JP2013195312A - センサチップ、測定装置、および測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサチップ1は、第1の光導波路部3と、前記第1の光導波路部の主面に互いに距離をあけて設けられた一対の光学要素部4と、前記第1の光導波路部の前記光学要素部が設けられた側とは反対側の主面3aに設けられた第2の光導波路部8と、前記第1の光導波路部の前記光学要素部が設けられた側とは反対側の主面の表面と、前記第2の光導波路部の表面と、に設けられた検出部5と、を備えている。そして、実施形態に係るセンサチップは、前記第1の光導波路部の材料の屈折率をn1、前記第2の光導波路部の材料の屈折率をn2、前記検出部の外側に接する物質の屈折率をn3とした場合に、下記の式を満足する。
【選択図】図1
Description
しかしながら、例えば、測定対象物質が生体の体液中に溶存している物質などである場合には、さらに高感度の測定を行うことができるセンサチップの開発が望まれていた。
そして、実施形態に係るセンサチップは、前記第1の光導波路部の材料の屈折率をn1、前記第2の光導波路部の材料の屈折率をn2、前記検出部の外側に接する物質の屈折率をn3とした場合に、下記の式を満足する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るセンサチップを例示するための模式断面図である。
図2は、第2の光導波路部8を例示するための模式断面図である。
図1に示すように、センサチップ1には、第1の光導波路部3、光学要素部4、検出部5、保持部6、保護部7、第2の光導波路部8が設けられている。
なお、溝の内部に酸化チタン(TiO2)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛、ニオブ酸リチウム、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム錫酸化物(ITO)、ポリイミドなどが充填されたものとすることもできる。なお、回折格子として機能する光学要素部4を例示したが、光を第1の光導波路部3内に導入させることができる光学要素を適宜選択することができる。例えば、光学要素部4は、第1の光導波路部3に光を導入、出射させる際にプリズムとして機能するものであってもよい。
膜形成体は、例えば、多孔質組織を有し、多孔質組織内の空孔に発色剤などを保持するものとすることができる。膜形成体の材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリエチレングリコール(PEG)などを例示することができる。
検出部5は、例えば、水と水溶性有機溶媒(例えば、アルコールなど)との混合溶媒に、発色剤、造膜用高分子などを均質に混合した前駆溶液を生成し、これを膜状に乾燥させることで形成することができる。
また、測定対象となる酵素がALT(GPT)である場合には、基質は、例えば、L−アラニン、α-ケトグルタル酸などとすることができる。
測定対象となる酵素がALT(GPT)である場合には、試薬類は、例えば、ピルビン酸オキシダーゼなどとすることができる。
反応生成物として過酸化水素などの過酸化物が生成される場合には、発色反応促進剤は、例えば、ペルオキシダーゼ(POD)などとすることができる。
反応生成物としてNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)などが生成される場合には、発色反応促進剤は、例えば、ジアホラーゼなどとすることができる。 ただし、例示をした発色剤、膜形成体、基質、試薬類、発色反応促進剤などに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
なお、後述する測定方法によっては、保持部6を設けないようにすることができる。
保護部7は、第1の光導波路部3を形成する材料よりも低い屈折率の材料から形成されている。また、保護部7は、保持部6に保持される検体溶液に対する耐性の高い材料から形成されている。保護部7は、例えば、フッ素樹脂などから形成することができる。
また、第2の光導波路部8は、第1の光導波路部3からの光Lが側面8a1に入射することができる位置に設けられている。
そのため、センサチップ1に入射した光Lをセンサチップ1から効率よく出射させることができる。
この場合、検出部5は多孔質組織を有し、厚みも薄いため、検出部5の屈折率ではなく検出部5の外側に接する物質の屈折率n3を考慮すればよい。
なお、第1の光導波路部3の光学要素部4が設けられた側の主面に接する物質は、センサチップ1の測定環境における気体(例えば、空気)である。そのため、例えば、センサチップ1の測定環境が大気中である場合には、屈折率n4は1.00となる。
センサチップ1を用いて測定を行う際には、保持空間6aが検体溶液で満たされているのが一般的である。そのため、一般的には、検出部5の外側に接する物質は検体溶液となる。検体溶液の屈折率は水の屈折率(n=1.33)と同等である。そのため、一般的には、検出部5の外側に接する物質の屈折率n3は「1.33」程度となる。
そのため、入射角θ2が45°の場合に全反射となるには、屈折率が「1.881」以上の材料を用いて第1の光導波路部3と第2の光導波路部8を形成すればよい。
そのため、第1の光導波路部3と第2の光導波路部8の材料は、透光性を有し、屈折率が「1.881」以上である必要がある。
しかしながら、透光性を有し、屈折率が「1.881」以上の材料とすれば、材料の選定が非常に困難となる。
この場合、例えば、空気の屈折率は「1.00」であるので、屈折率が「1.414」以上の材料を用いて第1の光導波路部3と第2の光導波路部8を形成すればよいことになる。
なお、センサチップ1を用いた測定方法に関する詳細は後述する。
前述したように、全反射する箇所が増えるほど、高感度の測定を行うことができる。
そのため、図3に例示をする第2の光導波路部18は、第1の光導波路部3の主面3aから突出する寸法を長くしている。この様にすれば、第2の光導波路部18の側面18a1、18a2において全反射する箇所を増加させることができる。そのため、さらに高感度の測定を行うことができるようになる。
また、第2の光導波路部8、18の形状や配置により、全反射における入射角θ2は45°となり、出射角θ3も45°となる。また、第1の光導波路部3からの光Lが側面8a1に入射することができるようになっている。
そのため、センサチップ1に入射した光Lをセンサチップ1から効率よく出射させることができる。
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係るセンサチップを例示するための模式断面図である。
図4に示すように、センサチップ1aには、第1の光導波路部3、光学要素部4、検出部15、保持部6、保護部7、第2の光導波路部8が設けられている。
前述したセンサチップ1には発色剤などを有する膜状の検出部5が設けられているが、本実施の形態に係る検出部15は、第1の光導波路部3の光学要素部4が設けられた側とは反対側の主面3aの表面と、第2の光導波路部8の表面と、に設けられた第1の物質から構成される。
第1の物質は、例えば、検体溶液中の測定対象物質が抗原の場合には、抗体(一次抗体)とすることができる。
第1の物質は、第1の光導波路部3の主面3aの表面、第2の光導波路部8の表面に固定される。第1の物質の固定は、例えば、第1の物質と、第1の光導波路部3の主面3aの表面および第2の光導波路部8の表面との疎水性相互作用や化学結合により行うことができる。例えば、第1の物質は、シランカップリング剤による疎水化処理を行うことで第1の光導波路部3の主面3aの表面および第2の光導波路部8の表面に固定することができる。また、第1の光導波路部3の主面3aの表面および第2の光導波路部8の表面に官能基を形成し、既知のリンカー分子を作用させて化学結合により第1の物質を固定してもよい。
図5は、粒子9を例示するための模式図である。
図5に示すように、粒子9は、粒状の基部12と、基部12の表面に固定された第2の物質を有する。
第2の物質は、例えば、検体溶液中の測定対象物質が抗原の場合、抗体(二次抗体)とすることができる。
第2の物質の固定は、例えば、物理吸着、あるいはカルボキシル基やアミノ基等を介した化学結合により行うことができる。
例えば、測定対象物質が糖である場合には、第1の物質及び第2の物質はレクチンとすることができる。測定対象物質がヌクレオチド鎖である場合には、第1の物質及び第2の物質はそれに相補的なヌクレオチド鎖とすることができる。測定対象物質がリガンドである場合には、第1の物質及び第2の物質はそれに対する受容体などとすることができる。
基部12は、例えば、高分子材料から形成することができる。
また、基部12は、磁性体材料を含むものとすることもできる。
例えば、基部12は、γ-Fe2O3等の各種フェライト類、超常磁性の材料などから形成されたものとすることができる。
磁性体材料を含む基部12とすれば、磁場を印加することで検体溶液の攪拌などを行うことができる。そのため、測定対象物質と第2の物質との結合の機会や、測定対象物質を介した第1の物質と第2の物質との結合の機会を増加させることができる。
そして、検出部15に結合された粒子9により、エバネッセント波の吸収や散乱が生じるので、その変化率などから測定対象物質の量を測定することができる。
そして、センサチップ1aにおいても前述した(1)式〜(3)式を満足することで、入射角θ2が45°の場合に全反射となる。
なお、図3において例示をしたように、第2の光導波路部8の代わりに、第1の光導波路部3の主面3aから突出する寸法が長い第2の光導波路部18を用いることもできる。 本実施の形態に係るセンサチップ1aにおいても、前述したセンサチップ1と同様の効果を享受することができる。
次に、第3の実施形態に係る測定装置100を例示する。
図6は、第3の実施形態に係る測定装置100を例示するための模式図である。
なお、図6は、一例として、センサチップ1を備えた測定装置100を例示するものである。
図6に示すように、測定装置100には、センサチップ1、投光部21、受光部22、制御部40が設けられている。
この場合、センサチップ1は、使い捨てとすることができ、測定毎に交換されるものとすることができる。
投光部21は、センサチップ1に設けられた一方の光学要素部4に光を入射させる。
投光部21は、例えば、レーザダイオードなどとすることができる。
受光部22は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
なお、制御部40は、測定装置100と別に設けられていてもよい。この場合、制御部40が設けられていない複数の測定装置100に対して1つの制御部40を設けるようにすることもできる。
例えば、制御部40は、実験などを行うことで予め求められた受光部22からの出力と吸光度との関係と、受光部22からの出力とから吸光度を演算する。
そして、制御部40において吸光度変化量を演算する場合には、まず、検出部5、15に検体溶液を接触させる前の吸光度を演算する。次に、検出部5、15に検体溶液を接触させ、所定の時間経過後に接触させた検体溶液を排出し、排出した後における吸光度を演算する。次に、検体溶液を接触させる前の吸光度と、検体溶液を排出した後の吸光度との差から吸光度変化量を演算する。
そして、制御部40は、実験などを行うことで予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、演算された吸光度変化量とから測定対象物質の量を演算する。
ただし、センサチップ1aの場合には、検出部15に結合された粒子9によりエバネッセント波の吸収や散乱が生じるので、測定対象物質の量と吸光度変化量との関係はセンサチップ1の場合とは異なるものとなる。
そのため、センサチップ1aの場合における測定対象物質の量と吸光度変化量との関係を予め実験などで求めるようにする。
次に、第4の実施形態に係る測定方法について例示する。
第4の実施形態に係る測定方法は、前述した測定装置100を用いて行うことができる。
図7は、第4の実施形態に係る測定方法について例示するためのフローチャートである。
まず、検出部5、15に検体溶液を接触させる前の吸光度を求める(ステップS1)。
前述したように、検出部5、15に検体溶液を接触させる前の吸光度は受光部22からの出力に基づいて演算することができる。
保持部6が設けられているものの場合には、保持部6の内側に検体溶液を供給する。
センサチップ1aの場合には、検体溶液とともに、あるいは、検体溶液とは別に複数の粒子9も供給する。
検体溶液中に第1の光導波路部3、第2の光導波路部8、18を浸漬させる場合には、保持部6が設けられていないセンサチップ1、1aを用いることができる。
また、センサチップ1aを用いる場合には、複数の粒子9を含む検体溶液中に第1の光導波路部3、第2の光導波路部8、18を浸漬させればよい。
検体溶液を排出すれば、検出部5、15の外側に接する物質が測定環境における気体(例えば、空気)となる。
そのため、前述した全反射が行われやすくなるので、高感度の測定を行うことができる。
前述したように、検体溶液を排出した後における吸光度は受光部22からの出力に基づいて演算することができる。
次に、求められた吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める(ステップS6)。
例えば、予め求められた測定対象物質の量と吸光度変化量との関係と、求められた吸光度変化量とから測定対象物質の量を求める。
以上のようにして、検体溶液中における測定対象物質の量を測定することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
Claims (5)
- 前記第2の光導波路部の第1の側面と、前記第1の光導波路部の前記光学要素部が設けられた側とは反対側の主面と、がなす角度は90°であり、
前記第2の光導波路部の前記第1の側面と対向する第2の側面と、前記第1の光導波路部の前記光学要素部が設けられた側とは反対側の主面と、がなす角度は90°である請求項1記載のセンサチップ。 - 前記第1の光導波路部の前記光学要素部が設けられた側の主面に入射した光の出射角は、45°である請求項1または2に記載のセンサチップ。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサチップと、
前記センサチップに光を入射させる投光部と、
前記センサチップからの光を受光して光の強度に応じた電気信号に変換する受光部と、
を備えた測定装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサチップを用いた測定方法であって、
検出部に検体溶液を接触させる前の吸光度を求める工程と、
前記検出部に前記検体溶液を接触させる工程と、
所定の時間経過後に接触させた前記検体溶液を排出する工程と、
前記検体溶液を排出した後における吸光度を求める工程と、
前記検体溶液を接触させる前の吸光度と、前記検体溶液を排出した後の吸光度との差から吸光度変化量を求める工程と、
求められた前記吸光度変化量に基づいて、測定対象物質の量を求める工程と、
を備えた測定方法。
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