JP2013196406A - 設計支援装置及び設計支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物を構成する各部品の組み付けにおいて、バラツキを小さくするための対策を容易に特定する。
【解決手段】設計情報から構造物の立体モデルを作成する公差解析モデル作成手段10と、前記立体モデルから、バラツキを解析する部位の構成部品情報を取得し条件設定する構成部品情報取得手段11と、前記バラツキを解析する部位の組み付けに用いる設備情報を取得し条件設定する設備情報取得手段13と、前記バラツキを解析する部位の構成部品の組み付け順序を含む工程を条件設定する工程条件設定手段14と、前記バラツキを測定する基準となる基準点を条件設定する測定点情報設定手段15と、前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位及びそのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出する公差解析手段17とが機能する。
【選択図】図2

Description

本発明は、設計支援装置及び設計支援方法に関し、例えば、構造物(例えば自動車の車体)を構成する各部品の組み付けにおいて、バラツキを小さくするための対策を特定する設計支援装置及び設計支援方法に関する。
例えば、自動車の製造工程にあっては、車体を構成する各部品(例えば、フロントフード、フロントバンパ、リアバンパ、サイドドア等)の組み付け作業において、特許文献1に開示されるように設備側の取付治具に設けられた基準ピンに前記各部品に設けられた基準孔を係合し、位置合わせした上で接合している。
しかしながら、そのように位置合わせを行っても、部品の基準孔と治具の基準ピンとの間には隙間があるため、配置された部品の位置には多少なりともバラツキが生じる。
このため、組み付け後のバラツキを低減することは従来からの課題であり、その対策として、例えば、治具の基準ピンと係合する部品の基準孔の径を小さくする対策、或いは摩耗した治具の基準ピンを新たなものに交換する対策などで対応していた。
具体的には、バラツキの要因となる工程(部位)を特定して前記のような対策を施す必要があり、次のような工程に沿って対応していた。
先ず、バラツキの要因を特定するため、実際の製造ラインにおいて、バラツキが大きい部品に係る複数の組み付け工程を実施し、バラツキに対し最も寄与度の大きい工程を推定する(図13のステップSt1)。
バラツキに対し最も寄与度の大きい工程が推定されると、その工程で用いる部品、或いは設備側の治具における対策部位と修正量を決定し(図13のステップSt2)、実際に対策を施す(図13のステップSt3)。尚、この対策とは、前記したような治具の基準ピンと係合する部品の基準孔の径を小さくする対策、或いは摩耗した治具の基準ピンを新たなものに交換する対策などである。
ステップSt3の対策の結果、バラツキが許容範囲に収まれば(図13のステップSt4)、対策完了であり(図13のステップSt5)、バラツキが許容範囲に達しなければ(図13のステップSt4)、再度ステップSt1に戻り、要因調査、解析作業を行う。
特開2003−40161号公報
しかしながら、図13に示した従来の手順によれば、バラツキに係る複数の組み付け工程のうち、寄与度の大きい工程を特定するのが非常に困難であり、また、複数取り得る対策案のうち、どれが最も効果的なのか、実際に対策を施してみなければ分からなかった。
即ち、実際の製造ラインにおける各工程でバラツキの確認を行い、繰り返し組み付けを行う必要があるため、多大な工数及び時間を必要とするという課題があった。
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、構造物(例えば自動車の車体)を構成する各部品の組み付けにおいて、バラツキを小さくするための対策を容易に特定することのできる設計支援装置及び設計支援方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る設計支援装置は、演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備され、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、構造物を構成する部品が組み付けられた際のバラツキを低減するための対策案を特定する設計支援装置であって、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、設計情報から前記構造物の立体モデルを作成する公差解析モデル作成手段と、前記立体モデルから、バラツキを解析する部位の構成部品情報を取得し条件設定する構成部品情報取得手段と、前記バラツキを解析する部位の組み付けに用いる設備情報を取得し条件設定する設備情報取得手段と、前記バラツキを解析する部位の構成部品の組み付け順序を含む工程を条件設定する工程条件設定手段と、前記バラツキを測定する基準となる基準点を条件設定する測定点情報設定手段と、前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位及びそのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出する公差解析手段とが機能することに特徴を有する。
尚、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、前記公差解析手段が算出した最大のバラツキ量が許容範囲内であるか否かを判断する建付適正判断手段が機能することが望ましい。
また、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、前記公差解析手段が算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき要対策部位を決定すると共に、前記要対策部位の修正量を算出する修正部位判断手段が機能し、さらに前記公差解析手段が機能して、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出することが望ましい。
このように構造物の立体モデルを作成し、実際の製造工程と同工程で条件設定を行い、公差解析を用いた多数回の仮想製造を行うことにより、バラツキの状態(バラツキ量)と、最大バラツキ量に対する複数部位の寄与度を机上で求めることができる。
このため、最大バラツキ量が許容値を超えている場合、前記寄与度に基づき、対策が必要な部位を容易に特定することができ、また対策が必要な部位に対する修正量を条件設定した上で、再度、公差解析を用いて多数回の仮想製造を行うことにより、最大バラツキ量が許容内に収まる修正量を容易に求めることができる。その結果、最も効果的な対策を求めるまでの工数及び時間を従来よりも大幅に低減することができる。
また、前記修正部位判断手段は、前記公差解析手段が算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき、複数の対策案ごとに要対策部位を決定すると共に、前記複数の対策案ごとに要対策部位の修正量を算出し、前記公差解析手段は、前記複数の対策案ごとに、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出することが望ましい。
このように対策案が複数考えられる場合には、各対策案について対策部位と修正量を条件設定し、公差解析を用いて多数回の仮想製造を行うことにより、どの対策案が最も効果的にバラツキを低減することができるかを容易に知ることができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る設計支援方法は、演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備された設計支援装置において、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、構造物を構成する部品が組み付けられた際のバラツキを低減するための対策案を特定する設計支援方法であって、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、設計情報から前記構造物の立体モデルを作成するステップと、前記立体モデルから、バラツキを解析する部位の構成部品情報を取得し条件設定するステップと、前記バラツキを解析する部位の組み付けに用いる設備情報を取得し条件設定するステップと、前記バラツキを解析する部位の構成部品の組み付け順序を含む工程を条件設定するステップと、前記バラツキを測定する基準となる基準点を条件設定するステップと、前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップとを実行することに特徴を有する。
尚、前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップの後、前記算出した最大のバラツキ量が許容範囲内であるか否かを判断するステップを実行することが望ましい。
また、前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップの後、前記算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき要対策部位を決定すると共に、前記要対策部位の修正量を算出するステップと、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップとを実行することが望ましい。
このように構造物の立体モデルを作成し、実際の製造工程と同工程で条件設定を行い、公差解析を用いた多数回の仮想製造を行うことにより、バラツキの状態(バラツキ量)と、最大バラツキ量に対する複数部位の寄与度を机上で求めることができる。
このため、最大バラツキ量が許容値を超えている場合、前記寄与度に基づき、対策が必要な部位を容易に特定することができ、また対策が必要な部位に対する修正量を条件設定した上で、再度、公差解析を用いて多数回の仮想製造を行うことにより、最大バラツキ量が許容内に収まる修正量を容易に求めることができる。その結果、最も効果的な対策を求めるまでの工数及び時間を従来よりも大幅に低減することができる。
また、前記算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき要対策部位を決定すると共に、前記要対策部位の修正量を算出するステップにおいて、前記算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき、複数の対策案ごとに要対策部位を決定すると共に、前記複数の対策案ごとに要対策部位の修正量を算出し、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップにおいて、前記複数の対策案ごとに、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出することが望ましい。
このように対策案が複数考えられる場合には、各対策案について対策部位と修正量を条件設定し、公差解析を用いて多数回の仮想製造を行うことにより、どの対策案が最も効果的にバラツキを低減することができるかを容易に知ることができる。
本発明によれば、構造物(例えば自動車の車体)を構成する各部品の組み付けにおいて、バラツキを小さくするための対策を容易に特定することのできる設計支援装置及び設計支援方法を得ることができる。
図1は、本発明に係る設計支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図2は、図1の設計支援装置が備える情報処理装置により順に実施される各機能を示す機能ブロック図である。 図3は、図1の設計支援装置が備える情報処理装置により実施される公差解析手段の機能を説明するための図であって、図3(a)は基準孔を有するプレートの平面図、図3(b)は側面図である。 図4は、図1の設計支援装置が備える情報処理装置により実施される公差解析手段の機能を説明するための図であって、図4(a)は基準ピンを有する治具の平面図、図4(b)は側面図である。 図5は、図1の設計支援装置が備える情報処理装置により実施される公差解析手段の機能を説明するための図であって、プレートが治具にセットされた際のバラツキを示す平面図である。 図6は、設計支援装置により実施される処理の流れを示すフローである。 図7は、図1の設計支援装置が解析を行う部位(ユニット)の例を示す平面図である。 図8は、図7のユニットを構成する部品を示す平面図である。 図9は、設備側(治具)の基準ピンの形状等を説明するための平面図である。 図10は、図8の各部品を組み付ける工程を示す平面図である。 図11は、設計支援装置による解析結果である各部位のバラツキ量の例を示す平面図である。 図12は、設計支援装置による解析結果である各工程における寄与率を示す平面図である。 図13は、バラツキを低減するための従来の手順を説明するためのフローである。
以下、本発明にかかる設計支援装置及び設計支援方法の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。尚、本実施の形態においては、本発明に係る設計支援装置を用い、構造物(例えば自動車の車体)を構成する各部品の組み付けのバラツキを小さくするための対策を特定する場合に適用して説明する。
図1は、本発明に係る設計支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図示する設計支援装置1は、公差解析を用いて製造バラツキの対策を特定するための処理を行う情報処理装置2と、ユーザからの各種要求を受け付ける入力装置3と、情報処理装置2が行った処理結果を出力する出力装置4とを備える。また、情報処理装置2は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して、CAD装置5に接続されている。
情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)100と、RAM(Random Access Memory)等により構成された主記憶装置101と、I/Oインタフェース102と、ネットワークインタフェース103と、ハードディスク等により構成された補助記憶装置104とを有する。
また、補助記憶装置104には、設計支援に係る各機能を実現するためのプログラムが記憶されている。そして、前記各機能は、CPU100が補助記憶装置104に格納されている前記プログラムを主記憶装置101にロードして実行することにより実現される。
また、入力装置3は、キーボードやマウス等により構成され、ユーザからの各種要求や解析条件等を受け付けて情報処理装置2に出力するものである。
また、出力装置4は、液晶ディスプレイ等により構成され、情報処理装置2が出力する画像情報を出力するものである。
次に、情報処理装置2により実行される各機能について説明する。
図2は、情報処理装置2により順に実施される各機能を示す機能ブロック図である。図2に示すように情報処理装置2においては、公差解析を行うための構造物(例えば車体)の立体モデル(3Dモデル)を作成する公差解析モデル作成手段10と、解析を行う対象部位(ユニットと称呼する)の構成部品情報を取得する構成部品情報取得手段11と、ユニットを構成する各部品情報を確認する部品情報設定手段12とを有する。
また、解析するユニットに対応する設備(治具)情報を取得し条件設定する設備情報取得手段13と、部品の組み付け順序を含む工程を条件設定する工程条件設定手段14とを有する。
また、バラツキを測定する上で基準となる基準点および計測条件を設定する測定点情報設定手段15と、入力装置3から入力された構造物の実測値(精度)を取得する実測値取得手段16と、公差解析を多数回(例えば5000回以上)実施し、バラツキ量を算出する公差解析手段17とを有する。
更に、公差解析手段17による算出結果から、バラツキ量が許容範囲内であるか否かを判定し、建て付けの合否を判断する建付適正判断手段18と、バラツキ量が許容範囲内でない場合に、バラツキ量が許容範囲内に収まるよう要対策部位の修正量を算出する修正部位判断手段19と、修正の妥当性を確認し、最も有効な対策情報を出力する対策案支持手段20とを有する。
ここで、前記公差解析手段17の機能について、より詳しく説明する。例えば、バラツキの解析対象となるユニットの一構成部品が、図3(a)の平面図、図3(b)の側面図に示すように、例えばプレート23である場合、プレート23に設けられた直径dの基準孔21,22が、例えば図4(a)の平面図、図4(b)の側面図に示すように設備側の治具32の基準ピン(水平方向断面が円形の丸ピン30、及び菱形のダイヤピン31)に係合され位置合わせされる。
図4の丸ピン30及びダイヤピン31の径(最大径)を例えばd−0.2mmとするならば、図3のプレート23を図4の治具32にセットしたとき、2本の基準ピン(丸ピン30,ダイヤピン31)と、プレート23の基準孔21,22との間には、図5に示すような片側0.1mmのガタ量が発生する。
このガタ量が、構造物を製造した際に発生するバラツキの一要因であり、公差解析手段17は、公差解析のモンテカルロ法を用いて数千回から数万回の仮想評価を行うことにより、前記ガタ量から発生しうる最大量のバラツキ(R1・R2)を算出するようになっている。
続いて、設計支援装置1により実施される処理の流れについて図6に沿って具体的に説明する。
先ず、CPU100が補助記憶装置104に格納されているプログラムを主記憶装置101にロードして実行することにより、公差解析モデル作成手段10が機能し、ネットワークNWを介してCAD装置5から設計情報を取得し、構造物(例えば車両全体)の立体モデルを作成する(図6のステップS1)。
次いで、構成部品情報取得手段11が機能し、例えば図7に示すような解析を行う部位(ユニット50と称呼する)を確認する(図6のステップS2)。尚、図7中に示す複数のバツ印は、複数の部品を接合するために溶接を行う打点40を示している。
また、部品構成設定手段12が機能し、図7に示すユニット50を構成する部品である4枚のプレート24,25,26,27(の形状)を確認する(図6のステップS3)。
具体的には、図8(a)、図8(b)に示すように、プレート24,25は、同形状の小形プレートであり、それぞれ基準孔24a、24bと基準孔25a、25bが設けられている。また、図8(c)に示すようにプレート26は、前記プレート24,25よりも大きい中形プレートであり、基準孔26a,26bが設けられている。また、図7(d)に示すようにプレート27は、前記プレート26よりも大きい大形プレートであり、基準孔27a,27bが設けられている。
また、設備情報取得手段13が機能し、解析するユニット50を組み付ける際に用いる設備情報(治具の情報)を取得する(図6のステップS4)。
具体的には、例えば、図9に示すようにプレート24は、その基準孔24a,24bが治具の基準ピン33、34に係合され、プレート25はその基準孔25a,25bが治具の基準ピン35,36に係合されて位置合わせされる。図9において、黒丸で示す基準ピン33,36は断面円形の丸ピンであり、黒い四角で示す基準ピン34,35は断面菱形のダイヤピンである。設備情報取得手段13は、このような治具側の情報(ピン形状、直径、ピン間ピッチなど)を取得する。
次に工程条件設定手段14が機能し、プレート24,25,26,27を組み付ける順番などの工程条件を設定する(図6のステップS5)。
具体的には、4枚のプレート24,25,26,27は、図10(a)〜10(d)に示す順番に組み付けが行われる。
即ち、先ず、図10(a)に示すようにプレート24,25を、治具を用いて重ねて配置し、打点40を接合する。プレート24,25が組み付けられると、図10(b)に示すように、その上に別の治具を用いてプレート26を配置し、打点40を接合する。
プレート24,25,26が組み付けられると、図10(c)に示すようにプレート27を別の治具を用いて配置し、さらにその上に組み付けられたプレート24,25,26を配置し、打点40を接合する。そして、組み付けられたプレート24,25,26,27を、治具から外してユニット50が得られる。
工程条件設定手段14は、このような組み付け順序を含む工程条件を設定する。
次いで、測定点情報設定手段15が機能し、バラツキを測定する上で基準となる基準点および計測条件を設定する(図6のステップS6)。具体的には、図7に示すように基準孔27a、27bの中心をそれぞれ基準点X,Yとして設定する。
また、実測値取得手段16が機能し、プレートの基準孔の径の実測値、治具の基準ピンの摩耗量、治具の基準ピンの位置精度などの実測値が入力装置3から入力されると、それを取得し条件設定する(図6のステップS7)。
そして、情報処理装置2は、公差解析手段17として機能し、前記した各条件を設定後、公差解析のモンテカルロ法を用いて多数回(例えば5000回)の仮想製造を実施する(図6のステップS8)。これにより、前記基準点X,Yを基準とした各基準孔のバラツキ量(最大量)が求められる。
より具体的に説明すると、図11に数値で示すように各基準孔のバラツキ量が求められ、また、その中で最も大きいバラツキ量を持つ基準孔が特定される。図11に示す例では、プレート25の基準孔25aにおいて最大のバラツキ量(1.4mm)が生じていることがわかる。
また、公差解析手段17は、前記最大のバラツキ量に対する各基準孔のバラツキの寄与率を算出する(図6のステップS9)。この寄与率を算出するステップにより、図12に示すように各組み付け工程における寄与率の順位付けがなされ、最も寄与率が大きい基準孔(要対策部位)からバラツキ対策を行うことで効率的なバラツキ対策が可能となる。
前記のように最大のバラツキ量に対する各基準孔の寄与率が求められると、建付適正判断手段18が機能する。そして、前記最大のバラツキ量が許容値を超えている場合(図6のステップS10)、情報処理装置2は修正部位判断手段19として機能し、要対策部位を特定すると共に、それに対する修正量を算出し条件設定する(図6のステップS11)。
尚、ステップS11において、修正部位判断手段19は、複数の対策案ごとに要対策部位を決定すると共に、前記複数の対策案ごとに要対策部位の修正量を算出するようにしてもよい。
具体的に例を挙げて説明すると、対策案1では、基準ピン間のピッチ、及び基準孔間のピッチをより長く形成するものとし、対策案2では、大きい部品(プレート26、27)から先に組み付けるものとし、対策案3では、寄与度が最も大きい基準ピンと次に大きい基準ピンの径を所定量だけ現行より太く形成するものとする。
修正部位判断手段19は、前記対策案1〜3ごとに要対策部位を決定し、その修正量を条件設定する。
前記のようにステップS11において修正量を含む条件設定がなされると、公差解析手段17が機能し、(複数の対策案ごとに)公差解析のモンテカルロ法を用いて多数回(例えば5000回)の仮想製造を実施する(図6のステップS8)。
そして、最大のバラツキ量を有する基準孔と、及びそのバラツキ量に寄与する各基準孔のバラツキの寄与率が求められると(図6のステップS9)、建付適正判断手段18が機能し、前記最大のバラツキ量が許容値を超えているか否かが再度判定される(図6のステップS10)。
ステップS10の判定において、前記最大のバラツキ量が許容値内である場合、対策案指示手段20が機能し、修正部位判断手段19が算出した(複数の対策案ごとの)要対策部位と、(複数の対策案ごとの)要対策部位に対する修正量を出力装置4に出力する。
また、最初のステップS10の判定において、最大のバラツキ量が許容値を超えていない場合(修正部位判断手段19が機能しなくてもよい場合)には、対策の必要がない旨の情報を出力装置4に出力する。
これにより、ディスプレイ装置などの出力装置4に、ガタツキ量を許容値内に収めるために有効な対策案が表示され、ユーザはバラツキを小さくするための対策を容易に特定することができる(図6のステップS12)。
以上のように本発明に係る設計支援装置の実施の形態によれば、情報処理装置2において構造物(車体)の立体モデルを作成し、実際の製造工程と同工程で条件設定を行い、公差解析を用いた多数回の仮想製造を行うことにより、バラツキの状態(バラツキ量)と、最大バラツキ量に対する複数部位の寄与度が求められる。
このため、最大バラツキ量が許容値を超えている場合、前記寄与度に基づき、対策が必要な部位を容易に特定することができ、また対策が必要な部位に対する修正量を条件設定した上で、再度、公差解析を用いて多数回の仮想製造を行うことにより、最大バラツキ量が許容内に収まる修正量を容易に求めることができる。その結果、最も効果的な対策を求めるまでの工数及び時間を従来よりも大幅に低減することができる。
また、対策案が複数考えられる場合には、各対策案について対策部位と修正量を条件設定し、公差解析を用いて多数回の仮想製造を行うことにより、どの対策案が最も効果的にバラツキを低減することができるかを容易に知ることができる。
尚、前記実施の形態によれば、図6のステップS7において、実測値取得手段16が機能し、治具の基準ピンの摩耗量の実測値、治具の基準ピンの位置精度などの実測値を取得し条件設定しているため、設備側の経時変化等に応じた最も効果的な対策案(例えば、バラツキへの寄与度が大きい部位において、摩耗した基準ピンを新しいピンに取り替えるなど)を特定することができる。
1 設計支援装置
2 情報処理装置
3 入力装置
4 出力装置
5 CAD装置
10 公差解析モデル作成手段
11 構成部品情報取得手段
12 部品構成設定手段
13 設備情報取得手段
14 工程条件設定手段
15 測定点情報設定手段
16 実測値取得手段
17 公差解析手段
18 建付適正判断手段
19 修正部位判断手段
20 対策案指示手段
24 プレート(部品)
25 プレート(部品)
26 プレート(部品)
27 プレート(部品)
50 ユニット(構造物)
100 CPU
101 主記憶装置(記憶装置)
102 I/Oインタフェース
103 NWインタフェース
104 補助記憶装置(記憶装置)

Claims (8)

  1. 演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備され、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、構造物を構成する部品が組み付けられた際のバラツキを低減するための対策案を特定する設計支援装置であって、
    前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、
    設計情報から前記構造物の立体モデルを作成する公差解析モデル作成手段と、前記立体モデルから、バラツキを解析する部位の構成部品情報を取得し条件設定する構成部品情報取得手段と、前記バラツキを解析する部位の組み付けに用いる設備情報を取得し条件設定する設備情報取得手段と、前記バラツキを解析する部位の構成部品の組み付け順序を含む工程を条件設定する工程条件設定手段と、前記バラツキを測定する基準となる基準点を条件設定する測定点情報設定手段と、前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位及びそのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出する公差解析手段とが機能することを特徴とする設計支援装置。
  2. 前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、
    前記公差解析手段が算出した最大のバラツキ量が許容範囲内であるか否かを判断する建付適正判断手段が機能することを特徴とする請求項1に記載された設計支援装置。
  3. 前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、
    前記公差解析手段が算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき要対策部位を決定すると共に、前記要対策部位の修正量を算出する修正部位判断手段が機能し、
    さらに前記公差解析手段が機能して、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された設計支援装置。
  4. 前記修正部位判断手段は、
    前記公差解析手段が算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき、複数の対策案ごとに要対策部位を決定すると共に、前記複数の対策案ごとに要対策部位の修正量を算出し、
    前記公差解析手段は、前記複数の対策案ごとに、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出することを特徴とする請求項3に記載された設計支援装置。
  5. 演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備された設計支援装置において、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、構造物を構成する部品が組み付けられた際のバラツキを低減するための対策案を特定する設計支援方法であって、
    前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、
    設計情報から前記構造物の立体モデルを作成するステップと、
    前記立体モデルから、バラツキを解析する部位の構成部品情報を取得し条件設定するステップと、
    前記バラツキを解析する部位の組み付けに用いる設備情報を取得し条件設定するステップと、
    前記バラツキを解析する部位の構成部品の組み付け順序を含む工程を条件設定するステップと、
    前記バラツキを測定する基準となる基準点を条件設定するステップと、
    前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップとを実行することを特徴とする設計支援方法。
  6. 前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップの後、
    前記算出した最大のバラツキ量が許容範囲内であるか否かを判断するステップを実行することを特徴とする請求項5に記載された設計支援方法。
  7. 前記条件設定された情報に基づき複数回の公差解析を行い、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップの後、
    前記算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき要対策部位を決定すると共に、前記要対策部位の修正量を算出するステップと、
    前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップとを実行することを特徴とする請求項5または請求項6に記載された設計支援方法。
  8. 前記算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき要対策部位を決定すると共に、前記要対策部位の修正量を算出するステップにおいて、
    前記算出したバラツキ量に対する各部位の寄与率に基づき、複数の対策案ごとに要対策部位を決定すると共に、前記複数の対策案ごとに要対策部位の修正量を算出し、
    前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出するステップにおいて、
    前記複数の対策案ごとに、前記算出された修正量に基づく条件設定に基づき、最大のバラツキ量を有する部位と、そのバラツキ量に寄与する各部位の寄与率を算出することを特徴とする請求項7に記載された設計支援方法。
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