JP2013173132A - 液滴生成器及びマイクロカプセル生成器 - Google Patents

液滴生成器及びマイクロカプセル生成器 Download PDF

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紳介 杉浦
Kenjiro Saomoto
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Abstract

【課題】液滴又はマイクロカプセルの生産性を効果的に向上させる液滴生成器等を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、液滴生成器を構成する液滴生成器4は、液状の連続相材100を流通させる複数の連続相流路11、12を有する。また、液滴生成器4は、液状の分散相材200を流通させる単数の分散相流路10を有する。そして、液滴生成器4は、連通流路13を有する。連通流路13は、分散相流路10を連続相流路11、12にそれぞれ連通口133、134を介して連通させ、連通口133、134における連続相材100の剪断力により分散相材200の液滴201を生成させる。このように、分散相流路10が連続相流路11、12で共用されて、複数の連続相流路11、12で単数の分散相流路10からそれぞれ流入された分散相材200の液滴201が生成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゼラチン、アクリルポリマー粒子等の生成のために液滴を生成する液滴生成器、及びマイクロカプセルを生成するマイクロカプセル生成器に関する。
従来、エマルジョンの溶質となる分散相材(例えば、ゼラチン)と、エマルジョンの溶媒となる連続相材(例えば、油等)とを流通させ、連続相材の剪断力によって分散相材の液滴を生成する液滴生成流路を備えた液滴生成器が知られている。例えば、特許文献1には、分散相材を流通させる単数の分散相流路と、連続相材を流通させる単数の連続相流路とを有する液滴生成流路を備えた液滴生成器が開示されている。この液滴生成器では、連続相材の流れに交差するように、分散相流路から連続相流路に液滴分散相材を流入させ、これによって、分散相材と連続相材とを乳化させて、分散相材の液滴を生成する。このように生成された液滴を用いて、例えば、塞栓治療や、局所DDS(Drag Delivery System)等に利用される微小粒子が生成される。
また、O(油)/W(水)/O(油)型エマルジョン又はW(水)/O(油)/W(水)型エマルジョンを生成することで、上記のようにして生成された液滴を芯として含むマイクロカプセルを生成するマイクロカプセル生成器も知られている。上記特許文献1には、このようなマイクロカプセル生成器が開示されており、このマイクロカプセル生成器は、上述したように分散相材(以下、「第1分散相材」と記載する。)と連続相材(以下、「第1連続相材」と記載する)とを乳化させて、第1分散相材の液滴を生成した後に、上記連続相流路から単数のマイクロカプセル生成流路(第3のマイクロチャネル109及び第4のマイクロチャネル112で構成される流路)に、この液滴と第1連続相材とを含む第2分散相材を流入させる。そして、マイクロカプセル生成流路には、第2連続相材が流通しており、この第2連続相材の流れに交差するように、上記第2分散相材を合流させる。これによって、第2分散相材と第2連続相材とを乳化させて、第2分散相材のマイクロカプセル(液滴を芯として含み、第1連続相材をシェルとするマイクロカプセル)を生成する。
特許第3746766号
近年、液滴の生産性の向上が望まれている。従って、単位時間当たりの液滴の生成量を向上させるため、複数の液滴生成器を備えた液滴生成モジュールが一般的に使用されている。すなわち、液滴生成モジュールでは、その流路形成領域に複数の液滴生成流路が形成される(ナンバリングアップ)。液滴の生成量を向上させるためには、より多くの連続相流路を上記液滴形成領域に形成することが好ましい。しかしながら、上述した従来の液滴生成器では、単数の連続相流路に対して単数の分散相流路から分散相材が流入されていた。このため、複数の液滴生成流路を流路形成領域に形成する場合には、各連続相流路毎に一つの分散相流路を形成しなくてはならない。このことは、限られた大きさの流路形成領域により多くの連続相流路を形成することの妨げとなる。
また、従来の液滴生成器では、分散相流路と連続相流路とを連通口を介して連通させ、連続相流路を流通する連続相材によって分散相材を連通口の縁(壁面)に押し付けて剪断し、分散相材の液滴を生成していた。連通口の壁面と分散相が直接接する機会が多いと、連通口の壁面に分散相液が付着しやすい。これによって、連通口の壁面と後から流入される分散相材との親和性が徐々に高くなってしまい、経時で液滴の径が変化する、液滴が形成されない等の問題が発生してしまう。このことは、分散相材の液滴の生産性を長期間に亘って高い状態に維持する妨げとなる。
また、マイクロカプセル生成器についても、上述した液滴生成器と同様の問題がある。
上記課題を解決するために、本発明の目的は、液滴の生産性を効果的に向上させることが可能な液滴生成器、及びマイクロカプセルの生産性を効果的に向上させることが可能なマイクロカプセル生成器を提供することである。
本発明にかかる液滴生成器は、液状の連続相材を流通させる複数の第1連続相流路と、液状の分散相材を流通させる単数の分散相流路と、分散相流路を各第1連続相流路にそれぞれ連通口を介して連通させ、各連通口における連続相材の剪断力により分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、を有する。
上記構成によれば、連通流路によって、単数の分散相流路から複数の第1連続相流路に連通口を介して液状の分散相材が流入される。各第1連続相流路には、液状の連続相材が流通され、連通口から流入される分散相材を連続相材の剪断力により液滴化することで、分散相材の液滴が各第1連続相流路で生成される。このように、複数の第1連続相流路に対して単数の分散相流路から分散相材を流入させて分散相材の液滴が生成される。上記構成によれば、複数の第1連通流路に対して単数の分散相流路が共用された状態になっているため、従来のように複数の第1連続相流路に対して同数の分散相流路から分散相材を流入させる構成に比較して、第1連通流路の配置数に応じた液滴の生成数を維持しながら、分散相流路の配置数を減少させることができる。この結果、液滴生成の流路構造が分散相流路を配置するスペースを削減できる省スペースになる。これによって、複数の液滴生成器を備えた液滴生成モジュールにおいて、液滴生成モジュールの流路形成領域に多くの連続相流路を配置することができ、分散相材の液滴の単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
(2)上記液滴生成器において、複数の第1連続相流路は、2つの第1連続相流路であり、2つの第1連続相流路は、単数の連続相流路を挟んで配置されていてもよい。この構成によれば、単一の分散相流路が2つの第1連続相流路の間に位置するため、2つの第1連続相流路それぞれに分散相流路を連通させるための連通流路の構成を簡易にすることができる。
(3)上記2つの第1連続相流路は、単数の分散相流路を基準として対称に形成されていてもよい。この構成によれば、単数の分散相流路から2つの液滴生成流路までのそれぞれの距離が同一になるため、これらの距離を液滴の生成に悪影響がない範囲で小さくすることで、2つの液滴生成流路間の寸法を小さくすることができる。これによって、流路形成領域に更に多くの連続相流路を形成することができる。
(4)上記連通流路は、複数の第1連続相流路に亘って形成されており、複数の第1連続相流路との各接触位置で連通口を介して複数の第1連続相流路に連通され、分散相流路は、連通流路の中途位置において連通流路に連通されていてもよい。この構成によれば、連通流路の途中位置で分散相流路が連通されているため、連通流路の上記中途位置で分散相流路から連通流路に流入された分散相材が、この途中位置で分岐して各連通口に向かってそれぞれ流通し、各連通口を介して複数の第1連続相流路に流入される。この様に、連通流路の途中位置で分散相流路が連通させ、この途中位置で分散相材を分岐させるという簡易な構成を用いて、単一の分散相流路から複数の第1連続相流路それぞれに対して分散相材を流入させることができる。
(5)上記液滴生成器は、液状の連続相材を流通させる第2連続相流路を有してもよい。そして、上記連通流路は、各連通口において、第2連続相流路を流通した連続相材が第1連続相流路を流通する連続相材の下流側を流通するように、第2連続相流路に連通されてもよい。
第1連続相流路を流通する連続相材が、連通口から流入された分散相材に上流側から衝突し、この衝突による剪断力により分散相材を液滴化させるときに、分散相材を下流側に押し付けて連通口や第1連続相流路の壁面に接近させることになる。上記構成によれば、分散相材と連通口や第1連続相流路の壁面との間に第2連続相流路からの連続相材が存在するため、分散相材が連通口や第1連続相流路の壁面に接触することが防止される。これにより、各連通口等における連続相材の下流側部分に分散相材が付着することが効果的に防止される。このため、各連通口等の壁面に徐々に分散相材が付着することにより、各連通口等の壁面と流通される分散相材との親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になり、分散相材の液滴の生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
(6)上記分散相流路は、連通流路に連通されてもよい。更に、上記第2連続相流路は、連通流路における分散相流路の連通位置に対向する位置で連通流路に連通されてもよい。また、上記連通流路は、分散相流路から流入された分散相材と第2連続相流路から流入された連続相材とを、互いに衝突させて2層状にして、各連通口に向かって流通させてもよい。この構成によれば、分散相流路からの分散相材と第2連続相流路からの連続相材とを、連通流路内で衝突させて2層状にすることができる。これによって、分散相材と連続相材とが2層状で連通口に流通されるため、分散相材が連通口や第1連続相流路の壁面に接触することを更に効果的に防止することができる。また、上記衝突によって、各連通口に向かって分岐させて、上記2層状の分散相材と連続相材とを流通させることができ、簡易な流路構成でありながら、好適に各連通口に対して分散相材と連続相材とを流通させることができる
(7)本発明にかかる液滴生成器は、液状の連続相材を流通させる第1連続相流路と、液状の分散相材を流通させる分散相流路と、分散相流路を第1連続相流路に連通口を介して連通させ、連通口における連続相材の剪断力により分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、液状の連続相材を流通させる流路であって、この連続相材が、連通口において、第1連続相流路を流通する連続相材の下流側に流通するように、連通流路に連通された第2連続相流路と、を有する。
上記構成によれば、連通流路によって、分散相流路から第1連続相流路に連通口を介して液状の分散相材が流入される。第1連続相流路には、液状の連続相材が流通され、連通口から流入される分散相材を連続相材の剪断力により液滴化することで、分散相材の液滴が生成される。すなわち、第1連続相流路を流通する連続相材が、連通口から流入された分散相材に上流側から衝突し、この衝突による剪断力により分散相材が液滴化される。このときに、連続相流路を流通する連続相材が分散相材を下流側に押しつけて、分散相材が連通口や第1連続相流路の壁面に接近する。この際、連通口には、第2連続相流路により分散相材とともに液状の連続相材が流通するように連続相材が流通されている。連通口における分散相材と連続相材との流通形態は、第2連続相流路からの連続相材が第1連続相流路を流通する連続相材の下流側に位置する形態であるため、分散相材と連通口や第1連続相流路の壁面との間に第2連続相流路からの連続相材が存在する。このため、分散相材が連通口や第1連続相流路の壁面に接触することが防止される。これにより、連通口等における連続相材の下流側部分に分散相材が付着することが効果的に防止される。
(8)本発明にかかるマイクロカプセル生成器は、液状の第1連続相材を流通させる複数の第1連続相流路と、液状の第1分散相材を流通させる単数の分散相流路と、分散相流路を各第1連続相流路にそれぞれ第1連通口を介して連通させ、各第1連通口における前記第1連続相材の剪断力により第1分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、複数の第1連続相流路に対応するように形成され、液状の第2連続相材を流通させるとともに、液滴と第1連続相材とを含む第2分散相材を第1連続相流路から流入させて、第2連続相材の剪断力により、第2分散相材のマイクロカプセルを生成するように形成された複数のマイクロカプセル生成流路と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、連通流路によって、単数の分散相流路から複数の第1連続相流路に第1連通口を介して液状の第1分散相材が流入される。各第1連続相流路には、液状の第1連続相材が流通され、第1連通口から流入される第1分散相材を第1連続相材の剪断力により液滴化することで、第1分散相材の液滴が各第1連続相流路で生成される。
更に、これらの第1連続相流路に対応するように形成された複数のマイクロカプセル生成流路において、対応する第1連続相流路から流入される上記液滴を芯として含むマイクロカプセルが生成される。具体的には、各マイクロカプセル生成流路には、液滴と第1連続相材とを含む第2分散相材が、対応する第1連続相流路から流入される。そして、各マイクロカプセル生成流路には、第2連続相材が流通しており、この第2連続相材の剪断力により、第2分散相材のマイクロカプセルが生成される。この様にして、液滴を芯として含むマイクロカプセルが生成される。
上述したように、第1連続相流路とこれに対応するマイクロカプセル生成流路との組みが複数あるが、この複数の組みで、単一の分散相流路が共用された状態になっている。このため、従来のように、複数の上記第1連続相流路とこれに対応するマイクロカプセル生成流路との組みに対して同数の分散相流路から分散相材を流入させる構成に比較して、上記第1連続相流路とこれに対応するマイクロカプセル生成流路との組みの配置数に応じたマイクロカプセルの生成数を維持しながら、分散相流路の配置数を減少させることができる。
(9)上記各マイクロカプセル生成流路は、第1連続相流路に連通され、この第1連続相流路から流入された第2分散相材を流通させる第2分散相流路と、第2連続相材を流通させ、かつ、第2分散相流路に第2連通口を介して連通され、この第2連通口における第2連続相材の剪断力により、第2分散相流路から流入された第2分散相材のマイクロカプセルを生成するように形成された第3連続相流路と、を有してもよい。
上記構成によれば、第2分散相流路には、対応する第1連続相流路から第2分散相材が流入され、第2分散相材は第2分散相流路を流通する。そして、第2分散相材は、第2連通口を介して、第3連続相流路に流入する。この第3連続相流路には、第2連続相材が流通しており、第2連通口において、第2連続相材の剪断力により第2分散相材を液滴化することで、液滴を芯として含むマイクロカプセルが生成される。この様に、上記構成によれば、簡易な構成で、マイクロカプセル生成流路を形成することができる。
(10)上記連通流路及び上記各第1連続相流路における、各第1連通口の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち何れか一方であってもよい。また、上記第2分散相流路及び上記第3連続相流路における、各第2連通口の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち他方であってもよい。特に望ましくは、第1連通口から第2連通口手前までが撥水性及び撥油性のうち何れか一方で、第2連通口からマイクロカプセル生成流路におけるマイクロカプセルの排出口までが撥水性及び撥油性のうち他方であることである。
上記構成によれば、例えば、各第1連通口の近傍箇所の表面が撥水性(疎水性)であれば、各第2連通口の近傍箇所の表面が撥油性(疎油性)になる。このような場合には、第1分散相材と第3連続相材が水相であり、第2連続相材が油相であれば、各第1連通口の近傍箇所の表面で液滴を弾き、好適に液滴を生成することができる。かつ、各第2連通口の近傍箇所の表面でマイクロカプセルを弾き、好適にマイクロカプセルを生成することができる。また、上記例とは逆に、各第1連通口の近傍箇所の表面を撥油性にし、各第2連通口の近傍箇所の表面を撥水性にすることで、第1分散相材と第3連続相材が油相であり、第2連続相材が水相である場合に、好適に液滴及びマイクロカプセルを生成することができる。特に望ましい範囲は、第1連通口から第2連通口手前までが撥水性及び撥油性のうち何れか一方で、第2連通口からマイクロカプセル生成流路におけるマイクロカプセルの排出口までが撥水性及び撥油性のうち他方であることである。
(11)上記各第1連通口の近傍箇所の表面は、表面処理によって、撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成されてもよい。また、上記各第2連通口の近傍箇所の表面は、表面処理によって、撥水性及び撥油性のうち他方に形成されてもよい。この構成によれば、表面処理によって容易に、各第1連通口の近傍箇所の表面及び各第2連通口の近傍箇所の表面を撥水性及び撥油性に形成することができる。
(12)上記マイクロカプセル生成器は、複数の基板からなるベース部を備えてもよい。上記複数の第1連続相流路、分散相流路、連通流路、及び複数のマイクロカプセル生成流路は、ベース部に形成されてもよい。各第1連通口の近傍箇所は、複数の基板のうち、各第2連通口の近傍箇所が形成されている基板とは異なる基板に形成されてもよい。また、各第1連通口の近傍箇所が形成されている基板は、撥水性及び撥油性のうち何れか一方の材料で形成されてもよい。そして、各第2連通口の近傍箇所が形成されている基板は、撥水性及び撥油性のうち他方の材料で形成されていてもよい。特に望ましい範囲は、第1連通口から第2連通口手前までが撥水性及び撥油性のうち何れか一方で、第2連通口からマイクロカプセル生成流路におけるマイクロカプセルの排出口までが撥水性及び撥油性のうち他方であることである。
上記構成によれば、各第1連通口の近傍箇所と各第2連通口の近傍箇所とを異なった基板に形成し、これらの基板の一方を撥水性材料で形成し、他方を撥油性材料で形成することで、各第1連通口の近傍箇所の表面及び各第2連通口の近傍箇所の表面を撥水性又は撥油性に形成することができる。これによって、表面処理を行わなくても、各第1連通口の近傍箇所の表面及び各第2連通口の近傍箇所の表面を撥水性又は撥油性に形成することができる。また、表面処理を施すことでこれらの表面を撥水性又は撥油性に形成する構成に比較して、これらの表面の性質が経時的に変化し難く、第2分散相材のマイクロカプセルの生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
(13)上記各マイクロカプセル生成流路は、液状の第2連続相材を流通させる第4連続相流路を更に有してもよい。また、上記第3連続相流路は、第2連通口において一方向に流れるように、第2連続相材を流通させてもよい。更に、第2分散相流路は、第2連通口において、第4連続相流路を流通した第2連続相材が前記第3連続相流路を流通する第2連続相材の下流側を流通するように、前記第4連続相流路に連通されてもよい。
上記構成によれば、第3連続相流路を流通する第2連続相材が、第2連通口から流入された第2分散相材に上流側から衝突し、この衝突による剪断力により第2分散相材が液滴化されて、マイクロカプセルが生成される。このときに、第2分散相材が下流側に押し付けられて第2連通口や第3連続相流路の壁面に接近することになる。上記構成によれば、第2分散相材と第2連通口との間や第2分散相材と第3連続相流路の壁面との間に第4連続相流路からの第2連続相材が存在するため、第2分散相材が第2連通口や第3連続相流路の壁面に接触することが防止される。これにより、各第2連通口等における第2連続相材の下流側部分に第2分散相材が付着することが効果的に防止される。このため、各第2連通口等の壁面に徐々に第2分散相材が付着することにより、各第2連通口等の壁面と流通される第2分散相材との親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になり、第2分散相材のマイクロカプセルの生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
(14)上記第4連続相流路は、第1連続相流路の第2分散相流路との連通位置に対向する位置で前記第2分散相流路に連通されてもよい。また、第2分散相流路は、第1連続相流路から流入された第2分散相材と第4連続相流路から流入された第2連続相材とを、互いに衝突させて2層状にして、第2連通口に向かって流通させてもよい。
上記構成によれば、第4の連続相流路を、第1連続相流路の第2分散相流路との連通位置に対向する位置で第2分散相流路に連通させるだけの簡易な構成で、第2分散相材と第2連続相材とを2層状にすることができる。そして、第2分散相材と第2連続相材とが2層状で第2連通口に向かって流通するため、第2連通口において、第4の連続相流路からの第2連続相材を、連続的に、第3連続相流路を流通する第2連続相材の下流側に流通させることができる。このため、第2分散相材が第2連通口や第3連続相流路の壁面に接触することを更に効果的に防止することができる。
(15)本発明にかかるマイクロカプセル生成器は、液状の第1連続相材を流通させる第1連続相流路と、液状の第1分散相材を流通させる第1分散相流路と、第1分散相流路を第1連続相流路に第1連通口を介して連通させ、第1連通口における第1連続相材の剪断力により第1分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、液状の第1連続相材を流通させる流路であって、この第1連続相材が、第1連通口において、第1連続相流路を流通する第1連続相材の下流側を流通するように、連通流路に連通された第2連続相流路と、第1連続相流路に連通され、この第1連続相流路から流入された、液滴と第1連続相材とを含む第2分散相材を流通させる第2分散相流路と、液状の第2連続相材を流通させ、かつ、第2分散相流路に第2連通口を介して連通され、この第2連通口における第2連続相材の剪断力により、第2分散相流路から流入された第2分散相材のマイクロカプセルを生成するように形成された第3連続相流路と、液状の第2連続相材を流通させる流路であって、この第2連続相材が、第2連通口において、第3連続相流路を流通する第2連続相材の下流側を流通するように、第2分散相流路に連通されている、第4連続相流路と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、次のようにして液滴が生成される。連通流路によって、第1分散相流路から第1連続相流路に連通口を介して液状の第1分散相材が流入される。第1連続相流路には、液状の第1連続相材が流通され、第1連通口から流入される第1分散相材を第1連続相材の剪断力により液滴化することで、第1分散相材の液滴が生成される。すなわち、第1連続相流路を流通する第1連続相材が、第1連通口から流入された第1分散相材に上流側から衝突し、この衝突による剪断力により第1分散相材が液滴化される。
このときに、第1連続相流路を流通する第1連続相材が第1分散相材を下流側に押しつけて、第1分散相材が第1連通口や第1連続相流路の壁面に接近する。この際、第1連通口や第1連続相流路の壁面と第1分散相材との間には、第2連続相流路からの第1連続相材が流通されている。これにより、第1連通口等における第1連続相材の下流側部分に第1分散相材が徐々に付着することが効果的に防止される。
更に、上記構成によれば、次のようにして、上記生成された液滴を含むマイクロカプセルが生成される。第2分散相流路には、第1連続相流路から第2分散相材が流入され、第2分散相材は第2分散相流路を流通する。そして、第2分散相材は、第2連通口を介して、第3連続相流路に流入する。この第3連続相流路には、第2連続相材が流通しており、第2連通口において、第2連続相材の剪断力により第2分散相材を液滴化することで、液滴を芯として含むマイクロカプセルが生成される。
このときに、第3連続相流路を流通する第2連続相材が第2分散相材を下流側に押しつけて、第2分散相材が第2連通口や第3連続相流路の壁面に接近する。この際、第2連通口や第3連続相流路の壁面と第1分散相材との間には、第4連続相流路からの第2連続相材が流通されている。これにより、第2連通口等における第2連続相材の下流側部分に第2分散相材が徐々に付着することが効果的に防止される。
上記(1)の構成によれば、複数の連通流路に対して単数の分散相流路が共用された状態になっているため、従来のように複数の連続相流路に対して同数の分散相流路から分散相材を流入させる構成に比較して、連通流路の配置数に応じた分散相流路の配置数を減少させることができる。この結果、液滴の生成数を維持しながら、分散相流路を配置するスペースを削減することができる。このため、複数の液滴生成器を備えた液滴生成モジュールにおいて、液滴生成モジュールの流路形成領域に多くの連続相流路を配置することができ、分散相材の液滴の単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
上記(8)の構成によれば、第1連続相流路とこれに対応するマイクロカプセル生成流路との組みが複数あるが、この複数の組みで、単一の分散相流路が共用された状態になっている。このため、従来のように、複数の上記第1連続相流路とこれに対応するマイクロカプセル生成流路との組みに対して同数の分散相流路から分散相材を流入させる構成に比較して、上記第1連続相流路とこれに対応するマイクロカプセル生成流路との組みの配置数に応じたマイクロカプセルの生成数を維持しながら、分散相流路の配置数を減少させることができる。この結果、マイクロカプセル生成のための流路構造が、分散相流路を配置するスペースを削減できる省スペースになる。これによって、複数のマイクロカプセル生成器を備えたマイクロマイクロカプセル生成モジュールにおいて、マイクロカプセル生成モジュールの流路形成領域に多くの上記第1連続相流路とこれに対応するマイクロカプセル生成流路との組みを配置することができ、マイクロカプセルの液滴の単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
上記(7)の構成によれば、連通口における連続相材の下流側部分において、分散相材と連通口や、分散相材と第1連続相流路の壁面との間に第2連続相流路からの連続相材が存在する。このため、連通口や第1連続相流路の壁面に分散相材が接触することが防止され、連通口や第1連続相流路の壁面に分散相材が付着することが効果的に防止される。このため、連通口等の壁面に分散相材が徐々に付着することにより、連通口等の壁面と分散相材との親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になり、分散相材の液滴の生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
上記(15)の構成によれば、第1連通口等における第1連続相材の下流側部分に第1分散相材が徐々に付着することが効果的に防止される。また、第2連通口等における第2連続相材の下流側部分に第2分散相材が徐々に付着することが効果的に防止される。これにより、第1連通口や第2連通口等の壁面と、第1分散相材や第2分散相材との親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になり、マイクロカプセルの生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
第1実施形態にかかる液滴生成器の斜視図である。 (a)は、液滴生成モジュールの平面図であり、(b)は、(a)におけるJ−J線矢視断面による液滴生成モジュールの断面図である。 平面視した場合における液滴生成器の概略構成を示す図である。 (a)は、図3におけるA−A線矢視断面による液滴生成器を示す図であり、(b)は、図3におけるB−B線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図3におけるC−C線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図3におけるD−D線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図3におけるE−E線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図3におけるF−F線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 図3におけるG−G線矢視断面による液滴生成器を示す図である。 液滴生成器を用いた微小粒子の製造工程を示す説明図である。 液滴生成器による液滴の生成方法を示す説明図である。 第1実施形態の変形例にかかる液滴生成モジュールの平面図である。 第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。 第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。 第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。 第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の斜視図である。 第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の斜視図である。 第2の実施形態にかかる液滴生成器の平面図である。 第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。 第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。 第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。 第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。 第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の斜視図である。 (a)は、マイクロカプセル生成モジュールの平面図であり、(b)は、(a)におけるK−K線矢視断面によるマイクロカプセル生成モジュールの断面図である。 第3実施形態にかかる貯留基板の平面図である。 平面視した場合における第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。 図26におけるL−L線矢視断面によるマイクロカプセル生成器を示す図である。 第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器によるマイクロカプセルの生成方法を示す説明図である。 平面視した場合における第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。 図29におけるN−N線矢視断面によるマイクロカプセル生成器を示す図である。 第4実施形態にかかる貯留基板の平面図である。 第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器によるマイクロカプセルの生成方法を示す説明図である。 第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成モジュールの平面図である。 図33AにおけるM−M線矢視断面によるマイクロカプセル生成モジュールの断面図である。 平面視した場合における第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第1流路基板の概略構成を示す図である。 平面視した場合における第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第2流路基板の概略構成を示す図である。 平面視した場合における第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第3流路基板の概略構成を示す図である。 平面視した場合における第6実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第3流路基板の概略構成を示す図である。 平面視した場合における第7実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。 平面視した場合における第8実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。
以下、本発明の好適な第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
(液滴生成器の概要)
図1を用いて本発明の第1実施形態にかかる液滴生成器4の概要を説明する。
液滴生成器4は、分散相材200の流通方向を複数に分岐し、分岐先において分散相材200の流通方向に対して連続相材100の流通方向をそれぞれ交差させ、交差により生じた連続相材100の剪断力によって分散相材200の液滴201を生成するように構成されている。
即ち、液滴生成器4は、液状の連続相材100を流通させる複数の連続相流路11、12(本発明の第1連続相流路の一例)と、液状の分散相材200を流通させる単数の分散相流路10と、分散相流路10を各連続相流路11、12にそれぞれ連通口133、134を介して連通させ、各連通口133、134における連続相材100の剪断力により分散相材200の液滴201を生成させるように形成された連通流路13とを有している。
上記の構成によれば、連通流路13によって、単数の分散相流路10から複数の連続相流路11、12に連通口133、134を介して分散相材200が流入される。各連続相流路11、12には、連続相材100が流通され、連通口133、134から流入される分散相材200を連続相材100の剪断力により液滴201化することで、分散相材200の液滴201が各連続相流路11、12で生成される。このように、複数の連続相流路11、12に対して単数の分散相流路10から分散相材200を流入させて分散相材200の液滴201が生成される。このため、上記構成によれば、複数の連続相流路11、12に対して単数の分散相流路10が共用された状態になっているため、従来のように複数の連続相流路11、12に対して同数の分散相流路10から分散相材200を流入させる構成に比較して、液滴201の生成数を維持しながら、分散相流路10の配置数を減少させることができる。この結果、液滴201生成の流路構造が分散相流路10を配置するスペースを削減できる省スペースになるため、流路形成領域に多くの連続相流路11、12を配置することができ、分散相材200の液滴201の単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
(液滴生成器の詳細)
具体的に説明すると、図1に示すように、液滴生成器4は、板状のベース部材2を有している。尚、図1は、液滴生成器4の斜視図である。図1におけるX方向を液滴生成器4の「幅方向」、Z方向を液滴生成器4の「奥行き方向」、Y方向を液滴生成器4の「高さ方向」として、説明する。
ベース部材2には、液状の分散相材200と液状の連続相材100とを流通させ、連続相材100の剪断力によって分散相材200の液滴201を生成する液滴生成流路3が形成されている。液滴生成流路3は、ゼラチン水溶液等の分散相材200を流通させる分散相流路10と、オイル等の液体状の連続相材100を流通させる2つの連続相流路11、12とを有する。分散相流路10と連続相流路11、12とは、同一水平面上を互いに略平行に延びるように形成されている。分散相流路10と連続相流路11、12の形成方向は、ベース部材2の幅方向に一致するように設定されている。また、連続相流路11、12は、分散相流路10を挟んで(分散相流路10を基準として)対称に配置されている。なお、連続相流路11、12における連続相材100の流通方向と、分散相流路10における分散相材200の流通方向とは、何れも図1中の左から右への方向である。
また、ベース部材2には、略奥行き方向に延びる連通流路13を有する。連通流路13は、分散相流路10に連通されているとともに、連通口133、134を介して連続相流路11、12に連通されている。具体的には、連通流路13は、連続相流路11、12に亘って形成されており、連続相流路11、12との各接触位置で連通口133、134を介して、連続相流路11、12に連通されている。そして、連通流路13は、その中途位置で分散相流路10に連通されている。これによって、連通流路13は、分散相流路10からの分散相材200を、その中途位置で分岐させて連通口133、134を介して連続相流路11、12に流入させるようになっている。そして、各連通口133、134において、分散相材200は、連続相流路11、12を流通する連続相材100の剪断力により液滴化され、これによって、液滴201が生成される。
連続相流路11、12は、液滴201と連続相材100とからなるエマルジョンを排出口112、122から排出する。なお、排出された液滴201は、所定の工程を経て例えば塞栓や局所DDS等に使用される微小粒子202となる。この所定の工程についての詳細は後述する。
また、液滴生成流路3は、連続相材100を流通させる連続相流路14(本発明の第2連続相流路の一例)を有する。連続相流路14は、幅方向において、連通流路13を介して分散相流路10に隣接するように形成されている。連続相流路14は、分散相流路10と同一直線上に形成され、かつ分散相流路10の下流側(図1中の右側)に位置するように形成されている。連通流路13は、各連通口133、134において、連続相流路14からの連続相材100が連続相流路11、12を流通する連続相材100の下流側を流通するように、連続相流路14に連通されている。これによって、連続相流路14は、その他端(図1の右側端)から一端に向かって連続相材100を流通させて、連通流路13に流入させるように形成されている。
具体的には、連続相流路14の一端(分散相流路10に隣接する側の一端、すなわち図1の左側端)が、連通流路13に連通されている。この連通流路13における連通位置は、分散相流路10の連通位置に対向する位置である。このため、連通流路13において、連続相流路14から流入された連続相材100と分散相流路10から流入された分散相材200とが衝突する。この衝突によって、連通流路13では、分散相材200と連続相材100とが、それぞれ衝突した位置で分岐して連続相流路11及び連続相流路12の双方に向かう。ここで、分散相材200と連続相材100との衝突により、分散相材200と連続相材100とが、2層状になった状態で、連通流路13から連通口133、134を介して連続相流路11、12に流入される。この2層状の分散相材200と連続相材100との流通形態は、連通口133、134において、連続相材100が連続相流路11、12の下流側に流通される形態である。このため、連続相流路11、12を流通する連続相材100によって、上記2層状の分散相材200と連続相材100とが連通口133、134に押し付けられても、上記2層を構成する連続相材100によって連通口133、134に分散相材200が付着することを効果的に防止することが可能になる。
なお、ベース部材2は、下側基板21に上側基板22が積層されてなり、上述した分散相流路10、連通流路13、及び連続相流路11、12、14は下側基板21の上面に形成されている。
なお、本明細書の説明においては、ベース部材2の高さ方向を重力方向と一致させ、重力方向に対して直交する一方面及び他方面を、それぞれ上面及び下面とした水平姿勢をとった場合について説明するが、これに限定されるものではない。即ち、液滴生成器4は、水平姿勢を180度回転させた逆水平姿勢とされていてもよいし、さらには、重力を液滴201の生成に影響させるように、ベース部材2の一方面及び多方面を重力方向に対して傾斜や直交させた傾斜姿勢や垂直姿勢にされていてもよい。
以下に、上記のように構成された液滴生成器4を複数備えた液滴生成モジュール1について説明する。
(液滴生成モジュールの構成)
図2(a)は、液滴生成モジュールの平面図であり、(b)は、(a)におけるJ−J線矢視断面による液滴生成モジュールの断面図である。
液滴生成モジュール1は、70個等の複数の液滴生成器4から成る。具体的には、液滴生成モジュール1は、70個等の複数の液滴生成流路3が形成されたベース部材2を有している。ベース部材2は、透明なアクリル樹脂等の材質からなっており、所定の厚みを有しかつ上面視で正方形状に形成されている。ベース部材2は、下側基板21に上側基板22が積層されている。なお、下側基板21と上側基板22とは、ボルト締め等により着脱可能に接合されていることが好ましい。
各液滴生成器4の液滴生成流路3は、下側基板21の上面に形成されている。上側基板22は、透明であるため、図1(a)で示すように、液滴生成モジュール1が平面視された場合に、上側基板22を通して複数の液滴生成流路3を視認可能にしている。複数の液滴生成流路3は、50mm等の直径を有した円形状の線分上に配置されることによって、円環状に配置されている。液滴生成流路3の配置間隔は、等間隔に設定されているが、等間隔に限定されるものではない。各液滴生成流路3は、流路方向が上記円環の中心部に向かうように配置されている。上記円環の中心部には、貫通孔2aが形成されている。貫通孔2aは、各液滴生成器4の液滴生成流路3の下流端に接続されている。貫通孔2aは、図示しない回収配管に接続されており、各液滴生成流路3において生成された液滴を収集して回収配管を介して次工程に流出させるようになっている。
以下に図1から図9を用いて液滴生成モジュール1の構成をより詳細に説明するとともに、液滴生成モジュール1の生成方法について説明する。図3は、平面視した場合における液滴生成器の概略構成を示す図である。図4(a)は、図3におけるA−A線矢視断面による液滴生成器を示す図であり、(b)は、図3におけるB−B線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図5は、図3におけるC−C線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図6は、図3におけるD−D線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図7は、図3におけるE−E線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図8は、図3におけるF−F線矢視断面による液滴生成器を示す図である。図9は、図3におけるG−G線矢視断面による液滴生成器を示す図である。
まず、液滴生成器4の構成を詳細に説明する。
(液滴生成器4:分散相流路10)
分散相流路10は、その縦断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。分散相流路10は、下側基板21の幅方向における一端側(図1の左端側)から中央付近まで延びるように形成されている。また、分散相流路10は、その一端(図1の左側一端)の底面に分散相材導入部101が形成されている。分散相材導入部101は、図5で示すように、下側基板21に形成された管状の貫通口である。分散相材導入部101の下端(開口)には、分散相材200用の供給装置(図略)が着脱可能に接続されている。なお、供給装置(図略)は、温調器や流量調整器を備えており、所望の温度、流量及び流速で分散相材200を分散相材導入部101に供給するようになっている。
分散相流路10は、上記一端の他端側の側部で、連通流路13に連通口131を介して連通されている。これによって、分散相流路10は、分散相材導入部101から供給された分散相材200を連通流路13に連通口131を介して流入させるようになっている。
(液滴生成器4:連通流路13)
連通流路13は、その断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)の略直方体形状の流通空間として形成されている。連通流路13は、下側基板21の幅方向の中部において、奥行き方向に延びるように形成されている。そして、連通流路13は、その幅方向側の一側面(図1の左側の側面)で、上述したように連通口131を介して分散相流路10に連通されている。なお、連通口131は、上記一側面における奥行き方向の中央部に形成されている。また、連通流路13は、連通口131に対向する位置に連通口132が形成されており、この連通口132を介して連続相流路14に連通されている。これによって、連通流路13には、連通口132を介して連続相流路14から連続相材100が流入されるようになっている。
上述したように、連通流路13において、連通口131と連通口132は対向するように形成されており、このため、連通口131と連通口132の間の領域(衝突領域)で、連通口131から流入された分散相材200と連通口132から流入された連続相材100とが衝突する。これによって、連通流路13は、分散相材200と連続相材100とを、それぞれ衝突領域で分岐させて、かつ2層状にして連通流路13の両端に向かって流通させるようになっている。
また、連通流路13は、その奥行き方向側の一側部(図1の手前側側部)に、連続相流路11との連通口133が形成されている。これによって、連通流路13は、連通口133を介して、2層状になった分散相材200と連続相材100とを連続相流路11に流入させるようになっている。また、連通流路13は、上記一側部の反対側の側部(図1の奥側側部)に、連続相流路12との連通口134が形成されている。これによって、連通流路13は、連通口134を介して、2層状になった分散相材200と連続相材100とを連続相流路12に流入させるようになっている。
(液滴生成器4:連続相流路14)
連続相流路14は、その断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。連続相流路14は、図4(a)で示すように、分散相流路10の下流側で、連通流路13を介して分散相流路10に隣接するように形成されている。また、連続相流路14は、分散相流路10と同一直線上に延びるように形成されている。連続相流路14は、分散相流路10側の一端で、上述したように連通口132を介して連通流路13に連通されている。また、連続相流路14は、その他端の底面には、連続相材導入部141が形成されている。
連続相材導入部141は、図8で示すように、下側基板21に形成された管状の貫通口である。連続相材導入部141の下端(開口)には、図示しない連続相材100用の供給装置が着脱可能に接続されている。なお、供給装置は、温調器や流量調整器を備えており、所望の温度、流量及び流速で連続相材100を連続相材導入部141に供給するようになっている。これによって、連続相流路14は、連続相材導入部141から供給された連続相材100を連通口132に向かって流通させて、連通口132を介して連通流路13に流入させるように形成されている。
(液滴生成器4:連続相流路11、12)
連続相流路11、12は、それぞれその断面が略正方形(例えば、幅及び高さが0.5mmの略正方形)の流通空間として下側基板21の上面に形成されている。連続相流路11、12は、下側基板21の幅方向の一端側(図1における左側一端)から他端まで延びるように形成されている。分散相流路10が左側で連続相流路14が右側になるように液滴生成器4を配置したときに(図1の状態に配置したときに)、連続相流路12は分散相流路10の奥側に形成されており、連続相流路11は分散相流路10の手前側に形成されている。
また、連続相流路11の一端(図1における左側一端)の底面には、連続相材導入部111が形成されており、連続相流路12の一端(図1における左側一端)の底面には、連続相材導入部121が形成されている。連続相材導入部111、121は、図6で示すように、下側基板21に形成された管状の貫通口である。連続相材導入部111、121の下端(開口)には、それぞれ連続相材100用の供給装置(図略)が着脱可能に接続されている。供給装置(図略)は、温調器や流量調整器を備えており、所望の温度、流量及び流速で連続相材100を連続相材導入部111、121に供給するようになっている。なお、第1実施形態においては、連続相材導入部111、121に連続相材100を供給するための供給装置(図略)は、連続相材導入部141に連続相材100を供給するための供給装置(図略)とは別に用意され、これらの供給装置(図略)の連続相材100の供給は個別に制御される。
連続相流路11、12は、その他端側の側部に排出口112、122が形成されており、連続相材導入部111、121から供給された連続相材100を排出口112、122に向かって流通させ、排出口112、122から排出させるようになっている。また、連続相流路11は、分散相流路10側(図1の奥側)の一側面において、上述したように連通口133を介して連通流路13に連通されている。これによって、上述したように、連続相流路11には、連通流路13から連通口133を介して、2層状の分散相材200と連続相材100とが流入されるようになっている。
また、連続相流路12も、分散相流路10側(図1の手前側)の一側面において、上述したように連通口134を介して連通流路13に連通されている。これによって、上述したように、連続相流路12は、連通流路13から連通口134を介して、2層状の分散相材200と連続相材100とが流入されるようになっている。
上述したように、連続相流路11、12は、連通流路13から連通口133、134を介して、2層状の分散相材200と連続相材100とが流入されるように形成されている。ここで、連通口133、134において、上記2層を構成する連続相材100は、連続相流路11、12の下流側を流通する。このため、分散相材200は、連続相流路11、12を流通する連続相材100と、2層を構成する連続相材100との剪断力によって両側から剪断されて、液滴化される。このように生成された分散相材200の液滴201は、連続相材100とともに排出口112、122から排出される。排出口112、122は、冷却工程等の後工程に用いられる機構又は機器に接続されており、これらの機構又は機器によって液滴201が収集される。
なお、分散相材200の液滴を好適に生成するためには、分散相流路10、連続相流路11、12、14、及び連通流路13の寸法を以下のように形成することが好ましい。すなわち、図3で示すように、液滴生成器4の奥行き方向において、連通口134から分散相流路10までの連通流路13の長さと、連通口133から分散相流路10までの連通流路13の長さとは、略同一であることが好ましい。
また、図4(a)で示すように、液滴生成器4の幅方向において、連続相流路14の長さを分散相流路10の長さと同一に形成することが、連通流路13において連続相材100と分散相材200とを好適に2層状とするために好ましい。
なお、連続相流路11、12は、分散相材200がゼラチンである場合、連続相材100をゼラチンのゲル化温度以下に冷却するように熱交換機構等が設けられていることが好ましい。連続相材100の温度をゲル化温度以下にすることで、液滴201の固化が早まり、ゲル粒子203(図10)同士の衝突や、後工程における応力や剪断力等によるゲル粒子203(図10)の変形または分離を抑制できると共に、ゲル粒子203(図10)同士の癒着や凝集を防止できるからである。
(液滴生成モジュール1:ベース部材2)
以下、図1及び図2(a)(b)を参照して液滴生成モジュール1のベース部材2の構成を説明する。
ベース部材2は、図2(a)(b)に示すように、平面視で中央に貫通孔2aを有し、かつ所定の厚みを有する略正方形の下側基板21と、所定の厚みを有する略正方形の上側基板22とで構成されている。ベース部材2は、分散相材200に対して濡れ難い性状を有した材料により形成されている。具体的には、下側基板21は、ポリカーボネート又はステンレス等からなる。また、上側基板22は、ポリカーボネート等からなり、透明に形成されている。下側基板21は、その上面に接合面21a(流路形成領域)を有し、上側基板22はその下面に接合面22aを有している。下側基板21の接合面21aと上側基板22の接合面22aとを対向させて接合することにより、下側基板21と上側基板22とは一体化されている。
下側基板21の接合面21aには、複数の液滴生成流路3が溝等により貫通孔2aを中心として放射状に形成されている。具体的には、接合面21aには、各分散相流路10、各連続相流路11、12、14、及び各連通流路13が形成されている。また、下側基板21には、厚み方向に形成された貫通孔として、各連続相材導入部111、121、141と各分散相材導入部101とが形成されている。そして、下側基板21には、各連続相流路11、12の終端が貫通孔2aに対して貫通されており、この貫通部が排出口112、122となっている。
(分散相材200)
次に、液滴生成モジュール1で使用される分散相材200及び連続相材100について説明する。分散相材200は、エマルジョンの分散質となる液体であれば、特に限定されるものではない。例えば、微小粒子202が肝臓癌や子宮筋腫、腎癌、腎臓癌などの治療法における動脈塞栓治療法で用いられる場合には、分散相材200としてゼラチン水溶液が用いられる。ゼラチン水溶液におけるゼラチンの種類は、特に限定されない。例えば、牛骨由来、牛皮由来、豚骨由来、豚皮由来などのゼラチンを使用することができる。また、分散相材200は、薬成分を含む液体であってもよい。このような薬成分を含む分散相材200から生成された微小粒子202は、薬成分の徐放性を有するため、例えば、局所DDS等で使用されてもよい。
液状の分散相材200であるゼラチン水溶液の温度は、ゼラチンのゲル化温度である20℃以上であることが必要である。この理由は、ゼラチン水溶液の温度がゼラチンのゲル化温度以下になると、連通口131、133、134でゼラチン水溶液がゲル化してしまい、連通口131、133、134が詰まるという問題が生じ易く、ゼラチン水溶液の定量流出ができなくなると共に、ゼラチン水溶液が連通口131、133、134から離脱されないため粒径ばらつきが起きてしまうことが多いからである。
ゼラチン水溶液の濃度は、2重量%〜20重量%が好ましく、5重量%〜15重量%が特に好ましい。なお、濃度の下限値を2重量%とした理由は、2重量%未満の水溶液の場合には球形の粒子を作製することが困難であるからである。一方、濃度の上限値を20重量%とした理由は、20重量%を超えると、水溶液が高粘度となり、分散相流路10、連通流路13における水溶液の流動及び連通口131、133、134からの水溶液の流出が困難となるからである。
液滴201から微小粒子202に至るまでのゼラチン粒子の形状は、不定形ではなく、できる限り球形であることが好ましい。特に、微小粒子202を塞栓粒子として使用する場合には、血管内に微小粒子202を注入して塞栓したとき、球形にすることで、より標的部位に近い部分で血管を塞栓することができ、且つ患者に与える痛みも軽減できる。また、微小粒子202の粒径は、40〜100μm、150〜300μm、および400〜1000μmの3種類が適している。好適な粒径が3種類ある理由は、標的部位にできるだけ近い部分で血管を塞栓するという目的に加えて、健常な部分に悪影響を与えないように血管の大きさに応じて使い分けができるという目的からである。なお、40μm未満の小径粒子は目的とする部位以外の血管を塞栓するので好ましくない。
(連続相材100)
連続相材100は、エマルジョンの分散媒となる液体であれば、特に限定されるものではない。連続相材100が、塞栓粒子である微小粒子202に用いられる疎水性溶媒である場合には、製薬学的に許容される物質であればよく、例えば、オリーブ油などの植物油、オレイン酸などの脂肪酸、トリカプリル酸グリセリルなどの脂肪酸エステル類、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤などを用いることができる。特に、オリーブ油や、酸化し難い中鎖脂肪酸エステルであるトリカプリル酸グリセリルが好ましい。
(液滴生成モジュール1の作成方法)
以下、図1及び図2を参照して、液滴生成モジュール1の作成方法を説明する。下側基板21と、上側基板22とが準備される。下側基板21の接合面21aに対して、70個の液滴生成流路3となる溝が、貫通孔2aを中心として略環状に並ぶように形成される。具体的には、各液滴生成流路3について、分散相流路10、連続相流路11、12、14及び連通流路13となる溝が切削加工により形成される。なお、連続相流路11、12における排出口112、122が円の中央(貫通孔2a側)に向くように形成される。更に、分散相材導入部101、連続相材導入部111、121、141となる貫通孔が形成される。この後、下側基板21の接合面21aと上側基板22の接合面22aとが液密状態に接着剤やネジ等を用いて接合されることによって、液滴生成モジュール1が生成される。
以下、図10及び図11を用いて微小粒子202の生成方法を説明する。図10は、液滴生成器を用いた微小粒子の製造工程を示す説明図である。図11は、液滴生成器による液滴の生成方法を示す説明図である。なお、便宜上、図10及び図11では液滴生成モジュール1における一つの液滴生成器4についてのみ図示しているが、液滴生成モジュール1の有する全ての液滴生成器4(液滴生成流路3)において、以下に説明する方法で微小粒子202の生成が行われる。
(微小粒子202の生成方法)
まず、図10を参照して、各分散相材導入部101がチューブを介して分散相材200用の供給装置(図略)に接続される。これと共に、各連続相材導入部111、121がチューブを介して連続相材100用の供給装置(図略)に接続される。また、連続相材導入部141がチューブを介して他の連続相材100用の供給装置(図略)に接続される。そして、各排出口112、122が、チューブを介して後工程のための機構又は機器等(例えば、容器5)に接続される。なお、後工程は、用途により処理内容が異なるが、塞栓に利用される微小粒子202を製造する場合は、冷却工程が後工程とされ、その後に、脱水工程、洗浄工程、及び架橋工程が行われる。
(微小粒子202の生成方法:液滴生成工程)
上記のようにして液滴生成モジュール1が上記供給装置(図略)及び後工程のための機構又は機器等(例えば、容器5)に接続されると、次に、分散相材200であるゼラチンが0℃程度の水中で膨潤される。次に、スターラー、攪拌翼または振とう器などが用いられ、約0.5時間〜約1.5時間攪拌されることで、約40℃〜60℃の温水にゼラチンが完全に溶解されて、ゼラチン水溶液が生成される。この後、連続相材100であるオリーブ油が、連続相材100用の供給装置(図略)によって連続相材導入部111、121を介して連続相流路11、12に供給される。これとともに、オリーブ油が、連続相材100用の他の供給装置(図略)によって連続相材導入部141を介して連続相流路14に供給される。この後、ゼラチン水溶液が、分散相材200用の供給装置(図略)によって分散相材導入部101を介して分散相流路10に供給される。
詳細に説明すると、連続相流路11、12、14は、連続相材100用の供給装置(図略)及び連続相材100用の他の供給装置(図略)から、液状のオリーブ油を所定の温度及び流速で供給される。例えば、所定の温度が40℃、所定の流速が0,002m/sとされる。そして、オリーブ油が連続相流路11、12、14において満たされ、排出口112、122から安定した排出量で排出されたタイミングで、分散相材200用の供給装置から、ゼラチン水溶液が所定の温度及び流速で供給される。例えば、温度が40℃、流速が0,02m/sとされる。なお、ゼラチン水溶液及びオリーブオイルの温度は、同一の温度であることが、連通流路13、及び連続相流路11、12において分散相材200の物性を変化させない点で好ましい。
上述したようにゼラチン水溶液及びオリーブ油が供給されると、図11に示すように、ゼラチン水溶液は、分散相材導入部101から連通口131に向かって流通する。ゼラチン水溶液は、連通口131を介して連通流路13に流入する。なお、連続相流路14において、連続相材導入部141から導入されたオリーブ油が連通口132に向かって流通し、このオリーブ油が連通口131と連通口132の間の領域(衝突領域)に連通口132を介して流入する。ゼラチン水溶液は、この連通口132から流入されたオリーブ油と衝突領域で衝突する。この衝突によって、ゼラチン水溶液とオリーブ油とが、2層状になるとともに、衝突領域で2方向に分岐して連通口133、134に向かう。
上記2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とは、連通口133、134を介して連続相流路11、12に流入する。連続相流路11、12では、オリーブ油が連続相材導入部111、121から供給されて排出口112、122に向かって流通するが、このオリーブ油は連通口133、134において上記2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油の流れに略直交するように流通する。従って、連通口133、134から流入した2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とは、連続相流路11、12を流通するオリーブ油によってこのオリーブ油の下流側へと流される。ここで、連通口133、134では、上記2層において、ゼラチン水溶液が連続相流路11、12を流通するオリーブ油の上流側を流通し、オリーブ油がその下流側を流通する。従って、連通口133、134では、ゼラチン水溶液が、上記2層を構成するオリーブ油と連続相流路11、12を流通するオリーブ油に両側から挟まれて、これらのオリーブ油によって両側から剪断されて液滴化される。
上述したように液滴生成器4は、単一の分散相流路10から2つの連続相流路11、12に分散相材200を流入させ、これによって、単一の分散相流路10について2つの連続相流路11、12で分散相材200の液滴201を生成する。これによって、液滴生成流路3は、複数の連続相流路に対して同数の分散相流路を形成しなければならない従来の液適正性流路に比較して、省スペースでありながら単位時間当たりで同数の液滴201を生成することが可能できる。これによって、接合面21aに形成される連続相流路11、12の個数を多くすることができる。
また、液滴生成器4は、連通口133、134において、2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とを流通させ、かつ、このオリーブ油が連続相流路11、12内を流通するオリーブ油の下流側に流通させている。2層状のゼラチン水溶液とオリーブ油とは、上述したように、連続相流路11、12内を流通するオリーブ油によってこのオリーブ油の下流側に押される。ここで、2層状でゼラチン水溶液とともにオリーブ油が流通されていなければ、連通口133、134(連続相流路11、12の下流側に位置する方の縁)にゼラチン水溶液が付着する。第1実施形態では、連通口133、134における、この連続相流路11、12の下流側にはオリーブ油が流通されているため、このオリーブ油によってゼラチン水溶液の付着が防止される。これによって、連通口133、134の目詰まりが防止される。
上述した様に生成された液滴201と連続相材100とからなるエマルジョンが排出口112、122から排出される。なお、このようにして液滴生成器4から液滴201が排出されると、この液滴201の粒径が図略の粒度分布検知装置等によって測定される。そして、分散相材200及び連続相材100の流速(単位時間当たりの流量)や温度がオペレータによって手動で又は自動で調整されることによって、液滴201が所望の粒径に均一化される。
(冷却工程)
均一化された液滴201は、オリーブ油と共に、温調機構及び撹拌機構付きの容器5に貯留されたオリーブ油中に投入される。この際、容器5中のオリーブ油の温度は、0℃〜60℃の範囲、即ち、ゼラチン水溶液のゲル化温度以下に調整されている。これにより、液滴201が容器5に投入された直後から、液滴201のゲル化が開始されて、液滴201がゲル粒子203となる。これによって、液滴201同士の癒着や凝集が防止されると共に、ゲル粒子203同士の衝突等の外力によるゲル粒子203の変形や分離が抑制される。なお、液滴201の生成後、ゲル化させる際の冷却工程において、オリーブ油(オイル)の凝固点以下の冷却が必要な場合には、脱水溶媒(溶媒の凝固点が低いため)を予め液滴生成時(液滴生成工程)に容器5内のオリーブ油に加えておく(混合しておく)ことが好ましい。この場合には、容器5内の混合液の凝固点を下げ、乳化液(エマルジョン)の凝固を防ぐことができる。
(脱水工程)
所定数や所定量以上のゲル粒子203が容器5内で生成されると、続いて、ゲル化温度以下の脱水溶媒が容器5内に投入されて容器5内のオリーブ油と混合される。そして、15分間以上の撹拌混合が行われることによって、ゲル粒子203中の水分が十分に脱水される。更に、これによって、ゲル粒子203の凝集が防止されると共に、ゲル粒子203は後工程において均一な架橋が可能な脱水粒子204となる。なお、脱水溶媒としては、例えば、アセトンなどのケトン系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ジクロルエタン等のハロゲン系溶剤を用いることができる。
(洗浄工程)
また、脱水処理と同時、又は前後して洗浄処理が行われる。この洗浄処理では、ゼラチンを溶解させない貧溶媒が容器5内に投入され、この貧溶媒で脱水粒子204が洗浄される。貧溶媒は、ゼラチンのゲル化温度以下で用いることが好ましい。ゼラチンを溶解させない貧溶媒として、例えば、アセトンなどのケトン系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ジクロルエタンなどのハロゲン系溶剤を用いることができる。なお、洗浄処理では、約2〜15グラムのゲル粒子203(又は脱水粒子204)を約200〜300mlの溶剤を用いて15〜30分洗浄する操作を1サイクルとし、これを4〜6サイクル繰り返し行うことが好ましい。
(乾燥工程)
次に、容器5から脱水粒子204が取り出され、脱水粒子204が、ゼラチンを溶解させない温度で乾燥される。この乾燥によって、脱水粒子204に付着した洗浄溶媒が除去されると共に、脱水粒子204中の水分が除去されることによって、脱水粒子204が乾燥粒子205とされる。なお、乾燥方法として、通風乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などの種々の方法を用いることができる。乾燥工程では、脱水粒子204を例えば5℃〜25℃で約12時間以上乾燥することが好ましく、減圧雰囲気で乾燥することがより好ましい。
(架橋工程)
次に、乾燥粒子205が温度80℃〜250℃で、0.5時間〜120時間加熱される。この加熱条件は、例えば、微小粒子202を塞栓粒子として使用するならば、血管内で微小粒子202を完全に分解するのに要する時間、すなわち、血管内を微小粒子202で塞栓してから、血流を再開通させるまでに必要とされる期間に応じて決定される。また、加熱時間は加熱温度に依存する。一般に、腫瘍(癌)を壊死させるためには、2〜3日間、血管を塞栓すればよい。したがって、例えば、微小粒子202の分解期間を3〜7日間に設定する場合、加熱架橋の条件としては、100℃〜180℃であって、1時間以上24時間以下で乾燥粒子205を加熱することが好ましい。なお、微小粒子202を、局所DDSで使用する場合には、加熱条件は、体内において薬成分を徐放する期間に応じて決定されることが好ましい。乾燥粒子205の酸化等の不具合を避けるためには、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上述したように、上記第1実施形態によれば、連通流路13によって、単一の分散相流路10から複数(2つ)の連続相流路11、12に分散相材200が流入される。そして、複数の連続相流路11、12を流通する連続相材100によってそれぞれ流入された分散相材200を液滴化し、これによって液滴201が生成される。このように、第1実施形態にかかる液滴生成流路3によれば、単一の分散相流路10を複数の連続相流路11、12で共通で使用して液滴201を生成する。このため、複数の連続相流路に対して同数の分散相流路を形成しなくてはならない従来の技術に比較して、単位時間当たりで同数の液滴201を生成することができながら、液滴生成の構造を省スペースにすることが可能になる。これによって、限られた流路形成領域(下側基板21の接合面21a)に、より多くの連続相流路11、12を形成することができ、液滴201の生産性を効果的に向上させることができる。
また、第1実施形態では、連通口133、134において、分散相材200とともに連続相材100が連続相流路11、12内の下流側を流通する。この連通口133、134を流通する2層状の分散相材200と連続相材100とは、上述したように、連続相流路11、12を流通する連続相材100によって、連通口133、134の縁に押し付けられる。しかしながら、連通口133、134では、この連続相流路11、12の下流側には連続相材100が流通されているため、連続相流路11、12を流通する連続相材100に押し付けられても、連通口133、134の縁(壁面)に分散相材200が付着することが効果的に防止される。このため、分散相材200が徐々に連通口133、135の壁面に付着することにより、連通口133、134の壁面と、流通する分散相材200との親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になり、液滴201の生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
以上、第1実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定
するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、第1実施形態
に記載された、作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
第1実施形態に関する本発明では、連通流路が、単数の分散相流路と複数の連続相流路とをそれぞれ連通口を介して連通させ、各連通口において、連続相材の剪断力により、液滴201を生成することが可能であれば、如何なる構成を採用してもよい。
(第1実施形態の変形例)
以下に第1実施形態の変形例を説明する。
(1)第1実施形態にかかる液滴生成モジュール1では、複数の液滴生成流路3がベース部材2に円環状に形成されていたが、複数の液滴生成流路3の配列構造はこの構成に限定されない。例えば、図12で示すように、複数の液滴生成流路3が並列に一直線上に並べて配列されていてもよい。なお、図12は、第1実施形態の変形例にかかる液滴生成モジュールの平面図である。また、複数の液滴生成器4を液滴生成モジュール1に組み込んで使用される必要はなく、単数の液滴生成器4が単体で使用されて液滴201が生成されてもよい。
(2)また、連通口133、134の目詰まり防止の観点からは、連続相流路14を形成することが好ましいが、図13で示す変形例のように、連続相流路14は必ずしも形成される必要はない。なお、図13は、第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。
(3)第1実施形態にかかる液滴生成器4では、連通流路13が一直線上に延びるように形成された流路であるがこの構成に限定されない。例えば、図14で示す変形例のように、連通流路13が屈折部を有していてもよい。図14は、第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。変形例にかかる液滴生成流路の連通流路13は、分散相流路10と同一直線上に形成され、かつ分散相流路10の終端に連通された第1流路13aと、この第1流路13aの始端から屈曲するように形成され、かつ連続相流路12と分散相流路10とを連通させる第2流路13bと、第1流路の終端から屈曲するように形成され、かつ連続相流路11と分散相流路10とを連通させる第3流路13cとを有する。
(4)また、第1実施形態では、連続相流路11、12は、互いに略平行であるが、例えば図15で示す変形例のように略平行でなくてもよい。図15は、第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。変形例にかかる液滴生成流路では、連続相流路11が中途位置で屈曲しており、連続相流路11と連続相流路12とは略平行ではない。
(5)また、第1実施形態にかかる液滴生成器4では、2つの連続相流路11、12が単一の分散相流路10を共通で使用しているが、図16で示す変形例のように、3つ以上の連続相流路11Aで単一の分散相流路10を共通で使用してもよい。図16は、第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の斜視図である。この変形例にかかる液滴生成流路は、4つの連続相流路11A(11A−1、11A−2、11A−3、11A−4)で単一の分散相流路10を使用する。具体的には、変形例にかかる液滴生成流路では、同一水平面上に分散相流路10を挟むように連続相流路11A−1及び連続相流路11A−2が形成される。更に、同一垂直面上に分散相流路10を挟むように連続相流路11A−3及び連続相流路11A−4が形成される。変形例にかかる液滴生成器では、連通流路13が、分散相流路10を連続相流路11A−1、11A−2、11A−311A−4に連通口133を介して連通させる。
(6)更に、第1実施形態にかかる液滴生成器4では、2つの連続相流路11、12と、分散相流路10とを同一水平面上に形成しているが、図17で示す変形例のように、これらを異なった水平面上に形成してもよい。図17は、第1実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の斜視図である。図17では、異なった3つの水平面上に、連続相流路11、分散相流路10、及び連続相流路12がこの順番で上から順番に上下方向に並べて形成されている。そして、連通流路13が、高さ方向に延びるように形成され、分散相流路10を連続相流路11と連続相流路12とに連通させている。
(第2実施形態)
次に、図18を用いて、第2実施形態にかかる液滴生成器を説明する。第2実施形態にかかる液滴生成器は、液滴生成器4Aにおける液滴生成流路3A以外の構成について、第1実施形態にかかる液滴生成器4と同一である。従って、第2実施形態にかかる液滴生成器4については、液滴生成流路3Aについてのみ説明する。
図18は、第2実施形態にかかる液滴生成器4Aの平面図である。
上述したように、第1実施形態にかかる液滴生成流路3は、連続相流路11、12を有し、連通流路13によって分散相流路と連続相流路11、12とがそれぞれ連通されている。これに対して、第2実施形態にかかる液滴生成流路3Aは、連続相流路11、12のうち連続相流路12を有さず、連続相流路11のみを有する。また、液滴生成流路3Aでは、連通流路13Aが分散相流路10と連続相流路11とを連通口133を介して連通させているが、連通流路13Aにおける連通口133の反対側の側面が、分散相流路10の側面(奥行き方向で連続相流路11に遠い側の側面)と面一になるように形成されている。
第2実施形態にかかる液滴生成器4Aによれば、第1実施形態にかかる液滴生成器4と同様に、連通口133において、2層状の分散相材200と連続相材100とを流通させ、かつ、この連続相材100が連続相流路12内を流通する連続相材100の下流側に流通される。2層状の分散相材200と連続相材100とは、上述したように、連続相流路11内を流通する連続相材100によってこの連続相材100の下流側に押される。このように2層状の分散相材200と連続相材100が押されるが、連通口133における連続相流路11の下流側には連続相材100が流通されている。このため、この連続相材100によって分散相材200の連通口133の縁(壁面)への付着が防止される。これによって、分散相材200が徐々に連通口133の壁面に付着することにより、連通口133の壁面と、流通する分散相材200との親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になり、液滴201の生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
以上、第2実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定
するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、第2実施形態
に記載された、作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
第2実施形態に関する本発明では、第1連続相流路に液状の連続相材を流通させ、分散相流路に液状の分散相材を流通させ、連通流路が、分散相流路を第1連続相流路に連通口を介して連通させ、連通口における連続相材の剪断力により分散相材の液滴を生成させるように形成されており、第2連続相流路に液状の連続相材を流通させ、第2連続相流路が、連通口において、連続相材が第1連続相流路を流通する連続相材の下流側に流通するように、連通流路に連通されていれば、如何なる構成をも採用することが可能である。
(第2実施形態の変形例)
以下に第2実施形態の変形例を説明する。(1)上記第2実施形態にかかる液滴生成流路3Aでは、連続相流路11のみが形成され、連続相流路12が形成されていない構成であるが、連続相流路12のみが形成され、連続相流路11が形成されていない構成であってもよい。
(2)上記第2実施形態にかかる液滴生成流路3Aでは、分散相流路10と連続相流路14とが同一直線上に形成されているが、例えば図19から図22で示すように、同一直線上に形成されていなくてもよい。
図19は、第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。この変形例にかかる液滴生成流路では、上面視において分散相流路10と連続相流路14とが、連通流路13との連結部位において180度よりも小さい角度を構成するように形成されている。
図20は、第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。この変形例にかかる液滴生成流路では、上面視において連通流路13と連続相流路14が同一直線上に形成されており、かつ分散相流路10がこの直線と直交するように連通流路13の一端(連続相流路14側の一端)に連通されている。なお、連続相流路14は、連通流路13を基準として連続相流路11における上流側に形成されている。上記構成によって、2層状になった分散相材200と連続相材100とを連続相流路11に流入させることが可能になる。
図21は、第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。この変形例にかかる液滴生成流路は、上面視において分散相流路10と連通流路13とが同一直線上に形成されており、かつ連続相流路14がこの直線と直交するように連通流路13の一端(分散相流路10側の一端)に連通されている。なお、連続相流路14は、連通流路13を基準として連続相流路11における下流側に形成されている。上記構成によって、2層状になった分散相材200と連続相材100を連続相流路11に流入させることが可能になる。
図22は、第2実施形態の変形例にかかる液滴生成流路の平面図である。この変形例にかかる液滴生成流路では、分散相流路10と連続相流路14とが略平行に形成されている。なお、分散相流路10と連続相流路14とは、連通流路13を基準として連続相流路11における下流側に形成され、かつ連通流路13と直交するように形成されている。分散相流路10及び連続相流路14のうち分散相流路10の方が、連続相流路11に遠い側に設けられている。そして、分散相流路10は、その連通流路13との直交位置で連通流路13に連通され、連通流路13に分散相材200を流入させる。更に、連続相流路14は、その連通流路13との直交位置で連通流路13に連通され、連通流路13に連続相材100を流入させることで、連通流路13を流通する分散相材200に連続相材100を合流させる。これによって、2層状になった分散相材200と連続相材100とを連続相流路11に流入させることが可能になる。
〔第3実施形態〕
(マイクロカプセル生成器の概要)
以下に、図23を用いて第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概要を説明する。図23は、第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の斜視図である。なお、図23において、図面の視認性を良くするために、図24及び図25を用いて後述する貯留基板23の貯留部231〜235を省略して図示している。第3の実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Bは、単一の流路3Bを備え、この流路3Bによって、マイクロカプセル201Bを生成する。
流路3Bは、第1実施形態と同様に、複数の連続相流路11、12(本発明の第1連続相流路の一例)と、単数の分散相流路10(本発明の第1分散相流路の一例)と、連通流路13とを有する。これらの流路10、11、12、13によって、第1実施形態と同様にして、液滴201Aが生成される。なお、第3実施形態では、分散相流路10には第1分散相材200Aが供給され、連続相流路11、12には第1連続相材100Aが供給される。そして、第1連続相材100Aの剪断力により、第1分散相材200Aの液滴201Aが生成される。
更に、流路3Bは、複数のマイクロカプセル生成流路15、16を有する。マイクロカプセル生成流路15、16は、生成された液滴201Aを芯として含むマイクロカプセル201Bを生成するための流路である。マイクロカプセル生成流路15、16は、複数の連続相流路11、12に対応するように形成され、液状の第2連続相材100Bを流通させるとともに、液滴201Aと第1連続相材100Aとを含む第2分散相材200B(図28)を連続相流路11、12から流入させて、第2連続相材100Bの剪断力により、第2分散相材200Bのマイクロカプセル201Bを生成するように形成されている。
上述したように、マイクロカプセル生成器4Bでは、連続相流路11及びマイクロカプセル生成流路15の組みと、連続相流路12及びマイクロカプセル生成流路16の組との2組みで、単一の分散相流路10とを共用することができるため、省スペースな流路構造を実現することができる。これによって、複数のマイクロカプセル生成器4Bを組み合わせて、単一のマイクロカプセル生成モジュール1B(図24(a)(b))として構成した場合に、より多くの数の流路3Bをマイクロカプセル生成モジュール1Bに形成することができるため、単位時間当たりのマイクロカプセル201Bの生成性を向上させることができる。
なお、第3実施形態の以降の実施形態において、図23におけるX方向をマイクロカプセル生成器4B等の「幅方向」、図23におけるZ方向をマイクロカプセル生成器4B等の「奥行き方向」、図23におけるY方向をマイクロカプセル生成器4B等の「高さ方向」として、説明する。また、図23における左側を、マイクロカプセル生成器4B等の「左側」として、図23における右側を、マイクロカプセル生成器4B等の「右側」として、説明する。
以下に、マイクロカプセル生成器4Bをより詳細に説明する。第3実施形態では、複数(例えば、70個)のマイクロカプセル生成器4Bによって、単一のマイクロカプセル生成モジュールが構成されている。
(マイクロカプセル生成モジュールの構成)
以下に、図24を用いてマイクロカプセル生成モジュールの構成を説明する。図24の(a)は、マイクロカプセル生成モジュールの平面図であり、図24の(b)は、(a)におけるK−K線矢視断面によるマイクロカプセル生成モジュールの断面図である。マイクロカプセル生成モジュール1Bにおける流路3Bの配置は、第1実施形態の液滴生成モジュール1における液滴生成流路3の配置と同様である。このため、流路3Bの配置についての詳細な説明を省略する。また、マイクロカプセル生成モジュール1Bは、第1実施形態の液滴生成モジュール1と同様に、ベース部材2Bに各流路3Bが形成されてなる。以下、このベース部材2Bの構成について説明する。
(マイクロカプセル生成モジュールの構成:ベース部材2B)
以下に、図24及び図25を用いてベース部材2Bの構成について説明する。図25は、第3実施形態にかかる貯留基板の平面図である。なお、図25において、後述の貯留部231〜235と流路3Bとの対応関係を示すため、流路基板21Bにおける流路3Bの形成位置を点線で示している。
第1実施形態にかかるベース部材2は、下側基板21と上側基板22とから成るのに対して、第3実施形態にかかるベース部材2Bは、上側基板22、流路基板21B、及び貯留基板23がこの順番で上から並ぶように積層されて成る。
上側基板22は、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。流路基板21Bには、流路3Bが円環状に形成されている。そして、流路基板21Bの中心(円環の中心)には、第1実施形態と同様に、貫通孔2aが形成されている。これによって、第1実施形態と同様に、各流路3Bで生成されたマイクロカプセル201Bが、この貫通孔2aに集められるようになっている。
貯留基板23には、その中心部において高さ方向に貫通孔2bが形成されており、貫通孔2aから流入されたマイクロカプセル201Bを流通させて、この貫通孔2bの下端に接続されている回収配管(図略)を介して次工程に流出させる。また、貯留基板23には、流路基板21Bに形成された流路3Bに供給される第1分散相材200A、第1連続相材100A、及び第2連続相材100Bを貯留するための貯留部231、232、233、234、235が形成されている。貯留部231、232、235、234、233は、それぞれリング状に形成されており、貫通孔2bの中心位置を中心として同心円を描くように、内側からこの順番に形成されている。
貯留部233は、第1分散相材200Aを貯留するための貯留部であり、第1分散相材200Aの貯留タンク(図略)に連通されて、この貯留タンクから第1分散相材200Aが供給される。貯留部232及び貯留部235は、第1連続相材100Aを貯留するための貯留部であり、第1連続相材100Aの貯留タンク(図略)に連通されて、この貯留タンクから第1連続相材100Aが供給される。貯留部231及び貯留部234は、第2連続相材100Bを貯留するための貯留部であり、第2連続相材100Bの貯留タンク(図略)に連通されて、この貯留タンクから第2連続相材100Bが供給される。
各流路3Bの底面には、貯留部231、232、233、234、235に対応する位置に、流路基板21Bを貫通する複数の貫通孔が形成されている。なお、これらの貫通孔は、図23の分散相材導入部101、連続相材導入部111、121、141、1511、1611、1541、1641である。これによって、各流路3Bには、これらの貫通孔を介して、貯留部231、232、233、234、235から、第1分散相材200A、第1連続相材100A、及び第2連続相材100Bが供給される。
(マイクロカプセル生成流路15、16)
次に、図23、図25、図26および図27を用いて、各マイクロカプセル生成器4Bの流路3Bの構成について、詳細に説明する。図26は、平面視した場合における第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。図27は、図26におけるL−L線矢視断面によるマイクロカプセル生成器を示す図である。
分散相流路10、連続相流路11、12、14、及び連通流路13については、第1実施形態と同じであるため、詳細な説明を省略する。連続相流路11、12における第1連続相材100Aの下流側の一端に連通するように、マイクロカプセル生成流路15、16が形成されることが、第3実施形態が、第1実施形態と異なっている点である。従って、以下にマイクロカプセル生成流路15、16の構成について説明する。
マイクロカプセル生成流路15は、連続相流路11に連通されるように形成されており、マイクロカプセル生成流路16は、連続相流路12に連通されるように形成されている。マイクロカプセル生成流路15とマイクロカプセル生成流路16とは、分散相流路10を挟んで、マイクロカプセル生成器4Bの奥行き方向に対称に配置されている。
マイクロカプセル生成流路15、16は、連続相流路11、12と略同一方向に伸びる連続相流路151、161(本発明の「第3連続相流路」の一例)と、この連続相流路151、161の右端に連続するように形成された流出流路152、162と、連続相流路11、12と連続相流路151、161とを連通させる分散相流路153、163(本発明の「第2分散相流路」の一例)とを有する。
分散相流路153、163は、連続相流路11、12に連通され、この連続相流路11、12から流入された第2分散相材200Bを流通させる(図28)。連続相流路151、161は、第2連続相材100Bを流通させ、かつ、分散相流路153、163に連通口139、140(本発明の「第2連通口」の一例)を介して連通され、この連通口139、140における第2連続相材100Bの剪断力により、分散相流路153、163から流入された第2分散相材200Bのマイクロカプセル201Bを生成するように形成されている。
また、マイクロカプセル生成流路15、16は、液状の第2連続相材100Bを流通させる連続相流路154、164(本発明の「第4連続相流路」の一例)を更に有する。連続相流路154、164は、分散相流路153、163に連通口137、138を介して連通されている。これによって、連続相流路154、164を流通した第2連続相材100Bが、分散相流路153、163を通って、連通口139、140を介して連続相流路151、161に流入するようになっている。また、連続相流路151、161における連通口139、140では、一方向(左側から右側)に流れるように、第2連続相材100Bが流通しており、連通口139、140において、この第2連続相材100Bの下流側を流通するように、連続相流路154、164を流通した第2連続相材100Bが流通するようになっている。これによって、連通口139、140における第2連続相材100Bの下流側部分に第2分散相材200Bが付着することが効果的に防止される。
(マイクロカプセル生成流路15、16:分散相流路153、163)
以下に、分散相流路153、163の構成を詳細に説明する。分散相流路153、163は、その断面が略正方形である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。分散相流路153、163は、マイクロカプセル生成器4Bの奥行き方向に伸びるように形成されており、その一端の左側面において連続相流路11、12の下流側の端部に連通口135、136を介して連通されており、これによって、連通口135、136から第2分散相材200B(図28)を流入させる。また、分散相流路153、163は、その他端の奥行き方向側の側部において、連通口139、140を介して連続相流路151、161に連通されており、これによって、第2分散相材200Bを、連通口139、140を介して連続相流路151、161に流入させる。
また、分散相流路153、163は、連通口137、138を介して連続相流路154、164に連通されている。この連通位置は、連続相流路11、12の連通位置に対向する位置であり、これによって、分散相流路153、163は、連続相流路11、12から流入された第2分散相材200Bと連続相流路154、164から流入された第2連続相材100Bとを、互いに衝突させて2層状にして、連通口139、140に向かって流通させるようになっている。この様に、連続相流路11、12の連通位置に対向する位置で、連続相流路154、164を分散相流路153、163に連通させるだけの簡易な構成で、第2分散相材200Bと第2連続相材100Bとを2層状にすることができるようになっている。そして、第2分散相材200Bと第2連続相材とが2層状で連通口139、140に向かって流通するため、連通口139、140において、連続相流路154、164からの第2連続相材100Bを、連続的に、連続相流路151、161を流通する第2連続相材100Bの下流側に流通させることができる。このため、第2分散相材200Bが連通口139、140や連続相流路151、161の壁面に接触することを更に効果的に防止することができるようになっている。
(マイクロカプセル生成流路15、16:連続相流路154、164)
以下に、連続相流路154、164の構成を詳細に説明する。連続相流路154、164は、その断面が略正方形である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。連続相流路154、164は、マイクロカプセル生成器4Bの幅方向に伸びるように形成されており、その右端の底面に連続相材導入部1541、1641が形成されている。連続相材導入部1541、1641は、流路基板21Bに形成された管状の貫通口である。連続相材導入部1541、1641の下方には、図25で示す貯留部231が配置されており、この貯留部231に貯留されている第2連続相材100Bが連続相材導入部1541、1641を介して連続相流路154、164に供給される。
また、連続相流路154、164の左端における幅方向の側部は、上述したように分散相流路153、163に連通口137、138を介して連通されている。これによって、連続相流路154、164は、連続相材導入部1541、1641から供給された第2連続相材100Bを連通口137、138に向かって流通させて、連通口137、138を介して分散相流路153、163に流入させるようになっている。
(マイクロカプセル生成流路15、16:連続相流路151、161)
以下に、連続相流路151、161の構成を詳細に説明する。連続相流路151、161は、その断面が略正方形である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。連続相流路151、161は、マイクロカプセル生成器4Bの幅方向に伸びるように形成されており、マイクロカプセル生成器4Bの左側から半ばあたりまで(図26の一点鎖線で示す位置まで)形成されている。
連続相流路151、161は、その左端の底面に連続相材導入部1511、1611が形成されている。連続相材導入部1511、1611は、流路基板21Bに形成された管状の貫通口である。また、図27で示すように、連続相材導入部1511、1611の下方には、図25で示す貯留部234が配置されており、この貯留部234に貯留されている第2連続相材100Bが連続相材導入部1511、1611を介して連続相流路151、161に供給される。
また、連続相流路151、161は、その右端における幅方向の側部で、流出流路152、162の左端における幅方向の側部に連通されており、これによって、連続相材導入部1511、1611から供給された第2連続相材100Bが、流出流路152、162に向かって流通されて、流出流路152、162に流入するようになっている。
また、連続相流路151、161は、その右端における奥行き方向の一側面で、分散相流路153、163に連通口139、140を介して連通されている。これによって、
連続相流路151、161には、連通口139、140を介して、分散相流路153、163から第2分散相材200Bと第2連続相材100Bとの2層流が流入される。そして、連続相流路151、161では、連通口139、140において、流入された第2分散相材200Bが、連続相流路154、164からの第2連続相材100Bの剪断力と、連続相流路151、161を流通する第2連続相材100Bの剪断力とによって、液滴化される。連続相流路151、161は、この液滴化によって生成されたマイクロカプセル201Bを第2連続相材100Bとともに、流出流路152、162に流入させる。
(マイクロカプセル生成流路15、16:流出流路152、162)
以下に、流出流路152、162の構成を詳細に説明する。流出流路152、162は、その断面が略正方形である長尺な略直方体形状の流通空間として形成されている。流出流路152、162は、マイクロカプセル生成器4Bの幅方向に伸びるように形成されている。上述したように、流出流路152、162は、その左端における幅方向の側部で連続相流路151、161に連通されており、これによって、マイクロカプセル201Bと第2連続相材100Bとを連続相流路151、161から流入させる。また、流出流路152、162は、その右端における幅方向の側部で貫通孔2aに連通されており、この連通部位が排出口1521、1621となっている。流出流路152、162は、流入させたマイクロカプセル201Bと第2連続相材100Bとを排出口1521、1621を介して、貫通孔2aに対して流出させる。これによって、マイクロカプセル201Bを、貫通孔2aを介して、次工程に流出することができる。
(第1分散相材200A、第1連続相材100A、及び第2連続相材100B)
第1分散相材200Aと第1連続相材100Aとは、互いに相溶しない液体である。例えば、第1分散相材200Aが油相であれば、第1連続相材100Aが水相であり、第1分散相材200Aが水相であれば、第1連続相材100Aが油相である。また、同様に、第1連続相材100Aと、第2連続相材100Bとは、互いに相溶しない液体である。従って、第1分散相材200Aが油相であれば、第1連続相材100Aが水相、第2連続相材100Bが油相となり、マイクロカプセル生成流路15、16で、O/W/O型エマルジョンが生成されることになる。また、第1分散相材200Aが水相であれば、第1連続相材100Aが油相、第2連続相材100Bが水相となり、マイクロカプセル生成流路15、16で、W/O/W型エマルジョンが生成されることになる。なお、本実施形態では、油相として、例えば、医薬品添加物規格2003で規格されている中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名「パナセート」、日本油脂株式会社)を用いたが、油に馴染み易い性質を有すれば中鎖脂肪酸トリグリセリドに限定されない。また、本実施形態では、水相として、5wt%でゼラチンを含有する水溶液を用いたが、水に馴染み易い性質を有すればこのような水溶液に限定されない。
(連通口133、134の近傍箇所及び連通口139、140の近傍箇所の濡れ性)
連通流路13及び各連続相流路11、12における、各連通口133、134の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成される。また、分散相流路153、163及び連続相流路151、161における、各連通口139、140の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち他方に形成される。特に望ましくは、連通口133,134から次の連通口である139、140の手前まで撥水性及び撥油性のうち何れか一方で、連通口139、140から排出口1521、1621までが撥水性及び撥油性のうち他方であることである。
例えば、各連通口133、134の近傍箇所の表面が、撥油性に形成されるときには、分散相流路153、163及び連続相流路151、161における、各連通口139、140の近傍箇所の表面は、撥水性に形成される。この例の場合には、第1分散相材200Aと第2連続相材100Bとが油相で、第1連続相材100Aが水相である場合に、好適にマイクロカプセル201Bを生成することができる。各連通口133、134において、生成された液滴201Aを各連通口133、134の近傍箇所の表面で弾くことでき、かつ、各連通口139、140において生成されたマイクロカプセル201Bを各連通口139、140の近傍箇所の表面で弾くことできるからである。
また、逆に、例えば、各連通口133、134の近傍箇所の表面が、撥水性に形成されるときには、分散相流路153、163及び連続相流路151、161における、各連通口139、140の近傍箇所の表面は、撥油性に形成される。この例の場合には、第1分散相材200Aと第2連続相材100Bが水相で、第1連続相材100Aが油相である場合に、好適にマイクロカプセル201Bを生成することができる。
(マイクロカプセル生成モジュール1Bの作成方法)
以下、図24及び図25を参照して、マイクロカプセル生成モジュール1Bの作成方法を説明する。流路基板21B、上側基板22、及び貯留基板23が準備される。流路基板21Bの上側基板22との接合面、すなわち上面に対して、例えば70個の流路3となる溝が、貫通孔2aを中心として略環状に並ぶように形成される。更に、分散相材導入部101、連続相材導入部111、121、141、1511、1611、1541、1641となる貫通孔が形成される。
更に、流路3が形成された後に、連通流路13及び各連続相流路11、12における、各連通口133、134の近傍箇所の表面は、表面処理が施されることにより、撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成される。また、分散相流路153、163及び連続相流路151、161における、各連通口139、140の近傍箇所の表面は、表面処理が施されることにより、撥水性及び撥油性のうち他方に形成される。
なお、この表面処理の方法として、表面を撥水性に形成するために、本実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を所定分量(例えば30パーセント)だけ含有したニッケルメッキを採用している。しかしながら、表面を撥水性に形成することができれば、如何なる方法を採用してもよい。例えば、フッ素を含有した材料(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)、PTFEを含有したニッケル以外の材料、又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)を用いてコーティングする方法や、これらの材料で形成されたシール部材を表面に貼る方法、シランカップリング材を用いて表面処理する方法を採用することができる。また、表面を撥油性にするための表面処理としては、どのような方法を採用してもよいが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)を含有した材料を用いて表面をコーティングする方法や、このような材料で形成されたシール部材を表面に貼る方法を採用することができる。更に、この他の方法として、また、表面をコロナ放電処理によって親水化する方法、グラフト重合による表面改善処理によって、樹脂の表面に親水基を付与する方法等も採用することができる。
そして、貯留基板23における流路基板21Bとの接合面には、貯留部231〜235となる溝が形成される。その後、各貯留部231〜235の間と、貯留部235の外側と、貯留部231の内側とにOリングを配置した状態で、貯留基板23、流路基板21B及び上側基板22をこの順番で積層する。そして、流路基板21Bの上面と上側基板22の下面とが液密状態になるように、また、流路基板21Bの下面と貯留基板23の上面とが液密状態になるように、流路基板21B、上側基板22、及び貯留基板23が接着剤やネジ等を用いて接合されることによって、マイクロカプセル生成モジュール1Bが生成される。
(マイクロカプセル201Bの生成方法)
以下、図25、図28を用いてマイクロカプセル201Bを生成する方法を説明する。図28は、第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器によるマイクロカプセルの生成方法を示す説明図である。なお、以下、マイクロカプセル生成モジュール1Bにおける一つのマイクロカプセル生成器4Bについてのみ説明するが、マイクロカプセル生成モジュール1Bの有する全てのマイクロカプセル生成器4B(流路3B)において、以下に説明する方法でマイクロカプセル201Bの生成が行われる。
まず、マイクロカプセル生成モジュール1Bは、図略の配管等を介して第1連続相材100Aの供給装置(図略)、第2連続相材100Bの供給装置(図略)、及び第1分散相材200Aの供給装置(図略)に接続される。更に、マイクロカプセル生成モジュール1Bは、後工程のための機構又は機器等に接続される。なお、この後工程のための機構又は機器等として、第1実施形態と同様のものを用いることもできる。
そして、第2連続相材100Bの供給装置(図略)から、第2連続相材100Bが貯留部231、234に供給される。これによって、第2連続相材100Bが、貯留部231から連続相材導入部1541、1641を通って、連続相流路154、164に流入される。また、第2連続相材100Bが、貯留部234から連続相材導入部1511、1611を通って、連続相流路151、161に流入される。
次に、第1連続相材100Aの供給装置(図略)から、第1連続相材100Aが貯留部232、235に供給される。これによって、第1連続相材100Aが、貯留部232から連続相材導入部141を通って、連続相流路14に流入される。また、第1連続相材100Aが、貯留部235から連続相材導入部111、121を通って、連続相流路11、12に流入される。
この後、第1分散相材200Aの供給装置(図略)から、第1分散相材200Aが貯留部233に供給される。これによって、第1分散相材200Aが、貯留部233から分散相材導入部101を通って、分散相流路10に流入される。この第1分散相材200Aは、分散相流路10を流通して、連通口131を介して連通流路13に流入する。連通流路13における、連通口131と連通口132との間の位置で、第1分散相材200Aは、連通口132を介して連続相流路14から流入された第1連続相材100Aと衝突する。この衝突によって、第1分散相材200Aと第1連続相材100Aとは、2層流になって分岐して、連通口133、134に向かうように流通する。
第1分散相材200Aと第1連続相材100Aとの2層流は、連通口133、134から連続相流路11、12に流入する。このときに、第1分散相材200Aと第1連続相材100Aとの2層流が、連続相流路11、12を流通する第1連続相材100Aと合流する。これにより、第1分散相材200Aが、2層流を構成する第1連続相材100Aの剪断力と連続相流路11、12を流通する第1連続相材100Aの剪断力とにより、液滴化されて、液滴201Aが生成される。
なお、連続相流路11、12及び連通流路13における、連通口133、134の近傍箇所は、第1分散相材200Aが油相であれば撥油性に、第1分散相材200Aが水相であれば撥水性に形成されている。これによって、生成した液滴201Aを連通口133、134の近傍箇所で弾くことができ、好適に液滴201Aを生成することができる。このように形成する特に望ましい範囲は、連通口133,134から次の連通口である139、140手前までである。また、連通口133、134において、第1分散相材200Aは、連続相流路11、12を流通する第1連続相材100Aに流されて連通口133、134の壁面に接近するが、連通口133、134の壁面と第1分散相材200Aとの間に、第1連続相材100Aが流通しているため、連通口133、134の壁面に第1分散相材200Aが徐々に付着して、連通口133、134等の壁面と、第1分散相材200Aとの親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になる。これにより、第1分散相材200Aの液滴201Aの生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
生成された液滴201Aと第1連続相材100Aとからなる第2分散相材200Bは、連続相流路11、12を、連通口135、136に向かって流通する。第2分散相材200Bは、連通口135、136から分散相流路153、163に流入する。分散相流路153における、連通口135と連通口137との間の位置で、第2分散相材200Bは、連通口137を介して連続相流路154から流入された第2連続相材100Bと衝突する。この衝突によって、第2分散相材200Bと第2連続相材100Bとは、2層流になって連通口139に向かうように流通する。また、分散相流路163における、連通口136と連通口138との間の位置で、第2分散相材200Bは、連通口138を介して連続相流路164から流入された第2連続相材100Bと衝突する。この衝突によって、第2分散相材200Bと第2連続相材100Bとは、2層流になって連通口140に向かうように流通する。
第2分散相材200Bと第2連続相材100Bとの2層流は、連通口139、140から連続相流路151、161に流入する。このときに、第2分散相材200Bと第2連続相材100Bとの2層流が、連続相流路151、161を流通する第2連続相材100Bと合流する。これにより、第2分散相材200Bが、2層流を構成する第2連続相材100Bと連続相流路151、161を流通する第2連続相材100Bとの剪断力により、液滴化されて、液滴201Aを芯として含み、第1連続相材100Aをシェルとして含むマイクロカプセル201Bが生成される。
なお、連続相流路151、161及び分散相流路153、163における、連通口139、140の近傍箇所は、第2連続相材100Bが油相であれば撥水性に、第2連続相材100Bが水相であれば撥油性に形成されている。これによって、生成したマイクロカプセル201Bを連通口139、140の近傍箇所で弾くことができ、好適にマイクロカプセル201Bを生成することができる。また、連通口139、140において、第2分散相材200Bは、連続相流路151、161を流通する第2連続相材100Bに流されて連通口139、140の壁面に接近するが、連通口139、140の壁面と第2分散相材200Bとの間に、第2連続相材100Bが流通しているため、連通口139、140の壁面に第2分散相材200Bが徐々に付着して、連通口139、140等の壁面と、第2分散相材200Bとの親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になる。これにより、第2分散相材200Bのマイクロカプセル201Bの生産性を長期間に亘って高い状態に維持することができる。
〔第4実施形態〕
(マイクロカプセル生成器の構成)
以下に、図29から図32を用いて、第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の構成を説明する。図29は、平面視した場合における第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。図30は、図29におけるN−N線矢視断面によるマイクロカプセル生成器を示す図である。
第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Cは、流路基板21Cに形成された流路3Cのマイクロカプセル生成流路15A、16Aの形状、及び貯留基板23´の構成のみが第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Bとは異なり、後の構成については同様である。従って、マイクロカプセル生成流路15A、16Aの形状と貯留基板23´についてのみ説明し、マイクロカプセル生成器4Cにおけるその他の構成については説明を省略する。
(マイクロカプセル生成流路15A、16A)
マイクロカプセル生成流路15A、16Aは、連続相流路151A、161Aと、流出流路152A、162Aと、分散相流路153A、163Aとを有する。分散相流路153A、163Aは、幅方向に延びるように形成されている。分散相流路153A、163Aは、その左端における幅方向の側部で(図29の一点鎖線で示す位置で)、連続相流路11、12の右端における幅方向の側部と連通されている。これによって、分散相流路153A、163Aには、連続相流路11、12から第2分散相材200Bが流入されるようになっている。また、分散相流路153A、163Aは、その右端における幅方向の側部で、連通口139A、140Aを介して、連続相流路151A、161Aの中央部に連通されている。これによって、分散相流路153A、163Aを流通した第2分散相材200Bが、連通口139A、140Aを介して連続相流路151A、161Aに流入されるようになっている。
連続相流路151Aの奥側一端は、連続相流路161Aの手前側一端に連通されており、この連通部位の底面に連続相材導入部1512が形成されている。また、連続相流路151Aにおける、連続相材導入部1512の反対側の端の底面には、連続相材導入部1511Aが形成されている。そして、連続相流路161Aにおける、連続相材導入部1512の反対側の端の底面には、連続相材導入部1611Aが形成されている。連続相材導入部1511A、1512、1611Aは、流路基板21Bに形成された管状の貫通口である。連続相材導入部1511A、1512、1611Aの下方には、貯留部231(図30)が配置されており、この貯留部231に貯留されている第2連続相材100Bが連続相材導入部1511A、1512、1611Aを介して連続相流路151A、161Aに供給されるようになっている。これによって、連続相材導入部1511Aから供給された第2連続相材100Bと、連続相材導入部1512から供給された第2連続相材100Bとが、連通口139Aに向かって流通する。これによって、連通口139Aにおいて、これらの第2連続相材100Bの剪断力によって連通口139Aから流入された第2分散相材200Bが液滴化されるようになっている。
また、連続相材導入部1611Aから供給された第2連続相材100Bと、連続相材導入部1512から供給された第2連続相材100Bとが、連通口140Aに向かって流通する。これによって、連通口140Aにおいて、これらの第2連続相材100Bの剪断力によって連通口140Aから流入された第2分散相材200Bが液滴化されるようになっている。
流出流路152A、162Aは、略幅方向に延びるように形成されており、その左端における幅方向の側部で、連通口139B、140Bを介して、連続相流路151A、161Aの中央部に連通されている。なお、この連通口139B、140Bの位置は、連通口139A、140Aの位置に対向するように配置されており、これによって、連通口139A、140Aにおいて生成されたマイクロカプセル201Bが、第2連続相材100Bとともに、連通口139B、140Bを介して流出流路152A、162Aに流入されるようになっている。流出流路152A、162Aにおける連通口139B、140Bと反対側の端部が、貫通孔2aに連通されており、この連通部が排出口1521A、1621Aとなっている。これによって、流出流路152A、162Aを流通したマイクロカプセル201Bと第2連続相材100Bとが、排出口1521A、1621Aを介して、貫通孔2aに排出されるようになっている。
(貯留基板23´)
図31は、第4実施形態にかかる貯留基板の平面図である。なお、図31において、貯留部231、232、233、235と流路3Cとの対応関係を示すため、流路基板21Cにおける流路3Cの形成位置を点線で示している。第4実施形態にかかる貯留基板23´は、貯留部234が形成されていないことのみが、第3実施形態にかかる貯留基板23と異なる。そして、貯留部232は、連続相流路154、164に第2連続相材100Bを供給するためのものではなく、連続相流路151A、161Aに第2連続相材100Bを供給するためのものである。
(マイクロカプセル201Bの生成方法)
図32は、第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器によるマイクロカプセルの生成方法を示す説明図である。なお、第4実施形態にかかるマイクロカプセル201Bの生成方法は、第2分散相材200Bを液滴化してマイクロカプセル201Bを生成する方法のみが、第3実施形態にかかるマイクロカプセル201Bの生成方法と異なっている。従って、この相違点のみを以下に説明する。
液滴201Aと第1連続相材100Aとを含む第2分散相材200Bが、連続相流路11、12から分散相流路153A、163Aに流入されて、分散相流路153A、163Aを流通して連通口139A、140Aから連続相流路151A、161Aに流入される。連通口139Aでは、連続相材導入部1511Aからの第2連続相材100Bと、連続相材導入部1512からの第2連続相材100Bとが合流しており、連通口139Aから流入された第2分散相材200Bは、これらの第2連続相材100Bによって両側から押し潰されて、液滴化する。これによって、マイクロカプセル201Bが生成される。連通口140Aから流入された第2分散相材200Bも同様にして、連続相材導入部1511Aからの第2連続相材100Bと、連続相材導入部1512からの第2連続相材100Bとによって、両側から押し潰されて、液滴化する。これによって、マイクロカプセル201Bが生成される。
連続相流路151A、161Aで生成されたマイクロカプセル201Bは、第2連続相材100Bとともに、連通口139B、140Bを介して流出流路152A、162Aに流入されて、排出口1521A、1621Aから貫通孔2aに排出される。
上述した第4実施形態かかるマイクロカプセル生成器4Cによっても、第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Bと同様に、連続相流路11及びマイクロカプセル生成流路15Aの組みと、連続相流路12及びマイクロカプセル生成流路16Aの組との2組みで、単一の分散相流路10とを共用することができるため、省スペースな流路構造を実現することができる。これによって、より多くの流路3Cをマイクロカプセル生成モジュール1Cに形成することができるため、単位時間当たりのマイクロカプセル201Bの生産性が向上する。
(第3実施形態及び第4実施形態の変形例)
(1)第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4B及び第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Cには、連続相流路14が形成されているが、図13で示す変形例と同様に、連続相流路14が形成されていなくてもよい。また、第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Bには、連続相流路154、164が形成されているが、連続相流路154、164が形成されていなくてもよい。
(2)流路3B、3Cは、円環状に配置されているが、図12で示す変形例と同様に並列に配置してもよい。また、複数のマイクロカプセル生成器4B、4Cはマイクロカプセル生成モジュール1B、1Cに組み込んで使用される必要はなく、単数のマイクロカプセル生成器4B、4Cが単体で使用されてもよい。
(3)また、流路3B、3Cにおける、分散相流路10、連通流路13、及び連続相流路11、12を組み合わせた形状は、第3実施形態及び第4実施形態のものに限定されず、たとえば、図14及び図15で示す変形例と同様の形状を採用することができる。
(4)また、流路3B、3Cに配置される、液滴201Aの生成のための連続相流路11、12の数は2個であるが、図16で示す変形例と同様に、3個以上の数を配置してもよい。この場合には、配置されるこれらの連続相流路(図16では連続相流路11A−1、11A−2、11A−3、11A−4)に対応させて、同数のマイクロカプセル生成流路が形成される。
(5)また、流路3B、3Cにおいて、分散相流路10、連続相流路11、12が、同一水平面上に配置されているが、この構成に限定されず、例えば、図17で示す変形例と同様に、垂直方向に配置してもよい。この場合には、連続相流路151、161、151A、161Aや流出流路152、162、152A、162Aを、連続相流路11、12と同一水平面上に配列してもよいし、連続相流路11、12と垂直方向に並ぶように配列してもよい。
(6)マイクロカプセル生成モジュール1B、1Cは、貯留基板23、23´を備えなくてもよく、例えば、チューブ等を介して、分散相材導入部101が第1分散相材200Aの貯留タンク(図略)に連通されてもよい。また、例えば、チューブ等を介して、連続相材導入部111、121、141が第1連続相材100Aの貯留タンク(図略)に連通され、連続相材導入部1511、1611、1541、1641が、第2連続相材100Bの貯留タンク(図略)に連通されてもよい。また、連続相材導入部1511A、1611A、1512が、例えば、チューブ等を介して、第2連続相材100Bの貯留タンク(図略)に連通されてもよい。
〔第5実施形態〕
(マイクロカプセル生成モジュールの構成)
以下に、図33Aから図34Cを用いて、第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の構成を説明する。図33Aは、第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成モジュールの平面図である。図33Bは、図33AにおけるM−M線矢視断面によるマイクロカプセル生成モジュールの断面図である。
第5実施形態では、第1実施形態と同様に、複数(例えば、70個)のマイクロカプセル生成器4Dによって、単一のマイクロカプセル生成モジュール1Dが構成されている。第5の実施形態と第3実施形態との相違点は、マイクロカプセル生成モジュール1Dが、単一の流路基板21Bに代えて、第1流路基板211D、第2流路基板212D、及び第3流路基板213Dを備えることである。第1流路基板211D、第2流路基板212D、及び第3流路基板213Dは、この順番に上から並ぶように、積層されている。そして、各マイクロカプセル生成器4Dには、第3実施形態と同じ形状の各流路3Bが、第1流路基板211Dと第3流路基板213Dとに分割して形成される。なお、分割された流路3Bのうち、第1流路基板211Dに形成された方を流路301と記載し、第3流路基板213Dに形成された方を流路302と記載する。また、第2流路基板212Dには、各流路301と各流路302とを連通するための複数の貫通孔2124、2125(図34B)が高さ方向に形成されている。
なお、第5実施形態では、第1流路基板211Dの中心部には、貫通孔2cが形成されており、第2流路基板212Dの中心部には、貫通孔2dが形成されており、第3流路基板213Dの中心部には、貫通孔2eが形成されているが、マイクロカプセル201Bの排出のために第3流路基板213Dに貫通孔2eが形成されていればよく、貫通孔2c、2dは形成されていなくてもよい。
以下に、第1流路基板211D、第2流路基板212D、及び第3流路基板213Dの構成と、各流路301、302の構成を説明する。
(第1流路基板211D)
図34Aは、平面視した場合における第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第1流路基板の概略構成を示す図である。第1流路基板211Dには、流路301が形成されている。この流路301は、図26で示す第3実施形態にかかる流路3Bのうち、連続相流路11、12における二点鎖線で示す位置の左側部分と、分散相流路10と、連続相流路14とで構成されている。このように、流路301は、流路3Bのうち液滴201Aを生成するための部分で構成されている。このため、第1流路基板211Dにおいて、液滴201Aが生成される。流路301における、連続相流路11、12の右端における底面には、貫通孔113、123が形成されている。これによって、流路301で生成された液滴201Aと第1連続相材100Aとが、貫通孔113、123を通って、第1流路基板211Dの下方に配置された、第2流路基板212Dに向かって流通する。
(第2流路基板212D)
図34Bは、平面視した場合における第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第2流路基板の概略構成を示す図である。第2流路基板212Dには、6個の貫通孔2121〜2126が形成されている。貫通孔2121、2122は、第1流路基板211Dに形成された連続相材導入部111、121に対応する位置(真下の位置)に形成されている。また、貫通孔2123は、第1流路基板211Dに形成された分散相材導入部101に対応する位置(真下の位置)に形成されている。貫通孔2126は、第1流路基板211Dに形成された連続相材導入部141に対応する位置(真下の位置)に形成されている。
貫通孔2124、2125は、第1流路基板211Dに形成された貫通孔113、123に対応する位置(真下の位置)に形成されている。これによって、貫通孔113、123を通過した液滴201Aと第1連続相材100Aとが、貫通孔2124、2125を通って、第2流路基板212Dの下方に配置された、第3流路基板213Dに向かって流通する。
(第3流路基板213D)
図34Cは、平面視した場合における第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第3流路基板の概略構成を示す図である。第3流路基板213Dには、流路302が形成されている。流路302は、図26で示す第3実施形態にかかる流路3Bのうち、連続相流路11、12における二点鎖線で示す位置の右側部分と、分散相流路153、163と、連続相流路151、161、154、164と、流出流路152、162とで構成されている。このように、流路302は、流路3Bのうち第2分散相材200Bからマイクロカプセル201Bを生成するための部分で構成されている。また、上述した第2流路基板212Dの貫通孔2121、2122は、第3流路基板213Dに形成された連続相流路11、12に対応する位置(真上の位置)に形成されている。これによって、液滴201Aと第1連続相材100Aとが、第1流路基板211Dに形成された連続相流路11、12から、貫通孔113、123及び貫通孔2124、2125を通って、第3流路基板213Dに形成された連続相流路11、12に流入されるようになっている。そして、第3流路基板213Dにおいて、連続相流路11、12に流入された液滴201Aを芯として含むマイクロカプセル201Bが生成される。
更に、第3流路基板213Dには、貫通孔2131〜2134が形成される。貫通孔2131、2132は、第2流路基板212Dの貫通孔2121、2122に対応する位置(真下の位置)に形成されている。これによって、第3流路基板213Dの下方に配置された貯留基板23の貯留部235(図25)から、貫通孔2131、2132と、貫通孔2121、2122と、連続相材導入部111、121とを介して、第1連続相材100Aが連続相流路11、12に供給されるようになっている。
貫通孔2133は、第2流路基板212Dの貫通孔2123に対応する位置(真下の位置)に形成されている。これによって、第3流路基板213Dの下方に配置された貯留基板23の貯留部233(図25)から、貫通孔2133と貫通孔2123と分散相材導入部101とを介して、第1分散相材200Aが分散相流路10に供給されるようになっている。
貫通孔2134は、第2流路基板212Dの貫通孔2126に対応する位置(真下の位置)に形成されている。これによって、第3流路基板213Dの下方に配置された貯留基板23の貯留部232(図25)から、貫通孔2134と貫通孔2126と連続相材導入部141とを介して、第1連続相材100Aが連続相流路14に供給されるようになっている。
(マイクロカプセル生成モジュール1Dの作成方法)
以下、図33Aから図34Bを参照して、マイクロカプセル生成モジュール1Dの作成方法を説明する。第1流路基板211D、第2流路基板212D、第3流路基板213D、上側基板22、及び貯留基板23が準備される。
第1流路基板211Dの中心部に貫通孔2cが形成される。そして、第1流路基板211Dの上側基板22との接合面、すなわち上面に対して、例えば70個の流路301となる溝が、貫通孔2cを中心として略環状に並ぶように形成される。更に、分散相材導入部101、連続相材導入部111、121、141となる貫通孔が形成される。また、貫通孔113、123が形成される。そして、第2流路基板212Dには、その中心部に貫通孔2dが形成され、更に、貫通孔2121〜2126が形成される。次に、第3流路基板213Dには、その中心部に貫通孔2eが形成される。そして、第3流路基板213Dには、流路302となる溝が形成され、更に、連続相材導入部1511、1611、1541、1641となる貫通孔が形成される貫通孔、及び貫通孔2131〜2134が形成される。
第5実施形態でも、第3実施形態と同様に、連通流路13及び各連続相流路11、12における、各連通口133、134の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成される。また、分散相流路153、163及び連続相流路151、161における、各連通口139、140の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち他方に形成される。特に望ましくは、第1流路基板211Dにおける各連通口133,134から貫通穴113,123までが撥水性及び撥油性のうち何れか一方で、第3流路基板213Dにおける各連通口139,140から排出口1521、1621までが撥水性及び撥油性のうち他方であることである。
しかしながら、第5実施形態では、第3実施形態のように、各連通口139、140の近傍箇所の表面と、各連通口133、134の近傍箇所の表面とに表面処理を施してはいない。表面処理を施すのに代えて、以下のようにして、各連通口133、134の近傍箇所の表面を、撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成し、各連通口139、140の近傍箇所の表面を、撥水性及び撥油性のうち他方に形成している。すなわち、各連通口139、140の近傍箇所は、各連通口133、134の近傍箇所が形成されている第1流路基板211Dとは異なる第3流路基板213Dに形成されている。第5実施形態では、第1流路基板211Dは、撥水性及び撥油性のうち何れか一方の材料で形成されている。また、第3流路基板213Dは、撥水性及び撥油性のうち他方の材料で形成されている。これによって、表面処理を施すことなく、各連通口133、134の近傍箇所の表面を、撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成し、各連通口139、140の近傍箇所の表面を、撥水性及び撥油性のうち他方に形成することができる。このため、この表面の性質が経時的に変化し難く、マイクロカプセル201Bの生産性を長時間に亘って高い状態に維持することができる。
もっとも、第1流路基板211Dを、撥水性及び撥油性のうち何れか一方の材料で形成し、第3流路基板213Dを、撥水性及び撥油性のうち他方の材料で形成するのではなく、各連通口139、140の近傍箇所の表面と、各連通口133、134の近傍箇所の表面とに表面処理を施すようにしてもよい。また、第1流路基板211D及び第3流路基板213Dを、ステンレス等の撥油性材料で形成し、各連通口139、140の近傍箇所の表面、又は各連通口133、134の近傍箇所を、第3実施形態のような表面処理(例えば、PTFE含有のニッケルメッキ等)によって撥水性にしてもよい。この逆に、第1流路基板211D及び第3流路基板213Dを、撥水性材料で形成し、各連通口139、140の近傍箇所の表面、又は各連通口133、134の近傍箇所を、第3実施形態のような表面処理によって撥油性にしてもよい。
また、第3実施形態と同様に、貯留基板23には貯留部231〜235が形成される。その後、各貯留部231、232、235、234の間と、貯留部233の外側と、貯留部231の内側にOリングを配置した状態で、貯留基板23の上に、第3流路基板213D、第2流路基板212D、及び第1流路基板211Dをこの順番に積層し、更に第1流路基板211Dの上に上側基板22を積層して、これらの基板が接着剤やネジ等を用いて接合されることによって、マイクロカプセル生成モジュール1Dが生成される。
(第1流路基板211D、第2流路基板212D、第3流路基板213Dの材料)
上述したように、第1流路基板211Dは、撥水性材料及び撥油性材料のいずれか一方で形成される。そして、第3流路基板213Dは、第1流路基板211Dが撥水性材料で形成されている場合には、撥油性材料で形成され、第1流路基板211Dが撥油性材料で形成されている場合には、撥水性材料で形成される。撥水性材料としては、例えば、ポリカ、アクリル等の撥水性樹脂を使用することが可能である。また、撥油性材料としては、例えばPVA等の撥油性樹脂、撥油性金属(ステンレス、ガラス等)を使用することが可能である。
また、第2流路基板212Dは、第3流路基板213Dと同等か、もしくは同じ濡れ性性質を示すものが望ましい。具体的には、第3流路基板213Dが撥水性材料で形成されている場合には、第2流路基板212Dは、その下面における各連通口139、140の近傍箇所が、撥水性材料で形成されていることが好ましい。また、第3流路基板213Dが撥油性材料で形成されている場合には、第2流路基板212Dは、その下面における各連通口139、140の近傍箇所が、撥油性材料で形成されていることが好ましい。このように形成する範囲として特に望ましい範囲は、連通口139,140から排出口である1521、1621までである。
(マイクロカプセル201Bの生成方法)
第5実施形態におけるマイクロカプセル201Bの生成方法は、第4実施形態と同様であるが、流路3Bが流路301、302として第1流路基板211Dと第3流路基板213Dとに分割されて形成されているため、流路301で生成された液滴201Aが、第1流路基板211Dに形成された貫通孔113、123と、第2流路基板212Dに形成された貫通孔2124、2125を流通して、第3流路基板213Dにおける流路302に流入されることのみが、第5実施形態は第3実施形態と異なっている。
〔第6実施形態〕
次に、図35を用いて、第6実施形態にかかるマイクロカプセル生成器を説明する。図35は、平面視した場合における第6実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の第3流路基板の概略構成を示す図である。第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Eには、第3実施形態の流路3Bが第1流路基板211Dと第3流路基板213Dとに分割されて形成されていたが、第6実施形態にかかるマイクロカプセル生成器には、第4実施形態の流路3Cが、流路301及び流路302´として、第1流路基板211Dと第3流路基板213Eとに分割されて形成されている。
なお、流路3Cは、流路3Bとは、マイクロカプセル生成流路15A、16Aの形状のみが異なっており、後の部分の形状は同じである。そして、マイクロカプセル生成流路15A、16Aは第3流路基板213Eに形成されているため、第6実施形態にかかるマイクロカプセル生成器は、第3流路基板213Dに代えて第3流路基板213Eを備えることのみが、第5実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Dとは異なっている。なお、第6実施形態にかかる、第1流路基板211D、第2流路基板212D、及び第3流路基板213Eの材料については、第5実施形態にかかる、第1流路基板211D、第2流路基板212D、及び第3流路基板213Dと同様である。
上記第6実施形態にかかるマイクロカプセル生成器によっても、第5実施形態と同様に、表面処理を施すことなく、各連通口133、134の近傍箇所以降(近傍箇所から下流側)の表面を、撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成し、各連通口139A、140Aの近傍箇所以降(近傍箇所から下流側)の表面を、撥水性及び撥油性のうち他方に形成することができる。このため、この表面の性質が経時的に変化し難く、マイクロカプセル201Bの生産性を長時間に亘って高い状態に維持することができる。
(第5実施形態及び第6実施形態の変形例)
(1)第5実施形態及び第6実施形態では、流路301が形成された第1流路基板211D、及び流路302、302´が形成された第3流路基板213D、213Eを積層しているが、水平方向に配置してもよい。この場合には、第2流路基板212Dを介さずに、流路301及び流路302、302´を直接連通させることができる。
(2)また、第5実施形態及び第6実施形態でも、第3実施形態及び第4実施形態の変形例として記載した構成を適宜採用することができる。
〔第7実施形態〕
以下に、第7実施形態にかかるマイクロカプセル生成器を説明する。図36は、平面視した場合における第7実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。第7実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4B´は、第3実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Bとは異なり、連続相流路12と、マイクロカプセル生成流路16とが形成されていない。第7実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4B´によっても、第3実施形態と同様に、連通口133、139の壁面に第1分散相材200Aや第2分散相材200Bが徐々に付着して、連通口133、139等の壁面と、第1分散相材200Aや第2分散相材200Bとの親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になる。また、生成した液滴201Aやマイクロカプセル201Bを連通口133、139の近傍箇所で弾くことができ、好適に液滴201Aやマイクロカプセル201Bを生成することができる。
〔第8実施形態〕
以下に、第8実施形態にかかるマイクロカプセル生成器を説明する。図37は、平面視した場合における第8実施形態にかかるマイクロカプセル生成器の概略構成を示す図である。第8実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4C´は、第4実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4Cとは異なり、連続相流路12と、マイクロカプセル生成流路16Aとが形成されていない。第8実施形態にかかるマイクロカプセル生成器4C´によっても、第4実施形態と同様に、連通口133の壁面に第1分散相材200Aが徐々に付着して、連通口133等の壁面と、第1分散相材200Aとの親和性が経時的に高くなることを効果的に防止することが可能になる。また、生成した液滴201Aやマイクロカプセル201Bを連通口133、139Aの近傍箇所で弾くことができ、好適に液滴201Aやマイクロカプセル201Bを生成することができる。
(第7実施形態及び第8実施形態の変形例)
(1)第7実施形態及び第8実施形態にかかる分散相流路10、連通流路13、連続相流路14、11を組み合わせた形状については、この形状に限定されず、図19、図20で示した変形例と同様の形状に変形することができる。また、第7実施形態の連続
相流路11、151、154、及び分散相流路153との組み合わせ形状についても、図19、図20で示した変形例の形状を適用して変形することができる。具体的には、第7実施形態の連続相流路11を、図19や図20の分散相流路10と同様に形成し、第7実施形態の連続相流路151及び流出流路152を図19や図20の連続相流路11と同様に形成し、第7実施形態の第2分散相流路153を図19や図20の連通流路13と同様に形成し、第7実施形態の連続相流路154を図19や図20の連続相流路14と同様に形成してもよい。
(2)また、第7実施形態及び第8実施形態にかかる流路3B´、3C´を、第5実施形態及び第6実施形態のように、第1流路基板211Dと第3流路基板213D、213Eとに分割して形成してもよい。
1 液滴生成モジュール
1B、1D、1E マイクロカプセル生成モジュール
2、2B ベース部材
2a、2b、2c、2d 貫通孔
21 下側基板
21B、21C 流路基板
211D 第1流路基板
212D 第2流路基板
213D、213E 第3流路基板
22 上側基板
3、3A 液滴生成流路
3B、3B´、3C、3C´、3D、3E 流路
4、4A 液滴生成器
4B、4C、4D、4E マイクロカプセル生成器
5 容器
10 分散相流路
100 連続相材
100A 第1連続相材
100B 第2連続相材
101 分散相材導入部
11、12、14 連続相流路
15、15A、16、16A マイクロカプセル生成流路
111、121、141 連続相材導入部
112、122 排出口
13 連通流路
131、132、133、134、135、136、137、138、139、139A、140、140A 連通口
151、154、151A、161、161A 連続相流路
153、153A、163、163A 分散相流路
152、152A、162、162A 流出流路
1521、1621、1521A、1621A 排出口
1511、1611、1541、1641 連続相材導入部
200 分散相材
200A 第1分散相材
200B 第2分散相材
201 液滴
201A 液滴
201B マイクロカプセル
202 微小粒子
203 ゲル粒子
204 脱水粒子
205 乾燥粒子

Claims (15)

  1. 液状の連続相材を流通させる複数の第1連続相流路と、
    液状の分散相材を流通させる単数の分散相流路と、
    前記分散相流路を前記各第1連続相流路にそれぞれ連通口を介して連通させ、各前記連通口における前記連続相材の剪断力により前記分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、
    を有することを特徴とする液滴生成器。
  2. 前記複数の第1連続相流路は、2つの第1連続相流路であり、
    前記2つの第1連続相流路は、前記単数の連続相流路を挟んで配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液滴生成器。
  3. 前記2つの第1連続相流路は、前記単数の分散相流路を基準として対称に形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液滴生成器。
  4. 前記連通流路は、前記複数の第1連続相流路に亘って形成されており、前記複数の第1連続相流路との各接触位置で前記連通口を介してこの複数の第1連続相流路に連通され、
    前記分散相流路は、前記連通流路の中途位置において前記連通流路に連通されている、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の液滴生成器。
  5. 液状の連続相材を流通させる第2連続相流路を有し、
    前記連通流路は、前記各連通口において、前記第2連続相流路を流通した連続相材が前記第1連続相流路を流通する前記連続相材の下流側を流通するように、前記第2連続相流路に連通されている、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の液滴生成器。
  6. 前記分散相流路は、前記連通流路に連通され、
    前記第2連続相流路は、前記連通流路における前記分散相流路の連通位置に対向する位置で前記連通流路に連通され、
    前記連通流路は、前記分散相流路から流入された前記分散相材と前記第2連続相流路から流入された前記連続相材とを、互いに衝突させて2層状にして、前記各連通口に向かって流通させる、
    ことを特徴とする請求項5に記載の液滴生成器。
  7. 液状の連続相材を流通させる第1連続相流路と、
    液状の分散相材を流通させる分散相流路と、
    前記分散相流路を前記第1連続相流路に連通口を介して連通させ、前記連通口における前記連続相材の剪断力により前記分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、
    液状の連続相材を流通させる流路であって、この連続相材が、前記連通口において、前記第1連続相流路を流通する前記連続相材の下流側に流通するように、前記連通流路に連通された第2連続相流路と、
    を有する液滴生成器。
  8. 液状の第1連続相材を流通させる複数の第1連続相流路と、
    液状の第1分散相材を流通させる単数の分散相流路と、
    前記分散相流路を前記各第1連続相流路にそれぞれ第1連通口を介して連通させ、各前記第1連通口における前記第1連続相材の剪断力により前記第1分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、
    前記複数の第1連続相流路に対応するように形成され、液状の第2連続相材を流通させるとともに、前記液滴と前記第1連続相材とを含む第2分散相材を前記第1連続相流路から流入させて、前記第2連続相材の剪断力により、前記第2分散相材のマイクロカプセルを生成するように形成された複数のマイクロカプセル生成流路と、
    を有することを特徴とするマイクロカプセル生成器。
  9. 各前記マイクロカプセル生成流路は、
    前記第1連続相流路に連通され、この第1連続相流路から流入された前記第2分散相材を流通させる第2分散相流路と、
    前記第2連続相材を流通させ、かつ、前記第2分散相流路に第2連通口を介して連通され、この第2連通口における前記第2連続相材の剪断力により、前記第2分散相流路から流入された前記第2分散相材のマイクロカプセルを生成するように形成された第3連続相流路と、を有する、
    ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロカプセル生成器。
  10. 前記連通流路及び前記各第1連続相流路における、前記各第1連通口の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち何れか一方であり、
    前記第2分散相流路及び前記第3連続相流路における、前記各第2連通口の近傍箇所の表面は、撥水性及び撥油性のうち他方である、
    ことを特徴とする請求項9に記載のマイクロカプセル生成器。
  11. 前記各第1連通口の近傍箇所の表面は、表面処理によって、前記撥水性及び撥油性のうち何れか一方に形成され、
    前記各第2連通口の近傍箇所の表面は、表面処理によって、前記撥水性及び撥油性のうち他方に形成されている、
    ことを特徴とする請求項10に記載のマイクロカプセル生成器。
  12. 複数の基板からなるベース部を備え、
    前記複数の第1連続相流路、前記分散相流路、前記連通流路、及び前記複数のマイクロカプセル生成流路は、前記ベース部に形成されており、
    前記各第1連通口の近傍箇所は、前記複数の基板のうち、前記各第2連通口の近傍箇所が形成されている基板とは異なる基板に形成されており、
    前記各第1連通口の近傍箇所が形成されている基板は、前記撥水性及び撥油性のうち何れか一方の材料で形成されており、
    前記各第2連通口の近傍箇所が形成されている基板は、前記撥水性及び撥油性のうち他方の材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項10に記載のマイクロカプセル生成器。
  13. 各前記マイクロカプセル生成流路は、
    液状の第2連続相材を流通させる第4連続相流路を更に有し、
    前記第3連続相流路は、前記第2連通口において一方向に流れるように、前記第2連続相材を流通させ、
    前記第2分散相流路は、前記第2連通口において、前記第4連続相流路を流通した第2連続相材が前記第3連続相流路を流通する前記第2連続相材の下流側を流通するように、前記第4連続相流路に連通されている、
    ことを特徴とする請求項9から12の何れかに記載のマイクロカプセル生成器。
  14. 前記第4連続相流路は、前記第1連続相流路の前記第2分散相流路との連通位置に対向する位置で前記第2分散相流路に連通され、
    前記第2分散相流路は、前記第1連続相流路から流入された前記第2分散相材と前記第4連続相流路から流入された前記第2連続相材とを、互いに衝突させて2層状にして、前記第2連通口に向かって流通させる、
    ことを特徴とする請求項13に記載のマイクロカプセル生成器。
  15. 液状の第1連続相材を流通させる第1連続相流路と、
    液状の第1分散相材を流通させる第1分散相流路と、
    前記第1分散相流路を前記第1連続相流路に第1連通口を介して連通させ、前記第1連通口における前記第1連続相材の剪断力により前記第1分散相材の液滴を生成させるように形成された連通流路と、
    液状の第1連続相材を流通させる流路であって、この第1連続相材が、前記第1連通口において、前記第1連続相流路を流通する前記第1連続相材の下流側を流通するように、前記連通流路に連通された第2連続相流路と、
    前記第1連続相流路に連通され、この第1連続相流路から流入された、前記液滴と前記第1連続相材とを含む第2分散相材を流通させる第2分散相流路と、
    液状の第2連続相材を流通させ、かつ、前記第2分散相流路に第2連通口を介して連通され、この第2連通口における前記第2連続相材の剪断力により、前記第2分散相流路から流入された前記第2分散相材のマイクロカプセルを生成するように形成された第3連続相流路と、
    液状の第2連続相材を流通させる流路であって、この第2連続相材が、前記第2連通口において、前記第3連続相流路を流通する前記第2連続相材の下流側を流通するように、前記第2分散相流路に連通されている、第4連続相流路と、
    を備えたことを特徴とするマイクロカプセル生成器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018176047A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 マイクロカプセル及びマイクロカプセルの製造方法、並びに、化粧料及び化粧料の製造方法

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