JP2013200514A - 偏光レンズの製造方法、偏光レンズ、防眩製品および防護製品 - Google Patents

偏光レンズの製造方法、偏光レンズ、防眩製品および防護製品 Download PDF

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Abstract

【課題】インサートモールド射出成形によって得られる偏光レンズの曲率半径が、射出成形工程後の加熱工程により小さくなるのを防ぐことができ、視認性が良好な偏光レンズの製造方法を提供する。
【解決手段】偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂層1および2を設けた偏光板を、凸面側が該熱可塑性樹脂層1となり、凹面側が該熱可塑性樹脂層2となるように、曲面状に熱曲げ成形する成形工程と、該偏光板の凹面側に射出樹脂を射出する射出成形工程と、該射出成形物化学線硬化樹脂組成物を塗布し、化学線を照射し、偏光レンズを得る化学線照射工程と、を有し、該熱可塑性樹脂1の荷重たわみ温度、該射出樹脂の荷重たわみ温度、該化学線照射工程の熱可塑性樹脂層1側の表面温度に基づき偏光レンズを製造する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光レンズの製造方法、偏光レンズ、防眩製品および防護製品に関する。
偏光性薄膜に熱可塑性樹脂シートまたはフィルムを積層した偏光板は、液晶表示用の他、優れた防眩性を発揮することから、サングラスやゴーグルなどの防眩製品に用いられている。サングラスやゴーグルなどに用いられるプラスチック偏光レンズには透過率や偏光度などの光学特性の他に、成形の容易さより熱可塑性樹脂が好んで用いられている。
熱可塑性樹脂シートを用いた偏光板において1.5mm程度の比較的厚みのあるものは球面曲げを行った後そのまま偏光レンズに加工されている。(例えば、参考文献1参照)
この方法で作製された偏光レンズは、屈折率および球面曲げ後の凸面と凹面の曲率半径の違いにより意図しないわずかな度数が発生してしまい、サングラス用レンズとしては実用上好ましくないためレンズの曲率半径に制約を受ける場合があった。
上記問題を解決するため、最近では偏光板を球面成形させた後、その凹面にインサートモールド射出成形により樹脂を射出することによって凸面と凹面の曲率半径を光学的に制御し度数を抑制する方法が用いられている。(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、一般的にインサートモールド射出成形を行ったのちに表面処理を行う工程があり、この工程内でレンズを加熱することがある。この加熱によって射出成形型の形状よりも曲率半径が小さくなる現象が起こり、製品の設計によって、例えば両眼一体型レンズを用いたサングラスやゴーグル、バイザーなどでは、設計よりも顔の正面に対し目の位置で斜めにレンズが配されるため、視認性が低下することとなる。
またインサートモールド射出成形を行った後に表面処理を行う工程ではレンズを紫外線照射や電子線照射する工程も含まれることがあり、事実上レンズに熱が与えられる場合もある。その工程でも加熱時と同様に曲率半径が小さくなる現象が起こり、同様の原因により視認性が低下することとなる。
従来は曲率半径が小さくなり、視認性が低下する現象を回避するためには、射出型の再設計が必要となるが、この場合同形状のインサートモールド射出成形されずに製造される非偏光レンズを同様の型で作製することができなくなるため、射出型を2種類作製しなければならないことからコストアップとなり、また金型の交換も必要となるため作業が煩雑となる問題があった。
特開平03−039903号公報 特開2007−293030号公報
本発明は、上記問題に顧みてなされたものであり、インサートモールド射出成形によって得られる偏光レンズの曲率半径が、射出成形工程後の加熱工程により小さくなるのを防ぐことができ、視認性が良好な偏光レンズの製造方法を提供することである。
このような目的は、以下の[1]〜[9]により達成される。
[1] 偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂層(1)および(2)を設けた偏光板を、凸面側が該熱可塑性樹脂層(1)となり、凹面側が該熱可塑性樹脂層(2)となるように、曲面状に熱曲げ成形し、偏光板の曲面成形物を得る熱曲げ成形工程と、
該偏光板の曲面成形物の凹面側に、射出樹脂を射出する射出成形により、該偏光板の曲面成形物の凹面側に該射出樹脂層を形成させて、射出成形物を得る射出成形工程と、
該射出成形物に化学線硬化樹脂組成物を塗布し、化学線を照射し、偏光レンズを得る化学線照射工程と、を有し、
該熱可塑性樹脂(1)の荷重たわみ温度a(℃)、該射出樹脂の荷重たわみ温度b(℃)、該化学線照射工程の熱可塑性樹脂層(1)側の表面温度c(℃)が、以下の式(i)(ii)(iii)を満たす偏光レンズの製造方法。
a−10≦c≦a+60 (i)
c≦b+10 (ii)
a≦b (iii)
[2] 前記化学線照射工程での熱可塑性樹脂層(1)側の表面温度cが、40℃以上200℃以下であることを特徴とする[1]に記載の偏光レンズの製造方法。
[3] 前記熱可塑性樹脂(1)および前記熱可塑性樹脂(2)および前記射出樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂、またはこれらの混合物や共重合体である[1]または[2]に記載の偏光レンズの製造方法。
[4] 前記熱可塑性樹脂層(1)および前記熱可塑性樹脂層(2)の厚みが、0.01mm以上1.5mm以下である[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法。
[5] 前記射出樹脂層の厚みが、0.025mm以上1.95mm以下である[1]ないし[4]のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法。
[6] 前記偏光レンズの最小厚みが、0.3mm以上3mm以下である[1]ないし[5]のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法。
[7] 前記偏光板の厚みが、0.05mm以上1.8mm以下である[1]ないし[6]のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法。
[8] 前記[1]から[7]のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法によって製造される偏光レンズ。
[9] 前記[8]に記載の偏光レンズを用いて製造される防眩製品または防護製品。
本発明によれば、偏光板を曲面状に熱曲げ成形したのちに射出成形を行うことによって得られる偏光レンズの製造方法において、特定の荷重たわみ温度を有する熱可塑性樹脂層を用い、射出成形後に特定の加熱を行うことによって、射出成形工程後の化学線照射工程により曲率半径が小さくなるのを防ぐことが可能であり、視認性が良好な偏光レンズの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施例である偏光レンズの断面図である。 視認性の評価の構成を示す図である。
本発明は、偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂層(1)および(2)を設けた偏光板を、凸面側が該熱可塑性樹脂層(1)となり、凹面側が該熱可塑性樹脂層(2)となるように、曲面状に熱曲げ成形し、偏光板の曲面成形物を得る熱曲げ成形工程と、
該偏光板の曲面成形物の凹面側に、射出樹脂を射出する射出成形により、該偏光板の曲面成形物の凹面側に該射出樹脂層を形成させて、射出成形物を得る射出成形工程と、
該射出成形物に化学線硬化樹脂組成物を塗布し、化学線を照射し、偏光レンズを得る化学線照射工程と、を有し、
該熱可塑性樹脂(1)の荷重たわみ温度a(℃)、該射出樹脂の荷重たわみ温度b(℃)、該化学線照射工程の熱可塑性樹脂層(1)側の表面温度c(℃)が、以下の式(i)
(ii)(iii)を満たす偏光レンズの製造方法。
a−10≦c≦a+60 (i)
c≦b+10 (ii)
a≦b (iii)
本発明により得られる偏光レンズを、図1を参照して説明する。
図1は、偏光性薄膜3の両面に熱可塑性樹脂(1)および熱可塑性樹脂(2)を設けた偏光板を、凸面側が該熱可塑性樹脂(1)となり、凹面側が該熱可塑性樹脂(2)となるように、曲面状に熱曲げ成形し、偏光板の曲面成形物を得る熱曲げ成形工程と、
該偏光板の曲面成形物の凹面側に、射出樹脂(4)を射出する射出成形により、該偏光板の曲面成形物の凹面側に該射出樹脂層を形成させて、射出成形物を得る射出成形工程と、
該射出成形物に化学線硬化樹脂組成物を塗布し、化学線を照射し、偏光レンズを得る化学線照射工程と、を有する偏光レンズの断面図である。
本発明で行う熱曲げ成形工程において、曲面状に熱曲げ成形される偏光板は、偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂層(1)および(2)を設けた偏光板である。
偏光性薄膜としては、例えば、ポリビニルアルコールなどの高分子フィルムをヨウ素や二色性染料などの二色性色素を溶解させた水溶液中にて染色、ホウ酸処理、一軸延伸を施すことによって得られるものが挙げられる。偏光性薄膜は、偏光度が好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上であり、さらには熱曲げ成形工程、射出成形工程、化学線照射工程での加熱により極端な変色、クラックが起こらない程度の耐熱性を有することが好ましい。
熱可塑性樹脂層(1)に係る熱可塑性樹脂(1)および熱可塑性樹脂層(2)に係る熱可塑性樹脂(2)としては、透明性の高い樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース系樹脂、またはこれらの混合物や共重合体が挙げられる。好ましくは、耐衝撃性に優れる、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、またはこれらの混合物、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂のいずれかである。
熱可塑性樹脂層(1)に係る熱可塑性樹脂(1)および熱可塑性樹脂層(2)に係る熱可塑性樹脂(2)は、同じであっても、異なっていてもよい。
さらには、ポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合物をいずれかの樹脂層に用いることにより、荷重たわみ温度を分子量や混合比率で制御を行うことが容易となる。
凸面に配される熱可塑性樹脂(1)は、偏光性薄膜と同方向に延伸された前記に代表される熱可塑性樹脂を用いたフィルム、環状ポリオレフィン樹脂やセルロース系樹脂などに代表される極力歪みを少ない樹脂を用いたシートまたはこれらのフィルムやシートを貼り合わせた積層フィルムや積層シートなどの光学歪みを制御したものを用いることが好ましい。
また、偏光板の曲面の内側に配される熱可塑性樹脂と射出樹脂とは、射出時の密着性を考慮して選ばれる。
熱可塑性樹脂層(1)に係る熱可塑性樹脂(1)および熱可塑性樹脂層(2)に係る熱可塑性樹脂(2)の荷重たわみ温度は、特に制限されないが、好ましくは30℃以上190℃以下、特に好ましくは40℃以上150℃以下である。
荷重たわみ温度は測定方法、条件により値が異なるが、本発明内での荷重たわみ温度については後述するJIS K 7191−2「荷重たわみ温度の求め方−第2部:プラスチック及びエボナイト」に記載のフラットワイズ法におけるA法にて測定した値を指す。
凸面に配される熱可塑性樹脂(1)は、易成形性や化学線照射工程での収縮性の観点から厚みが0.01mm以上1.5mm以下であることが好ましい。特に好ましくは0.025mm以上0.8mm以下である。
偏光板は、偏光性薄膜の両面に、熱可塑性樹脂層(1)および(2)が設けられているものであれば、どのようにして作製されたかは、制限されない。例えば、偏光板は、偏光性薄膜の両面に、シート状の熱可塑性樹脂層(1)に係る熱可塑性樹脂(1)および熱可塑性樹脂層(2)に係る熱可塑性樹脂(2)を、例えばアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤などの接着剤で接着して得られる。
熱曲げ成形工程では、偏光板を曲面状に熱曲げ成形する。このとき、凸面側が該熱可塑性樹脂層(1)となり、凹面側が該熱可塑性樹脂層(2)となるように、偏光板を曲面状に熱曲げ成形する。
熱曲げ成形工程の成形条件は、成形方法による影響も大きいことから温度は特に制限されないが好ましくは熱可塑性樹脂層(1)および(2)のうち、高い値を示す荷重たわみ温度よりも30℃低い温度以上、かつ30℃高い温度以下であることが好ましい。また、熱曲げ成形工程では、得られる偏光板の曲面成形物の形状が、レンズとして使用する際の水平方向の断面形状が円弧状または楕円弧状となるように成形する。
そして、熱曲げ成形工程を行うことにより、偏光板の曲面体成形物を得る。
本発明の曲面状に熱曲げ成形を行う工程は、例えば、金型への真空吸引、雄型と雌型によるプレス、圧空などの方法、または、雄型と雌型によるプレスを行った後に真空吸引を行うなど、これらを組み合わせた方法などが挙げられる。
本発明で行う射出成形工程において、射出成形される射出樹脂は、射出成形が可能な樹脂であり、熱可塑性樹脂である。射出樹脂としては、透明性の高い樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース系樹脂、またはこれらの混合物や共重合体が挙げられる。好ましくは、耐衝撃性に優れる、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、またはこれらの混合物、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂である。
さらには、ポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合物をいずれかの樹脂層に用いることにより、荷重たわみ温度を分子量や混合比率で制御を行うことが容易となる。
また、偏光板の凹面側に配される熱可塑性樹脂(2)と射出樹脂とは、射出時の密着性を考慮して選ばれる。
射出樹脂の荷重たわみ温度は、特に制限されないが、好ましくは40℃以上170℃以下、特に好ましくは90℃以上150℃以下である。
そして本発明では、偏光レンズの凸面側に配される熱可塑性樹脂(1)は、射出樹脂よりも、荷重たわみ温度が低い樹脂であることが必要である。
このような樹脂を用いることにより、射出樹脂の収縮を制御することが可能となる。
そのため、本発明では、a≦bとなるような、熱可塑性樹脂層(1)に係る熱可塑性樹脂(1)と射出樹脂との組み合わせを選択する。
射出成形工程では、偏光板の曲面成形物の凹面側に、射出樹脂を射出する射出成形により、偏光板の曲面成形物の凹面側に射出樹脂層を形成させて、射出成形物を得る。更に具体的には、射出成形用金型内に、偏光板の曲面成形物を設置し、次いで、溶融させた射出樹脂を射出注入することにより、偏光板の曲面成形物の凹面側に射出樹脂層を形成させる。
射出成形工程において、射出成形を行う際の射出成形用金型温度は、熱可塑性樹脂層(1)に係る熱可塑性樹脂(1)および熱可塑性樹脂層(2)に係る熱可塑性樹脂(2)の荷重たわみ温度よりも50℃高い温度以下で、射出樹脂の溶融温度は、少なくとも射出樹
脂の荷重たわみ温度b(℃)よりも高い温度であり、射出樹脂の荷重たわみ温度b(℃)よりも100℃以上高い温度が好ましい。
そして、射出成形工程を行うことにより、偏光板の曲面体成形物の凹面側に射出樹脂層が形成されている射出成形物(曲面体)を得る。
本発明の射出成形工程は、例えば、熱曲げ成形工程で得られた曲面体成形物を、レンズ形状の金型内に挿入し、曲面体成形物の凹面側に溶融させた射出樹脂を注入することにより行うことができる。
射出圧力、射出温度、金型温度など射出条件は射出歪みの残留応力に影響することから、極力条件のばらつきが起こらないように条件を固定して行うことが望ましい。
熱可塑性樹脂シートの紫外線硬化型樹脂組成物の硬化層を設ける工程としては、熱可塑性樹脂シートの表面に樹脂組成物をコートして表面塗膜となる硬化層を設ける方法や、転写法、プレス法、ラミネーター法が挙げられる。特に紫外線硬化型樹脂組成物をコートし表面塗膜となる硬化層を設ける方法には浸漬法、フローコート法、カーテンコート法、スプレーコート法などが挙げられる。十分な密着性が得られやすく、表面コート膜厚が均一になるように紫外線硬化型樹脂組成物をコートした後に硬化させて表面塗膜となる硬化層を設ける方法が好ましい。
熱可塑性樹脂シート上に樹脂組成物を上記方法などにより塗布した後の硬化方法は、紫外線照射または電子線照射する方法が好ましい。
そして紫外線照射による場合は紫外線によって重合や硬化が進行するように樹脂組成中に光重合開始剤などの添加剤を入れることが好ましい。またそれ以外にもハードコート性、防曇性、易染色性、易印刷性、耐光性、耐薬品性、フォトクロミック性などの機能を付与するために添加材を含むことができる。
なお、溶剤を含む樹脂組成物を使用する場合は、硬化工程の前に熱可塑性樹脂シートおよび塗布された樹脂組成物の温度を上げ、充分に溶剤を蒸発させる工程を経ることが好ましい。また樹脂組成物の硬化に電子線照射装置を用いることもできる。このとき電子線は紫外線よりもエネルギーが高く、光重合開始剤の存在なしに重合開始種(ラジカル種)を発生でき、樹脂組成物の硬化が起こるため、光重合開始剤の添加はなくてもよい。
本発明で行う化学線照射工程においては、紫外線照射または電子線照射により熱可塑性樹脂層(1)の表面温度c(℃)が荷重たわみ温度a(℃)より10℃低い温度以上、a(℃)より50℃高い温度以下であり、且つ、射出樹脂の荷重たわみ温度b(℃)よりも10℃高い温度以下であることが必要である。つまり、a−10≦c≦a+60とc≦b+10を両方満たす温度範囲で、射出成形物に紫外線または電子線照射を行う。
また、本発明では、化学線照射工程を行い得られる偏光レンズの最小厚みが、0.3mm以上3mm以下である場合に高い効果が得られる。さらに好ましくは、1mm以上2.5mm以下である。熱可塑性樹脂製偏光レンズの厚みが薄い場合、a≦bとならない射出樹脂を使用すると、特に曲率半径が小さくなる方向に変形しやすい。これは射出樹脂の厚みが小さくなると、射出樹脂の歪みが大きくなるため、射出成形工程時の熱による収縮が発生しやすくなるためである。これに対し、射出樹脂厚みの薄い部分が存在する偏光熱可塑性樹脂レンズであっても、a≦bとなる射出樹脂を使用することにより、加熱工程の加熱により曲率半径が小さくなるのを防ぐことができるため、本発明は、厚みの薄い熱可塑性樹脂レンズの製造に特に好ましい製造方法である。
さらに、偏光板の厚みを薄くしたほうが、化学線照射工程の加熱時に射出成形時に発生する射出樹脂の残留歪みの影響を受けづらく曲率半径の制御を行うことが容易となる。そのため、偏光板の厚みが、0.005mm以上が好ましく、さらに0.1mm以上0.8mm以下である場合に高い効果が得られる。
荷重たわみ温度は、JIS K 7191−2の「荷重たわみ温度の求め方−第2部:プラスチック及びエボナイト」に記載のフラットワイズ法におけるA法にて測定される。
本発明の製造方法によって得られる偏光レンズは、サングラス、ゴーグル、眼鏡などに代表される防眩製品、および、ヘルメットシールド、防護面、水中眼鏡、防毒マスク用透視板、オートバイ用風防、自動車のサンルーフ、船舶の窓板、各種監視カメラ用カバーなどに代表される防護製品に用いられる。
[実施例1]
<熱可塑性樹脂層(1)および(2)となるフィルムの作製>
ポリカーボネート樹脂Z(ユーピロンE−2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)を80重量部と、ポリエステル樹脂B(スカイグリーンJ−2003、SKケミカル社製)を20重量部とをミキサーで混合した樹脂をベント式単軸押出機により0.5mmのシートに成形した後に1.9倍一軸延伸して0.35mmの熱可塑性樹脂層(1)Aを得た。またポリカーボネート樹脂Zを同様にベント式単軸押出機により成形を行い延伸し、0.35mmの熱可塑性樹脂層(2)Zを得た。
<荷重たわみ温度測定用試験片の作製>
ポリカーボネート樹脂Z(ユーピロンE−2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)を80重量部と、ポリエステル樹脂B(スカイグリーンJ−2003、SKケミカル社製)を20重量部とをミキサーで混合した樹脂をベント式単軸押出機により得られた6.1mmのシートを1.9倍に一軸延伸して4.0mmの試験片を得た。
<荷重たわみ温度a(℃)の測定>
上記にて得られた試験片を長さ80mm×幅10mm×厚み4mmにカットした上でテスター産業社製HDTテスターを用いてJIS K 7191−2に記載の方法「フラットワイズ法におけるA法」を用い、荷重たわみ温度を測定した。測定条件は荷重:1.8Mpa、昇温速度120℃/時間、測定温度を25℃から昇温させ、規定のたわみ0.34mmが発生するまで昇温を続けた。同様の測定を2回行い、それらの平均値を試験片の荷重たわみ温度とした。試験片の荷重たわみ温度は117.9℃であった。
<偏光板の作製>
ポリビニルアルコールフィルム(クラレビニロン#7500、クラレ社製)を水槽中で延伸しながら、C.I.ダイレクトブラック17を溶解した水溶液にて染色した後にホウ酸溶液中に浸漬処理し、さらに水洗、乾燥処理を行うことで得られた偏光性薄膜の両面に、一液型湿気硬化型ポリウレタン系接着剤を塗布した後に、得られた熱可塑性樹脂層(1)Aおよび熱可塑性樹脂層(2)Zをそれぞれ片面ずつ貼り合わせ、0.8mmの偏光板Aを得た。
<曲面体成形物の作製:熱曲げ成形工程>
得られた偏光板Aを吸収軸方向(偏光性薄膜の延伸方向)に180mm、偏光軸方向(偏光性薄膜の延伸方向と垂直な方向)に90mmの長方形に打ち抜いた後、70℃にて12時間予備乾燥し、金型温度130℃、曲率半径83mmの球面形状のプレス成形型を用いプレス成形を行うことによって球面形状を賦形させ曲面体成形物Aを得た。
<曲面体の作製:射出成形工程>
得られた曲面体成形物Aを、曲率半径83mm、中心部のキャビティ間隙2.0mm、中心部から円周上に70mmの位置のキャビティ間隙が1.5mmのレンズ金型を取り付けた射出成形機に挿入し、その凹面側に射出樹脂としてポリカーボネート樹脂Y(ユーピロンH−3000N、三菱エンンジニアプラスチック社製)を用いて、金型温度100℃、射出樹脂温度300℃の条件で射出一体化し曲面体Aを製作した。
射出樹脂の荷重たわみ温度b(℃)は131.2℃であり、測定は上記荷重たわみ温度
の測定法で行った。
得られた曲面体Aの吸収軸方向の曲率半径は80mmであった。
<紫外線硬化型樹脂の調製>
ウレタンアクリレートモノマー(ダイセルサイテック社製、EBECRYL2000)225g、ウレタンアクリレートオリゴマー(第一工業製薬社製、GX8644D)225g、ウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセルサイテック社製、EBECRYL5129)、315g、アクリレートモノマー(新中村化学社製、NKエステルA−TMMT)135g、を混合させ、混合物を得た。
この混合物に溶剤として2−プロパノール225g、1−メトキシ−2−プロパノール1558gを使用、重合開始剤(ランベルティ社製、KIP100F)63g 、レベリ
ング剤(共栄社製、G410)を16g、増粘剤(山一化学社製、Z482)225gを混合させ曲面体に表面塗布する紫外線硬化型樹脂組成物1を調製した。
<化学線照射工程>
曲面体Aの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−120を貼りつけた。紫外線硬化型樹脂組成物を入れた容器に曲面体Aを浸漬させ、1mm/minの速度で曲面体Aを引き上げ、均一に曲面体Aに紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、曲面体AAを得た。
その後に曲面体AAを50℃に保ったオーブン内に10分間放置、乾燥させた。乾燥後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)にて紫外線積算照射量900mJ/cmの紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂組成物を硬化させ、偏光レンズAAを得た。
このときサーモラベルは120℃を示していたため偏光レンズAAにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に120℃に達していた。
この偏光レンズAAを1時間室温に放置した後、再び吸収軸方向の曲率半径を測定したところ88mmであった。視認性の評価は「○」であった。
<視認性の評価>
図2に示したように、加熱工程後の偏光レンズAA(5)を吸収軸方向(9)が水平に、かつ偏光軸方向が垂直に、かつ観察物とレンズ表面が垂直になるような位置に置き、レンズの水平方向に対して10m離れた場所に観察物(7)を置き、偏光レンズの凹面側にレンズ中心(8)より吸収軸方向に3cm平行移動させて三脚にて固定した倍率30倍の単眼鏡(6)で観察物(7)を観察した。
上記作製した曲面体A(化学線照射工程前)を同様の方法にて観察した場合の見え方を基準とした比較評価を行ったところ、基準よりも偏光レンズAAは、観察物(7)が明瞭に見え、視認性は良好であった。
以下の実施例2〜6および比較例1〜5においても上記と同様の方法にて視認性の評価を行った。基準は該当実施例、該当比較例における化学線照射工程前の曲面体の観察物(7)の見え方とした。評価結果は偏光レンズを用いた場合の観察物(7)が基準よりも明瞭に見え、視認性が良好であるものを「○」、基準と見え方が同等程度であるものを「△」、基準よりも不明瞭で視認性が劣るものを「×」とし結果を表1、および表2に示した。
[実施例2]
実施例1と同様の方法を用いて作製した曲面体AAを用いた。(曲面体AAの吸収軸方向の曲率半径は80mm)。
曲面体AAの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−110を貼りつけた。紫外線積算照射量を600mJ/cmにしたこと以外は実施例1と同様の方法を用い、曲面体に均一に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、硬化した偏光レンズABを得た。このときサーモラベルは110℃を示していたため偏光レンズEにおける熱
可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に110℃に達していた。この偏光レンズABを1時間室温に放置した後、再び吸収軸方向の曲率半径を測定したところ86mmであった。視認性の評価は「○」であった。
[実施例3]
実施例1と同様の方法を用いて作製した曲面体AAを用いた。(曲面体AAの吸収軸方向の曲率半径は80mm)。
曲面体AAの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−130を貼りつけた。紫外線積算照射量を1200mJ/cmにしたこと以外は実施例2と同様の方法を用い、曲面体に均一に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、硬化した偏光レンズACを得た。このときサーモラベルは140℃を示していたため偏光レンズACにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に140℃に達していた。この偏光レンズACを1時間室温に放置した後、再び吸収軸方向の曲率半径を測定したところ91mmであった。視認性の評価は「○」であった。
[実施例4]
熱可塑性樹脂層(1)として、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルムA(フジタックT80SN、富士フイルム社製)を用いた。(これを以下フィルムAとする。)また、熱可塑性樹脂層(2)については実施例1と同様の熱可塑性樹脂層(2)Zを用いた。荷重たわみ温度測定用試験片についてはフィルムAの表面に対して、塩化メチレンを塗布し、さらにフィルムAを重ね溶着し、これを厚み4.0mm±0.1mmになるまで重ね合わせ、試験片を得た。
厚み4.0mmまで重ね合わせた試験片の荷重たわみ温度a(℃)を測定した結果、76.0℃であった。これら熱可塑性樹脂層(1)および熱可塑性樹脂層(2)Zを使用したこと以外は実施例1と同様の方法にて厚みは0.53mmの偏光板ADを得た。さらに実施例1と同様の方法で曲面体成形物ADを得た後に、実施例1とは異なるキャビティ間
隙のレンズ金型にて曲面体ADを得た。得られた曲面体ADの吸収軸方向の曲率半径は80mmであった。
この曲面体ADの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−100を貼りつけた。紫外線積算照射量を500mJ/cmにしたこと以外は実施例2と同様の方法を用い、曲面体に均一に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、硬化した偏光レンズADを得た。このときサーモラベルは100℃を示していたため偏光レンズADにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に100℃に達していた。この偏光レンズADを1時間室温に放置した後、再び吸収軸方向の曲率半径を測定したところ82mmであった。視認性の評価は「○」であった。
[実施例5]
実施例4と同様の条件で作製した曲面体ADを用いた。(吸収軸方向の曲率半径は80mm)。曲面体ADの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−80を貼りつけた。紫外線積算照射量を400mJ/cmにしたこと以外は実施例4と同様の方法を用い、曲面体に均一に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、硬化した偏光レンズAEを得た。このときサーモラベルは80℃を示していたため偏光レンズAEにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に80℃に達していた。この偏光レンズAEを1時間室温に放置した後、再び吸収軸方向の曲率半径を測定したところ82mmであった。視認性の評価は「○」であった。
[実施例6]
実施例4と同様の方法にて曲面体を作製したが、曲面体AFの吸収軸方向の曲率半径は78mmであった。曲面体AFの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−130を貼りつけた。紫外線積算照射量を1000mJ/cmにしたこと以外は実施例1と同様の方法を用い、曲面体に均一に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、硬化した偏光レンズAFを得た。このときサーモラベルは140℃を示していたため偏光
レンズAFにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に140℃に達していた。この偏光レンズAFを1時間室温に放置した後、再び吸収軸方向の曲率半径を測定したところ86mmであった。視認性の評価は「○」であった。
[比較例1]
実施例1と同様の方法を用いて作製した曲面体AAを用いた。(吸収軸方向の曲率半径は80mm)。
曲面体AAの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−100を貼りつけた。紫外線積算照射量を500mJ/cmにしたこと以外は実施例1と同様の方法を用い、偏光レンズBAを得た。このときサーモラベルは100℃を示していたため偏光レンズBAにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に100℃に達していた。この偏光レンズBAを1時間室温に放置した後、再び吸収軸方向の曲率半径を測定したところ78mmであった。視認性の評価は「△」であった。
[比較例2]
実施例1と同様の方法を用いて作製した曲面体AAを用いた。(吸収軸方向の曲率半径は80mm)。
曲面体AAの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル 3E−150を貼りつけた。紫外線積算照射量を1500mJ/cmにしたこと以外は実施例1と同様の方法を用い、偏光レンズBBを得た。このときサーモラベルは150℃を示していたため偏光レンズBBにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に150℃に達していた。ところが偏光レンズBBの凸側最表面は樹脂が熱により溶けたと思われる表面肌荒れが起こっており、偏光レンズとして使用不可能な状態であると判断し、視認性の評価は行わなかった。
[比較例3]
実施例4と同様の条件で作製した曲面体ADを用いた。(吸収軸方向の曲率半径は80mm)。曲面体ADの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−50を貼りつけた。紫外線積算照射量を200mJ/cmにしたこと以外は実施例1と同様の方法を用い、偏光レンズBCを得た。このときサーモラベルは50℃を示していたため偏光レンズBCにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に50℃に達していた。この偏光レンズBCを1時間室温に放置したが、その時点でも紫外線硬化型樹脂組成物1が硬化していなかったため、偏光レンズとして使用できないと判断し、その後の評価は行わなかった。
[比較例4]
実施例4と同様の方法にて曲面体を作製したが、曲面体BDの吸収軸方向の曲率半径は79mmであった。曲面体BDの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル3E−150を貼りつけた。紫外線積算照射量を1500mJ/cmにしたこと以外は実施例1と同様の方法を用い、偏光レンズBDを得た。このときサーモラベルは150℃を示していたため偏光レンズBDにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に150℃に達していた。しかしこの偏光レンズBDの凸側最表面は樹脂が熱により溶けたと思われる表面肌荒れが起こっており、偏光レンズとして使用不可能な状態であると判断し、視認性の評価は行わなかった。
[比較例5]
ポリアミド樹脂(EMS社製 グリルアミド TR−90)をベント式単軸押出機により0.5mmのシートに成形した後に1.9倍一軸延伸して0.35mmの熱可塑性樹脂層(1)および試験片を得た。得られた試験片の荷重たわみ温度a(℃)は、115.3℃であった。また、熱可塑性樹脂層(2)については実施例1と同様の熱可塑性樹脂層(2)Zを用いた。これら熱可塑性樹脂層(1)および熱可塑性樹脂層(2)Zを使用したこと以外は実施例1と同様の方法で厚み0.8mmの偏光板BEを得た。さらに実施例1
と同様の方法で曲面体成形物BEを得た後に曲面体BEを得た。得られた曲面体BEの吸収軸方向の曲率半径は79mmであった。
曲面体BEの凸面に対して日油技研工業社製のサーモラベル スーパーミニ3R−150を貼りつけた。紫外線積算照射量を1500mJ/cmにしたこと以外は実施例1と同様の方法を用い、偏光レンズBEを得た。このときサーモラベルは150℃を示していたため偏光レンズBEにおける熱可塑性樹脂(1)の表面温度cは紫外線照射時に150℃に達していた。しかしこの偏光レンズBEの凸側最表面は樹脂が熱により溶けたと思われる表面肌荒れが起こっており、偏光レンズとして使用不可能な状態であると判断し、視認性の評価は行わなかった。
Figure 2013200514

Figure 2013200514
実施例1〜6に示されるように、本発明に示される製造方法により得られる偏光レンズは、化学線照射工程前と比較して曲率半径が大きくなるように制御することができ、視認性も良好であった。
比較例1〜5では、化学線照射工程を行った際に曲率半径が同等または小さくなり視認性に劣る結果となった。さらに一部では樹脂が完全に軟化したりすることにより偏光レンズ形状を保持できない状態であったり、紫外線照射により樹脂表面が荒れた状態になり、偏光レンズとして使用できない状態に陥ったため、劣る結果となった。
1 偏光板の凸面側に配される熱可塑性樹脂(1)
2 偏光板の凹面側に配される熱可塑性樹脂(2)
3 偏光性薄膜
4 射出樹脂
5 偏光レンズ
6 単眼鏡
7 観察物
8 レンズ中心
9 吸収軸方向

Claims (9)

  1. 偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂層(1)および(2)を設けた偏光板を、凸面側が該熱可塑性樹脂層(1)となり、凹面側が該熱可塑性樹脂層(2)となるように、曲面状に熱曲げ成形し、偏光板の曲面成形物を得る熱曲げ成形工程と、
    該偏光板の曲面成形物の凹面側に、射出樹脂を射出する射出成形により、該偏光板の曲面成形物の凹面側に該射出樹脂層を形成させて、射出成形物を得る射出成形工程と、
    該射出成形物に化学線硬化樹脂組成物を塗布し、化学線を照射し、偏光レンズを得る化学線照射工程と、を有し、
    該熱可塑性樹脂(1)の荷重たわみ温度a(℃)、該射出樹脂の荷重たわみ温度b(℃)、該化学線照射工程の熱可塑性樹脂層(1)側の表面温度c(℃)が、以下の式(i)(ii)(iii)を満たす偏光レンズの製造方法。
    a−10≦c≦a+60 (i)
    c≦b+10 (ii)
    a≦b (iii)
  2. 前記化学線照射工程での熱可塑性樹脂層(1)側の表面温度c(℃)が、40℃以上200℃以下である請求項1に記載の偏光レンズの製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂(1)および前記熱可塑性樹脂(2)および前記射出樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂、またはこれらの混合物や共重合体である請求項1または2に記載の偏光レンズの製造方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂層(1)および前記熱可塑性樹脂層(2)の厚みが、0.01mm以上1.5mm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法
  5. 前記射出樹脂層の厚みが、0.025mm以上1.95mm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法。
  6. 前記偏光レンズの最小厚みが、0.3mm以上3mm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法。
  7. 前記偏光板の厚みが、0.05mm以上1.8mm以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法。
  8. 前記請求項1から7のいずれか1項に記載の偏光レンズの製造方法によって製造される偏光レンズ。
  9. 前記請求項8に記載の偏光レンズを用いて製造される防眩製品または防護製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103616738A (zh) * 2013-12-16 2014-03-05 厦门大学 一种制造具有不同焦距曲面复眼微透镜的方法

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JP2012022293A (ja) * 2010-06-14 2012-02-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 偏光レンズの製造方法、熱可塑性樹脂製偏光レンズ、防眩製品および防護製品

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