JP2013202491A - 光触媒フィルターカートリッジ及びその製造方法、並びにそれを用いた浄化装置 - Google Patents

光触媒フィルターカートリッジ及びその製造方法、並びにそれを用いた浄化装置 Download PDF

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Yoshikatsu Harada
義勝 原田
Hiroyuki Yamaoka
裕幸 山岡
Shinichiro Otani
慎一郎 大谷
Teruaki Fujii
輝昭 藤井
Sadayoshi Suhara
貞義 須原
Koichiro Toyama
宏一郎 陶山
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Abstract

【課題】不織布自体に光触媒機能とサポート機能を持たせ、光触媒と処理流体との接触面積及び光触媒が紫外線のエネルギーを受ける照射面積を大きくすることで、光触媒の分解効率を向上させた光触媒フィルターカートリッジ及びその製造方法、並びにそれを用いた浄化装置を提供する。
【解決手段】光触媒機能を有する繊維の不織布からなる光触媒フィルターカートリッジであって、異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部が、光触媒フィルターカートリッジの形状を保持可能に接着していることを特徴とする光触媒フィルターカートリッジである。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば紫外線照射ランプからの紫外線を光触媒に照射して、光触媒と空気、水等の処理流体を接触させ、光触媒反応により処理流体中の有害物質の分解を行う浄化装置に使用される光触媒フィルターカートリッジ及びその製造方法、並びにそれを用いた浄化装置に関する。
近年、環境保全に対する関心の高まりとともに、様々な分野において、大気中及び水中の有害物質を処理する浄化装置が求められるようになってきた。このような状況の中で、光触媒を用いた浄化装置が注目されている。光触媒を用いた有害物質の分解浄化においては、光触媒と処理流体との有効接触面積を大きくし、光触媒に照射される紫外線の有効照射面積をいかに大きく取るかが極めて重要である。有効接触面積と有効照射面積を大きく取り、光触媒の分解効率が優れるものとして、例えば、特許文献1には光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維の不織布をステンレス製の金網をサポート材として中空円錐状に成形し、多段に組み合わせる光触媒フィルターカートリッジが提案されており、また、特許文献2には、光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維の不織布をステンレス製の金網をサポート材として円盤状に成形し、多段に組み合わせる光触媒フィルターカートリッジが提案されている。
特開2003−175333号公報 特開2007−326043号公報
しかしながら、特許文献1及び2に提案されている光触媒フィルターカートリッジは、処理流体中で不織布を保持するために不織布をサポート材であるステンレス製の金網に保持することが必要とされている。光触媒を用いた有害物質の分解浄化において、対象とする処理流体中に含まれる有害物質は、光触媒フィルターカートリッジの不織布に接触し光触媒が紫外線のエネルギーを受けて分解されるものである。そのため、このサポート材は、紫外線のエネルギー照射と処理流体中に含まれる有害物質の接触を遮り、光触媒に接触しない有害物質と光触媒に照射されない領域を存在させていることから、光触媒による有害物質の分解反応を阻害させている。このように、不織布をサポート材であるステンレス製の金網に保持させた光触媒フィルターカートリッジは、光触媒と処理流体との接触面積と光触媒が紫外線のエネルギーを受ける照射面積を減少させていることから、光触媒の十分な分解効率を得ているとは言えない。
本発明は、以上を鑑みてなされたものであり、不織布自体に光触媒機能とサポート機能を持たせ、光触媒と処理流体との接触面積及び光触媒が紫外線のエネルギーを受ける照射面積を大きくすることで、光触媒の分解効率を向上させた光触媒フィルターカートリッジ及びその製造方法、並びにそれを用いた浄化装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、不織布を形成している光触媒機能を有する繊維を光触媒フィルターカートリッジの形状を保持可能に接着させることにより、不織布をステンレス製等の金網でサポートする必要がなく、容易な方法で所望の光触媒フィルターカートリッジを成形できることを見出した。そして、それにより、不織布自体に光触媒機能とサポート機能を持たせ、光触媒と処理流体との接触面積及び光触媒が紫外線のエネルギーを受ける照射面積を大きくすることで、光触媒の分解効率を向上させることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、光触媒機能を有する繊維の不織布からなる光触媒フィルターカートリッジであって、異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部が、光触媒フィルターカートリッジの形状を保持可能に接着していることを特徴とする光触媒フィルターカートリッジに関する。
本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいては、前記不織布表面に表われた接着部の前記不織布表面全体に対する面積率が、5〜60%であることが好ましい。
また、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいては、前記繊維が、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)とからなる繊維であって、第2相を構成する金属酸化物のTiの存在割合が繊維の表層に向かって傾斜的に増大している、光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維であることが好ましい。
さらに、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいては、前記シリカ基複合酸化物繊維の繊維全体に対する第1相の存在割合が98〜40重量%、第2相の存在割合が2〜60重量%であることが好ましく、また、第2相を構成する金属酸化物のTiの存在割合の傾斜が、繊維表面から5〜500nmの深さで存在することが好ましく、さらに、第2相の金属酸化物がチタニアであり、その結晶粒径が15nm以下であることが好ましい。
また、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいては、前記異なる繊維間の接触箇所が、繊維同士の熱融着により接着していることが好ましい。
あるいは、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいては、前記異なる繊維間の接触箇所が、バインダーにより接着し、前記バインダーが、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)とからなる物質であることが好ましい。
また、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいては、前記接着部が、前記光触媒フィルターカートリッジの平面方向に亘って格子状、スポット状若しくはドット状、破線状、及び連続線状のいずれか1以上に形成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいては、前記光触媒フィルターカートリッジの形状が、円筒状又は中空円錐状であることが好ましい。
また、本発明は、光触媒機能を有する繊維の不織布を、一対の所定形状の型枠に前記不織布の少なくとも一部を厚さ方向に押圧した状態で挟み込んで、800〜1800℃の酸化雰囲気中で熱処理することを特徴とする光触媒フィルターカートリッジの製造方法に関する。
本発明に係る光触媒フィルターカートリッジの製造方法においては、前記光触媒フィルターカートリッジの形状が円筒状又は中空円錐状であって、前記一対の型枠が雄型と雌型とからなり、前記雄型の外周面を前記不織布の内周面に接触させて、かつ前記雌型の内周面を前記不織布の外周面に接触させて、前記不織布を前記一対の型枠に挟み込んで熱処理することが好ましい。
また、本発明は、光触媒機能を有する繊維の不織布の異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部に、主として下記化学式(1)により表される主鎖骨格を有する数平均分子量200〜10,000のポリカルボシランをチタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)及びタングステン(W)のうち少なくとも1以上の金属を有する有機金属化合物で修飾した構造を有する変性ポリカルボシラン、又は前記変性ポリカルボシランと前記有機金属化合物との混合物からなるバインダー前駆体を塗布して、前記不織布を500〜1800℃で熱処理することを特徴とする光触媒フィルターカートリッジの製造方法に関する。
さらに、本発明は、流体導入口と流体排出口とが設けられた反応容器と、前記いずれかの光触媒フィルターカートリッジと、該光触媒フィルターカートリッジに紫外線を照射可能に配置された紫外線照射手段とからなる浄化装置に関する。
また、本発明に係る浄化装置においては、前記光触媒フィルターカートリッジが円筒状又は中空円錐状であり、前記紫外線照射手段が、前記光触媒フィルターカートリッジの略同心の位置に配置されていることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、不織布自体に光触媒機能とサポート機能を持たせ、光触媒と処理流体との接触面積及び光触媒が紫外線のエネルギーを受ける照射面積を大きくすることで、光触媒の分解効率を向上させた光触媒フィルターカートリッジ及びその製造方法、並びにそれを用いた浄化装置を提供することができる。
(a)本発明の実施形態に係る光触媒フィルターカートリッジを形成する不織布の光触媒機能を有する繊維の一部を示す斜視図及び(b)A−A’断面図である。 本発明の実施形態に係る光触媒フィルターカートリッジを形成する不織布のシリカ基複合酸化物繊維の接触箇所の接着状態を示す電子顕微鏡写真である。 本発明に係る浄化装置の実施形態である中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを反応容器に組み込んだ例を示す概念図である。 サポート材を用いた中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを反応容器に組み込んだ比較例に係る浄化装置の例を示す概念図である。
先ず、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジを形成する不織布について、図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態に係る不織布1は、図1(b)に示すとおり、光触媒機能を有する繊維2が積層した構造となっている。光触媒機能を有する繊維2としては、特に制限はなく、ガラス繊維にチタニアをコーティングしたチタニアシリカ複合繊維、ゾル−ゲル法により合成されるチタニア繊維、及び光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維などが用いられるが、本実施形態においては、光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維を用いている。不織布1は、図1(a)に示すとおり、その表面に、積層された繊維2同士が接着した接着部4と積層された繊維2同士が接着していない非接着部6とを有している。接着部4は、内部接着部4aと端部接着部4bとを有し、その形状は、特に限定されないが、本実施形態においては、端部接着部4bが直線的に接着され、内部接着部4aが格子状に形成されている。また、接着部4は、全体がほぼ平坦に形成されている。また、非接着部6は、接着部4に囲まれて構成されており、平坦に形成された接着部4に比して凸形状に形成されている。接着部4では、繊維2同士が強固に接着しており、非接着部6と比べて剛性(曲げ強度)が高いため、接着部4を有することで不織布全体がたわみにくくなっている。したがって、このような接着部4を有することで、不織布1は、光触媒フィルターカートリッジとして不織布自体で所定の形状を保持すること(すなわち、自己保形)が可能となっている。
不織布1を構成する接着部4は、電子顕微鏡で観察すると図2に示すとおり、積層された繊維2同士において、異なる繊維間の接触箇所が接着された繊維接着部位8が形成されている。繊維接着部位8の接着長さは、繊維の直径方向10に5μm程度で接着されており、繊維の長手方向12に1μm以上で接着されていることが好ましい。不織布1を構成する繊維一本一本は、ある程度の空隙を有して分散した構造を成し、さらに光触媒フィルターカートリッジの形状を保持可能に繊維接着部位8が形成されることにより、光触媒フィルターカートリッジとしての自己保形が可能となり、サポート機能を有する光触媒フィルターカートリッジとすることができる。
本発明に係る光触媒フィルターカートリッジにおいて、光触媒機能を有する繊維としては、上記の通り、ガラス繊維にチタニアをコーティングしたチタニアシリカ複合繊維、ゾル−ゲル法により合成されるチタニア繊維、及び光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維などが挙げられ、これらのいずれの繊維を用いることもできる。
中でも最も好ましいのは、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)とからなる繊維であって、第2相を構成する金属酸化物のTiの存在割合が繊維の表層に向かって傾斜的に増大している、光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維である。このシリカ基複合酸化物繊維は、コーティングという手法によらないために、繊維表面のチタニアが脱落しない。また、ゾル−ゲル法により合成されるチタニア繊維に比べて高強度である。
また、シリカ基複合酸化物繊維の表面は、必要に応じて白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)及びスズ(Sn)のうちの1以上が担持されていてもよい。担持方法は、特に限定されないが、前記担持される金属イオンが含まれる液と光触媒繊維とを接触させながら、第2相を構成する金属酸化物のバンドギャップに相当するエネルギー以上のエネルギーを有する光を照射することによって、担持させることができる。
シリカ基複合酸化物繊維において、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とは、非晶質であっても結晶質であってもよく、またシリカと固溶体あるいは共融点化合物を形成し得る金属元素あるいは金属酸化物を含有してもよい。シリカと固溶体を形成し得る金属元素(A)としては、例えば、チタン等が挙げられる。シリカと固溶体を形成し得る金属酸化物の金属元素(B)としては、例えば、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、リチウム、ナトリウム、バリウム、カルシウム、ホウ素、亜鉛、ニッケル、マンガン、マグネシウム、及び鉄等が挙げられる。
この第1相は、シリカ基複合酸化物繊維の内部相を形成しており、力学的特性を負担する重要な役割を演じている。シリカ基複合酸化物繊維全体に対する第1相の存在割合は40〜98重量%であることが好ましく、目的とする第2相の機能を十分に発現させ、なおかつ高い力学的特性をも発現させるためには、第1相の存在割合を50〜95重量%の範囲内に制御することがさらに好ましい。
一方、第2相は、Tiを含む金属酸化物相であり、光触媒機能を発現させる上で重要な役割を演じるものである。金属酸化物を構成する金属としては、チタンが挙げられる。この金属酸化物は、単体でも良いし、その共融点化合物やある特定元素により置換型の固溶体を形成したもの等でも良いが、チタニアであることが好ましい。第2相は、シリカ基複合酸化物繊維の表層相を形成しており、シリカ基複合酸化物繊維の第2相の存在割合は、金属酸化物の種類により異なるが、2〜60重量%が好ましく、その機能を十分に発現させ、また高強度をも同時に発現させるには5〜50重量%の範囲内に制御することがさらに好ましい。第2相のTiを含む金属酸化物の結晶粒径は15nm以下が好ましく、特に10nm以下が好ましい。
第2相に含まれる金属酸化物のTiの存在割合は、シリカ基複合酸化物繊維の表面に向かって傾斜的に増大しており、その組成の傾斜が明らかに認められる領域の厚さは表層から5〜500nmの範囲に制御することが好ましいが、繊維直径の約1/3に及んでもよい。尚、第1相及び第2相の「存在割合」とは、第1相を構成する金属酸化物と第2相を構成する金属酸化物全体、即ちシリカ基複合酸化物繊維全体に対する第1相の金属酸化物及び第2相の金属酸化物の重量%を示している。
また、このシリカ基複合酸化物繊維は、光触媒機能を有すると同時に優れた耐熱性を有している。例えば、加熱空気中に1時間保持した後に元の繊維強度の90%以上残存する温度が1000℃である。
次に、上記シリカ基複合酸化物繊維の製造方法について説明する。
(溶融紡糸法)
シリカ基複合酸化物繊維は、主として下記化学式(1)で表される主鎖骨格を有する数平均分子量が200〜10,000のポリカルボシランを、有機金属化合物で修飾した構造を有する変性ポリカルボシラン、あるいは変性ポリカルボシランと有機金属化合物との混合物を得る第A工程、溶融紡糸する第B工程、不融化処理する第C工程、及び空気中又は酸素中で焼成する第D工程により製造することができる。
第A工程は、シリカ基複合酸化物繊維を製造するための出発原料として使用する数平均分子量が1,000〜50,000の変性ポリカルボシランを製造する工程である。上記変性ポリカルボシランの基本的な製造方法は、特開昭56−74126号に極めて類似しているが、その中に記載されている官能基の結合状態を注意深く制御する必要がある。
変性ポリカルボシランは、主として上記化学式(1)で表される主鎖骨格を有する数平均分子量が200〜10,000のポリカルボシランと、一般式、M(OR’)あるいは、MR”(Mは金属元素、R’は炭素原子数1〜20個を有するアルキル基又はフェニル基、R”はアセチルアセトナート、mとnは1より大きい整数)を基本構造とする有機金属化合物とから誘導されるものである。有機金属化合物とは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)及びタングステン(W)のうち少なくとも1以上の金属を有する有機金属化合物である。
傾斜構造を有するシリカ基複合酸化物繊維を製造するには、前記有機金属化合物の一部のみがポリカルボシランと結合を形成する緩慢な反応条件を選択する必要がある。その為には280℃以下、好ましくは250℃以下の温度で、不活性ガス中で反応させる必要がある。この反応条件では、有機金属化合物はポリカルボシランと反応したとしても、1官能性重合体として結合(即ちペンダント状に結合)しており、大幅な分子量の増大は起こらない。この有機金属化合物が一部結合した変性ポリカルボシランは、ポリカルボシランと有機金属化合物の相溶性を向上させる上で重要な役割を演じる。
なお、2官能以上の多くの官能基が結合した場合は、ポリカルボシランの橋掛け構造が形成されると共に顕著な分子量の増大が認められる。この場合は、反応中に急激な発熱と溶融粘度の上昇が起こる。一方、1官能しか反応せず未反応の有機金属化合物が残存している場合は、逆に溶融粘度の低下が観察される。
傾斜構造を有するシリカ基複合酸化物繊維を製造するには、未反応の有機金属化合物を意図的に残存させる条件を選択することが望ましい。主として上記変性ポリカルボシランと未反応状態の有機金属化合物あるいは2〜3量体程度の有機金属化合物が共存したものを出発原料として用いるが、変性ポリカルボシランのみでも、極めて低分子量の変性ポリカルボシラン成分が含まれる場合は、同様に出発原料として使用できる。
第B工程においては、第A工程で得られた変性ポリカルボシラン、あるいは変性ポリカルボシランと低分子量の有機金属化合物との混合物(以下、前駆体という場合がある。)を溶融させて紡糸原液を造り、場合によってはこれをろ過してミクロゲル、不純物等の紡糸に際して有害となる物質を除去し、これを通常用いられる合成繊維紡糸用装置により紡糸する。紡糸する際の紡糸原液の温度は原料の変性ポリカルボシランの軟化温度によって異なるが、50〜200℃の温度範囲が有利である。上記紡糸装置において、必要に応じてノズル下部に加湿加熱筒を設けてもよい。なお、繊維径は、ノズルからの吐出量と紡糸機下部に設置された高速巻き取り装置の巻き取り速度を変えることにより調整される。
前記紡糸の他に、第A工程で得られた変性ポリカルボシラン、あるいは変性ポリカルボシランと低分子量の有機金属化合物との混合物を、例えばベンゼン、トルエン、キシレンあるいはその他該変性ポリカルボシランと低分子量有機金属化合物を溶融することのできる溶媒に溶解させ、紡糸原液を造り、場合によってはこれをろ過してマクロゲル、不純物等紡糸に際して有害な物質を除去した後、前記紡糸原液を通常用いられる合成繊維紡糸装置により乾式紡糸法により巻き取り速度を制御しながら紡糸してもよい。
これらの紡糸工程において、必要ならば、紡糸装置に紡糸筒を取り付け、その筒内の雰囲気を前記溶媒のうち少なくとも1つの気体との混合雰囲気とするか、あるいは空気、不活性ガス、熱空気、熱不活性ガス、スチーム、アンモニアガス、炭化水素ガス、又は有機ケイ素化合物ガスの雰囲気とすることにより、紡糸筒中の繊維の固化を制御することができる。
第C工程においては、第B工程で得られた紡糸繊維を酸化雰囲気中で、張力又は無張力の作用の下で予備加熱を行い、前記紡糸繊維の不融化を行う。第C工程は、第D工程の焼成の際に、繊維が溶融せず、かつ隣接繊維と接着しないことを目的として行うものである。処理温度並びに処理時間は、組成により異なり、特に限定されないが、一般に50〜400℃の範囲内で、数時間〜30時間の処理条件が選択される。酸化雰囲気中には、水分、窒素酸化物、オゾン等、紡糸繊維の酸化力を高めるものが含まれていてもよく、酸素分圧を意図的に変えてもよい。
ところで、原料中に含まれる低分子量物の割合によっては、紡糸繊維の軟化温度が50℃を下回る場合もあり、その場合は、あらかじめ上記処理温度よりも低い温度で、繊維表面の酸化を促進する処理を施す場合もある。なお、第C工程並びに第B工程の際に、原料中に含まれる低分子量物の繊維表面へのブリードアウトが進行し、目的とする傾斜組成の下地が形成されるものと考えられる。
第D工程においては、第C工程により不融化された繊維を、張力又は無張力下で、500〜1800℃の温度範囲で酸化雰囲気中において焼成し、目的とする、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)との複合酸化物相からなり、表層に向かって第2相を構成する金属酸化物のチタンの存在割合が傾斜的に増大するシリカ基複合酸化物繊維を得る。第D工程において、不融化繊維中に含まれる有機物成分は基本的には酸化されるが、選択する条件によっては、炭素や炭化物として繊維中に残存する場合もある。このような状態でも、目的とする機能に支障をきたさない場合はそのまま使用されるが、支障をきたす場合は、更なる酸化処理が施される。その際、目的とする傾斜組成及び結晶構造に問題が生じない温度、及び処理時間が選択される。
なお、シリカ基複合酸化物繊維を不織布とするには、上記製法により得られた光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維を短繊維にした後、ニードルパンチを行うことにより不織布とすることができる。
(メルトブロー法)
不織布は、メルトブロー法を用いて、第A工程で得られた前駆体を溶融し、溶融物を紡糸ノズルから吐出するとともに、前記紡糸ノズルの周囲から加熱窒素ガスを噴出させて紡糸し、紡糸ノズルの下部に配置した受器に紡糸繊維を捕集することにより不織布を形成させ、次いで、該不織布を不融化処理後、酸化雰囲気中で焼成することにより製造することもできる。
紡糸ノズルの直径は通常100〜500μm程度のものを用いる。窒素ガス噴出速度は30〜300m/s程度であり、速度が速いほど細い繊維が得られる。窒素ガスの加熱温度は、所望の紡糸繊維が得られれば特に制限はないが、通常500℃程度に加熱した窒素ガスを噴出させる。従来、一般的なメルトブロー法では、噴出ガスとして空気が用いられているが、第A工程で得られた前記前駆体を紡糸するには窒素を用いる必要がある。噴出ガスとして窒素を用いることにより安定して紡糸を行うことができる。
紡糸ノズルの下部に配置した受器に紡糸繊維を捕集する際、吸引可能な受器を用いて、受器の下側から吸引しながら紡糸することが好ましい。吸引することにより、繊維が効果的にからまり、高強度の不織布が得られる。吸引速度は2〜10m/s程度の範囲が好ましい。
得られた不織布は、上記溶融紡糸法の場合と同様の不融化処理及び焼成(第C工程及び第D工程)を行うことにより、シリカ基複合酸化物繊維からなる不織布が得られる。メルトブロー法により製造されるシリカ基複合酸化物繊維は、平均繊維径が1〜20μm、好ましくは1〜8μm、より好ましくは2〜6μmと、溶融紡糸法で製造される繊維に比べてより細いものとすることができる。これにより、繊維の表面積も大きくでき、触媒活性が増大する。また、メルトブロー法により製造される平板状不織布は、溶融紡糸法で製造された長さ40〜50mm程度の短繊維をニードルパンチ法で不織布としたものに比べて繊維が長いものとなる。その結果、不織布は強度が高く、フィルター等に加工する際に十分なプリーツ加工性を有する。
不織布の目付けや厚みについては特に限定は無いが、通常目付けが50〜500g/m、厚みは0.5〜20mmであることが好ましい。厚みは、必要に応じて不織布を積層することにより調整できる。厚みは、0.5mmよりも薄い場合には、光触媒量そのものが少なすぎて浄化効果が十分に得られない。20mmよりも厚い場合には、不織布が抵抗となり、圧力損失が増大し、処理が難しくなる。
上記のような不織布の製造方法によれば、繊維同士のブリッジングが全く無く、一本一本の繊維表面にチタニアを始めとする光触媒成分が緻密に析出した構造のシリカ基複合酸化物繊維からなる不織布が得られる。また、このシリカ基複合酸化物繊維は、従来のコーティングという手法によらないため、繊維表面の光触媒成分が脱落するという問題がない。さらにこの繊維からなる不織布は、繊維一本一本がある程度の空隙を有して分散した構造になっているために、処理流体と光触媒との接触面積が非常に大きくなる。一般に、光触媒の機能を十分に引き出すためには、光触媒への光の照射効率と処理流体との接触効率を高めることが必要である。
次に、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジの製造方法について説明する。本発明に係る光触媒フィルターカートリッジを形成している不織布は、異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部が、光触媒フィルターカートリッジの形状を保持可能に接着している。接着方法としては、特に制限はないが、直接接着する方法、及び光触媒機能を有する組成物を含むバインダーにより接着する方法などが好ましく用いられる。上記接着方法は、それぞれ単独で用いても、又は両者を組み合わせてもよい。上記異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部が、直接及び/又は光触媒機能を有するバインダーにより、光触媒フィルターカートリッジの形状を保持可能に接着することで、不織布のサポート部材が不要で、したがって、光触媒と処理流体との接触面積と光触媒の紫外線の受光面積をほとんど小さくすることのない光触媒フィルターカートリッジを構成することができる。
上記接着方法において、まず、異なる繊維間の接触箇所の一部を、繊維同士の熱融着により直接接着し、上記光触媒機能を有する繊維の不織布を自己保形が可能なまでに全体として一体化させる方法について説明する。
上記方法においては、光触媒機能を有する繊維の不織布を、一対の所定形状の型枠に不織布の少なくとも一部を厚さ方向に押圧した状態で挟み込んで、800〜1800℃の温度範囲で熱処理することで、異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部が直接接着し、形状を保持可能な光触媒フィルターカートリッジを得ることができる。繊維を型枠に挟み込むことで、繊維間の接触箇所が増え、繊維の構成成分が軟化又はわずかに溶融するような温度で熱処理することで、繊維間の接触箇所の一部が強固に接着され、自己保形が可能な光触媒フィルターカートリッジを得ることができる。
型枠は、熱処理の際の温度、雰囲気で、酸化や溶融などしないものであれば良く、ガラス、セラミックス等の無機材料や金属等の中から適宜選択される。型枠の形状は、光触媒フィルターカートリッジの形状により適宜選択され、光触媒フィルターカートリッジの形状に対応した雄型、雌型からなる一対の型枠が好ましい。しかし、例えば光触媒フィルターカートリッジが平板状である場合、一対の型枠は必ずしも雄型と雌型である必要はなく、雄型、雌型からなる一対の型枠を用いても用いなくても光触媒フィルターカートリッジを得ることができる。また、例えば中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジの場合、雄型として円錐状の外周面を有する型枠を、雌型として逆円錐状の内周面を有する型枠を好ましく用いることができる。上記一対の型枠は、押圧箇所が凸部を有する雄型と、雄型の凸部に対応する位置に凸部を有する雌型とからなることが好ましいが、雄型と雌型のうち、少なくとも一方が凸部を備えていれば良い。雄型と雌型に不織布を挟んで押圧することで、雄型又は雌型の凸部で不織布が狭圧され、この状態で熱処理を行うことで、狭圧された部位の繊維間の接触箇所が熱融着される。このように、一対の型枠の雄型と雌型で不織布全体を圧縮するように挟み込むことで、接触箇所の接着部位の面積を大きくすることができる。その結果、不織布の強度が高く、自己保形が可能な光触媒フィルターカートリッジが製造できるため、サポート部材が不要となる。
不織布は、一対の型枠の雄型の外周面を不織布の内周面に接触させて、かつ雌型の内周面を不織布の外周面に接触させて、不織布を型枠に挟み込み、所定の熱処理をして、不織布を構成している繊維の接触箇所を接着させることができる。
不織布の接着部は、例えば、平板状不織布の場合、端部が直線的に接着されていることに加えて、両平面が、格子状、スポット状若しくはドット状、破線状、及び連続線状のいずれか1以上に接着されていることが好ましい。接着部の形状は、雄型及び雌型のそれぞれの凸部の形状により適宜設定することができる。直接接着する方法では、不織布表面に表われた接着部の面積は、型枠によって挟圧される不織布表面の面積と定義することができる。上記不織布表面に表われた接着部の不織布表面全体に対する面積率は、5〜60%が好ましいが、処理流体の性質等により適宜変更され、通常好ましくは5〜30%である。当該割合が5%以下であると繊維の接着が少なく繊維の動きの自由度が高いため、処理流体の水流による圧力によって不織布をサポートすることが難しくなる。他方の当該割合が60%以上であると、不織布の柔軟性が失われやすくなる。上記接着部は、例えばFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)を用いることによって、任意に選んだ複数の接着部で繊維同士が接着していることを確認することができる。
熱処理では、その温度は、光触媒機能を有する繊維の最も低い温度で軟化、又は溶融する成分によって適宜選択される。また、熱処理は、酸化雰囲気、例えば大気中などで行われることが望ましい。光触媒機能を有する繊維が、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)とからなる繊維であって、第2相を構成する金属酸化物のTiの存在割合が繊維の表層に向かって傾斜的に増大している、光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維である場合は、大気中、シリカ成分が軟化又はわずかに溶融し始める温度である500〜1300℃で熱処理を行う。これにより、異なる繊維間の接触箇所の繊維表面近傍の軟化又は溶融したシリカ成分が直接接着して、接触する繊維のシリカ成分が共有されるようになり、繊維同士が強固に接着する。この際、光触媒機能を発現するTiを含む金属酸化物相(第2相)は、その組成及び構造が変化しないので、繊維の光触媒機能が低下するようなことはない。
次に、異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部を、光触媒機能を有する組成物を含むバインダーにより接着し、光触媒機能を有する繊維の不織布を自己保形が可能なまでに全体として一体化させる方法について説明する。
上記方法においては、不織布の一部に、主として上記化学式(1)により表される主鎖骨格を有する数平均分子量200〜10,000のポリカルボシランをチタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)及びタングステン(W)のうち少なくとも1以上の金属を有する有機金属化合物で修飾した構造を有する変性ポリカルボシラン、又は前記変性ポリカルボシランと前記有機金属化合物との混合物からなるバインダー前駆体を塗布して、500〜1800℃で熱処理することで、異なる繊維間の接触箇所の一部が光触媒機能を有するバインダーによって接着し、自己保形が可能な光触媒フィルターカートリッジを得ることができる。
前記バインダー前駆体は、500〜1800℃の温度範囲で酸化雰囲気中において熱処理されることで、酸化によりシリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)との複合酸化物相からなり、表層に向かって第2相を構成する金属酸化物のチタンの存在割合が傾斜的に増大するシリカ基複合酸化物からなるバインダーとなる。前記バインダー前駆体に含まれる有機物成分は、通常は酸化されながら分解するが、有機成分の炭素や炭化物として繊維の接着部に残存しないように、一般には50〜500℃の範囲内の酸化雰囲気中で数時間〜30時間の熱処理をする。
前記バインダー前駆体は、それ単独で用いることができるが、前記の熱処理温度である500〜1800℃で流動して冷却後は緻密な固体になる他の種類の無機バインダーと混合して用いることもできる。また、酸化されることで光触媒機能を有する酸化物になる金属粉末と混合して用いることもできる。前記無機バインダーとしては、特に限定されるものではないが、低融点ガラスのほう珪酸塩系バインダーやリン酸塩系バインダー、又はバナジウム系バインダーなどがあげられ、前記金属粉末としては、チタニウム、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、リチウム、ナトリウム、バリウム、カルシウム、ホウ素、亜鉛、ニッケル、マンガン、マグネシウム、及び鉄等の粉末が挙げられる。これらの1種、又は2種以上を混合してバインダー前駆体として用いることもできる。
他の種類の無機バインダー及び/又は金属粉末と混合して調製されたバインダー前駆体は、溶媒と混合することによって混合物の流動性が良くなり、かつ粉末の凝集が低下して、均一化するため、不織布への塗布が容易になる。前記溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、キシレン、トルエンなどを使用できる。
前記バインダー前駆体を、不織布に塗布する方法としては、ディッピング法やシャワリング法、スプレー法、ドクターブレード法やスピンコート法等が挙げられる。不織布に前記バインダー前駆体を塗布する箇所及び面積は、所望の光触媒カートリッジの形状によって適宜選択できる。例えば、光触媒フィルターカートリッジが、中空円錐状、又は円筒状である場合は、平板状の不織布の両平面、及び、成形時に併せる端面に、前記バインダー前駆体を塗布する。
前記バインダー前駆体、又は前記バインダー前駆体と前記無機バインダーの前駆体とを混合したスラリーを塗布した不織布は、そのまま熱処理することができるが、上記直接接着する方法と同様の一対の型枠に挟み込んで熱処理することもできる。熱処理をすることで、バインダー前駆体は、前記異なる繊維間の接触箇所を接着させるバインダーとなる。
前記型枠の形状は、上記直接接着する方法と同様に、光触媒フィルターカートリッジの形状により選択され、一対の型枠は雄型と雌型とからなることが好ましい。
前記不織布の接着部は、前記バインダーにより接着され、例えば、平板状不織布の場合、端部が直線的に接着されていることに加えて、両平面が、格子状、スポット状若しくはドット状、破線状、及び連続線状のいずれか1以上に接着されていることが好ましい。前記バインダーにより接着する方法では、不織布表面に表われた接着部の面積は、バインダー前駆体が塗布された不織布表面の面積と定義することができる。上記不織布表面に表われた接着部の不織布表面全体に対する面積率は5〜60%が好ましいが、処理流体の性質等により適宜変更され、通常好ましくは5〜30%である。当該割合が5%以下であると繊維の接着が少なく繊維の動きの自由度が高いため、処理流体の水流による圧力によって不織布をサポートできなくなる。他方の当該割合が60%以上であると、不織布の柔軟性が失われる。上記接着部は、例えばFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)を用いることによって、任意に選んだ複数の接着部で繊維同士が接着していることを確認することができる。
上記の光触媒フィルターカートリッジの製造方法によれば、全体として自己保形可能な光触媒フィルターカートリッジを製造できる。このような自己保形可能な光触媒フィルターカートリッジは、処理流体中でその形状を保持することが可能なので、ステンレス製の金網などをサポート部材として用いる必要がない。さらに、繊維が接着している接触箇所が、繊維同士が直接接着されているか、光触媒機能を有する組成物を含むバインダーにより接着されている。したがって、前記光触媒フィルターカートリッジは、サポート部材を用いる場合と比較して、紫外線の受光効率と処理流体中の有害物質との接触効率が高くなる。したがって、前記光触媒フィルターカートリッジを用いた浄化装置は、サポート部材によって保持した光触媒フィルターカートリッジを用いた従来の浄化装置と比較して、光触媒の分解効率を向上させることができる。
本発明に係る光触媒フィルターカートリッジの形状は、円筒状又は中空円錐状である場合が好ましい。従来、円筒状又は中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジには、その内周面及び外周面の両面にサポート部材を必要とすることが多いので、本発明の光触媒フィルターカートリッジを適用することによる、光触媒への紫外線の照射効率と、光触媒への処理流体の接触効率の改善効果が特に大きいからである。
また、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジは、前記不織布を形成している繊維間の接触箇所の少なくとも一部を接着し、形状を保持可能な円筒状又は中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジとし、処理流体の流れに沿って所定の間隔を空けて反応容器内に多段に配置することで、本発明に係る浄化装置を作製することができる。この浄化装置は、処理流体の流体導入口と処理流体の流体排出口とが設けられた反応容器と、上記の光触媒フィルターカートリッジと、この光触媒フィルターカートリッジに紫外線を照射することが可能なように上記光触媒フィルターカートリッジの略同心の位置に配置された紫外線照射手段とから構成することができる。
円筒状又は中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを多段に組み込む方法としては、特に制限されるものではないが、連結部材に円筒状又は中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを固定し、連結部材と共に反応容器から脱着することが可能である。
図3に、本発明に係る光触媒フィルターカートリッジを中空円錐状に形成し、反応容器に組み込んだ浄化装置の実施形態を示す。図3に示すように、不織布を中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジ20とし、反応容器22の流体導入口24から反応容器22の流体排出口26の処理流体の流れに沿って所定の間隔を空けて反応容器22内に多段に配置することにより、中心部に紫外線ランプ(紫外線照射手段)28を配置可能とすることができる。このように、光触媒フィルターカートリッジ20を多段に配置することにより、光触媒フィルターカートリッジ20を1段のみ設けた場合と比較して、処理流体と光触媒の接触面積をさらに増加させることが可能である。反応容器22の材質は、処理流体中に成分が溶出しない物質が望ましく、例えばステンレスを使用することができる。また、光触媒フィルターカートリッジ20は、図3には図示していない金属製の平板や支柱及び樹脂パッキンを用いた連結部材に固定することで、連結部材と共に反応容器22への脱着を容易にすることもできる。
本実施形態に係る浄化装置は、円筒状又は中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジ20の略同心の位置に紫外線ランプ28を配置し、光触媒フィルターカートリッジ20を多段に配置することにより、光触媒と処理流体との接触面積をさらに増加させることが可能である。さらに、光触媒を備えた光触媒フィルターカートリッジ20の形状を円筒状又は中空円錐状とすることにより、光触媒が紫外線のエネルギーを受ける照射面積を増加させ、かつ光触媒反応に必要な紫外光を有効に光触媒に照射できることにより、光触媒の分解効率をさらに向上させることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
(参考例1)
5リットルの三口フラスコに無水トルエン2.5リットルと金属ナトリウム400gとを入れ窒素ガス気流下でトルエンの沸点まで加熱し、ジメチルジクロロシラン1リットルを1時間かけて滴下した。滴下終了後、10時間加熱還流し沈殿物を生成させた。この沈殿をろ過し、まずメタノールで洗浄した後、水で洗浄して、白色粉末のポリジメチルシラン420gを得た。ポリジメチルシラン250gを、水冷還流器を備えた三口フラスコ中に仕込み、窒素気流下、420℃で30時間加熱反応させて数平均分子量が1200のポリカルボシランを得た。
(実施例1)
参考例1により合成されたポリカルボシラン16gにトルエン100gとテトラブトキシチタン64gを加え、100℃で1時間予備加熱させた後、150℃までゆっくり昇温して5時間反応して変性ポリカルボシランを合成した。この変性ポリカルボシランに意図的に低分子量の有機金属化合物を共存させる目的で5gのテトラブトキシチタンを加えて、変性ポリカルボシランと低分子量有機金属化合物との混合物を得た。
この変性ポリカルボシランと低分子量有機金属化合物との混合物をトルエンに溶解させた後、メルトブロー紡糸装置に仕込み、内部を十分に窒素置換してから昇温してトルエンを留去させて、180℃で紡糸を行った。紡糸した不織布を、空気中、段階的に150℃まで加熱し不融化させた後、1200℃の空気中で1時間焼成を行い、シリカ基複合酸化物繊維の不織布を得た。
得られたシリカ基複合酸化物繊維は、第1相の存在割合が80重量%、第2相の存在割合が20重量%であった。存在割合は、蛍光X線分析によって求めた。第2相に含まれるチタニアの結晶粒径は、8nmであった。チタニアの結晶粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡観察)によって求めた。シリカ基複合酸化物繊維表面から、300nmの深さで金属酸化物のTiの存在割合が傾斜していた。傾斜の深さは、オージェ電子分光分析によって求めた。
次に、このシリカ基複合酸化物繊維の接触箇所を、直接接着し、不織布を自己保形可能とさせるために、アルミナ製の一対の雄型と雌型とからなる中空円錐状の型枠に挟み込んで圧縮した後、空気中、500℃まで急速加熱し、500℃から1200℃まで60℃/hの昇温速度でシリカ成分を徐々に軟化させながら、1200℃で1時間の熱処理を行うことにより、シリカ基複合酸化物繊維の異なる繊維間の接触箇所の一部が接着された不織布からなる、自己保形可能な中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを得た。
直接接着して得られた中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを形成する不織布のシリカ基複合酸化物繊維の接触箇所の表面に表われた接着部は、不織布表面全体に対する面積率が20%であった。面積率は、FE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)によって、接着部の範囲を特定して求めた。
この光触媒フィルターカートリッジの接着部は、シリカ成分とTiを含む金属酸化物であり、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)の存在割合が80重量%、Tiを含む金属酸化物相(第2相)の存在割合が20重量%であった。存在割合については、FE−SEM EDS(電界放射型走査電子顕微鏡 エネルギー分散形X線分光法)によって求めた。第2相に含まれるチタニアの結晶粒径は8nmであった。チタニアの結晶粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡観察)によって求めた。接着部は表面から、300nmの深さで金属酸化物のTiの存在割合が傾斜していた。傾斜の深さは、オージェ電子分光分析によって求めた。
このシリカ基複合酸化物繊維の接触箇所を接着させた光触媒フィルターカートリッジは、不織布の厚さが10mmからなり、直径180mm、高さ90mmで中央に直径30mmの穴が開いた中空円錐状であり、図3に示す構成の反応容器22に多段に配置した。図3において、反応容器22の寸法は内径180mm、高さ600mmとした。この反応容器22の材質は、ステンレスを用いた。この反応容器22の中心部に60Wの紫外線ランプ28を1本配置してある。この紫外線ランプ28は、紫外光を透過し、かつ処理流体中に成分が溶出しない物質でできた直径30mmの保護管30に挿入されている。本実施例では、透明石英製の保護管30を用いた。中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジ20は、反応容器22内面及び保護管30と密着した構造となっている。紫外線ランプ28で紫外線を照射しながら、反応容器22の流体導入口24から、1000ppbのイソプロピルアルコール(IPA)を含む水を0.2L/minの流量で流した。反応容器22の流体排出口26の水をサンプリングしてIPA濃度をガスクロマトグラフィーで分析した結果、1ppb以下であった。
また、紫外線ランプ28で紫外線を照射しながら、反応容器22の流体導入口24から、1000ppbのトリクロロエチレンを含む水を0.2L/minの流量で流した。反応容器22の流体排出口26の水をサンプリングしてトリクロロエチレン濃度をガスクロマトグラフィーで分析した結果、1ppb以下であった。
(実施例2)
不織布の接着方法を以下のように変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により光触媒フィルターカートリッジを作製した。具体的には、シリカ基複合酸化物繊維の接触箇所を、バインダー前駆体を用いて接着し、不織布を自己保形可能とさせるために、前記の変性ポリカルボシランと低分子量有機金属化合物との混合物をトルエンに溶解させた混合溶液を不織布に塗布し、アルミナ製の一対の雄型と雌型とからなる中空円錐状の型枠に挟み込んで圧縮した後、窒素中、100℃で加熱をしてトルエンを十分に除去してから、空気中、100℃から500℃まで90℃/hの昇温速度で有機物成分を酸化しながら分解し、500℃から1200℃まで60℃/hの昇温速度でシリカ成分を徐々に軟化させながら、1200℃で1時間の熱処理を行うことにより、シリカ基複合酸化物繊維の異なる繊維間の接触箇所の一部が接着された不織布からなる、自己保形可能な中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを得た。
バインダーにより接着して得られた中空円錐状の光触媒フィルターカートリッジを形成する不織布のシリカ基複合酸化物繊維の接触箇所の表面に表われた接着部は、不織布表面全体に対する面積率が20%であった。面積率は、FE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)によって、接着部の範囲を特定して求めた。
この光触媒フィルターカートリッジの接着部は、シリカ成分とTiを含む金属酸化物であり、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)の存在割合が80重量%、Tiを含む金属酸化物相(第2相)の存在割合が20重量%、第2相に含まれるチタニアの結晶粒径は8nmであった。
また、このシリカ基複合酸化物繊維の接触箇所を接着させた光触媒フィルターカートリッジを用いて、実施例1と同等に水中のIPAとトリクロロエチレンの浄化評価を行った。その結果、反応容器22の流体排出口26の水をサンプリングしてIPA濃度をガスクロマトグラフィーで分析した結果、1ppb以下であった。また、反応容器22の流体排出口26の水をサンプリングしてトリクロロエチレン濃度をガスクロマトグラフィーで分析した結果、1ppb以下であった。
(比較例1)
実施例1に記載の方法で得られたシリカ基複合酸化物繊維の不織布を、特開2003−175333号の実施例1に記載の方法によって、サポート材であるステンレス製の金網(線径1mm、3メッシュ)に保持した。サポート材が不織布をサポートする面積率は20%とし、直径180mm、高さ90mmで中央に直径30mmの穴を開けた中空円錐状物に成型し、サポート材付き光触媒フィルターカートリッジ32(サポート材はステンレス製、中空円錐状)として、図3と同様の図4の反応容器22に多段で配置し、実施例1と同等に水中のIPAとトリクロロエチレンの浄化評価を行った。その結果、水中のIPA濃度は、反応容器入口濃度1000ppbに対して出口濃度は500ppb、トリクロロエチレン濃度は、反応容器入口濃度1000ppbに対して出口濃度は40ppbと、実施例1の場合と比較して浄化能力は著しく低かった。
(比較例2)
サポート材として紫外線透過率90%以上の石英ガラスを用いた。具体的には、実施例1に記載の方法で得られたシリカ基複合酸化物繊維の不織布を、サポート材である紫外線透過率90%以上の石英ガラスに保持した。サポート材が不織布をサポートする面積率は20%とし、直径180mm、高さ90mmで中央に直径30mmの穴を開けた中空円錐状物に成型し、サポート材付き光触媒フィルターカートリッジ32(サポート材は石英ガラス製、中空円錐状)として、図3と同様の図4の反応容器22に多段で配置し、実施例1と同等に水中のIPAとトリクロロエチレンの浄化評価を行った。その結果、水中のIPA濃度は、反応容器入口濃度1000ppbに対して出口濃度は300ppb、トリクロロエチレン濃度は、反応容器入口濃度1000ppbに対して出口濃度は20ppbと、実施例1の場合と比較して浄化能力は著しく低かった。
(比較例3)
実施例1に記載の方法で得られたシリカ基複合酸化物繊維の不織布を、有機物系接着剤であるエポキシ樹脂で接着させ、サポート材付き光触媒カートリッジ32として用いた。サポート材が不織布をサポートする面積率は20%とし、直径180mm、高さ90mmで中央に直径30mmの穴を開けた中空円錐状物に成型し、サポート材付き光触媒フィルターカートリッジ32(サポート材はエポキシ樹脂製、中空円錐状)として、図3と同様の図4の反応容器22に多段で配置し、実施例1と同等に水中のIPAとトリクロロエチレンの浄化評価を行った。しかしながら、いずれの評価においても不織布を接着させているエポキシ樹脂が光触媒及び紫外線で分解され、サポート材としての機能を消失し、処理流体の水流による圧力等の外圧によって、中空円錐状物としての形状を保持できないことから、評価は実施不能であった。
1 不織布
2 光触媒機能を有する繊維
4 接着部
6 非接着部
8 繊維接着部位
10 繊維の直径方向
12 繊維の長手方向
20 光触媒フィルターカートリッジ
22 反応容器
24 流体導入口
26 流体排出口
28 紫外線ランプ(紫外線照射手段)
30 保護管
32 サポート材付き光触媒フィルターカートリッジ

Claims (15)

  1. 光触媒機能を有する繊維の不織布からなる光触媒フィルターカートリッジであって、異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部が、光触媒フィルターカートリッジの形状を保持可能に接着していることを特徴とする光触媒フィルターカートリッジ。
  2. 前記不織布表面に表われた接着部の前記不織布表面全体に対する面積率が、5〜60%であることを特徴とする請求項1記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  3. 前記繊維が、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)とからなる繊維であって、第2相を構成する金属酸化物のTiの存在割合が繊維の表層に向かって傾斜的に増大している、光触媒機能を有するシリカ基複合酸化物繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  4. 前記シリカ基複合酸化物繊維の繊維全体に対する第1相の存在割合が98〜40重量%、第2相の存在割合が2〜60重量%であることを特徴とする請求項3記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  5. 前記シリカ基複合酸化物繊維の第2相を構成する金属酸化物のTiの存在割合の傾斜が、繊維表面から5〜500nmの深さで存在することを特徴とする請求項3又は4記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  6. 前記シリカ基複合酸化物繊維の第2相の金属酸化物がチタニアであり、その結晶粒径が15nm以下であることを特徴とする請求項3乃至5いずれか記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  7. 前記異なる繊維間の接触箇所が、繊維同士の熱融着により接着していることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  8. 前記異なる繊維間の接触箇所が、バインダーにより接着し、
    前記バインダーが、シリカ成分を主体とする酸化物相(第1相)とTiを含む金属酸化物相(第2相)とからなる物質であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  9. 前記不織布表面に表われた接着部が、前記光触媒フィルターカートリッジの平面方向に亘って格子状、スポット状若しくはドット状、破線状、及び連続線状のいずれか1以上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  10. 前記光触媒フィルターカートリッジの形状が、円筒状又は中空円錐状であることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の光触媒フィルターカートリッジ。
  11. 光触媒機能を有する繊維の不織布を、一対の所定形状の型枠に前記不織布の少なくとも一部を厚さ方向に押圧した状態で挟み込んで、800〜1800℃の酸化雰囲気中で熱処理することを特徴とする光触媒フィルターカートリッジの製造方法。
  12. 前記光触媒フィルターカートリッジの形状が円筒状又は中空円錐状であって、前記一対の型枠が雄型と雌型とからなり、前記雄型の外周面を前記不織布の内周面に接触させて、かつ前記雌型の内周面を前記不織布の外周面に接触させて、前記不織布を前記一対の型枠に挟み込んで熱処理することを特徴とする請求項11記載の光触媒フィルターカートリッジの製造方法。
  13. 光触媒機能を有する繊維の不織布の異なる繊維間の接触箇所の少なくとも一部に、主として下記化学式(1)により表される主鎖骨格を有する数平均分子量200〜10,000のポリカルボシランをチタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)及びタングステン(W)のうち少なくとも1以上の金属を有する有機金属化合物で修飾した構造を有する変性ポリカルボシラン、又は前記変性ポリカルボシランと前記有機金属化合物との混合物からなるバインダー前駆体を塗布して、前記不織布を500〜1800℃で熱処理することを特徴とする光触媒フィルターカートリッジの製造方法。
  14. 流体導入口と流体排出口とが設けられた反応容器と、請求項1乃至10いずれか記載の光触媒フィルターカートリッジと、該光触媒フィルターカートリッジに紫外線を照射可能に配置された紫外線照射手段とからなる浄化装置。
  15. 前記光触媒フィルターカートリッジが円筒状又は中空円錐状であり、前記紫外線照射手段が、前記光触媒フィルターカートリッジの略同心の位置に配置されていることを特徴とする請求項14記載の浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015188847A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 宇部興産株式会社 多孔質光触媒体およびその製造方法
CN114956253A (zh) * 2022-06-13 2022-08-30 延安大学 多级连续流动型光催化降解装置

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