JP2013202565A - 粉体又は顆粒体の溶解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体を完全にかつ短時間で溶解することができ、故障が少なくメンテナンスが容易であり、また、船舶において燃料油に助燃剤を溶解する際に用いて利便性が高い粉体又は顆粒体の溶解装置を提供する。
【解決手段】溶解装置は、矩形形状の横断面を有し底面が傾斜した、溶解液が収容される溶解タンク10と、この溶解タンクの開口上に設置された粉体又は顆粒体収容部12と弁部材13と、溶解タンク内の開口近傍に設置され、斜め下方への噴射流を形成する複数の第1の噴射ノズル15と、溶解タンク内の下部に設置され、少なくとも溶解タンクの底面に沿った噴射流を形成する複数の第2の噴射ノズル16と、溶解タンク内の液体を加圧して複数の第1の噴射ノズル及び複数の第2の噴射ノズルに供給する循環加圧手段20とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉体又は顆粒体を液体中に溶解させるための溶解装置に関し、特に船舶内において燃料油に粉状又は顆粒状の助燃剤を溶解させるための粉体又は顆粒体の溶解装置に関する。
船舶、特に大型船舶の機関においては、主要な燃料油として、C重油等の重質油が使用されている。C重油には、多くの場合、燃焼性及び燃焼効率を向上させるために助燃剤が添加される。助燃剤の添加は、現状では、船舶の大タンクへの燃料補給時に必要量の液体助燃剤を同時に大タンクに投入するか、燃料油の配管途中から燃料使用量に応じて必要量の液体助燃剤を注入することによって行われる。
陸上における場合と異なり、補給を随時行うことのできない船舶(海上)においては、船舶上に助燃剤をあらかじめ積載しておく必要があるが、近年、C重油の粗悪化が進んでおり助燃剤の使用量が増加しているため、多量の助燃剤の積載が必要となってきている。液体助燃剤は、通常、ドラム缶に収納して船内に積み込むが、大量の助燃剤を用意する場合は、ドラム缶の数が増大するので、多大な保管スペースが必要となってしまう。そこで、助燃剤を液体ではなく粉体又は顆粒体とすればその収容パッケージも小型となるので、省スペース化を図ることができる。また、小型化することによって、取り扱い及び輸送が容易となり、省コスト化も可能となる。
粉状又は顆粒状の助燃剤を用いる場合、この粉体又は顆粒体を燃料油中に溶解させる装置を船舶内に設置しておく必要がある。しかしながら、従来の溶解装置のごとく、回転翼を回転させて粉状又は顆粒状の助燃剤を燃料油内で攪拌する構造であると、助燃剤を燃料油に完全に溶解することが困難であり、また、従来の溶解装置はその外部形状が円筒形状であるため、船舶内においては設置場所の設定が難しい。
助燃剤を燃料油に溶解させるものではないが、消石灰等の粉体を水中に溶解させるための装置として、特許文献1には、溶解槽内の水を回転する攪拌翼によって攪拌することにより、消石灰等の粉体を溶解する装置が開示されている。この装置では、消石灰粉体を水中に挿入した排出管先端の広口部を介して水中に送り出すことにより、攪拌されている水と混合させて溶解する。
これも助燃剤を燃料油に溶解させるものではないが、特許文献2には、透析用粉体を水等の液体に溶解させるための装置が開示されている。この装置では、溶解槽内の液体を攪拌機によって攪拌すると共に、循環ポンプからの吐出口を粉溜まりし易い溶解槽底部の配管接続部に向けて設置することによって粉体の溶解性を上げている。
特開平09−276674号公報 特開平10−000232号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示されているように、攪拌機の攪拌翼(プロペラ)を回転させて攪拌を行う場合、溶解槽内の液体全体が攪拌されにくいため、特に底部の隅部に不溶解の粉体が残り易い。また、特許文献2に開示されているように、ポンプ吐出口を単に粉溜まりし易い溶解槽底部に向けて設置したのみでは、粉体の溶解にかなりの時間を要するのみならず、完全には溶解せずに不溶解の部分が残るという問題がある。また、これら特許文献1及び2に開示されているように、攪拌機等の機械的回転機構を備えている場合、故障の発生率が高くなり、メンテナンスにかなりの労力及びコストが必要となる。
さらに、これら特許文献1及び2に開示されている溶解装置は、船舶上にて燃料油に助燃剤を溶解させるためのものではなく、燃料油に対する対策や船舶の揺れに対する対策、さらに、故障発生ができるだけ生じないようにする対策が全く考慮されておらず、従って、船舶上で燃料油に助燃剤を溶解することを目的として使用することはできなかった。
従って本発明の目的は、粉体を完全にかつ短時間で溶解することができる粉体又は顆粒体の溶解装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、故障が少なくメンテナンスが容易な粉体又は顆粒体の溶解装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、船舶において燃料油に助燃剤を溶解する際に用いて利便性が高い粉体又は顆粒体の溶解装置を提供することにある。
本発明によれば、粉体又は顆粒体の溶解装置は、頂面に開口を有しており、粉体又は顆粒体を溶解する液体が収容される溶解タンクと、この溶解タンクの開口上に設置されており、投入すべき粉体又は顆粒体が収容される粉体又は顆粒体収容部と、溶解タンクの開口を開閉して粉体又は顆粒体収容部と溶解タンクとを連通又は遮断する弁部材と、溶解タンク内の開口近傍に設置されており、斜め下方への噴射流を形成する複数の第1の噴射ノズルと、溶解タンク内の下部に設置されており、少なくとも溶解タンクの底面に沿った噴射流を形成する複数の第2の噴射ノズルと、溶解タンク内の液体を加圧して複数の第1の噴射ノズル及び複数の第2の噴射ノズルに供給する循環加圧手段とを備えている。溶解タンクは矩形形状の横断面を有していると共に開口を除いて外部から実質的に密閉されており、溶解タンクの底面は複数の第2の噴射ノズルの設置位置から上方に向けて傾斜している。
粉体又は顆粒体が投入される開口の近傍に設置された複数の第1の噴射ノズルによって、斜め下方への噴射流が形成されるため、粉体又は顆粒体は液体に短時間で溶解され易く、しかも、溶解タンク内の下部に設置された複数の第2の噴射ノズルによって、溶解タンクの上方に向けて傾斜した底面に沿った対流効果を有する噴射流が形成されるため、この対流効果によって最大限の溶解が可能となるのみならず、底面の最下部に沈殿され易い粉体又は顆粒体も容易にかつ完全に溶解され、残留物が残らない。また、上部の複数の第1の噴射ノズルによる旋回流と、下部の複数の第2の噴射ノズルによる対流との2段階による溶解であるため、相乗効果があり、短時間かつ完全な溶解が可能である。
複数の第1の噴射ノズル及び複数の第2の噴射ノズルからの噴流による溶解であり、溶解するための機械的な旋回運動や往復運動を行う動的な部品が存在しないため、故障が少なく、また、メンテナンスも容易であり、その分、運転コストの低減化を図ることができる。特に、メンテナンスが簡単で故障が少ないことは、長期間の航海がなされる船舶に載置される場合に大きな長所となる。
溶解タンクが矩形形状の横断面を有していることにより、その設置スペースに合わせた自由設計が可能である。例えば、船舶において、溶解タンクを略直方体形状とすることにより、例えば機関室の壁面コーナー部分への設置が可能であり、省スペース化を図ることができる。また、入口ドア部の寸法以内の形状に容易に設計可能であり、さらに、同容量の円筒形状溶解タンクに比して小型化が可能となるため、ハンドリングが容易となる。
さらに、溶解タンクが開口を除いて外部から実質的に密閉されており、この開口も弁部材によって遮断可能となっているため、例えば船舶において、装置が動揺しても内部の液体が漏洩することを防止でき、また、内部で発生する気体が外部に漏洩することも防止できる。特に、可燃性ガスの飛散がなくなり、隣接する発火源との遮断を容易に行うことができる。
開口を溶解タンク内部から覆い粉体又は顆粒体収容部から弁部材を介して投入された粉体又は顆粒体を受ける籠状ケージをさらに備えており、第1の噴射ノズルが籠状ケージ内に設置されていることが好ましい。
複数の第2の噴射ノズルが、溶解タンクの底面に沿った噴射流を形成する複数の噴射ノズルと、溶解タンクの下方に向かう噴射流を形成する複数の噴射ノズルとを備えていることも好ましい。
複数の第1の噴射ノズルの各々及び複数の第2の噴射ノズルの各々が、循環加圧手段から供給された加圧液体を液中で噴射すると共に噴射に伴って発生する負圧により側面の液体を吸い込んで噴射する液中噴射ノズルであることも好ましい。
粉体又は顆粒体の溶解装置が船舶内に載置された溶解装置であり、液体が燃料油であり、粉体又は顆粒体が粉状又は顆粒状の助燃剤であることも好ましい。この場合、燃料油がA重油であり、助燃剤がフェロセンを含む添加剤であることがより好ましい。
粉体又は顆粒体の溶解装置が船舶内に載置された溶解装置であり、液体がボイラ水であり、粉体又は顆粒体が粉状又は顆粒状の清缶剤であるかもしれない。
本発明によれば、次の効果が期待できる。
(1)粉体又は顆粒体が投入される開口の近傍に設置された複数の第1の噴射ノズルによって、斜め下方への噴射流が形成されるため、粉体又は顆粒体は液体に短時間で溶解され易く、しかも、溶解タンク内の下部に設置された複数の第2の噴射ノズルによって、溶解タンクの上方に向けて傾斜した底面に沿った対流効果を有する噴射流が形成されるため、この対流効果によって最大限の溶解が可能となるのみならず、底面の最下部に沈殿され易い粉体又は顆粒体も容易にかつ完全に溶解され、残留物が残らない。また、上部の複数の第1の噴射ノズルによる旋回流と、下部の複数の第2の噴射ノズルによる対流との2段階による溶解であるため、相乗効果があり、短時間かつ完全な溶解が可能である。
(2)複数の第1の噴射ノズル及び複数の第2の噴射ノズルからの噴流による溶解であり、溶解するための機械的な旋回運動や往復運動を行う動的な部品が存在しないため、故障が少なく、また、メンテナンスも容易であり、その分、運転コストの低減化を図ることができる。特に、メンテナンスが簡単で故障が少ないことは、長期間の航海がなされる船舶に載置される場合に大きな長所となる。
(3)溶解タンクが矩形形状の横断面を有していることにより、その設置スペースに合わせた自由設計が可能である。例えば、船舶において、溶解タンクを略直方体形状とすることにより、例えば機関室の壁面コーナー部分への設置が可能であり、省スペース化を図ることができる。また、入口ドア部の寸法以内の形状に容易に設計可能であり、さらに、同容量の円筒形状溶解タンクに比して小型化が可能となるため、ハンドリングが容易となる。
(4)溶解タンクが開口を除いて外部から実質的に密閉されており、この開口も弁部材によって遮断可能となっているため、例えば船舶において、装置が動揺しても内部の液体が漏洩することを防止でき、また、内部で発生する気体が外部に漏洩することも防止できる。特に、可燃性ガスの飛散がなくなり、隣接する発火源との遮断を容易に行うことができる。
本発明の粉体又は顆粒体の溶解装置の一実施形態として、助燃剤の燃料油への溶解装置の配管及び配線構成を概略的に示す図である。 図1の実施形態における溶解装置の平面図である。 図1の実施形態における溶解装置の正面図である。 図1の実施形態における溶解装置の左側面図である。 図1の実施形態における溶解装置の右側面図である。 図1の実施形態における表示板の構成を概略的に示す図である。 図1の実施形態における溶解装置の操作及び動作を説明するフローチャートである。
図1は本発明の粉体又は顆粒体の溶解装置の一実施形態として、助燃剤の溶解装置の配管及び配線構成を概略的に示しており、図2、図3、図4及び図5はこの溶解装置の平面、正面、左側面及び右側面の構成をそれぞれ示しており、図6はこの溶解装置の表示板の構成を概略的に示している。なお、図3の正面図では、制御盤が省略されている。
本実施形態は、粉体又は顆粒体である助燃剤をA重油中に溶解させて3%の助燃剤溶液を作成し、燃料油であるC重油のセットリングタンクに供給するための粉体又は顆粒体の溶解装置に係り、例えば、本船機関室の清浄機室内に設置される。
図1〜図5において、10は溶解タンク、11は溶解タンク10の頂面10aに設けられた開口、12はこの開口11上にバタフライ弁(本発明の弁部材に対応する)13を介して設置された助燃剤投入ホッパ(本発明の粉体又は顆粒体収容部に対応する)、14は溶解タンク10内に設けられており、開口11を覆うように構成された籠状ケージ、15は籠状ケージ14内の開口11の近傍に設けられており、軸中心へ向かう斜め下方への噴射流を形成する複数の溶解用ノズル(本発明の第1の噴射ノズルに対応する)、16は溶解タンク10内の下部に設置されており溶解タンク10の底面10bに沿った噴射流を形成する複数の攪拌用ノズル(本発明の第2の噴射ノズルに対応する)をそれぞれ示している。
溶解タンク10の下部には取出口17が設けられており、この取出口17は玉型弁である出口弁18及び配管19を介して溶解・攪拌用ポンプ20の吸入口に連結されている。配管19の途中には、ストレーナ21が設けられている。溶解・攪拌用ポンプ20の吐出口は、配管22及び23を介して複数の溶解用ノズル15に連結されており、配管22及び24を介して複数の攪拌用ノズル16に連結されている。配管19には、ストレーナ21の下流側において、配管25が連結されており、この配管25は移送用ポンプ26の吸入口に連結されている。移送用ポンプ26の吐出口は、配管27を介して、図示しないC重油セットリングタンク(C重油の沈殿・澄ましタンク)に連結されている。
配管19のストレーナ21の上流側には溶解・攪拌用ポンプ吸入口弁28が設けられており、配管22にはフラップ型の逆止弁である溶解・攪拌用ポンプ吐出口弁29が設けられている。配管23には溶解用ノズル入口弁30が設けられている。配管24には圧力調整用のニードル弁31及び玉型弁である攪拌用ノズル入口弁32が設けられている。配管25には電磁弁である移送用ポンプ吸入口弁(SV3)33が設けられている。配管27にはフラップ型の逆止弁である移送用ポンプ吐出口弁34が設けられている。
溶解・攪拌用ポンプ20の吸入口側の配管25には圧力計(連成計)35が、吐出口側の配管22には圧力計36がそれぞれ設けられており、移送用ポンプ26の吐出口側の配管27には圧力計37が設けられている。これら圧力計35〜37の検出圧力値は、計器盤38に出力されて表示される。
配管39の一端は図示しないA重油供給タンクに連結されており、他端は溶解タンク10の頂面10aに設けられた図示しないA重油接続フランジを介して連結されている。この配管39の途中には、玉型弁40及び41並びに電磁弁(SV2)42及び電磁弁(SV1)43が直列に設けられている。溶解タンク10の上部には、図示しない接続フランジを介して空気管44が連結されている。
溶解タンク10内には、その液面が低位レベル(LL)となったか否かを検出する低位レベルセンサ45と、その液面が高位レベル(HL)となったか否かを検出する高位レベルセンサ46と、その液面がさらに高い緊急の高高位レベル(HHL)となったか否かを検出する高高位レベルセンサ47とがそれぞれ設けられている。
溶解タンク10は4つのタンク脚柱48によって支えられており、これらタンク脚柱48及び溶解・攪拌用ポンプ20は、据付台を兼用すると共に漏れた溶液を受容する台盤(コーミング)49上に設置されている。この台盤49には漏洩検知センサ50が設けられている。漏洩して台盤49内に溜まった溶液は、図示しないドレンタンクへ送ることができるように構成されている。
低位レベルセンサ45、高位レベルセンサ46、高高位レベルセンサ47、漏洩検知センサ50、溶解・攪拌用ポンプ20、移送用ポンプ26、電磁弁である移送用ポンプ吸入口弁(SV3)33、並びに電磁弁(SV2)42及び電磁弁(SV1)43は電気制御盤51に電気的に接続されている。
なお、図3及び図4において、52は溶解タンク20の内部点検及び清掃用のマンホールを示している。また、図1及び図4において、53はドレンプラグを示している。さらに、図1〜図3において、54は平形ガラスによる目盛付液面計を示している。
溶解タンク10、電気制御盤51及び台盤49は互いに分割可能であり、これにより、清浄機室の入口ドア部(横幅700mm)より搬入可能となっている。
溶解タンク10は、その横断面(水平断面)が矩形形状となる角形形状を有している。即ち、溶解タンク10は、底面10bがその最下部に平坦な部分を若干残しつつその大部分が一方向(図1及び図3において左肩上がりの方向)に傾斜していることを除いてほぼ直方体形状を有している。単なる一例であるが、例えば、幅が約800mm、奥行きが約600mm、高さが約900〜1100mm程度の寸法を有している。この溶解タンク10は、有効容積が約400リットルであり、これは大型コンテナ船における3日分の助燃剤溶液に対応する。なお、溶解タンク10の形状は、この実施形態において述べた形状に限定されるものではなく、横断面が矩形形状となる角形形状であり、底面10bの少なくとも一部が傾斜していれば、いかなる形状であっても良い。溶解タンク10の寸法も同様にこの実施形態において述べた寸法に限定されない。
この溶解タンク10は、開口11を除いて外部から実質的に密閉されている。この開口11も、助燃剤投入時を除き、バタフライ弁13によって閉成されている。実質的に密閉とは、空気管44を介して空気抜き可能なように外部と連通しているためである。
この溶解タンク10の頂面10aには、バタフライ弁13によって開閉される開口11と、配管39に連結されているA重油接続フランジと、空気管44に連結されている接続フランジとが設けられている。バタフライ弁13上には助燃剤投入ホッパ12が取り付けられている。溶解タンク10の前面には前述したマンホール52が、底面10bにはドレンプラグ53がそれぞれ設けられている。溶解タンク10の側面には、出口弁18及び配管19に連結されている取出口17と、配管22から分岐して配管24及び攪拌用ノズル入口弁32に連結されている攪拌用ノズル入口とが設けられている。溶解タンク10の頂面10aに設置される前述の開口11には、同じく配管22から分岐して配管23及び溶解用ノズル入口弁30に連結されている溶解用ノズル入口が設けられている。
溶解タンク10の内部には、前述した籠状ケージ14と、複数の溶解用ノズル15と、複数の攪拌用ノズル16と、低位レベルセンサ45と、高位レベルセンサ46と、高高位レベルセンサ47とが設けられている。
籠状ケージ14は、溶解タンク10の上部において、その上端開口が溶解タンク10の開口11を覆うように構成された円筒状のステンレス製のゴーズワイヤー(薄い金網)であり、この開口11及びバタフライ弁13を介して助燃剤投入ホッパ12に連結されている。単なる一例であるが、この籠状ケージ14は径が約330mm、高さが約500mmに形成されており、全体の内部容積が約42リットル、溶解タンク10に助燃剤溶液が規定量満たされた際の内部容積が約24リットルに設定されている。籠状ケージ14の形状もこの実施形態において述べた形状に限定されるものではなく、例えば角筒形状又はその他の形状であっても良い。籠状ケージ14の寸法も同様にこの実施形態において述べた寸法に限定されない。
複数の溶解用ノズル15は、籠状ケージ14の内部の開口11の近傍に、斜め下方の軸中心方向に向けて互いにほぼ等角度に離れて設けられた本実施形態では4つのステンレス又はポリプロピレン製の液中噴射ノズルである。各液中噴射ノズルは、溶解・攪拌用ポンプ20によって加圧された助燃剤溶液を溶液中で噴射すると共に噴射に伴って発生する負圧により側面の溶液を吸い込んで噴射するものであり、例えば、株式会社いけうちから、液中噴射ノズルEJXシリーズとして市販されている。溶解すべき助燃剤の粉体量に応じて、噴射量の異なる液中噴射ノズルを選択又は変更することができる。各溶解用ノズル15の噴射方向は、適宜調整することが可能である。また、溶解用ノズル15の数は、4つが望ましいが、これに限定されるものではなく、2〜3つ又は5つ以上であっても良い。溶解用ノズル15として他の種類の噴射ノズルを用いても良いことはもちろんである。
複数の攪拌用ノズル16は、溶解タンク10内の底面10bの最下部の近傍に設けられた、本実施形態では4つのステンレス又はポリプロピレン製の液中噴射ノズルである。そのうちの2つの液中噴射ノズルは、傾斜部に沿った斜め上方向(図1及び図3において左肩上がりの方向)に向けて互いに並べて設けられており、残りの2つの液中噴射ノズルは、下方に向けて互いに並べて設けられている。各液中噴射ノズルは、溶解・攪拌用ポンプ20によって加圧された助燃剤溶液を溶液中で噴射すると共に噴射に伴って発生する負圧により側面の溶液を吸い込んで噴射するものであり、例えば、株式会社いけうちから、液中噴射ノズルEJXシリーズとして市販されている。各攪拌用ノズル16の噴射方向は、適宜調整することが可能である。また、攪拌用ノズル16の数は、4つが望ましいが、これに限定されるものではなく、2〜3つ又は5つ以上であっても良い。攪拌用ノズル16として他の種類の噴射ノズルを用いても良いことはもちろんである。
本実施形態における溶解・攪拌用ポンプ20はA重油に助燃剤を溶解した助燃剤溶液を加圧する油用ポンプであり、例えば日本オイルポンプ株式会社のトロコイドポンプ(登録商標)である。単なる一例であるが、例えば、動力が約1.5kW、吐出圧が約0.3MPa、吐出量が約93.6L/min程度の油用ポンプである。溶解・攪拌用ポンプ20として、他の種類のポンプを用いても良いことはもちろんである。
本実施形態における移送用ポンプ26も助燃剤溶液を加圧する油用ポンプであり、例えば日本オイルポンプ株式会社のトロコイドポンプ(登録商標)である。単なる一例であるが、例えば、動力が約0.2kW、吐出圧が約0.5MPa、吐出量が約2.7L/min程度の油用ポンプである。この移送用ポンプ26は、本船の図示しないC重油移送ポンプの自動起動に連動する電気制御盤51からの信号で起動し、約15〜20分間、溶解タンク10内の所要量の助燃剤溶液をC重油セットリングタンクへ移送するように構成されている。移送用ポンプ26として、他の種類のポンプを用いても良いことはもちろんである。
低位レベルセンサ45は、溶解タンク10内の助燃剤溶液の液面が低位レベル(LL)となったか否かを検出し、電気制御盤51にその検出信号を送るように構成されている。高位レベルセンサ46は、溶解タンク10内の助燃剤溶液の液面が高位レベル(HL)となったか否かを検出し、電気制御盤51にその検出信号を送るように構成されている。高高位レベルセンサ47は、溶解タンク10内の助燃剤溶液の液面が高位レベル(HL)よりさらに高い緊急の高高位レベル(HHL)となったか否かを検出し、電気制御盤51にその検出信号を送るように構成されている。漏洩検知センサ50は、台盤49上に助燃剤溶液が漏れたか否かを検出し、電気制御盤51にその検出信号を送るように構成されている。これらセンサの種類、位置及び個数は、単なる一例であり、種々の変更態様が可能である。
電気制御盤51は、本船から、例えばAC440V、60Hzの電源が供給されており、この制御盤51の表面に設けられた図示しない操作盤を介して与えられる操作指示に応じて、並びに本船からの信号、低位レベルセンサ45からの検出信号、高位レベルセンサ46からの検出信号、高高位レベルセンサ47からの検出信号、及び漏洩検知センサ50からの検出信号に応じて、溶解・攪拌用ポンプ20、移送用ポンプ26、電磁弁である移送用ポンプ吸入口弁(SV3)33、並びに電磁弁(SV2)42及び電磁弁(SV1)43の作動を制御したり、その表面に設けられた図6に示すような表示板60に表示したり、タイマを作動させたり、警報を発したり、本船側へ信号を送る動作を行う。
図7は本実施形態における溶解装置の操作及び動作を説明しており、以下、同図をも参照して本実施形態における粉体又は顆粒体の溶解装置の動作を説明する。まず、初期使用又は溶解タンク10の清掃等により、この溶解タンク10が空の状態である場合について説明する。
オペレータが、電気制御盤51の操作盤を制御して電源スイッチ(図示なし)をオンにする(ステップS1)。これにより、表示板60上の電源オンを示す表示LED61が点灯する。この場合、溶解タンク10内が空であるため、高位レベルセンサ46及び高高位レベルセンサ47からはその検出レベルとはなっていない旨の検出信号(以下、オフ信号)が出力される。従って、表示板60上のこれらセンサ46及び47に対応する表示LED63及び64は、非点灯状態となっている。なお、低位レベルセンサ45は、この場合、アラームを発し、表示LED62は点灯状態となり、強制的にリセットしても、その表示LED62は点灯状態を保つ。
高位レベルセンサ46及び高高位レベルセンサ47からオフ信号が出されているため、電磁弁(SV1)43及び電磁弁(SV2)42は開成されている。これにより、これら電磁弁43及び42に対応する表示LED65及び66は、それぞれ非点灯状態及び点灯状態となる。
この状態で、オペレータが2つの玉型弁40及び41を手動開成すると、A重油供給タンクから配管39を介して溶解タンク10へのA重油の供給が開始される(ステップS2)。
溶解タンク10に所定量(例えば、約400リットル)のA重油が充填されると、高位レベルセンサ46がこれを検知して検出レベルとなった旨の検出信号(以下、オン信号)が出力される。これにより、表示LED63が点灯し、アラームブザー警報が発生すると共に一方の電磁弁(SV2)42が閉成される(ステップS3)。これに対応して、表示LED66が非点灯状態となる。ただし、アラームブザー警報を遅延させるために、タイマを使用するように構成しても良い。なお、溶解タンク10が空の状態からのA重油充填量は、約450リットルとなる。
次いで、オペレータが2つの玉型弁40及び41を手動閉成して充填作業が終了する。
高位レベルセンサ46又は電磁弁(SV2)42に何らかの不都合があり、所定量(例えば、約400リットル)のA重油が充填されても充填が終了しない場合、高高位レベルセンサ47がこれを検知してオン信号が出力される。これにより、表示LED64が点灯し、アラームブザー警報が発生すると共に他方の電磁弁(SV1)43が閉成され、A重油の供給が強制終了される。これに対応して、表示LED65が点灯状態となる。この過充填許容量は、約30リットルである。
その後、粉末状又は顆粒状の助燃剤の投入を行う。本実施形態における助燃剤は、主成分としてフェロセン、リン脂質及び有機バリウムを含み、結晶片で2〜5mmの鱗片不定形状を有する粉体又は顆粒体である。単なる一例であるが、例えば株式会社タイホーコーザイのタイクラッシュHDをこの助燃剤として用いることができる。
助燃剤の投入の前に、オペレータは、溶解タンク10の頂面の開口11を覆うバタフライ弁13が閉成されていることを確認する。次いで、オペレータがこのバタフライ弁13の上に連結されている助燃剤投入ホッパ12の蝶ネジ留具を弛め、そのホッパ蓋を開放する。次いで、助燃剤を助燃剤投入ホッパ12内に投入する。この場合、A重油の充填量100リットルに対して、助燃剤を2.5kg投入する。即ち、初期のA重油400リットルに対して、10.0kg投入する。これは、2.0kg/パックのパック入り助燃剤について、5パック分投入することを意味する。助燃剤投入量は、早見表を見ることによって容易に知ることができる。次いで、オペレータは、ホッパ蓋を閉成し、蝶ネジ留具を締め付ける。その後、バタフライ弁13を開成し、助燃剤を全て、溶解タンク10の籠状ケージ14内に落とし込んだ後、このバタフライ弁13を閉成する(ステップS4)。この作業手順によれば、バタフライ弁13の上の助燃剤投入ホッパ12にはA重油は侵入せず、従って、溶解タンク10内を除いて、助燃剤とA重油とは互いに隔離された状態に保たれる。
攪拌溶解処理の前に、オペレータは、各弁の開閉状態を確認する。即ち、取出口17に連結された出口弁18、溶解・攪拌用ポンプ吸入口弁28、溶解・攪拌用ポンプ吐出口弁29、溶解用ノズル入口弁30、攪拌用ノズル入口弁32及び移送用ポンプ吐出口弁34が全開状態にあることを確認し、圧力調整用のニードル弁31を運転時の配管圧力が0.2MPaとなるように調整し、電磁弁である移送用ポンプ吸入口弁(SV3)33が全閉状態にあることを確認する(ステップS5)。
次いで、オペレータが電気制御盤51の操作盤の攪拌/移送切換スイッチ(図示なし)を攪拌側に切り換える。これにより、表示板60上の攪拌選択の表示LED67が点灯したことを確認する。次いで、操作盤のスイッチ(図示なし)をオペレータが操作して溶解・攪拌用ポンプ20を起動する(ステップS6)。これにより、表示板60上の溶解・攪拌用ポンプ作動の表示LED68が点灯状態となる。
溶解・攪拌用ポンプ20が作動すると、A重油又は助燃剤を溶解した助燃剤溶液が加圧され、配管22及び23を介して4つの溶解用ノズル15から籠状ケージ14の内部の斜め下方の軸中心方向に噴射流として噴出される。この噴出されたA重油又は助燃剤溶液により、溶解又は微細化された助燃剤粉末が籠状ケージ14の側面及び底面のメッシュ部を通過して溶解タンク10内に落とし込まれ、溶解が促進される。一方、加圧されたA重油又は助燃剤を溶解した助燃剤溶液が、配管22及び24を介して2つの攪拌用ノズル16から溶解タンク10の底面10bの傾斜部に沿った斜め上方向(図1及び図3において左肩上がりの方向)に向けて噴射流として噴出され、さらに、2つの攪拌用ノズル16から下方に向けて噴射流として噴出される。これにより、底面10bの最下部に溜まりやすい助燃剤粉末が舞い上がり、溶解タンク10全体を循環するので、A重油と助燃剤との攪拌が効率よくかつ効果的に行われ、不溶解分が残らなくなる。なお、溶解・攪拌用ポンプ20が過負荷状態となった場合は、表示LED69が点灯し、アラームブザー警報が発生すると共にこの溶解・攪拌用ポンプ20は緊急停止される。
溶解・攪拌用ポンプ20は、起動から可変の所定時間(例えば、1時間)後に、タイマによって自動停止するように設定されている(ステップS7)。溶解・攪拌用ポンプ20が停止すると、表示板60上の溶解・攪拌用ポンプ作動の表示LED68が非点灯状態となる。
その後、オペレータが電気制御盤51の操作盤の攪拌/移送切換スイッチ(図示なし)を移送側に切り換える。これにより、電磁弁(SV3)33が開成され、表示板60上の移送選択の表示LED70及び電磁弁33に対応する表示LED71が点灯したことを確認する(攪拌選択の表示LED67は非点灯状態となる)。そして、この状態で待機する。
移送用ポンプ26は、本船の図示しないC重油移送ポンプの自動起動に連動して自動起動し、約15〜20分間、タイマで作動した後、自動停止する。移送用ポンプ26が起動すると、表示板60上の移送用ポンプ作動の表示LED72が点灯状態となり、停止すると非点灯状態となる。移送用ポンプ26のこの作動により、溶解タンク10内の所要量の助燃剤溶液がC重油セットリングタンクに移送され、その後、C重油と混合される(ステップS8)。なお、移送用ポンプ26が過負荷状態となった場合は、表示LED73が点灯し、アラームブザー警報が発生すると共にこの移送用ポンプ26は緊急停止される。
次に、溶解タンク10が空ではない状態からA重油及び助燃剤を補給する場合について、粉体又は顆粒体の溶解装置の動作を説明する。
A重油の供給開始及び供給停止については、前述したステップS2及びS3の動作と同じである。しかしながら、この補給時においては、ステップS4における助燃剤の投入量が異なる。即ち、目盛付液面計54からA重油補給直前の目盛を読み取った後にA重油を補給し、溶解タンク10内の全量が400リットルとなるようにする。これにより、補給されたA重油の量Xが求められるため、助燃剤補給量(kg)=X/(100/2.5)=X/40から求められる。助燃剤投入量は、早見表を見ることによって容易に知ることができる。この補給量の助燃剤を助燃剤投入ホッパ12内に投入する。他の操作は溶解タンク10が空である状態の場合と全く同じである。
粉体又は顆粒体の溶解装置を運転している間に、台盤49上にA重油や助燃剤溶液が漏れた場合は、漏洩検知センサ50がこれを検知してオン信号が出力される。これにより、表示板60の表示LED74が点灯し、アラームブザー警報が発生すると共に溶解・攪拌用ポンプ20及び移送用ポンプ26が緊急停止し、電磁弁(SV2)42が閉成されてA重油の供給が強制終了される。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、溶解タンク10内において、粉状又は顆粒状の助燃剤が投入される開口11の近傍に設置された4つの溶解用ノズル15によって、籠状ケージ14の内部の斜め下方の軸中心方向への噴射流が形成され、しかも、この噴射流によって溶解又は微細化された助燃剤粉末が籠状ケージ14の側面及び底面のメッシュ部を通過して溶解タンク10内に落とし込まれて溶解が促進されるので、粉状又は顆粒状の助燃剤は、A重油に短時間で溶解され易い。さらに、溶解タンク10内の下部に設置された2つの攪拌用ノズル16から溶解タンク10の底面10bの傾斜部に沿った斜め上方向(図1及び図3において左肩上がりの方向)に向けて対流効果を有する噴射流として噴出され、さらに、2つの攪拌用ノズル16から下方に向けて対流効果を有する噴射流として噴出されるので、底面10bの最下部に溜まりやすい助燃剤粉末が舞い上がり、溶解タンク10全体を対流して循環するので、A重油と助燃剤との攪拌が効率よくかつ効果的に行われ、不溶解分が残らなくなる。また、上部の溶解用ノズル15による旋回流と、下部の攪拌用ノズル16による対流との2段階による溶解であるため、相乗効果があり、短時間かつ完全な溶解が可能である。
さらに、本実施形態によれば、溶解用ノズル15及び攪拌用ノズル16からの噴流による溶解であり、溶解するための機械的な旋回運動や往復運動を行う動的な部品が存在しないため、故障が少なく、また、メンテナンスも容易であり、その分、運転コストの低減化を図ることができる。特に、メンテナンスが簡単で故障が少ないことは、長期間の航海がなされる船舶に載置される際に大きな長所となる。例えば、週毎や月毎の点検は基本的に不要となる。点検としては、溶解・攪拌用ポンプ20の吸入圧力の真空度が高くなった場合にストレーナ21の清掃を行ったり、年に1回程度の頻度でマンホール52を開け、溶解用ノズル15及び攪拌用ノズル16の状態点検を行う程度で充分である。
またさらに、本実施形態によれば、溶解タンク10がその横断面(水平断面)が矩形形状となる角形形状を有していることにより、その設置スペースに合わせた自由設計が可能である。例えば、船舶において、溶解タンク10を略直方体形状とすることにより、例えば機関室の壁面コーナー部分への設置が可能であり、省スペース化を図ることができる。また、例えば機関室の入口ドア部の寸法以内の形状に容易に設計可能であり、さらに、同容量の円筒形状溶解タンクに比して小型化が可能となるため、ハンドリングが容易となる。
さらに、本実施形態によれば、溶解タンク10が開口11を除いて外部から実質的に密閉されておりこの開口11もバタフライ弁13によって遮断可能となっているため、また、溶解及び攪拌のための配管系統並びに移送のための配管系統も密閉化されているため、例えば船舶において、装置が動揺しても内部の液体が漏洩することを防止でき、また、内部で発生する気体が外部に漏洩することも防止できる。特に、可燃性ガスの飛散がなくなり、隣接する発火源との遮断を容易に行うことができる。
もちろん、粉状又は顆粒状の助燃剤を用いているため、保管容器の小型化及び重量の軽減化を図ることができる。このような粉状又は顆粒状の助燃剤は、コンパクトであることから、大量に供給しても輸送及び積載コストを低減化でき、少人数によるハンドリングが容易である。さらに、狭い船舶内に大量にかつ容易に保管することが可能であるため、スペースの有効利用を図ることができる。また、使用後の容器処理として、焼却できるため、処理が容易である。さらに、この粉状又は顆粒状の助燃剤の溶媒としてA重油を用いているため、船上で容易に入手可能、粉状又は顆粒状の助燃剤を溶解させても性状が安定である、C重油との混合性が良好である、常温で粉状又は顆粒状の助燃剤を溶解可能であるから蒸発気体の発生を極力防止できる、粉状又は顆粒状の助燃剤を完全溶解させ易い等の利点を得ることができる。
なお、上述した実施形態は、船舶内に設置される粉体又は顆粒体の溶解装置として、A重油に粉状又は顆粒状の助燃剤、特にフェロセンを含む添加剤を溶解する装置の場合であるが、本発明は、船舶内に設置される粉体又は顆粒体の溶解装置として、ボイラ水に粉状又は顆粒状の清缶剤を溶解する装置についても同様に適用可能である。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 溶解タンク
10a 頂面
10b 底面
11 開口
12 助燃剤投入ホッパ
13 バタフライ弁
14 籠状ケージ
15 溶解用ノズル
16 攪拌用ノズル
17 取出口
18 出口弁
19、22、23、24、25、27、39 配管
20 溶解・攪拌用ポンプ
21 ストレーナ
26 移送用ポンプ
28 溶解・攪拌用ポンプ吸入口弁
29 溶解・攪拌用ポンプ吐出口弁
30 溶解用ノズル入口弁
31 ニードル弁
32 攪拌用ノズル入口弁
33 移送用ポンプ吸入口弁(SV3)
34 移送用ポンプ吐出口弁
35 圧力計(連成計)
36、37 圧力計
38 計器盤
40、41 玉型弁
42 電磁弁(SV2)
43 電磁弁(SV1)
44 空気管
45 低位レベルセンサ
46 高位レベルセンサ
47 高高位レベルセンサ
48 タンク脚柱
49 台盤(コーミング)
50 漏洩検知センサ
51 電気制御盤
52 マンホール
53 ドレンプラグ
54 目盛付液面計
60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74 表示LED

Claims (7)

  1. 頂面に開口を有しており、粉体又は顆粒体を溶解する液体が収容される溶解タンクと、該溶解タンクの前記開口上に設置されており、投入すべき粉体又は顆粒体が収容される粉体又は顆粒体収容部と、前記溶解タンクの前記開口を開閉して前記粉体又は顆粒体収容部と前記溶解タンクとを連通又は遮断する弁部材と、前記溶解タンク内の前記開口近傍に設置されており、斜め下方への噴射流を形成する複数の第1の噴射ノズルと、該溶解タンク内の下部に設置されており、少なくとも該溶解タンクの底面に沿った噴射流を形成する複数の第2の噴射ノズルと、前記溶解タンク内の液体を加圧して前記複数の第1の噴射ノズル及び前記複数の第2の噴射ノズルに供給する循環加圧手段とを備えており、前記溶解タンクは矩形形状の横断面を有していると共に前記開口を除いて外部から実質的に密閉されており、該溶解タンクの前記底面は前記複数の第2の噴射ノズルの設置位置から上方に向けて傾斜していることを特徴とする粉体又は顆粒体の溶解装置。
  2. 前記開口を前記溶解タンク内部から覆い前記粉体又は顆粒体収容部から前記弁部材を介して投入された粉体又は顆粒体を受ける籠状ケージをさらに備えており、前記第1の噴射ノズルが該籠状ケージ内に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体又は顆粒体の溶解装置。
  3. 前記複数の第2の噴射ノズルが、該溶解タンクの底面に沿った噴射流を形成する複数の噴射ノズルと、該溶解タンクの下方に向かう噴射流を形成する複数の噴射ノズルとを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体又は顆粒体の溶解装置。
  4. 前記複数の第1の噴射ノズルの各々及び前記複数の第2の噴射ノズルの各々が、前記循環加圧手段から供給された加圧液体を液中で噴射すると共に該噴射に伴って発生する負圧により側面の液体を吸い込んで噴射する液中噴射ノズルであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の粉体又は顆粒体の溶解装置。
  5. 当該粉体又は顆粒体の溶解装置が船舶内に載置された溶解装置であり、前記液体が燃料油であり、前記粉体又は顆粒体が粉状又は顆粒状の助燃剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の粉体又は顆粒体の溶解装置。
  6. 前記燃料油がA重油であり、前記助燃剤がフェロセンを含む添加剤であることを特徴とする請求項5に記載の粉体又は顆粒体の溶解装置。
  7. 当該粉体又は顆粒体の溶解装置が船舶内に載置された溶解装置であり、前記液体がボイラ水であり、前記粉体又は顆粒体が粉状又は顆粒状の清缶剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の粉体又は顆粒体の溶解装置。
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