JP2013171147A - 電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電気光学装置において好適に中間階調を表示させる。
【解決手段】電気光学装置(1)の制御方法は、画素(20)を第1の中間光学状態に移行させる際の制御工程が、画素電極(21)に対して、第1の極限光学状態に至るまで、第1の電圧パルスを供給する第1制御工程(フェーズA)と、第1制御工程の後、画素電極に対して、第1の中間光学状態に近づくように、第1の電圧パルスと逆極性の第2の電圧パルスを供給する第2制御工程(フェーズB)とを含み、制御工程の開始時における画素の光学状態に基づいて、第1制御工程において第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び第2制御工程において第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数の少なくとも一方を設定する設定工程を更に有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば電気泳動表示装置等の電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置の一例として、電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟んで対向する画素電極及び対向電極間に電圧を印加して、例えば黒色粒子及び白色粒子等の電気泳動粒子を移動させることで表示部に画像を表示する電気泳動表示装置がある。電気泳動素子は、例えば、複数の電気泳動粒子を夫々含む複数のマイクロカプセルから構成され、画素電極及び対向電極間に、樹脂等からなる接着剤によって固定される。なお、対向電極は、共通電極と呼ばれることもある。
このような電気泳動表示装置では、例えば表示面側に白色粒子を移動させるような電圧を印加することで白色を表示でき、表示面側に黒色粒子を移動させるような電圧を印加することで黒色を表示できる。また、上述した白色及び黒色に対応する各電圧が印加される期間を調整することで、白色及び黒色の中間階調(即ち、灰色)を表示することが可能とされている(例えば、特許文献1から3参照)。
米国特許出願公開第2005/0001812号明細書 米国特許出願公開第2005/0280626号明細書 国際公開2005/101363号公報
中間階調を表示させる際には、白色及び黒色が表示される際の中間位置に各粒子を移動させればよい。ただし、このような制御は容易ではなく、例えば各粒子の位置にばらつきが生じてしまうことで、表示される階調にもばらつきが生じるおそれがある。特に、複数の中間階調を表示させるような場合には、表示画像に与える上述したばらつきの影響は大きい。
これに対し、例えばライトグレー(即ち、白に近い灰色)からダークグレー(即ち、黒に近い灰色)に階調を変化させる場合には、ライトグレーを表示している状態から一旦白色又は黒色を表示する位置に各粒子を移動させ、その後にダークグレーを表示する位置へと各粒子を移動させるようにすれば、画素毎の粒子の位置を揃えることができ好適に中間階調を表示させることができる。
ここで、本発明者の研究するところによれば、書き換え前の階調が異なる場合には、同じように電圧を印加した場合(即ち、同じ電圧値を同じフレーム期間だけ印加した場合)であっても、書き換え後の階調に少なからず違いが生じることが判明している。このような書き換え後の階調の違いは、上述したように一旦白色又は黒色を表示させた場合であっても生じ得る。
このため、例えば書き換え後の階調だけに基づいて電圧を印加するフレーム期間の数を設定すると、書き換え前の階調によっては、表示すべき階調を正確に実現できないおそれがある。つまり、上述した各特許文献を含む従来技術は、所望の中間階調を正確に表示させることが困難であるという技術的問題点を有している。
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、好適に中間階調を表示させることが可能な電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る電気光学装置の制御方法は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の中間光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際の制御工程が、前記画素電極に対して、前記第1の極限光学状態に至るまで、第1の電圧パルスを供給する第1制御工程と、前記第1制御工程の後、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態に近づくように、前記第1の電圧パルスと逆極性の第2の電圧パルスを供給する第2制御工程とを含み、前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づいて、前記第1制御工程において前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第2制御工程において前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数の少なくとも一方を設定する設定工程を更に有する。
本発明に係る電気光学装置の制御方法によって制御される電気光学装置は、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応してマトリクス状に配列された複数の画素を有する表示部を備えている。表示部は、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有している。また、表示部における複数の画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の中間光学状態をとることが可能とされている。
ここで「極限光学状態」とは、表示部における電気光学物質に対して所定の電圧を十分に印加することで実現される光学状態である。ただし、本発明に係る「極限光学状態」は、それ以上所定の電圧を印加しても光学状態が全く変化しない状態を意味するだけでなく、例えば複数の画素が同時に極限光学状態とることで、後述する画素間での光学状態のばらつきを低減できる程度に各画素の光学状態を揃えることが可能な光学状態を含む広い概念である。具体的には、例えば電気光学物質が白色の粒子及び黒色の粒子を含む電気泳動素子として構成される場合において、白色の粒子が表示面側に十分に引き寄せられることで表示される白色や、黒色の粒子が表示面側に十分に引き寄せられることで表示される黒色を表示する際の光学状態が、本発明に係る「極限光学状態」に該当する。
また「中間光学状態」とは、第1の極限光学状態と第2の極限光学状態との中間の光学状態を意味しており、例えば上述した白色及び黒色を表示する際の光学状態を極限光学状態とする場合には、灰色を表示する際の光学状態が該当する。「中間光学状態」は、例えば第1の極限光学状態へと光学状態を変化させるための電圧又は第2の極限光学状態へと光学状態を変化させるための電圧を印加する期間を調整することで実現される。より具体的には、例えば電気泳動素子に含まれる白色の粒子及び黒色の粒子の位置を、白色及び黒色を表示させる場合の中間の位置に移動させることで中間光学状態である灰色を表示することができる。
なお、本発明に係る表示部では、例えば淡い灰色や濃い灰色等のように、複数の中間光学状態を各画素がとり得る。このような複数の中間光学状態は、画素電極及び対向電極間における各粒子の位置を調整することで表示することができる。具体的には、白色の粒子を表示面側に比較的近い中間位置とする(或いは、黒色粒子を表示面側から比較的遠い中間位置とする)ことで淡い灰色を表示することができ、白色の粒子を表示面側に比較的遠い中間位置とする(或いは、黒色粒子を表示面側から比較的近い中間位置とする)ことで濃い灰色を表示することができる。
上述した表示部は、駆動部によって、画像データに応じた画像を表示するよう制御される。具体的には、本発明に係る電気光学装置の動作時には、駆動部によって、複数の画素の各々の画素電極に画像データに応じた電圧パルスが供給される。これにより、各画素に画像データに応じた電圧が印加され、表示部では画像データに応じた画像が表示される。
なお、駆動部による各画素への電圧パルスの供給は、複数のフレーム期間に渡って行われる。言い換えれば、表示部の画素に対する電圧の印加は、フレーム期間単位で複数回行われる。具体的には、一のフレーム期間中に、複数の走査線が所定の順番で1回ずつ選択されるとともに、該選択した走査線に対応する画素における画素電極に電圧パルスが複数のデータ線を介して供給される。なお、ここでの「フレーム期間」とは、複数の走査線を所定の順番で1回ずつ選択する期間として予め定められた期間である。つまり、連続する複数のフレーム期間の各々において、複数の画素の各々における画素電極に電圧パルスを供給する制御が1回ずつ行われることにより、表示部に画像データに応じた画像が表示される。
本発明に係る電気光学装置の制御方法によれば、画素を第1の中間光学状態へと移行させる場合に、第1制御工程及び第2制御工程が順次行われる。なお、ここでの「第1の中間光学状態」とは、画像の書き換えにおいて目標とされる中間光学状態であり、表示部の画素がとり得る複数の中間光学状態のうちいずれかの光学状態として設定される。また、制御工程は、第1制御工程及び第2制御工程以外の工程を含んでいてもよい。即ち、第1制御工程及び第2制御工程とは別に、書き換え電極の画素電極に対して電圧パルスを供給する工程が存在してもよい。
第1制御工程では、表示部における第1の中間光学状態をとるべき画素(以下、適宜「書き換え画素」と称する)に対して、第1の極限光学状態(例えば、白色)に対応する電圧(例えば、−15V)が印加される。これにより、書き換え画素は第1の極限光学状態となる。このように、書き換え画素を第1の中間光学状態とする前に、一旦極限光学状態とすることで、複数の画素における光学状態を揃えることができる。具体的には、例えば電気泳動素子に含まれる各粒子の位置を揃えることができる。よって、書き換え画素を中間光学状態へと移行させる場合に、複数の画素間で光学状態にばらつきが生じることに起因して、表示される画像にノイズ等が生じることを防止することができる。なお、書き換え前の光学状態が既に第1の極限光学状態である場合には、第1制御工程を省略することもできる。
第2制御工程では、書き換え画素に対して第2の極限光学状態(例えば、黒色)に対応する電圧(例えば、+15V)が印加される。即ち、第2制御工程では、第1制御工程とは逆極性の電圧が印加される。これにより、書き換え画素における光学状態は、第1の中間光学状態へと近づけられる。よって、第1制御工程において第1の極限光学状態とされた画素を、第1の中間光学状態又は第1の中間光学状態に近い状態とすることができる。
ここで特に、上述した第1制御工程及び第2制御工程において画素電極に電圧パルスを印加する期間(以下、適宜「第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間」と称する)は、設定工程において、制御工程の開始時における画素の光学状態に基づき設定される。即ち、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数は、目標である第1の中間光学状態だけでなく、書き換え前の光学状態に基づいて設定される。
本発明者の研究するところによれば、制御工程(即ち、第1制御工程及び第2制御工程)の開始前の光学状態が異なる場合、同じように画素に電圧を印加した場合(即ち、同じ電圧値を同じフレーム期間だけ印加した場合)であっても、書き換え後の光学状態に少なからず違いが生じることが判明している。そして、このような書き換え後の光学状態の違いは、上述した第1制御工程において極限光学状態を実現した場合であっても生じ得る。このため、仮に第1の中間光学状態だけに基づいて電圧を印加するフレーム期間の数を設定したとすると、書き換え前の光学状態によっては、第1の中間光学状態を正確に実現できないおそれがある。
しかるに本発明では特に、上述したように、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数は、目標である第1の中間光学状態だけでなく、書き換え前の光学状態に基づいて設定される。従って、第1の中間光学状態を正確に実現できる。即ち、書き換え前の光学状態にばらつきが生じていることに起因して、書き換え後の光学状態にもばらつきが生じてしまうことを防止することができる。
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置の制御方法によれば、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数が、制御工程前の光学状態に基づいて設定されているため、好適に所望の中間光学状態を実現させることができる。この結果、高品位な画像を表示させることが可能となる。
本発明に係る電気光学装置の制御方法の一態様では、前記設定工程では、予め複数の光学状態に基づいて設定された複数のフレーム期間の数から、前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づくフレーム期間の数が選択される。
この態様によれば、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数は、書き換えが行われる度に複雑な計算等によって設定される訳ではなく、予め複数の光学状態に対応する複数のフレーム期間の数が用意されている。
具体的には、例えば書き換え前の光学状態及び書き換え後の光学状態の組み合わせに対して、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数を変更しつつ繰り返しシミュレーションを行い、書き換え後の光学状態がより正確に実現された場合のフレーム期間の数が、書き換え前の光学状態及び書き換え後の光学状態の組み合わせに適したフレーム期間の数として設定される。
このようにすれば、設定工程では、予め設定された複数のフレーム期間の中から、制御工程開始前の光学状態及び第1の中間光学状態に対応する第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数を選択するだけで済む。即ち、複雑で高度な処理を行わずとも、比較的容易に第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数を設定できる。従って、より好適に所望の中間光学状態を実現させることができる。
本発明に係る電気光学装置の制御方法の他の態様では、前記第2制御工程では、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態又は前記第1の中間光学状態よりも前記第2の極限光学状態に近い中間光学状態に至るまで、前記第2の電圧パルスが供給され、前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際の制御工程は、前記第2制御工程の後、前記画素が前記第1の中間光学状態よりも前記第2の極限光学状態に近い中間光学状態である場合、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態に至るまで、前記第1の電圧パルスと同極性の第3のパルスを供給する第3制御工程を更に含み、前記設定工程では、前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づいて、前記第1制御工程において前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数、前記第2制御工程において前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第3制御工程において前記第3の電圧パルスを供給するフレーム期間の数の少なくとも1つが設定される。
この態様によれば、制御工程は、上述した第1制御工程及び第2制御に加えて、第3制御工程を含んでいる。制御工程は、第1制御工程、第2制御工程、第3制御工程の順に行われる。
本態様では、第2制御工程後の書き換え画素の光学状態は、第1の中間光学状態又は第1の中間光学状態よりも第2の極限光学状態に近い光学状態とされる。言い換えれば、第2制御工程後の書き換え画素の光学状態は、第1の中間光学状態よりも第1の極限光学状態に近い光学状態とはされない。
そして、第2制御工程に続く第3制御工程では、第1の中間光学状態よりも第2の極限光学状態に近い光学状態となった書き換え画素に対して、再び第1の極限光学状態に対応する電圧が印加される。これにより、書き換え画素の光学状態は第1の極限光学状態に近づけられる。即ち、第1の中間光学状態へと近づけられる。なお、第3制御工程において印加される電圧は、第1制御工程で印加される電圧と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。即ち、第1制御工程で印加される電圧と第3制御工程で印加される電圧は、同極性でありさえすれば、互いに異なる値であっても構わない。
ここで特に、本発明者の研究するところによれば、第1の極限光学状態から他の光学状態へと光学状態を変化させる場合、電圧が印加される期間に対する光学状態の変化率は常に一定とはならないことが判明している。具体的には、第1の極限光学状態から第2の極限光学状態方向への書き換え開始直後の光学状態の変化は大きいが、第2の極限光学状態に近づくにつれて光学状態の変化は小さくなっていく傾向にある。なお、このような特性は第2の極限光学状態からの書き換えに対しても同様であり、第2の極限光学状態から第1の極限光学状態方向への書き換え開始直後の光学状態の変化は大きいが、第1の極限光学状態に近づくにつれて光学状態の変化は小さくなっていく傾向にある。
このため、例えば白色を表示させた状態から白色に近い淡い灰色を表示させようとする場合、1フレーム期間だけ電圧を印加しただけでも、表示すべき灰色より黒色に近い灰色が表示されてしまうおそれがある。即ち、書き換え開始直後の光学状態の変化率が大き過ぎるため、書き換え開始の光学状態に近い中間光学状態を表示させることが非常に難しくなるという事態が発生し得る。
しかるに本発明では特に、上述したように、第1制御工程後における第1の極限光学状態から第1の中間光学状態への書き換えが、第2制御工程及び第3制御工程の2つの工程に分けて行われる。よって、比較的光学状態の変化率が高い第1の極限光学状態から第2の極限光学状態方向への書き換え(即ち、第2制御工程)によって、書き換え画素の光学状態が第1の中間光学状態より第2の極限光学状態に近い光学状態となったとしても、比較的光学状態の変化率が低い第1の極限光学状態方向への書き換え(即ち、第3制御工程)によって光学状態の微調整が行える。従って、より第1の中間光学状態に近い光学状態を実現することができる。
更に本態様では、設定工程において、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数に加えて、第3制御工程のフレーム期間の数が、目標である第1の中間光学状態だけでなく、書き換え前の光学状態に基づいて設定される。よって、制御工程における各工程は、書き換え前の光学状態を考慮した上で行われることになる。従って、制御工程が上述した第3制御工程を含む場合であっても、第1の中間光学状態を正確に実現できる。
本発明に係る電気光学装置の制御方法の他の態様では、前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際の制御工程は、前記第1制御工程の前に、前記画素電極に対して、前記制御工程全体での前記画素電極に供給される電圧パルスの極性の偏りを小さくするように、第4の電圧パルスを供給する第4制御工程と、前記第1制御工程と前記第4制御工程との間に、前記画素電極に対して、前記制御工程全体での前記画素電極に供給される電圧パルスの極性の偏りを小さくするように、前記第4の電圧パルスと逆極性の第5の電圧パルスを供給する第5制御工程とを更に含み、前記設定工程では、前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づいて設定した前記第1制御工程において前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第2制御工程において前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数に応じて、前記第4制御工程において前記第4の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第5制御工程において前記第5の電圧パルスを供給するフレーム期間の数が設定される。
この態様によれば、制御工程は、上述した第1制御工程及び第2制御に加えて、第4制御工程及び第5制御工程を含んでいる。第4制御工程及び第5制御工程は、第1制御工程の前に順次行われる。即ち、制御工程は、第4制御工程、第5制御工程、第1制御工程、第2制御工程の順で行われる。なお、第2制御工程の後に、上述した第3制御工程を含んでいても構わない。
第4制御工程では、書き換え画素の画素電極に対して、第4の電圧パルスが供給される。例えば、第4制御工程では、第2制御工程で供給される第2電圧パルスと同じ極性の電圧パルスが供給される。一方、第5制御工程では、書き換え画素に対して、第4の電圧パルスとは逆極性の第5の電圧パルスが供給される。例えば、上述したように、第4制御工程において第2制御工程で供給される第2電圧パルスと同じ極性の電圧パルスが供給される場合には、第5制御工程では、第1制御工程で供給される第1電圧パルスと同じ極性の電圧パルスが供給される。
ここで特に、上述した第4制御工程及び第5制御工程では、第4電圧パルス及び第5電圧パルスが供給されることで、制御工程全体での画素電極に供給される電圧パルスの極性の偏りが小さくされる。即ち、制御工程に含まれる第1制御工程から第5制御工程の全ての工程全体で見た場合に、画素電極に対して、第1の極限光学状態に対応する電圧パルスが供給される期間と、第2の極限光学状態に対応する電圧パルスが供給される期間との差(以下、適宜「DCバランス比」と称する)が小さくなるように調整される。より好適には、第1の極限光学状態に対応する電圧の時間積分値と、第1の極限光学状態に対応する電圧の時間積分値との差が小さくなるように調整される。
ここで、本願発明者の研究するところによれば、画素におけるDCバランス比が崩れると、例えば表示の焼き付きや表示部の劣化といった不具合が生じてしまうおそれがあることが判明している。よって、上述した第4制御工程及び第5制御工程を行うことで、DCバランス比を調整し、上述した不具合を低減することができる。
特に本態様では、設定工程において、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数が適切な光学状態を実現できるように設定されるため、第1制御工程及び第2制御工程だけで見た場合のDCバランス比は崩れてしまう可能性が高い。言い換えれば、第1制御工程及び第2制御工程だけでDCバランスを崩さないようにすると、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数の自由度が狭まり、適切なフレーム期間の数を設定できないおそれがある。
これに対し本態様では、第4制御工程及び第5制御工程のフレーム期間の数が、設定された第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数に応じて設定される。よって、第1制御工程及び第2制御工程のフレーム期間の数を適宜変化させて光学状態を調整する場合であっても、DCバランス比が崩れてしまうことを確実に低減することができる。
本発明に係る電気光学装置の制御装置は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の中間光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際に、前記画素電極に対して、前記第1の極限光学状態に至るまで、第1の電圧パルスを供給する第1制御手段と、前記第1制御手段によって前記第1の電圧パルスが供給された後、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態に近づくように、前記第1の電圧パルスと逆極性の第2の電圧パルスを供給する第2制御手段と、前記画素を第1の中間光学状態に移行させる制御の開始時における前記画素の光学状態に基づいて、前記第1制御手段によって前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第2制御手段によって前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数の少なくとも一方を設定する設定手段とを備える。
本発明に係る電気光学装置の制御装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法と同様に、電気光学装置において、好適に所望の中間光学状態を実現させることができる。この結果、高品位な画像を表示させることが可能となる。
なお、本発明に係る電気光学装置の制御装置においても、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明に係る電気光学装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置を備えるので、複数の画素間での光学状態のばらつきを防止しつつ、好適に所望の中間光学状態を実現させることができる。この結果、高品位な画像を表示することが可能となる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明に係る電子機器によれば、前述した本発明に係る電気光学装置を備えるので、高品質な画像を表示することが可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。 実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部周辺の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る画素の電気的な構成を示す等価回路図である。 実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。 レベル7の階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図である。 レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その1)である。 レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その2)である。 レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その3)である。 白から黒へ書き換える際の階調の変化を示すグラフである。 黒から白へ書き換える際の階調の変化を示すグラフである。 レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その1)である。 レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その2)である。 レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その3)である。 レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その1)である。 レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その2)である。 レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その3)である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ノートの構成を示す斜視図である。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<電気光学装置>
本実施形態に係る電気光学装置について、図1から図16を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置の一例として、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置を挙げて説明する。
先ず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、表示部3、ROM4、RAM5、コントローラ10及びCPU100を備えて構成されている。
表示部3は、メモリ性を有する表示素子を有しており、書き込みを行なわない状態においても表示状態が維持される表示デバイスである。なお、メモリ性とは、電圧の印加によって所定の表示状態になると、電圧が印加されなくなっても、その表示状態を維持しようとする性質をいうものであり、双安定性ともいう。表示部の具体的な構成については後に詳述する。
ROM4は、電気泳動表示装置の動作時に用いるデータを記憶する手段である。ROM4には、例えば、各画素において目標とする表示状態を実現するための駆動電圧の波形テーブルが記憶されている。駆動電圧の波形テーブルについては後に詳述する。なお、ROM4は、RAM等の書き換え可能な記憶手段でも代用することが可能である。
RAM5は、上述したROM4と同様に、電気泳動表示装置の動作時に用いるデータを記憶する手段である。RAM5は、例えば書き換え動作前の表示状態を示すデータや書き換え後の表示状態を示すデータを記憶する。またRAM5は、例えばフレームバッファとして機能するVRAM等を含んでおり、CPU100の制御に基づいて、フレーム画像データを記憶する。
コントローラ10は、上述したROM4やRAM5に記憶されたデータを用いて表示部3の表示動作を制御する。コントローラ10は、表示部3に表示させる画像を示す画像信号、その他各種信号(例えば、クロック信号等)を出力することによって表示部3を制御する。
CPU100は、電気泳動表示装置1の動作を制御するプロセッサであり、予め記憶されたプログラムを実行することにより、データの読み出しや書き込みを行う。CPU100は、例えば画像を書き換える際に、表示部3に表示させる画像データをVRAMに記憶させる。
図2は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部周辺の構成を示すブロック図である。
図2において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置であり、表示部3と、コントローラ10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
コントローラ10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラ10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
走査線駆動回路60は、コントローラ10による制御下で、所定のフレーム期間中に、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
データ線駆動回路70は、コントローラ10による制御下で、データ線X1、X2、…、Xnにデータ電位を供給する。データ電位は、基準電位GND(例えば0ボルト)、高電位VSH(例えば+15ボルト)又は低電位−VSH(例えば−15ボルト)のいずれかの電位をとる。
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcom(本実施形態では、基準電位GNDと同一の電位)を供給する。なお、共通電位Vcomは、共通電位Vcomが供給された対向電極22と基準電位GNDが供給された画素電極21との間に電圧が実質的に生じない範囲内で、基準電位GNDとは異なる電位であってもよい。例えば、共通電位Vcomが、フィードスルーによる画素電極21の電位の変動を考慮して、画素電極21に供給される基準電位GNDとは異なる値とされていてもよく、この場合であっても、本明細書では、共通電位Vcomと基準電位GNDとが同一であるとみなす。
ここで、フィードスルーとは、走査線40に走査信号が供給され、データ線50を介して画素電極21に電位が供給された後に、走査線40への走査信号の供給が終了した際(例えば走査線40の電位が低下した際)、画素電極21の電位が、走査線40との間の寄生容量に起因して変動する(例えば走査線40の電位低下とともに低下する)現象をいう。共通電位Vcomは、フィードスルーにより画素電極21の電位が低下することを予め想定して、画素電極21に供給される基準電位GNDより僅かに低い値とされることがあるが、この場合も共通電位Vcomと基準電位GNDとが同電位であるとみなす。
なお、コントローラ10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
図3は、本実施形態に係る画素20の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24と、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えている。
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図2参照)からデータ線50を介して供給されるデータ電位を、走査線駆動回路60(図2参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及び保持容量27に出力する。
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ電位が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して対向電極22と互いに対向するように配置されている。
対向電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によってデータ電位を一定期間だけ維持することができる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る電気泳動表示装置1の表示部3の部分断面図である。
図4において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して前述した画素スイッチング用トランジスター24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、対向電極22が複数の画素電極21と対向してベタ状に形成されている。対向電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。なお、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動素子23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
マイクロカプセル80は、画素電極21及び対向電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と対向電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
図4において、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に対向電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられるとともに、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、対向電極22側)には白色粒子82が集まることになり、表示部3の表示面にはこの白色粒子82の色(即ち、白色)が表示されることとなる。逆に、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられるとともに、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側には黒色粒子83が集まることになり、表示部3の表示面にはこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)が表示されることとなる。
なお、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置における画像書き換え時の動作について説明する。以下では、説明の便宜上、書き換え対象となる1つの画素に着目して書き換え時の動作を説明する。なお、以下に示す各処理は、典型的にはコントローラ10において行われるものであるが、コントローラ10以外で行われるようにしても構わない。
先ず、書き換え前の階調に起因して発生し得る書き換え後の階調のずれについて、図5及び図6を参照して説明する。なお、以下では、本実施形態に係る電気泳動表示装置1が8段階の階調を表示可能な場合を例に挙げて説明を進める。ここでは、黒に対応する階調をレベル0、白に対応する階調をレベル7とし、黒と白との中間階調を夫々レベル1からレベル6で示す。なお、ここでの階調は、本発明の「光学状態」の一例であり、例えば明度や反射率と言い換えることもできる。
図5は、レベル7の階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図である。
図5において、本実施形態に係る電気泳動表示装置の動作時に、例えばレベル7の階調をレベル2の中間階調へと書き換えるように指示が出されると、図に示すような4つの工程(即ち、フェーズP、フェーズN、フェーズA及びフェーズB)の各々で電圧が印加され、画素の階調が変化させられる。
フェーズPは、本発明の「第4制御工程」の一例であり、各フェーズ全体での極性の偏りを小さくために電圧を印加する期間である。ここでのフェーズPでは、黒色に対応する電圧(即ち、VSH)が18フレーム印加される。
フェーズNは、本発明の「第5制御工程」の一例であり、上述したフェーズPと共に、各フェーズ全体での極性の偏りを小さくために電圧を印加する期間である。ここでのフェーズPでは、フェーズPで印加される電圧とは逆極性である白色に対応する電圧(即ち、−VSH)が1フレーム印加される。
フェーズP及びフェーズNを実行することで、実質的な書き換えフェーズ(即ち、後述するフェーズA及びフェーズB)においてDCバランス比が崩れてしまうことを防止できる。なお、フェーズP及びフェーズNのフレーム期間の数は、フェーズA及びフェーズBのフレーム期間の数に応じて設定される。言い換えれば、フェーズA及びフェーズBのフレーム期間の数が変化すると、フェーズP及びフェーズNのフレーム期間の数も変化する。
フェーズAは、本発明の「第1制御工程」の一例であり、画素の階調を目標階調であるレベル2の階調にする前に、一旦白色(即ち、レベル7)とするための期間である。ここでのフェーズAでは、直前のフェーズNで印加される電圧と同極性である白色に対応する電圧(即ち、−VSH)が14フレーム印加される。
フェーズAによれば、目標階調である中間階調を実現する前に一旦白を表示させることで、各画素でばらつきのある白色粒子82及び黒色粒子83の位置を互いに揃えることが可能となる。よって、中間階調を表示する際に、各画素における粒子の位置にばらつきが生じることに起因して、表示される階調にもばらつきが生じてしまうことを防止することができる。
フェーズBは、本発明の「第2制御工程」の一例であり、フェーズAで白色とされた階調を目標階調である中間階調へと変化させるための期間である。ここでのフェーズBでは、フェーズAで印加される電圧とは逆極性の黒色に対応する電圧(即ち、VSH)が4フレーム印加される。これにより目標階調であるレベル2の階調が実現される。
図6は、レベル2の階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その1)である。
図6において、例えばレベル2の階調をレベル2の中間階調へと書き換えるように指示が出された場合も、図5で示した場合と同様にフェーズP、フェーズN、フェーズA及びフェーズBの各々で電圧が印加され、画素の階調が変化させられる。具体的には、フェーズPにおいて黒色に対応する電圧が11フレーム印加され、フェーズNにおいて白色に対応する電圧が1フレーム印加され、フェーズAにおいて白色に対応する電圧が14フレーム印加され、フェーズBにおいて黒色に対応する電圧が4フレーム印加される。
ここで、図5で示したレベル7の階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合と、図6で示したレベル2の階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合とでは、実質的な書き換えフェーズであるフェーズA及びフェーズBの期間は夫々同じとされている。即ち、図5の場合及び図6の場合ともに、フェーズAが14フレーム、フェーズBが4フレームとされている。
しかしながら、図6の場合には、図5のように書き換え後の階調が正確にレベル2とはならない(具体的には、レベル2から少しだけ白色側へずれた階調となる)。本発明者の研究するところによれば、このように書き換え前の階調が異なる場合には、同じように画素に電圧を印加した場合(即ち、同じ電圧値を同じフレーム期間だけ印加した場合)であっても、書き換え後の階調に少なからず違いが生じることが判明している。このため、仮に目標階調だけに基づいて電圧を印加するフレーム期間の数を設定したとすると、書き換え前の階調によっては、目標階調を正確に実現できないおそれがある。
以下では、上述した書き換え後における階調のずれの解消方法について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その2)である。
図7において、レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを12フレーム、フェーズNを1フレーム、フェーズAの期間を14フレーム、フェーズBを3フレームにしたとする(即ち、図6の場合と比べて、フェーズBを1フレーム減少させたとする)。この場合、フェーズAでレベル7とされた画素は、フェーズBによって目標階調であるレベル2に近づけられるものの、フェーズBの期間が不足し、レベル2より白色に近い階調が実現されてしまう。
図8は、レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その3)である。
図8において、レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを10フレーム、フェーズNを1フレーム、フェーズAの期間を14フレーム、フェーズBを5フレームにしたとする(即ち、図6の場合と比べて、フェーズBを1フレーム増加させたとする)。この場合、フェーズAでレベル7とされた画素は、フェーズBによって目標階調であるレベル2に極めて近い状態とされる。
以上の結果、レベル2の中間階調をレベル2の中間階調へと書き換える場合には、図8に示すように電圧を印加すればよいことが分かる。このように、目標階調だけでなく、書き換え前の階調に基づいてどのように電圧を印加するかを決定すれば、好適に所望の中間光学状態を実現させることができる。
次に、上述したフェーズP、フェーズN、フェーズA及びフェーズBに加えて、フェーズCにおける電圧の印加が行われる場合について説明する。
以下では先ず、画素に電圧を印加した際の階調の変化(即ち、電圧を印加した期間に対する階調の変化の度合い)について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、白から黒へ書き換える際の階調の変化を示すグラフである。
図9において、白から黒へと画像を書き換える場合、電圧を印加する期間に対する階調の変化は、書き換え開始直後は大きいが、反対階調に近づくにつれて小さくなっていく傾向にある。即ち、白に近い階調である時点では大きく黒方向へと階調が変化するが、黒に近づくにつれて階調は変化し難くなっていく。
図10は、黒から白へ書き換える際の階調の変化を示すグラフである。
図10において、黒から白へと画像を書き換える場合も同様に、電圧を印加する期間に対する階調の変化は、書き換え開始直後は大きいが、反対階調に近づくにつれて小さくなっていく傾向にある。即ち、黒に近い階調である時点では大きく白方向へと階調が変化するが、白に近づくにつれて階調は変化し難くなっていく。
ここで、例えば図5から図8で説明したように、目標階調が比較的黒色側のレベル2の中間階調である場合には、フェーズAで白色となった階調をフェーズBだけで目標階調とすることができる。しかしながら、例えば目標階調が白色側に近いレベル5やレベル6である場合、フェーズBにおいて電圧を印加する期間の最小単位である1フレームだけVSHを印加した場合であっても、電気泳動素子23の特性上、階調が大きく変化してしまい目標階調より黒色の階調が実現されてしまう。即ち、比較的白色に近い中間階調はフェーズBのみでは実現することが難しい場合がある。
これに対し本実施形態では、フェーズBに続くフェーズCにおいて、フェーズBとは逆極性の電圧(即ち、白色に対応する電圧)を印加することで、白色に近い中間階調を実現することができる。フェーズCは、本発明の「第3制御工程」の一例であり、フェーズCが行われる場合には、フェーズBでは目標階調より黒色側の中間階調が実現される。
以下では、フェーズCを実行する場合における各期間のフレーム数の決定方法について、図11から図13を参照して具体的に説明する。
図11は、レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その1)である。
図11において、レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを15フレーム、フェーズNを4フレーム、フェーズAを11フレーム、フェーズBを2フレーム、フェーズCを2フレームと設定したとする。この場合、フェーズBにおいて目標階調であるレベル5より黒色に近い階調とされた画素は、フェーズCにおいて白色側に近づけられ、目標階調であるレベル5に極めて近い状態とされる。
図12は、レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その2)である。
図12において、レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを14フレーム、フェーズNを4フレーム、フェーズAを11フレーム、フェーズBを2フレーム、フェーズCを1フレームと設定したとする(即ち、図11の場合と比べて、フェーズCを1フレーム減少させたとする)。この場合、フェーズBにおいて目標階調であるレベル5より黒色に近い階調とされた画素は、フェーズCにおいて白色側に近づけられるが、目標階調であるレベル5には達せず、レベル5より少しだけ黒色に近い階調とされる。
図13は、レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その3)である。
図13において、レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを16フレーム、フェーズNを4フレーム、フェーズAを11フレーム、フェーズBを2フレーム、フェーズCを3フレームと設定したとする(即ち、図11の場合と比べて、フェーズCを1フレーム増加させたとする)。この場合、フェーズBにおいて目標階調であるレベル5より黒色に近い階調とされた画素は、フェーズCにおいて白色側に近づけられるが、目標階調であるレベル5を超過し、レベル5より少しだけ白色に近い階調とされる。
以上の結果、レベル5の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合には、図11に示すように電圧を印加すればよいことが分かる。このように、フェーズCを実行する場合には、フェーズCの期間についても書き換え前の階調に基づいて決定することで、好適に所望の中間光学状態を実現させることができる。
なお、図11から図13ではフェーズCの期間だけを変化させて適切なフレーム期間の数を決定したが、フェーズC以外のフレーム期間を変更するようにしてもよい。以下では、フェーズB及びフェーズCを変化させて適切なフレーム期間の数を決定する場合について、図14から図16を参照して説明する。
図14は、レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その1)である。
図14において、レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを10フレーム、フェーズNを1フレーム、フェーズAを14フレーム、フェーズBを2フレーム、フェーズCを2フレームと設定したとする。この場合、フェーズBにおいて目標階調であるレベル5より黒色に近い階調とされた画素は、フェーズCにおいて白色側に近づけられるが、目標階調であるレベル5には達せず、レベル5より少しだけ黒色に近い階調とされる。
図15は、レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その2)である。
図15において、レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを10フレーム、フェーズNを1フレーム、フェーズAを14フレーム、フェーズBを1フレーム、フェーズCを1フレームと設定したとする(即ち、図14の場合と比べて、フェーズB及びフェーズCの各々を1フレームずつ減少させたとする)。この場合、フェーズBにおいて目標階調であるレベル5より黒色に近い階調とされた画素は、フェーズCにおいて白色側に近づけられ、目標階調であるレベル5に極めて近い状態とされる。
図16は、レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合の電圧印加方法を示す概念図(その3)である。
図16において、レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合に、フェーズPを10フレーム、フェーズNを1フレーム、フェーズAを14フレーム、フェーズBを1フレーム、フェーズCを2フレームと設定したとする(即ち、図14の場合と比べて、フェーズBを1フレーム減少させたとする)。この場合、フェーズBにおいて目標階調であるレベル5より黒色に近い階調とされた画素は、フェーズCにおいて白色側に近づけられるが、目標階調であるレベル5を超過し、レベル5より少しだけ白色に近い階調とされる。
以上の結果、レベル2の中間階調をレベル5の中間階調へと書き換える場合には、図15に示すように電圧を印加すればよいことが分かる。このように、フェーズCを実行する場合には、フェーズB及びフェーズCの期間を書き換え前の階調に基づいて決定することで、より好適に所望の中間光学状態を実現させることができる。
なお、上述した各フェーズを設定する処理は、各階調に対応する駆動電圧の波形を予めテーブル等として記憶しておくことで省略することもできる。具体的には、書き換え前の階調と目標階調との組み合わせに対してそれぞれ出力すべき駆動電圧の波形を設定しておけば、対応する波形を選択するだけで画像の書き換え処理を実行することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置によれば、各フェーズの期間が書き換え前の階調に基づいて決定されるため、好適に所望の中間階調を表示させることができる。従って、高品質な画像を表示することが可能となる。
なお、上記実施形態では、フェーズAにおいて階調を白とする場合について説明したが、フェーズAにおいて階調を黒にするようにしても構わない。即ち、中間階調を表示させる場合には、先ずフェーズAにおいて黒へと階調が変化された後、フェーズBやフェーズCによって目標階調が実現されてもよい。この場合、フェーズAでは黒に対応する駆動電圧VSHが印加され、フェーズBでは白に対応する駆動電圧−VSHが印加され、フェーズCでは黒に対応する駆動電圧VSHが印加される。
加えて、フェーズAにおいて実現される階調を白及び黒のいずれにするか選択するようにしてもよい。即ち、フェーズAにおいて実現される階調は白又は黒に固定されるのではなく、書き換え前の階調や目標階調に応じて白又は黒のいずれかが適宜選択されるようにしてもよい。このようにすれば、より効率的に中間階調を表示させることが可能となる。
また、上記実施形態では、白色粒子82が負に帯電し、黒色粒子83が正に帯電している例で説明したが、白色粒子82が正に帯電し、黒色粒子83が負に帯電していてもよい。また、電気泳動素子23は、マイクロカプセル80を有する構成に限られず、隔壁によって仕切られた空間に電気泳動分散媒と電気泳動粒子が含まれる構成であってもよい。また、電気光学装置として電気泳動素子23を有するものを例に説明したが、これに限定する趣旨ではない。電気光学装置は、例えば電子粉流体を用いた電気光学装置であってもよい。
<電子機器>
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図17及び図18を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
図17は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
図17に示すように、電子ペーパー1400は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
図18は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
図18に示すように、電子ノート1500は、図17で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
前述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。
なお、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、前述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
3…表示部、4…ROM、5…RAM、10…コントローラ、20…画素、21…画素電極、22…対向電極、24…画素スイッチング用トランジスター、28…素子基板、29…対向基板、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…黒色粒子、100…CPU、220…共通電位供給回路。

Claims (7)

  1. 互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の中間光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、
    前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際の制御工程が、
    前記画素電極に対して、前記第1の極限光学状態に至るまで、第1の電圧パルスを供給する第1制御工程と、
    前記第1制御工程の後、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態に近づくように、前記第1の電圧パルスと逆極性の第2の電圧パルスを供給する第2制御工程と
    を含み、
    前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づいて、前記第1制御工程において前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第2制御工程において前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数の少なくとも一方を設定する設定工程を更に有する
    ことを特徴とする電気光学装置の制御方法。
  2. 前記設定工程では、予め複数の光学状態に基づいて設定された複数のフレーム期間の数から、前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づくフレーム期間の数が選択されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の制御方法。
  3. 前記第2制御工程では、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態又は前記第1の中間光学状態よりも前記第2の極限光学状態に近い中間光学状態に至るまで、前記第2の電圧パルスが供給され、
    前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際の制御工程は、
    前記第2制御工程の後、前記画素が前記第1の中間光学状態よりも前記第2の極限光学状態に近い中間光学状態である場合、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態に至るまで、前記第1の電圧パルスと同極性の第3のパルスを供給する第3制御工程を更に含み、
    前記設定工程では、前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づいて、前記第1制御工程において前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数、前記第2制御工程において前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第3制御工程において前記第3の電圧パルスを供給するフレーム期間の数の少なくとも1つが設定される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の制御方法。
  4. 前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際の制御工程は、
    前記第1制御工程の前に、前記画素電極に対して、前記制御工程全体での前記画素電極に供給される電圧パルスの極性の偏りを小さくするように、第4の電圧パルスを供給する第4制御工程と、
    前記第1制御工程と前記第4制御工程との間に、前記画素電極に対して、前記制御工程全体での前記画素電極に供給される電圧パルスの極性の偏りを小さくするように、前記第4の電圧パルスと逆極性の第5の電圧パルスを供給する第5制御工程と
    を更に含み、
    前記設定工程では、前記制御工程の開始時における前記画素の光学状態に基づいて設定した前記第1制御工程において前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第2制御工程において前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数に応じて、前記第4制御工程において前記第4の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第5制御工程において前記第5の電圧パルスを供給するフレーム期間の数が設定される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置の制御方法。
  5. 互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有し、前記画素は、第1の極限光学状態、第2の極限光学状態、並びに前記第1の極限光学状態及び前記第2の極限光学状態間の複数の中間光学状態をとり得る表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じた電圧パルスを複数のフレーム期間において供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、
    前記画素を第1の中間光学状態に移行させる際に、
    前記画素電極に対して、前記第1の極限光学状態に至るまで、第1の電圧パルスを供給する第1制御手段と、
    前記第1制御手段によって前記第1の電圧パルスが供給された後、前記画素電極に対して、前記第1の中間光学状態に近づくように、前記第1の電圧パルスと逆極性の第2の電圧パルスを供給する第2制御手段と、
    前記画素を第1の中間光学状態に移行させる制御の開始時における前記画素の光学状態に基づいて、前記第1制御手段によって前記第1の電圧パルスを供給するフレーム期間の数及び前記第2制御手段によって前記第2の電圧パルスを供給するフレーム期間の数の少なくとも一方を設定する設定手段と
    を備えることを特徴とする電気光学装置の制御装置。
  6. 請求項5に記載の電気光学装置の制御装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項6に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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