JP2013195404A - 測定方法、センサチップ、および測定装置 - Google Patents

測定方法、センサチップ、および測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数種類の測定対象物質を精度よく測定することができる測定方法、センサチップ、および測定装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る測定方法は、光導波路部が第1の測定対象物質と反応する第1の物質が固定された第1の領域、第2の測定対象物質と反応する第2の物質が固定された第2の領域を有し、粒子の基部の表面に第1の測定対象物質と反応する第3の物質および第2の測定対象物質と反応する第4の物質の少なくともいずれかが固定されているセンサチップを用いた測定方法である。
この測定方法は、保持空間に検体溶液を導入する工程、検体溶液を導入した後の吸光度を求める工程、保持空間に導入された検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程、粒子を投入した後の吸光度を求める工程、吸光度変化量を求める工程、吸光度変化量に基づいて測定対象物質の量を求める工程を備える。
【選択図】図1

Description

後述する実施形態は、概ね、測定方法、センサチップ、および測定装置に関する。
検体溶液に含まれる物質の量を測定する測定装置に用いられるセンサチップには、光導波路型のセンサチップがある。この光導波路型のセンサチップを用いた測定方法においては、検出部の表面にある測定対象物質に起因する吸光度変化量に基づいて測定対象物質の量を測定している。
そして、試薬の量を削減しても高精度の測定が行えるように、検体溶液を保持する保持部を検出部毎に複数設けたセンサチップが提案されている。
しかしながら、複数種類の測定対象物質を精度よく測定することに関しては改善の余地があった。
特開2003−240704号公報
本発明が解決しようとする課題は、複数種類の測定対象物質を精度よく測定することができる測定方法、センサチップ、および測定装置を提供することである。
実施形態に係る測定方法は、透光性を有する基板と、前記基板の上に設けられた光学要素部と、前記基板および前記光学要素部の上に設けられた光導波路部と、前記光導波路部の上に設けられ、検体溶液を保持する保持空間を有する保持部と、前記保持空間に投入される少なくとも1つの粒子と、を備え、前記光導波路部は、第1の測定対象物質と特異的に反応する第1の物質が固定された第1の領域と、第2の測定対象物質と特異的に反応する第2の物質が固定された第2の領域と、を有し、前記保持部は、前記第1の領域および前記第2の領域を囲み、前記粒子は、基部を有し、前記基部の表面には、前記第1の測定対象物質と特異的に反応する第3の物質、および、前記第2の測定対象物質と特異的に反応する第4の物質の少なくともいずれかが固定されているセンサチップを用いた測定方法である。
そして、この測定方法は、前記保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、前記保持部の保持空間に導入された前記検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度を求める工程と、前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、を備えている。
(a)は第1の実施形態に係るセンサチップの模式断面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A矢視断面図、図1(c)は図1(a)におけるB−B矢視断面図である。 (a)は第3の物質および第4の物質が固定された粒子9を例示するための模式図、図2(b)は第3の物質が固定された粒子9aを例示するための模式図、図2(c)は第4の物質が固定された粒子9bを例示するための模式図である。 (a)、(b)は、磁性体材料を含む基部を例示するための模式断面図である。 (a)は第2の実施形態に係る測定装置を例示するための模式図、図4(b)は図4(a)におけるC−C矢視断面図である。 (a)〜(c)は、制御部35の作用について例示をするための模式工程図である。 第3の実施形態に係る測定方法について例示するためのフローチャートである。 (a)は第4の実施形態に係るセンサチップの模式断面図、(b)は(a)におけるD−D矢視断面図、(c)は(a)におけるE−E矢視断面図である。 センサチップ1aを用いる場合の測定方法について例示するためのフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
図1(a)は第1の実施形態に係るセンサチップの模式断面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A矢視断面図、図1(c)は図1(a)におけるB−B矢視断面図である。
図1(a)〜(c)に示すように、センサチップ1には、基板2、光導波路部3、光学要素部4、検出部5、保持部6、保護部7が設けられている。
基板2は、平板状を呈し、透光性の材料から形成されている。基板2は、例えば、ガラス(例えば、無アルカリガラス)または石英などから形成することができる。
光導波路部3は、基板2よりも高い屈折率を有し、基板2および光学要素部4の上に設けられている。光導波路部3は、高分子樹脂などから形成され、3μm〜300μm程度のほぼ均一な厚みの膜状体とすることができる。
なお、基板2や光導波路部3の材料や寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
光学要素部4は、基板2の光導波路部3が設けられた側の主面上に設けられている。すなわち、光学要素部4は、基板2上に設けられている。図1(a)に例示をした光学要素部4は、光導波路部3に光を導入、および出射させる際に回折格子として機能する。そのため、光学要素部4は、基板2よりも高い屈折率を有し所定のピッチ寸法で格子状に設けられている。例えば、光学要素部4は、ピッチ寸法を1μmとし、格子状に設けられたものとすることができる。ただし、ピッチ寸法はこれに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
光学要素部4は、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛、ニオブ酸リチウム、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム錫酸化物(ITO)、ポリイミドなどから形成することができる。なお、回折格子として機能する光学要素部4を例示したが、光を光導波路部3内に導入させることができる光学要素を適宜選択することができる。例えば、光学要素部4は、光導波路部3に光を導入、出射させる際にプリズムとして機能するものであってもよい。
検出部5は、第1の領域3aに設けられる検出部5a、第2の領域3bに設けられる検出部5bを有する。
検出部5a、5bは、検体溶液中の測定対象物質と特異的に反応する物質から構成される。
この場合、第1の領域3aに固定される第1の物質5aと、第2の領域3bに固定される第2の物質5bとは異なるものとすることもできるし、同じものとすることもできる。 第1の物質5aおよび第2の物質5bは、例えば、検体溶液中の測定対象物質が抗原の場合には、抗体(一次抗体)とすることができる。
なお、以下においては、一例として、第1の物質5aと第2の物質5bとが異なる場合を例示する。
第1の領域3aは、保護部7を貫通する孔部7aにより露出した光導波路部3の主面3cの一部分である。第2の領域3bは、保護部7を貫通する孔部7bにより露出した光導波路部3の主面3cの一部分である。
第1の物質5aは、第1の領域3aに固定される。第2の物質5bは、第2の領域3bに固定される。
すなわち、第1の領域3aには、後述する測定対象物質14a(第1の測定対象物質の一例に相当する)と特異的に反応する第1の物質5aが固定される。第2の領域3bには、後述する測定対象物質14b(第2の測定対象物質の一例に相当する)と特異的に反応する第2の物質5bが固定される。
第1の物質5aおよび第2の物質5bの固定は、例えば、第1の物質5aおよび第2の物質5bと、光導波路部3の主面3cとの疎水性相互作用や化学結合により行うことができる。
例えば、第1の物質5aおよび第2の物質5bは、シランカップリング剤による疎水化処理を行うことで光導波路部3の主面3cに固定することができる。また、第1の光導波路部3の主面3cに官能基を形成し、既知のリンカー分子を作用させて化学結合により第1の物質5aおよび第2の物質5bを固定してもよい。
なお、図1(a)〜(c)においては、2つの領域が設けられ、2つの領域ごとに異なる物質を固定する場合を例示したがこれに限定されるわけではない。例えば、3つ以上の領域が設けられ、3つ以上の領域ごとに異なる物質を固定することもできるし、3つ以上の領域を複数のグループに分け各グループごとに異なる物質を固定することもできる。
保持部6は、光導波路部3の上側(基板2が設けられた側とは反対側)に設けられ、検体溶液を保持する保持空間(反応空間)6aを有する。
保持部6は、枠状を呈し、第1の領域3aおよび第2の領域3bを囲むようにして設けられている。保持部6の一方の端部は保護部7の主面に液密に設けられ、他方の端部は保護部7の主面から離れた位置に設けられている。そのため、保持部6の内側の保持空間6aに検体溶液を保持することができる。
保持部6は、保持空間6aに保持される検体溶液に対する耐性の高い材料から形成されている。保持部6は、例えば、フッ素樹脂などから形成することができる。
保持部6は、保護部7に接合されるものであってもよいし、保護部7と一体に形成されるものであってもよい。
ここで、保持空間6aは、第1の領域3aに設けられた第1の物質5aと、第2の領域3bに設けられた第2の物質5bに対して共通の空間となる。そのため、第1の物質5aに対しては、各物質ごとに検体溶液を保持する場合と比べて2倍の容積を確保することができる。また、第2の物質5bに対しても、各物質ごとに検体溶液を保持する場合と比べて2倍の容積を確保することができる。
そのため、各物質ごとに検体溶液を保持する場合と比べて、第1の物質5aに反応させる測定対象物質14aの量と、第2の物質5bに反応させる測定対象物質14bの量を増加させることができる。その結果、複数種類の測定対象物質を精度よく測定することができる。
また、各物質ごとに検体溶液を保持する場合と比べて、センサチップ1の大きさが大きくなることもない。
保護部7は、光導波路部3の主面3c上に設けられている。
保護部7の保持部6の内側に位置する部分には、保護部7を貫通する第1の孔部7aおよび第2の孔部7bが設けられている。
第1の孔部7aおよび第2の孔部7bは、第1の領域3aおよび第2の領域3bをそれぞれ画する。
第1の孔部7aおよび第2の孔部7bの形状や大きさには、特に限定はないが、光導波路部3の内部を伝播する光の進行方向における長さが長くなるようにすることが好ましい。光導波路部3の内部を伝播する光の進行方向における長さを長くすれば、後述するエバネッセント波(evanescent wave)などの近接場光が生じる箇所を増加させることができる。そのため、測定の感度を向上させることができる。
また、第1の孔部7aと第2の孔部7bの間には、離隔部7cを設けることができる。この場合、離隔部7cは、必ずしも設ける必要はない。例えば、第1の孔部7aおよび第2の孔部7bを1つの孔部とし、1つの孔部の内部に第1の領域3aおよび第2の領域3bを設けるようにしてもよい。ただし、離隔部7cを設けるようにすれば、第1の物質5aおよび第2の物質5bを順次固定する際の作業性を向上させることができる。
保護部7は、光導波路部3を形成する材料よりも低い屈折率の材料から形成されている。また、保護部7は、保持空間6aに保持される検体溶液に対する耐性の高い材料から形成されている。保護部7は、例えば、フッ素樹脂などから形成することができる。
また、センサチップ1を用いて測定を行う際には、粒子9、9a、9bを用いる。
後述するように、粒子9、9a、9bは、保持空間6aに複数投入される。
図2(a)は第3の物質および第4の物質が固定された粒子9を例示するための模式図、図2(b)は第3の物質が固定された粒子9aを例示するための模式図、図2(c)は第4の物質が固定された粒子9bを例示するための模式図である。
図2(a)に示すように、粒子9は、粒状の基部12と、基部12の表面に固定された第3の物質13aおよび第4の物質13bを有する。
第3の物質13aと第4の物質13bとは異なるものとなっている。
第3の物質13aおよび第4の物質13bは、例えば、検体溶液中の測定対象物質が抗原の場合、抗体(二次抗体)とすることができる。
第3の物質13aおよび第4の物質13bの固定は、例えば、物理吸着、あるいはカルボキシル基やアミノ基等を介した化学結合により行うことができる。
また、図2(b)に示すように、第3の物質13aのみが基部12の表面に固定された粒子9aとすることもできる。
また、図2(c)に示すように、第4の物質13bのみが基部12の表面に固定された粒子9bとすることもできる。
すなわち、粒子は、基部12を有し、基部12の表面には、後述する測定対象物質14aと特異的に反応する第3の物質13a、および、後述する測定対象物質14bと特異的に反応する第4の物質13bの少なくともいずれかが固定されている。
この場合、第1の物質5aと第3の物質13aは測定対象物質14aと特異的に反応し、第2の物質5bと第4の物質13bは測定対象物質14bと特異的に反応する。
第3の物質13aのみが基部12の表面に固定された粒子9a、あるいは、第4の物質13bのみが基部12の表面に固定された粒子9bとすれば、測定対象となる測定対象物質のみと反応させることができるので高精度の測定を行うことが可能となる。
一方、第3の物質および第4の物質が基部12の表面に固定された粒子9とすれば、検体溶液に導入する粒子9の数を減らすことが可能となる。例えば、2種類の測定対象物質を測定する場合には、検体溶液に粒子9aおよび粒子9bを導入する必要がある。この場合、2種類の測定対象物質の割合を予め知ることができないため、粒子9aおよび粒子9bの少なくともいずれかの導入量が過剰となるおそれがある。これに対し、第3の物質および第4の物質が基部12の表面に固定された粒子9とすれば、2種類の測定対象物質の割合に応じて自動的に割り振られることになる。そのため、検体溶液に導入する粒子9の数を減らすことが可能となる。
この場合、第1の領域3aに固定された第1の物質5a(例えば、一次抗体)、または第2の領域3bに固定された第2の物質5b(例えば、一次抗体)と、基部12の表面に固定された第3の物質13a(例えば、二次抗体)または第4の物質13b(例えば、二次抗体)とは、それぞれに適合する測定対象物質(例えば、抗原)を介して抗原抗体反応により結合する。これにより、粒子9、9a、9bが第1の領域3aまたは第2の領域3bに抗原抗体反応により結合されることになる。
なお、第3の物質13aと第4の物質13bとが異なる場合を例示したが、第3の物質13aと第4の物質13bとが同じものとすることができる。
基部12の直径寸法は、0.05μm以上、200μm以下とすることができる。この場合、基部12の直径寸法を0.2μm以上、20μm以下とすれば、光の散乱効率を高めることができる。そのため、高精度の測定を行うことが可能となる。
基部12は、例えば、高分子材料から形成することができる。
また、基部12は、磁性体材料を含むものとすることもできる。
図3(a)、(b)は、磁性体材料を含む基部を例示するための模式断面図である。
図3(a)に示すように基部12bは、磁性ナノ微粒子12aを高分子材料でくるんだ構成を有するものとすることができる。
また、図3(b)に示すように基部12dは、コア12cと、コア12cを覆うように設けられたシェル12eを有するものとすることができる。
コア12cは、高分子材料から形成することができる。シェル12eは、高分子材料から形成され、磁性ナノ微粒子12aを含むものとすることができる。
あるいは、基部は、磁性体からなる粒子そのものでもよい。
磁性体材料としては、例えば、γ-Fe2O3等の各種フェライト類などを例示することができる。この場合、磁場の印加を停止すると速やかに磁性を失う超常磁性を有する材料とすることが好ましい。
一般に、超常磁性は、数10nm以下のナノ微粒子で起こる現象である。一方、光の散乱が起きるためには粒子の大きさは数100nm以上である必要がある。そのため、粒子9、9a、9bとしては、例えば、図3(a)、(b)に例示をしたような磁性ナノ微粒子12aを高分子材料などで覆ったものとすることが好ましい。
また、高分子材料の屈折率は1.5〜1.6程度のものが多く、フェライト類の屈折率は3.0程度である。この場合、粒子9、9a、9bが光導波路部3の表面近くにあるときには、屈折率が高いものほど光を散乱させやすくなる。
そのため、図3(b)に例示をしたように、基部12dの表面近くに磁性ナノ微粒子12aが設けられたものとすれば、測定の感度を向上させることができる。
この場合、図3(a)に例示をしたように、単に磁性ナノ微粒子12aを高分子材料でくるんだ基部12bとすれば、磁性ナノ微粒子12aが基部12b全体に分散してしまう場合がある。そのため、測定の感度を向上させるためには、図3(b)に例示をしたように、コア−シェル型の基部12dとし、シェル12eに磁性ナノ粒子12aを高密度に含ませた構造とすることが好ましい。
なお、測定対象物質と、第1の物質5a、第2の物質5b、第3の物質13a、第4の物質13bの組み合わせは、抗原と抗体の組み合わせに限られるものではない。
例えば、測定対象物質が糖である場合には、第1の物質5a〜第4の物質13bはレクチンとすることができる。測定対象物質がヌクレオチド鎖である場合には、第1の物質5a〜第4の物質13bはそれに相補的なヌクレオチド鎖とすることができる。測定対象物質がリガンドである場合には、第1の物質5a〜第4の物質13bはそれに対する受容体などとすることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る測定装置について例示をする。
図4(a)は第2の実施形態に係る測定装置を例示するための模式図、図4(b)は図4(a)におけるC−C矢視断面図である。
なお、本実施の形態においては図2(a)に例示をした粒子9を用いることとしている。また、粒子9の基部12は、磁性体材料を含むものとしている。
図4に示すように、測定装置30には、センサチップ1、投光部31、受光部32、磁場印加部33、磁場印加部34、制御部35、演算部36が設けられている。
投光部31は、センサチップ1に向けて光を出射する。投光部31は、例えば、中心波長が635nm程度の光を出射する発光ダイオードとすることができる。
受光部32は、センサチップ1からの光を受光して、光の強度に応じた電気信号に変換する。受光部32は、例えば、フォトダイオードとすることができる。
また、第1の領域3aおよび第2の領域3bに対して、それぞれ1組の投光部31と受光部32が設けられている。そのため、各領域毎に光の強度、ひいては測定対象物質の量や濃度(例えば、抗原濃度など)を求めることができるようになっている。
磁場印加部33、34は、磁場を生成し、生成した磁場をセンサチップ1に印加することで、磁場に応じて粒子9の位置を変化させる。
なお、磁場印加部33、34は必ずしも必要ではないが、磁場印加部33、および磁場印加部34の少なくともいずれかを設けるようにすれば、測定の精度を向上させることができる。磁場印加部33、34の作用や磁場印加部33、34を設ける効果に関する詳細は後述する。
磁場印加部33は、粒子9から見て光導波路部3がある側とは反対の側に設けられている。
例えば、測定装置30の場合には、磁場印加部33は、センサチップ1の上方向に設けられている。
磁場印加部34は、粒子9から見て光導波路部3がある側に設けられている。
例えば、測定装置30の場合には、磁場印加部34は、センサチップ1の下方向に設けられている。
なお、「上方向」とは重力方向における上方向であり、「下方向」とは重力方向における下方向である。
この場合、磁場印加部33は粒子9を光導波路部3から離れる方向へ移動させ、磁場印加部34は粒子9を光導波路部3に近づく方向へ移動させるものとすることができる。
磁場印加部33、34は、例えば、永久磁石あるいは電磁石を有するものとすることができる。
磁場印加部33、34がフェライト磁石などの永久磁石を有するものの場合には、永久磁石の磁力やセンサチップ1からの距離を変化させて磁場強度を調整するものとすることができる。
この場合、永久磁石とセンサチップ1との間の距離は、永久磁石とセンサチップ1との間に設けられるスペーサの厚み寸法を変化させたり、リニアモータなどのアクチュエータを用いて永久磁石とセンサチップ1との相対的な位置を変化させたりすることで変化させることができる。
また、磁場印加部33、34が電磁石を有するものの場合には、コイルに流す電流値を変化させて磁場強度を調整するものとすることができる。
この場合、磁場強度を動的に調整するためには、電磁石を用いて電流値により磁場強度を調整することが好ましい。
また、磁場印加部33、34が電磁石を有するものとすれば、パルス状に磁場を印加することができる。
なお、図4(a)に例示をしたものは、磁場印加部33、34が電磁石を有するものの場合である。
制御部35は、磁場印加部33及び磁場印加部34の両方、あるいはいずれか片方により印加する磁場の磁場強度を制御する。この場合、例えば、図4(a)に示すように、磁場印加部33及び磁場印加部34に対して共通の制御部35と、切り替えスイッチ35aとを設けることができる。また、磁場印加部33及び磁場印加部34に対してそれぞれ独立の制御部を設けることもできる。また、磁場印加部33及び磁場印加部34に対して同時に磁場強度の制御を行う制御部を設けることもできる。また、磁場強度を随時制御することで、動的に適切な磁場強度となるように制御する制御部35としてもよい。
また、制御部35は、磁場印加部33と磁場印加部34のそれぞれにおいて磁場を印加するタイミングを制御しても良い。例えば、磁場印加部33と磁場印加部34が所定の条件(例えば、所定の時刻あるいは所定の磁場を印加し続ける時間など)に従って、交互に磁場を印加するようにしてもよい。
なお、磁場印加部33と磁場印加部34が設けられる場合を例示したが、いずれか一方が設けられるようにしてもよい。
演算部36は、受光部32からの出力に基づいて、測定対象物質の量などを演算する。 例えば、演算部36は、実験などを行うことで予め求められた受光部32からの出力と吸光度との関係と、受光部32からの出力と、から吸光度を演算する。
そして、演算部36において吸光度変化量を演算する場合には、まず、検体溶液を導入した直後の吸光度を演算する。次に、磁場印加部33により磁場を印加して、測定対象物質を介さずに第1の領域3aおよび第2の領域3bに吸着している粒子9を上方に移動させる。そして、粒子9を上方に移動させた後の吸光度を演算する。次に、検体溶液を導入した直後の吸光度と、粒子9を上方に移動させた後の吸光度との差から吸光度変化量を演算する。
そして、演算部36は、実験などを行うことで予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、演算された吸光度変化量と、から測定対象物質の量を演算する。この際、演算部36は、検体溶液中の測定対象物質の濃度(例えば、抗原濃度など)などを演算することもできる。
また、第1の物質5aと第2の物質5bとが異なり、第3の物質13aと第4の物質13bとが異なる場合は、異なる種類の測定対象物質の量などを一度に測定することができる。
また、第1の物質5aと第2の物質5bとが同じであり、第3の物質13aと第4の物質13bとが同じである場合は、1種類の測定対象物質の量などを一度に複数回測定することができる。そのため、測定対象物質の量などの平均値などを一度に測定することができる。
次に、第2の実施形態に係る測定装置30の作用について例示する。
投光部31から出射し、基板2を介して入射側の光学要素部4に入射した光は、光学要素部4により回折され、光導波路部3の内部を反射しながら伝播する。光導波路部3の内部を反射しながら伝播する光により、第1の領域3aおよび第2の領域3bにおいてエバネッセント波などの近接場光が生じる。近接場光は、光が光導波路部3と保持空間6aとの界面において全反射する際、その界面において発生する。近接場光が到達する距離(染み出し距離)は、光導波路部3の表面(第1の領域3aおよび第2の領域3bの表面)から波長の数分の1程度の長さである。
近接場光は、第1の領域3aおよび第2の領域3bの表面の近傍にある粒子9により吸収されたり散乱されたりする。この際、粒子9の量に応じて近接場光が吸収、および散乱されることになる。
その後、光は出射側の光学要素部4により回折され、外部に向けて出射される。外部に向けて出射された光は、受光部32により受光され、光の強度に応じた電気信号に変換される。
なお、これらの工程は、第1の領域3aおよび第2の領域3bのそれぞれについて行われる。
受光部32からの出力は演算部36に入力され、第1の領域3aおよび第2の領域3bのそれぞれについて測定対象物質の量などが演算される。
次に、制御部35の作用についてさらに例示をする。
図5(a)〜(c)は、制御部35の作用について例示をするための模式工程図である。 なお、図5(a)〜(c)においては、煩雑となるのを避けるために保持空間6aにおける状態を表すものとする。
まず、図5(a)に示すように、保持空間6aに検体溶液を導入し、検体溶液に粒子9を投入する。なお、検体溶液には測定対象物質14a(例えば、A型インフルエンザウィルスに由来する物質)、測定対象物質14b(例えば、B型インフルエンザウィルスに由来する物質)が含まれているものとする。
検体溶液に粒子9を投入し、これを保持空間6aに導入することもできる。ただし、測定の精度をさらに向上させるためには、検体溶液を先に導入し、その後に粒子9を投入することが好ましい。検体溶液に粒子9を投入すれば、1つの粒子9に複数の測定対象物質14a、14bが抗原抗体反応により結合してしまうおそれがある。そのため、検体溶液を先に導入し、第1の領域3aに固定された第1の物質5aに測定対象物質14aを抗原抗体反応により結合させ、第2の領域3bに固定された第2の物質5bに測定対象物質14bを抗原抗体反応により結合させるようにする。その後に、検体溶液に粒子9を投入すれば、第1の物質5aに抗原抗体反応により結合している1つの測定対象物質14aに対して1つの粒子9を抗原抗体反応により結合させることができる。また、同様に、第2の物質5bに抗原抗体反応により結合している1つの測定対象物質14bに対して1つの粒子9を抗原抗体反応により結合させることができる。
そのため、測定の精度をさらに向上させることができる。
次に、図5(b)に示すように、粒子9が重力によって第1の領域3aおよび第2の領域3bに向けて沈降(自然沈降)していく。この際、例えば、第1の領域3aに固定された第1の物質5aと、基部12の表面に固定された第3の物質13aとが測定対象物質14aを介して抗原抗体反応により結合する。また、例えば、第2の領域3bに固定された第2の物質5bと、基部12の表面に固定された第4の物質13bとが測定対象物質14bを介して抗原抗体反応により結合する。これにより、粒子9の一部が第1の領域3aおよび第2の領域3bに抗原抗体反応により結合される。
なお、制御部35により磁場印加部34を制御して、粒子9を下方向に吸引することもできる。この場合、粒子9は、重力による自然沈降と、磁場印加部34による吸引とにより、第1の領域3aおよび第2の領域3bに引き寄せられる。そのため、測定時間の短縮を図ることができる。
次に、図5(c)に示すように、制御部35により磁場印加部33を制御して、粒子9を上方向に吸引する。そして、測定対象物質14a、14bを介さずに第1の領域3aおよび第2の領域3bに吸着している粒子9を上方向に移動させる。すなわち、第1の領域3aおよび第2の領域3bに単に吸着している粒子9(測定の際のノイズとなりうる粒子9)を除去する。
このとき、磁場印加部33により印加される磁場強度を適切な値とすることで、抗原抗体反応により測定対象物質14a、14bを介して第1の領域3aおよび第2の領域3bに結合している粒子9は引き剥がさず、単に吸着している粒子9のみを除去するようにする。
また、制御部35により磁場印加部33、34を制御して、粒子9を上方向に吸引する磁場と、粒子9を下方向に吸引する磁場とを交互に繰り返して印加することもできる。
粒子9を上方向に吸引する磁場と、粒子9を下方向に吸引する磁場とを交互に繰り返して印加すれば、粒子9の移動量を増加させることができるので、抗原抗体反応による結合の機会を増加させることができる。そのため、測定の感度を向上させることができる。
本実施の形態においては、磁場を用いて粒子9を移動させるので、人手による攪拌操作やポンプなどを有する攪拌機構が不要となり、操作が簡便で且つ小型の測定装置を実現することができる。例えば、制御部35による磁場印加を自動化すれば、測定者が検体溶液をセンサチップ1に導入するという1つの操作のみで測定を行うことができる。
さらに、磁場の印加を停止すると速やかに磁化を失う超常磁性の材料を含む基部を有した粒子9を用いるようにすれば、磁場を印加した際に粒子9同士が磁化により凝集しても、磁場の印加を停止することで再分散させることができる。
仮に、磁場の印加時に粒子9同士が凝集しても、第1の領域3aおよび第2の領域3bの近傍に粒子9同士の凝集物が到達する前に磁場の印加を停止することにより、粒子9同士の凝集物を再分散させることができる。そのため、粒子9は分散状態で第1の領域3aおよび第2の領域3bに到達することができる。従って、粒子9同士の凝集による測定ノイズの増大を防ぐことが可能となる。
また、磁場の印加を停止した際の再分散性を更に向上させるため、粒子9の基部12の表面に正または負の電荷を持たせてもよい。あるいは、検体溶液に界面活性剤などの分散剤を添加することもできる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る測定方法について例示する。
第3の実施形態に係る測定方法は、前述した測定装置30を用いて行うことができる。 図6は、第3の実施形態に係る測定方法について例示するためのフローチャートである。
まず、保持部6の保持空間6aに検体溶液を導入する(ステップS1)。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度を求める(ステップS2)。
検体溶液を導入した後における吸光度は、前述したように、受光部32からの出力に基づいて演算することができる。
なお、ステップS2において求める吸光度は、初期状態(粒子9が第1の領域3aまたは第2の領域3bに結合する前の状態)における吸光度である。
そのため、ステップS2における「検体溶液を導入した後における吸光度」とは、少なくとも1つの粒子9が投入される前の吸光度のみならず、ステップS3において少なくとも1つの粒子9が投入された直後の吸光度などをも含むものである。
なお、図6においては、一例として、少なくとも1つの粒子9が投入される前の吸光度を求める場合を例示している。
次に、保持部6の保持空間6aに導入された検体溶液に少なくとも1つの粒子9を投入する(ステップS3)。
次に、少なくとも1つの粒子9を投入した後における吸光度を求める(ステップS4)。
少なくとも1つの粒子9を投入した後における吸光度は、前述したように、受光部32からの出力に基づいて演算することができる。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度と、少なくとも1つの粒子9を投入した後における吸光度との差から吸光度変化量を求める(ステップS5)。
次に、求められた吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める(ステップS6)。
例えば、予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、求められた吸光度変化量と、から測定対象物質の量を求める。
以上のようにして、検体溶液中における測定対象物質の量を測定することができる。
なお、ステップS1において、検体溶液と少なくとも1つの粒子9とを混合し、これを保持空間6aに導入することもできる。この際、検体溶液に少なくとも1つの粒子9を投入して混合することもできるし、少なくとも1つの粒子9に検体溶液を投入して混合することもできる。
この場合は、ステップS2において、少なくとも1つの粒子9が混合された検体溶液を保持空間6aに導入した直後における吸光度を求める。
そして、ステップS3は省略し、所定の時間経過後にステップS4を行う。
ただし、前述したように、測定の精度をさらに向上させるためには、検体溶液を先に導入し、その後に少なくとも1つの粒子9を投入することが好ましい。
なお、以上に例示をした工程の内容は前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
[第4の実施形態]
図7(a)は第4の実施形態に係るセンサチップの模式断面図、図7(b)は図7(a)におけるD−D矢視断面図、図7(c)は図7(a)におけるE−E矢視断面図である。
図7(a)〜(c)に示すように、センサチップ1aには、基板2、光導波路部3、光学要素部4、検出部15、保持部6、保護部7が設けられている。
検出部15は、第1の領域3aに設けられる検出部15a、第2の領域3bに設けられる検出部15bを有する。
検出部15a、15bは、膜状を呈し、検体溶液中の測定対象物質と特異的に反応する物質から構成される。
この場合、第1の領域3aに固定される第1の物質15aと、第2の領域3bに固定される第2の物質15bとは異なるものとすることもできるし、同じものとすることもできる。
検出部15a、15bは、例えば、発色剤、発色剤を保持する膜形成体、測定対象物質である酵素に対する基質、素反応をさせる際に用いられる試薬、発色反応促進剤などを有するものとすることができる。
膜形成体は、例えば、多孔質組織を有し、多孔質組織内の空孔に発色剤などを保持するものとすることができる。膜形成体の材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリエチレングリコール(PEG)などを例示することができる。
検出部15a、15bは、例えば、水と水溶性有機溶媒(例えば、アルコールなど)との混合溶媒に、発色剤、造膜用高分子などを均質に混合した前駆溶液を生成し、これを膜状に乾燥させることで形成することができる。
反応生成物として過酸化水素などの過酸化物が生成される場合には、発色剤は、例えば、ベンジジン系発色剤とすることができる。ベンジジン系発色剤としては、例えば、4−クロロ−1−ナフトール、3,3’−ジアミノベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(以下、適宜、TMBZと称する)、TMBZの塩酸塩(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン・2HCl・2H2O)などを例示することができる。この場合、発色剤としては、水への溶解度が低く、生体への有害性が極めて低いTMBZを用いるようにすることができる。
反応生成物としてNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)などが生成される場合には、発色剤は、例えば、テトラゾリウム塩などとすることができる。
また、測定対象物質である酵素がALT(GPT)である場合には、基質は、例えば、L−アラニン、α-ケトグルタル酸などとすることができる。
測定対象物質である酵素がALT(GPT)である場合には、試薬は、例えば、ピルビン酸オキシダーゼなどとすることができる。
反応生成物として過酸化水素などの過酸化物が生成される場合には、発色反応促進剤は、例えば、ペルオキシダーゼ(POD)などとすることができる。
反応生成物としてNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)などが生成される場合には、発色反応促進剤は、例えば、ジアホラーゼなどとすることができる。 ただし、例示をした発色剤、膜形成体、基質、試薬、発色反応促進剤などに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
前述したセンサチップ1の場合は、第1の領域3aおよび第2の領域3bの表面の近傍にある粒子9により近接場光が吸収されたり散乱されたりする。この際、粒子9の量に応じて近接場光が吸収、および散乱されることになるので、これを利用して測定対象物質の量などを求めることができる。
これに対して、本実施の形態に係るセンサチップ1aの場合は、検体溶液中の測定対象物質と反応することで検出部15a、15bの発色剤が発色し、発色剤の発色に応じて近接場光が吸収されることになる。そのため、これを利用して測定対象物質の量などを求めることができる。
この場合、センサチップ1aを用いる測定装置においては、前述した測定装置30に設けられる磁場印加部33、磁場印加部34、制御部35を設ける必要はない。すなわち、センサチップ1aを用いる測定装置においては、少なくともセンサチップ1a、投光部31、受光部32、演算部36を設けるようにすればよい。
また、粒子9による近接場光の吸収および散乱と、発色剤の発色による近接場光の吸収とが異なる以外は前述した測定装置30の作用と同様とすることができる。
そのため、センサチップ1aを用いる測定装置に関する詳細は省略する。
また、センサチップ1aを用いる測定方法においては、前述した測定方法のように粒子9を投入する必要はない。
そのため、以下の手順で測定を行うことができる。
図8は、センサチップ1aを用いる場合の測定方法について例示するためのフローチャートである。
まず、保持部6の保持空間6aに検体溶液を導入する(ステップS11)。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度を求める(ステップS12)。
次に、検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める(ステップS13)。
次に、検体溶液を導入した後における吸光度と、所定の時間経過後の吸光度と、の差から吸光度変化量を求める(ステップS14)。
次に、求められた吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める(ステップS15)。
ここで、前述した素反応をさせる際に用いられる試薬は、複数種類必要となる場合がある。この場合、すべての試薬を検出部15a、15bに固定することもできるが、試薬同士で反応してしまう、物性的に検出部15a、15bに固定できない、試薬によっては測定対象物質と先に反応させる必要があるなどの場合もある。
そのため、試薬と検体溶液を予め混合するか、あるいは、導入した検体溶液に試薬を導入する必要が生じる場合がある。
試薬と検体溶液を予め混合させる場合には、検体溶液と少なくとも1つの試薬とを混合する工程をさらに備えるようにすればよい。
そして、保持部6の保持空間6aに検体溶液を導入する工程(ステップS11)において、少なくとも1つの試薬が混合された検体溶液を保持部6の保持空間6aに導入すればよい。
なお、検体溶液と少なくとも1つの試薬とを混合する場合には、検体溶液に少なくとも1つの試薬を投入して混合することもできるし、少なくとも1つの試薬に検体溶液を投入して混合することもできる。
また、導入した検体溶液に試薬を導入する場合には、保持部6の保持空間6aに検体溶液を導入した後に、保持部6の保持空間6aに試薬を導入する工程をさらに備えるようにすればよい。
そして、検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程(ステップS13)において、試薬を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求めるようにすればよい。
なお、ステップS12において求める吸光度は、初期状態(第1の領域3aまたは第2の領域3bにおける反応が生じる前の状態)における吸光度である。
そのため、ステップS12における「検体溶液を導入した後における吸光度」とは、少なくとも1つの試薬が投入される前の吸光度のみならず、少なくとも1つの試薬が投入された直後の吸光度などをも含むものである。
複数種類の試薬を反応させて測定を行う場合、反応させる順番が測定精度などに影響を及ぼす場合がある。そのため、測定の目的や用いる試薬などに応じて前述した測定方法を適宜選択することが好ましい。
なお、受光部32からの出力に基づいて吸光度を演算すること、予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、求められた吸光度変化量と、から測定対象物質の量を求めること、などは、前述した測定方法と同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
以上に例示をした実施形態によれば、複数種類の測定対象物質を精度よく測定することができるセンサチップ、測定装置、および測定方法を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 センサチップ、2 基板、3 光導波路部、3a 第1の領域、3b 第2の領域、4 光学要素部、5 検出部、5a 第1の物質、5b 第2の物質、6 保持部、6a 保持空間、7 保護部、7a 第1の孔部、7b 第2の孔部、9 粒子、9a 粒子、9b 粒子、12 基部、13a 第3の物質、13b 第4の物質、14a 測定対象物質、14b 測定対象物質、30 測定装置、31 投光部、32 受光部、33 磁場印加部、34 磁場印加部、35 制御部、36 演算部

Claims (15)

  1. 透光性を有する基板と、
    前記基板の上に設けられた光学要素部と、
    前記基板および前記光学要素部の上に設けられた光導波路部と、
    前記光導波路部の上に設けられ、検体溶液を保持する保持空間を有する保持部と、
    前記保持空間に投入される少なくとも1つの粒子と、
    を備え、
    前記光導波路部は、
    第1の測定対象物質と特異的に反応する第1の物質が固定された第1の領域と、
    第2の測定対象物質と特異的に反応する第2の物質が固定された第2の領域と、
    を有し、
    前記保持部は、前記第1の領域および前記第2の領域を囲み、
    前記粒子は、基部を有し、前記基部の表面には、前記第1の測定対象物質と特異的に反応する第3の物質、および、前記第2の測定対象物質と特異的に反応する第4の物質の少なくともいずれかが固定されているセンサチップを用いた測定方法であって、
    前記保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、
    前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、
    前記保持部の保持空間に導入された前記検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程と、
    前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度を求める工程と、
    前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
    求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
    を備えた測定方法。
  2. 透光性を有する基板と、
    前記基板の上に設けられた光学要素部と、
    前記基板および前記光学要素部の上に設けられた光導波路部と、
    前記光導波路部の上に設けられ、検体溶液を保持する保持空間を有する保持部と、
    を備え、
    前記光導波路部は、
    第1の測定対象物質と特異的に反応する第1の物質が固定された第1の領域と、
    第2の測定対象物質と特異的に反応する第2の物質が固定された第2の領域と、
    を有し、
    前記保持部は、前記第1の領域および前記第2の領域を囲むセンサチップ。
  3. 前記保持空間に投入される少なくとも1つの粒子をさらに備え、
    前記粒子は、基部を有し、前記基部の表面には、前記第1の測定対象物質と特異的に反応する第3の物質、および、前記第2の測定対象物質と特異的に反応する第4の物質の少なくともいずれかが固定されている請求項2記載のセンサチップ。
  4. 前記基部は、磁性体材料を含む請求項3記載のセンサチップ。
  5. 前記基部は、コアと、前記コアを覆うように設けられたシェルと、を有し、
    前記シェルは、超常磁性を有する材料を含む請求項3または4に記載のセンサチップ。
  6. 前記第1の測定対象物質と、前記第2の測定対象物質とが異なり、
    前記第1の物質と、前記第2の物質とが異なる請求項2〜5のいずれか1つに記載のセンサチップ。
  7. 前記第1の測定対象物質と、前記第2の測定対象物質とが同じであり、
    前記第1の物質と、前記第2の物質とが同じである請求項2〜5のいずれか1つに記載のセンサチップ。
  8. 前記第3の物質と、前記第4の物質とが異なる請求項6記載のセンサチップ。
  9. 前記第3の物質と、前記第4の物質とが同じである請求項7記載のセンサチップ。
  10. 請求項2〜9のいずれか1つに記載のセンサチップと、
    前記センサチップに光を入射させる投光部と、
    前記センサチップからの光を受光して光の強度に応じた電気信号に変換する受光部と、
    を備えた測定装置。
  11. 請求項4〜9のいずれか1つに記載のセンサチップを用いた測定方法であって、
    保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、
    前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、
    前記保持部の保持空間に導入された前記検体溶液に少なくとも1つの粒子を投入する工程と、
    前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度を求める工程と、
    前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記少なくとも1つの粒子を投入した後における吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
    求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
    を備えた測定方法。
  12. 請求項3〜9のいずれか1つに記載のセンサチップを用いた測定方法であって、
    検体溶液と、少なくとも1つの粒子と、を混合する工程と、
    前記少なくとも1つの粒子が混合された検体溶液を保持部の保持空間に導入する工程と、
    前記少なくとも1つの粒子が混合された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入した後における吸光度を求める工程と、
    前記少なくとも1つの粒子が投入された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程と、
    前記少なくとも1つの粒子が投入された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入した後における吸光度と、前記所定の時間経過後の吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
    求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
    を備えた測定方法。
  13. 請求項2、6、7のいずれか1つに記載のセンサチップを用いた測定方法であって、
    保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程と、
    前記検体溶液を導入した後における吸光度を求める工程と、
    前記検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程と、
    前記検体溶液を導入した後における吸光度と、前記所定の時間経過後の吸光度と、の差から吸光度変化量を求める工程と、
    求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
    を備えた測定方法。
  14. 前記検体溶液と、少なくとも1つの試薬と、を混合する工程をさらに備え、
    前記保持部の保持空間に検体溶液を導入する工程において、前記少なくとも1つの試薬が混合された検体溶液を前記保持部の保持空間に導入する請求項13記載の測定方法。
  15. 前記保持部の保持空間に検体溶液を導入した後に、前記保持部の保持空間に試薬を導入する工程をさらに備え、
    前記検体溶液を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める工程において、前記試薬を導入した後、所定の時間経過後の吸光度を求める請求項13記載の測定方法。
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