JP2013199676A - 真空蒸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺フィルム表面に異なる元素からなり、所定の組成および膜厚を有する混合膜を、高度なレベルで長時間連続的に、かつ、安定的に形成できる真空蒸着装置を提供することにある。
【解決手段】真空槽内に少なくとも2種類以上の異なる蒸着材料を保持し、かつこれらの蒸着材料を仕分ける仕切り部を備えた材料保持手段と、前記蒸着材料を加熱して加熱蒸発させる加熱手段とを備え、前記真空槽内で走行するフィルム上に無機薄膜を形成可能な真空蒸着装置において、前記仕切り部の仕切方向に垂直方向の熱伝導率が仕切方向の熱伝導率に対して2倍以上であることを特徴とするものである。
【選択図】図2

Description

本発明は真空蒸着装置に関し、詳しくは、フィルム上に異なる元素からなる混合膜を形成するための真空蒸着装置に関する。
従来、真空槽中を走行するフィルムに複数の材料を同時に蒸着させて混合膜を形成する装置として、例えば、特許文献1には、複数の蒸着材料10を収納した複数の坩堝8を、図6に示すように、走行するフィルムの走行方向と交差する方向にほぼ同一線上に、混在するように配置された装置が記載されている。この装置は、複数の蒸着材料(主として金属)から蒸発した各々の材料が走行フィルムに付着するまでに時間差が生じ難いために、蒸着膜の厚み方向に均一な混合膜を形成できる利点がある。
しかしながら、この装置では、隣り合う異なる蒸着材料の間にある坩堝の側壁部の幅が未蒸発領域となるため、走行フィルムの幅方向に形成される実際の蒸着膜の総厚みは、上記側壁部の略上方では蒸着速度が低下することにより、不均一になるという問題があった。
この問題を改善する装置として、例えば、特許文献2には、真空槽内で走行するフィルムに異なる元素からなる混合膜を形成可能な真空蒸着装置において、異なる種類の蒸着材料を保持するため、これらの蒸着材料を仕分ける仕切り部を備えた装置が記載されている。この装置は、異なる複数の蒸着材料間は厚みが厚い坩堝の側壁ではなく、薄い仕切り板で区分けされるため、異なる蒸着材料間の未蒸発領域を小さくでき、例えば加熱手段として電子銃を用いた場合には、隣接する各蒸着材料の境界近傍部分にまで電子線を照射できるため、仕切り板の上方近傍での蒸着速度が低下しにくいという利点がある。
しかしながら、この装置では仕切り板の断熱性が十分でないため、各々に設定する温度が異なると、仕切り部を通して熱の移動が発生しやすいため、温度が安定しにくいという問題があった。したがって、仕切り板を隔てた異なる蒸着材料の温度をそれぞれの最適温度に制御する上でまだ改善が必要であり、各々の蒸着材料の蒸発速度を制御するためには不十分な装置であった。
特開平6−235061号公報 特開2000−239832号公報
上述したように、従来の技術では、フィルムの幅方向および走行方向に所定の組成および膜厚を有する混合膜を、長時間連続的に、かつ、安定的に形成するには制御が難しかった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術が有する問題点を解消し、長尺フィルム表面に、異なる元素からなり、所定の組成および膜厚を有する混合膜を、高度なレベルで長時間連続的に、かつ、安定的に形成できる真空蒸着装置を提供することにある。なお、本発明において「フィルム」とは、幅および長さに対して厚みの薄い形状の材料を総称するものとし、本来のフィルムのみならずシート状材料を含む概念として用いる。
上記目的は、請求項記載の発明により達成される。すなわち、真空槽内に少なくとも2種類以上の異なる蒸着材料を保持し、かつこれらの蒸着材料を仕分ける仕切り部を備えた材料保持手段と、前記蒸着材料を加熱して加熱蒸発させる加熱手段とを備え、前記真空槽内で走行するフィルム上に無機薄膜を形成可能な真空蒸着装置において、前記仕切り部の仕切方向に垂直方向の熱伝導率が仕切方向の熱伝導率に対して2倍以上であることを特徴とするものである。
この場合において、前記仕切り部の仕切方向の熱伝導率が10W/m・K以下であることが好ましい。
また、前記仕切り部の曲げ強さが100MPa以上であることが好ましい。
そして、前記仕切り部が長繊維織物型炭素繊維強化炭素材であることが好ましい。
さらにまた、前記仕切り部が2枚以上の板材料で構成され、少なくとも2枚の板材料の間に空間をあけた構造であることが好ましい。
さらに、前記材料保持手段がフィルム走行方向に水平移動する機構を有することが好ましい。
また、前記仕切り部の長尺方向がフィルム走行方向と平行となるように仕切り部が設置されていることが好ましい。
この構成によれば、異なる複数の蒸着材料間は厚みが厚い坩堝の側壁ではなく、薄い仕切り部で区分けされるため、異なる蒸着材料間の未蒸発領域を小さくでき、例えば加熱手段として電子銃を用いた場合には、隣接する各蒸着材料の境界近傍部分にまで電子線を照射できる。したがって、仕切り部の上方近傍での蒸着速度の低下が抑えられる。しかも、仕切り部の断熱性が十分なため、仕切り部を隔てた異なる蒸着材料の温度をそれぞれの最適温度に制御することが可能である。
その結果、フィルム上に形成される混合膜の幅方向の組成および膜厚の均一性が向上し、長尺フィルム表面の幅方向および長さ方向にわたって、少なくとも2種類以上の材料からなり、所定の組成および膜厚を有する混合膜を、今日求められている高度なレベルで連続的、かつ均一に形成できる真空蒸着装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る真空蒸着装置の概略全体構造を説明する図である。 本発明の真空蒸着装置に用いる坩堝の構成を説明する図である。 本発明の仕切り部の構成を説明する図である。 本実施形態の坩堝を用いた場合の蒸発特性と厚み分布を説明するグラフである。 従来の坩堝を用いた場合の蒸発特性と厚み分布を説明するグラフである。 従来の真空蒸着装置に用いられている坩堝とその配置を示す図である。
本発明の真空蒸着装置を適用できるフィルム、例えば高分子フィルムは、特に限定するものではないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、ポリアミド4、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどからなるフィルムが挙げられる。
本発明でいう仕切り部とは少なくとも2種類の蒸着材料を保持する手段において、個々の蒸着材料が混ざらないように区分する機能を持つ部分をいう。
また、本発明で使用している仕切方向とは、ある蒸着材料から隣り合う材料に向う方向であり、板で仕切った場合には板の厚み方向となる。
また、仕切方向に垂直方向とは、板で仕切った場合は板の面に沿った方向となる。
本発明では、仕切り部に隣接して蒸着材料が充填されている。材料は上面より蒸発していくが、垂直方向のうち、蒸着材料の深さ方向に平行な方向を深さ方向、それに直交する方向を長さ方向とする。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態における真空蒸着装置の概略全体構造を示す。この真空蒸着装置では、真空槽6内の巻き出しロール1にセットされたフィルム11が冷却ロール3上を走行し、テンションロール5を通り、巻き取りロール2で巻き取られる。真空槽6内の真空度は、油拡散ポンプ(図示略)等からなる排気装置9により所定の真空度に維持される。真空槽6の底部に配置された材料保持手段の一例である坩堝8は、加熱手段の一例である電子銃4の軸方向に向かってフィルム11の蒸着面と平行を保ちながら低速で水平移動する。電子銃4は、坩堝8に収納された蒸着材料10に対して電子線12を照射する。電子線12により加熱され蒸発した材料の一部は、冷却ロール3上を走行するフィルム11の表面に蒸着される。なお、符号7はフィルム11上に均一で良好な蒸着膜を形成するための遮蔽板であり、符号15は坩堝8を冷却するために冷水などを流通させる冷却管である。
前記材料保持手段が前記電子銃4から照射される電子線12に対して遠近移動可能になっていると、電子銃4による加熱位置は変化させないで前記材料保持手段が水平移動することにより蒸発により減少した蒸着材料10が補給されることになる。このため材料保持手段内に収納されている蒸着材料10を照射する電子線12の照射条件、例えば電子銃4と蒸着材料10との距離などを可能な限り一定にでき、蒸着材料10を被蒸着材の幅方向に均一かつ長時間安定的に蒸着できる。
図2に示すように、前記坩堝8内には、前記仕切り部13が配置されている。この仕切り部13は、前記電子銃4から照射される電子線12の入射角度と略同じ角度に傾斜して配置されることが好ましい。
このように構成されていると、長時間の連続使用に耐えられるだけでなく、電子線12の入射を妨げることなく、隣り合う各蒸着材料10の極近傍部にまで電子線12を照射でき、蒸着材料10の使用に伴い蒸発消耗して材料面の高さが低くなっていく際にも、仕切り部13の影響を少なくでき、長時間連続蒸着しても、フィルム11の幅方向および走行方向の蒸着膜の厚みを一層均一に安定させることができて都合がよい。
図2の符号16は各仕切り部13の角度および間隔を調整して保持する保持部であり、一対の平行な保持部16、16と複数の仕切り部13とで格子が形成され、坩堝8の中に配置されている。そして隣り合う仕切り部13によって蒸着材料10を収容するボックス17が形成されている。中央側の仕切り部13は鉛直方向を向いており、端部側へ行くにつれて仕切り部13と鉛直線とのなす角度が増しており、電子銃4から照射された電子線12が仕切り部13で遮蔽されるのを極力防いで各ボックス17内の蒸着材料10を加熱できるようになっている。なお、蒸着材料10が2種類の場合には、蒸着材料(例えばA)と蒸着材料(例えばB)とを交互に、すなわちA、B、A、B・・・となるようにボックス17に装填する。
また、本発明では、仕切り部13の垂直方向の熱伝導率と仕切方向の熱伝導率との比率は2以上であることが必要であり、好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上である。仕切り部13の仕切方向の熱伝導率は、10W/m・K以下であることが好ましく、0.5〜10W/m・Kであることがより好ましい。仕切方向の熱伝導率が10W/m・K以下であれば、仕切り部13の良好な断熱性が得られるため、仕切り部13を隔てた異なる蒸着材料10の温度をそれぞれの最適温度に制御することが可能となる。
一方、仕切り部13の仕切方向に垂直方向の熱伝導率は、20W/m・K以上であることが好ましく、20〜50W/m・Kであることがより好ましい。熱伝導率が仕切方向に比べて長さ方向に大きいと熱が長さ方向に、あるいは深さ方向に逃げていき最終的に水冷している坩堝8に熱を逃がすことで仕切り部13自身の損傷を防止することができる。垂直方向の熱伝導率が大きくなりすぎると仕切り部13の温度が極端に下がり蒸発を妨げることになる。
仕切り部は、図2の符号13に示すように保持部16を貫通する態様でもよいし、保持部16に設けた溝にはめ込む別の態様でも良い。
本発明の構成によれば、異なる複数の蒸着材料10間は厚みが厚い坩堝の側壁ではなく、薄い仕切り部13で区分けされるため、異なる蒸着材料10間の未蒸着領域を小さくできる。仕切り部13の厚みは、2〜10mmが好ましく、5mm前後であることが一層好ましい。仕切り部13の厚みは薄い程好ましいが、2mm未満にまで薄くすると、加熱手段からの加熱による消耗のため使用可能時間が短くなり、かえってコスト高になるので好ましくない。
仕切り部13はある程度の機械的強度を有し、曲げ強さが100MPa以上であることが好ましく、そうすることで仕切り部13の薄肉化を図ることが可能となり、異なる蒸着材料10間の未蒸発領域を小さくできるため、蒸着の安定化、均一性の向上に一層貢献することができる。
仕切り部13の0〜800℃における仕切方向に垂直方向の熱膨張係数は、0.1×10-6〜1.0×10-6/℃であることが好ましい。仕切り部13の熱膨張係数がこの範囲にあれば、加熱蒸着において仕切り部13が坩堝8との接触により割れたり欠けたりすることなく、耐久性に富むものとなる。また、坩堝8内の材料を蒸発させるために高温、そして終了後に冷却という過程が繰り返されても、割れや欠けなどの損傷が発生し難いため、蒸着を数十回繰り返すことができ、蒸着コストが低廉なものとなる。
さらに、隣り合う仕切り部13同士の間隔は10〜120mmとすることが好ましい。このようになっていると、蒸着膜の組成比を幅方向に均一にできて都合がよい。仕切り部13同士の間隔を10mm未満とすると、蒸着材料10を装填するボックス17の容積に比べて仕切り部13同士の容積が相対的に大きくなって蒸着材料10の補充頻度が多くなるなど、蒸着効率が低くなって好ましくない。また、仕切り部13同士の間隔が120mmを超えると、異なる蒸着材料10を被蒸着材の幅方向に均一に蒸発させ難くなって好ましくない。
前記仕切り部13には炭素を主たる成分とする材料を使用することが好ましい。真空中では、炭素材料は最も高温に耐え、かつ寸法安定性に優れているからである。炭素材料としては、炭素繊維強化炭素材のような炭素系複合材料であることがより好ましい。炭素繊維強化炭素材は、電子線の照射に対して一層破損し難く、耐熱強度が高いので、この部分の冷却を必ずしも要しないからである。
本発明において、仕切り部13の仕切方向に垂直方向の熱伝導率と仕切方向の熱伝導率との比率を2倍以上にするには、長繊維ウェブを厚み方向に積み重ねたものを固め、炭化させて板状にした長繊維織物型炭素繊維強化炭素材を使用することが好ましい。例えば、ポリアクリロニトリル系炭素長繊維織物にフェノール樹脂を含浸させて得たプリプレクを積層した後、ホットプレスを行い、板状の炭素繊維を強化材にしたフェノール樹脂成形物(CFRP)を作り、真空中で1000〜2300℃で焼成して、フェノール樹脂の部分を炭化させる。フェノール樹脂の含浸と焼成炭化を繰り返し行うことにより、炭素繊維の回りがカーボンで囲まれた長繊維織物型炭素繊維強化炭素材を得ることができる。
本発明では、1枚の長繊維織物型炭素繊維強化炭素材の板のみで仕切り部13を構成してもよいし(図3−A)、2枚のカーボン板を数mmの間隔で平行に設置したものを1つの仕切り部13で構成してもよい(図3−B)。
以下の方法を用いて、仕切り部13の特性を評価した。
(1)熱伝導率
JIS−A−1412に準じて100℃で測定した値をいう。
(2)曲げ強さ
JIS−R−7212に準じて測定した値をいう。
フィルム11として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムロール(東洋紡績(株)製の東洋紡エステル(登録商標)フィルム、E5102、厚み12μm)を用いた。
蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状の酸化アルミニウム(Al、純度99.5%)と酸化珪素(SiO、純度99.9%)を用い、図1に示した装置で蒸着を行った。これら蒸着材料10を保持する坩堝8の外枠を銅で製作すると共に、仕切り部13を坩堝8内に配置した。坩堝8の底部に外径20mmφの冷却用水冷管15を設けた構造とした。冷却水の流量は略4mである。この仕切り部13は、後述するように、電子銃4から照射される電子線12が各蒸着材料10に入射される角度とほぼ等しい角度に傾けて配置してある。これは、電子線12の入射を妨げることなく隣接する各蒸着材料10間の極近くにまで電子線12を照射できるようにするためである。仕切り部13として10mm厚みの長繊維織物型炭素繊維強化炭素材を使用した。なお、仕切り部の熱伝導率は、仕切方向が5.7W/m・Kであり、仕切り部に垂直方向が27W/m・Kであった。また、仕切り部に垂直方向の曲げ強さは160MPaであった。仕切り部13で確保された各ボックス17には、前記2種類の蒸着材料10を交互に均一に収容した。図2には、本実施例に用いた坩堝8の概略構造を示す。仕切り部13の厚みは5mm、仕切り部13のピッチは、約100mmピッチとした。仕切り部13の傾斜角度は電子線の入射角に合わせ、また坩堝8は電子線12の入射側に近づく方向で、約2mm/minの速度で移動させた。酸化アルミニウムおよび酸化珪素を蒸着した高分子フィルムは、食品、医療品、電子部品など気密性を要求される包装材料やガス遮断材料として広く利用され得る。
電子銃4として、出力250kWのものを、フィルム幅方向に平行に配置した坩堝8に対面するように配置した。この電子銃4により、坩堝8内に交互配置された酸化珪素が4ボックス、酸化アルミニウムが5ボックスの計9ボックスの蒸着材料10を蒸着させる仕様とした。この実施例では1台の電子銃4を使用したが、坩堝8に投入する総エネルギー量が1台で確保できない場合や、広幅の高分子フィルムを蒸着する場合などでは、複数の電子銃4を用いて、蒸着領域を分割する方法を採用してもよく、電子銃の設置台数は特に限定されない。この場合、坩堝幅を広くして仕切り部13の数を増すことで対応できる。また、複数台の電子銃からの電子ビームの入射角に対応して仕切り部13を設置することが好ましい。
蒸着中の真空槽6内の圧力は、4×10-2Pa以下を常時維持できるような排気系とした。具体的には、50,000L/秒の油拡散ポンプを真空槽底部に直接接続する構造にした。なお、蒸着した混合膜層の厚みの測定方法は特に限定されないが、テンションロール5の略真上で、かつ高分子フィルム11の幅方向の中央に配置されたオンライン厚み測定装置(図示略)にて連続的に測定すると、連続したデータが得られ利便性が高まって好ましい。
各仕切り部13によって区分けされた蒸着材料10から蒸発するガスの分布は、図4のa,bに示すように、真上が最も強く、横に広がるほど強度が低下する分布を示す。この強度分布および形状は、電子線12の強度、電子線12が入射される角度、電子銃4と坩堝8までの距離、蒸発面積などに主に依存する。したがって、薄膜を形成するフィルムの幅方向および走行方向に組成比が同じで、かつ総厚みが均一な膜を形成させるためには、蒸着材料10の配置が最も重要である。今回、実施した蒸着材料10の配置法を図1および2に示す。
比較例を図6に示す。図6は、従来のように個々の材料を坩堝に入れて横に並べたものである。
図4に、実施例による蒸発特性と膜厚分布の測定結果を示し、図5に、比較例による蒸発特性と膜厚分布の測定結果を示す。図4および5で、aは酸化アルミニウムの膜厚分布、bは酸化珪素の膜厚分布、cは幅方向の混合膜の厚み分布を示す。図4および5では、縦軸に混合蒸着膜の膜厚(各位置での膜厚を最大膜厚で除して、×100したもの)、横軸にフィルム位置を表す。
本実施形態による真空蒸着装置ではフィルム幅方向に均一に蒸着されていることが判る。
〔別の実施形態〕
(1)上記実施形態では、蒸着材料保持手段の容器として銅製の坩堝8を示したが、これに限定されず、電子線12などの加熱手段に対して損傷し難い材質のものであれば、他の材料でもよい。そして、容器は蒸着材料10を保持できれば、バスケットのような形状でもよい。
(2)上記実施形態では、真空槽としていわゆる1チャンバー式を用いた例を示したが、フィルム等の被蒸着材料を走行する室と蒸着材料10を加熱する室とを異なる減圧状態にして真空蒸着を行う、いわゆる2チャンバー式の装置にも、本発明を適用できる。
(3)上記実施形態では、被蒸着材料の巻き出しロール1および巻き取りロール2を真空槽内に配置した例を示したが、巻き出しロール1および巻き取りロール2を蒸着する真空槽外に配置し、蒸着を高真空槽内で行う連続方式の装置にも適用できる。
(4)上記実施形態では、フィルム状の被蒸着材料として高分子フィルムを例に挙げたが、被蒸着材料としては紙、布などでもよい。また、蒸着材料10として、上記した酸化アルミニウムと酸化珪素以外に、種々の元素、化合物を使用することができ、さらに2種以上の蒸着材料10を用いて2種以上の元素または成分からなる混合膜を形成するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、明細書に記載されている技術思想内において種々の改良・改変が可能である。
本発明の真空蒸着装置は、坩堝内の仕切り部の仕切方向に垂直方向の熱伝導率が仕切方向の熱伝導率に対して2倍以上で、所定の組成および膜厚を有する混合膜を、高度なレベルで長時間連続的に、かつ、安定的に形成させる装置として好ましい。
1 巻き出しロール
2 巻き取りロール
3 冷却ロール
4 電子銃
5 テンションロール
6 真空槽
7 遮蔽板
8 坩堝
9 排気装置
10 蒸着材料
11 フィルム
12 電子線
13 仕切り部
14 坩堝の側壁部
15 冷却管
16 保持部
17 ボックス

Claims (7)

  1. 真空槽内に少なくとも2種類以上の異なる蒸着材料を保持し、かつこれらの蒸着材料を仕分ける仕切り部を備えた材料保持手段と、前記蒸着材料を加熱して加熱蒸発させる加熱手段とを備え、前記真空槽内で走行するフィルム上に無機薄膜を形成可能な真空蒸着装置において、前記仕切り部の仕切方向に垂直方向の熱伝導率が仕切方向の熱伝導率に対して2倍以上であることを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 前記仕切り部の仕切方向の熱伝導率が10W/m・K以下である請求項1に記載の真空蒸着装置。
  3. 前記仕切り部の曲げ強さが100MPa以上である請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
  4. 前記仕切り部が長繊維織物型炭素繊維強化炭素材である請求項1〜3のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  5. 前記仕切り部が2枚以上の板材料で構成され、少なくとも2枚の板材料の間に空間をあけた構造である請求項1に記載の真空蒸着装置。
  6. 前記材料保持手段がフィルム走行方向に水平移動する機構を有する請求項1〜5のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  7. 前記仕切り部の長尺方向がフィルム走行方向と平行となるように仕切り部が設置されている請求項1〜6のいずれかに記載の真空蒸着装置。
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