JP2013195061A - ライフル・レシーバの製作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質のライフルのためにレシーバを作るための迅速かつ効果的な方法を提供する。
【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金のモノブロック・ライフル・レシーバ2の製造方法であって、レシーバの個別部品8A,8Bから構成され、個別部品8A,8Bは、組み立てられた状態においてレシーバ2を形成することができ、その後、任意の機械的調整を行い、次いで溶接によるこれらの部品8A,8Bの組み立てがなされることが可能であることを特徴とする製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ライフル・レシーバの製作方法に関する。
レシーバの役割は、バレル、トリガ・ガード、ストック、マガジンおよび可動部品など主要な構成要素のすべてを支持し、かつ、然るべき位置に保持することである。この役割に加え、レシーバは、当該武器のデザインおよび審美性に対して大きな影響を有する。
火器のレシーバは、多くの場合、主にアルミニウムであって境界が明確に画定された合金の単一の塊を機械加工することによって製造される。
従来型のライフルのレシーバは、例えば2キログラム(kg)の単一のアルミニウム・ブロックから作られると、得られる最終的な部品の重量はわずかに約300グラム(g)以下となる。
これらの部品は、多軸フライス盤、リーマ、研磨機など一式の工作機械を備えた従来型の工作室で機械加工される。
機械加工によるこの製作方法の長所は、当初のアルミニウム合金ブロックの機械的特性が保存されるということである。
他方で、短所は、特に、レシーバが幅の狭い公差の範囲内で製造されなければならない相当に複雑かつ精密な部品であるときには、製作時間と、人件費、機械およびツーリングの費用とである。
これには、もちろん、能力を有する人間が必要になる。
別の短所として、大量の原材料が失われることがある。
用いられる別の技術として熱間鍛造があるが、これは、ダイを用いて、加熱された非鉄合金の部品を塑性変形によって形成する製作技術である。用いられる機械は、液圧プレスである。
この方法の長所は、材料の均一性と優れた表面仕上げとである。
短所は、鍛造された部品の精度が中程度である点にある。
知られている他の技術として、FMPという名称でも知られているロストワックス鋳造法がある。
この鋳造プロセスでは、耐熱性セラミックによって被覆されたワックス・モデルを用いるのであるが、この耐熱性セラミックは、熱によってワックスが除去された後では、作られるべき部品のための鋳型となるのである。
合金が、その後に振動によって破壊されることになるセラミック製の鋳型の中に注がれ、最終的な部品が得られる。
この方法は、鋳型から取り出される部品の高い精度と、非常に精細な表面仕上げとを特徴とする。
しかし、この方法は、複雑な幾何学的形状を有する部品を製造するのには適さない。
本発明の目的は、上述した短所を回避して、高品質のライフルのためにレシーバを作るための迅速かつ効果的な方法を提供することである。
この目的は、レシーバの個別部品の実現から構成される製作方法を提供する本発明によって達成される。これらの個別部品は、組み立てが終了した状態においてレシーバを形成することができ、その後、任意の機械的調整を行い、次いで溶接によるこれらの部品の組み立てがなされる。
本発明による製作方法は、現に用いられている従来型の機械加工プロセスと比較して、理論的には製作コストを50%近く削減することができる。
更に、本発明では2つの部品を基礎にして製作がなされるため、最終的な組み立ての前に、どのような機械的調整も、より容易に、かつ、より迅速に、行うことができる。これは、より少数のツールと、より複雑でない機械とだけを必要としながら、機械が、平坦な表面上での、更に大きな面積にわたる作業が可能であって、完成したレシーバの内部表面における機械加工作業を行う機械オペレータの側に対しても、本発明ではこれらの内部表面へのアクセスがより容易であることにより、それほど多くの専門知識を要求しないためである。
レシーバの個別部品は、好ましくは、セミソリッド鋳造法によって製造される。
セミソリッド鋳造技術によると従来型の鋳造用アルミニウムをレシーバの製造に用いることが可能になり、したがって、その製作と、現在用いられている最高品質の機械加工用のアルミニウムの価格との独立性が高まるために、このセミソリッド鋳造技術は、変換されたアルミニウムの価格変動に対する保護を提供する。
このセミソリッド鋳造技術は、優れた力学的強度、密度および仕上げを備えた半完成の適切に作られた部品を提供し、かつ、余った材料が製作プロセスの中に再投入されることのない従来型の鋳造および機械工作プロセスと比較して、非常にわずかな追加的材料を用いるに過ぎない。
まとめると、本発明による方法は、レシーバの製作コストを劇的に低下させる。
セミソリッド鋳造法の中では、「レオキャスティング」という名称で知られている方法が好ましい。
これは、半固体アルミニウム融解物の揺変性を用いる鋳造方法であり、揺変性により、主に剪断応力である撹拌の影響下で融解物の粘性が低下することになる。
半固体状態に到達するためには、融解物は、液相と固相とを呈していなければならず、後者の固相は、球状の形態であるという特徴を有していなければならない。レオキャスティングを用いると、ある割合の固体部分と同等の固体材料の綱片を追加することによって、球状の固相が、制御された態様のままで最適な半固体状態相の温度まで冷却された液状の金属から、得られる。次に、この混合物は、圧力下でそれを鋳型の中に注入することを可能にするために、撹拌することによって十分に液体化される。
好ましくは、レシーバは、半分のレシーバすなわち左側と半分のレシーバすなわち右側とであることが好ましい2つの部品から、組み立てられる。
レシーバの部品は、好ましくは、溶接のみによって組み立てられる。特に、レシーバの部品における貫通穴に取り付けられ、レシーバの局所的な脆弱性を生じさせる可能性があり、レシーバの厚さを増加させるまたは強化リブを設けることを必要とさせるピンのような余分な接続要素を用いることなく、組み立てられる。
本発明によるレシーバの部品は、好ましくは、そのような強化リブが設けられていないことが好ましいのであり、そうすることにより、外側すなわちレシーバの外部表面となることが意図される表面において、ほぼ滑らかな外観を与えることができる。
レシーバの部品は、好ましくは、電子ビーム溶接によって組み立てられる。
電子ビーム溶接によると、構成要素を、溶接される部品の表面に衝突する電子のエネルギーによって溶接することが可能になる。
電子は、カソードから引き出され、次に、電位によって加速され、磁気コイルによって合焦される。溶接を生じさせるのは、熱に変換された電子の運動エネルギーである。これを実行するため、電子の放出がよりよく管理されるように、この作業は真空中でなされなければならない。
この組み立てプロセスにより、その高度に局所化された適用を通じ、高い溶接速度だけでなく、溶接の高度な浸透が可能になり、材料の変形および収縮を低く抑えることも可能になる。
電子ビーム溶接が組み立て方法として選択されているが、レーザ溶接や摩擦撹拌接合など、いくつかの溶接プロセスが本発明の範囲において適切であることが試験によって判明している。
また、本発明は、本発明の方法によってライフルのためのモノブロック・レシーバの部品を製造することを可能にする鋳型にも関する。
以下では、更なる明晰さのため、本発明によるライフル・レシーバの例示的な実施形態を、何ら限定的な性質の有するものではないが、次に簡単な説明を行う添付の図面を参照することによって、例を通じて説明する。
本発明によるレシーバを備えたライフルの概略的な側面図である。 組み立てる前の図1のライフル・レシーバの複数の部品を、より大きなスケールで示す図である。 図2の矢印F3の方向から見た状態を示す図である。 図2の矢印F4の方向から見た状態を示す図である。 図4の線V−Vから見た状態を示す図である。 図4の線VI−VIから見た状態を示す図である。 本発明による製作方法のある段階の非常に概略的な図解である。 本発明による製作方法の別の段階の非常に概略的な図解である。 本発明による製作方法の別の段階の非常に概略的な図解である。 本発明による製作方法の別の段階の非常に概略的な図解である。 本発明による製作方法の別の段階の非常に概略的な図解である。
図1に示されているセミオートマチック・ライフル1は、バレル3、トリガ・ガード4、ストック5および可動部品6などのライフル1の主要な構成要素のすべてを支持して然るべき位置に保持するレシーバ2を備えているが、これらの可動部品6は、レシーバ2のキャビティ7の中にほぼ収容されているため、この図面では部品的にのみ示されている。
このレシーバ2は、当該レシーバ2と主要な構成要素との間における望ましくない空隙が回避されるように、かつ、可動部品6がレシーバ2において遊隙がなく導かれることを可能にするように、高い精度で製造されなければならない。
本発明の実施形態によると、レシーバ2は複数の部品8から製造されるのであるが、図2の例ではその中の2つすなわち左側8Aと右側8Bとが存在していて、これらが、組み立てられた後で、レシーバ全体の未完成の構造を形成する。
これら2つの側8Aおよび8Bは、一般に、対称でない。
本発明によると、2つの部品8Aおよび8Bは、セミソリッド鋳造法によって、好ましくは「レオキャスティング」の名称で知られている方法によって、アルミニウムまたはアルミニウム合金から製造される。
この方法の様々な説明的なステップが、図7から図11までに概略的に示されている。
図7は、半固体状態のために最適な温度にあるアルミニウムの融解物10を作るのに用いられる炉9を示している。
図7に示されているように、適切な量の融解物10が、るつぼ11の中に集められる。
次に、図8に示されているように、ある割合の固体部分と同等な固体材料の鋼片12が追加されるのであるが、これは、液相と固相とを呈する半固体の融解物を得るためである。なお、この固相は、球状の形態であるという特徴を有する。
この半固体の融解物は、揺変性であるという性質を有し、この融解物が静止しているときには高い粘性を有し、剪断応力の影響を受けるまたは撹拌の影響を受けると粘性が低下するという特徴を有する。
綱片を追加する間は、るつぼ11は、融解物を流体化するために、回転によって勢いよく撹拌される。
次に、この融解物は、作られるべき1つまたは複数の部品8のメス型を用いて空隙を画定する2つのシェル13Aおよび13Bにより形成される鋳型13の中へ、圧力下で注入される。
次に、鋳型13のシェル13Aおよび13Bは、鋳型から鋳造された部品14を回復するために、分離される。
この部品の側面図が図11に示されており、図11の例は、スプルー15によって結合された2つの部品8Aおよび8Bを備えている。
次に、これらの2つの未完成の部品がスプルー15から分離されることにより、2つの個別部品8Aおよび8Bが得られる。そして、これら2つの個別部品は、例えばバレルが固定される前方部品や、ストックを受け取るように設計される後方部品などの、特定の位置において軽度の機械加工がなされる。
この製作段階において、レシーバ2の内側表面18の機械加工は容易であるのだが、それが容易なのは、レシーバ2の部品8Aおよび8Bがまだ組み立てられていない状態であれば、これらの内部表面18には簡単にアクセスすることができるという事実に起因する。
部品8Aおよび8Bは、最終的には、溶接によって組み立てられ、レシーバ2が形成される。
この組み立ては、好ましくは真空中での電子ビーム溶接によってなされ、または、代替的に、レーザ溶接もしくは摩擦撹拌接合によってなされる。
本発明は以上で説明された例に決して限定されることなく、かつ、以下の特許請求の範囲において定義される発明の範囲から逸脱せずに、上述の方法に多くの修正をなすことができるのは、明らかである。
1 セミオートマチック・ライフル
2 レシーバ
3 バレル
4 トリガ・ガード
5 ストック
6 可動部品
7 キャビティ
8 レシーバの部品
9 炉
10 融解物
11 るつぼ
12 鋼片
13 鋳型
15 スプルー
18 内側表面

Claims (14)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金のモノブロック・ライフル・レシーバの製造方法であって、前記レシーバの個別部品(8)の実現から構成され、前記個別部品は、組み立てられた状態においてレシーバ(2)を形成することができ、その後、任意の機械的調整を行い、次いで溶接によるこれらの部品(8)の組み立てがなされることが可能であることを特徴とする製造方法。
  2. 前記レシーバは、好ましくは左の半レシーバと右の半レシーバとである2つの部品(8Aおよび8B)から組み立てられることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記レシーバ(2)の前記個別部品(8)は、セミソリッド鋳造法によって製造されることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記レシーバの部品(8)を作成するための前記セミソリッド鋳造法は、「レオキャスティング」と称される方法であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記レシーバ(2)の前記個別部品(8)は、熱間鍛造によって製造されることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  6. 前記レシーバ(2)の前記個別部品(8)は、インジェクションによって製造されることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  7. 前記レシーバの部品(8)は、補強リブを伴わないことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記レシーバの部品(8)は、外側すなわち前記レシーバの外部表面となることを意図された表面においてほぼ滑らかな外観を有していることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記レシーバの部品(8)は、電子ビーム溶接によって組み立てられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 電子ビーム溶接による前記組み立ては、真空中でなされることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記レシーバの部品(8)は、レーザ溶接によって組み立てられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記レシーバの部品(8)は、摩擦撹拌接合によって組み立てられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記レシーバの部品(8)は、溶接のみによって組み立てられることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の製造方法。
  14. モノブロック・ライフル・レシーバ(2)の部品(8)が作られることを可能にすることを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金において部品を作成するための鋳型。
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