JP2013195404A - 測定方法、センサチップ、および測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態に係る測定方法は、光導波路部が第1の測定対象物質と反応する第1の物質が固定された第1の領域、第2の測定対象物質と反応する第2の物質が固定された第2の領域を有し、粒子の基部の表面に第1の測定対象物質と反応する第3の物質および第2の測定対象物質と反応する第4の物質の少なくともいずれかが固定されているセンサチップを用いた測定方法である。
この測定方法は、保持空間に検体溶液を導入する工程、検体溶液を導入した後の吸光度を求める工程、保持空間に導入された検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程、粒子を投入した後の吸光度を求める工程、吸光度変化量を求める工程、吸光度変化量に基づいて測定対象物質の量を求める工程を備える。
【選択図】図1
Description
そして、試薬の量を削減しても高精度の測定が行えるように、検体溶液を保持する保持部を検出部毎に複数設けたセンサチップが提案されている。
しかしながら、複数種類の測定対象物質を精度よく測定することに関しては改善の余地があった。
そして、この測定方法は、前記保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、前記保持部の保持空間に導入された前記検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度を求める工程と、前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、を備えている。
[第1の実施形態]
図1(a)は第1の実施形態に係るセンサチップの模式断面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A矢視断面図、図1(c)は図1(a)におけるB−B矢視断面図である。
図1(a)〜(c)に示すように、センサチップ1には、基板2、光導波路部3、光学要素部4、検出部5、保持部6、保護部7が設けられている。
光導波路部3は、基板2よりも高い屈折率を有し、基板2および光学要素部4の上に設けられている。光導波路部3は、高分子樹脂などから形成され、3μm〜300μm程度のほぼ均一な厚みの膜状体とすることができる。
なお、基板2や光導波路部3の材料や寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
検出部5a、5bは、検体溶液中の測定対象物質と特異的に反応する物質から構成される。
この場合、第1の領域3aに固定される第1の物質5aと、第2の領域3bに固定される第2の物質5bとは異なるものとすることもできるし、同じものとすることもできる。 第1の物質5aおよび第2の物質5bは、例えば、検体溶液中の測定対象物質が抗原の場合には、抗体(一次抗体)とすることができる。
なお、以下においては、一例として、第1の物質5aと第2の物質5bとが異なる場合を例示する。
第1の物質5aは、第1の領域3aに固定される。第2の物質5bは、第2の領域3bに固定される。
第1の物質5aおよび第2の物質5bの固定は、例えば、第1の物質5aおよび第2の物質5bと、光導波路部3の主面3cとの疎水性相互作用や化学結合により行うことができる。
保持部6は、枠状を呈し、第1の領域3aおよび第2の領域3bを囲むようにして設けられている。保持部6の一方の端部は保護部7の主面に液密に設けられ、他方の端部は保護部7の主面から離れた位置に設けられている。そのため、保持部6の内側の保持空間6aに検体溶液を保持することができる。
保持部6は、保護部7に接合されるものであってもよいし、保護部7と一体に形成されるものであってもよい。
また、各物質ごとに検体溶液を保持する場合と比べて、センサチップ1の大きさが大きくなることもない。
保護部7の保持部6の内側に位置する部分には、保護部7を貫通する第1の孔部7aおよび第2の孔部7bが設けられている。
第1の孔部7aおよび第2の孔部7bは、第1の領域3aおよび第2の領域3bをそれぞれ画する。
後述するように、粒子9、9a、9bは、保持空間6aに複数投入される。
図2(a)は第3の物質および第4の物質が固定された粒子9を例示するための模式図、図2(b)は第3の物質が固定された粒子9aを例示するための模式図、図2(c)は第4の物質が固定された粒子9bを例示するための模式図である。
第3の物質13aと第4の物質13bとは異なるものとなっている。
第3の物質13aおよび第4の物質13bは、例えば、検体溶液中の測定対象物質が抗原の場合、抗体(二次抗体)とすることができる。
第3の物質13aおよび第4の物質13bの固定は、例えば、物理吸着、あるいはカルボキシル基やアミノ基等を介した化学結合により行うことができる。
また、図2(c)に示すように、第4の物質13bのみが基部12の表面に固定された粒子9bとすることもできる。
この場合、第1の物質5aと第3の物質13aは測定対象物質14aと特異的に反応し、第2の物質5bと第4の物質13bは測定対象物質14bと特異的に反応する。
なお、第3の物質13aと第4の物質13bとが異なる場合を例示したが、第3の物質13aと第4の物質13bとが同じものとすることができる。
基部12は、例えば、高分子材料から形成することができる。
また、基部12は、磁性体材料を含むものとすることもできる。
図3(a)に示すように基部12bは、磁性ナノ微粒子12aを高分子材料でくるんだ構成を有するものとすることができる。
また、図3(b)に示すように基部12dは、コア12cと、コア12cを覆うように設けられたシェル12eを有するものとすることができる。
コア12cは、高分子材料から形成することができる。シェル12eは、高分子材料から形成され、磁性ナノ微粒子12aを含むものとすることができる。
磁性体材料としては、例えば、γ-Fe2O3等の各種フェライト類などを例示することができる。この場合、磁場の印加を停止すると速やかに磁性を失う超常磁性を有する材料とすることが好ましい。
そのため、図3(b)に例示をしたように、基部12dの表面近くに磁性ナノ微粒子12aが設けられたものとすれば、測定の感度を向上させることができる。
例えば、測定対象物質が糖である場合には、第1の物質5a〜第4の物質13bはレクチンとすることができる。測定対象物質がヌクレオチド鎖である場合には、第1の物質5a〜第4の物質13bはそれに相補的なヌクレオチド鎖とすることができる。測定対象物質がリガンドである場合には、第1の物質5a〜第4の物質13bはそれに対する受容体などとすることができる。
次に、第2の実施形態に係る測定装置について例示をする。
図4(a)は第2の実施形態に係る測定装置を例示するための模式図、図4(b)は図4(a)におけるC−C矢視断面図である。
なお、本実施の形態においては図2(a)に例示をした粒子9を用いることとしている。また、粒子9の基部12は、磁性体材料を含むものとしている。
投光部31は、センサチップ1に向けて光を出射する。投光部31は、例えば、中心波長が635nm程度の光を出射する発光ダイオードとすることができる。
受光部32は、センサチップ1からの光を受光して、光の強度に応じた電気信号に変換する。受光部32は、例えば、フォトダイオードとすることができる。
また、第1の領域3aおよび第2の領域3bに対して、それぞれ1組の投光部31と受光部32が設けられている。そのため、各領域毎に光の強度、ひいては測定対象物質の量や濃度(例えば、抗原濃度など)を求めることができるようになっている。
なお、磁場印加部33、34は必ずしも必要ではないが、磁場印加部33、および磁場印加部34の少なくともいずれかを設けるようにすれば、測定の精度を向上させることができる。磁場印加部33、34の作用や磁場印加部33、34を設ける効果に関する詳細は後述する。
例えば、測定装置30の場合には、磁場印加部33は、センサチップ1の上方向に設けられている。
磁場印加部34は、粒子9から見て光導波路部3がある側に設けられている。
例えば、測定装置30の場合には、磁場印加部34は、センサチップ1の下方向に設けられている。
なお、「上方向」とは重力方向における上方向であり、「下方向」とは重力方向における下方向である。
この場合、磁場印加部33は粒子9を光導波路部3から離れる方向へ移動させ、磁場印加部34は粒子9を光導波路部3に近づく方向へ移動させるものとすることができる。
磁場印加部33、34がフェライト磁石などの永久磁石を有するものの場合には、永久磁石の磁力やセンサチップ1からの距離を変化させて磁場強度を調整するものとすることができる。
この場合、磁場強度を動的に調整するためには、電磁石を用いて電流値により磁場強度を調整することが好ましい。
また、磁場印加部33、34が電磁石を有するものとすれば、パルス状に磁場を印加することができる。
なお、図4(a)に例示をしたものは、磁場印加部33、34が電磁石を有するものの場合である。
なお、磁場印加部33と磁場印加部34が設けられる場合を例示したが、いずれか一方が設けられるようにしてもよい。
そして、演算部36において吸光度変化量を演算する場合には、まず、検体溶液を導入した直後の吸光度を演算する。次に、磁場印加部33により磁場を印加して、測定対象物質を介さずに第1の領域3aおよび第2の領域3bに吸着している粒子9を上方に移動させる。そして、粒子9を上方に移動させた後の吸光度を演算する。次に、検体溶液を導入した直後の吸光度と、粒子9を上方に移動させた後の吸光度との差から吸光度変化量を演算する。
そして、演算部36は、実験などを行うことで予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、演算された吸光度変化量と、から測定対象物質の量を演算する。この際、演算部36は、検体溶液中の測定対象物質の濃度(例えば、抗原濃度など)などを演算することもできる。
また、第1の物質5aと第2の物質5bとが異なり、第3の物質13aと第4の物質13bとが異なる場合は、異なる種類の測定対象物質の量などを一度に測定することができる。
また、第1の物質5aと第2の物質5bとが同じであり、第3の物質13aと第4の物質13bとが同じである場合は、1種類の測定対象物質の量などを一度に複数回測定することができる。そのため、測定対象物質の量などの平均値などを一度に測定することができる。
投光部31から出射し、基板2を介して入射側の光学要素部4に入射した光は、光学要素部4により回折され、光導波路部3の内部を反射しながら伝播する。光導波路部3の内部を反射しながら伝播する光により、第1の領域3aおよび第2の領域3bにおいてエバネッセント波などの近接場光が生じる。近接場光は、光が光導波路部3と保持空間6aとの界面において全反射する際、その界面において発生する。近接場光が到達する距離(染み出し距離)は、光導波路部3の表面(第1の領域3aおよび第2の領域3bの表面)から波長の数分の1程度の長さである。
なお、これらの工程は、第1の領域3aおよび第2の領域3bのそれぞれについて行われる。
図5(a)〜(c)は、制御部35の作用について例示をするための模式工程図である。 なお、図5(a)〜(c)においては、煩雑となるのを避けるために保持空間6aにおける状態を表すものとする。
まず、図5(a)に示すように、保持空間6aに検体溶液を導入し、検体溶液に粒子9を投入する。なお、検体溶液には測定対象物質14a(例えば、A型インフルエンザウィルスに由来する物質)、測定対象物質14b(例えば、B型インフルエンザウィルスに由来する物質)が含まれているものとする。
そのため、測定の精度をさらに向上させることができる。
粒子9を上方向に吸引する磁場と、粒子9を下方向に吸引する磁場とを交互に繰り返して印加すれば、粒子9の移動量を増加させることができるので、抗原抗体反応による結合の機会を増加させることができる。そのため、測定の感度を向上させることができる。
次に、第3の実施形態に係る測定方法について例示する。
第3の実施形態に係る測定方法は、前述した測定装置30を用いて行うことができる。 図6は、第3の実施形態に係る測定方法について例示するためのフローチャートである。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度を求める(ステップS2)。
検体溶液を導入した後における吸光度は、前述したように、受光部32からの出力に基づいて演算することができる。
なお、ステップS2において求める吸光度は、初期状態(粒子9が第1の領域3aまたは第2の領域3bに結合する前の状態)における吸光度である。
そのため、ステップS2における「検体溶液を導入した後における吸光度」とは、少なくとも1つの粒子9が投入される前の吸光度のみならず、ステップS3において少なくとも1つの粒子9が投入された直後の吸光度などをも含むものである。
なお、図6においては、一例として、少なくとも1つの粒子9が投入される前の吸光度を求める場合を例示している。
次に、保持部6の保持空間6aに導入された検体溶液に少なくとも1つの粒子9を投入する(ステップS3)。
次に、少なくとも1つの粒子9を投入した後における吸光度を求める(ステップS4)。
少なくとも1つの粒子9を投入した後における吸光度は、前述したように、受光部32からの出力に基づいて演算することができる。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度と、少なくとも1つの粒子9を投入した後における吸光度との差から吸光度変化量を求める(ステップS5)。
次に、求められた吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める(ステップS6)。
例えば、予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、求められた吸光度変化量と、から測定対象物質の量を求める。
以上のようにして、検体溶液中における測定対象物質の量を測定することができる。
この場合は、ステップS2において、少なくとも1つの粒子9が混合された検体溶液を保持空間6aに導入した直後における吸光度を求める。
そして、ステップS3は省略し、所定の時間経過後にステップS4を行う。
ただし、前述したように、測定の精度をさらに向上させるためには、検体溶液を先に導入し、その後に少なくとも1つの粒子9を投入することが好ましい。
なお、以上に例示をした工程の内容は前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図7(a)は第4の実施形態に係るセンサチップの模式断面図、図7(b)は図7(a)におけるD−D矢視断面図、図7(c)は図7(a)におけるE−E矢視断面図である。
図7(a)〜(c)に示すように、センサチップ1aには、基板2、光導波路部3、光学要素部4、検出部15、保持部6、保護部7が設けられている。
検出部15は、第1の領域3aに設けられる検出部15a、第2の領域3bに設けられる検出部15bを有する。
検出部15a、15bは、膜状を呈し、検体溶液中の測定対象物質と特異的に反応する物質から構成される。
この場合、第1の領域3aに固定される第1の物質15aと、第2の領域3bに固定される第2の物質15bとは異なるものとすることもできるし、同じものとすることもできる。
膜形成体は、例えば、多孔質組織を有し、多孔質組織内の空孔に発色剤などを保持するものとすることができる。膜形成体の材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリエチレングリコール(PEG)などを例示することができる。
検出部15a、15bは、例えば、水と水溶性有機溶媒(例えば、アルコールなど)との混合溶媒に、発色剤、造膜用高分子などを均質に混合した前駆溶液を生成し、これを膜状に乾燥させることで形成することができる。
また、測定対象物質である酵素がALT(GPT)である場合には、基質は、例えば、L−アラニン、α-ケトグルタル酸などとすることができる。
測定対象物質である酵素がALT(GPT)である場合には、試薬は、例えば、ピルビン酸オキシダーゼなどとすることができる。
反応生成物として過酸化水素などの過酸化物が生成される場合には、発色反応促進剤は、例えば、ペルオキシダーゼ(POD)などとすることができる。
反応生成物としてNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)などが生成される場合には、発色反応促進剤は、例えば、ジアホラーゼなどとすることができる。 ただし、例示をした発色剤、膜形成体、基質、試薬、発色反応促進剤などに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
これに対して、本実施の形態に係るセンサチップ1aの場合は、検体溶液中の測定対象物質と反応することで検出部15a、15bの発色剤が発色し、発色剤の発色に応じて近接場光が吸収されることになる。そのため、これを利用して測定対象物質の量などを求めることができる。
また、粒子9による近接場光の吸収および散乱と、発色剤の発色による近接場光の吸収とが異なる以外は前述した測定装置30の作用と同様とすることができる。
そのため、センサチップ1aを用いる測定装置に関する詳細は省略する。
そのため、以下の手順で測定を行うことができる。
図8は、センサチップ1aを用いる場合の測定方法について例示するためのフローチャートである。
まず、保持部6の保持空間6aに検体溶液を導入する(ステップS11)。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度を求める(ステップS12)。
次に、検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める(ステップS13)。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度と、所定の時間経過後の吸光度と、の差から吸光度変化量を求める(ステップS14)。
次に、求められた吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める(ステップS15)。
ここで、前述した素反応をさせる際に用いられる試薬は、複数種類必要となる場合がある。この場合、すべての試薬を検出部15a、15bに固定することもできるが、試薬同士で反応してしまう、物性的に検出部15a、15bに固定できない、試薬によっては測定対象物質と先に反応させる必要があるなどの場合もある。
そのため、試薬と検体溶液を予め混合するか、あるいは、導入した検体溶液に試薬を導入する必要が生じる場合がある。
試薬と検体溶液を予め混合させる場合には、検体溶液と少なくとも1つの試薬とを混合する工程をさらに備えるようにすればよい。
そして、保持部6の保持空間6aに検体溶液を導入する工程(ステップS11)において、少なくとも1つの試薬が混合された検体溶液を保持部6の保持空間6aに導入すればよい。
なお、検体溶液と少なくとも1つの試薬とを混合する場合には、検体溶液に少なくとも1つの試薬を投入して混合することもできるし、少なくとも1つの試薬に検体溶液を投入して混合することもできる。
また、導入した検体溶液に試薬を導入する場合には、保持部6の保持空間6aに検体溶液を導入した後に、保持部6の保持空間6aに試薬を導入する工程をさらに備えるようにすればよい。
そして、検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程(ステップS13)において、試薬を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求めるようにすればよい。
なお、ステップS12において求める吸光度は、初期状態(第1の領域3aまたは第2の領域3bにおける反応が生じる前の状態)における吸光度である。
そのため、ステップS12における「検体溶液を導入した後における吸光度」とは、少なくとも1つの試薬が投入される前の吸光度のみならず、少なくとも1つの試薬が投入された直後の吸光度などをも含むものである。
複数種類の試薬を反応させて測定を行う場合、反応させる順番が測定精度などに影響を及ぼす場合がある。そのため、測定の目的や用いる試薬などに応じて前述した測定方法を適宜選択することが好ましい。
なお、受光部32からの出力に基づいて吸光度を演算すること、予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、求められた吸光度変化量と、から測定対象物質の量を求めること、などは、前述した測定方法と同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
Claims (15)
- 透光性を有する基板と、
前記基板の上に設けられた光学要素部と、
前記基板および前記光学要素部の上に設けられた光導波路部と、
前記光導波路部の上に設けられ、検体溶液を保持する保持空間を有する保持部と、
前記保持空間に投入される少なくとも1つの粒子と、
を備え、
前記光導波路部は、
第1の測定対象物質と特異的に反応する第1の物質が固定された第1の領域と、
第2の測定対象物質と特異的に反応する第2の物質が固定された第2の領域と、
を有し、
前記保持部は、前記第1の領域および前記第2の領域を囲み、
前記粒子は、基部を有し、前記基部の表面には、前記第1の測定対象物質と特異的に反応する第3の物質、および、前記第2の測定対象物質と特異的に反応する第4の物質の少なくともいずれかが固定されているセンサチップを用いた測定方法であって、
前記保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、
前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、
前記保持部の保持空間に導入された前記検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程と、
前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度を求める工程と、
前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
を備えた測定方法。 - 透光性を有する基板と、
前記基板の上に設けられた光学要素部と、
前記基板および前記光学要素部の上に設けられた光導波路部と、
前記光導波路部の上に設けられ、検体溶液を保持する保持空間を有する保持部と、
を備え、
前記光導波路部は、
第1の測定対象物質と特異的に反応する第1の物質が固定された第1の領域と、
第2の測定対象物質と特異的に反応する第2の物質が固定された第2の領域と、
を有し、
前記保持部は、前記第1の領域および前記第2の領域を囲むセンサチップ。 - 前記保持空間に投入される少なくとも1つの粒子をさらに備え、
前記粒子は、基部を有し、前記基部の表面には、前記第1の測定対象物質と特異的に反応する第3の物質、および、前記第2の測定対象物質と特異的に反応する第4の物質の少なくともいずれかが固定されている請求項2記載のセンサチップ。 - 前記基部は、磁性体材料を含む請求項3記載のセンサチップ。
- 前記基部は、コアと、前記コアを覆うように設けられたシェルと、を有し、
前記シェルは、超常磁性を有する材料を含む請求項3または4に記載のセンサチップ。 - 前記第1の測定対象物質と、前記第2の測定対象物質とが異なり、
前記第1の物質と、前記第2の物質とが異なる請求項2〜5のいずれか1つに記載のセンサチップ。 - 前記第1の測定対象物質と、前記第2の測定対象物質とが同じであり、
前記第1の物質と、前記第2の物質とが同じである請求項2〜5のいずれか1つに記載のセンサチップ。 - 前記第3の物質と、前記第4の物質とが異なる請求項6記載のセンサチップ。
- 前記第3の物質と、前記第4の物質とが同じである請求項7記載のセンサチップ。
- 請求項2〜9のいずれか1つに記載のセンサチップと、
前記センサチップに光を入射させる投光部と、
前記センサチップからの光を受光して光の強度に応じた電気信号に変換する受光部と、
を備えた測定装置。 - 請求項4〜9のいずれか1つに記載のセンサチップを用いた測定方法であって、
保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、
前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、
前記保持部の保持空間に導入された前記検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程と、
前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度を求める工程と、
前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
を備えた測定方法。 - 請求項3〜9のいずれか1つに記載のセンサチップを用いた測定方法であって、
検体溶液と、少なくとも1つの粒子と、を混合する工程と、
前記少なくとも1つの粒子が混合された検体溶液を保持部の保持空間に導入する工程と、
前記少なくとも1つの粒子が混合された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入した後における吸光度を求める工程と、
前記少なくとも1つの粒子が投入された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程と、
前記少なくとも1つの粒子が投入された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入した後における吸光度と、前記所定の時間経過後の吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
を備えた測定方法。 - 請求項2、6、7のいずれか1つに記載のセンサチップを用いた測定方法であって、
保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、
前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、
前記検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程と、
前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記所定の時間経過後の吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
を備えた測定方法。 - 前記検体溶液と、少なくとも1つの試薬と、を混合する工程をさらに備え、
前記保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程において、前記少なくとも1つの試薬が混合された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入する請求項13記載の測定方法。 - 前記保持部の保持空間に検体溶液を導入した後に、前記保持部の保持空間に試薬を導入する工程をさらに備え、
前記検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程において、前記試薬を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める請求項13記載の測定方法。
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