方法である。塩素法は、チタン源である鉱石(ルチル鉱やイルメナイト鉱から得られる合成ルチル等)を塩素と1000℃付近で反応させて粗四塩化チタンとし、この粗四塩化チタンを精留で精製した後、得られた四塩化チタンを、酸素で酸化して酸化チタンを得るという方法である。この塩素法によれば、塩化チタンを蒸留することで高純度の酸化チタンを得ることができるために、白色に優れた酸化チタンを得ることができ、更には好適な結晶型であるルチル型の酸化チタンが得られ易くなる。そして、酸素で酸化する工程(酸化工程)での条件を最適化することにより、比較的白色度に優れた酸化チタンが得られ易い。また、酸化工程での条件を最適化することにより、粗大粒子の生成を抑制し、好適な平均粒径の酸化チタンを得ることが容易になるという利点もある。
使用可能な酸化チタンの市販品としては、例えば、石原産業(株)の「TIPAQUE CR−58、CR−60」、堺化学(株)の「SR−1」などを挙げることができる。なお、この「TIPAQUE CR−58、CR−60」は、塩素法で製造された酸化チタンからなるものであり、「SR−1」は、硫酸法と呼ばれる製造方法で製造された酸化チタンからなるものである。
[群青]
本発明に用いられる群青は二酸化珪素、アルミナ、酸化ナトリウム、結合イオウを主成分とし、不純物として硫酸ナトリウム、酸化第二鉄、遊離イオウ等を含有する合成青色無機顔料であることが好ましい。群青の分子構造は、例えば、Na(AlSi24)S(2〜4)が挙げられる。
群青は、カオリン、ソーダ灰、硫黄、および還元剤(木炭、石炭またはロジンなど)を粉砕混合し、そして750〜850℃で40〜50時間焼成するなどの公知の製造方法によって、製造することができる。
群青は、平均粒子径が0.1〜50μm、特に0.2〜10μmであることが好ましい。平均粒子径が0.1μm以上の場合は青色の発色が効率よくなされ、平均粒子径が50μm以下の場合には、散乱のために暗色を帯びることなく、群青本来の色彩が効率よく発色される。
群青は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0.01〜3質量部であることが好ましく、0.01〜0.28質量部であることがより好ましく、0.01〜0.15質量部であることが特に好ましい。
使用可能な群青の市販品としては、例えば、第一化成工業株式会社製群青粒子の「汎用タイプ(No.300、1500、2000など)」及び「シリカ被覆タイプ(AP31、201、205、151など)」などを挙げることができる。さらに、Nubiola社、Holiday pigment社製の群青などを挙げることができる。
[カーボンブラック]
本発明に用いられるカーボンブラックは、炭素主体の微粒子成分であり、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等が挙げられる。
本発明の組成物におけるカーボンブラックの含有量は、液晶ポリエステル100重量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。カーボンブラックの含有量があまり少ないと、黒色の度合いが不十分になり、あまり多いと、機械的強度が低下し易くなる。
[その他の着色剤]
本発明に用いられるその他の着色材としては、酸化鉄(弁柄);コバルト−クロム−アルミニウム系、チタン−コバルト系、亜鉛−コバルト系等のコバルト系緑色顔料;酸化クロム系等のクロム系緑色顔料;フタロシアニンブルー等が挙げられる。
本発明の液晶ポリエステル組成物は、充填材、添加剤、液晶ポリエステル以外の樹脂等の他の成分を1種以上含んでもよい。
[充填材]
本発明の液晶ポリエステル組成物が含有していてもよい充填材は、繊維状充填材であってもよいし、板状充填材であってもよいし、繊維状及び板状以外で、球状その他の粒状充填材であってもよい。繊維状充填剤は、平均繊維径が5〜20μmかつ繊維長500μm以下であることが好ましい。
また、充填材は、無機充填材であってもよいし、有機充填材であってもよい。繊維状無機充填材の例としては、ガラス繊維;パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維;シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維等のセラミック繊維;及びステンレス繊維等の金属繊維が挙げられる。また、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカー等のウイスカーも挙げられる。繊維状有機充填材の例としては、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が挙げられる。板状無機充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ガラスフレーク、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムが挙げられる。マイカは、白雲母であってもよいし、金雲母であってもよいし、フッ素金雲母であってもよいし、四ケイ素雲母であってもよい。粒状無機充填材の例としては、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、窒化ホウ素、炭化ケイ素及び炭酸カルシウムが挙げられる。
充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して5〜200質量部であることが好ましく、5〜100質量部がより好ましく、10〜80質量部が特に好ましい。
[添加剤]
本発明の液晶ポリエステル組成物が含有していてもよい添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤および難燃剤が挙げられる。添加剤の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜5質量部であることが望ましい。
[その他の樹脂]
液晶ポリエステル以外の樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の液晶ポリエステル以外の熱可塑性樹脂;及びフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。液晶ポリエステル以外の樹脂の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜20質量部であることが望ましい。
液晶ポリエステル組成物は、上記液晶ポリエステル、その粒子表面を上記含水酸化物又は酸化物で被覆された黄色系顔料、及び必要に応じて用いられる他の成分を、押出機を用いて溶融混練し、ペレット状に押し出すことにより調製されることが好ましい。
押出機としては、シリンダーと、シリンダー内に配置された1本以上のスクリュウと、シリンダーに設けられた1箇所以上の供給口とを有するものが、好ましく用いられ、さらにシリンダーに設けられた1箇所以上のベント部を有するものが、より好ましく用いられる。
≪成形体≫
本発明の成形体は、上述した本発明の液晶ポリエステル組成物を射出成形してなるものである。
本発明の成形体としては、光ピックアップボビン、トランスボビン等のボビン;リレーケース、リレーベース、リレースプルー、リレーアーマチャー等のリレー部品;RIMM、DDR、CPUソケット、S/O、DIMM、Board to Boardコネクター、FPCコネクター、カードコネクター等のコネクター;ランプリフレクター、LEDリフレクター等のリフレクター;ランプホルダー、ヒーターホルダー等のホルダー;スピーカー振動板等の振動板;コピー機用分離爪、プリンター用分離爪等の分離爪;カメラモジュール部品;スイッチ部品;モーター部品;センサー部品;ハードディスクドライブ部品;オーブンウェア等の食器;車両部品;航空機部品;及び半導体素子用封止部材、コイル用封止部材等の封止部材が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[流動開始温度の測定]
液晶ポリエステルの流動開始温度は、(株)島津製作所製の流動特性評価装置「フローテスターCFT−500型」を用いて測定した。粉末状の試料約2gを内径1mm、長さ10mmのダイスを取り付けた毛細管型レオメーターに充填し、9.8MPa(100kgf/cm)の荷重下において昇温速度4℃/分で液晶ポリエステルをノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポアズ)を示す温度を流動開始温度とした。
[液晶ポリエステル組成物の流動長の測定]
図1に示す製品部厚さ0.2mmのキャビティーを有する薄肉流動長測定金型を用い、射出成形機(ROBOSHOT S−2000i30B、ファナック(株)製 )で液晶ポリエステル樹脂組成物を350℃の測定温度で成形し、得られた成形品の長さ(流動長)を測定した(金型温度:120℃、射出速度:200mm/秒、射出圧力1000kg/cm)。
なお、図1に示される寸法の単位はmmである。
<液晶ポリエステル1の製造>
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)、及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で室温から150℃まで30分かけて昇温し、同温度を保持して1時間還流させた。
次いで、1−メチルイミダゾール0.9gを加え、副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分かけて昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了としてプレポリマーを得た。
こうして得られたプレポリマーを室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕し、このプレポリマーの粉末を、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から285℃まで5時間かけて昇温し、285℃で3時間保持することで、固相重合を行った。得られた液晶ポリエステルの流動開始温度は327℃であった。
<液晶ポリエステル2の製造>
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸239.2g(1.44モル)、イソフタル酸159.5g(0.96モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で室温から150℃まで30分かけて昇温し、同温度を保持して1時間還流させた。
次いで、1−メチルイミダゾール0.9gを加え、副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分かけて昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了としてプレポリマーを得た。
こうして得られたプレポリマーを室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕し、このプレポリマーの粉末を、窒素雰囲気下、室温から220℃まで1時間かけて昇温し、220℃から240℃まで0.5時間かけて昇温し、240℃で10時間保持することで、固相重合を行った。得られた液晶ポリエステルの流動開始温度は291℃であった。
<実施例1>
上述の液晶ポリエステル1及び液晶ポリエステル2に対して、下記表1に示す配合比にてガラス繊維(CS03JAPx−1、オーウエンスコーニング(株)製)、タルク(X−50、日本タルク(株)製)、黄色系顔料(TIPAQUE TY−100(体積平均粒子径0.25μm、粒子表面をアルミニウムの含水酸化物又は酸化物で被覆したもの)、石原産業(株)製)、及びカーボンブラック(カーボンブラック #960、三菱化学(株)製)を配合した後、二軸押出機((株)池貝製の「PCM−30」)を用いて、液晶ポリエステル樹脂組成物を得た。
<比較例1>
黄色系顔料(TIPAQUE TY−70、体積平均粒子径1.0μm、粒子表面被覆なし、石原産業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、液晶ポリエステル樹脂組成物を得た。
<比較例2>
黄色系顔料を用いない以外は、実施例1と同様の方法で、液晶ポリエステル樹脂組成物を得た。
実施例1、比較例1〜2の液晶ポリエステル樹脂組成物の流動性を測定した結果(流動長)を表1に示す。
Figure 2013203993
粒子表面がアルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムの群から選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物又は酸化物で被覆されている黄色系顔料を含有する実施例1の液晶ポリエステル樹脂組成物は、流動長が34mmと流動性に優れていた。
一方、粒子表面が被覆されていない黄色系顔料を含有する比較例1の液晶ポリエステル樹脂組成物、及び、黄色系顔料を含有しない比較例2の液晶ポリエステル樹脂組成物は、流動長が30mm未満であり、流動性に劣っていた。
本実施形態の液晶ポリエステル樹脂組成物は、流動性に優れていることが明らかである。

Claims (4)

  1. 液晶ポリエステル樹脂と、
    酸化チタンを主成分とし、アンチモン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、モリブデン、バリウム、及びタングステンから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含んで構成される複合金属酸化物からなる黄色系顔料と、を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、
    前記黄色系顔料の粒子表面が、アルミニウム、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物又は酸化物で被覆されていることを特徴とする液晶ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記黄色系顔料の体積平均粒子径が0.01μm以上1μm未満である請求項1記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  3. さらに、酸化チタン、群青、及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする成形体。
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