JP2013201372A - 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光光にレーザ光を用いて照明条件を切り替える場合に、レーザ光源のパワーを高効率で利用できる露光装置、露光方法及びデバイス製造方法を提供すること。
【解決手段】露光装置の照明システムISは、レーザ光源101と、レーザ光を通過させる導光部FPを有する複数の導光ファイバF11、F12等と、レーザ光源101からのレーザ光を複数に分岐させて、それぞれの導光ファイバF11、F12等の入射部FIへ入射させるとともに、レーザ光の分岐比を変更可能な光分岐装置102と、それぞれの導光ファイバF11、F12等の出射部FEと、マスクMを支持するマスクステージ1との間に設けられて、導光ファイバF11、F12等の出射部FEから出射したレーザ光を異なる位置で受光してからマスクMに照射する照明部ILと、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、マスクに形成されたパターンを感光基板の表面に投影露光する技術に関する。
近年、情報表示装置として、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)等の素子を用いた薄型の表示パネルが多用されている。これらの表示パネルは、薄いガラス基板に透明薄膜電極をフォトリソグラフィ手法でパターンニングすることにより製造されている。このフォトリソグラフィ手法において、マスクに形成されたパターンを感光基板(以下、基板ともいう)に投影露光してパターンニングする露光装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2011−118155号公報
露光装置には、露光光の光源として高圧水銀ランプ又はキセノンランプ等のランプが用いられる。この他に、露光光の光源としてレーザ光源を用いることが提案されている。レーザ光源を用いた照明系で、例えば通常照明と変形照明とを切り替えたり、複数の変形照明間を切り替えたりする場合に、レーザ光源のパワーを効率よく利用したいという要請がある。
本発明の態様は、露光光にレーザ光を用いて照明条件を切り替える場合に、レーザ光源のパワーを高効率で利用できる露光装置、露光方法及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、所定のパターンが形成されたマスクを支持するマスクステージを有し、前記マスクに露光光としてレーザ光を照射する露光装置であって、入射したレーザ光を出射させる複数の導光経路と、それぞれの前記導光経路が前記レーザ光を出射する部分と前記マスクステージとの間に設けられて、前記複数の導光経路から出射した前記レーザ光を互いに異なる位置で受光してから前記マスクに照射する照明部と、前記レーザ光を複数に分岐させてからそれぞれの前記導光経路に入射させ、かつ前記レーザ光の分岐比を変更することにより、少なくとも前記照明部の出射面における照度分布を変更可能な光分岐装置と、を含む露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、マスクに形成されたパターンをレーザ光で照射し、前記マスクと基板を支持する基板ステージとの間に配置された投影光学系を介して前記基板に照射して露光する露光方法において、レーザ光を複数の導光経路に分岐し、かつ分岐した前記レーザ光の分岐比を変更する分岐比変更工程と、それぞれの前記導光経路を通過した前記レーザ光を、それぞれの前記導光経路が前記レーザ光を出射する部分と前記マスクとの間に設けられる照明部の互いに異なる位置に入射させて、前記照明部から前記レーザ光を前記マスクに照射する照射工程と、を含み、前記分岐比変更工程は、前記分岐比を変更することにより、少なくとも前記照明部の出射面における照度分布を変更する露光方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、上述した露光方法を用いて前記基板を露光する工程と、露光された前記基板を現像して、転写された前記パターンに対応する露光パターン層を形成する工程と、前記露光パターン層を介して前記基板を加工する工程と、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明は、露光光にレーザ光を用いて照明条件を切り替える場合に、レーザ光源のパワーを高効率で利用できる露光装置、露光方法及びデバイス製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る露光装置の斜視図である。 図2は、本実施形態に係る露光装置を走査方向側から見た図である。 図3は、本実施形態に係る露光装置の側面図である。 図4は、本実施形態に係る露光装置が備える照明システムの概要を示す模式図である。 図5は、本実施形態に係る露光装置が備える照明システムの構造を示す図である。 図6は、本実施形態に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータの側面図である。 図7は、図6のX−X断面図である。 図8は、図6のX−X断面図である。 図9は、本実施形態に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータ集合体の正面図である。 図10は、ロッドインテグレータの出射面における照度分布をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。 図11は、ロッドインテグレータの出射面における照度分布をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。 図12は、本実施形態に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図13は、本実施形態に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図14は、本実施形態に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図15は、本実施形態に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図16は、ロッドインテグレータ集合体の入射面に対する導光ファイバの配置の変形例を示す正面図である。 図17は、本実施形態の変形例に係る露光装置が備える照明システムの構造を示す図である。 図18は、本実施形態の変形例に係る露光装置が備える照明システムの構造を示す図である。 図19は、本実施形態の変形例に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータ集合体の側面図である。 図20は、本実施形態の変形例に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータの斜視図である。 図21は、本実施形態の変形例に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータ集合体の正面図である。 図22は、本実施形態の変形例に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図23は、本実施形態の変形例に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図24は、本実施形態の変形例に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図25は、本実施形態の変形例に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。 図26は、本実施形態に係るデバイス製造方法の手順を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
以下において、下は重力が作用する方向(鉛直方向)側であり、上は重力が作用する方向とは反対方向側である。また、以下においては、露光装置の基板(又は基板を保持する基板ステージ)に照射される露光光の光軸と平行な方向をZ軸方向、Z軸と直交する平面内の所定方向をX軸方向、Z軸と直交する平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向と表現する。X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転(傾斜)方向は、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と表現する。まず、露光装置EXの概要を説明する。
<露光装置>
図1は、本実施形態に係る露光装置の斜視図である。図2は、本実施形態に係る露光装置を走査方向側から見た図である。図3は、本実施形態に係る露光装置の側面図である。露光装置EXは、マスクステージ1と、基板ステージ2と、マスクステージ駆動システム3と、基板ステージ駆動システム4と、照明システムISと、投影システムPSと、制御装置5とを備えている。また、露光装置EXは、ボディ13を備えている。ボディ13は、ベースプレート10と、第1コラム11と、第2コラム12とを有する。ベースプレート10は、例えばクリーンルーム内の支持面(例えば床面)FL上に防振台BLを介して配置される。第1コラム11は、ベースプレート10上に配置される。第2コラム12は、第1コラム11上に配置される。ボディ13は、投影システムPS、マスクステージ1及び基板ステージ2のそれぞれを支持する。投影システムPSは、定盤14を介して第1コラム11に支持される。マスクステージ1は、第2コラム12に対して移動可能に支持される。基板ステージ2は、ベースプレート10に対して移動可能に支持される。
本実施形態において、露光装置EXは、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを介した露光光ELで基板Pを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)である。露光装置EXはこのようなものに限定されず、例えば、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)であってもよい。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスのパターンが形成されたレチクルを含む。基板Pは、基材と、その基材の表面に形成された感光膜(塗布された感光剤)とを含む。基材は、大型のガラスプレートを含み、その一辺の長さ又は対角長(対角線の長さ)は、例えば500mm以上である。本実施形態においては、基板Pの基材として、一辺が約3000mmの矩形形状のガラスプレートを用いる。
露光装置EXは、導光装置100と、複数個(本実施形態では7個)の照明光学系としての照明部IL1〜IL7とを有する照明システムISを備える。また、露光装置EXは、複数個(本実施形態では7個)の投影光学系PL1〜PL7を有する投影システムPSを備える。なお、照明光学系及び投影光学系の数は7個に限定されず、例えば、照明システムISが照明光学系を11個有し、投影システムPSが投影光学系を11個有してもよい。以下においては、必要に応じて、照明部IL1〜IL7を第1〜第7照明部IL1〜IL7といい、投影光学系PL1〜PL7を第1〜第7投影光学系PL1〜PL7という。
次に、照明システムISについて簡単に説明する。照明システムISは、マスクMを露光光ELで照射するシステムである。照明システムISが有する第1〜第7照明部IL1〜IL7は、7個の照明領域IR1〜IR7に配置されたマスクMの少なくとも一部を、ほぼ均一な照度分布の露光光ELで照射する。本実施形態において、照明システムISから射出される露光光ELは、レーザ光が用いられる。レーザ光は、導光装置100が有するレーザ光源から出射される。照明システムISの詳細な構造は後述する。
次に、投影システムPSについて説明する。投影システムPSは、露光光ELで照射されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影するシステムである。投影システムPSは、所定の投影領域PR1〜PR7に露光光ELを投影する複数の投影光学系PL1〜PL7を有する。投影領域PR1〜PR7は、各投影光学系PL1〜PL7から射出された露光光ELが投影される領域である。投影システムPSは、異なる7つの投影領域PR1〜PR7にそれぞれマスクパターンの像を投影する。投影システムPSは、基板Pのうち投影領域PR1〜PR7に配置された部分に、マスクパターンの像を所定の投影倍率で投影する。
投影光学系PL1〜PL7は、図2に示す第1照明部IL1により露光光ELで照射されたマスクMのマスクパターンの像を基板Pに投影する。第1投影光学系PL1は、像面調整部33と、シフト調整部34と、2組の反射屈折型光学系31、32と、視野絞り35と、スケーリング調整部36とを備えている。
照明領域IR1に照射され、マスクMを通過した露光光ELは、像面調整部33に入射する。像面調整部33は、第1投影光学系PL1の像面の位置(Z軸、θX及びθY方向に関する位置)を調整することができる。像面調整部33は、マスクM及び基板Pに対して光学的にほぼ共役な位置に配置されている。像面調整部33は、第1光学部材33A及び第2光学部材33Bと、第2光学部材33Bに対して第1光学部材33Aを移動させることができる光学系駆動装置とを備えている。
第1光学部材33Aと第2光学部材33Bとは、気体軸受により、所定のギャップを介して対向する。第1光学部材33A及び第2光学部材33Bは、露光光ELを透過するガラス板であり、それぞれくさび形状を有する。図1に示す制御装置5は、光学系駆動装置を動作させて、第1光学部材33Aと第2光学部材33Bとの位置関係を調整することにより、第1投影光学系PL1の像面の位置を調整することができる。像面調整部33を通過した露光光ELは、シフト調整部34に入射する。
シフト調整部34は、基板Pの表面におけるマスクMのパターンの像をX軸方向及びY軸方向にシフトさせることができる。シフト調整部34を透過した露光光ELは、1組目の反射屈折型光学系31に入射する。反射屈折型光学系31は、マスクMのパターンの中間像を形成する。反射屈折型光学系31から射出された露光光ELは、視野絞り35に入射する。視野絞り35は、反射屈折型光学系31により形成されるマスクパターンの中間像の位置に配置されている。視野絞り35は、投影領域PR1を規定する。本実施形態において、視野絞り35は、基板P上における投影領域PR1を台形状に規定する。視野絞り35を通過した露光光ELは、2組目の反射屈折型光学系32に入射する。
反射屈折型光学系32は、反射屈折型光学系31と同様の構造である。反射屈折型光学系32から射出された露光光ELは、スケーリング調整部36に入射する。スケーリング調整部36は、マスクパターンの像の倍率(スケーリング)を調整することができる。スケーリング調整部36を介した露光光ELは、基板Pに照射される。本実施形態において、第1投影光学系PL1は、マスクパターンの像を、基板P上に正立等倍で投影するが、これに限定されるものではない。例えば、第1投影光学系PL1は、マスクパターンの像を拡大又は縮小したり、倒立で投影したりしてもよい。
上述の像面調整部33、シフト調整部34及びスケーリング調整部36により、投影光学系PL1〜PL7の結像特性(光学特性)を調整する結像特性調整装置30が構成される。結像特性調整装置30は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に関する第1投影光学系PL1の像面の位置を調整可能であり、マスクパターンの像の倍率を調整可能である。投影光学系PL1〜PL7は、いずれも同等の構造である。
次に、マスクステージ1について説明する。マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IR1〜IR7に対して移動させる装置である。マスクステージ1は、マスクMを保持可能なマスク保持部15を有する。マスク保持部15は、マスクMを真空吸着可能なチャック機構を含み、マスクMを脱着できる。マスク保持部15は、マスクMの投影システムPS側の面(パターン形成面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。
マスクステージ駆動システム3は、マスクステージ1を移動させるシステムである。マスクステージ駆動システム3は、例えばリニアモータを含み、第2コラム12のガイド面12G上においてマスクステージ1を移動可能である。マスクステージ1は、マスクステージ駆動システム3の作動により、マスク保持部15でマスクMを保持した状態で、ガイド面12G上を、X軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
次に、基板ステージ2について説明する。基板ステージ2は、基板Pを保持するとともに、パターン転写装置としての照明システムIS及び投影システムPSから照射される露光光ELの投影領域PR1〜PR7に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に移動させる。基板ステージ2は、基板Pを保持可能な基板保持部16を有する。基板保持部16は、基板Pを真空吸着可能なチャック機構を含み、基板Pが脱着できるようになっている。基板保持部16は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。
基板ステージ駆動システム4は、基板ステージ2を移動させるシステムである。基板ステージ駆動システム4は、例えばリニアモータを含み、ベースプレート10のガイド面10G上において基板ステージ2を移動可能である。基板ステージ2は、基板ステージ駆動システム4が動作することにより、基板保持部16で基板Pを保持した状態で、ガイド面10G上を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6方向に移動可能である。
図3に示すように、基板保持部16に対して−X側の基板ステージ2の投影システムPS側における表面には、基準部材43が配置されている。基準部材43の投影システムPS側における表面44は、基板保持部16に保持された基板Pの表面とほぼ同一の平面内に配置される。また、基準部材43の表面44に、露光光ELを透過可能な透過部45が配置されている。基準部材43の下方(基板ステージ2の内部側)には、透過部45を透過した光を受光可能な受光装置46が配置されている。受光装置46は、透過部45を介した光が入射するレンズ系47と、レンズ系47を介した光を受光する光センサ48とを有する。本実施形態において、光センサ48は、撮像素子(CCD:Charge Coupled Device)を含む。光センサ48は、受光した光に応じた信号を制御装置5に出力する。
次に、干渉計システム6について説明する。図1及び図2に示すように、干渉計システム6は、マスクステージ1の位置情報を計測するレーザ干渉計ユニット6Aと、基板ステージ2の位置情報を計測するレーザ干渉計ユニット6Bとを有する。レーザ干渉計ユニット6Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置情報を計測可能である。レーザ干渉計ユニット6Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2Rを用いて、基板ステージ2の位置情報を計測可能である。本実施形態において、干渉計システム6は、レーザ干渉計ユニット6A、6Bを用いて、X軸、Y軸及びθX方向に関するマスクステージ1及び基板ステージ2それぞれの位置を計測可能である。
次に、第1検出システム7について説明する。第1検出システム7は、マスクMの投影システムPS側における面(パターン形成面)のZ軸方向の位置を検出する。第1検出システム7は、いわゆる斜入射方式の多点フォーカス・レベリング検出システムであり、図3に示すように、マスクステージ1に保持されたマスクMの投影システムPS側の面と対向配置される複数の検出器7A〜7Fを有する。検出器7A〜7Fのそれぞれは、検出領域MZ1〜MZ6に検出光を照射する投射部と、検出領域MZ1〜MZ6に配置されたマスクMの下面(投影システムPS側における表面)からの検出光を受光可能な受光部とを有する。第1検出システム7は、検出領域MZ1〜MZ6に配置されたマスクMの下面におけるZ軸方向の位置が変化した場合、そのマスクMの下面のZ軸方向における変位量に応じて、受光部に対する検出光の入射位置がX軸方向に変位する。受光部の撮像信号は、制御装置5に出力され、制御装置5は、受光部からの信号に基づいて、検出領域MZ1〜MZ6に配置されたマスクMの下面のZ軸方向における位置を求めることができる。
次に、第2検出システム8について説明する。第2検出システム8は、基板Pの表面(露光面)におけるZ軸方向の位置を検出する。第2検出システム8は、いわゆる斜入射方式の多点フォーカス・レベリング検出システムであり、図3に示すように、基板ステージ2に保持された基板Pの表面と対向配置される複数の検出器8A〜8Hを有する。検出器8A〜8Hのそれぞれは、検出領域PZ1〜PZ8に検出光を照射する投射部と、検出領域PZ1〜PZ8に配置された基板Pの表面からの検出光を受光可能な受光部とを有する。第2検出システム8は、検出領域PZ1〜PZ8に配置された基板Pの表面におけるZ軸方向の位置が変化した場合、その基板Pの表面のZ軸方向における変位量に応じて、受光部に対する検出光の入射位置がX軸方向に変位する。受光部の撮像信号は、制御装置5に出力され、制御装置5は、受光部からの信号に基づいて、検出領域PZ1〜PZ8に配置された基板Pの表面のZ軸方向における位置を求めることができる。
次に、アライメントシステム9について説明する。アライメントシステム9は、基板Pに設けられた位置マークとしてのアライメントマークを検出し、その位置を計測する。アライメントマークの位置は、例えば、露光装置EXのXY座標系における位置である。アライメントマークは、露光によって基板Pに転写されて、基板Pの表面に設けられる。本実施形態において、アライメントシステム9は、投影システムPSに対してX軸方向(走査方向)の−X側に配置されている。
アライメントシステム9は、いわゆるオフアクシス方式のアライメントシステムである。図3に示すように、アライメントシステム9は、基板ステージ2に保持された基板Pの表面と対向配置される複数(本実施形態では6個)の検出器9A〜9Fを有する。検出器9A〜9Fのそれぞれは、検出領域SA1〜SA6に検出光を照射する投射部と、検出領域SA1〜SA6に配置されたアライメントマークの光学像を取得する顕微鏡及び受光部とを有する。検出器9A〜9F及び検出領域SA1〜SA6は、走査方向と直交する方向、すなわちY軸の方向に配列されている。
次に、制御装置5について説明する。制御装置5は、露光装置EXの動作を制御するとともに、本実施形態に係る露光方法を実行する。制御装置5は、例えば、コンピュータであり、処理部と、記憶部と、入出力部とを有する。処理部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)若しくはハードディスク装置又はこれらを組み合わせたものである。入出力部は、照明システムIS、投影システムPS、干渉計システム6、アライメントシステム9、マスクステージ駆動システム3及び基板ステージ駆動システム4等の機器類と接続するためのインターフェース、入力ポート及び出力ポート等を備えている。処理部は、入出力部を介して露光装置EXの機器類の動作を制御したり、機器類の状態に関する情報又は機器類が検出した検出値等を取得したりする。次に、照明システムISについて詳細に説明する。
<照明システム>
図4は、本実施形態に係る露光装置が備える照明システムの概要を示す模式図である。図5は、本実施形態に係る露光装置が備える照明システムの構造を示す図である。図6は、本実施形態に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータ集合体の側面図である。図7、図8は、図6のX−X断面図である。図9は、本実施形態に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータ集合体の正面図である。図4に示すように、照明システムISは、露光光ELの光源を含む導光装置100と、第1〜第7照明部IL1〜IL7とを有する。第1〜第7照明部IL1〜IL7は、いずれも同様の構造なので、これらを区別する必要がないときには照明部ILという。
導光装置100は、露光光ELの光源としてのレーザ光源101A、101B、101C、101Dと、導光経路としての導光ファイバF11〜F43を有する導光ファイバ群FGと、光分岐装置102A、102B、102C、102Dとを含む。照明部ILは、ロッドインテグレータ集合体20と、レンズ・絞り光学系21とを含む。本実施形態において、導光装置100は、4個のレーザ光源101A、101B、101C、101D及びそれぞれに対応した4個の光分岐装置102A、102B、102C、102Dとを有するが、これらの数は限定されるものではない。
照明部ILは、4個のレーザ光源101A、101B、101C、101Dと、4個の光分岐装置102A、102B、102C、102Dとを含む。本実施形態において、照明システムISは、第1〜第7照明部IL1〜IL7を有するので、照明システムIS全体としては、それぞれ28個のレーザ光源101A、101B、101C、101Dと、28個の光分岐装置102A、102B、102C、102Dと有する。
レーザ光源101A、101B、101C、101D及び光分岐装置102A、102B、102C、102Dを複数備えることにより、照明システムISは、露光対象の基板Pの寸法が大きい場合でも確実に露光することができる。なお、1個の照明部ILが有するレーザ光源101A、101B、101C、101D及び光分岐装置102A、102B、102C、102Dの数は4個に限定されるものではなく、単数でもよいし、5個以上であってもよい。これらの数は、露光対象の寸法によって適宜設定される。
それぞれのレーザ光源101A、101B、101C、101Dからのレーザ光は、それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102D及び光分岐装置102A、102B、102C、102Dにそれぞれ対応した導光ファイバF11〜F13、F21〜F23、F31〜F33、F41〜F43を介してロッドインテグレータ集合体20に照射される。ロッドインテグレータ集合体20を通過したレーザ光は、レンズ・絞り光学系21を通過した後、露光光ELとしてマスクMの表面に照射される。
レーザ光源101A、101B、101C、101Dは、基板Pの露光に必要な波長のレーザ光が得られるものであれば、種類を問わない。例えば、レーザ光源101A、101B、101C、101Dとして、半導体レーザ、固体レーザ又はガスレーザ等、様々な種類のレーザを用いることができる。それぞれのレーザ光源101A、101B、101C、101Dは、いずれも同種かつ同一の仕様なので、以下において、これらを区別する必要がない場合、レーザ光源101という。本実施形態において、レーザ光源101が出射するレーザ光の波長λは355nmであるが、これに限定されるものではない。
導光経路としての導光ファイバF11〜F41、F12〜F42、F13〜F43は、レーザ光源101からのレーザ光が入射する入射部FI、入射部FIから入射したレーザ光を通過させる導光部FP及び導光部FPを通過した前記レーザ光が出射する出射部FEを有する。導光ファイバF11〜F41、F12〜F42、F13〜F43は、いずれも同一の構造である。以下においては、特に断りがない限り導光ファイバF11〜F13を例として説明する。本実施形態において、導光ファイバF11〜F13は、単一の石英導光ファイバであり、NAが0.2、直径が1.2mm、長さが2mである。なお、導光ファイバF11〜F13は、このような仕様のものに限定されない。
それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dは、図5に示すように、コリメートレンズ103と、第1半波長(λ/2)板104と、第1PBS(Polarization Beam Splitter:偏光ビームスプリッター)105と、第2半波長板106と、第2PBS107と、集光レンズ120A、120B、120Cとを含む。それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dは、いずれも同様の構造なので、以下において、これらを区別する必要がない場合、光分岐装置102という。
光分岐装置102は、レーザ光源101からのレーザ光を複数の系統(本実施形態では3系統)に分岐させて、導光ファイバF11、F12、F13の入射部FIへ入射させる。また、光分岐装置102は、レーザ光源101からのレーザ光の分岐比を変更可能である。コリメートレンズ103と、第1半波長板104と、第1PBS105と、第2半波長板106と、第2PBS107とは、いずれもレーザ光源101から出射されるレーザ光の光路AXLに配置される。第1PBS105及び第2PBS107は、プリズム方式又はミラー方式等、方式は問わない。
コリメートレンズ103は、レーザ光源101から出射したレーザ光をコリメートして第1半波長板104に照射する。第1PBS105は、第1半波長板104を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。第1PBS105を透過したレーザ光は第2半波長板106を透過して第2PBS107へ入射する。第2PBS107は、第2半波長板106を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。第1PBS105で反射したレーザ光は、集光レンズ120Aに入射した後、導光ファイバF11(光分岐装置102B、102C、102Dにおいては導光ファイバF21、F31、F41)の入射部FIの入射面FIPに入射する。第2PBS107で反射したレーザ光は、集光レンズ120Bに入射した後、導光ファイバF12(光分岐装置102B、102C、102Dにおいては導光ファイバF22、F32、F42)の入射部FIの入射面FIPに入射する。第2PBS107を透過したレーザ光は、集光レンズ120Cに入射した後、導光ファイバF13(光分岐装置102B、102C、102Dにおいては導光ファイバF23、F33、F43)の入射部FIの入射面FIPに入射する。
このような構造により、光分岐装置102は、レーザ光源101からのレーザ光を3系統に分岐することができる。また、光分岐装置102は、第1半波長板104と第2半波長板106との少なくとも一方の回転角度(レーザ光の光路AXLと直交する平面内における回転角度)を変更することにより、第1PBS105と第2PBS107とにおける透過光と反射光との分岐比を変更することができる。その結果、光分岐装置102は、導光ファイバF11〜F13に入射させるレーザ光の分岐比を変更することができる。
照明部ILは、それぞれの導光ファイバF11〜F13の出射部FEと、マスクMを支持するマスクステージ1との間に設けられて、複数の導光ファイバF11〜F13の出射部FEから出射したレーザ光を、互いに異なる位置で受光してからマスクMに照射する。本実施形態において、レーザ光は、ロッドインテグレータ集合体20に入射してこれを通過した後、レンズ・絞り光学系21に入射してから露光光ELとしてマスクMの表面に照射される。
照明部ILが有するロッドインテグレータ集合体20は、複数のロッドインテグレータLを束ねたものである。このように、複数のロッドインテグレータLを束ねることにより、照明部ILをコンパクトにすることができる。図6〜図8に示すように、ロッドインテグレータ集合体20が有する複数のロッドインテグレータLは、第1ロッドインテグレータL1と第2ロッドインテグレータL2とがある。両者を区別する必要がない場合、ロッドインテグレータLといい、両者を区別する必要がある場合、第1ロッドインテグレータL1、第2ロッドインテグレータL2という。
図6、図7、図8に示すように、第1ロッドインテグレータL1及び第2ロッドインテグレータL2は、いずれも長手方向と直交する断面の形状が四角形であるが、それぞれの形状は異なる。本実施形態において、第1ロッドインテグレータL1は、長手方向と直交する断面において、辺a、b、c、dがそれぞれ5mm、3.825mm、5mm、7.65mmであり、内角θ1、θ2、θ3がそれぞれ112.5度、67.5度、67.5度であり、長さlzは100mmである。第2ロッドインテグレータL2は、長手方向と直交する断面において、辺a、b、c、dがそれぞれ3.825mm、5mm、5mm、3.825mmであり、内角θ4、θ5がそれぞれ90度、135度である。残りの内角は、いずれも67.5度であり、長さlzは100mmである。
第1ロッドインテグレータL1及び第2ロッドインテグレータL2は、材質は石英レンズであり、側面、入射面LI及び出射面LEは光学研磨されている。このような仕様であれば、第1ロッドインテグレータL1及び第2ロッドインテグレータL2の入射面LIに入射した光は、これらの内部を最大3回反射して、出射面LEから出射する。なお、第1ロッドインテグレータL1及び第2ロッドインテグレータL2は、このような仕様のものに限定されない。
本実施形態では、2種類のロッドインテグレータL1、L2を用いるので、ロッドインテグレータ集合体20を設計する際の自由度、ロッドインテグレータL1、L2の数の自由度が大きくなる。このため、ロッドインテグレータ集合体20が有するロッドインテグレータL1、L2の数を1個のレーザ光源101及び光分岐装置102に属する導光ファイバF11〜F13等の数の倍数とすることができる。このようにすれば、複数のレーザ光源101及び光分岐装置102を用いた場合、それぞれの光分岐装置102に属する導光ファイバF11〜F13等の数を複数の光分岐装置102間で同一にすることができる。このようにすれば、後述する通常照明及び変形照明を実現する際に、すべての光分岐装置102の分岐比を同様に変更できるとともに、レーザ光源101の照度の調整も不要になるか最小限の調整で済むという利点がある。
次に、ロッドインテグレータLの光学的な作用について説明する。レーザ光源101から導光ファイバF11〜H44を介して導光された光は、射出方向において、ガウス分布に近い放射強度分布である。本実施形態において、導光ファイバF11〜H44からの照明NAは0.2であり、最大3回程度、ロッドインテグレータL中を全反射して、出口面から出射する。よって、ガウス分布の放射強度形状が反射によって重なり合い、ロッドインテグレータLの出射面LEにおいては照度が均一化される。
図10、図11は、ロッドインテグレータの出射面における照度分布をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。図10は、図7に示す第1ロッドインテグレータL1の評価結果を示し、図11は、図8に示す第2ロッドインテグレータL2の評価結果を示す。両者の仕様は上述した通りである。図10、図11は、第1ロッドインテグレータL1及び第2ロッドインテグレータL2の出射面LEであって、図7、図8に示すX軸上における照度分布を相対値で示してある。図10、図11の縦軸は照度比、横軸はX軸上における位置(X軸方向位置、相対値)である。これらの評価結果から、本実施形態の第1ロッドインテグレータL1及び第2ロッドインテグレータL2は、出射面LEにおいて、照度が均一化されていることが分かる。
次に、図9を用いてロッドインテグレータ集合体20について説明する。図9は、ロッドインテグレータLの長手方向からロッドインテグレータ集合体20の入射面LI又は出射面LEを見た状態を示している。図9に示すように、ロッドインテグレータ集合体20は、8本の第1ロッドインテグレータL1と、4本のロッドインテグレータL2とを束ねてある。すなわち、ロッドインテグレータ集合体20は、計12個のロッドインテグレータLを有している。本実施形態において、ロッドインテグレータ集合体20は、8本の第1ロッドインテグレータL1がロッドインテグレータ集合体20の外側に配置され、その内側に4本の第2ロッドインテグレータL2が束ねられて配置されている。
図9では、説明のために、それぞれのロッドインテグレータLの側面間に隙間を設けているが、実際にはそれぞれのロッドインテグレータLの側面は密接している。ロッドインテグレータL中の光はロッドインテグレータLの壁面で全反射を繰り返しながら、ロッドインテグレータLの出射面LEへ向かって進行する。このため、それぞれのロッドインテグレータLの間には空気層が介在するように複数のロッドインテグレータLが束ねられている。本実施形態において、複数のロッドインテグレータLが束ねられたロッドインテグレータ集合体20の断面は、直径に相当する寸法Dが20mm程度のほぼ八角形となる。ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEは、それぞれのロッドインテグレータLの境界を除き、全面から一様にNA0.2の光を射出する。
ロッドインテグレータ集合体20は、それぞれのロッドインテグレータLの入射面LIに、それぞれの導光ファイバF11〜F13の出射部FE、より具体的には出射部FEの出射面FEPが対向する。このような構造により、それぞれの導光ファイバF11〜F13によってレーザ光源101から導光され、出射部FEの出射面FEPから出射したレーザ光は、それぞれのロッドインテグレータLに入射する。本実施形態において、ロッドインテグレータ集合体20は、4個のレーザ光源101A、101B、101C、101Dからのレーザ光が入射される。したがって、導光ファイバF11〜F13に加え、導光ファイバF21〜F23、導光ファイバF31〜F33、導光ファイバF41〜F43の出射部FE、より具体的には出射部FEの出射面FEPが、それぞれのロッドインテグレータLの入射面LIに対向する。
図9は、ロッドインテグレータ集合体20の入射面LIの中心をXY座標系の原点に合わせて示している。図9に示されているそれぞれのロッドインテグレータLに付された2桁の数字は、それぞれのロッドインテグレータLの入射面LIにレーザ光を出射する導光ファイバF11〜F43に対応する。例えば、[11]は導光ファイバF11がレーザ光を出射するロッドインテグレータLに対応し、[32]は導光ファイバF32がレーザ光を出射するロッドインテグレータLに対応する。
ロッドインテグレータ集合体20は、XY座標系において第2象限に配置されている3本のロッドインテグレータLに光分岐装置102Aからの導光ファイバF11、F12、F13がレーザ光を出射し、第3象限に配置されている3本のロッドインテグレータLに光分岐装置102Bからの導光ファイバF21、F22、F23がレーザ光を出射する。また、XY座標系において第4象限に配置されている3本のロッドインテグレータLに光分岐装置102Cからの導光ファイバF31、F32、F33がレーザ光を出射し、第4象限に配置されている3本のロッドインテグレータLに光分岐装置102Dからの導光ファイバF41、F42、F43がレーザ光を出射する。このように、本実施形態において、ロッドインテグレータ集合体20は、隣接する3本のロッドインテグレータLの入射面LIに、同一のレーザ光源101及び光分岐装置102からのレーザ光の照射を受けて、隣接する3本のロッドインテグレータLにレーザ光が入射される。
ロッドインテグレータ集合体20の中心側に配置される4本の第2ロッドインテグレータL2にレーザ光を出射するのは、導光ファイバF11、F21、F31、F41である。4本の第2ロッドインテグレータL2の外側に配置される8本の第1ロッドインテグレータL1にレーザ光を出射するのは、導光ファイバF12、F13、F22、F23、F32、F33、F42、F43である。照明システムISは、それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dからの導光ファイバF11〜F43の出射部FEを、ロッドインテグレータ集合体20が有する複数のロッドインテグレータLの入射面LIに対向させる。このようにして、照明システムISは、ロッドインテグレータ集合体20の入射面LIの異なる位置に複数の導光ファイバF11〜F43からレーザ光を入射させる。照明システムISは、それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dの分岐比を変更することにより、それぞれのロッドインテグレータLの入射面LIが受光するレーザ光の照度を変更することができる。その結果、照明システムISは、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEにおける照度の分布を変更することができる。
次に、レンズ・絞り光学系21について説明する。図5に示すように、レンズ・絞り光学系21は、第1リレーレンズ22と、第2リレーレンズ23と、フライアイインテグレータ(以下、フライアイ)24と、σ絞り25と、コンデンサレンズ26と、ブラインド27と、ブラインド結像系28とを含む。これらは、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEからマスクステージ1に向かって、この順で配置される。
次に、レンズ・絞り光学系21の仕様の一例を説明する。第1リレーレンズ22は焦点距離が20mm、第2リレーレンズ23は焦点距離が200mmである。フライアイ24は、4mm角の正方形のエレメントが2000個程度集合して構成される。フライアイ24は、焦点距離が20mmである。σ絞り25は、絞りの径が200mmである。コンデンサレンズ26は、焦点距離が250mmである。ブラインド結像系28は、倍率が2倍であり、マスクMの表面に100mm角の照明領域を照射する。マスクMの表面において、照明NA0.2である。このレンズ・絞り光学系21の仕様は一例であり、これに限定されるものではない。
上述したレンズ・絞り光学系21の仕様において、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEから射出した光は、第1リレーレンズ22によってコリメートされ、焦点位置では光の直径が8mm程度の範囲に分布する。この光は、第2リレーレンズ23によって10倍程度に拡大され、フライアイ24の入射面に投影される。ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEとフライアイ24の入射面とは光学的に共役な関係である。フライアイ24の出射面にはフライアイ24のエレメント毎に2次光源像が形成される。2次光源像から生じた光は、コンデンサレンズ26によってブラインド27の表面に矩形の照明領域を形成する。この照明領域は、ブラインド結像系28によって2倍程度に拡大されてマスクMの表面に照射される。その結果、マスクMの表面に、照明領域IR1等(図1参照)が形成される。照明領域IR1等は、フライアイ24の入射面におけるエレメント毎の照度分布が重なり合って平均化されるため、均一化された照度分布が得られる。
照明システムISが有するそれぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dが、いずれも同じ分岐比でレーザ光を分岐させた場合、ロッドインテグレータ集合体20が有するすべてのロッドインテグレータLにレーザ光が同じ照度で入射される。このため、ロッドインテグレータ集合体20は、出射面LE全体が均一な照度分布となる。上述したように、照明システムISは、光分岐装置102A、102B、102C、102Dの分岐比を変更することで、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LE(照明部ILの出射面に相当)における照度分布を変更することができる。そして、出射面LEとフライアイ24の入射面S1とは共役なので、出射面LEの照度分布に応じてフライアイ24の入射面S1も照度分布を変更することができる。これは、フライアイ24の出射面(フライアイ出射面)S2の照度分布を変更することになる。その結果、照明部ILが形成する照明領域の照明条件を変更することができる。その結果、照明システムISは、フライアイ出射面S2全体を均一な照度分布としてマスクMを照明する通常照明のみならず、フライアイ出射面S2全体に照度分布を設けることによりマスクMを照明する変形照明に対しても容易に対応できる。
通常照明を実現する場合、それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dにおいて、3本の導光ファイバF11、F12、F13等の分岐比を1/3:1/3:1/3とする。すなわち、レーザ光源101A等のレーザ光が3本の導光ファイバF11、F12、F13等にそれぞれ1/3ずつ分岐されるので、3本の導光ファイバF11、F12、F13等のそれぞれのエネルギーは、レーザ光源101A等のレーザ光の1/3となる。レーザ光源101のレーザ光のエネルギーをE、光分岐装置102によるレーザ光源101のレーザ光の分岐数をNとすると、分岐後における導光ファイバF11等のエネルギーは、E/Nとなる。すなわち、照明システムISは、同一のレーザ光源101のレーザ光から分岐された後におけるレーザ光のエネルギーの和は、分岐数Nに関わらず、同一のレーザ光源101からのレーザ光のエネルギーに等しくなる。
このようにすることで、照明システムISが有するすべての導光ファイバF11〜F43からロッドインテグレータ集合体20が有するすべてのロッドインテグレータLにレーザ光が入射する。すると、出射面LE全体は、隣接するロッドインテグレータLの間を除いて一様な照度分布となるので、フライアイ24の入射面も全体が一様な照度分布となる。その結果、フライアイ出射面S2、すなわちσ絞り25の全体にわたって2次光源像が形成されるので、マスクMの表面に形成される照明領域は通常照明となる。次に、変形照明の例を説明する。
<変形照明の例>
図12から図15は、本実施形態に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。これらの図は、ロッドインテグレータ集合体20の入射面LIから見た状態を示している。図12に示す例は、輪帯照明と呼ばれる変形照明である。輪体照明は、出射面LEの中央部を消灯し、周辺輪帯部のみからレーザ光を出射させる照明である。輪帯照明を実現する場合、それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dにおいて、3本の導光ファイバF11、F12、F13等の分岐比を0:1/2:1/2とする。すなわち、レーザ光源101A等のレーザ光が3本の導光ファイバF11、F12、F13等のうち2本の導光ファイバF12、F13等にそれぞれ1/2ずつ分岐されるので、2本の導光ファイバF12、F13等のそれぞれの照度は、レーザ光源101A等のレーザ光の1/2となる。
このようにすることで、導光ファイバF12、F13、F22、F23、F32、F33、F42、F43からロッドインテグレータ集合体20の周辺輪帯体部に配置されたそれぞれのロッドインテグレータL(L1)にレーザ光が入射する。すると、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEの周辺輪帯部が一様な照度分布となるので、フライアイ24の入射面も周辺輪帯部において一様な照度分布が得られる。その結果、σ絞り25の周辺輪帯部にわたって2次光源像が形成されるので、マスクMの表面に形成される照明領域は輪帯照明となる。
上述したように、照明システムISは、同一のレーザ光源101のレーザ光から分岐された後におけるレーザ光のエネルギーの和は、分岐数Nに関わらず、同一のレーザ光源101からのレーザ光のエネルギーに等しくなる。したがって、通常照明と輪帯照明とで、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEにおけるエネルギーはほぼ同一に保たれる。その結果、照明システムISは、照明条件(本実施形態では通常照明であるか変形照明であるか)に起因する照度低下を抑制できるので、効率的に露光装置EXを稼動させることができる。また、照明システムISは、光分岐装置102の分岐比を変更するのみで照明条件に起因する照度低下を抑制できるので、簡単な処理で効率的に露光装置EXを稼動させることができる。
図13に示す例は、σ絞り25の径が小さいときに対応した変形照明(以下、小σ絞り照明という)である。小σ絞り照明を実現する場合、それぞれの光分岐装置102A、102B、102C、102Dにおいて、3本の導光ファイバF11、F12、F13等の分岐比を1:0:0とする。このようにすることで、導光ファイバF11、F21、F31、F41からロッドインテグレータ集合体20の中心部に配置されたそれぞれのロッドインテグレータL(L2)にレーザ光が入射する。すると、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEの中心から所定半径の領域であって、ロッドインテグレータ集合体20の直径よりも小さい小円領域が一様な照度分布となるので、フライアイ24の入射面も小円領域において一様な照度分布が得られる。その結果、σ絞り25の中心から小円部にわたって2次光源像が形成されるので、マスクMの表面に形成される照明領域は小σ絞り照明となる。
上述したように、照明システムISは、同一のレーザ光源101のレーザ光から分岐された後におけるレーザ光のエネルギーの和は、分岐数Nに関わらず、同一のレーザ光源101からのレーザ光のエネルギーに等しくなる。したがって、通常照明と小σ絞り照明とで、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEにおけるエネルギーはほぼ同一に保たれる。その結果、照明システムISは、照明条件に起因する照度低下を抑制できるので、効率的に露光装置EXを稼動させることができる。また、照明システムISは、光分岐装置102の分岐比を変更するのみで照明条件に起因する照度低下を抑制できるので、簡単な処理で効率的に露光装置EXを稼動させることができる。
図14は、2極照明の例を示している。2極照明は、XY座標系において、ロッドインテグレータ集合体20の入射面LIに、X軸又はY軸に対して両側の2箇所からレーザ光を入射させて、出射面LEにおいて、X軸又はY軸に対して両側の2箇所からレーザ光を出射させることによって、マスクMの表面に照明領域を形成する照明である。この例では、X軸に対して両側の2箇所から入射面LIにレーザ光を入射させている。
本実施形態において2極照明を実現する場合、光分岐装置102Bにおいて、3本の導光ファイバF21、F22、F23の分岐比を0:0:1とし、光分岐装置102Dにおいて、3本の導光ファイバF41、F42、F43の分岐比を0:0:1とする。また、光分岐装置102A、102Cにおいて、3本の導光ファイバF11、F12、F13等の分岐比を0:0:0とする。このようにすることで、導光ファイバF23、F43からY軸の−側に配置されたロッドインテグレータL(L1)と+側に配置されたロッドインテグレータL(L1)とに、それぞれレーザ光源101B、101Dからのレーザ光が入射する。すると、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEは、X軸の両側からレーザ光を出射する。その結果、マスクMを照明するときの照明条件は2極照明となる。
2極照明を実現する場合、光分岐装置102A、102Cにおいて、3本の導光ファイバF11、F12、F13等の分岐比を0:0:0とする代わりに、光分岐装置102A、102Cに対応するレーザ光源101A、101Cの出力を0にして、これらから出射されるレーザ光の照度を0にしてもよい。このようにすると、照明に寄与しないレーザ光源101の電力消費を0にできるという利点がある。
2極照明を実現する場合、3本の導光ファイバF11、F12、F13等の分岐比を0:0:0とすれば、光分岐装置102A、102Cに対応するレーザ光源101A、101Cの出力を0にする必要はなくなる。この場合、照明に寄与しないレーザ光源101の電力消費を抑制することはできないが、光分岐装置102の分岐比を変更するのみで通常照明及び他の変形照明を実現できるので、照明形式の変更時における応答性に優れるという利点がある。
このように、本実施形態では、光分岐装置102の分岐比と、レーザ光源101が出射するレーザ光の照度との少なくとも一方を変更することにより、マスクMに照射される照明光束の分布、すなわち照明領域における照明条件を変更することができる。
図15は、4極照明の例を示している。4極照明は、XY座標系において、ロッドインテグレータ集合体20の入射面LIに、X軸に対して両側の2箇所及びY軸に対して両側の2箇所の計4箇所からレーザ光を入射させ、出射面LEにおいて、前記4箇所に対応する箇所からレーザ光を出射させることによって、マスクMを照明する照明条件である。
本実施形態において4極照明を実現する場合、光分岐装置102A、102B、102C、102Dにおいて、3本の導光ファイバF11、F12、F13等の分岐比を0:0:1とする。このようにすることで、導光ファイバF13、F23、F33、F43から、X軸に対して両側の2箇所及びY軸に対して両側の2箇所の計4箇所のロッドインテグレータL(L1)に、それぞれレーザ光源101A、101B、101C、101Dからのレーザ光が入射する。すると、ロッドインテグレータ集合体20の出射面LEは、X軸に対して両側の2箇所及びY軸に対して両側の2箇所の計4箇所からレーザ光を出射する。その結果、マスクMの表面に形成される照明条件は4極照明となる。
図16は、ロッドインテグレータ集合体の入射面に対する導光ファイバの配置の変形例を示す正面図である。上述した例は、隣接する3本のロッドインテグレータLに対して、同一のレーザ光源101及び光分岐装置102からの導光ファイバF11、F12、F13等の出射部FEの出射面FEPが対向するように配置した。本実施形態においては、このような配置に限定されるものではなく、同一のレーザ光源101及び光分岐装置102からの導光ファイバF11、F12、F13等を隣接しないロッドインテグレータLに対して配置してもよい。
図16に示すロッドインテグレータ集合体20は、XY座標系の各象限に配置されている、隣接する3本のロッドインテグレータLに対して、異なるレーザ光源101及び光分岐装置102からの導光ファイバF11等の出射部FEの出射面FEPが対向するように配置した。この例では、XY座標系において第2象限に配置されている3本のロッドインテグレータLの入射面LIに導光ファイバF13、F22、F31の出射面FEPが対向するように配置し、第3象限に配置されている3本のロッドインテグレータLの入射面LIに導光ファイバF11、F33、F42の出射面FEPが対向するように配置する。また、第4象限に配置されている3本のロッドインテグレータLの入射面LIに導光ファイバF12、F23、F41の出射面FEPが対向するように配置し、第1象限に配置されている3本のロッドインテグレータLの入射面LIに導光ファイバF21、F32、F43の出射面FEPが対向するように配置する。
このようにすると、ロッドインテグレータ集合体20は、XY座標系のそれぞれの象限に配置されている、隣接する3本のロッドインテグレータLに、異なるレーザ光源101及び光分岐装置102からレーザ光が出射される。例えば、経時変化等によってそれぞれのレーザ光源101A、101B、101C、101Dが出射するレーザ光の照度にばらつきが発生した場合、この例によれば、そのばらつきがロッドインテグレータ集合体20の出射面LE全体に分散される。その結果、レーザ光源101A、101B、101C、101Dが出射するレーザ光のエネルギーにばらつきが発生しても、マスクMの表面に形成される照明領域における照度のばらつきを抑制できる。
隣接する3本のロッドインテグレータLに対して、同一のレーザ光源101及び光分岐装置102からの導光ファイバF11、F12、F13等の出射部FEの出射面FEPが対向するように配置する場合において、レーザ光源101の経時変化の影響を低減する制御を説明する。この場合、それぞれのレーザ光源101の照度を検出する照度計を用い、制御装置5は、前記照度計が検出したそれぞれのレーザ光源101の照度に基づき、すべてのレーザ光源101の照度が同一になるようにレーザ光源101を制御する。このようにすれば、レーザ光源101の経時変化等に起因する照度のばらつきを抑制することができる。図16を用いて説明した配置にこの制御を適用すると、レーザ光源101の経時変化等に起因する照度のばらつきをより効果的に抑制することができる。
上述したロッドインテグレータ集合体20の入射面LIに対する導光ファイバF11〜F43の配置では、通常照明及び変形照明のいずれも、光分岐装置102が分岐比を変更することで対応できる。しかし、ロッドインテグレータ集合体20の入射面LIに対する導光ファイバF11〜F43の配置によっては、レーザ光源101のON/OFFを用いて照明条件を変更してもよいし、レーザ光源101のON/OFFと光分岐装置102による分岐比の変更との両方で照明条件を変更してもよい。
<露光方法>
次に、本実施形態に係る露光方法を説明する。本実施形態に係る露光方法は、マスクMに形成されたパターンをレーザ光で照射し、マスクMと基板Pを支持する基板ステージ2との間に配置された投影光学系PL1〜PL7を介して基板Pに照射して露光する露光方法であって、上述した露光装置EXが実現する。まず、露光装置EXの光分岐装置102は、レーザ光源101からのレーザ光を複数の導光経路としての導光ファイバF11〜F13等に分岐するとともに、分岐したレーザ光の分岐比を変更する分岐比変更工程を実行する。分岐比は、照明条件によって変更される。
次に、露光装置EXは、それぞれの導光ファイバF11〜F13等を通過したレーザ光を、照明部IL、より具体的にはロッドインテグレータ集合体20の異なる位置に入射させるとともに、照明部ILからレーザ光をマスクMに照射する照射工程を実行する。分岐比変更工程において、光分岐装置102は、複数のレーザ光源101A、101B等からのレーザ光をそれぞれ複数の導光ファイバF11〜F13、F21〜F23等に分岐するとともに、分岐したレーザ光の分岐比を、それぞれの導光ファイバF11〜F13、F21〜F23等毎に変更する。また、分岐比変更工程において、露光装置EXは、分岐比と、レーザ光源101が出射するレーザ光のエネルギーとの少なくとも一方を変更することにより、マスクMの表面に形成される照明領域における照明条件を変更する。
本実施形態は、複数のロッドインテグレータ集合体20を用いたが、ロッドインテグレータ集合体20は単数であってもよい。この場合、ロッドインテグレータ集合体20から出射したレーザ光を分岐させる光学系を用いて複数のレンズ・絞り光学系21に導く。ロッドインテグレータ集合体20には、複数のレーザ光源101及び光分岐装置102からレーザ光が導光されるが、ロッドインテグレータ集合体20の数が少なくなれば、その分レーザ光源101及び光分岐装置102の数を低減できるので、コスト低減及び装置のコンパクト化という利点が得られる。
<照明システムの変形例>
図17、図18は、本実施形態の変形例に係る露光装置が備える照明システムの構造を示す図である。図19は、本実施形態の変形例に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータ集合体の側面図である。図20は、本実施形態の変形例に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータの斜視図である。図21は、本実施形態の変形例に係る照明システムの照明装置が有するロッドインテグレータ集合体の正面図である。本変形例の照明システムISaは、次の点が上述した実施形態の照明システムISと異なる。まず、照明システムISaの導光装置100aが有する光分岐装置102Aa、102Ba、102Ca、102Daが、レーザ光源101A〜101Dのレーザ光を4系統又は5系統に分岐させる。また、本変形例は、照明システムISaの照明部ILa(IL1a〜IL7a)が有するロッドインテグレータ集合体20aが、長手方向と直交する平面で切った断面が六角形(正六角形)のロッドインテグレータLaを複数組み合わせて構成される。他の点は、上述した実施形態の照明システムISと同様である。
照明システムISaは、図17に示す光分岐装置102Aaと、図18に示す光分岐装置102Ba、102Ca、102Daとを有する。光分岐装置102Aaは、レーザ光源101Aからのレーザ光を4系統に分岐させる。光分岐装置102Ba、102Ca、102Daは、それぞれ、レーザ光源101B、101C、101Dからのレーザ光を5系統に分岐させる。
図17に示すように、光分岐装置102Aaは、コリメートレンズ103と、第1半波長板104と、第1PBS105と、第2半波長板106と、第2PBS107と、第3半波長板108と、第3PBS109と、集光レンズ120A、120B、120C、120Dとを含む。コリメートレンズ103は、レーザ光源101から出射したレーザ光をコリメートして第1半波長板104に照射する。第1PBS105は、第1半波長板104を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。第1PBS105を透過したレーザ光は第2半波長板106を透過して第2PBS107へ入射する。第2PBS107は、第2半波長板106を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。第2PBS107を透過したレーザ光は第3半波長板108を透過して第3PBS109へ入射する。第3PBS109は、第3半波長板108を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。
第1PBS105で反射したレーザ光は、集光レンズ120Aに入射した後、導光ファイバF11の入射部FIの入射面FIPに入射する。第2PBS107で反射したレーザ光は、集光レンズ120Bに入射した後、導光ファイバF12の入射部FIの入射面FIPに入射する。第3PBS109で反射したレーザ光は、集光レンズ120Cに入射した後、導光ファイバF13の入射部FIの入射面FIPに入射する。第3PBS109を透過したレーザ光は、集光レンズ120Dに入射した後、導光ファイバF14の入射部FIの入射面FIPに入射する。
このような構造により、光分岐装置102Aaは、レーザ光源101Aからのレーザ光を4系統に分岐させることができる。また、光分岐装置102Aaは、第1半波長板104と第2半波長板106と第3半波長板108との少なくとも1個の回転角度(レーザ光の光路AXLと直交する平面内における回転角度)を変更することにより、第1PBS105と第2PBS107と第3PBS109とにおける透過光と反射光との分岐比を変更することができる。その結果、光分岐装置102Aaは、導光ファイバF11〜F14に入射させるレーザ光の分岐比を変更することができる。
図18に示すように、光分岐装置102Ba、102Ca、102Daは、コリメートレンズ103と、第1半波長板104と、第1PBS105と、第2半波長板106と、第2PBS107と、第3半波長板108と、第3PBS109と、第4半波長板110と、第4PBS111と、集光レンズ120A、120B、120C、120D、120Eとを含む。
コリメートレンズ103は、レーザ光源101から出射したレーザ光をコリメートして第1半波長板104に照射する。第1PBS105は、第1半波長板104を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。第1PBS105を透過したレーザ光は第2半波長板106を透過して第2PBS107へ入射する。第2PBS107は、第2半波長板106を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。第2PBS107を透過したレーザ光は第3半波長板108を透過して第3PBS109へ入射する。第3PBS109は、第3半波長板108を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。第3PBS109を透過したレーザ光は第4半波長板110を透過して第4PBS111へ入射する。第4PBS111は、第4半波長板110を透過したレーザ光のP偏光を透過し、S偏光を反射する。
第1PBS105で反射したレーザ光は、集光レンズ120Aに入射した後、導光ファイバF21、F31、F41の入射部FIの入射面FIPに入射する。第2PBS107で反射したレーザ光は、集光レンズ120Bに入射した後、導光ファイバF22、F32、F42の入射部FIの入射面FIPに入射する。第3PBS109で反射したレーザ光は、集光レンズ120Cに入射した後、導光ファイバF23、F33、F43の入射部FIの入射面FIPに入射する。第4PBS111で反射したレーザ光は、集光レンズ120Dに入射した後、導光ファイバF24、F34、F44の入射部FIの入射面FIPに入射する。第4PBS111を透過したレーザ光は、集光レンズ120Eに入射した後、導光ファイバF25、F35、F45の入射部FIの入射面FIPに入射する。
このような構造により、光分岐装置102Ba、102Ca、102Daは、レーザ光源101B、101C、101Dからのレーザ光を5系統に分岐させることができる。また、光分岐装置102Ba、102Ca、102Daは、第1半波長板104と第2半波長板106と第3半波長板108と第4半波長板110との少なくとも1個の回転角度(レーザ光の光路AXLと直交する平面内における回転角度)を変更することにより、第1PBS105と第2PBS107と第3PBS109と第4PBS111とにおける透過光と反射光との分岐比を変更することができる。その結果、光分岐装置102Ba、Ca、Daは、導光ファイバF21〜F45に入射させるレーザ光の分岐比を変更することができる。
次に、図19、図20を用いて、ロッドインテグレータ集合体20aについて説明する。照明システムISaの照明部ILa(IL1a〜IL7a)が有するロッドインテグレータ集合体20aは、図20に示すような長手方向と直交する平面で切った断面が正六角形のロッドインテグレータLを複数本(本変形例では19本)束ねたものである。19本のロッドインテグレータLaは密接し、束ねて固定される。19本のロッドインテグレータLaが束ねられて作られたロッドインテグレータ集合体20aは、直径に相当する寸法が20mm程度である。ロッドインテグレータLaの本数は19本に限定されるものではなく、露光装置EX又は照明システムISaの仕様に応じて適宜変更することができる。
上述した実施形態のロッドインテグレータ集合体20は、2種類のロッドインテグレータL1、L2が必要であったが、本変形例のロッドインテグレータ集合体20aは、1種類のロッドインテグレータLaで作ることができる。このため、ロッドインテグレータLaの共通化を図ることができるので、製造コストの低減及び補修品の在庫管理の簡略化といった利点がある。
ロッドインテグレータLaは、長さが100mmである。また、ロッドインテグレータLaの材質は石英レンズであり、側面、入射面LI及び出射面LEは光学研磨されている。このような仕様であれば、ロッドインテグレータLaに入射面LIから入射した光は、これらの内部を最大3回反射して、出射面LEから射出する。なお、ロッドインテグレータLaは、このような仕様のものに限定されない。
上述したように、照明システムISaは、光分岐装置102Aaがレーザ光源101Aからのレーザ光を4系統の導光ファイバF11〜F14に分岐させ、光分岐装置102Ba、102Ca、102Daがレーザ光源101B、101C、101Dからのレーザ光をそれぞれ5系統の導光ファイバF21〜F25、F31〜F35、F41〜F45に分岐させる。したがって、照明システムは、計19本の導光ファイバF11〜F45を有する。
図19に示すように、照明システムISaが備えるロッドインテグレータ集合体20aは、それぞれのロッドインテグレータLaの入射面LIに、それぞれの導光ファイバF11〜F45の出射部FE、より具体的には出射部FEの出射面FEPが対向する。このような構造により、それぞれの導光ファイバF11〜F45によってレーザ光源101A、101B、101C、101Dから導光され、出射部FEの出射面FEPから出射したレーザ光は、それぞれのロッドインテグレータLaの入射面LIから入射する。それぞれのロッドインテグレータLaを通過したレーザ光は、それぞれの出射面LEから出射した後、レンズ・絞り光学系21に入射する。レンズ・絞り光学系21を通過したレーザ光は、露光光ELとしてマスクMの表面に照射する。
次に、図21を用いてロッドインテグレータ集合体20aが有するそれぞれのロッドインテグレータLaに対する導光ファイバF11〜F45の配置を説明する。図21は、ロッドインテグレータ集合体20aの出射面LEの中心をXY座標系の原点に合わせて示している。図21に示されているそれぞれのロッドインテグレータLaに付された2桁の数字は、それぞれのロッドインテグレータLaの入射面LIにレーザ光を出射する導光ファイバF11〜F45に対応する。
ロッドインテグレータ集合体20aは、点線で囲まれた領域に存在する、隣接した4本又は5本のロッドインテグレータLaに、それぞれの光分岐装置102Aa、102Ba、102Ca、102Daから、導光ファイバF11〜F14、F21〜F25、F31〜F35、F41〜F45を介してレーザ光が導光される。具体的には、XY座標系においてY軸をまたがって第1象限と第2象限との両方に配置されている4本のロッドインテグレータLaには、光分岐装置102Aaからの導光ファイバF11、F12、F13、F14がレーザ光を出射する。X軸をまたがって第2象限と第3象限との両方に配置されている5本のロッドインテグレータLaには、光分岐装置102Baからの導光ファイバF21、F22、F23、F24、F25がレーザ光を出射する。Y軸をまたがって第3象限と第4象限とに配置されている5本のロッドインテグレータLaには、光分岐装置102Caからの導光ファイバF31、F32、F33、F34、F35がレーザ光を出射する。X軸をまたがって第3象限と第4象限とに配置されている5本のロッドインテグレータLaには、光分岐装置102Dからの導光ファイバF41、F42、F43、F44、F45がレーザ光を出射する。
このように、本変形例において、ロッドインテグレータ集合体20aは、隣接する4本又は5本のロッドインテグレータLaの入射面LIに、同一のレーザ光源101A及び光分岐装置102Aa等からのレーザ光の照射を受けて、レーザ光が入射される。本変形例において、それぞれのロッドインテグレータLaに対する導光ファイバF11〜F45の配置はこのようなものには限定されない。例えば、同一のレーザ光源101A及び光分岐装置102Aa等からのレーザ光が入射される複数のロッドインテグレータLaは、少なくとも一部が隣接しないようにしてもよい。この点は、上述した実施形態と同様である。
ロッドインテグレータ集合体20aの中心側に配置される7本のロッドインテグレータLaにレーザ光を出射するのは、導光ファイバF11、F25、F21、F31、F35、F41、F45である。中心側における7本のロッドインテグレータLaの外側に配置される12本のロッドインテグレータLaにレーザ光を出射するのは、導光ファイバF13、F12、F23、F22、F24、F32、F33、F34、F44、F42、F43、F14である。
照明システムISaは、それぞれの光分岐装置102Aa、102Ba、102Ca、102Daの分岐比を変更することにより、それぞれのロッドインテグレータLaの入射面LIが受光するレーザ光のエネルギーを変更することができる。このため、照明システムISaは、ロッドインテグレータ集合体20aの出射面LEにおける照度の分布を変更することができる。したがって、照明システムISaは、照明部ILが形成する照明領域の照明条件を変更することができる。このように、照明システムISaは、上述した実施形態の照明システムISと同様に、通常照明及び変形照明の両方を実現することができる。
通常照明を実現する場合、光分岐装置102Aaは、4本の導光ファイバF11、F12、F13、F14の分岐比を1/4:1/4:1/4:1/4とする。光分岐装置102Ba、102Ca、102Daは、5本の導光ファイバF21〜F25、F31〜F35、F41〜F45の分岐比を、1/5:1/5:1/5:1/5:1/5とする。このようにすることで、照明システムISaが有するすべての導光ファイバF11〜F45からロッドインテグレータ集合体20aが有するすべてのロッドインテグレータLaにレーザ光が入射する。すると、出射面LE全体は、隣接するロッドインテグレータLaの間を除いて一様な照度分布となるので、レンズ・絞り光学系21が有するフライアイ24(図5参照)の入射面も全体が一様な照度分布となる。その結果、σ絞り25の全体にわたって2次光源像が形成されるので、マスクMの表面に形成される照明条件は通常照明となる。次に、変形照明の例を説明する。
<変形照明の例>
図22から図25は、本実施形態の変形例に係る照明システムによって実現できる変形照明の例を示す模式図である。これらの図は、ロッドインテグレータ集合体20aの入射面LIから見た状態を示している。図22は、輪帯照明を示す。輪帯照明を実現する場合、光分岐装置102Aaは、4本の導光ファイバF11、F12、F13、F14の分岐比を0:1/3:1/3:1/3とする。光分岐装置102Baは、5本の導光ファイバF21、F22、F23、F24、F25の分岐比を0:1/3:1/3:1/3:0とする。光分岐装置102Ca、102Daも光分岐装置102Baと同様である。
このようにすることで、導光ファイバF13、F12、F23、F22、F24、F32、F33、F34、F44、F42、F43、F14からロッドインテグレータ集合体20aの周辺輪帯部に配置されたそれぞれのロッドインテグレータLaにレーザ光が入射する。すると、図22に示すように、出射面LEの周辺輪帯部が一様な照度分布となるので、図5に示すフライアイ24の入射面も周辺輪帯部において一様な照度分布が得られる。その結果、図5に示すσ絞り25の周辺輪帯部にわたって2次光源像が形成されるので、マスクMの照明条件は輪帯照明となる。
図23に示す例は、小σ絞り照明である。小σ絞り照明を実現する場合、光分岐装置102Aaは、4本の導光ファイバF11、F12、F13、F14の分岐比を1:0:0:0とする。光分岐装置102Baは、5本の導光ファイバF21、F22、F23、F24、F25の分岐比を、1/2:0:0:0:1/2とする。光分岐装置102Ca、102Daも光分岐装置102Baと同様である。
このようにすることで、導光ファイバF11、F25、F21、F31、F35、F41、F45からロッドインテグレータ集合体20aの中心部に配置されたそれぞれのロッドインテグレータLaにレーザ光が入射する。すると、図23に示すように、出射面LEの中心から所定半径の領域であって、ロッドインテグレータ集合体20aの直径よりも小さい小円領域が一様な照度分布となるので、図5に示すフライアイ24の入射面も小円領域において一様な照度分布が得られる。その結果、図5に示すσ絞り25の中心から小円部にわたって2次光源像が形成されるので、マスクMの表面に形成される照明条件は小σ絞り照明となる。
図24は、2極照明の例を示している。本変形例において2極照明を実現する場合、光分岐装置102Aaにおいて、4本の導光ファイバF11、F12、F13、F14の分岐比を0:1/3:1/3:1/3とし、光分岐装置102Caにおいて、5本の導光ファイバF31、F32、F33、F34、F35の分岐比を0:1/3:1/3:1/3:0とする。また、光分岐装置102Ba、102Daにおいて、5本の導光ファイバの分岐比を0:0:0:0:0とする。なお、光分岐装置102Ba、102Daに対応するレーザ光源102B、102DはOFFにしてもよい。このようにすることで、Y軸の−側に配置されたロッドインテグレータLaと+側に配置されたロッドインテグレータLaとに、導光ファイバF12、F13、F14と導光ファイバF32、F33、F34とからそれぞれレーザ光源101A、101Cからのレーザ光が入射する。すると、ロッドインテグレータ集合体20aの出射面LEは、X軸の両側の位置からレーザ光を出射する。その結果、マスクMの照明条件は2極照明となる。
図25は、4極照明の例を示している。本変形例において4極照明を実現する場合、光分岐装置102Aaにおいて、4本の導光ファイバF11、F12、F13、F14の分岐比を0:0:1:0とし、光分岐装置102Baにおいて、5本の導光ファイバF21、F22、F23、F24、F25の分岐比を0:1:0:0:0とする。光分岐装置102Ca、102Daも光分岐装置102Baと同様である。
このようにすることで、導光ファイバF13、F32からはX軸に対して両側の2箇所のロッドインテグレータLaに、導光ファイバF22、F42からはY軸に対して両側の2箇所のロッドインテグレータLaに、それぞれレーザ光源101A、101C、101B、101Dからのレーザ光が入射する。すると、ロッドインテグレータ集合体20aの出射面LEは、X軸に対して両側の2箇所及びY軸に対して両側の2箇所の計4箇所からレーザ光を出射する。その結果、マスクMの照明条件は4極照明となる。
本変形例において、通常照明又は小σ絞り照明を実現する場合、照明システムISaが有する複数の光分岐装置102Aa、102Ba等の間、具体的には光分岐装置102Aaと光分岐装置102Ba、102Ca、102Daとの間で分岐数(又は分岐比)が異なる。これに起因して、通常照明を実現する場合、光分岐装置102Aaは、レーザ光源101Aからのレーザ光を4本の導光ファイバF11〜F14に等配分で分岐させるので、それぞれの導光ファイバF11〜F14の照度は、レーザ光源101Aからのレーザ光の1/4となる。光分岐装置102Baは、レーザ光源101Bからのレーザ光を5本の導光ファイバF21〜F25に等配分で分岐させるので、それぞれの導光ファイバF21〜F25の照度は、レーザ光源101Bからのレーザ光の1/5となる。光分岐装置102Ca、102Daも、光分岐装置102Baと同様である。
小σ絞り照明を実現する場合、光分岐装置102Aaは、レーザ光源101Aからのレーザ光を1本の導光ファイバF11に導くので、導光ファイバF11の照度は、レーザ光源101Aからのレーザ光に等しくなる。光分岐装置102Baは、レーザ光源101Bからのレーザ光を2本の導光ファイバF21、F25に分岐させるので、それぞれの導光ファイバF21、F25の照度は、レーザ光源101Bからのレーザ光の1/2となる。光分岐装置102Ca、102Daも、光分岐装置102Baと同様である。
このように、レーザ光源101A、101B、101C、101Dのエネルギーが同一であると、通常照明及び小σ絞り照明を実現する場合において、ロッドインテグレータ集合体20aは、光分岐装置102Aからのレーザ光が入射する部分と、光分岐装置102B、102C、102Dからのレーザ光が入射する部分とで照度が異なる可能性がある。これを回避するため、通常照明及び小σ絞り照明を実現する場合、図1等に示す制御装置5は、分岐比を変更するとともに、レーザ光源101Aの照度と、レーザ光源101B、101C、101Dのエネルギーとを調整することが好ましい。
レーザ光源101Aの照度をEa、レーザ光源101B、101C、101DのエネルギーをEb、レーザ光源101Aのレーザ光を分岐させる光分岐装置102Aaの分岐数をNa、レーザ光源101B、101C、101Dのレーザ光を分岐させる光分岐装置102Ba、102Ca、102Daの分岐数をNbとする。分岐数Naは、光分岐装置102Aa、102Ba等がレーザ光を実際に分岐させる数である。例えば、通常照明において、光分岐装置102Aaの分岐数Naは4であり、光分岐装置102Ba、102Ca、102Cbの分岐数Naは5である。また、小σ絞り照明において、光分岐装置102Aaの分岐数Nbは1であり、光分岐装置102Ba、102Ca、102Cbの分岐数Nbは2である。
通常照明及び小σ絞り照明を実現する場合、制御装置5は、Ea/Eb=Na/Nbとなるように、それぞれのレーザ光源101A、101B、101C、101Dの照度及びそれぞれの光分岐装置102Aa、102Ba、102Ca、102Daを制御することが好ましい。すなわち、ロッドインテグレータ集合体20aが有する複数のロッドインテグレータLaのうち、出射面LEからレーザ光を出射しているものについてはそれぞれの出射面LEにおけるエネルギーが同一になるようにする。このようにすれば、通常照明及び小σ絞り照明を実現する場合、ロッドインテグレータ集合体20aは、異なる光分岐装置102Aa、102Ba等からのレーザ光が入射する部分間における照度のばらつきが低減される。その結果、フライアイ出射面S2の照度ムラを低減することができる。
また、Ea/Eb=Na/Nbとなるように、それぞれのレーザ光源101A、101B等の照度及びそれぞれの光分岐装置102Aa、102Ba等を制御することにより、照明条件が変化した場合でも、ロッドインテグレータ集合体20aの出射面LEにおける照度はほぼ同一に保たれる。その結果、照明システムISaは、照明条件に起因する照度低下を抑制できるので、効率的に露光装置EXを稼動させることができる。なお、分岐数Na、Nbが固定である場合、すなわち、光分岐装置102Aa、102Ba等はレーザ光を実際に分岐させる数を変更しない場合、Ea/Eb=Na/Nbとなるようなレーザ光源101A、101B、101C、101Dを予め選択してもよい。
このように、本変形例では、光分岐装置102Aa、102Ba等の分岐比と、レーザ光源101A、101B等が出射するレーザ光の照度との少なくとも一方を変更することにより、マスクMに照射される照明光の分布、すなわち照明領域における照明条件を変更することができる。この場合、第1半波長板104及び第1PBS105等によるレーザ光の減衰を考慮して、レーザ光源101A、101B、101C、101Dのエネルギーを調整することが好ましい。このようにすれば、フライアイ出射面S2の照度ムラをより低減することができる。
レーザ光源101A、101B、101C、101Dのエネルギーを調整する場合、それぞれのレーザ光源101A、101B、101C、101Dのエネルギーを検出する照度計を用いる。制御装置5は、この照度計が検出した照度に基づいてEa/Eb=Na/Nbとなるように、それぞれのレーザ光源101A、101B、101C、101Dの照度及びそれぞれの光分岐装置102Aa、102Ba、102Ca、102Daを制御することが好ましい。このようにすることで、マスクMの表面に形成される照明領域の照度ムラをより確実に低減することができる。
光分岐装置102Aa、102Ba、102Ca、102Daの分岐数がすべて異なる場合の処理例を説明する。レーザ光源101Aの照度をE1、レーザ光源101Bの照度をE2、レーザ光源101Cの照度をE3、レーザ光源101Dの照度をE4とする。また、光分岐装置102Aaの分岐数をN1、光分岐装置102Baの分岐数をN2、光分岐装置102Caの分岐数をN3、光分岐装置102Daの分岐数をN4とする。この場合、制御装置5は、E1/N1=E2/N2=E3/N3=E4/N4となるように、レーザ光源101A、101B、101C、101D及び光分岐装置102Aa、102Ba、102Ca、102Daを制御する。このようにすることで、ロッドインテグレータ集合体20aは、異なる光分岐装置102Aa、102Ba等からのレーザ光が入射する部分間におけるエネルギーのばらつきが低減される。その結果、フライアイ出射面S2の照度ムラを低減することができる。
<デバイス製造方法>
図26は、本実施形態に係るデバイス製造方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係るデバイス製造方法は、半導体デバイス等のデバイスを製造する際に用いられる。本実施形態に係るデバイス製造方法では、まず、デバイスの機能・性能・パターンの設計が行われる(ステップS101)。次に、設計に基づいたマスク(レチクル)が製作される(ステップS102)、次に、デバイスの基材である基板が製造される(ステップS103)。次に、上記実施形態に係る露光方法を用いて、マスクパターンを露光光で基板を露光してマスクパターンを基板に転写する工程と、露光された基板(感光剤)を現像して、転写されたアライメントマークを含むパターンに対応する露光パターン層(現像された感光剤の層)を形成し、この露光パターン層を介して基板を加工する工程とを含む基板処理(露光処理)が実行される(ステップS104)。加工された基板が、ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程等の加工プロセスを含むデバイス組立て工程(ステップS105)及び検査(ステップS106)等を経ることにより、デバイスが製造される。
以上、本実施形態及びその変形例は、レーザ光源からのレーザ光を分岐させ、導光経路を介して照明装置に導き、マスクの表面に照射する。このような構造により、露光光にレーザ光を用いた場合に適した露光装置、露光方法及びデバイス製造方法を実現できる。また、本実施形態及びその変形例は、複数のレーザ光源を用いるので、光源部はほぼ輝点として取り扱うことができる。このため、本実施形態及びその変形例は、レーザ光源の数を増加させるのみで必要な照度を確保することができるので、高圧水銀ランプを光源に用いる場合と比較して、容易に必要な照度を確保することができる。さらに、本実施形態及びその変形例は、導光経路に光ファイバを用いるので導光経路を配置する際の自由度が向上する。その結果、本実施形態及びその変形例は、露光装置を設計する際の自由度が向上する。また、本実施形態及びその変形例は、複数の導光ファイバによってレーザ光源から照明装置へレーザ光を導き、照明装置の部分で導光ファイバを集合させる。このようにすることで、照明装置の部分をコンパクトにすることができる。
また、本実施形態は、レーザ光源を用いた露光装置において、照明条件を変更する場合には、光分岐装置によってレーザ光源からのレーザ光の分岐比を変更し、レーザ光源から出射するレーザ光全体のエネルギーは変化させないようにする。このようにすることで、効率的にレーザ光源のパワーを利用することができるので、照明条件による照度低下を抑制できるので、効率的に露光装置を稼動させることができる。その結果、本実施形態は、露光光にレーザ光を用いて照明条件を切り替える場合に、レーザ光源のパワーを高効率で利用することができる。また、照明条件を変更した場合において、フライアイ出射面の照度ムラを低減することができる。その結果、マスクパターンを照明する照明光束のNA内分布が均一になるので、露光されたマスクパターン像の対称性が適切に保たれる。
また、本実施形態の変形例は、複数のレーザ光源及び複数の光分岐装置を用いた露光装置において、複数の光分岐装置間で分岐数が異なるときに照明条件を変更する場合には、光分岐装置によってレーザ光源からのレーザ光の分岐比を変更するとともに、レーザ光源から出射するレーザ光全体のエネルギーを調整する。その結果、照明条件を変更した場合において、フライアイ出射面の照度ムラを低減することができる。また、複数の光分岐装置間において分岐数の違いは大きくても2程度なので、レーザ光源の照度の調整は比較的少なくて済む。このため、高圧水銀ランプ光源に用いる場合と比較して、レーザ光源の照度の変化は小さくなるので、効率的にレーザ光源のパワーを利用することができる。その結果、照明条件による照度低下を抑制できるので、効率的に露光装置EXを稼動させることができる。また、本変形例は、光分岐装置によってレーザ光源からのレーザ光の分岐比を変更ことにより、効率的にレーザ光源のパワーを利用することができるので、露光光にレーザ光を用いて照明条件を切り替える場合にも、レーザ光源のパワーを高効率で利用することができる。
上述の実施形態の基板としては、ディスプレイデバイス用のガラス基板のみならず、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスク又はレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等を適用することができる。
また、本実施形態は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に記載されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
また、本実施形態は、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基板を保持せずに、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することもできる。
また、露光装置EXの種類としては、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置に限られず、基板に半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、レチクル又はマスク等を製造するための露光装置等にも広く適用できる。
また、上記実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
また、上記実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に記載されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしてもよい。
また、上記実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度及び光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、露光装置EXの組立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組立て工程は、各種サブシステム相互の機械的接続、電気回路の配線接続及び気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組立て工程の前に、各サブシステム個々の組立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置EXの製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態で引用した露光装置等に関するすべての公開公報及び米国特許の記載を援用して本明細書の記載の一部とする。このように、上記実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態及び運用技術等は、すべて本発明の範囲に含まれる。
1 マスクステージ
2 基板ステージ
5 制御装置
6 干渉計システム
7 第1検出システム
8 第2検出システム
9 アライメントシステム
10 ベースプレート
15 マスク保持部
16 基板保持部
20、20a ロッドインテグレータ集合体
21 レンズ・絞り光学系
22 第1リレーレンズ
31 反射屈折型光学系
23 第2リレーレンズ
32 反射屈折型光学系
24 フライアイ(フライアイインテグレータ)
25 σ絞り
26 コンデンサレンズ
27 ブラインド
28 ブラインド結像系
30 結像特性調整装置
100、100a 導光装置
101、101A、101B、101C、101D レーザ光源
102、102A、102B、102C、102D、102Aa、102Ba、102Ca、102Da 光分岐装置
103 コリメートレンズ
104 第1半波長板
105 第1PBS
106 第2半波長板
107 第2PBS
108 第3半波長板
109 第3PBS
110 第4半波長板
111 第4PBS
120A、120B、120C、120D、120E 集光レンズ
EL 露光光
EX 露光装置
F11〜F45 導光ファイバ
FE 出射部
FEP、LE 出射面
FG 導光ファイバ群
FI 入射部
FIP、LI 入射面
FP 導光部
IL、ILa 照明部
IL1〜IL7 第1〜第7照明部
IR1〜IR7 照明領域
IS、ISa 照明システム
L、L1、L2、La ロッドインテグレータ
M マスク
P 基板
PL1〜PL7 第1〜第7投影光学系
PS 投影システム

Claims (10)

  1. 所定のパターンが形成されたマスクを支持するマスクステージを有し、前記マスクに露光光としてレーザ光を照射する露光装置であって、
    入射したレーザ光を出射させる複数の導光経路と、
    それぞれの前記導光経路が前記レーザ光を出射する部分と前記マスクステージとの間に設けられて、前記複数の導光経路から出射した前記レーザ光を互いに異なる位置で受光してから前記マスクに照射する照明部と、
    前記レーザ光を複数に分岐させてからそれぞれの前記導光経路に入射させ、かつ前記レーザ光の分岐比を変更することにより、少なくとも前記照明部の出射面における照度分布を変更可能な光分岐装置と、
    を含むことを特徴とする露光装置。
  2. 前記光分岐装置を複数備える、請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記照明部は、複数のロッドインテグレータを束ねたロッドインテグレータ集合体を有し、それぞれのロッドインテグレータの入射面に、それぞれの前記導光経路の出射部が対向する、請求項2に記載の露光装置。
  4. それぞれの前記ロッドインテグレータは、長手方向と直交する断面の形状が四角形である、請求項3に記載の露光装置。
  5. それぞれの前記ロッドインテグレータは、長手方向と直交する断面の形状が六角形である、請求項3に記載の露光装置。
  6. 前記光分岐装置の分岐比と、前記レーザ光のエネルギーとの少なくとも一方を変更することにより、前記マスクに照射される前記レーザ光の照度の分布を変更する、請求項2から5のいずれか1項に記載の露光装置。
  7. マスクに形成されたパターンをレーザ光で照射し、前記マスクと基板を支持する基板ステージとの間に配置された投影光学系を介して前記基板に照射して露光する露光方法において、
    レーザ光を複数の導光経路に分岐し、かつ分岐した前記レーザ光の分岐比を変更する分岐比変更工程と、
    それぞれの前記導光経路を通過した前記レーザ光を、それぞれの前記導光経路が前記レーザ光を出射する部分と前記マスクとの間に設けられる照明部の互いに異なる位置に入射させて、前記照明部から前記レーザ光を前記マスクに照射する照射工程と、を含み、
    前記分岐比変更工程は、前記分岐比を変更することにより、少なくとも前記照明部の出射面における照度分布を変更することを特徴とする露光方法。
  8. 前記分岐比変更工程においては、
    複数のレーザ光をそれぞれ前記複数の導光経路に分岐し、分岐した前記レーザ光の分岐比を、それぞれの前記導光経路毎に変更する、請求項7に記載の露光方法。
  9. 前記分岐比変更工程においては、
    前記分岐比と、前記複数の導光経路に入射するレーザ光のエネルギーとの少なくとも一方を変更することにより、前記マスクに照射される前記レーザ光の照度分布を変更する、請求項8に記載の露光方法。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載の露光方法を用いて前記基板を露光する工程と、
    露光された前記基板を現像して、転写された前記パターンに対応する露光パターン層を形成する工程と、
    前記露光パターン層を介して前記基板を加工する工程と、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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