JP2013199760A - 作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】アキュムレータ及びアシストシリンダをより柔軟に制御可能な流体圧増減圧機を備えた作業機械を提供すること。
【解決手段】本発明の実施例に係るショベル50は、ブームシリンダ17を補助するアシストシリンダ20と、アキュムレータ21と、油圧増減圧機100とを備える。油圧増減圧機100は、油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1H及びロッド側圧力室1R、並びに、油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2H及びロッド側圧力室2Rから、入力圧が適用される入力用圧力室と、入力圧より高い圧力及び入力圧より低い圧力を含む出力圧が生成される出力用圧力室とを切り替え可能に選択する制御装置5と、入力用圧力室と供給源SRとを連通させ且つ出力用圧力室と供給先SDとを連通させる流れ制御弁6H、6R、7H、7Rとを備え、アキュムレータ21を入力とし、アシストシリンダ20を出力とする。
【選択図】図12

Description

本発明は、ブーム等の作業体の位置エネルギを流体圧エネルギに変換して回収し、回収した流体圧エネルギを作業体の駆動に利用できるようにするアキュムレータを備える作業機械に関する。
従来、ブームの位置エネルギを油圧エネルギに変換して回収し、回収した油圧エネルギをアシストシリンダによるブームの駆動に利用できるようにするアキュムレータを備えた位置エネルギ回収・再生装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この位置エネルギ回収・再生装置は、ブームの上げ操作時に、アシストシリンダに関するモーメントアーム特性がブームシリンダに関するモーメントアーム特性に対して遅れ位相で追随するように、アシストシリンダの取り付け位置を決定している。この構成により、位置エネルギ回収・再生装置は、アシストシリンダを用いたブームの上げ操作時に、ブーム上げ速度が著しく変化するのを防止し、操作性を改善することができるとしている。
特開2004−115245号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようにアシストシリンダの取り付け位置を工夫するだけでは、ブームの上げ操作時におけるアシストシリンダの駆動力の調整が不十分であり、ブームの操作性を十分に改善することもできない。
上述の点に鑑み、本発明は、アキュムレータ及びアシストシリンダをより柔軟に制御可能な流体圧増減圧機を備えた作業機械を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の実施例に係る作業機械は、作業体を駆動するメインシリンダと、前記メインシリンダを補助するアシストシリンダと、前記作業体の位置エネルギを流体圧エネルギとして回収し、且つ、回収した流体圧エネルギを前記アシストシリンダの駆動に利用できるようにするアキュムレータと、1つの流体圧シリンダ又は複数の連動する流体圧シリンダにおける複数の圧力室から、入力圧が適用される少なくとも1つの入力用圧力室と、入力圧より高い出力圧、及び、入力圧より低い出力圧を含む出力圧が生成される少なくとも1つの出力用圧力室とを切り替え可能に選択する制御装置と、前記入力用圧力室と入力とを連通させ、且つ、前記出力用圧力室と出力とを連通させる流れ制御弁とを備える流体圧増減圧機とを備え、前記流体圧増減圧機は、前記アキュムレータを入力とし、前記アシストシリンダを出力とする。
上述の手段により、本発明は、アキュムレータ及びアシストシリンダをより柔軟に制御可能な流体圧増減圧機を備えた作業機械を提供することができる。
本発明の実施例に係る油圧増減圧機の構成例を示す油圧回路図である。 図1の油圧回路図の動作状態を示す図(その1)である。 図1の油圧回路図の動作状態を示す図(その2)である。 図1の油圧回路図の動作状態を示す図(その3)である。 本発明の実施例に係る油圧増減圧機の別の構成例を示す油圧回路図である。 本発明の実施例に係る油圧増減圧機のさらに別の構成例を示す油圧回路図である。 図1の油圧増減圧機が実現可能な圧力変換比を説明する図である。 圧力変換比の分布を説明する図である。 本発明の実施例に係る油圧増減圧機における油圧アクチュエータの各圧力室の受圧面積の間の関係を説明する図である。 油圧アクチュエータの別の構成例を示す断面図である。 本発明の実施例に係るショベルの概略側面図である。 図11のショベルに搭載される油圧増減圧機の油圧回路図である。 段決定処理の流れを示すフローチャートである。 アシストシリンダのストローク量と、油圧増減圧機の入力圧及び出力圧と、油圧増減圧機の採用段との間の対応関係を示す図(その1)である。 アシストシリンダのストローク量と、油圧増減圧機の入力圧及び出力圧と、油圧増減圧機の採用段との間の対応関係を示す図(その2)である。 アシストシリンダのストローク量と、油圧増減圧機の入力圧及び出力圧と、油圧増減圧機の採用段との間の対応関係を示す図(その3)である。 アシストシリンダを含むブームシリンダの断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例に係る油圧増減圧機100を示す油圧回路図である。油圧増減圧機100は、主に、油圧シリンダ1、2と、ピストンロッド3と、3つの近接センサ4C、4L、4Rと、制御装置5と、流れ制御弁6H、6R、7R、7Hと、入出力直結切換弁8とを備える。なお、以下では、油圧シリンダ1、2、及びピストンロッド3の組み合わせを油圧アクチュエータと称する。
油圧シリンダ1は、流体圧シリンダの1例であり、円柱状のヘッド側圧力室1Hと円筒状のロッド側圧力室1Rとを隔てる円柱状のピストン1Pを有する。同様に、油圧シリンダ2は、流体圧シリンダの1例であり、円柱状のヘッド側圧力室2Hと円筒状のロッド側圧力室2Rとを隔てる円柱状のピストン2Pを有する。油圧シリンダ1のピストン1Pと油圧シリンダ2のピストン2Pとは、ピストンロッド3を介して連結され、油圧シリンダ1及び油圧シリンダ2のそれぞれの内部を一体的に摺動する。
本実施例では、油圧シリンダ1のシリンダ内径は、油圧シリンダ2のシリンダ内径よりも小さい。また、ピストンロッド3のロッド径は、ピストン1Pとの連結部からピストン2Pとの連結部にわたって一定である。ロッド径を一定にすることは、油圧シリンダ1と油圧シリンダ2との間の距離を短縮する効果がある。ピストンロッド3の一部を油圧シリンダ1内にも油圧シリンダ2内にも進入させることができるためである。なお、ピストンロッド3のロッド径は、ピストン1Pとの連結部とピストン2Pとの連結部とで異なるものであってもよい。ロッド径を異ならせることは、ロッド側圧力室1R、2Rの受圧面積をより柔軟に設定できるようにする効果がある。
近接センサ4Lは、油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1Hの体積が許容最小値になったことを検出するためのセンサである。具体的には、油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1H側の端部に設置される近接センサ4Lは、ピストン1Pが所定距離範囲内に接近したことを検出することによって、ピストン1Pが油圧シリンダ1の一端に達したことを検出する。近接センサ4Rは、油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2Hの体積が許容最小値になったことを検出するためのセンサである。具体的には、油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2H側の端部に設置される近接センサ4Rは、ピストン2Pが所定距離範囲内に接近したことを検出することによって、ピストン2Pが油圧シリンダ2の一端に達したことを検出する。近接センサ4Cは、ピストン1Pの位置が油圧シリンダ1のストローク中央位置から見て油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1Hの側にあり、ピストン2Pの位置が油圧シリンダ2のストローク中央位置から見て油圧シリンダ2のロッド側圧力室2Rの側にあるのか、或いは、ピストン1Pの位置が油圧シリンダ1のストローク中央位置から見て油圧シリンダ1のロッド側圧力室1Rの側にあり、ピストン2Pの位置が油圧シリンダ2のストローク中央位置から見て油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2Hの側にあるのかを検出するためのセンサである。具体的には、油圧シリンダ1と油圧シリンダ2との間に設置される近接センサ4Cは、ピストンロッド3の所定位置にある部材が所定距離範囲内に接近したことを検出することによって、ピストン1Pが油圧シリンダ1のストローク中央位置から見て何れの側にあり、ピストン2Pが油圧シリンダ2のストローク中央位置から見て何れの側にあるのかを検出する。
なお、油圧増減圧機100は、3つの近接センサ4L、4R、4Cの代わりに、ピストンロッド3の位置を継続的に測定可能な1つのポテンショメータを採用してもよい。
制御装置5は、油圧増減圧機100の動きを制御するための装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータである。具体的には、制御装置5は、所望の出力圧に応じて、流れ制御弁6H、6R、7R、7H、及び、入出力直結切換弁8の動きを制御する。所望の出力圧は、作動油の供給先に応じて決定され、例えば、図示しない入力装置を介した操作者の入力に応じて決定される。また、制御装置5は、近接センサ4L、4R、4Cの出力に基づいて流れ制御弁6H、6R、7R、7Hの動きを制御する。ピストン1P、2P、及びピストンロッド3を往復動させながら、所望の出力圧を供給先に継続的に供給できるようにするためである。
流れ制御弁6Hは、油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1Hに流出入する作動油の流れを制御するための弁である。流れ制御弁6Rは、油圧シリンダ1のロッド側圧力室1Rに流出入する作動油の流れを制御するための弁である。流れ制御弁7Rは、油圧シリンダ2のロッド側圧力室2Rに流出入する作動油の流れを制御するための弁である。流れ制御弁7Hは、油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2Hに流出入する作動油の流れを制御するための弁である。
具体的には、流れ制御弁6Hは、管路C11と管路C1とを通じて、入力としての作動油の供給源SRに接続され、管路C21と管路C2とを通じて、出力としての作動油の供給先SDに接続され、管路C31と管路C3とを通じて作動油タンクに接続される。また、流れ制御弁6Hは、管路C1Hを通じて油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1Hに接続される。流れ制御弁6Rは、管路C12と管路C1とを通じて供給源SRに接続され、管路C22と管路C2とを通じて供給先SDに接続され、管路C32と管路C3とを通じて作動油タンクに接続される。また、流れ制御弁6Rは、管路C1Rを通じて油圧シリンダ1のロッド側圧力室1Rに接続される。流れ制御弁7Rは、管路C13と管路C1とを通じて供給源SRに接続され、管路C23と管路C2とを通じて供給先SDに接続され、管路C33と管路C3とを通じて作動油タンクに接続される。また、流れ制御弁7Rは、管路C2Rを通じて油圧シリンダ2のロッド側圧力室2Rに接続される。流れ制御弁7Hは、管路C14と管路C1とを通じて供給源SRに接続され、管路C24と管路C2とを通じて供給先SDに接続され、管路C34と管路C3とを通じて作動油タンクに接続される。また、流れ制御弁7Hは、管路C2Hを通じて油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2Hに接続される。
入出力直結切換弁8は、油圧増減圧機100の入力と出力を直結させるか否かを切り換える弁である。
具体的には、入出力直結切換弁8は、管路C25及び管路C1を通じて供給源SRに接続され、管路C26及び管路C2を通じて供給先SDに接続される。なお、油圧増減圧機100は、入出力直結切換弁8を省略してもよい。
次に、図2及び図3を参照しながら、油圧増減圧機100の動きについて説明する。なお、図2は、矢印AR1で示す方向にピストンロッド3を移動させながら、所定の増圧比で入力圧より高い出力圧を供給先SDに供給する状態を示す図である。また、図3は、矢印AR2で示す方向にピストンロッド3を移動させながら、図2の場合と同じ所定の増圧比で入力圧より高い出力圧を供給先SDに供給する状態を示す図である。
図2において、油圧増減圧機100の制御装置5は、流れ制御弁6Rに対して制御信号を送信し、管路C1Rと管路C32とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁7Rに対して制御信号を送信し、管路C2Rと管路C33とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁7Hに対して制御信号を送信し、管路C2Hと管路C14とを連通させる。なお、制御装置5は、管路C1Hと管路C21とを連通させるために、流れ制御弁6Hに対しては制御信号を送信しない。
その結果、図2の黒い太線で示すように、供給源SRからの作動油は、管路C1、C14、及びC2Hを通ってヘッド側圧力室2Hに流入し、所定の入力圧でピストン2Pを矢印AR1で示す方向に押す。すると、ヘッド側圧力室1H内の作動油は、所定の増圧比で入力圧より高い出力圧を発生させ、管路C1H、C21、及びC2を通って供給先SDに至る。この場合、ヘッド側圧力室2Hが入力用圧力室となり、ヘッド側圧力室1Hが出力用圧力室となる。
なお、所定の増圧比は、ピストン2Pの受圧面積に対するピストン1Pの受圧面積の比に対応する。この場合、ピストン2Pの受圧面積は、ピストン2Pの円形表面の面積に対応し、ピストン1Pの受圧面積は、ピストン1Pの円形表面の面積に対応する。
また、ロッド側圧力室2R内の作動油の一部は、管路C2R、C33、C3、C32、及びC1Rを通ってロッド側圧力室1Rに流入する。ピストン1Pが矢印AR1の方向に移動し、ロッド側圧力室1Rの体積が増大することによって生じる作動油の不足を補うためである。なお、ロッド側圧力室2R内の作動油の残りの部分は、管路C2R、C33、及びC3を通って作動油タンクに排出される。この場合、ロッド側圧力室1R及びロッド側圧力室2Rのそれぞれにおける作動油が出力圧に影響を与えることはない。
その後、ピストン1Pが油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1H側の端部に達したことを近接センサ4Lが検出すると、制御装置5は、所望の出力圧の供給が継続されるよう、流れ制御弁6H、6R、7R、7Hの状態を図3に示す状態に切り換える。
図3において、油圧増減圧機100の制御装置5は、流れ制御弁6Hに対して制御信号を送信し、管路C1Hと管路C31とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁6Rに対する制御信号の送信を中止し、管路C1Rと管路C22とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁7Rに対して制御信号を送信し、管路C2Rと管路C13とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁7Hに対して制御信号を送信し、管路C2Hと管路C34とを連通させる。
その結果、図3の黒い太線で示すように、供給源SRからの作動油は、管路C1、C13、及びC2Rを通ってロッド側圧力室2Rに流入し、図2の場合と同じ入力圧でピストン2Pを矢印AR2で示す方向に押す。すると、ロッド側圧力室1R内の作動油は、図2の場合と同等の所定の増圧比で入力圧より高い出力圧を発生させ、管路C1R、C22、及びC2を通って供給先SDに至る。この場合、ロッド側圧力室2Rが入力用圧力室となり、ロッド側圧力室1Rが出力用圧力室となる。
なお、所定の増圧比は、ピストン2Pの受圧面積に対するピストン1Pの受圧面積の比に対応する。この場合、ピストン2Pの受圧面積は、ピストン2Pの円形表面の面積からピストンロッド3の円形断面の面積を差し引いた面積(円環部分の面積)に対応する。また、ピストン1Pの受圧面積は、ピストン1Pの円形表面の面積からピストンロッド3の円形断面の面積を差し引いた面積(円環部分の面積)に対応する。これにより、図2の場合と同等の増圧比が実現される。
また、ヘッド側圧力室2H内の作動油の一部は、管路C2H、C34、C3、C31、及びC1Hを通ってヘッド側圧力室1Hに流入する。ピストン1Pが矢印AR2の方向に移動し、ヘッド側圧力室1Hの体積が増大することによって生じる作動油の不足を補うためである。なお、ヘッド側圧力室2H内の作動油の残りの部分は、管路C2H、C34、及びC3を通って作動油タンクに排出される。この場合、ヘッド側圧力室1H及びヘッド側圧力室2Hのそれぞれにおける作動油が出力圧に影響を与えることはない。
その後、ピストン2Pが油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2H側の端部に達したことを近接センサ4Rが検出すると、制御装置5は、所望の出力圧の供給が継続されるよう、流れ制御弁6H、6R、7R、7Hの状態を図2に示す状態に切り換える。
このように、油圧増減圧機100は、図2に示す状態と図3に示す状態とを交互に繰り返しながら、所定の増圧比で入力圧より高い出力圧を継続的に供給先SDに供給することができる。
また、油圧増減圧機100は、矢印AR1で示す方向にピストンロッド3を移動させる際に、ヘッド側圧力室2Hを入力用圧力室とし、ヘッド側圧力室1Hを出力用圧力室とする。そして、矢印AR2で示す方向にピストンロッド3を移動させる際に、ロッド側圧力室2Rを入力用圧力室とし、ロッド側圧力室1Rを出力用圧力室とする。その結果、油圧増減圧機100は、ピストンロッド3が何れの方向に移動する場合であっても、同等の増圧比で入力圧よりも高い出力圧を継続的に供給できるようにする。しかしながら、油圧増減圧機100は、入力用圧力室及び出力用圧力室として1又は複数の別の圧力室を選択しながら、減圧となる比率を含む所定の圧力変換比で入力圧と異なる出力圧を継続的に供給できるようにしてもよい。
なお、制御装置5は、ピストン1P、2Pの移動を開始させる際には、ピストン1P、2Pの現在の位置情報を考慮し、ピストンストロークが大きく取れる方に先ずピストン1P、2Pの移動を開始させるようにする。
次に、図4を参照しながら、入出力直結切換弁8の動きについて説明する。なお、図4は、ピストンロッド3を移動させずに、供給源SRの入力圧をそのまま出力圧として供給先SDに供給する状態を示す図である。
図4において、制御装置5は、流れ制御弁6Hに対して制御信号を送信し、管路C1Hと管路C31とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁6Rに対して制御信号を送信し、管路C1Rと管路C32とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁7Rに対して制御信号を送信し、管路C2Rと管路C33とを連通させる。また、制御装置5は、流れ制御弁7Hに対して制御信号を送信し、管路C2Hと管路C34とを連通させる。これらの制御は、供給源SR又は供給先SDからの作動油が、ヘッド側圧力室1H、2H、及び、ロッド側圧力室1R、2Rに流入しないようにするためである。
その上で、制御装置5は、入出力直結切換弁8に対して制御信号を送信し、管路C25と管路C26とを連通させることによって、管路C1と管路C2とを連通させる。
このように、油圧増減圧機100は、供給源SRの入力圧をそのまま出力圧として供給先SDに供給することができる。
また、上述の実施例では、油圧増減圧機100は、供給源SRから供給先SDに作動油が流れるようにし、入力圧(管路C1における圧力)の変化に応じて出力圧(管路C2における圧力)を変化させるが、供給先SDから供給源SRに作動油が流れるようにし、出力圧(管路C2における圧力)の変化に応じて入力圧(管路C1における圧力)を変化させてもよい。
次に、図5を参照しながら、油圧増減圧機の別の構成例100Aについて説明する。なお、図5は、油圧増減圧機100Aの構成例を示す油圧回路図であり、図1に対応する。
油圧増減圧機100Aは、流れ制御弁6Rを省略し、油圧シリンダ1のロッド側圧力室1Rを作動油タンクに直接接続した点で、図1の油圧増減圧機100と相違するが、その他の点で共通する。そのため、共通部分の説明を省略しながら、相違部分を詳細に説明する。
図5に示すように、油圧シリンダ1のロッド側圧力室1Rは、管路C1R、C32、及びC3を通じて常に作動油タンクに接続される。そのため、供給源SRからの作動油がロッド側圧力室1Rに流入することはなく、ロッド側圧力室1R内の作動油が供給先SDに至ることもない。
この構成により、油圧増減圧機100Aは、ロッド側圧力室1Rを入力用圧力室又は出力用圧力室として選択できないため、油圧増減圧機100に比べ、実現可能な圧力変換比の数が少なくなる。しかしながら、油圧増減圧機100Aは、限られた数の圧力変換比を用いる場合には、油圧増減圧機100よりも簡易な構成により、油圧増減圧機100と同等の動きを実現させることができる。
なお、図5では、ロッド側圧力室1Rを常に作動油タンクに接続する構成が採用されるが、ロッド側圧力室1Rの代わりに、ヘッド側圧力室1H、2H、又はロッド側圧力室2Rの何れか一つを常に作動油タンクに接続する構成が採用されてもよい。
次に、図6を参照しながら、油圧増減圧機の別の構成例100Bについて説明する。なお、図6は、油圧増減圧機100Bの構成例を示す油圧回路図であり、図1に対応する。
油圧増減圧機100Bは、流れ制御弁6Rを省略し、油圧シリンダ1のロッド側圧力室1Rを管路C2Rに直接接続した点で、図1の油圧増減圧機100と相違するが、その他の点で共通する。そのため、共通部分の説明を省略しながら、相違部分を詳細に説明する。
図6に示すように、油圧シリンダ1のロッド側圧力室1Rは、管路C1R及びC2Rを通じて常にロッド側圧力室2Rに接続される。そのため、供給源SRからの作動油が専らロッド側圧力室1Rに流入することはなく、供給源SRからの作動油がロッド側圧力室1Rに流入する際には、必ずロッド側圧力室2Rにも供給源SRからの作動油が流入する。また、ロッド側圧力室1R内の作動油が専ら供給先SDに至ることもなく、ロッド側圧力室1R内の作動油が供給先SDに至る際には、必ずロッド側圧力室2Rにもロッド側圧力室1Rからの作動油が流入する。
この構成により、油圧増減圧機100Bは、ロッド側圧力室1Rを単独で入力用圧力室又は出力用圧力室として選択できないため、油圧増減圧機100に比べ、実現可能な圧力変換比の数が少なくなる。しかしながら、油圧増減圧機100Bは、限られた数の圧力変換比を用いる場合には、油圧増減圧機100よりも簡易な構成により、油圧増減圧機100と同等の動きを実現させることができる。
なお、図6では、ロッド側圧力室1Rを常にロッド側圧力室2Rに接続する構成が採用されるが、その代わりに、ロッド側圧力室1Rを常に1又は複数の別の圧力室に接続する構成が採用されてもよい。また、ロッド側圧力室1Rを常にロッド側圧力室2Rに接続する代わりに、ヘッド側圧力室1H、2H、又はロッド側圧力室2Rの何れか一つを常に1又は複数の別の圧力室に接続する構成が採用されてもよい。
次に、図7を参照しながら、油圧増減圧機100が実現可能な圧力変換比について説明する。なお、図7(A)は、図1に示す油圧増減圧機100の油圧シリンダ1、2、及びピストンロッド3の拡大図であり、図7(B)は、油圧シリンダ1、2の詳細を示す仕様表である。また、図7(C)は、油圧増減圧機100が実現可能な圧力変換比の詳細を示す表であり、図7(D)は、図7(C)における圧力変換比とその段の関係を示すグラフである。
図7(B)で示すように、ヘッド側圧力室1Hの受圧面積は、ロッド側圧力室1Rの受圧面積の約2.0倍である。また、ロッド側圧力室2Rの受圧面積は、ロッド側圧力室1Rの受圧面積の約1.7倍であり、ヘッド側圧力室2Hの受圧面積は、ロッド側圧力室1Rの受圧面積の約3.3倍である。なお、ロッド側圧力室1Rの受圧面積は、ヘッド側圧力室1Hの表面積からピストンロッド3の断面積を差し引いた面積(円環部分の面積)である。同様に、ロッド側圧力室2Rの受圧面積は、ヘッド側圧力室2Hの表面積からピストンロッド3の断面積を差し引いた面積(円環部分の面積)である。
このような条件の下、図7(C)に示すように、油圧増減圧機100は、ピストン1P、2Pを左方向に移動させる場合に、−5段から5段まで0段を含め合計で11段の圧力変換比を設定可能とする。同様に、油圧増減圧機100は、ピストン1P、2Pを右方向に移動させる場合にも、−5段から5段まで0段を含め合計で11段の圧力変換比を設定可能とする。なお、正値で示す段は増圧の際の段を表し、負値で示す段は減圧の際の段数を表し、0段は入出力を直結した際の段を表す。したがって、図7(C)は、油圧増減圧機100が、左右の移動方向のそれぞれにおいて、増圧のための5つの段と、減圧のための5つの段と、入出力を直結するための1つの段とを有することを示す。
また、図7(C)は、例えば、ピストン移動方向が左の場合の−5段の圧力変換比(0.490)は、入力用圧力室にロッド側圧力室1Rが選択され、出力用圧力室にヘッド側圧力室1Hが選択された場合に実現されることを示す。また、図7(C)は、例えば、ピストン移動方向が右の場合の−5段の圧力変換比(0.510)は、入力用圧力室にロッド側圧力室2Rが選択され、出力用圧力室にヘッド側圧力室2Hが選択された場合に実現されることを示す。
また、図7(C)は、左右のピストン移動方向における対応する段のそれぞれの圧力変換比が同等になるという特性を示す。例えば、ピストン移動方向が左の場合の−3段の圧力変換比(0.745)は、ピストン移動方向が右の場合の対応する段である−3段の圧力変換比(0.746)と同等になる。この特性は、ピストン移動方向を左右で切り換えた場合であっても所望の出力圧が継続的に供給されることを確保する上で必要となる。
図7(D)は、左右のピストン移動方向における対応する段のそれぞれの圧力変換比が同等になるという特性をより分かり易く示すための図であり、実線の推移は、ピストン移動方向が右の場合の圧力変換比の推移を示し、点線の推移は、ピストン移動方向が左の場合の圧力変換比の推移を示す。図7(D)に示すように、左右のピストン移動方向における対応する段のそれぞれの圧力変換比は、同等であることを維持しながら、段が上がるにつれて増大するように設定される。
また、図7では、11段という奇数の段数が設定されるが、偶数の段数が設定されてもよい。その場合、入出力を直結した際の段である0段を省略することによって偶数の段数が実現されてもよい。
次に、図8を参照しながら、圧力変換比の望ましい分布について説明する。なお、図8は、増圧のための3つの段と、減圧のための3つの段と、入出力を直結するための1つの段とを有する油圧増減圧機100における圧力変換比の望ましい分布を説明するための図である。また、図8は、圧力変換比の望ましい分布として等差型及び等比型があることを示す。なお、圧力変換比の分布は、左右のピストン移動方向のそれぞれで同等の分布となるように設定される。
等差型は、隣り合う2つの段のそれぞれの圧力変換比の差が同等になるように圧力変換比を分布させる方式を意味し、圧力変換比の並びが等差数例を形成する。なお、図中の"a"は、公差に相当する。
また、等比型は、隣り合う2つの段のそれぞれの圧力変換比の比が同等になるように圧力変換比を分布させる方式を意味し、圧力変換比の並びが等比数例を形成する。なお、図中の"e"は、公比に相当する。
等差型及び等比型の何れを採用する場合であっても、設計者は、最初に、最大圧力変換比と最小圧力変換比とを決定する。そして、設計者は、最大圧力変換比と最小圧力変換比との間に設定される段の数を決定した上で、公差a又は公比eを決定することによって、油圧増減圧機100における圧力変換比の分布を決定する。
次に、図9を参照しながら、圧力変換比の並びを実現する上で必要とされる各圧力室の受圧面積の間の関係について説明する。
図9(A)は、図1を用いて説明した、入力用圧力室又は出力用圧力室として採用され得る圧力室が4室ある場合(以下、「4室型」とする。)における、各圧力室の受圧面積の間の関係を示す。
4室型では、2つの油圧シリンダのうちヘッド側受圧面積が小さいほうの油圧シリンダのヘッド側受圧面積が、他方の油圧シリンダにおけるヘッド側受圧面積とロッド側受圧面積との差より大きくなるように、各圧力室の受圧面積が決定される。
具体的には、ヘッド側受圧面積が小さいほうの油圧シリンダ1のヘッド側受圧面積Sが、油圧シリンダ2におけるヘッド側受圧面積Sとロッド側受圧面積Sとの差よりも大きくなるように、すなわち、S>(S−S)の関係が満たされるように、油圧シリンダ1、2のシリンダ内径、及びピストンロッド3のロッド径が決定される。
図9(B)は、図5を用いて説明した、入力用圧力室又は出力用圧力室として採用され得る圧力室が3室ある場合(以下、「3室型」とする。)における、各圧力室の受圧面積の間の関係を示す。
3室型では、ある方向にピストンを動かす際に入力用圧力室となる圧力室が2室(圧力室α及び圧力室γとする。)あり、その反対方向にピストンを動かす際に入力用圧力室となる圧力室が1室(圧力室δとする。)あるときに、圧力室αの受圧面積Sα、圧力室γの受圧面積Sγ、及び圧力室δの受圧面積Sδの関係がSδ>Sα且つSδ>Sγとなる。
具体的には、図9(B)において、右方向にピストン1P、2Pを動かす際に入力用圧力室となる油圧シリンダ1のヘッド側圧力室1H(圧力室αに相当)の受圧面積S(受圧面積Sαに相当)及び油圧シリンダ2のロッド側圧力室2R(圧力室γに相当)の受圧面積S(受圧面積Sγに相当)の何れもが、出力用圧力室となる油圧シリンダ2のヘッド側圧力室2H(圧力室δに相当)のヘッド側受圧面積S(受圧面積Sδに相当)より小さくなるように、すなわち、S>S且つS>Sの関係が満たされるように、油圧シリンダ1、2のシリンダ内径、及びピストンロッド3のロッド径が決定される。
図9(C)は、4室型において、図9(A)のように2つの油圧シリンダの2つのロッド側圧力室を対向配置させる代わりに、2つのロッド側圧力室を並列配置した場合(以下、「2シリンダ並進型」とする。)における、各圧力室の受圧面積の間の関係を示す。なお、ピストン1Pとピストン2Pとはピストンロッド3aを介して連結され、油圧シリンダ1、2のそれぞれの内部で、図の上下方向に一体的に並進する。
2シリンダ並進型では、2つの油圧シリンダのうちヘッド側受圧面積が小さいほうの油圧シリンダのロッド側受圧面積が、他方の油圧シリンダにおけるヘッド側受圧面積とロッド側受圧面積との差より大きくなるように、各圧力室の受圧面積が決定される。
具体的には、ヘッド側受圧面積が小さいほうの油圧シリンダ1のロッド側受圧面積Sが、油圧シリンダ2におけるヘッド側受圧面積Sとロッド側受圧面積Sとの差よりも大きくなるように、すなわち、S>(S−S)の関係が満たされるように、油圧シリンダ1、2のシリンダ内径、及びピストンロッド3のロッド径が決定される。
次に、図10を参照しながら、油圧アクチュエータの別の構成例について説明する。なお、図10は、油圧アクチュエータの別の構成例を示す断面図である。
図10(A)は、油圧増減圧機100、100A、100Bのそれぞれにおける油圧アクチュエータである、油圧シリンダ1、2、及びピストンロッド3の組み合わせの代わりに採用され得る油圧シリンダ1aの構成例を示す。
油圧シリンダ1aは、流体圧シリンダの1例であり、3段円筒状の外形を有し、3段円柱状のピストン1Paをその内部で図の左右方向に摺動可能に収容する。油圧シリンダ1aの内壁とピストン1Paとの間には4つの圧力室P1〜P4が形成され、4つの圧力室P1〜P4のそれぞれは、流れ制御弁を介して供給源SR、供給先SD、及び作動油タンクのうちの1つに選択的に連通される。
同様に、図10(B)は、油圧増減圧機100、100A、100Bのそれぞれにおける油圧アクチュエータの代わりに採用され得る油圧シリンダ1bの構成例を示す。
油圧シリンダ1bは、流体圧シリンダの1例であり、5段円筒状の外形を有し、5段円柱状のピストン1Pbをその内部で図の左右方向に摺動可能に収容する。油圧シリンダ1bの内壁とピストン1Pbとの間には6つの圧力室P1〜P6が形成され、6つの圧力室P1〜P6のそれぞれは、流れ制御弁を介して供給源SR、供給先SD、及び作動油タンクのうちの1つに選択的に連通される。なお、流れ制御弁は、望ましくは、6つの圧力室P1〜P6のそれぞれに対応するように6つ用意される。
同様に、図10(C)は、油圧増減圧機100、100A、100Bのそれぞれにおける油圧アクチュエータの代わりに採用され得る油圧アクチュエータの構成例を示す。
図10(C)の油圧アクチュエータは、3つの油圧シリンダ1c1、1c2、1c3と、ピストンロッド3cとで構成される。
油圧シリンダ1c1は、流体圧シリンダの1例であり、円柱状のヘッド側圧力室P1と円筒状のロッド側圧力室P2とを隔てる円柱状のピストン1Pc1を有する。また、油圧シリンダ1c2は、流体圧シリンダの1例であり、円柱状のヘッド側圧力室P3と円筒状のロッド側圧力室P4とを隔てる円柱状のピストン1Pc2を有する。また、油圧シリンダ1c3は、流体圧シリンダの1例であり、円柱状のヘッド側圧力室P5と円筒状のロッド側圧力室P6とを隔てる円柱状のピストン1Pc3を有する。
ピストン1Pc1、1Pc2、及び1Pc3は、ピストンロッド3cを介して互いに連結され、油圧シリンダ1c1、1c2、及び1c3のそれぞれの内部を一体的に摺動する。6つの圧力室P1〜P6のそれぞれは、流れ制御弁を介して供給源SR、供給先SD、及び作動油タンクのうちの1つに選択的に連通される。なお、流れ制御弁は、望ましくは、6つの圧力室P1〜P6のそれぞれに対応するように6つ用意される。また、圧力室P1と圧力室P5を共通の流れ制御弁で制御し、且つ、圧力室P2と圧力室P6を共通の流れ制御弁で制御してもよい。この場合、実質的に図9(C)に示す油圧増減圧機と等価な構成となる。
以上の構成により、油圧増減圧機100、100A、100Bは、1つの流体圧シリンダ又は複数の連動する流体圧シリンダにおける複数の圧力室から入力用圧力室及び出力用圧力室を切り替え可能に選択する。そして、制御装置5により流れ制御弁を制御し、選択した入力用圧力室と供給源SRとを連通させ、且つ、選択した出力用圧力室と供給先SDとを連通させる。その結果、入力圧より高い圧力、及び、入力圧より低い圧力を含む出力圧を供給先SDに継続的に供給することができる。また、油圧増減圧機100、100A、100Bは、油圧シリンダ1、2の使用により小型化が可能であり、また、減圧弁を用いて出力圧を調節する場合に比べ、エネルギ効率及び制御性を向上させることができる。
また、油圧増減圧機100、100A、100Bは、入出力直結切換弁により、入力圧に等しい出力圧を供給先SDに継続的に供給することができる。
また、油圧増減圧機100、100A、100Bは、入力用圧力室として採用される少なくとも1つの圧力室と、出力用圧力室として採用される少なくとも1つの圧力室との組み合わせを複数用意する。これにより、複数段の圧力変換比を切り換え可能に用意できる。その結果、油圧増減圧機100、100A、100Bは、供給源SRにおける圧力(入力圧)と、供給先SDが必要とする圧力(出力圧)とが異なる場合にも、供給先SDが必要とする出力圧を供給することができる。
次に、図11を参照しながら、本発明の実施例に係る、油圧増減圧機100が搭載される作業機械としてのショベル50について説明する。なお、図11は、ショベル50の概略側面図である。
図11に示すように、ショベル50の下部走行体11には、旋回機構12を介して上部旋回体13が搭載される。
上部旋回体13には、ブーム14が取り付けられ、ブーム14の先端には、アーム15が取り付けられ、アーム15の先端には、バケット16が取り付けられる。ブーム14、アーム15、及びバケット16は、掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ17、アームシリンダ18、及びバケットシリンダ19によりそれぞれ油圧駆動される。また、ブームシリンダ17によるブーム14の油圧駆動は、アシストシリンダ20によって補助される。この場合、アシストシリンダ20のアシスト対象であるブームシリンダ17をメインシリンダと称する。なお、メインシリンダは、アームシリンダ18等の他の油圧シリンダであってもよい。すなわち、アシストシリンダ20は、アーム15等の他の作業体の油圧駆動を補助してもよい。
また、上部旋回体13には、その前部にキャビン10が設けられ、その後部に駆動源としてのエンジン(図示せず。)が搭載される。また、上部旋回体13には、エンジンによって駆動される油圧ポンプ(図示せず。)と、油圧ポンプが吐出する作動油の流れを制御するコントロールバルブ(図示せず。)が搭載される。コントロールバルブは、ブームシリンダ17、アームシリンダ18、バケットシリンダ19等の各種油圧アクチュエータを流出入する作動油の流れを制御する。
さらに、上部旋回体13には、ブーム14の位置エネルギを油圧エネルギとして回収し、且つ、回収した油圧エネルギをアシストシリンダ20の駆動に利用できるようにするアキュムレータ21が搭載される。アキュムレータ21は、油圧増減圧機100を介してアシストシリンダ20に接続される。具体的には、アキュムレータ21は、ブーム14の下降時にアシストシリンダ20から流出する作動油を受け入れ、ブーム14の上昇時にその受け入れた作動油をアシストシリンダ20に向けて吐出する。
次に、図12を参照しながら、ショベル50に搭載される油圧増減圧機100の動作について説明する。なお、図12は、ショベル50に搭載される油圧増減圧機100の油圧回路図である。図12の油圧回路図は、その大部分が図1の油圧回路図と共通するため、共通部分の説明を省略しながら相違部分を詳細に説明する。
図12において、油圧増減圧機100の入力には、入力圧の供給源としてのアキュムレータ21が接続され、その出力には、出力圧の供給先としてのアシストシリンダ20のヘッド側圧力室が減圧弁25を介して接続される。なお、アシストシリンダ20のロッド側圧力室は、管路C4及び管路C3を介して作動油タンクに接続される。また、アシストシリンダ20のヘッド側圧力室は、ブーム14が上昇する際にその体積が増大する圧力室であり、アシストシリンダ20のロッド側圧力室は、ブーム14が上昇する際にその体積が減少する圧力室である。
姿勢状態検出装置22は、ショベル50の姿勢状態を検出するための装置である。姿勢状態検出装置22は、例えば、ブームシリンダ17、アームシリンダ18、バケットシリンダ19、及びアシストシリンダ20のそれぞれのストローク量(基準位置からの移動距離)を検出するシリンダストロークセンサを含み、その検出値を制御装置5に対して出力する。また、姿勢状態検出装置22は、ショベル50の水平面に対する傾斜度を検出する傾斜センサを含んでいてもよく、各種油圧シリンダ内の作動油の圧力を検出する圧力センサを含んでいてもよい。
アキュムレータ状態検出装置23は、アキュムレータ21の状態を検出するための装置であり、例えば、アキュムレータ21における作動油の圧力を検出するための圧力センサであって、その検出値を制御装置5に対して出力する。
操作状態検出装置24は、掘削アタッチメントの操作状態を検出するための装置である。操作状態検出装置24は、例えば、各種作業体を操作するためのレバーの操作方向及び操作量を検出するレバー操作量検出装置であって、その検出結果を制御装置5に対して出力する。
減圧弁25は、油圧増減圧機100の出力圧を適宜減圧して下降時アシスト目標推力を調整するためのものであり、制御装置5によって制御される。なお、制御装置5は、アシストシリンダ20のヘッド側圧力室の圧力を検出し、この検出値に基づいて減圧弁25をフィードバック制御してもよい。また、減圧弁25は、比例減圧弁であってもよい。
次に、図13を参照しながら、ショベル50に搭載される油圧増減圧機100が、ブーム操作レバーの操作に応じて、圧力変換比の段を決定する処理(以下、「段決定処理」とする。)について説明する。なお、図13は、段決定処理の流れを示すフローチャートであり、制御装置5は、ブーム操作レバーが操作されている場合に、この段決定処理を所定周期で繰り返し実行する。
最初に、制御装置5は、掘削アタッチメントの操作状態に関する情報を取得する(ステップS1)。具体的には、制御装置5は、操作状態検出装置24の出力に基づいて、各種レバーの操作方向及び操作量を検出する。
その後、制御装置5は、ショベル50の姿勢状態に関する情報を取得する(ステップS2)。具体的には、制御装置5は、姿勢状態検出装置22の出力に基づいてショベル50の水平面に対する傾き、及び、掘削アタッチメントの姿勢を検出する。
その後、制御装置5は、掘削アタッチメントの操作状態及びショベル50の姿勢状態に基づいてアシスト目標推力を決定する(ステップS3)。具体的には、制御装置5は、ブーム操作レバーの操作方向、アーム15やバケット16の操作の有無、ブームシリンダ17、アームシリンダ18、及びバケットシリンダ19のストローク量、ショベル50の水平面に対する傾斜度等に基づいて、アシスト目標推力を決定する。
より具体的には、アーム15やバケット16が操作されておらず、且つ、ショベル50が水平面上に位置する場合、掘削アタッチメントを下降させる際の下降時アシスト目標推力は、掘削アタッチメントを静止させるために必要な推力である負荷静止保持推力と同等の値に設定される。厳密には、負荷静止保持推力よりも僅かに低い値に設定される。また、掘削アタッチメントを上昇させる際の上昇時アシスト目標推力は、負荷静止保持推力を所定値だけ下回る値に設定される。なお、負荷静止保持推力は、掘削アタッチメントの姿勢等に応じて予め設定される値である。
その後、制御装置5は、アキュムレータ21の状態に関する情報を取得する(ステップS4)。具体的には、制御装置5は、アキュムレータ状態検出装置23の出力に基づいてアキュムレータ21における作動油の圧力を取得する。
その後、制御装置5は、既に取得した掘削アタッチメントの操作状態に関する情報に基づいて掘削アタッチメントの操作方向を判定する(ステップS5)。具体的には、制御装置5は、例えば、ブーム操作レバーの操作方向を判定する。
ブーム操作レバーの操作方向、すなわち掘削アタッチメントの操作方向が上げ方向であると判定した場合(ステップS5の上げ方向)、制御装置5は、圧力変換比の段を表すパラメータNの値を最低段(例えば、−4段である。)に設定する(ステップS6)。
その後、制御装置5は、圧力変換比をN段時の値とした場合に油圧増減圧機100が供給可能な出力圧による推力を出力可能推力として算出し、その出力可能推力が上昇時アシスト目標推力を上回るか否かを判定する(ステップS7)。
なお、出力可能推力は、例えば、アキュムレータ21における作動油の圧力に、N段時の圧力変換比とアシストシリンダ20のヘッド側受圧面積を乗じた値として算出される。
出力可能推力が上昇時アシスト目標推力以下であると判定した場合(ステップS7のNO)、制御装置5は、パラメータNの値に値「1」を加算する(ステップS8)。その後、制御装置5は、ステップS7の処理を再び実行する。すなわち、出力可能推力を算出し直した上で、その算出し直した出力可能推力が上昇時アシスト目標推力を上回るか否かを判定する。
このように、制御装置5は、出力可能推力が上昇時アシスト目標推力を上回るまで段を1つずつ上げながらステップS7の処理を繰り返す。
出力可能推力が上昇時アシスト目標推力を上回ると判定した場合(ステップS7のYES)、制御装置5は、そのときのパラメータNの値が示す段を、実際に採用する段として決定し(ステップS9)、N段時の圧力変換比で出力圧が生成されるように油圧増減圧機100を動作させる。
一方、ブーム操作レバーの操作方向、すなわち掘削アタッチメントの操作方向が下げ方向であると判定した場合(ステップS5の下げ方向)、制御装置5は、圧力変換比の段を表すパラメータNの値を最高段(例えば、+4段である。)に設定する(ステップS10)。
その後、制御装置5は、圧力変換比をN段時の値とした場合の出力可能推力を算出し、その出力可能推力が下降時アシスト目標推力を下回るか否かを判定する(ステップS11)。
出力可能推力が下降時アシスト目標推力以上であると判定した場合(ステップS11のNO)、制御装置5は、パラメータNの値から値「1」を減算する(ステップS12)。その後、制御装置5は、ステップS11の処理を再び実行する。すなわち、出力可能推力を算出し直した上で、その算出し直した出力可能推力が下降時アシスト目標推力を下回るか否かを判定する。
このように、制御装置5は、出力可能推力が下降時アシスト目標推力を下回るまで1つずつ段を下げながらステップS11の処理を繰り返す。
出力可能推力が下降時アシスト目標推力を下回ると判定した場合(ステップS11のYES)、制御装置5は、そのときのパラメータNの値が示す段を、実際に採用する段として決定し(ステップS9)、N段時の圧力変換比で出力圧が生成されるように油圧増減圧機100を動作させる。
次に、図14及び図15を参照しながら、アシストシリンダ20のストローク量と、油圧増減圧機100の入力圧及び出力圧と、各推力と、油圧増減圧機100の採用段との間の対応関係について説明する。なお、図14は、ブーム下げ操作時の対応関係を示す図であり、図15は、ブーム上げ操作時の対応関係を示す図である。また、図14及び図15は何れも、アーム15やバケット16が操作されておらず、且つ、ショベル50が水平面上に位置する場合の対応関係を示す。
また、横軸に配置されるアシストシリンダ20のストローク量は、アシストシリンダ20が最も縮んだ状態(ブーム14が最も下降した状態)を0[%]で表し、アシストシリンダ20が最も伸びた状態(ブーム14が最も上昇した状態)を100[%]で表す。
また、図中の細い実線が示す推移は、アキュムレータ21における作動油の圧力の推移を表し、太い実線が示す推移は、直結時(0段時)の出力可能推力(出力圧×受圧面積)の推移を表す。なお、直結時の出力圧は、入力圧、すなわち、アキュムレータ圧に相当する。また、アキュムレータ圧は、アシストシリンダ20のストローク量に概ね反比例する関係にあり、ストローク量が増大するにつれて減少する。また、太い破線、太い一点鎖線、太い二点鎖線、太い点線が示す推移は、それぞれ、−1段時、−2段時、−3段時、−4段時の出力可能推力の推移を表す。また、細い破線、細い一点鎖線、細い二点鎖線、細い点線が示す推移は、それぞれ、+1段時、+2段時、+3段時、+4段時の出力可能推力の推移を表す。
なお、横軸に平行に延びる灰色の実線が示す推移は、負荷静止保持推力の推移を表す。なお、負荷静止保持推力は、実際には一定ではないが、ここでは便宜的に、アシストシリンダ20のストローク量にかかわらず、すなわち、ブーム14の姿勢にかかわらず一定となるように記載している。また、横軸に平行に延びる灰色の点線が示す推移は、下降時アシスト目標推力の推移を表し、下降時アシスト目標推力が負荷静止保持推力を僅かに下回るレベルで推移することを示す。また、鋸歯状の灰色の実線が示す推移は、段決定処理によって採用段を決定する油圧増減圧機100による出力圧から想定される推力の推移を表す。なお、グラフ領域の上部に示す段の値は、採用段とアシストシリンダ20のストローク量との関係を示し、例えば、ストローク量が50[%]のときに−1段が採用されることを示す。
図14に示す対応関係を用いて、制御装置5は、ブーム下げ操作時に採用する段を決定する。具体的には、制御装置5は、先ず、アシストシリンダ20の現在のストローク量(例えば80[%]である。)と、最高段である+4段時の出力可能推力の推移を示す細い点線とによって特定される、+4段時の出力可能推力(275[N])を導出する。そして、制御装置5は、導出した出力可能推力(275[N])が下降時アシスト目標推力(199[N])を上回ると判定する。
その後、制御装置5は、上述と同様に、+3段時の出力可能推力(240[N])、+2段時の出力可能推力(205[N])を順に導出する。何れの場合も、制御装置5は、導出した出力可能推力が下降時アシスト目標推力(199[N])を上回ると判定する。
その後、制御装置5は、次に高い段である+1段時の出力可能推力(175[N])を導出する。この場合、制御装置5は、導出した出力可能推力(175[N])が下降時アシスト目標推力(199[N])以下であると判定する。そして、制御装置5は、このときの+1段を実際に採用する段として決定する。
このように、制御装置5は、アシストシリンダ20による上昇推力によってブーム14の下降が停止してしまい或いは上昇に転じてしまうことがないようにしながら、ブーム14を滑らかに下降させられるよう適切な段を決定する。
また、ブーム下げ操作時においては、アシストシリンダ20のヘッド側圧力室から流出した作動油が管路C2を介して出力用圧力室に流入し、入力用圧力室から流出した作動油が管路C1を介してアキュムレータ21に流入する。油圧増減圧機100は、図14に示すように、アシストシリンダ20のストローク量の減少に応じて圧力変換比(段)を変え、アキュムレータ21における作動油の圧力、すなわち、油圧増減圧機100の入力における圧力を徐々に増大させる。内部の圧力が徐々に増大するアキュムレータ21に作動油を押し込むことができるようにするためである。この場合、アシストシリンダ20のヘッド側圧力室における作動油の圧力による推力、すなわち、油圧増減圧機100の出力圧による推力は、制御装置5により制御される減圧弁25によってアシストシリンダ20のヘッド側圧力室における作動油の圧力が適宜調整されて、図14の鋸歯状の灰色の実線で示すように、所定範囲内に維持される。
また、図15に示す対応関係を用いて、制御装置5は、ブーム上げ操作時に採用する段を決定する。具体的には、制御装置5は、先ず、アシストシリンダ20の現在のストローク量(例えば50[%]である。)と、最低段である−4段時の出力可能推力の推移を示す太い点線とによって特定される、−4段時の出力可能推力(125[N])を導出する。そして、制御装置5は、導出した出力可能推力(125[N])が上昇時アシスト目標推力(170[N])以下であると判定する。
その後、制御装置5は、上述と同様に、−3段時の出力可能推力(145[N])、−2段時の出力可能推力(165[N])を順に導出する。何れの場合も、制御装置5は、導出した出力可能推力が上昇時アシスト目標推力(170[N])以下であると判定する。
その後、制御装置5は、次に高い段である−1段時の出力可能推力(190[N])を導出する。この場合、制御装置5は、導出した出力可能推力(190[N])が上昇時アシスト目標推力(170[N])を上回ると判定する。そして、制御装置5は、このときの−1段を実際に採用する段として決定する。
このように、制御装置5は、アシストシリンダ20による上昇推力が過度に不足してしまうことがないようにしながら、ブームシリンダ17によるブーム14の上昇をアシストしてブーム14を滑らかに上昇させられるよう適切な段を決定する。
また、ブーム上げ操作時においては、アキュムレータ21から流出した作動油が管路C1を介して入力用圧力室に流入し、出力用圧力室から流出した作動油が管路C2を介してアシストシリンダ20のヘッド側圧力室に流入する。油圧増減圧機100は、図15に示すように、アシストシリンダ20のストローク量の増加に応じて圧力変換比(段)を変え、アシストシリンダ20のヘッド側圧力室における作動油の圧力による推力、すなわち、油圧増減圧機100の出力圧による推力が、制御装置5により制御される減圧弁25によってアシストシリンダ20のヘッド側圧力室における作動油の圧力が適宜調整されて、図15の鋸歯状の灰色の実線で示すように、所定範囲内に維持されるようにする。この場合、アキュムレータ21における作動油の圧力、すなわち、油圧増減圧機100の入力圧は、徐々に減少する。アキュムレータ21内の作動油が排出されるためである。
なお、制御装置5は、アシストシリンダ20のストローク量と採用段とを予め対応付けて記憶しておくことによって、各段の出力可能推力を個別に算出することなく、アシストシリンダ20のストローク量に基づいて採用段を直接決定してもよい。
また、本実施例では、制御装置5は、図14及び図15に示すように、アシスト目標推力の設定を除き、ブーム上げ操作時とブーム下げ操作時とで同じ対応関係を用いるが、異なる対応関係を用いてもよい。
次に、図16を参照しながら、アーム15やバケット16が操作されている場合、或いは、ショベル50が水平面に対して傾斜している場合における、アシストシリンダ20のストローク量と、油圧増減圧機100の入力圧及び出力圧と、油圧増減圧機100の採用段との間の対応関係について説明する。なお、図16に示す対応関係は、アシストシリンダ20のストローク量の増加にしたがって減少するように設定された負荷静止保持推力を用いる点で、図14及び図15に示す対応関係と相違する。また、図16に示す対応関係は、アシスト目標推力の設定を除き、ブーム上げ操作時及びブーム下げ操作時の双方で利用され、例えば、ブームを上げながらアームを閉じる複合動作、ブームを下げながらアームを開く複合動作、前傾姿勢のショベル50がブームを上下させる動作等で利用される。
図16に示す対応関係においても、制御装置5は、ブーム下げ操作時に、アシストシリンダ20による上昇推力によってブーム14の下降が停止してしまい或いは上昇に転じてしまうことがないようにしながら、ブーム14を滑らかに下降させられるよう適切な段を決定する。また、制御装置5は、ブーム上げ操作時に、アシストシリンダ20による上昇推力が過度に不足してしまうことがないようにしながら、ブームシリンダ17によるブーム14の上昇をアシストしてブーム14を滑らかに上昇させられるよう適切な段を決定する。
以上の構成により、油圧増減圧機100は、アシストシリンダ20内に押し込まれる作動油の圧力をより柔軟に制御することができ、アシストシリンダ20の動き、ひいては掘削アタッチメントの動きをより柔軟に制御することができる。すなわち、掘削アタッチメントの操作性、及び、アキュムレータ21が回収した油圧エネルギの利用効率を高めることができる。
また、油圧増減圧機100は、アキュムレータ21内に押し込まれる作動油の圧力をより柔軟に制御することができ、掘削アタッチメントの位置エネルギのアキュムレータ21による回収をより柔軟に制御することができる。すなわち、アキュムレータ21による位置エネルギの回収効率を向上させることができる。
次に、図17を参照しながら、アシストシリンダの別の構成例20Aについいて説明する。なお、図17は、アシストシリンダ20Aを含むブームシリンダ17の断面図であり、アシストシリンダ20Aが、アシスト対象であるメインシリンダとしてのブームシリンダ17のピストンロッド内に形成された状態を示す。
アシストシリンダ20Aは、作動油が流出入する1つのポートを有し、そのポートが油圧増減圧機100の出力に接続される。なお、ブームシリンダ17のヘッド側圧力室及びロッド側圧力室のそれぞれは、図示しない流量制御弁に接続され、図示しない油圧ポンプが吐出する作動油を受け入れることができ、また、作動油タンクに向けて作動油を排出することができる。なお、油圧増減圧機100の入力は、アキュムレータ21に接続される。
このような構成においても、油圧増減圧機100は、アシストシリンダ20A内に押し込まれる作動油の圧力をより柔軟に制御することができ、アシストシリンダ20Aの動き、ひいては掘削アタッチメントの動きをより柔軟に制御することができる。すなわち、掘削アタッチメントの操作性、及び、アキュムレータ21が回収した油圧エネルギの利用効率を高めることができる。
また、油圧増減圧機100は、アキュムレータ21内に押し込まれる作動油の圧力をより柔軟に制御することができ、掘削アタッチメントの位置エネルギのアキュムレータ21による回収をより柔軟に制御することができる。すなわち、アキュムレータ21による位置エネルギの回収効率を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例において、作動油は、空気、水等の他の流体で置き換えられてもよい。
また、上述の実施例において、アシストシリンダ20は、ブームシリンダ17の前方に平行に取り付けられるが、ブームシリンダ17の側方又は後方に平行に取り付けられてもよい。また、アシストシリンダ20は、ブームシリンダ17の前方、側方、又は後方に、ブームシリンダ17に対して傾斜するように取り付けられてもよい。
また、アシストシリンダ20は、ブーム14の後方に、すなわち、ブーム14の前方に取り付けられるブームシリンダ17に対してブーム14の反対側に取り付けられてもよい。この場合、アシストシリンダ20は、ブーム14が下降するにつれて伸び、ブーム14が上昇するにつれて縮む。そのため、アシストシリンダ20のロッド側圧力室が油圧増減圧機100の出力用圧力室に接続され、アシストシリンダ20のヘッド側圧力室が作動油タンクに接続される。
また、油圧増減圧機100は、作業体の位置エネルギを流体圧エネルギとして回収可能なアキュムレータと、アキュムレータの流体圧エネルギを利用して作業体を駆動可能な流体圧アクチュエータとを有する、油圧エレベータ、油圧クレーン等の他の作業機械に搭載されてもよい。
1、1a、1b、1c1〜1c3、2・・・油圧シリンダ 1H、2H・・・ヘッド側圧力室 1P、1Pa、1Pb、1Pc1〜1Pc3、2P・・・ピストン 1R、2R・・・ロッド側圧力室 3、3a、3c・・・ピストンロッド 4R、4L、4C・・・近接センサ 5・・・制御装置 6H、6R、7R、7H・・・流れ制御弁 8・・・入出力直結切換弁 10・・・キャビン 11・・・下部走行体 12・・・旋回機構 13・・・上部旋回体 14・・・ブーム 15・・・アーム 16・・・バケット 17・・・ブームシリンダ 18・・・アームシリンダ 19・・・バケットシリンダ 20、20A・・・アシストシリンダ 21・・・アキュムレータ 22・・・姿勢状態検出装置 23・・・アキュムレータ状態検出装置 24・・・操作状態検出装置 25・・・減圧弁 50・・・ショベル 100、100A、100B・・・油圧増減圧機

Claims (2)

  1. 作業体を駆動するメインシリンダと、
    前記メインシリンダを補助するアシストシリンダと、
    前記作業体の位置エネルギを流体圧エネルギとして回収し、且つ、回収した流体圧エネルギを前記アシストシリンダの駆動に利用できるようにするアキュムレータと、
    1つの流体圧シリンダ又は複数の連動する流体圧シリンダにおける複数の圧力室から、入力圧が適用される少なくとも1つの入力用圧力室と、入力圧より高い出力圧、及び、入力圧より低い出力圧を含む出力圧が生成される少なくとも1つの出力用圧力室とを切り替え可能に選択する制御装置と、前記入力用圧力室と入力とを連通させ、且つ、前記出力用圧力室と出力とを連通させる流れ制御弁とを備える流体圧増減圧機と、を備え、
    前記流体圧増減圧機は、前記アキュムレータを入力とし、前記アシストシリンダを出力とする、
    作業機械。
  2. 前記アシストシリンダは、前記メインシリンダのピストンロッド内に形成される、
    請求項1に記載の作業機械。
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