JP2013195660A - 電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電気光学装置において高い応答性及び信頼性を実現する。
【解決手段】電気光学装置(1)の制御方法は、互いに交差する複数の走査線(40)及び複数のデータ線(50)の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極(21)及び対向電極(22)間に電気光学物質(80)を夫々有する複数の画素(20)を有し、画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに第1の極限光学状態及び第2の極限光学状態間の複数の光学状態をとり得る表示部(3)と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、複数の画素の各々の画素電極に画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部(10)とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、表示部は、第1極限光学状態及び第2極限光学状態を含まない非極限領域内で駆動される。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば電気泳動表示装置等の電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置の一例として、電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟んで対向する画素電極及び対向電極間に電圧を印加して、例えば黒色粒子及び白色粒子等の電気泳動粒子を移動させることで表示部に画像を表示する電気泳動表示装置がある。電気泳動素子は、例えば、複数の電気泳動粒子を夫々含む複数のマイクロカプセルから構成され、画素電極及び対向電極間に、樹脂等からなる接着剤によって固定される。なお、対向電極は、共通電極と呼ばれることもある。
このような電気泳動表示装置では、例えば表示面側に白色粒子を移動させるような電圧を印加することで白色を表示でき、表示面側に黒色粒子を移動させるような電圧を印加することで黒色を表示できる。また、上述した白色及び黒色に対応する各電圧が印加される期間を調整することで、白色及び黒色の中間階調(即ち、灰色)を表示することが可能とされている(例えば、特許文献1から3参照)。
米国特許出願公開第2005/0001812号明細書 米国特許出願公開第2005/0280626号明細書 国際公開2005/101363号公報
しかしながら、上述した電気泳動表示装置では、表示面側に白色又は黒色粒子を引き寄せ過ぎてしまうと、装置の信頼性が低下してしまうおそれがある。具体的には、例えば既に白色又は黒色が表示された後も駆動電圧が印加され続けることで、電気泳動素子に意図せぬ化学的な反応が起こり、損傷が発生してしまう場合がある。
また、本願発明者の研究するところによれば、表示面側に白色又は黒色粒子を引き寄せ過ぎてしまうと、書き換えの際の応答性が低下することが判明している。具体的には、例えば表示面側に白色粒子を引き寄せ過ぎてしまうと、次の書き換えで黒色を表示させようとする場合に、黒色側へと階調が変化し難い状態となってしまう。
以上のように、上述した各特許文献を含む従来技術は、過剰に電圧が印加されることで、応答性及び信頼性が低下してしまうおそれがあるという技術的問題点を有している。
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、高い応答性及び信頼性を実現可能な電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る電気光学装置の制御方法は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、前記表示部は、前記第1極限光学状態及び前記第2極限光学状態を含まない非極限領域内で駆動される。
本発明に係る電気光学装置の制御方法によって制御される電気光学装置は、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応してマトリクス状に配列された複数の画素を有する表示部を備えている。表示部は、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有している。また、表示部における複数の画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の光学状態をとることが可能とされている。
ここで「極限光学状態」とは、表示部における電気光学物質に対して所定の電圧を十分に印加することで実現される光学状態である。具体的には、例えば電気光学物質が白色の粒子及び黒色の粒子を含む電気泳動素子として構成される場合において、白色の粒子が表示面側に十分に引き寄せられている場合の光学状態や、黒色の粒子が表示面側に十分に引き寄せられている場合の光学状態が、本発明に係る「極限光学状態」に該当する。
上述した表示部は、駆動部によって、画像データに応じた画像を表示するよう制御される。具体的には、本発明に係る電気光学装置の動作時には、駆動部によって、複数の画素の各々の画素電極に画像データに応じた電圧パルスが供給される。これにより、各画素に画像データに応じた電圧が印加され、表示部では画像データに応じた画像が表示される。
なお、駆動部による各画素への電圧パルスの供給は、複数のフレーム期間に渡って行われる。言い換えれば、表示部の画素に対する電圧の印加は、フレーム期間単位で複数回行われる。具体的には、一のフレーム期間中に、複数の走査線が所定の順番で1回ずつ選択されるとともに、該選択した走査線に対応する画素における画素電極に電圧パルスが複数のデータ線を介して供給される。なお、ここでの「フレーム期間」とは、複数の走査線を所定の順番で1回ずつ選択する期間として予め定められた期間である。つまり、連続する複数のフレーム期間の各々において、複数の画素の各々における画素電極に電圧パルスを供給する制御が1回ずつ行われることにより、表示部に画像データに応じた画像が表示される。
ここで本発明に係る電気光学装置の制御方法では特に、表示部は、第1極限光学状態及び第2極限光学状態を含まない非極限領域内で駆動される。ここで「非極限領域」とは、表示部が駆動可能な領域のうち、第1極限光学状態を含む極限領域と第2極限光学状態を含む極限領域との間に位置する領域である。一方、「極限領域」とは、画素の光学状態が、後述する不具合が生じてしまう程度に第1極限光学状態又は第2極限光学状態に近づいてしまう領域である。即ち、非極限領域と極限領域との境界は、電気光学物質の特性等に基づいて適宜設定され得る。また、非極限領域と極限領域との境界を、第1階調状態、第2階調状態として用いることができる。
ここで、第1階調状態の一例は白表示状態であり、第2階調状態の一例は黒表示状態である。また、第1階調状態と第2階調状態との中間の光学状態(「中間光学状態」と呼ぶ)を表示に用いてもよい。例えば上述した白表示状態及び黒表示状態をそれぞれ第1階調状態、第2階調状態とする場合には、中間光学状態は、灰色を表示する際の光学状態に相当する。「中間光学状態」は、例えば第1階調状態へと光学状態を変化させるための電圧又は第2階調状態へと光学状態を変化させるための電圧を印加する期間を調整することで実現される。より具体的には、例えば電気泳動素子に含まれる白色の粒子及び黒色の粒子の位置を、白色及び黒色を表示させる場合の中間の位置に移動させることで中間光学状態である灰色を表示することができる。
なお、本発明に係る表示部では、例えば淡い灰色や濃い灰色等のように、複数の中間光学状態を各画素がとり得る。このような複数の中間光学状態は、画素電極及び対向電極間における各粒子の位置を調整することで表示することができる。具体的には、白色の粒子を表示面側に比較的近い中間位置とする(或いは、黒色粒子を表示面側から比較的遠い中間位置とする)ことで淡い灰色を表示することができ、白色の粒子を表示面側に比較的遠い中間位置とする(或いは、黒色粒子を表示面側から比較的近い中間位置とする)ことで濃い灰色を表示することができる。
本願発明者の研究するところによれば、画素の光学状態が第1極限光学状態又は第2極限光学状態に近づき過ぎてしまうと、装置の信頼性が低下してしまうおそれがあることが判明している。具体的には、例えば黒色を表示していた画素が白色を表示する状態へと書き換えられた後に、更に白色に対応する駆動電圧が印加され続けると、電気光学物質に意図せぬ化学的な反応が起こり、損傷が発生してしまう場合がある。
更に、画素の光学状態が第1極限光学状態又は第2極限光学状態に近づき過ぎてしまうと、書き換えの際の応答性が低下することが判明している。具体的には、例えば白色を表示している画素に対して、更に白色に対応する駆動電圧を印加し続けると、次の書き換えで黒色を表示させようとする場合に、黒色側へと階調が変化し難い状態となってしまう。
しかるに本発明では、上述したように、表示部が非極限領域内で駆動される。よって、画素の光学状態が極限領域に達してしまうことに起因して発生する不具合を低減できる。なお、非極限領域内での駆動では、極限領域まで使用する場合と比べて、画素がとり得る光学状態の幅が多少なりとも狭くなってしまう(言い換えれば、表示可能な階調の幅が狭くなってしまう)。しかしながら、非極限領域の境界付近の光学状態と極限領域の光学状態とでは階調の違いはごくわずかであり、その違いを視覚的に判別することは難しい。このため、非極限領域内での駆動に限定した場合であっても、表示品質は殆ど或いは全く低下しない。
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置の制御方法によれば、表示部を非極限領域内で駆動させることで、好適に高い応答性及び信頼性を実現することが可能である。
本発明に係る電気光学装置の制御方法の一態様では、前記非極限領域は、前記電圧パルスにおける電圧と電圧印加時間との積に対する反射率変化の割合の絶対値が第1閾値より大きくなる領域である。
この態様によれば、電圧パルスにおける電圧と電圧印加時間との積に対する反射率変化の割合の絶対値(以下、適宜「反射率変化率」と称する)と第1閾値とを比較することで、好適に非極限領域を設定することができる。なお、反射率変化率は、電気光学物質の応答性に対応する値であり、反射率変化率が大きいほど応答速度が速く、反射率変化率が小さいほど応答速度が遅いと言える。
ちなみに、第1閾値は、事前に電気光学物質の挙動をシミュレーションすることで決定することができる。例えば、電圧と電圧印加時間との積を変化させつつ、電気光学物質の応答速度が不具合と呼べるまでに遅くなってしまうような反射率変化率の値を第1閾値とすれば、応答性の悪化を確実に防止することができる。
上述した第1閾値によって非極限領域が規定される態様では、前記第1閾値は、0.1%/V/secであってもよい。
本願発明者の研究するところによれば、反射率変化率が0.1%/V/secより大きければ、十分な応答性が確保されることが判明している。また、反射率変化率は、0.1%/V/sec周辺を境にして、駆動電圧と電圧印加時間との積に対する変動が急激に小さくなる。よって、第1閾値を0.1%/V/secとすることで、好適に電気光学装置の応答性の悪化を効果的に防止できる。
本発明に係る電気光学装置の制御方法の他の態様では前記非極限領域は、前記電圧パルスにおける電圧から閾値電圧を差し引いた値と電圧印加時間との積に対する反射率変化の割合の絶対値が第2閾値より大きくなる領域である。
この態様によれば、反射率変化率を算出する際に、電圧パルスにおける電圧(即ち、駆動電圧)から閾値電圧を差し引いた値が用いられる。なお、「閾値電圧」とは、印加することで電気光学物質の光学状態に何らかの変化が生じ得る最低限の電圧に相当する。
ここで特に、駆動電圧が閾値電圧に近い場合(例えば、駆動電圧が7V程度、閾値電圧が3V程度の場合)、駆動電圧の値をそのまま用いるよりも、駆動電圧から閾値電圧を差し引いた値を用いた方が、より適切に応答性を見積もることができる。よって本態様によれば、特に駆動電圧が閾値電圧に近い場合において、適切に非極限領域を設定することができる。
なお、第2閾値は、閾値電圧が差し引かれる分、上述した第1閾値よりも大きい値として設定されることが好ましい。
上述した第2閾値によって非極限領域が規定される態様では、前記第2閾値は、0.125%/V/secであってもよい。
本願発明者の研究するところによれば、駆動電圧から閾値電圧を差し引いた値を用いる場合には、反射率変化率が0.125%/V/secより大きければ、十分な応答性が確保されることが判明している。また、反射率変化率は、0.125%/V/sec周辺を境にして、駆動電圧から閾値電圧を差し引いた値と電圧印加時間との積に対する変動が急激に小さくなる。よって、第2閾値を0.125%/V/secとすることで、好適に電気光学装置の応答性の悪化を効果的に防止できる。
本発明に係る電気光学装置の制御方法の他の態様では、前記表示部は、前記画素を前記非極限領域における前記第1の極限光学状態側の境界から前記非極限領域における前記第2の極限光学状態側の境界まで駆動させる際の電圧印加時間が第3閾値以下となるように制限されることで、前記非極限領域内で駆動される。
この態様によれば、画素を非極限領域における第1の極限光学状態側の境界から非極限領域における第2の極限光学状態側の境界まで駆動させる際(即ち、非極限領域内で最も大きく光学状態を変化させる場合)の電圧印加時間が制限されることで、表示部の駆動が非極限領域内とされる。
本態様によれば、比較的扱いやすい電圧印加時間を制限するだけで済むため、極めて容易に非極限領域内での駆動を実現できる。なお、第3閾値は、非極限領域を規定する閾値となる反射率変化率等に対応する値として設定される。
上述した電圧印加時間を第3閾値以下とする態様では、前記3閾値は、1secであってもよい。
本願発明者の研究するところによれば、電圧印加時間を1sec以下とすることで、製造ばらつき等のマージンを30%加味した場合であっても、電圧パルスにおける電圧と電圧印加時間との積に対する反射率変化の割合の絶対値を0.1%/V/secより大きくし、電圧パルスにおける電圧から閾値電圧を差し引いた値と電圧印加時間との積に対する反射率変化の割合の絶対値を0.125%/V/secより大きくすることができる。従って、極めて好適に非極限領域内での駆動を実現できる。
本発明に係る電気光学装置の制御装置は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、前記表示部は、前記第1極限光学状態及び前記第2極限光学状態を含まない非極限領域内で駆動される。
本発明に係る電気光学装置の制御装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法と同様に、電気光学装置において、高い応答性及び信頼性を実現することが可能である。
なお、本発明に係る電気光学装置の制御装置においても、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明に係る電気光学装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置を備えるので、高い応答性及び信頼性を実現することが可能である。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明に係る電子機器によれば、前述した本発明に係る電気光学装置を備えるので、高い応答性及び信頼性を有する、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。 実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部周辺の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る画素の電気的な構成を示す等価回路図である。 実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。 画素における駆動時間と反射率との関係を示すグラフである。 実施形態に係る電気泳動表示装置のヒステリシス特性を示すグラフである。 極性反転後10msの反射率変化を示すグラフである。 極性反転後10msの反射率変化を示す表である。 極性反転後10msの反射率変化の割合を示すグラフである。 極性反転後10msの反射率変化の割合を示す表である。 駆動時間の制限による制御方法を示すグラフである。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ノートの構成を示す斜視図である。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<電気光学装置>
本実施形態に係る電気光学装置について、図1から図11を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置の一例として、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置を挙げて説明する。
先ず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、表示部3、ROM4、RAM5、コントローラ10及びCPU100を備えて構成されている。
表示部3は、メモリ性を有する表示素子を有しており、書き込みを行なわない状態においても表示状態が維持される表示デバイスである。なお、メモリ性とは、電圧の印加によって所定の表示状態になると、電圧が印加されなくなっても、その表示状態を維持しようとする性質をいうものであり、双安定性ともいう。表示部の具体的な構成については後に詳述する。
ROM4は、電気泳動表示装置の動作時に用いるデータを記憶する手段である。ROM4には、例えば、各画素において目標とする表示状態を実現するための駆動電圧の波形テーブルが記憶されている。なお、ROM4は、RAM等の書き換え可能な記憶手段でも代用することが可能である。
RAM5は、上述したROM4と同様に、電気泳動表示装置の動作時に用いるデータを記憶する手段である。RAM5は、例えば書き換え動作前の表示状態を示すデータや書き換え後の表示状態を示すデータを記憶する。またRAM5は、例えばフレームバッファとして機能するVRAM等を含んでおり、CPU100の制御に基づいて、フレーム画像データを記憶する。
コントローラ10は、上述したROM4やRAM5に記憶されたデータを用いて表示部3の表示動作を制御する。コントローラ10は、表示部3に表示させる画像を示す画像信号、その他各種信号(例えば、クロック信号等)を出力することによって表示部3を制御する。
CPU100は、電気泳動表示装置1の動作を制御するプロセッサであり、予め記憶されたプログラムを実行することにより、データの読み出しや書き込みを行う。CPU100は、例えば画像を書き換える際に、表示部3に表示させる画像データをVRAMに記憶させる。
図2は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部周辺の構成を示すブロック図である。
図2において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置であり、表示部3と、コントローラ10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
コントローラ10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラ10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
走査線駆動回路60は、コントローラ10による制御下で、所定のフレーム期間中に、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
データ線駆動回路70は、コントローラ10による制御下で、データ線X1、X2、…、Xnにデータ電位を供給する。データ電位は、基準電位GND(例えば0ボルト)、高電位VSH(例えば+15ボルト)又は低電位−VSH(例えば−15ボルト)のいずれかの電位をとる。
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcom(本実施形態では、基準電位GNDと同一の電位)を供給する。なお、共通電位Vcomは、共通電位Vcomが供給された対向電極22と基準電位GNDが供給された画素電極21との間に電圧が実質的に生じない範囲内で、基準電位GNDとは異なる電位であってもよい。例えば、共通電位Vcomが、フィードスルーによる画素電極21の電位の変動を考慮して、画素電極21に供給される基準電位GNDとは異なる値とされていてもよく、この場合であっても、本明細書では、共通電位Vcomと基準電位GNDとが同一であるとみなす。
ここで、フィードスルーとは、走査線40に走査信号が供給され、データ線50を介して画素電極21に電位が供給された後に、走査線40への走査信号の供給が終了した際(例えば走査線40の電位が低下した際)、画素電極21の電位が、走査線40との間の寄生容量に起因して変動する(例えば走査線40の電位低下とともに低下する)現象をいう。共通電位Vcomは、フィードスルーにより画素電極21の電位が低下することを予め想定して、画素電極21に供給される基準電位GNDより僅かに低い値とされることがあるが、この場合も共通電位Vcomと基準電位GNDとが同電位であるとみなす。
なお、コントローラ10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
図3は、本実施形態に係る画素20の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24と、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えている。
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図2参照)からデータ線50を介して供給されるデータ電位を、走査線駆動回路60(図2参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及び保持容量27に出力する。
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ電位が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して対向電極22と互いに対向するように配置されている。
対向電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によってデータ電位を一定期間だけ維持することができる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る電気泳動表示装置1の表示部3の部分断面図である。
図4において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して前述した画素スイッチング用トランジスター24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、対向電極22が複数の画素電極21と対向してベタ状に形成されている。対向電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。なお、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動素子23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
マイクロカプセル80は、画素電極21及び対向電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と対向電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
図4において、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に対向電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられるとともに、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、対向電極22側)には白色粒子82が集まることになり、表示部3の表示面にはこの白色粒子82の色(即ち、白色)が表示されることとなる。逆に、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられるとともに、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側には黒色粒子83が集まることになり、表示部3の表示面にはこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)が表示されることとなる。
なお、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の制御方法について、図5を参照して説明する。以下では、本発明の「光学状態」の一例として、反射率を用いて説明を進める。
図5は、画素における駆動時間と反射率との関係を示すグラフである。
図5において、本実施形態に係る電気泳動表示装置では、駆動電圧印加時の画素における反射率の変化の度合いが常に一定とはならない。
具体的には、白から黒へと書き換えを行う場合、駆動電圧を印加する期間に対する反射率の変化は、書き換え開始直後は大きいが、反対階調に近づくにつれて小さくなっていく傾向にある。即ち、白に近い反射率である時点では大きく黒方向へと反射率が変化するが、黒に近づくにつれて反射率は変化し難くなっていく。
また、黒から白へと書き換えを行う場合も同様に、駆動電圧を印加する期間に対する反射率の変化は、書き換え開始直後は大きいが、反対階調に近づくにつれて小さくなっていく傾向にある。即ち、黒に近い反射率である時点では大きく白方向へと反射率が変化するが、白に近づくにつれて反射率は変化し難くなっていく。
以上のような特性を有するため、画素20における反射率は、ある程度まで白又は黒に近づいた後は、駆動電圧を印加し続けても大きく変化しない。
ここで本実施形態では特に、画素20において実現し得る反射率のうち、実際に実現されるのは非極限領域に対応する反射率のみに制限されている。即ち、画素20は非極限領域内で駆動され、非極限領域より白色側又は黒色側である極限領域とはされない。
本願発明者の研究するところによれば、画素20の光学状態が極限領域に達してしまうと、装置の信頼性が低下してしまうおそれがあることが判明している。具体的には、画素20の光学状態が極限領域に達するまで駆動電圧が印加され続けると、電気光学物質に意図せぬ化学的な反応が起こり、損傷が発生してしまう場合がある。
更に、画素20の光学状態が極限領域に達してしまうと、書き換えの際の応答性が低下することが判明している。具体的には、例えば白色を表示している画素20に対して、更に白色に対応する駆動電圧を印加し続けると、次の書き換えで黒色を表示させようとする場合に、黒色側へと階調が変化し難い状態となってしまう。
図5において、白色側(図中上側)の極限領域と非極限領域との境界に相当する状態を白表示状態(第1階調状態)として用いる。また、黒色側(図中下側)の極限領域と非極限領域との境界に相当する状態を黒表示状態(第2階調状態)として用いる。ここで、白色側の極限領域における高反射率側(図中上側)の極限状態が、第1極限光学状態に対応し、黒色側の極限領域における低反射率側(図中下側)の極限状態が、第2極限光学状態に対応する。
以下では、上述した応答性の低下について、図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る電気泳動表示装置のヒステリシス特性を示すグラフである。なお、図6は、温度25℃、駆動電圧15Vの条件下で測定されたものである
図6において、先ず黒を表示している状態(即ち、反射率が低い状態)から、白を表示している状態(即ち、反射率が高い状態)へと書き換える場合について考える。この際、反射率は、上述したように書き換え開始直後ほど大きく変化するため、比較的短い時間で45%付近(即ち、白を表示する状態)まで到達する。しかし、反射率はその後ほとんど変化しなくなり、50%手前で安定した状態となる。
次に、白を表示している状態から、黒を表示している状態へと書き換える場合について考える。この際も、反射率は、上述したように書き換え開始直後ほど大きく変化するため、比較的短い時間で5%付近(即ち、黒を表示する状態)まで到達する。しかし、反射率はその後ほとんど変化しなくなり、0%手前で安定した状態となる。
ここで、白から黒へ書き換える場合の反射率の変化について、直前の黒から白へ書き換える際の駆動時間別に見てみる。すると、反射率の全体的な変化傾向は同じであるものの、書き換え開始直後(即ち、図中の丸で囲った部分)の反射率の変化は、黒から白へ書き換える際の駆動時間によって異なったものとなる。
以下では、極性反転後10msの期間における反射率の変化について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、極性反転後10msの反射率変化を示すグラフである。また図8は、極性反転後10msの反射率変化を示す表である。
図7及び図8において、黒から白へ書き換える際に0.25s電圧を印加した場合、極性反転後10msの反射率変化は−1.63%となる。黒から白へ書き換える際に0.5s電圧を印加した場合、極性反転後10msの反射率変化は−1.10%となる。黒から白へ書き換える際に1s電圧を印加した場合、極性反転後10msの反射率変化は−0.46%となる。黒から白へ書き換える際に1.5s電圧を印加した場合、極性反転後10msの反射率変化は−0.35%となる。
このように、黒から白へ書き換える際の駆動時間が長いほど、極性反転後10msの反射率変化の絶対値は小さくなる。即ち、黒から白へ書き換える際の駆動時間が長いほど、白から黒へ書き換える際の応答性が悪化している。これは、例えば粒子の移動以外にエネルギーが使用されているためと推察できる。
ここで再び駆動時間別に反射率変化の値を見てみると、黒から白へ書き換える際の駆動時間が0.25s、0.5s、1sである場合には、互いに反射率変化の差が大きい。しかしながら、黒から白へ書き換える際の駆動時間が1sである場合と1.5sである場合とでは、反射率変化の差がほとんどない。即ち、黒から白へ書き換える際の駆動時間が1s以下である場合には比較的反射率が変化し易い状態となるが、1sを超える場合には反射率が変化し難い状態となる。このことから、黒表示状態から1s以内の電圧印加で到達する光学状態を非極限領域として用いるのが好ましい。
図9および図10は、図6に示した、黒から白への書き換えの際の反射率に関し、図6中に丸で囲んだ位置における反射率変化の割合を、駆動電圧で規格化したグラフおよび表である。
図9及び図10において、駆動電圧15Vで正規化した場合の反射率変化率は、駆動時間が0.25sである場合には1.69%/V/sとなり、駆動時間が0.5sである場合には0.59%/V/sとなり、駆動時間が0.75sである場合には0.25%/V/sとなり、駆動時間が1sである場合には0.07%/V/sとなり、駆動時間が1.25sである場合には0.07%/V/sとなり、駆動時間が1.5sである場合には0.03%/V/sとなる。即ち、図7及び図8で示した反射率変化の値と同様に、駆動時間1sを境にして傾きが小さくなる。
なお、駆動電圧が閾値電圧に近い場合には、粒子が動きにくくなるため、駆動電圧から閾値電圧を差し引いた値で正規化した値の方が精度が高い。
駆動電圧15Vから閾値電圧3Vを差し引いた値(即ち、12V)で正規化した場合の反射率変化率は、駆動時間が0.25sである場合には2.12%/V/sとなり、駆動時間が0.5sである場合には0.74%/V/sとなり、駆動時間が0.75sである場合には0.32%/V/sとなり、駆動時間が1sである場合には0.09%/V/sとなり、駆動時間が1.25sである場合には0.09%/V/sとなり、駆動時間が1.5sである場合には0.03%/V/sとなる。即ち、駆動電圧15Vから閾値電圧3Vを差し引いた値で正規化した場合も同様に、駆動時間1sを境にして傾きが小さくなる。
以上の結果、応答性の低下を防止するためには、駆動時間が1s以下となるような反射率変化率に基づいて制御を行えばよい。具体的には、駆動電圧15Vで正規化した反射率変化率が0.07%/V/sより大きくなるように制御すればよい。また、駆動電圧15Vから閾値電圧3Vを差し引いた値で正規化した反射率変化率が0.09%/V/sより大きくなるように制御すればよい。
ただし、製造ばらつき等を加味して、反射率変化率に対して30%程度のマージンを確保することで、より確実に応答性の低下を防止することができる。よって、駆動電圧15Vで正規化した反射率変化率は0.1%/V/sより大きくなるように制御されることが好ましい。すなわち、黒から白への書き換えの際の反射率変化率が0.1%/V/sより大きい範囲を非極限領域として用いるのが好ましい。ここで、このような範囲となる駆動時間は図9から1s以下であるため、黒表示状態から1s以内の電圧印加で到達する光学状態を非極限領域として用いるのが好ましい。また、駆動電圧15Vから閾値電圧3Vを差し引いた値で正規化した反射率変化率は0.125%/V/sより大きくなるように制御されることが好ましい。すなわち、黒から白への書き換えの際の反射率変化率が0.125%/V/sより大きい範囲を非極限領域として用いるのが好ましい。ここで、このような範囲となる駆動時間は図9から1s以下であるため、黒表示状態から1s以内の電圧印加で到達する光学状態を非極限領域として用いるのが好ましい。
なお、実際の制御の際には、上述した反射率変化率に基づいて駆動時間を制限することで、より容易に制御が行える。以下では、駆動時間の制限による制御方法について、図11を参照して説明する。
図11は、駆動時間の制限による制御方法を示すグラフである。
図11において、黒から白に書き換える際に、画素20の光学状態が白色側の極限領域に達してしまうような駆動時間をTWmaxとする。また、白から黒に書き換える際に、画素20の光学状態が黒色側の極限領域に達してしまうような駆動時間をTBmaxとする。
ここで、TWmax及びTBmaxの値は、例えば図9及び図10で示した反射率変化率の値から容易に算出できる。従って、制限すべき反射率変化率が判明している場合には、反射率変化率から算出される駆動時間に基づいて制御を行うことで、非極限領域内での駆動を実現できる。具体的には、黒から白に書き換える際には駆動時間をTWmax以下とすればよい。また、白から黒に書き換える際には駆動時間をTBmax以下とすればよい。
なお、TWmax及びTBmaxの値を対応する電圧で割った値を係数として求めておけば、駆動電圧が異なる場合に対応することが可能となる。即ち、駆動電圧に係数をかけた値をTWmax及びTBmaxとして使用すれば、非極限領域内での駆動を好適に実現できる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置によれば、画素20が非極限領域内で駆動される。よって、画素の光学状態が極限領域に達してしまうことに起因して発生する不具合を低減できる。即ち、高い応答性及び信頼性を実現できる。
なお、非極限領域内での駆動では、極限領域まで使用する場合と比べて、画素がとり得る光学状態の幅が多少なりとも狭くなってしまう(言い換えれば、表示可能な階調の幅が狭くなってしまう)。しかしながら、非極限領域の境界付近の光学状態と極限領域の光学状態とでは階調の違いはごくわずかであり、その違いを視覚的に判別することは難しい。このため、非極限領域内での駆動に限定した場合であっても、表示品質は殆ど或いは全く低下しない。
また、上記実施形態では、白色粒子82が負に帯電し、黒色粒子83が正に帯電している例で説明したが、白色粒子82が正に帯電し、黒色粒子83が負に帯電していてもよい。また、電気泳動素子23は、マイクロカプセル80を有する構成に限られず、隔壁によって仕切られた空間に電気泳動分散媒と電気泳動粒子が含まれる構成であってもよい。また、電気光学装置として電気泳動素子23を有するものを例に説明したが、これに限定する趣旨ではない。電気光学装置は、例えば電子粉流体を用いた電気光学装置であってもよい。
<電子機器>
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図12及び図13を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
図12は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
図12に示すように、電子ペーパー1400は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
図13は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
図13に示すように、電子ノート1500は、図12で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
前述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。
なお、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、前述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
3…表示部、4…ROM、5…RAM、10…コントローラ、20…画素、21…画素電極、22…対向電極、24…画素スイッチング用トランジスター、28…素子基板、29…対向基板、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…黒色粒子、100…CPU、220…共通電位供給回路。

Claims (10)

  1. 互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、
    前記表示部は、前記第1極限光学状態及び前記第2極限光学状態を含まない非極限領域内で駆動されることを特徴とする電気光学装置の制御方法。
  2. 前記非極限領域は、前記電圧パルスにおける電圧と電圧印加時間との積に対する反射率変化の割合の絶対値が第1閾値より大きくなる領域であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の制御方法。
  3. 前記第1閾値は、0.1%/V/secであることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の制御方法。
  4. 前記非極限領域は、前記電圧パルスにおける電圧から閾値電圧を差し引いた値と電圧印加時間との積に対する反射率変化の割合の絶対値が第2閾値より大きくなる領域であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の制御方法。
  5. 前記第2閾値は、0.125%/V/secであることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の制御方法。
  6. 前記表示部は、前記画素を前記非極限領域における前記第1の極限光学状態側の境界から前記非極限領域における前記第2の極限光学状態側の境界まで駆動させる際の電圧印加時間が第3閾値以下となるように制限されることで、前記非極限領域内で駆動されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の電気光学装置の制御方法。
  7. 前記3閾値は、1secであることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置の制御方法。
  8. 互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、
    前記表示部は、前記第1極限光学状態及び前記第2極限光学状態を含まない非極限領域内で駆動されることを特徴とする電気光学装置の制御装置。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置の制御装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項9に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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