JP2013202554A - 液滴生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分解容易で組み立て易い液滴生液滴生成装置を提供する
【解決手段】上記課題を解決するために、液滴生成装置1は、中部基板21と下側基板23とを含む複数の基板が積層されて形成されたベース部材2と、液状の分散相材と液状の連続相材とを流通させ、連続相材の剪断力によって分散相材の液滴を生成する複数の液滴生成流路を有し、中部基板21に形成された流路構造211と、下側基板23に形成され、液状の分散相材200と液状の連続相材100を貯留する液体貯留部231と、液体貯留部231から流路構造211の各液滴生成流路に液状の分散相材200をそれぞれ導入する分散相導入部と、液体貯留部231から流路構造211の各液滴生成流路に連続相材100をそれぞれ導入する連続相材導入部と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゼラチン粒子等の生成のために液滴を生成するための液滴生成装置に関する。
従来、エマルジョンの分散相材(例えば、ゼラチン)と、エマルジョンの分散媒となる連続相材(例えば、油等)とを流通させ、連続相材の剪断力によって分散相材の液滴を生成する液滴生成流路を備えた液滴生成装置が知られている(例えば、特許文献1)。
このように生成された液滴を用いて、例えば、塞栓治療や、DDS(Drag Delivery System)等に利用される微小粒子が生成される。
上述した従来の液滴生成装置では、複数の液滴生成流路から成る流路構造が形成された基板が複数積層され、この積層された複数の基板がカバー体及びパッキン等を介して一対の板状の圧着具によって上下方向から挟持された状態で固定される。各基板に形成された各流路構造には連続相材と分散相材とが導入されるが、この連続相材と分散相材とは、一対の圧着具の外部に配設された連続相材用の供給流路と分散相材用の供給流路から、圧着具や複数の基板を貫通するように設けられた導入路を介して導入される。
特開2008−238097
上述した従来の液滴生成装置は、圧着具や複数の基板から成るベース部材の他に、ベース部材の外部に連続相材用の供給流路と分散相材用の供給流路を有するため、部品点数が多かった。このため、導入路や液滴生成流路に目詰まり等の不具合が生じた場合に、液滴生成装置を分解し導入路を清掃する必要があるが、液滴生成装置を分解し、かつ組み立てることが容易ではなかった。また、上述した従来の液滴生成装置では、ベース部材の外部に連続相材用の供給流路と分散相材用の供給流路とが配設されていたため、これらの供給流路から複数の液滴生成流路に分散相材を導入するための導入路と連続相材を導入するための導入路の配設構造が複雑であった。例えば、圧着具や複数の基板に貫通孔を形成し、これらの貫通孔に導入路を挿入させる必要があり、導入路の配設構造が複雑であった。これによっても、液滴生成装置を分解し、かつ組み立てることが容易ではなかった。
上記課題を解決するために、本発明の目的は、分解容易で組み立て易い液滴生成装置を提供することである。
本発明に係る液滴生成装置は、第1基板と第2基板とを含む複数の基板が積層されて形成されたベース部材と、液状の分散相材と液状の連続相材とを流通させ、連続相材の剪断力によって分散相材の液滴を生成する複数の液滴生成流路が第1基板に形成されてなる流路構造と、第2基板に形成され、液状の分散相材を貯留する分散相貯留部と、第2基板に形成され、液状の連続相材を貯留する連続相貯留部と、分散相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に分散相材をそれぞれ導入する分散相導入部と、連続相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に連続相材をそれぞれ導入する連続相材導入部と、を有する。
上記構成によれば、分散相貯留部と連続相貯留部とが同じ一層の基板(第2基板)に形成されている。また、流路構造が第1基板に形成されている。このように、第1基板と第2基板の2層に、液滴を生成するための主要な構成が形成されているため、部品点数が少なく、分解容易でかつ組み立て容易な液滴生成装置を提供することができる。また、ベース部材に、分散相貯留部と連続相貯留部とが形成されている。このため、ベース部材の外部にこれらに対応する構成を備え、ベース部材の貫通孔を通るように、連続相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に連続相材をそれぞれ導入する連続相材導入部と、分散相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に分散相材をそれぞれ導入する分散相材導入部とが配設されていた従来技術と比較して、分散相導入部の配設構造と、連続相材導入部の配設構造とを簡素化することが可能になる。これによっても、液滴生成装置を分解容易でかつ組み立て容易にすることができる。
上記液滴生成装置は、上記流路構造を複数備えてもよい。また、上記第2基板には、複数の流路構造に導入される連続相材を貯留する複数の連続相貯留部が形成されているとともに、複数の流路構造に導入される分散相材を貯留する複数の分散相貯留部が形成されていてもよい。
上記構成によれば、液滴生成装置の単位時間あたりの液滴の生産性を向上させるため、液滴生成装置に複数の流路構造が形成されるが、複数の流路構造についての複数の連続相貯留部及び複数の分散相貯留部が第2基板の一層に集約して形成されている。このため、単位時間当たりの液滴の生産性が高く、かつ分解容易で組み立て容易な液滴生成装置を提供することができる。
上記流路構造における複数の液滴生成流路が、円環状に配置されていてもよい。また、上記連続相貯留部及び上記分散相貯留部は、複数の液滴生成流路の配置に対応するように平面視で略円形に上記第2基板に形成されていてもよい。
上記構成によれば、複数の液滴生成流路が円環状に配置されているため、複数の液滴生成流路を並列に配置する従来の構成に比較して、多数の液滴生成流路を省スペースに配列することができる。更に、連続相貯留部と分散相貯留部が、複数の液滴生成流路に対応する形状(平面視で略円形)に形成されているため、連続相貯留部、及び分散相貯留部を必要最小限の大きさで第2基板に形成することができる。このように、多数の液滴生成流路を配列しながらも、多数の液滴生成流路、連続相貯留部及び分散相貯留部を省スペースに形成することができるため、単位時間当たりの液滴の生成効率が高く、かつコンパクトな液滴生成器を提供することができる。
上記分散相導入部及び上記連続相材導入部は、上記第1基板又は上記第2基板に形成された貫通孔であってもよい。この構成によれば、分散相材及び連続相材が、分散相貯留部及び連続相貯留部から貫通孔(分散相導入部及び連続相材導入部)を流通して複数の液滴生成流路に導入される。このように、分散相導入部及び連続相材導入部も、第1基板又は第2基板に形成され、連続相材を各液滴生成流路に導入するための導入路がベース部材に別途配設される必要がない。このため、更に分解容易で組み立て容易な液滴生成器を提供することができる。
上記液滴生成装置は、上記流路構造を同一水平面上に複数備えてもよい。従来技術では、各流路構造が垂直方向に配列されて、各流路構造で単一の導出路が共用されていたが、従来の構成では、導出路において上方に配置された流路構造から排出された液滴が下方に配置された流路構造から排出された液滴と衝突し易い。
上記構成によれば、各流路構造で生成された分散相材の液滴をベース部材の外部に導出する導出路を各流路構造について個別に配設し易く、各流路構造で生成された液滴が衝突することを効果的に抑制することが可能になる。
上記ベース部材には、上記流路構造における複数の液滴生成流路で生成された分散相材の液滴をベース部材の外部に導出する導出路が、この流路構造について一個形成されていてもよい。この構成によれば、各液滴生成流路について単一の導出路が共有されるため、各液滴生成流路についてそれぞれ導出路を形成しない分、省スペース化を図ることが可能になる。
上記導出路は、上記第1基板に形成された貫通孔である第1導出路と、上記第2基板に形成された貫通孔である第2導出路を有する。この構成によれば、導出路も第1基板及び第2基板に形成されている。このため、導出路がベース部材に別途配設される必要がない。このため、更に分解容易で組み立て容易な液滴生成器を提供することができる。
上記構成によれば、第1基板と第2基板の2層に、液滴を生成するための主要な構成が形成されているため、部品点数が少なく、分解容易でかつ組み立て容易な液滴生成装置を提供することができる。また、ベース部材に分散相貯留部と連続相貯留部とが形成されている。このため、ベース部材の外部にこれらに対応する構成を備え、ベース部材の貫通孔を通るように、連続相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に連続相材をそれぞれ導入する連続相材導入部と、分散相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に分散相材をそれぞれ導入する分散相材導入部とが配設されていた従来技術と比較して、分散相導入部の構造と、連続相材導入部の構造とを簡素化することができる。これによっても、分解容易でかつ組み立て容易な液滴生成装置を提供することができる。
本実施形態に係る液滴生成装置の斜視図である。 本実施形態に係る液滴生成装置の分解図である。 (a)は、本実施形態に係る液滴生成装置の平面図であり、(b)は、本実施形態にかかる液滴生成装置を前方から見た側面図である。 下側基板の平面図である。 (a)は、本実施形態に係る液滴生成モジュールの平面図であり、(b)は、(a)におけるJ−J線矢視断面による液滴生成モジュールの断面図である。 液滴生成モジュールにおける下側基板の平面図である。 図5(a)で示す液滴生成器の斜視図である。 平面視した場合における液滴生成器の概略構成を示す図である。 (a)は、図8におけるA−A線矢視断面による液滴生成器を示す図であり、(b)は、図8におけるB−B線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図8におけるC−C線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図8におけるD−D線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図8におけるE−E線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図8におけるF−F線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図8におけるG−G線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 液滴生成器を用いた微小粒子の製造工程を示す説明図である。 液滴生成器による液滴の生成方法を示す説明図である。 液滴生成システムの電気的構成を示すブロック図である。 液滴生成システムが実行する温度調整処理の一例を示すフローチャートである。 液滴生成システムが実行する液体送出処理の一例を示すフローチャートである。 (a)は、本実施形態の第1変形例に係る液滴生成装置の平面図であり、(b)は、第1変形例に係る液滴生成装置のベース部材の側面図である。 第1変形例に係る液滴生成モジュールの分解図である。 (a)は、本実施形態の第2変形例に係る液滴生成装置の平面図であり、(b)は、第2変形例に係る液滴生成装置のベース部材の側面図である。 図22(a)におけるL−L線矢視断面による液滴生成モジュールの断面図である。 本実施形態の他の変形例に係る液滴生成流路の平面図である。 本実施形態の他の変形例に係る液滴生成流路の平面図である。 本実施形態の他の変形例に係る液滴生成流路の平面図である。 本実施形態の他の変形例に係る液滴生成器の平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(液滴生成装置の概要)
まず、図1及び図2を用いて本実施形態に係る液滴生成装置の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る液滴生成装置の斜視図である。図2は、本実施形態に係る液滴生成装置の分解図である。
本実施形態に係る液滴生成装置1は、中部基板21(本発明の第1基板の一例)と下側基板(本発明の第2基板の一例)23とを含む複数の基板(本実施形態では3枚の基板)が積層されて形成されたベース部材2を有する。液滴生成装置1は、中部基板21に形成された流路構造211を有する。そして、流路構造211は、液状の分散相材200と液状の連続相材100とを流通させ、連続相材100の剪断力によって分散相材200の液滴201を生成する複数の液滴生成流路3(図5(a))を有する。更に、液滴生成装置1は、下側基板23に形成された液体貯留部231を有する。液体貯留部231は、液状の分散相材200を貯留する分散相貯留部2314と、液状の連続相材100を貯留する連続相貯留部2312、2313を有する。そして、液滴生成装置1は、分散相貯留部2314から流路構造211の各液滴生成流路3に分散相材200をそれぞれ導入する分散相材導入部101(図5(b)、図7)を有する。なお、分散相材導入部101は、各液滴生成流路3に対応する数だけ形成される。また、液滴生成装置1は、連続相貯留部2312、2313から流路構造211の各液滴生成流路3に連続相材100をそれぞれ導入する連続相材導入部111、121、141(図7)を有する。なお、連続相材導入部111、121、141は、各液滴生成流路3に対応する数だけ形成される。
上記構成によれば、分散相貯留部2314と連続相貯留部2312、2313とが同じ一層の基板(下側基板23)に形成されている。また、流路構造211が中部基板21に形成されている。このように、中部基板21と下側基板23の2層に、液滴201を生成するための主要な構成が形成されているため、部品点数が少なく、分解容易でかつ組み立て容易な液滴生成装置1を提供することができる。
また、ベース部材2に分散相貯留部2314と連続相貯留部2312、2313とが形成されている。このため、ベース部材の外部にこれらに対応する構成を備え、ベース部材の貫通孔を通るように、連続相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に連続相材をそれぞれ導入する連続相材導入部と、分散相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に分散相材をそれぞれ導入する分散相材導入部とが配設されていた従来技術と比較して、分散相導入部101の配設構造と、連続相材導入部111、121、141の配設構造とを簡素化することが可能になる。これによっても、液滴生成装置1を分解容易でかつ組み立て容易にすることができる。
(液滴生成装置の詳細説明)
以下に、上記のように構成された液滴生成装置1についてより詳細に説明する。
まず、図1から図4を参照して説明する。図3(a)は、本実施形態に係る液滴生成装置の平面図であり、(b)は、本実施形態にかかる液滴生成装置を前方から見た側面図である。図4は、下側基板の平面図である。液滴生成装置1は、下側基板23、中部基板21及び上側基板22がこの順番に積層されてなるベース部材2を有する。中部基板21、上側基板22及び下側基板23は、いずれも板状の直方体の部材であり、積層された状態で分解可能に固定されている。本実施形態では、各基板21、22、23は、固定部材500(ボルト等)によってボルト締めされて分解可能に固定されるが、分解可能であれば、どのような固定方向も採用することができる。
中部基板21の表面には、液状の連続相材100と液状の分散相材200とを流通させ、連続相材100の剪断力によって分散相材200の液滴201を生成する流路構造211が同一水平面上に複数(例えば5個)形成されている。5個の流路構造211は、所定の間隔を空けて配置されている。なお、流路構造211の構成についての詳細は後述する。上側基板22は、中部基板21の蓋として機能する樹脂性の部材であり、樹脂の弾性によって中部基板21とのシール性を確保している。また、上側基板22は、透明であるため、図3(a)で示すように、液滴生成装置1が平面視された場合に、上側基板22を通して中部基板21の上面が視認可能である。
下側基板23の表面には、5個の流路構造211に導入される分散相材200と連続相材100を貯留する液体貯留部231が複数形成されている。なお、本実施形態では、液体貯留部231は、流路構造211の個数に対応する個数(例えば、5個)形成されているが、流路構造211と液体貯留部231の個数は必ずしも同じである必要はなく、幾つかの流路構造211で一個の液体貯留部231を共用する構成等であってもよい。各液体貯留部231は、連続相材100を貯留する2個の連続相貯留部2312、2313と、分散相材200を貯留する一個の分散相貯留部2314とを有する。なお、液体貯留部231の構成についての詳細は後述する。
なお、中部基板21における各液体貯留部231の上方には、連続相貯留部2312、2313に貯留された連続相材100を流路構造211に導入するための連続相材導入部111、121、141(図7)が形成されている。具体的には、連続相材導入部111、121、141は、中部基板21において高さ方向に形成された貫通孔であり、この貫通孔の上端が流路構造211に連通されている。これによって、連続相貯留部2312、2313に貯留された連続相材100が貫通孔である連続相材導入部111、121、141を通って流路構造211に導入される。また、中部基板21における液体貯留部231の上方には、分散相貯留部2314に貯留された分散相材200を流路構造211に導入するための分散相材導入部101(図7)が形成されている。具体的には、分散相材導入部101は、中部基板21において高さ方向に形成された貫通孔であり、この貫通孔の上端が流路構造211に連通されている。これによって、分散相貯留部2314に貯留された分散相材200が貫通孔である分散相材導入部101を通って流路構造211に導入される。なお、連続相材導入部111、121、141、及び分散相材導入部101の詳細については後述する。
上述したように、本実施形態では、中部基板21と下側基板23の2層に液滴201を生成するための主要な構成が形成されているため、液滴生成装置1は、部品点数が少なく、分解及び組み立て容易である。また、液体貯留部231がベース部材2に形成されているため、液体貯留部231がベース部材の外部に配設されている従来技術に比較して、分散相材導入部101及び連続相材導入部111、121、141の構造を簡易にすることが可能になる。
また、液滴生成装置1は、流路構造211で生成された分散相材200の液滴201をベース部材2の外部に導出する導出路2aが、各流路構造211について一個形成されている。各導出路2aは、ベース部材2に形成され、平面視で円形の形状を有する貫通孔である。各導出路2aは、中部基板21において高さ方向に形成された貫通孔である第1導出路211aと、下側基板23において高さ方向に形成された第2導出路2311とを有する。なお、第1導出路211aと第2導出路2311とは連続するように形成されており、第1導出路211aには、流路構造211から液滴201が排出され、この排出された液滴201が第1導出路211a及び第2導出路2311を通ってベース部材2の外部に導出される。
なお、第2導出路2311の下側開口は、回収配管900に接続されており、第2導出路2311から導出された液滴201が回収配管900を介して次工程に流出されるようになっている。排出された液滴201は、所定の工程を経て例えば塞栓やDDS等に使用される微小粒子202となる。この所定の工程についての詳細は後述する。
液滴生成装置1は、ベース部材2の外部に設けられた分散相材200の貯留タンク(図略)から分散相貯留部2314に分散相材200を供給するための供給部材601を有する。この供給部材601は、その一端が封止され、かつ各分散相貯留部2314に対応する位置にそれぞれ孔602が形成された配管である。供給部材601は、その他端で分散相材200用の貯留タンク(図略)を備えた供給装置M1(図17)に連通される。この他端を介して貯留タンク(図略)から供給部材601に、分散相材200が流入される。この流入された分散相材200は、孔602にそれぞれ取り付けられた各供給管(図略)を介して各分散相貯留部2314に供給される。なお、供給装置M1(図17)は、温調器や流量調整器(ポンプ等)を備えており、所望の温度、流量及び流速で分散相材200を分散相材導入部101に供給するようになっている。
液滴生成装置1は、ベース部材2の外部に設けられた連続相材100用の貯留タンク(図略)から連続相貯留部2312に連続相材100を供給するための供給部材701を有する。そして、液滴生成装置1は、ベース部材2の外部に設けられた連続相材100の他の貯留タンク(図略)から連続相貯留部2313に連続相材100を供給するための供給部材801を有する。この供給部材701、801は、その一端が封止され、かつ各連続相貯留部2312、2313に対応する位置にそれぞれ孔702、802が形成された配管である。供給部材701、801は、その他端で他の連続相材100用の貯留タンク(図略)を備えた供給装置M1(図17)に連通され、この他端を介して貯留タンク(図略)から連続相材100が流入される。なお、供給装置M1は、供給部材701用の貯留タンク(図略)とは別に、供給部材801用の貯留タンク(図略)を有する。供給部材701、801に流入された連続相材100は、孔702、802にそれぞれ取り付けられた各供給管(図略)を介して各連続相貯留部2312、2313に供給される。
(液滴生成モジュール1a)
上述したような液滴生成装置1は、図3(a)で示すように、一個の流路構造211と一個の液体貯留部231とを有する液滴生成モジュール1aを5個備えた装置である。以下、図5及び図6を用いて液滴生成モジュール1aの構成について説明する。図5(a)は、本実施形態に係る液滴生成モジュールの平面図であり、(b)は、(a)におけるJ−J線矢視断面による液滴生成モジュールの断面図である。図6は、液滴生成モジュールにおける下側基板(図4の点線部分)の平面図である。
(液滴生成モジュール1a:流路構造211)
まず、図5(a)(b)を用いて流路構造211について説明する。液滴生成モジュール1aは、一個の液滴生成流路3(本実施形態では、一つの分散相流路10と、一つの連通流路13と、3つの連続相流路11、12、14とからなる一つの流路)が形成された液滴生成器4を複数(例えば70個等)備えている。言い換えれば、液滴生成モジュール1aは、70個等の複数の液滴生成流路3を有する一個の流路構造211が中部基板21の上面に形成されてなる。なお、上述したように、上側基板22は透明であるため、図5(a)で示すように、液滴生成モジュール1aを上方から見た場合に、中部基板21に形成された流路構造211は、上側基板22を通して視認可能になっている。
流路構造211は、複数の液滴生成流路3がユニット化されてなる。具体的には流路構造211において複数の液滴生成流路3は、50mm等の直径を有した円形状の線分上に配置されることによって、円環状に配置されている。流路構造211における液滴生成流路3の配置間隔は、等間隔に設定されているが、等間隔に限定されるものではない。
各液滴生成流路3は、流路方向が上記円環の中心点(一点P)に向かうように配置されている。言い換えれば、複数の液滴生成流路3が、一点Pを中心とした円環状に配置されている。なお、一点Pは、流路構造211と同一水平面上に設定される。各液滴生成流路3の終端(下流端)には、一点Pに向くように排出口112、122が形成されており、この排出口112、122から液滴生成流路3で生成された液滴201が排出される。この様に、各排出口112、122の向きが一点Pに集中するように複数の液滴生成流路3が配列されているため、各排出口112、122を一点Pの周囲の領域に密集させることができる。このため、各排出口112、122を密集させた分だけ、複数の液滴生成流路3を省スペースに配列することができる。
また、中部基板21における一点Pに対応する位置、すなわち上記円環の中心部には、液滴201を外部に排出するための単一の第1導出路211aが形成されている。具体的には、第1導出路211aは、中部基板21を貫通する貫通孔である。第1導出路211aには、流路構造211の各排出口112、122が連通されており、これによって、各液滴生成流路3で生成された液滴201が第1導出路211aに排出される。この様に、各排出口112、122によって単一の第1導出路211aが共用される。このため、各排出口112、122についてそれぞれの導出路を配列しない分だけ、液滴の導出構造の省スペース化を図ることができる。また、第1導出路211aの形成位置が、一点Pに対応する位置であるため、各排出口112、122と第1導出路211aとを直接連通させる構成とすることが容易である。これによって、液滴201の導出構造の省スペース化を図ることが可能になる。
(液滴生成モジュール1a:液体貯留部231)
次に、図4及び図6を用いて液体貯留部231の構成について説明する。液体貯留部231は、上述したように、連続相材100を貯留する連続相貯留部2312、2313と、分散相材200を貯留する分散相貯留部2314からなる。連続相貯留部2312、2313及び分散相貯留部2314は、複数の液滴生成流路3の配置に対応するように(円環状の配列構造に対応する形状を有するように)平面視で略円形に下側基板23に形成されている。具体的には、連続相貯留部2312、2313及び分散相貯留部2314は、それぞれ平面視でディスク状に形成されており、径の異なる同心円を描くようになっている。なお、同心円の中心が、円環状に配置された複数の液滴生成流路3の中心点(図5(a)の一点P)と平面視で略同一の位置に設定されている。これによって、流路構造211の真下に液体貯留部231が配置されるようになっている。
連続相貯留部2312、2313及び分散相貯留部2314のうち、最も径が小さく内側に形成されるものが、連続相貯留部2312である。そして、分散相貯留部2313が連続相貯留部2312の外側に形成される。更に、分散相貯留部2314が連続相貯留部2313の外側に形成される。なお、中部基板21と上側基板22とを積層するときに、連続相貯留部2312、2313及び分散相貯留部2314の間と、連続相貯留部2312の内側と、分散相貯留部2314の外側に、Oリングが配置される。これによって、連続相貯留部2312、2313及び分散相貯留部2314間のシール性を確保することができ、連続相材100と分散相材200とが混ざることを効果的に防止することが可能になっている。
中部基板21における連続相貯留部2312の上方には、流路構造211(図5(b)の連続相流路14)に連通された貫通孔が形成される。この貫通孔が連続相材導入部141(図5(b))となって、連続相貯留部2312に貯留されている連続相材100を流路構造211(図5(b)の連続相流路14)に流入させる。なお、上述したように、流路構造211は複数の液滴生成流路3からなるが、各液滴生成流路3(各連続相流路14)に対して連続相材導入部141が形成される。これによって、単一の連続相貯留部2312からの連続相材100が、各液滴生成流路3(各連続相流路14)に対して供給されるようになっている。
また、中部基板21における分散相貯留部2314の上方には、流路構造211(図5(b)の分散相流路10)に連通された貫通孔が形成される。この貫通孔が、分散相材導入部101(図5(b))となって、分散相貯留部2314に貯留されている分散相材200を流路構造211(図5(b)の分散相流路10)に流入させる。なお、流路構造211は複数の液滴生成流路3からなるが、各液滴生成流路3(各分散相流路10)に対して分散相材導入部101が形成される。これによって、単一の分散相貯留部2314からの分散相材200が、各液滴生成流路3(各分散相流路10)に対して供給されるようになっている。
また、中部基板21における連続相貯留部2313の上方には、流路構造211(図7を用いて後述する連続相流路11、12)に連通された貫通孔が形成される。この貫通孔が、連続相材導入部111、121(図7)となって、連続相貯留部2313に貯留されている連続相材100を流路構造211(図7の連続相流路11、12)に流入させる。なお、流路構造211は複数の液滴生成流路3からなるが、各液滴生成流路3(各連続相流路11、12)に対して連続相材導入部111、121が形成される。これによって、単一の連続相貯留部2313からの連続相材100が、各液滴生成流路3(各連続相流路11、12)に対して供給されるようになっている。
液体貯留部231の中心には、第2導出路2311が形成される。この第2導出路2311は、その上端で中部基板21における第1導出路211aの下端に連通されている。また、第2導出路2311は、その下端で回収配管900(図1)に連通される。これによって、流路構造211から排出された液滴201は、第1導出路211aを通って第2導出路2311に導出され、この後、第2導出路2311を通って回収配管900に導出される。
(液滴生成器)
以下に図7から図14を用いて、液滴生成モジュール1aを構成する液滴生成器4の構成を説明する。図7は、図5(a)で示す液滴生成器の斜視図である。図8は、平面視した場合における液滴生成器の概略構成を示す図である。図9(a)は、図8におけるA−A線矢視断面による液滴生成器を示す図であり、(b)は、図8におけるB−B線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図10は、図8におけるC−C線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図11は、図8におけるD−D線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図12は、図8におけるE−E線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図13は、図8におけるF−F線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図14は、図8におけるG−G線矢視断面による液滴生成器を示す図である。
まず、図7を用いて液滴生成器4の構成を説明する。なお、図7におけるX方向を液滴生成器4の「幅方向」、Z方向を液滴生成器4の「奥行き方向」、Y方向を液滴生成器4の「高さ方向」として、説明する。
液滴生成器4は、分散相材200の流通方向を複数に分岐し、分岐先において分散相材200の流通方向に対して連続相材100の流通方向をそれぞれ交差させ、交差により生じた連続相材100の剪断力によって分散相材200の液滴201を生成するように構成されている。
即ち、液滴生成器4は、液状の連続相材100を流通させる複数の連続相流路11、12と、液状の分散相材200を流通させる単数の分散相流路10と、分散相流路10を各連続相流路11、12にそれぞれ連通口133、134を介して連通させ、各連通口133、134における連続相材100の剪断力により分散相材200の液滴201を生成させるように形成された連通流路13とを有している。
上記の構成によれば、連通流路13によって、単数の分散相流路10から複数の連続相流路11、12に連通口133、134を介して分散相材200が流入される。各連続相流路11、12には、連続相材100が流通され、連通口133、134から流入される分散相材200を連続相材100の剪断力により液滴201化することで、分散相材200の液滴201が各連続相流路11、12で生成される。このように、複数の連続相流路11、12に対して単数の分散相流路10から分散相材200を流入させて分散相材200の液滴201が生成される。このため、上記構成によれば、複数の連続相流路11、12に対して単数の分散相流路10が共用された状態になっているため、従来のように複数の連続相流路11、12に対して同数の分散相流路10から分散相材200を流入させる構成に比較して、液滴201の生成数を維持しながら、分散相流路10の配置数を減少させることができる。この結果、分散相流路10を配置するスペースを削減できる分、流路構造211に多くの連続相流路11、12を配列することができ、分散相材200の液滴201の単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
また、液滴生成流路3は、連続相材100を流通させる連続相流路14を有する。連通流路13は、各連通口133、134において、連続相流路14からの連続相材100が連続相流路11、12を流通する連続相材100の下流側を流通するように、連続相流路14に連通されている。具体的には、連続相流路14の一端が、連通流路13に連通されている。この連通流路13における連通位置は、分散相流路10の連通位置に対向する位置である。
このため、連通流路13において、連続相流路14から流入された連続相材100と分散相流路10から流入された分散相材200とが衝突する。この衝突によって、連通流路13では、分散相材200と連続相材100とが、それぞれ衝突した位置で分岐して連続相流路11及び連続相流路12の双方に向かう。ここで、分散相材200と連続相材100との衝突により、分散相材200と連続相材100とが、2層状になった状態で、連通流路13から連通口133、134を介して連続相流路11、12に流入される。この2層状の分散相材200と連続相材100との流通形態は、連通口133、134において、連続相材100が連続相流路11、12の下流側に流通される形態である。このため、連続相流路11、12を流通する連続相材100によって、上記2層状の分散相材200と連続相材100とが連通口133、134に押し付けられても、上記2層を構成する連続相材100によって連通口133、134に分散相材200が付着することを効果的に防止することが可能になる。
次に、図7から図14を用いて、液滴生成器4の液滴生成流路3を構成する流路を個別に説明する。
(液滴生成器4:分散相流路10)
分散相流路10は、その縦断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。分散相流路10は、中部基板21の幅方向における一端側(図7の左端側)から中央付近まで延びるように形成されている。また、分散相流路10は、その一端(図7の左側一端)の底面に分散相材導入部101が形成されている。分散相材導入部101は、図10で示すように、中部基板21に形成された管状の貫通口である。分散相材導入部101の下端(開口)は、分散相貯留部2314に連通されている。これによって、分散相流路10には、分散相貯留部2314に貯留されている分散相材200が分散相材導入部101を介して導入されるようになっている。
分散相流路10は、上記一端の他端側の側部で、連通流路13に連通口131を介して連通されている。これによって、分散相流路10は、分散相材導入部101から供給された分散相材200を連通流路13に連通口131を介して流入させるようになっている。
(液滴生成器4:連通流路13)
連通流路13は、その断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)の略直方体形状の流通空間として形成されている。連通流路13は、中部基板21の幅方向の中部において、奥行き方向に延びるように形成されている。そして、連通流路13は、その幅方向側の一側面(図7の左側の側面)で、上述したように連通口131を介して分散相流路10に連通されている。なお、連通口131は、上記一側面における奥行き方向の中央部に形成されている。また、連通流路13は、連通口131に対向する位置に連通口132が形成されており、この連通口132を介して連続相流路14に連通されている。これによって、連通流路13には、連通口132を介して連続相流路14から連続相材100が流入されるようになっている。
上述したように、連通流路13において、連通口131と連通口132は対向するように形成されており、このため、連通口131と連通口132の間の領域(衝突領域)で、連通口131から流入された分散相材200と連通口132から流入された連続相材100とが衝突する。これによって、連通流路13は、分散相材200と連続相材100とを、それぞれ衝突領域で分岐させて、かつ2層状にして連通流路13の両端に向かって流通させるようになっている。
また、連通流路13は、その奥行き方向側の一側部(図7の手前側側部)に、連続相流路11との連通口133が形成されている。これによって、連通流路13は、連通口133を介して、2層状になった分散相材200と連続相材100とを連続相流路11に流入させるようになっている。また、連通流路13は、上記一側部の反対側の側部(図7の奥側側部)に、連続相流路12との連通口134が形成されている。これによって、連通流路13は、連通口134を介して、2層状になった分散相材200と連続相材100とを連続相流路12に流入させるようになっている。
(液滴生成器4:連続相流路14)
連続相流路14は、その断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。連続相流路14は、図9(a)で示すように、分散相流路10の下流側に、連通流路13を介して分散相流路10に隣接するように形成されている。また、連続相流路14は、分散相流路10と同一直線上に延びるように形成されている。連続相流路14は、分散相流路10側の一端で、上述したように連通口132を介して連通流路13に連通されている。また、連続相流路14は、その他端の底面には、連続相材導入部141が形成されている。
連続相材導入部141は、図13で示すように、中部基板21に形成された管状の貫通口である。連続相材導入部141の下端(開口)は、連続相貯留部2312に連通されている。これによって、連続相流路14には、連続相貯留部2312に貯留されている連続相材100が連続相材導入部141を介して導入されるようになっている。これによって、連続相流路14は、連続相材導入部141から供給された連続相材100を連通口132に向かって流通させて、連通口132を介して連通流路13に流入させるように形成されている。
(液滴生成器4:連続相流路11、12)
連続相流路11、12は、それぞれその断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)の流通空間として中部基板21の上面に形成されている。連続相流路11、12は、中部基板21の幅方向の一端側(図7における左側一端)から他端まで延びるように形成されている。分散相流路10が左側で連続相流路14が右側になるように液滴生成器4を配置したときに(図7の状態に配置したときに)、連続相流路12は分散相流路10の奥側に形成されており、連続相流路11は分散相流路10の手前側に形成されている。
また、連続相流路11の一端(図7における左側一端)の底面には、連続相材導入部111が形成されており、連続相流路12の一端(図7における左側一端)の底面には、連続相材導入部121が形成されている。連続相材導入部111、121は、図11で示すように、中部基板21に形成された管状の貫通口である。連続相材導入部111、121の下端(開口)は、連続相貯留部2313に連通されている。これによって、連続相流路11、12には、連続相貯留部2313に貯留されている連続相材100が連続相材導入部111、121を介して導入されるようになっている。
連続相流路11、12は、その他端側の側部に排出口112、122が形成されており、連続相材導入部111、121から供給された連続相材100を排出口112、122に向かって流通させ、排出口112、122から排出させるようになっている。また、連続相流路11は、分散相流路10側(図7の奥側)の一側面において、上述したように連通口133を介して連通流路13に連通されている。これによって、上述したように、連続相流路11には、連通流路13から連通口133を介して、2層状の分散相材200と連続相材100とが流入されるようになっている。
また、連続相流路12も、分散相流路10側(図7の手前側)の一側面において、上述したように連通口134を介して連通流路13に連通されている。これによって、上述したように、連続相流路12は、連通流路13から連通口134を介して、2層状の分散相材200と連続相材100とが流入されるようになっている。
上述したように、連続相流路11、12は、連通流路13から連通口133、134を介して、2層状の分散相材200と連続相材100とが流入されるように形成されている。ここで、連通口133、134において、上記2層を構成する連続相材100は、連続相流路11、12の下流側を流通する。このため、分散相材200は、連続相流路11、12を流通する連続相材100と、2層を構成する連続相材100との剪断力によって両側から剪断されて、液滴化される。このように生成された分散相材200の液滴201は、連続相材100とともに排出口112、122から排出される。排出口112、122は、導出路2a(第1導出路211a)に接続されており、排出口112、122から排出された液滴201は導出路2aを通って回収配管900に導出される。回収配管900は、冷却工程等の後工程に用いられる機構又は機器に接続されており、これらの機構又は機器によって液滴201が収集される。
なお、分散相材200の液滴を好適に生成するためには、分散相流路10、連続相流路11、12、14、及び連通流路13の寸法を以下のように形成することが好ましい。図8で示すように、液滴生成器4の奥行き方向において、連通口134から分散相流路10までの連通流路13の長さと、連通口133から分散相流路10までの連通流路13の長さとは、略同一であることが好ましい。
また、そして、図9(a)及び図9(b)で示すように、液滴生成器4の幅方向において、連続相材導入部111から連通口133までの長さが、連続相材導入部121から連通口134までの長さになるように形成されることが好ましい。
(ベース部材2)
以下、図1から図14を参照して液滴生成装置1のベース部材2の構成を説明する。
ベース部材2は、図1及び図2に示すように、中部基板21と、上側基板22と、下側基板23とで構成されている。中部基板21、上側基板22、及び下側基板23は、所定の厚みを有する長尺な略直方体の形状を有する。なお、中部基板21は、5個の第1導出路211aが形成され、下側基板23は、5個の第2導出路2311が形成されている。
ベース部材2は、分散相材200に対して濡れ難い性状を有した材料により形成されていれば限定されないが、具体的には、中部基板21及び下側基板23は、ポリカーボネート等の樹脂材料又は表面を疎水化処理したステンレス等の金属材料又はガラス等からなる。また、上側基板22も、下側基材21と同様の素材を用いる事が出来るが、特にポリカーボネートやアクリル樹脂又は表面を疎水処理したガラス等からなり、透明に形成されていることが好ましい。中部基板21は、その上面に接合面21a(流路形成領域)を有し、上側基板22はその下面に接合面22aを有している。中部基板21の接合面21aと上側基板22の接合面22aとを対向させて接合することにより、中部基板21と上側基板22とは一体化されている。そして、中部基板21はその下面に接合面21bを有し、下側基板23はその上面に接合面23aを有している。中部基板21の接合面21bと下側基板23の接合面23aとを対向させて接合することにより、中部基板21と下側基板23とは一体化されている。この様にして、上側基板22、中部基板21、及び下側基板23は一体化されている。
中部基板21の接合面21aには、5つの流路構造211が形成されている。各流路構造211には、複数の液滴生成流路3が溝等により導出路2aを中心として放射状に形成されている。具体的には、接合面21aには、各分散相流路10、各連続相流路11、12、14、及び各連通流路13が形成されている。また、中部基板21には、厚み方向に形成された貫通孔として、各連続相材導入部111、121、141と各分散相材導入部101とが形成されている。そして、中部基板21には、各連続相流路11、12の終端が導出路2a(第1導出路211a)に対して貫通されており、この貫通部が排出口112、122となっている。
下側基板23の接合面23aには、上記5個の流路構造211に対応する位置に、5個の液体貯留部231が溝等により形成されている。具体的には、接合面23aには、5個の連続相貯留部2312、2313と、5個の分散相貯留部2314が形成されている。なお、上記各連続相材導入部141は連続相貯留部2312の上方に形成されている。また、上記各連続相材導入部111、121は連続相貯留部2313の上方に形成されている。そして、上記各分散相材導入部101は分散相貯留部2314の上方に形成されている。
(分散相材200)
次に、液滴生成装置1で使用される分散相材200及び連続相材100について説明する。分散相材200は、エマルジョンの分散質となる液体であれば、特に限定されるものではない。例えば、微小粒子202が肝臓癌や子宮筋腫、腎癌、腎臓癌などの治療法における動脈塞栓治療法で用いられる場合には、分散相材200としてゼラチン水溶液が用いられる。ゼラチン水溶液におけるゼラチンの種類は、特に限定されない。例えば、牛骨由来、牛皮由来、豚骨由来、豚皮由来などのゼラチンを使用することができる。また、分散相材200は、薬成分を含む液体であってもよい。このような薬成分を含む分散相材200から生成された微小粒子202は、薬成分の徐放性を有するため、例えば、DDS等で使用されてもよい。
液状の分散相材200であるゼラチン水溶液の温度は、ゼラチンのゲル化温度である20℃以上であることが必要である。この理由は、ゼラチン水溶液の温度がゼラチンのゲル化温度以下になると、連通口131、133、134でゼラチン水溶液がゲル化してしまい、連通口131、133、134が閉塞するという問題が生じ易く、ゼラチン水溶液の定量流出ができなくなると共に、ゼラチン水溶液が連通口131、133、134から離脱されないため粒径ばらつきが起きてしまうことが多いからである。
ゼラチン水溶液の濃度は、2重量%〜20重量%が好ましく、5重量%〜15重量%が特に好ましい。なお、濃度の下限値を2重量%とした理由は、2重量%未満の水溶液の場合には球形の粒子を作製することが困難であるからである。一方、濃度の上限値を20重量%とした理由は、20重量%を超えると、水溶液が高粘度となり、閉塞等の理由により分散相流路10、連通流路13における水溶液の流動及び連通口131、133、134からの水溶液の流出が困難となるからである。
液滴201から微小粒子202に至るまでのゼラチン粒子の形状は、不定形ではなく、できる限り球形であることが好ましい。特に、微小粒子202を塞栓粒子として使用する場合には、血管内に微小粒子202を注入して塞栓したとき、球形にすることで、より標的部位に近い部分で血管を塞栓することができ、且つ患者に与える痛みも軽減できる。また、微小粒子202の粒径は、40〜100μm、150〜300μm、および400〜1000μmの3種類が適している。好適な粒径が3種類ある理由は、標的部位にできるだけ近い部分で血管を塞栓するという目的に加えて、健常な部分に悪影響を与えないように血管の大きさに応じて使い分けができるという目的からである。なお、40μm未満の小径粒子は目的とする部位以外の血管を塞栓するので好ましくない。
(連続相材100)
連続相材100は、エマルジョンの分散媒となる液体であれば、特に限定されるものではない。連続相材100が、塞栓粒子である微小粒子202に用いられる疎水性溶媒である場合には、製薬学的に許容される物質であればよく、例えば、オリーブ油などの植物油、オレイン酸などの脂肪酸、トリカプリル酸グリセリルなどの脂肪酸エステル類、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤などを用いることができる。特に、オリーブ油や、酸化し難い中鎖脂肪酸エステルであるトリカプリル酸グリセリルが好ましい。
(液滴生成装置1の作成方法)
以下、図1から図14を参照して液滴生成装置1の生成方法を説明する。5個の第1導出路211aが形成された中部基板21と、5個の第2導出路2311が形成された下側基板23と、上側基板22とが準備される。中部基板21の接合面21aに対して、5個の流路構造211が形成される。各流路構造211において、70個の液滴生成流路3となる溝が、導出路2aを中心として略円環状に並ぶように形成される。具体的には、各液滴生成流路3では、分散相流路10、連続相流路11、12、14及び連通流路13となる溝が切削加工、エッチング、レーザ加工等により形成される。なお、連続相流路11、12における排出口112、122が円の中央(第1導出路211a側)に向くように形成される。更に、分散相材導入部101、連続相材導入部111、121、141となる貫通孔が形成される。
下側基板23の接合面23aに対して、5個の液体貯留部231が溝等によって形成される。各液体貯留部231は、それぞれ第2導出路2311の周囲に形成される。具体的には、第2導出路2311の周囲に、一個の連続相貯留部2312、一個の連続相貯留部2313、及び一個の分散相貯留部2314が、この順番に内側に位置するように形成される。
この後、下側基板23、中部基板21、及び上側基板22をこの順番で積層する。具体的には、接合面21aと接合面22aと密着させる。更に、中部基板21の接合面21bと下側基板23の接合面23aとの間にOリングを配置した上で、接合面21bと接合面23aとを対向させる。この様に積層した状態で、下側基板23、中部基板21、及び上側基板22を固定部材500によってボルト締めをすることで、液滴生成装置1が生成される。
(微小粒子202の生成方法)
以下、図15及び図16を用いて微小粒子202の生成方法を説明する。図15は、液滴生成器を用いた微小粒子の製造工程を示す説明図である。図16は、液滴生成器による液滴の生成方法を示す説明図である。なお、便宜上、図15及び図16では一個の液滴生成モジュール1aにおける一個の液滴生成器4についてのみ図示しているが、液滴生成装置1の有する全ての液滴生成器4(液滴生成流路3)において、以下に説明する方法で微小粒子202の生成が行われる。
まず、図15を参照して、供給部材601がチューブ等を介して供給装置M1(図17)に接続される。これと共に、供給部材701、801がチューブを介して供給装置M1(図17)に接続される。そして、回収配管900が、チューブ等を介して後工程のための機構又は機器等(例えば、容器5)に接続される。なお、後工程は、用途により処理内容が異なるが、塞栓に利用される微小粒子202を製造する場合は、冷却工程が後工程とされ、その後に、脱水工程、洗浄工程、及び架橋工程が行われる。
(微小粒子202の生成方法:液滴生成工程)
上記のようにして液滴生成装置1が上記供給装置M1(図17)及び後工程のための機構又は機器等(例えば、容器5)に接続されると、次に、分散相材200であるゼラチンが室温程度の水中で膨潤される。次に、スターラー、攪拌翼または振とう器などが用いられ、約0.5時間〜約1.5時間攪拌されることで、約40℃〜60℃の温水にゼラチンが完全に溶解されて、ゼラチン水溶液が生成される。
この後、連続相材100であるオリーブ油が、連続相流路14に供給される。具体的には、オリーブ油が、供給装置M1(図17)によって、供給部材701に供給される。供給部材701に供給されたオリーブ油は、供給管(図略)を通って連続相貯留部2312に供給される。そして、連続相貯留部2312は、供給されたオリーブ油を貯留する。連続相貯留部2312に貯留されるオリーブ油が連続相貯留部2312の貯留量を超えたときに、このオリーブ油が連続相材導入部141を介して連続相流路14に供給される。
また、オリーブ油の連続相流路14への供給と同時に、オリーブ油が連続相流路11、12に供給される。具体的には、オリーブ油が、供給装置M1(図17)によって、供給部材801に供給される。供給部材801に供給されたオリーブ油は、供給管(図略)を通って連続相貯留部2313に供給される。そして、連続相貯留部2313は、供給されたオリーブ油を貯留する。連続相貯留部2313に貯留されるオリーブ油が連続相貯留部2313の貯留量を超えたときに、このオリーブ油が連続相材導入部111、121を介して連続相流路11、12に供給される。なお、連続相流路11、12、14には、液状のオリーブ油が所定の温度及び流速で供給される。例えば、所定の温度が40℃、所定の流量が1ml/hとされる。
この後、オリーブ油が連続相流路11、12、14において満たされ、排出口112、122から安定した排出量で排出されたタイミングで、ゼラチン水溶液が、分散相流路10に供給される。具体的には、ゼラチン水溶液が、供給装置M1(図17)によって、供給部材601に供給される。供給部材601に供給されたゼラチン水溶液は、供給管(図略)を通って分散相貯留部2314に供給される。そして、分散相貯留部2314は、供給されたゼラチン水溶液を貯留する。分散相貯留部2314に貯留されるゼラチン水溶液が分散相貯留部2314の貯留量を超えたときに、このゼラチン水溶液が分散相材導入部101を介して分散相流路10に供給される。なお、分散相流路10には、ゼラチン水溶液が所定の温度及び流速で供給される。例えば、温度が40℃、流量が1ml/hとされる。なお、ゼラチン水溶液及びオリーブオイルの温度は、同一の温度であることが、連通流路13、及び連続相流路11、12において分散相材200の物性を変化させない点で好ましい。
上述したようにゼラチン水溶液及びオリーブ油が供給されると、図16に示すように、ゼラチン水溶液は、分散相材導入部101から連通口131に向かって流通する。ゼラチン水溶液は、連通口131を介して連通流路13に流入する。なお、連続相流路14において、連続相材導入部141から導入されたオリーブ油が連通口132に向かって流通し、このオリーブ油が連通口131と連通口132の間の領域(衝突領域)に連通口132を介して流入する。ゼラチン水溶液は、この連通口132から流入されたオリーブ油と衝突領域で衝突する。この衝突によって、ゼラチン水溶液とオリーブ油とが、2層状になるとともに、衝突領域で2方向に分岐して連通口133、134に向かう。
上記2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とは、連通口133、134を介して連続相流路11、12に流入する。連続相流路11、12では、オリーブ油が連続相材導入部111、121から供給されて排出口112、122に向かって流通するが、このオリーブ油は連通口133、134において上記2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油の流れに交わるように流通する。従って、連通口133、134から流入した2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とは、連続相流路11、12を流通するオリーブ油によってこのオリーブ油の下流側へと流される。ここで、連通口133、134では、上記2層において、ゼラチン水溶液が連続相流路11、12を流通するオリーブ油の上流側を流通し、オリーブ油がその下流側を流通する。従って、連通口133、134では、ゼラチン水溶液が、上記2層を構成するオリーブ油と連続相流路11、12を流通するオリーブ油に両側から挟まれて、これらのオリーブ油によって両側から剪断されて液滴化される。
上述したように液滴生成器4は、単一の分散相流路10から2つの連続相流路11、12に分散相材200を流入させ、これによって、単一の分散相流路10について2つの連続相流路11、12で分散相材200の液滴201を生成する。これによって、液滴生成流路3は、複数の連続相流路に対して同数の分散相流路を形成しなければならない従来の液適正性流路に比較して、省スペースでありながら単位時間当たりで同数の液滴201を生成することが可能できる。これによって、接合面21aに形成される連続相流路11、12の個数を多くすることができる。
また、液滴生成器4は、連通口133、134において、2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とを流通させ、かつ、このオリーブ油が連続相流路11、12内を流通するオリーブ油の下流側に流通させている。2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とは、上述したように、連続相流路11、12内を流通するオリーブ油によってこのオリーブ油の下流側に押される。ここで、2層状でゼラチン水溶液とともにオリーブ油が流通されていなければ、連通口133、134(連続相流路11、12の下流側に位置する方の縁)にゼラチン水溶液が付着する。第1実施形態では、連通口133、134における、この連続相流路11、12の下流側にはオリーブ油が流通されているため、このオリーブ油によってゼラチン水溶液の付着が防止される。これによって、連通口133、134での流路壁面の親水化が抑制され、長時間にわたり、安定した液滴生成を実現できる。
上述した様に生成された液滴201と連続相材100とからなるエマルジョンが各排出口112、122から単一の導出路2aに排出される。導出路2aから排出されたエマルジョンは、回収配管900を通って液滴生成装置1の外部に排出される。なお、このようにして液滴生成装置1から液滴201が排出されると、この液滴201の粒径が図略の粒度分布検知装置等によって測定される。そして、分散相材200及び連続相材100の流速(単位時間当たりの流量)や温度がオペレータによって手動で又は自動で調整されることによって、液滴201が所望の粒径に均一化される。
(冷却工程)
均一化された液滴201は、オリーブ油と共に、温調機構及び撹拌機構付きの容器5に貯留されたオリーブ油中に投入される。この際、容器5中のオリーブ油の温度は、0℃〜60℃の範囲、即ち、ゼラチン水溶液のゲル化温度以下に調整されている。これにより、液滴201が容器5に投入された直後から、液滴201のゲル化が開始されて、液滴201がゲル粒子203となる。これによって、液滴201同士の癒着や凝集が防止されると共に、ゲル粒子203同士の衝突等の外力によるゲル粒子203の変形や分離が抑制される。なお、液滴201の生成後、ゲル化させる際の冷却工程において、オリーブ油(オイル)の凝固点以下の冷却が必要な場合には、脱水溶媒(溶媒の凝固点が低いため)を予め液滴生成時(液滴生成工程)に容器5内のオリーブ油に加えておく(混合しておく)ことが好ましい。この場合には、容器5内の混合液の凝固点を下げ、乳化液(エマルジョン)の凝固を防ぐことができる。
(脱水工程)
所定数や所定量以上のゲル粒子203が容器5内で生成されると、続いて、ゲル化温度以下の脱水溶媒が容器5内に投入されて容器5内のオリーブ油と混合される。そして、15分間以上の撹拌混合が行われることによって、ゲル粒子203中の水分が十分に脱水される。更に、これによって、ゲル粒子203の凝集が防止されると共に、ゲル粒子203は後工程において均一な架橋が可能な脱水粒子204となる。なお、脱水溶媒としては、例えば、アセトンなどのケトン系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ジクロルエタン等のハロゲン系溶剤を用いることができる。
(洗浄工程)
また、脱水処理と同時、又は前後して洗浄処理が行われる。この洗浄処理では、ゼラチンを溶解させない貧溶媒が容器5内に投入され、この貧溶媒で脱水粒子204が洗浄される。貧溶媒は、ゼラチンのゲル化温度以下で用いることが好ましい。ゼラチンを溶解させない貧溶媒として、例えば、アセトンなどのケトン系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤を用いることができる。なお、洗浄処理では、約2〜15グラムのゲル粒子203(又は脱水粒子204)を約200〜300mlの溶剤を用いて15〜30分洗浄する操作を1サイクルとし、これを4〜6サイクル繰り返し行うことが好ましい。
(乾燥工程)
次に、容器5から脱水粒子204が取り出され、脱水粒子204が、ゼラチンを溶解させない温度で乾燥される。この乾燥によって、脱水粒子204に付着した洗浄溶媒が除去されると共に、脱水粒子204中の水分が除去されることによって、脱水粒子204が乾燥粒子205とされる。なお、乾燥方法として、通風乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などの種々の方法を用いることができる。乾燥工程では、脱水粒子204を例えば5℃〜25℃で約12時間以上乾燥することが好ましく、減圧雰囲気で乾燥することがより好ましい。
(架橋工程)
次に、乾燥粒子205が温度80℃〜250℃で、0.5時間〜120時間加熱される。この加熱条件は、例えば、微小粒子202を塞栓粒子として使用するならば、血管内で微小粒子202を完全に分解するのに要する時間、すなわち、血管内を微小粒子202で塞栓してから、血流を再開通させるまでに必要とされる期間に応じて決定される。また、加熱時間は加熱温度に依存する。一般に、腫瘍(癌)を壊死させるためには、2〜3日間、血管を塞栓すればよい。したがって、例えば、微小粒子202の分解期間を3〜7日間に設定する場合、加熱架橋の条件としては、100℃〜180℃であって、1時間以上24時間以下で乾燥粒子205を加熱することが好ましい。なお、微小粒子202を、DDSで使用する場合には、加熱条件は、体内において薬成分を徐放する期間に応じて決定されることが好ましい。乾燥粒子205の酸化等の不具合を避けるためには、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
(液滴生成システム)
以下に、図17及び図18を用いて、液滴生成装置1、供給装置M1及び制御装置M2を有する液滴生成システムM10について説明する。図17は、液滴生成システムの電気的構成を示すブロック図である。
供給装置M1は、分散相材用ポンプM11、連続相材用ポンプM12、連続相材用ポンプM13、分散相材用温度調節装置M14、連続相材用温度調節装置M15、連続相材用温度調節装置M16、温度センサM17、温度センサM18及び温度センサM19を有する。なお、分散相材用ポンプM11は、供給装置M1が有する分散相材200用の貯留タンク(図略)から供給部材601に分散相材200を供給するためのポンプである。連続相材用ポンプM12は、供給装置M1が有する連続相材100用の貯留タンク(図略)から供給部材701に連続相材100を供給するためのポンプである。連続相材用ポンプM13は、供給装置M1が有する連続相材100用の他の貯留タンク(図略)から供給部材801に連続相材100を供給するためのポンプである。
分散相材用温度調節装置M14は、分散相材200用の貯留タンク(図略)に取り付けられ、この貯留タンク(図略)内の分散相材200を所定の温度に調整するためのヒータ等である。連続相材用温度調整装置M15は、連続相材100用の貯留タンク(図略)に取り付けられ、この貯留タンク(図略)内の連続相材100を所定の温度に調節するためのヒータ等である。連続相材用温度調整装置M16は、連続相材100用の他の貯留タンク(図略)に取り付けられ、この貯留タンク内(図略)の連続相材100を所定の温度に調節するためのヒータ等である。
また、温度センサM17は、分散相材200用の貯留タンクに取り付けられ、この貯留タンクにおける分散相材200の温度を検知するためのセンサである。温度センサM18は、連続相材100用の貯留タンクに取り付けられ、この貯留タンク内における連続相材100の温度を検知するためのセンサである。温度センサM18は、連続相材100用の他の貯留タンクに取り付けられ、この貯留タンク内における連続相材100の温度を検知するためのセンサである。
そして、制御装置M2は、供給装置M1による液滴生成装置1への連続相材100及び分散相材200の供給を制御するための装置である。制御装置M2は、CPU(Central Peocessing Unit)M21、モニタM22、操作部M23、記憶部24、及び入力部25を有する。CPUM21には、入力部25を介して温度センサM17、M18、M19の検知信号が入力され、CPUM21はこの検知信号に基づいて後述の温度調節処理を実行する。この温度調整処理では、分散相材用温度調節装置M14、連続相材用温度調節装置M15、及び連続相材用温度調節装置M16の温度が制御され、これによって、液滴生成装置1に供給される連続相材100及び分散相材200の温度調節が行われる。
また、CPUM21は、液体送出処理の実行によって、分散相材用ポンプM11、連続相材用ポンプM12及び連続相材用ポンプM13による連続相材100及び分散相材200の液滴生成装置1への供給を制御する。これによって、所定の流量及び流速で、分散相材200が分散相流路10に供給され、連続相材100が連続相流路11、12、14に供給される。
モニタM22は、供給部材601への分散相材200の供給量の現在の設定と、供給部材701、801への連続相材100の供給量の現在の設定とを表示するためのモニタである。また、モニタM22は、現在設定されている分散相材200用の貯留タンク(図略)における分散相材200の温度を表示するとともに、現在設定されている連続相材100用の2つの貯留タンク(図略)における連続相材100の温度をそれぞれ表示する。
操作部M23は、オペレータからの入力を受け付ける。操作部M23は、オペレータによって操作される3個の調節ツマミ等を有する。3個の調節ツマミは、それぞれ供給部材601、701、801に対応付けられている。各調節ツマミの回転量に応じた供給量で、各供給部材601、701、801に連続相材100や分散相材200が供給される。
また、操作部M23は、タッチパネルやキーボード等を供える。タッチパネルやキーボード等で受け付けたオペレータからの入力に基づいて、分散相材200用の貯留タンク(図略)内の分散相材200の温度、及び連続相材100用の貯留タンク(図略)内の連続相材100の温度が設定される。そして、この設定された温度と、温度センサM17、M18、M19の検知信号に基づいて、CPUM21によって、分散相材用温度調節装置M14、連続相材用温度調節装置M15、M16の温度が設定される。
また、記憶部24は、例えば、RAM等であり、現在設定されている分散相材200用の貯留タンク(図略)における分散相材200の温度を記憶するとともに、現在設定されている連続相材100用の2つの貯留タンク(図略)における連続相材100の温度をそれぞれ記憶する。また、記憶部25は、供給部材601への分散相材200の供給量の現在の設定と、供給部材701、801への連続相材100の供給量の現在の設定とを記憶する。入力部25は、温度センサM17、M18、M19から検知信号を入力し、この検知信号をデジタル信号に変換してCPUM21に出力する。
(液滴生成システム:温度調節処理)
次に、図17及び図18を参照して、液滴生成システムM10が実行する温度調節処理の一例を説明する。図18は、液滴生成システムが実行する温度調整処理の一例を示すフローチャートである。まず、CPUM21は、分散相材用温度調節装置M14、連続相材用温度調節装置M15、及び連続相材用温度調節装置M16の温度を調節する(S1)。具体的には、CPUM21は、現在設定されている分散相材200用の貯留タンク(図略)における分散相材200の温度を記憶部25から読み出す。そして、CPUM21は、分散相材200用の貯留タンク(図略)がこの読み出した温度になるように、温度センサM17からの検知信号に基づいて、分散相材用温度調節装置M14の温度を調節する。
また、CPUM21は、現在設定されている連続相材100用の2個の貯留タンク(図略)における連続相材100の温度をそれぞれ記憶部25から読み出す。そして、CPUM21は、連続相材100用の2個の貯留タンク(図略)がこの読み出した温度になるように、温度センサM18、M19からの検知信号に基づいて、連続相材用温度調節装置M15、M16の温度を調節する。
この後、CPUM21は、操作部M23で温度調節処理停止操作を受け付けたか否かを判断し(S2)、受け付けたと判断したときには(S2でYES)、温度調節処理を終了させる。また、CPUM21は、温度調節停止操作を受け付けていないと判断したときには(S2でNO)、本処理をステップS1に戻す。すなわち、ステップS2でNOと判断されるまで、所定の時間の経過毎に繰り返しステップS1の処理が実行される。この温度調節処理によって、オペレータの任意の所定の温度で、分散相材200及び連続相材100が液滴生成装置1に供給される。
次に、図17及び図19を参照して、液滴生成システムM10が実行する温度調節処理の一例を説明する。図19は、液滴生成システムが実行する液体送出処理の一例を示すフローチャートである。まず、CPUM21は、連続相材用ポンプM12による連続相材100の送出の制御を行う(S11)。具体的には、CPUM21は、操作部M23の操作に応じた供給量で供給部材701に連続相材100が供給されるように、連続相材用ポンプM12の動作を制御する。
次に、CPUM21は、連続相材用ポンプM13による連続相材100の送出の制御を行う(S12)。具体的には、CPUM21は、操作部M23の操作に応じた供給量で供給部材801に連続相材100が供給されるように、連続相材用ポンプM13の動作を制御する。続いて、CPUM21は、分散相材用ポンプM11による分散相材200の送出の制御を行う(S13)。具体的には、CPUM21は、操作部M23の操作に応じた供給量で供給部材601に分散相材200が供給されるように、分散相材用ポンプM11の動作を制御する。
この後、CPUM21は、操作部M23で液体送出停止操作を受け付けたか否かを判断し(S14)、受け付けたと判断したときには(S14でYES)、液体送出処理を終了させる。また、CPUM21は、液体送出停止操作を受け付けていないと判断したときには(S14でNO)、本処理をステップS11に戻す。すなわち、ステップS14でNOと判断されるまで、所定の時間の経過毎に繰り返しステップS11からS14の処理が実行される。この液体送出処理によって、オペレータの任意の所定の流速及び流量で、分散相材200が分散相流路10に供給され、かつ連続相材100が連続相流路11、12、14に供給される。
上述したように、本実施形態に係る液滴生成装置1では、分散相貯留部2314と連続相貯留部2312、2313とが同じ一層の基板(下側基板23)に形成されている。また、流路構造211が中部基板21に形成されている。このように、中部基板21と下側基板23の2層に、液滴201を生成するための主要な構成が形成されているため、部品点数が少なく、分解容易でかつ組み立て容易な液滴生成装置1を提供することができる。また、ベース部材2に分散相貯留部2314と連続相貯留部2312、2313とが形成されている。このため、ベース部材の外部にこれらに対応する構成を備え、ベース部材の貫通孔を通るように、連続相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に連続相材をそれぞれ導入する連続相材導入部と、分散相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に分散相材をそれぞれ導入する分散相材導入部とが配設されていた従来技術と比較して、分散相導入部101の配設構造と、連続相材導入部111、121、141の配設構造とを簡素化することが可能になる。これによっても、液滴生成装置1を分解容易でかつ組み立て容易にすることができる。
以上、本実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、本実施形態に記載された、作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
本実施形態に関する本発明に係る液滴生成装置では、第1基板と第2基板とを含む複数の基板が積層されて形成されたベース部材と、液状の分散相材と液状の連続相材とを流通させ、連続相材の剪断力によって分散相材の液滴を生成する複数の液滴生成流路を有し、第1基板に形成された流路構造と、第2基板に形成され、液状の分散相材を貯留する分散相貯留部と、第2基板に形成され、液状の連続相材を貯留する連続相貯留部と、分散相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に分散相材をそれぞれ導入する分散相導入部と、連続相貯留部から流路構造の各液滴生成流路に連続相材をそれぞれ導入する連続相材導入部と、を有すれば、如何なる構成を採用してもよい。
(本実施形態の第1の変形例)
以下に図20及び図21を用いて、本実施形態の第1の変形例を説明する。図20(a)は、本実施形態の第1変形例に係る液滴生成装置の平面図であり、(b)は、第1変形例に係る液滴生成装置のベース部材の側面図である。なお、図20(b)においては、説明の便宜のために、本来は視認不可能な後述の中部基板21´及び穴232を点線で示している。図21は、第1変形例に係る液滴生成モジュールの分解図である。
本実施形態では、ベース部材2が、平面視で同様の形状を有する中部基板21、上側基板22、下側基板23が積層されてなる。これに対して、第1変形例にかかる液滴生成装置1´では、ベース部材2´は、5個の表面視でディスク状の中部基板21´が、下側基板23の表面に形成された表面視で円形の5個の穴232に埋め込まれている。なお、各液滴生成モジュール1´において、中部基板21´が各穴232に隙間なく嵌め入れることができるように、中部基板21´の形状と各穴232との形状が略一致するように形成されている。そして、各中部基板21´は、各穴232に着脱自在に嵌め入れられる。
各穴232には、本実施形態と同様に、液体貯留部231が形成されるとともに、液体貯留部231の中心には第2導出路2311が形成される。また、各中部基板21´には、中心に第1導出路211aが一個形成されるとともに、第1導出路211aの周囲に流路構造211が形成される。なお、流路構造211の形状、液体貯留部231の形状、分散相材導入部101、連続相材導入部111、121、141、排出口112、122の形状等については本実施形態と同様であるので、説明を省略する。
上述した第1変形例に係る液滴生成装置1´によれば、上述した、第2変形例によっても、本実施形態と同様の作用効果を奏する。更に、第1変形例に係る液滴生成装置1´によれば、流路構造211の形状が異なる複数種類の中部基板21´を用意することで、液滴生成装置1´に装着する中部基板21´を入れ替えるだけで、簡単に液滴生成装置1´の流路構造211の形状をカスタマイズすることができる。例えば、使用者のニーズに応じて異なる種類の中部基板21´を液滴生成装置1´に装着して、液滴生成装置1´を複数種類の大きさの液滴201を生成可能にカスタマイズすることもできる。この様に、第1変形例に係る液滴生成装置1´によれば、使用者が、バリエーション豊かにかつ簡単に液滴生成装置1´をカスタマイズすることができる。
(本実施形態の第2の変形例) 以下に図22及び図23を用いて、本実施形態の第2の変形例を説明する。図22(a)は、本実施形態の第2変形例に係る液滴生成装置の平面図であり、(b)は、第2変形例に係る液滴生成装置のベース部材の側面図である。図23は、図22(a)におけるL−L線矢視断面による液滴生成モジュールの断面図である。
本実施形態では、ベース部材2において、下側基板23の上に積層される中部基板21に流路構造211が形成され、下側基板23に液体貯留部231が形成されていた。これに対して、第2変形例にかかる液滴生成装置1´´のベース部材2´´では、液体貯留部231が形成された第2基板23´´は、流路構造211が形成された第1基板21´´の上に積層されている。なお、上側基板22は、第2基板23´´の上に積層されている。上述したように、上側基板22は透明であるため、図22で示すように、液体貯留部231が形成された第2基板23´´の表面が上側基板22を通して視認可能になっている。
連続相材導入部111´、121´、141´は、第1基板における液体貯留部231の下側に形成された貫通孔である。具体的には、連続相材導入部111´は、その上端で連続相貯留部2313に連通され、その下端で連続相流路11に連通されている。連続相材導入部121´は、その上端で連続相貯留部2313に連通され、その下端で連続相流路12に連通されている。また、連続相材導入部141´は、その上端で連続相材貯留部2312に連通され、その下端で連続相流路14に連通されている。
分散相材導入部101´は、第1基板における液体貯留部231の下側に形成された貫通孔である。具体的には、分散相材導入部101´は、その上端で分散相貯留部2314に連通され、その下端で分散相流路10に連通されている。
そして、液体貯留部231に貯留された連続相材100及び分散相材200は、連続相材導入部111´、121´、141´及び分散相材導入部101´を介して下方に向かって流通し、流路構造211に流入される。なお、液滴生成装置1´についての、その他の構成については、本実施形態と同様であるため、説明を省略する。
上述した、第2変形例によっても、本実施形態と同様の作用効果を奏する。
(その他の変形例)
液滴生成流路3の構成は、いかなる構成を採用してもよく、上記本実施形態の構成に限定されない。例えば、液滴生成流路3の構成として、以下のような構成を採用することができる。
(1)例えば、図24で示す変形例のように、連続相流路14は必ずしも形成される必要はない。なお、図24は、本実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。
(2)また、本実施形態にかかる液滴生成流路3では、連通流路13が一直線上に延びるように形成された流路であるがこの構成に限定されない。例えば、図25で示す変形例のように、連通流路13が屈折部を有していてもよい。図25は、本実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。変形例にかかる液滴生成流路の連通流路13は、分散相流路10と同一直線上に形成され、かつ分散相流路10の終端に連通された第1流路13aと、この第1流路13aの始端から屈曲するように形成され、かつ連続相流路12と分散相流路10とを連通させる第2流路13bと、第1流路13bの終端から屈曲するように形成され、かつ連続相流路11と分散相流路10とを連通させる第3流路13cとを有する。
(3)また、本実施形態では、連続相流路11、12は、互いに略平行であるが、例えば図26で示す変形例のように略平行でなくてもよい。図26は、本実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。変形例にかかる液滴生成流路では、連続相流路11が中途位置で屈曲しており、連続相流路11と連続相流路12とは略平行ではない。
(4)また、液滴生成流路3は、図27で示すように、連続相流路11、12のうち片方のみを有してもよい。図27は、本実施形態の変形例に係る液滴生成器の平面図である。変形例に係る液滴生成器4Aの液滴生成流路3Aは、連続相流路11、12のうち連続相流路12を有さず、連続相流路11のみを有する。また、液滴生成流路3Aでは、連通流路13Aが分散相流路10と連続相流路11とを連通口133を介して連通させているが、連通流路13Aにおける連通口133の反対側の側面が、分散相流路10の側面(奥行き方向で連続相流路11に遠い側の側面)と面一になるように形成されている。
1、1´、1´´ 液滴生成装置
1a、1a´、1a´´ 液滴生成モジュール
2 ベース部材
2a 導出路
21、21´ 中部基板(第1基板)
21´´ 第1基板
22 上側基板
23、23´ 下側基板(第2基板)
23´´ 第2基板
3、3A 液滴生成流路
4、4A 液滴生成器
5 容器
10 分散相流路
100 連続相材
101、101´ 分散相材導入部
11、12、14 連続相流路
111、111´ 連続相材導入部
121、121´ 連続相材導入部
141、141´ 連続相材導入部
112、122 排出口
13、13A 連通流路
131、132、133、134 連通口
200 分散相材
201 液滴
202 微小粒子
203 ゲル粒子
204 脱水粒子
205 乾燥粒子
211 流路構造
211a 第1導出路
231 液体貯留部
2311 第2導出路
2312 連続相貯留部
2313 連続相貯留部
2314 分散相貯留部

Claims (7)

  1. 第1基板と第2基板とを含む複数の基板が積層されて形成されたベース部材と、
    液状の分散相材と液状の連続相材とを流通させ、前記連続相材の剪断力によって前記分散相材の液滴を生成する複数の液滴生成流路を有し、前記第1基板に形成された流路構造と、
    前記第2基板に形成され、前記液状の分散相材を貯留する分散相貯留部と、
    前記第2基板に形成され、前記液状の連続相材を貯留する連続相貯留部と、
    前記分散相貯留部から前記流路構造の各前記液滴生成流路に前記分散相材をそれぞれ導入する分散相導入部と、
    前記連続相貯留部から前記流路構造の前記各液滴生成流路に前記連続相材をそれぞれ導入する連続相材導入部と、
    を有することを特徴とする液滴生成装置。
  2. 前記流路構造を複数備え、
    前記第2基板には、前記複数の流路構造に導入される前記連続相材を貯留する複数の前記連続相貯留部が形成されているとともに、前記複数の流路構造に導入される前記分散相材を貯留する複数の前記分散相貯留部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液滴生成装置。
  3. 前記流路構造における前記複数の液滴生成流路が、円環状に配置されており、
    前記連続相貯留部及び前記分散相貯留部は、前記複数の液滴生成流路の配置に対応するように平面視で略円形に前記第2基板に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴生成装置。
  4. 前記分散相導入部及び前記連続相材導入部は、前記第1基板又は前記第2基板に形成された貫通孔である、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の液滴生成装置。
  5. 前記流路構造を同一水平面上に複数備えた、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の液滴生成装置。
  6. 前記ベース部材には、前記流路構造における前記複数の液滴生成流路で生成された前記分散相材の液滴を前記ベース部材の外部に導出する導出路が、前記流路構造について一個形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の液滴生成装置。
  7. 前記導出路は、前記第1基板に形成された貫通孔である第1導出路と、前記第2基板に形成された第2導出路を有する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の液滴生成装置。
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