JP2013199714A - データ表示部付き生地及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】衣類の製造などに用いる生地において、パーツパターン2の表示領域として生地1上に想定される複数のパターン区画4に対してそれらの区画内又は区画外に、パーツパターン2の特定情報を非接触で読み取り可能にする少なくとも一つのデータ表示部3が設けられたものとする。
【選択図】図1
Description
生地には、予め、切り出そうとする生地パーツの柄(以下、「パーツパターン」と言う)をインクジェット捺染等により表示しておく場合がある。この場合、生地裁断装置では、裁断に先だってパーツパターンに対応する裁断プログラムを生成(プログラミング)する必要がある。この裁断プログラムは、パーツパターンの配置(輪郭座標)を規定した裁断データを用いて構成される。
なお、裁断データ類の選択間違いを防止したり面倒さを解消したりする目的のもと、データ読み出し用の情報を一次元コード(バーコード等)化して印刷したラベルを、予め、生地の1箇所に貼付しておき、裁断工程の開始時に、作業者がこのラベルをコードリーダーで読み取らせ、データベースから裁断データを読み出すという方法が試されることもあった。
言うまでもなく、パーツパターンを異ならせれば、選択すべき裁断データも異なってくるので、パターン区画ごと、場合によってはパーツパターンごとに裁断プログラムも組み直す必要がある。
一方、裁断工程で切り出された生地パーツを下流の工程(縫製工程等)へ移送し、作業する場合には、各生地パーツに関するサイズや形状などの各種データを把握及び管理する必要がある。しかし、生地パーツとして切り出された時点で、当該生地パーツに関する個別情報は生地パーツと切り離されているので、このようなデータ管理はできない。
せる、といった簡便な方式で対処していたのが実情である。それ故、面倒であると共に、情報カードの入れ間違いや紛失等が起こると、作業が滞ったり、作業ミスが生じたりする重大問題に繋がることもあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、裁断工程での裁断プログラム生成などのように、種々様々なデータを必要とするデータ管理を迅速、簡単且つ正確に実行できるようにして、衣類の製造など、全体工程にわたる生産能率の飛躍的な向上を図ることも可能にするデータ表示部付き生地及びその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係るデータ表示部付き生地では、パーツパターンの表示領域として生地上に想定される複数のパターン区画に対してそれらの区画内又は区画外に、前記パーツパターンの特定情報を非接触で読み取り可能にする少なくとも一つのデータ表示部が設けられていることを特徴とする。
前記パターン区画には複数のパーツパターンが分散配置されており、これら各パーツパターンに個別に割り当てて前記データ表示部が配置されているものとしてもよい。
前記生地は帯状に長く形成された帯状生地であって、当該生地の帯長手方向に沿って前記パターン区画が複数想定されるものとなっており、各パターン区画ごとに前記データ表示部が配置されたものとすることができる。
前記生地は帯状に長く形成された帯状生地であって、当該生地の帯幅方向に前記パターン区画が複数想定されるものとなっており、各パターン区画ごとに前記データ表示部が配置されているものとしてもよい。
前記データ表示部は、一次元コード又は二次元コードとすることができる。
前記データ表示部は、捺染により捺染された表示物としてもよい。
一方、本発明に係るデータ表示部付き生地の製造方法では、パーツパターンの表示領域として生地上に想定されるパターン区画の区画内又は区画外に、前記パーツパターンの特定情報を非接触で読み取り可能にする少なくとも一つのデータ表示部を、パーツパターンの捺染と先行、後行、又は並行して設けることを特徴とする。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る生地1の第1実施形態を示している。本第1実施形態の生地1には、パーツパターン2(切り出そうとする生地パーツを柄状に表示させたもの)の特定情報を非接触で読み取り可能にする、少なくとも一つのデータ表示部3が設けられたものとなっている。この生地1には、パーツパターン2の表示領域として複数のパターン区画4が想定される。前記したデータ表示部3は、これら複数のパターン区画4に対し、それぞれ個別に少なくとも1つを対応させた配置となっている。
なお、このパターン区画4は、パーツパターン2を切り出すときに用いる生地裁断装置(図示略)が、その動作制御の中で設定する仮想的なもの(生地1の画像検出を行った場合に設定する計算上の領域や、コンピュータ画面などで設定する領域)としてもよいし、生地1に対して視覚的に認識できるように囲みライン状又はカラー領域状に表示したもの(レーザー光を照射して表示した囲みライン等を含む)としてもよい。
データ表示部3をこのような配置としておくことで、生地1(パターン区画4)の中からデータ表示部3を検出し、読み取る作業を迅速且つ確実に行えるようになる。
その他、特定の光を当てたときだけ判別できるようになるインク(例えば、赤外線に対するステルスインクやブラックライトに対する蛍光塗料等)を採用してデータ表示部3を捺染することも可能である。このようなインクを用いると、特定の光を当てない限り、データ表示部3は不鮮明又は視認不能となるので、生地1又は切り出した後の生地パーツと
しての外観性を向上させることができる。
例えば、データ表示部3は、生地1、又はパターン区画4の中でのパーツパターン2の配置(輪郭座標)を規定した裁断データ(生地裁断装置において裁断ヘッドを移動させるときに用いる座標データ)が多種蓄積されたデータベースから、特定のパーツパターン2に対応した裁断データを読み出すための情報(格納番地等)とすることができる。
すなわち、裁断工程の開始時に、人為的又は機械的に、専用のコードリーダーやラインセンサカメラ等の画像処理機でデータ表示部3を読み取らせ、データベースに蓄積された多種の裁断データ類の中からパーツパターン2に適合する適正な裁断データを選び出して、プログラム装置で裁断プログラムを生成させる、といった使用が可能となる。
本第1実施形態では、生地1が帯状生地であって、その帯長手方向に複数のパターン区画4が並んで設けられたものとなっているが、各パターン区画4に設けるパーツパターン2は、それぞれ独自の判断で選出されたものとしてある。従って、隣り合うパターン区画4間で、パーツパターン2が同じである場合もあるし、異なる場合もある。当然に、パーツパターン2が同じである場合は、各パターン区画4に対応したデータ表示部3も同じ特定情報を有したものとされており、パーツパターン2が異なる場合は、各パターン区画4に対応したデータ表示部3も異なる特定情報を有したものとされている。
本発明に係る生地1を製造するには、パーツパターン2の表示領域として生地1上に想定されるパターン区画4の区画内又は区画外に、パーツパターン2の特定情報を非接触で読み取り可能にする少なくとも一つのデータ表示部3を、パーツパターン2の捺染と先行、後行、又は並行して設けるようにする。
この場合、パーツパターン2のインクジェット捺染に用いる捺染プログラムに対し、データ表示部3の捺染データを組み込んで、1サイクルのインクジェット捺染により、パーツパターン2とデータ表示部3とを生地1に捺染するようにする。但し、1サイクル中においては、パーツパターン2とデータ表示部3のいずれが先行、又は後行するかが限定さ
れるものではなく、場合によっては同時並行させてもよい。
[第2実施形態]
図2は、本発明に係る生地1の第2実施形態を示している。本第2実施形態も第1実施形態(図1参照)と同様に、生地1は生地ロールから巻き出された帯状生地としてあり、パターン区画4が、生地1の帯長手方向に沿って互いに隣接するように複数想定されるものとしてある。
そのため、生地1として、その帯幅が標準サイズを超えた広幅サイズのもの(例えば、1000mmを超えるようなサイズ)としてある。このように生地1の広幅化を行っていても、裁断作業の1サイクル内で多くの生地パーツを切り出すことができるようになるので、裁断作業の高能率化が可能となっている。
データ表示部3をこのような配置としておくことで、生地1(パターン区画4)の中からデータ表示部3を検出し、読み取り作業を迅速且つ確実に行えるようになる。
[第3実施形態]
図3は、本発明に係る生地1の第3実施形態を示している。本第3実施形態も第1実施形態(図1参照)と同様に、生地1は生地ロールから巻き出された帯状生地としてあり、パターン区画4が、生地1の帯長手方向に沿って互いに隣接するように複数想定されるものとしてある。
[第4実施形態]
図4は、本発明に係る生地1の第4実施形態を示している。本第4実施形態も第1実施形態(図1参照)と同様に、生地1は生地ロールから巻き出された帯状生地としてあり、パターン区画4が、生地1の帯長手方向に沿って互いに隣接するように複数想定されるも
のとしてある。
なお、データ表示部3は、図示した余白部5Aとは別の余白部5Bや5Cに対して配置してもよいことは言うまでもない。
[第5実施形態]
図5は、本発明に係る生地1の第5実施形態を示している。本第5実施形態も第1実施形態(図1参照)と同様に、生地1は生地ロールから巻き出された帯状生地としてあり、パターン区画4が、生地1の帯長手方向に沿って互いに隣接するように複数想定されるものとしてある。
但し、本第5実施形態では、一つのパターン区画4に対して複数(図例では3つ)のパーツパターン2A,2B,2Cが分散配置されたものとなっている。なお、一つのパターン区画4に対して一つのデータ表示部3が設けられている点は、第2実施形態(図2参照)や第4実施形態(図4参照)と同じである。
[第6実施形態]
図6及び図7は、本発明に係る生地1の第6実施形態を示している。本第6実施形態も第1実施形態(図1参照)と同様に、生地1は生地ロールから巻き出された帯状生地としてあり、パターン区画4が、生地1の帯長手方向に沿って互いに隣接するように複数想定されるものとしてある。
本第6実施形態では、各パーツパターン2の外周部にデータ表示部3が近接配置されたものとしてある。そのため、生地1(パターン区画4)からパーツパターン2の輪郭に一致又は沿わせるようにして生地パーツを切り出すときに、図7に示すように、生地パーツ(パーツパターン2Aを切り出したものとして例示)に対し、データ表示部3Aが付随するように切り出すことができる。
に、「除去予定位置」とする場合、切り取り除去が簡単に行え且つ生地パーツを傷めない位置とすることが好適とされ、且つデータ表示部3の占有面積以外に、無駄な除去生地を可及的に生じさせない範囲とすることが好適とされる。
また、データ表示部3としての用途(情報管理)が終了した後には、このデータ表示部3を切り取り除去したり、縫製時に接合部内へ隠したりすればよく、こうすることで生地パーツ又はこの生地パーツを用いて縫製した製品としての外観性を向上させることができるものである。また、情報の流出を防止できる(秘匿性の確保)利点もある。
例えば、生地1の生地質や厚さ等は何ら限定されるものではなく、天然素材でも合繊素材でもよいし、場合によっては不織布等としてもよい。また広幅サイズであるか標準サイズであるかについても何ら限定されない。
データ表示部3は、裁断プログラムの生成に用いることが限定されるものではなく、切り出された生地パーツとしての管理など、別の目的に用いることも可能である。
パーツパターン2の輪郭に一致又は沿わせるようにして生地パーツを切り出す場合のみならず、パーツパターン2を一部又は全部含ませるようにしつつ当該パーツパターン2との位置的関連を持たせて他の形状の生地パーツを切り出すような場合を含む。
2(2A,2B,2C) パーツパターン
3(3A,3B,3C) データ表示部
4 パターン区画
5A,5B,5C 余白部
7 切れ目
Claims (12)
- パーツパターンの表示領域として生地上に想定される複数のパターン区画に対してそれらの区画内又は区画外に、前記パーツパターンの特定情報を非接触で読み取り可能にする少なくとも一つのデータ表示部が設けられていることを特徴とするデータ表示部付き生地。
- 前記データ表示部は、前記パターン区画の外周部、前記パターン区画内に表示されるパーツパターンの外周部、前記パターン区画内に表示されるパーツパターン中であって切り抜きが予定される余白部、前記パターン区画内に表示されるパーツパターン中の一部、のうちいずれか一つに配置されていることを特徴とする請求項1記載のデータ表示部付き生地。
- 前記パターン区画には複数のパーツパターンが分散配置されており、これら各パーツパターンに個別に割り当てて前記データ表示部が配置されていることを特徴とする請求項2記載のデータ表示部付き生地。
- 前記データ表示部は、各パーツパターンに付随させる除去予定位置又は接合予定位置に配置されていることを特徴とする請求項3記載のデータ表示部付き生地。
- 前記生地は帯状に長く形成された帯状生地であって、当該生地の帯長手方向に沿って前記パターン区画が複数想定されるものとなっており、各パターン区画ごとに前記データ表示部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のデータ表示部付き生地。
- 前記生地の帯長手方向に沿って想定される各パターン区画ごとの前記データ表示部は、前記生地の帯長手方向で並んで整列配置されていることを特徴とする請求項5記載のデータ表示部付き生地。
- 前記生地は帯状に長く形成された帯状生地であって、当該生地の帯幅方向に前記パターン区画が複数想定されるものとなっており、各パターン区画ごとに前記データ表示部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のデータ表示部付き生地。
- 前記生地の帯幅方向に沿って想定される各パターン区画ごとの前記データ表示部は、前記生地の帯幅方向で並んで整列配置されていることを特徴とする請求項7記載のデータ表示部付き生地。
- 前記データ表示部は、一次元コード又は二次元コードであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のデータ表示部付き生地。
- 前記データ表示部は、捺染により捺染された表示物であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のデータ表示部付き生地。
- パーツパターンの表示領域として生地上に想定されるパターン区画の区画内又は区画外に、前記パーツパターンの特定情報を非接触で読み取り可能にする少なくとも一つのデータ表示部を、パーツパターンの捺染と先行、後行、又は並行して設けることを特徴とするデータ表示部付き生地の製造方法。
- 前記パーツパターンは、インクジェット捺染により捺染するものとし、このインクジェ
ット捺染に用いる捺染プログラムに前記データ表示部の捺染データを組み込んで、1サイクルのインクジェット捺染により前記パーツパターンと前記データ表示部とを同時に生地に設けることを特徴とする請求項11記載のデータ表示部付き生地の製造方法。
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