JP2013194516A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の状態で排気中のNOxを吸蔵するNOx吸蔵材と、排気中に含まれるPMを捕集するPMフィルタと、を備えた排気浄化装置において、それぞれの浄化性能を回復させる制御の実行機会をできるだけ増やして、排気浄化性能を安定的に確保する。
【解決手段】NOx吸蔵材(NSR)におけるNOxの吸蔵量が所定の閾値に達するか、または、PMフィルタ(DPF)におけるPMの堆積量が所定の閾値に達するか、のいずれかのときに、EGRガス量を増量または減量させる補正制御を行って、NOxおよびPMのうち前記閾値に達した方の生成量を減少させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動車用ディーゼルエンジン等の内燃機関に搭載される排気浄化装置に関し、特に排気通路にNOx吸蔵材およびPMフィルタを備えたものに係る。
従来より、自動車等に搭載されるディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという場合もある)の排気浄化装置として、酸素濃度の高い排気中においてもNOx(窒素酸化物)を浄化可能なリーンNOx触媒と、排気中に含まれる粒子状物質(Particulate Matter:PM)を捕集するPMフィルタと、を備えたものが知られている(例えば下記の特許文献1を参照)。
リーンNOx触媒の中でもNOx吸蔵還元型の触媒(NOx Storage Reduction:NSR)は、排気中の酸素濃度が高い状態、言い換えると排気の空燃比(A/F)がリーンな状態でNOxを吸蔵するNOx吸蔵材を有している。そして、酸素濃度の低下、即ち空燃比のリッチ化に伴ってNOx吸蔵材から放出されるNOxを、排気中のHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)などと反応させて、還元浄化する。
このようなNSRでは、NOx吸蔵量の増大に連れて排気中のNOxを吸蔵する能力が低下するので、吸蔵量が所定の閾値に達すれば意図的に排気の空燃比をリッチ化させて、吸蔵されているNOxを放出させかつ還元するためのNOx還元制御が行われる。具体的には例えば、排気系に燃料添加弁を設けて燃料を供給したり、燃焼室内への主燃料噴射の後に少量の燃料を噴射(ポスト噴射)することで、排気の空燃比をリッチ化させてNSRを還元雰囲気にすることができる。
一方、前記のPMフィルタとしては、通過する排気の流れから効率よくPMを漉し取る(捕集する)ために種々の構造が提案されており、例えばDPF(Diesel Particulate Filter)やDPNR(Diesel Particulate-NOx Reduction)として知られている。こうしてPMを捕集するフィルタでは、捕集したPMが壁面に堆積することでフィルタの通気抵抗が大きくなり、やがては目詰まりを生じることになる。
そこで、フィルタにおけるPMの捕集量(堆積量)が所定の閾値に達すれば、前記のNOx還元制御と同様に排気系への燃料供給やポスト噴射などを行い、こうして排気中に供給された燃料の燃焼によってフィルタ温度を所定以上に高めることで、堆積しているPMを酸化(燃焼)させて除去するフィルタ再生制御が行われる。
特開2007−107474号公報
ところが、自動車用のエンジンの運転状態はドライバーの意志や走行環境による影響を強く受けるため、前記のNOx還元制御やフィルタ再生制御を十分には行えないことがある。すなわち、ディーゼルエンジンは熱効率が高い分、ガソリンエンジンに比べて排気の温度が低くなるので、例えば渋滞路など非常に走行速度の低い状態が続くと、NSRやPMフィルタの温度もかなり低くなってしまう。
このように温度の低い状態ではPMフィルタを、なかなかPMの燃焼するような温度まで昇温させることができないし、NSRも温度の低い状態では活性が低く、NOxの放出や還元を十分には行えない。特に、フィルタ再生制御の場合は、フィルタのPMを燃やし尽くすために比較的長い時間を要することから、一旦、制御を開始してもエンジンの運転状態の変化によって、途中で制御を中断せざるを得ないこともある。
そのため、前記のような低速走行の頻度が高い自動車においては長期間、有効なフィルタ再生制御が行えず、PMフィルタにおけるPMの堆積量がなかなか少なくならないという実情があった。また、仮にPMの堆積量が許容される上限値を越えてしまうと、その後にフィルタ再生制御が行われたとき、PMの燃焼によってフィルタ温度が高くなり過ぎるおそれもある。
一方、NOx還元制御についてはフィルタ再生制御に比べればNSRの温度が低くても実行可能であり、また、短時間でNOxの放出および還元浄化を終了できるものであるが、それでも一定以上の期間、有効な制御を行えず、NOx吸蔵量が許容上限値を越えてしまう可能性がある。
かかる点に鑑みて本発明の目的は、排気浄化装置においてNSR、PMフィルタのそれぞれの浄化性能を回復させる制御(NOx還元制御やフィルタ再生制御)の実行機会をできるだけ増やして、排気浄化性能を安定的に確保することにある。
前記の目的を達成するために本発明の発明者は、実際に自動車に搭載されたディーゼルエンジンにおいてNOx還元制御やフィルタ再生制御が行われる状況を検証した結果、前記のようにPMフィルタが過剰なPM堆積状態になったときでもNSRのNOx吸蔵能力には余裕があることが多く、両者を併せた排気浄化装置全体としてはその能力を十全に発揮していないことに気づいた。
かかる知見に基づいて発明者は、従来までのようにNSRの状態のみに基づいてNOx還元制御を行い、PMフィルタの状態のみに基づいてフィルタ再生制御を行うのではなく、NOx吸蔵量およびPM捕集量のバランスを考慮して、いずれか一方のみが多くなり過ぎないように内燃機関の燃焼状態を制御するようにした。
−解決手段−
具体的に本発明は、内燃機関の排気通路に配設され、所定の状態で排気中のNOxを吸蔵するNOx吸蔵材と、排気中に含まれるPMを捕集するPMフィルタと、を備えた排気浄化装置が対象であり、前記内燃機関には、燃焼室に残留もしくは還流させる既燃ガス量を調整可能な既燃ガス量調整手段が設けられている。この場合に、前記NOx吸蔵材におけるNOxの吸蔵量が所定の閾値に達するか、または、前記PMフィルタにおけるPMの捕集量が所定の閾値に達するか、のいずれかのときに、前記燃焼室において生成されるNOxおよびPMのうち、前記閾値に達した方の生成量が減少するように、前記既燃ガス量調整手段によって既燃ガス量を増量または減量させる補正制御を行う、制御手段を備えたものである。
この特定事項により、内燃機関の運転中に燃焼室において生成されるNOxおよびPMは、それぞれ排気浄化装置のNOx吸蔵材に吸蔵され、また、PMフィルタに捕集されて除去される。そして、NOxの吸蔵量またはPMの捕集量のいずれかが所定の閾値に達すれば、この閾値に達した方の生成量が減少するように、内燃機関の燃焼室に残留もしくは還流される既燃ガス(以下、まとめてEGRともいう)の量が増量または減量される。
すなわち、例えばPMフィルタのPM捕集量が閾値に達すればEGRは減量され、燃焼に伴うPMの生成量が減少するので、PMフィルタのPM堆積量が許容される上限値を越えるまでの期間を延長して、フィルタ再生制御の実行機会を増やすことができる。同様にNOx吸蔵量が閾値に達すればEGRは増量され、NOxの生成量が減少するので、NOx吸蔵材のNOx吸蔵量が許容上限値を越えるまでの期間を延長して、NOx還元制御の実行機会を増やすことができる。
つまり、NOx吸蔵量およびPM捕集量のいずれか一方のみが多くなり過ぎないようにEGRを補正制御することで、内燃機関の燃焼に伴うNOxおよびPMの生成量のバランスを修正することができる。これにより、NOx吸蔵材およびPMフィルタの能力が飽和するまでの期間を極力、延長し、それぞれの能力を十全に発揮させて、排気浄化性能を安定的に確保することができる。
好ましい態様として、前記のようなEGRの補正制御を始めるタイミングは、NOx還元制御やフィルタ再生制御を始めるタイミングと同じにしてもよい。すなわち、前記制御手段は、PMフィルタにおけるPMの捕集量が閾値に達したときに、内燃機関が所定の運転状態、即ちPMフィルタの昇温が難しいような運転状態にあれば、前記のように既燃ガス(EGR)量の補正制御を行う。
一方、内燃機関が当該所定の運転状態になければフィルタ再生制御を行い、PMフィルタの温度を上昇させて、捕集されているPMを燃焼除去することで、フィルタの捕集能力を回復させる。換言すれば本来、フィルタ再生制御を行うべき程度にまでPM捕集量が多くなっているにもかかわらず、PMを燃焼除去できないときに限って、前記したEGRの減量補正を行う。つまり、機関運転状態などに応じて適正に設定されているEGR量を極力、変更せず、EGRによるポンプロスの低減効果などを十分に得ることができる。
また、前記制御手段は、NOx吸蔵材におけるNOxの吸蔵量が閾値に達したときに、内燃機関が所定の運転状態にあれば前記既燃ガス(EGR)量の補正制御を行う一方、該所定の運転状態になければ前記NOx吸蔵材に流入する排気の空燃比をリッチ化させて、吸蔵されているNOxを還元浄化するためのNOx還元制御を行うものとしてもよい。
こうすればNOx吸蔵材についても、必要に応じてNOx還元制御を行い、NOx吸蔵能力を適正に回復することができる。また、本来、NOx還元制御を行うべき状況にもかかわらず、NOx還元制御を行えないときに限ってEGRの増量補正を行うことで、機関運転状態などに応じて適正に設定されているEGR量を極力、変更せず、EGRの増量に伴う燃焼状態の悪化などを抑制できる。
具体的に前記制御手段は、内燃機関の燃焼室に残留もしくは還流させる既燃ガス(EGR)量が、運転状態に対応する目標値になるように前記既燃ガス量調整手段を制御するものとし、前記補正制御としては前記既燃ガス量の目標値を増量または減量補正するものとしてもよい。
一般にディーゼルエンジンにおいては、燃焼に伴い生成されるNOxおよびPMの量がEGRの影響を受け、EGRの増量によってNOxの生成を抑制できるもののPMは増大する傾向があり、反対にEGRを減量すればPMは少なくなるものの、NOxの生成が盛んになる傾向がある。よって、機関運転状態に応じてEGRを適正に制御することで、排気中のNOxおよびPMをバランスよく低減することができる。
更に前記制御手段は、NOxの吸蔵量およびPMの捕集量のうち閾値に達していない方の当該閾値までの余裕代に応じて、前記既燃ガス量調整手段による既燃ガス(EGR)量の増量または減量補正の度合いを変更するようにしてもよい。すなわち、例えばPM捕集量が閾値に達したとき、NOx吸蔵量の閾値までの余裕代が大きければ、その分、EGRの減量補正量を大きくすることで、PM捕集量が許容上限値を越えるまでの期間を十分に延長することができる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によると、NOx吸蔵材のNOx吸蔵量とPMフィルタのPM捕集量とを考慮してEGRの補正制御を行い、燃焼に伴うNOxおよびPMの生成量のバランスを修正することによって、NOx吸蔵材またはPMフィルタの能力が飽和するまでの期間を極力、延長することができる。これにより、NOx吸蔵材およびPMフィルタの能力を十全に発揮させ、排気の浄化性能を安定的に確保することができる。
実施形態に係るディーゼルエンジンおよびその制御系統の概略構成を示す図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 インジェクタによる燃料噴射の態様を模式的に示す説明図である。 EGR制御の基本的な制御マップの一例を示す図である。 自動車の走行に連れてPM堆積量およびNOx吸蔵量が増大する様子を、PM堆積量が再生閾値を越えて増大し、許容上限値に達してしまう従来例について模式的に示すタイミングチャート図である。 NOx還元やDPF再生の機会を増やすためのEGRの補正制御について示すフローチャート図である。 PM堆積量が閾値に達してEGRを減量補正する場合の図5相当図である。 NOx吸蔵量が閾値に達してEGRを増量補正する場合の図5相当図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジンの概略構成を、図1を参照して説明すると、このディーゼルエンジン1(以下、単にエンジン1ともいう)においては各気筒1a内の燃焼室にそれぞれ噴孔を臨ませてインジェクタ2が配置されている。これら各気筒1a毎のインジェクタ2は全ての気筒1aに共通のコモンレール11に接続されており、このコモンレール11を介して上流側のサプライポンプ10から送られてくる燃料の供給を受ける。
サプライポンプ10は、燃料タンクから汲み上げられた燃料を加圧した後に燃料通路10aを介してコモンレール11に供給する。コモンレール11は、サプライポンプ10から吐出される燃料の変動を緩和して燃圧を所定値に維持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ2に分配する。インジェクタ2は、所定電圧が印加されたときに開弁して、気筒1a内に燃料を噴射供給する電磁駆動式の開閉弁である。このインジェクタ2の開閉制御、即ち燃料の噴射量および噴射時期の制御は、制御手段としてのECU(Electronic Control Unit)100によって行われる。
エンジン1には吸気通路3および排気通路4が接続されている。吸気通路3には、上流部(吸入空気流れ方向の上流部)から下流側に向けて順に、エアクリーナ9、エアフローメータ33、ターボチャージャ6のコンプレッサ63、インタークーラ8、および、スロットルバルブ5が配置されている。スロットルバルブ5はスロットルモータ51によって開度が調整される。このスロットル開度はスロットル開度センサ41によって検出される。なお、吸気通路3は、スロットルバルブ5の下流側に配置された吸気マニホールド3aにおいて各気筒1aに対応して分岐している。
一方、排気通路4は、エンジン1の各気筒1aに繋がる排気マニホールド4aによって、複数の気筒1aからの排気の流れを1つに集合させる。この排気マニホールド4aよりも下流側の排気通路4には、排気の空燃比(A/F)がリーンな(排気中の酸素濃度が高い)状態でもNOxを浄化可能なNOx吸蔵還元型触媒(NOx Storage Reduction:以下、NSR21という)と、排気中に含まれるPM(粒子状物質)を捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)22とが順に配置されている。
NSR21は一例として、一般的な三元触媒にNOx吸蔵材としてアルカリ類、アルカリ土類、希土類酸化物を担持したものであり、排気の空燃比(A/F)がリーンな状態で排気中のNOxをNOx吸蔵材により吸蔵する一方、排気の空燃比がリッチ化すると、NOx吸蔵材から放出されるNOxを排気中のHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)などと反応させて、還元浄化する。
一方、DPF22は、一例としてコージェライトやシリカ等の多孔質セラミックス構造体であり、排気の流れ方向に延びる多数の細長いセルを有する。隣り合うセルの前端部と後端部とは交互に目封じされており、前端部の開放したセルに流入した排気が隣のセルとの間の多孔質の壁を通過する際に、排気中のPMが捕集される。また、本実施形態のDPF22には白金等の貴金属が担持されており、後述するDPF再生制御の際には、堆積したPMの酸化反応を促進する酸化触媒として機能する。
NSR21の上流側(排気流れの上流側)の排気通路4にはA/Fセンサ36および第1排気温センサ37が配置されており、この第1排気温センサ37の出力信号によりNSR21に流入する排気の温度を検出することができる。また、NSR21とDPF22との間の排気通路4には第2排気温センサ38が配置されており、この第2排気温センサ38の出力信号によりDPF22に流入する排気の温度を検出することができる。更にDPF22の上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサ39も設けられている。
また、本実施形態のエンジン1にはターボチャージャ6が装備されている。ターボチャージャ6は、排気通路4のタービン62と吸気通路3のコンプレッサ63とをロータシャフト61を介して連結してなり、タービン62が受ける排気流(排気圧)を利用して、コンプレッサ63を回転させることにより吸気を過給するものである。なお、ターボチャージャ6によって過給された吸気は、吸気通路3に配設されたインタークーラ8によって冷却される。
更に本実施形態のエンジン1にはEGR装置7が装備されている。EGR装置7は、排気通路4から排気の一部を吸気通路3に還流させて、各気筒1aの燃焼室へ再循環させるものである。一例としてEGR装置7は、吸気マニホールド3aと排気マニホールド4aとを接続するEGR通路71を備え、このEGR通路71には、吸気側へ還流される排気(以下、EGRガスともいう)を冷却するためのEGRクーラ73と、EGRバルブ72とが設けられている。
EGRガスの流量はEGRバルブ72の開度に応じて調整されるので、本実施形態ではEGR通路71とEGRバルブ72とによって、気筒1a内の燃焼室に還流させる既燃ガス量を調整可能な既燃ガス量調整手段が構成されている。そして、以下に述べるECU100からの制御指令に応じて、EGRバルブ72のアクチュエータ(図示せず)が動作され、その開度が調整される。
−ECU−
ECU100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104などを備えている。ROM102には、各種制御プログラムや、それら制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAM103はCPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104はエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらCPU101、ROM102、RAM103、および、バックアップRAM104はバス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105および出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、エンジン1の出力軸であるクランクシャフトの回転数を検出するエンジン回転数センサ31、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ32、吸気の流量を検出するエアフローメータ33、吸気マニホールド3aに配置された吸気温センサ34、吸気マニホールド3aに配置された吸気圧センサ35、前記A/Fセンサ36、第1排気温センサ37、第2排気温センサ38、差圧センサ39、コモンレール11内の高圧燃料の圧力を検出するレール圧センサ40、スロットル開度センサ41、アクセル開度センサ42、および、車速センサ43などが接続されており、これらの各センサからの信号がECU100に入力される。
一方、出力インターフェース106には、インジェクタ2、サプライポンプ10、スロットルバルブ5のスロットルモータ51、EGRバルブ72のアクチュエータなどが接続されている。そして、ECU100は、前記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットルバルブ5の開度制御、インジェクタ2による燃料噴射制御(噴射量・噴射時期の制御)、および、EGRガス量の制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。
一例としてECU100は、インジェクタ2による燃料噴射制御として、図3に模式的に示すようにパイロット噴射やメイン噴射(主としてエンジン1のトルク生成に寄与する燃料噴射)、およびポスト噴射を実行する。公知のようにパイロット噴射は、メイン噴射に先立って噴射した少量の燃料を燃焼させることにより、引き続いてメイン噴射される燃料の着火遅れ時間を短縮して、初期燃焼が過度に激しくなることを阻止するものである。
また、公知のようにポスト噴射は、メイン噴射の後に噴射した燃料が気筒1a内で燃焼しないタイミングで行うもので、以下に説明するNOx還元制御においてエンジン1のトルク変動を招くことなく、排気の空燃比をリッチ化しNSR21の周囲を還元雰囲気にするのに利用される。また、ポスト噴射は、以下に説明するDPF再生制御(フィルタ再生制御)においてDPF22の温度を上昇させるためにも利用される。
更にECU100は、エンジン1の運転状態に応じてEGRバルブ72の開度を制御し、気筒1a内に充填される吸気中のEGRガスの割合を調整する。すなわち、一般にディーゼルエンジン1において燃焼に伴い生成されるNOxおよびPMの量は、EGRの影響を受ける。EGRガスの割合が多いとNOxは少なくなるもののPMは多くなる傾向があり、反対にEGRガスの割合が少ないとPMは少なくなるもののNOxが多くなる傾向がある。
本実施形態では、例えば図4に示すようなEGRの制御マップに基づいて、基本的にエンジン1の運転状態に応じてEGRバルブ72の開度を制御するようにしている。図示の制御マップは、エンジン回転数NEおよび燃料噴射量Qvをパラメータとし、好適なEGRバルブ72の開度を実験・計算等によって求めた値egr(EGRガス量の目標値に対応)をマップ化したものであって、ECU100のROM102内に記憶されている。なお、図4のマップでは、エンジン回転数NEの高いときや燃料噴射量Qvの多いときにはEGRバルブ72を閉じる(egrは零)ように設定されている。
−排気浄化装置の制御動作−
以下に、本実施形態の排気浄化装置によるNOx還元制御、DPF再生制御、およびそれらを協調させるためのEGR制御について説明する。先ず、ディーゼルエンジンにおいて周知のNOx還元制御およびDPF再生制御について説明した後に、EGRの補正制御について説明する。
(NOx還元制御)
一般的にディーゼルエンジン1においては、大部分の運転領域で排気の空燃比はリーン空燃比となり、通常の運転状態ではNSR21の周囲雰囲気は酸素濃度の高い状態になって、排気中のNOxがNSR21に吸蔵される。そして、NSR21の周囲雰囲気が低酸素濃度となる状況は非常に少ないため、NOxの吸蔵量は徐々に増大し、これに連れてNSR21のNOx吸蔵能力が低下してゆく。
そこで、エンジン運転状態などに基づいて推定されるNOx吸蔵量が所定の閾値(以下、還元閾値ともいう)に達したときに、インジェクタ2からのポスト噴射によって排気中に燃料を供給することにより、その空燃比(A/F)を一時的にリッチ化させる。これにより、NSR21の周囲が還元雰囲気になって吸蔵されているNOxが放出され、還元浄化される。そして、NSR21のNOx吸蔵能が回復する。
なお、前記NOx吸蔵量の推定手法としては、エンジン回転数とインジェクタ2からの燃料噴射量とに応じたNOx吸蔵量を予め実験等により求めてマップ化しておき、このマップにより求められるNOx吸蔵量を積算するという方法が挙げられる。
(DPF再生制御)
一般的にディーゼルエンジン1においては、排気中に含まれるPMをDPF22によって捕集するが、こうして捕集されたPMはセルの壁面に堆積して排気の流れの妨げとなり、通気抵抗が大きくなってゆく。これに伴ってDPF22の上流側の排気圧力と下流側の排気圧力との差圧が大きくなるので、差圧からDPF22のPM堆積量を推定することができる。
そこで、ECU100は、差圧センサ39の出力信号から得られる差圧に基づいてマップを参照し、DPF22におけるPMの堆積量を推定する。なお、このPM堆積量の推定に用いるマップは、DPF22前後の差圧とPM堆積量との相関関係を考慮して、実験・計算等によって適合した値をマップ化したものであって、ECU100のROM102内に記憶されている。
ECU100は、推定したPMの堆積量(捕集量)が所定の閾値(以下、再生閾値ともいう)に達すれば、インジェクタ2からのポスト噴射によって排気中に燃料を供給することにより、DPF22に堆積したPMを燃焼除去するDPF再生制御を実行する。すなわち、ポスト噴射された燃料は排気とともにNSR21に達してHCやCO等の成分が酸化され、この酸化反応に伴う発熱で排気温度が上昇し、DPF22の温度が上昇する。
DPF22の温度がPMの燃焼するような温度(例えば600°以上)まで昇温すれば、DPF22に堆積したPMが燃焼を始め、この燃焼に伴う発熱でDPF22の温度は更に上昇する。このような状態を所定の時間(例えば10分間くらい)、維持することができれば堆積したPMは除去され、DPF22のPM捕集能力が回復する。
(EGRの補正制御)
ところで、本実施形態のように自動車に搭載されたディーゼルエンジン1の運転状態はドライバーの意志や走行環境による影響を強く受けるため、前記のNOx還元制御やDPF再生制御を十分には行えないこともあり得る。すなわち、ディーゼルエンジン1は熱効率が高い分、排気の温度は例えば200〜400°くらいと比較的低くなるので、渋滞路等のように非常に走行速度の低い状態が続くと、NSR21やDPF22の温度はかなり低下してしまう。
このように温度の低い状態のDPF22を昇温させて、前記のようにPMが燃焼するような高温状態にすることは難しく、そのような高温状態に維持することは更に難しい。すなわち、一旦、DPF再生制御を開始してDPF22を高温状態にしたとしても、その後、ドライバーが自動車を停止させてしまえば、途中で制御を中断せざるを得ない。
このため、低速走行の頻度が高い自動車においては長期間、有効なDPF再生制御を行えず、DPF22におけるPMの堆積量が再生閾値を超えてしまうことがあった。一例として図5に示すように、DPF22におけるPMの堆積量が再生閾値を超えて更に増大し、許容上限値を越えてしまうと、その後にDPF再生制御が行われたときにPMが過度に激しく燃焼することにより、DPF22が一時的に過熱するおそれがあった。
ここで図5の例では、DPF22のPM堆積量が再生閾値に達したときでもNSR21のNOx吸蔵能には大きな余裕代があり、その後、前記のように許容上限値を超えたときにもNOx吸蔵能には依然、余裕代がある。換言すれば、DPF22の過熱のおそれがあるような状況に至っても、NSR21を含めた排気浄化装置全体としてはその能力が十全に発揮されていないと言うことができる。
そこで、本実施形態では、前記従来までのNOx還元制御およびDPF再生制御を個別に行うだけではなく、NSR21におけるNOx吸蔵量とDPF22におけるPM堆積量とのバランスを考慮して、いずれか一方のみが多くなり過ぎないようにEGRを補正制御するようにした。こうすることで、いわばNOx還元制御およびDPF再生制御を協調させて、NSR21およびDPF22の両方を併せた排気浄化装置全体としての能力を十全に発揮させることができる。
以下、EGRの補正制御の具体的な手順について図6のフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートに示される処理は、エンジン1の運転開始後、ECU100により所定の周期で繰り返し実行される。
先ず、ステップS1においては、現在のNSR21の温度状態や自動車の運転状態、運転履歴などに基づいて、NOx還元制御を実行可能か否か判定する。なお、NSR21の温度状態は、第1排気温センサ37の出力信号により検出してもよいし、第1排気温センサ37および第2排気温センサ38の両方の出力信号により検出することもできる。
そして、NSR21の温度状態がかなり低く、有効なNOxの放出や還元を行えない低活性の状態であったり、例えば渋滞路などで非常に走行速度の低い状態であるときには、NOx還元制御を実行できない(ステップS1でNO)と判定して後述のステップS9に進む。一方、NOx還元制御を実行可能であれば(ステップS1でYES)ステップS2に進んで、NSR21におけるNOx吸蔵量が予め設定された還元閾値未満であるかどうか判定する。
その還元閾値は、NOx吸蔵量の増大に伴いNSR21による排気中のNOxの吸蔵能力が所定以下にまで低下するような値として適宜設定されており、NOx吸蔵量が還元閾値に達していればNOと判定してステップS3に進み、NOx還元用のポスト噴射を開始して前記のNOx還元制御を実行する。一方、NOx吸蔵量が還元閾値未満であれば(即ち還元閾値に達していなければ)YESと判定し、NOx還元制御は未だ必要ないので、ステップS4に進んで今度はDPF再生制御を実行可能か否か判定する。
DPF再生制御を実行可能か否かの判定は、前記のNSR21の場合と同じくDPF22の温度状態や自動車の運転状態、運転履歴などに基づいて行われる。例えば、現在のDPF22の温度状態は第2排気温センサ38の出力信号により検出することができる。また、第1排気温度センサ37の出力信号によりNSR21の温度状態がDPF再生制御に適したものか否かも考慮することが好ましい。
そして、DPF再生制御を実行できないと判定すれば(ステップS4でNO)後述のステップS7に進む一方、YESでDPF再生制御を実行可能であればステップS5に進んで、DPF22におけるPM堆積量が予め設定された再生閾値未満であるかどうか判定する。PMの堆積量は、差圧センサ39の出力信号から得られる差圧に基づいてマップを参照し、算出(推定)される。また、再生閾値は、DPF22に堆積したPMによって、通過する排気の圧力損失が所定値以上に大きくなるような値として適宜設定されている。
そして、PM堆積量が再生閾値以上であり(即ち再生閾値に達し)、ステップS5でNOと判定すればステップS6に進み、DPF再生用のポスト噴射を開始して前記のDPF再生制御を実行する。一方、PM堆積量が再生閾値未満であれば(即ち再生閾値に達していなければ)ステップS5でYESと判定し、DPF再生制御は未だ必要ないので、リターンする。
つまり、NOx還元制御およびDPF再生制御のいずれも実行可能な状況下において、NOx吸蔵量が還元閾値に達すればNOx還元制御を実行し、また、PM堆積量が再生閾値に達すればDPF再生制御を実行して、NSR21およびDPF22のそれぞれの能力を回復させることができる。
これに対し、前記ステップS4においてDPF再生制御を実行できないと判定した場合はステップS7に進み、前記のステップS5と同じくDPF22のPM堆積量が再生閾値未満であるかどうか判定する。この判定がYESでPM堆積量が再生閾値未満であれば(即ち再生閾値に達していなければ)、リターンする。
一方、ステップS7においてPM堆積量が再生閾値以上である(NO)、即ち再生閾値に達していると判定された場合は、ステップS8に進んでEGRの減量補正を実行する。例えば、図4に例示した制御マップから読み出したEGRバルブ72の開度の制御目標値egrを減少するように補正する。この補正量は予め設定した一定値としてもよいが、補正量を可変としてもよい。
すなわち、NSR21のNOx吸蔵量の還元閾値までの余裕代に応じて、EGRバルブ72の開度の補正量を、言い換えるとEGRガス量の減量補正の度合いを変更するようにしてもよい。そのためには例えば、前記のようにPM堆積量が再生閾値に達した時点でのNOx吸蔵量の余裕代と、その時点までNOx吸蔵量が増大するペース(走行距離あたりの増大量)とに応じた補正量を、予め実験等により求めてマップ化しておき、このマップにより求められる補正量をEGRバルブ72の開度の制御目標値から減算すればよい。
つまり、本来、DPF再生制御を行うべき程度にまでPM堆積量が多くなっているにもかかわらず、DPF2に堆積したPMを燃焼除去できないときには、気筒1a内の燃焼室に還流させるEGRガス量を減らすことによって(NO2を増大させ)、燃焼に伴うPMの生成量を減少させる。こうすると、図7に一例を示すように、再生閾値を越えてからPM堆積量の増大するペースが鈍化し、PM堆積量が許容上限値を越えるまでに自動車がより長い距離を走行できるようになるから、DPF再生制御を実行する機会を増やすことができる。
なお、前記のようにEGRガス量を減量すると、燃焼温度の上昇に伴いNOxの生成量が増大し、図示のようにNOx吸蔵量の増大するペースは上がることになるが、還元閾値には達しておらず余裕代があるので、問題は生じない。図7には、NOx吸蔵量の余裕代に応じてEGRの補正量を変更するようにした場合について示しており、これにより、PM堆積量およびNOx吸蔵量は概ね同じ時期に許容上限値に達するようになる。
ところで、前記ステップS1においてNOx還元制御が実行できない(NO)と判定された場合は通常、DPF再生制御も実行できないので、この場合はステップS9において前記のステップS5,S7と同じくPM堆積量が再生閾値未満であるかどうか判定する。そして、再生閾値に達していれば(判定はNO)ステップS10に進んでNSR21のNOx吸蔵量が還元閾値未満であるかどうか判定し、判定がYESでNOx吸蔵量に余裕代があれば前記ステップS8に進んで、EGRの減量補正を実行する。
一方、ステップS10の判定がNOでNSR21のNOx吸蔵量が還元閾値に達していれば、すなわちNOx吸蔵量に余裕代がなければ(判定はNO)、EGRの減量補正は実行しない。この場合は、DPF22のPM堆積量が更に増大して許容上限値に達する前に何らかの処置をする必要があるので、ステップS11に進んで例えばミルイルミネーションの点灯など、ドライバーへの所定の報知処理を行ってリターンする。
また、前記ステップS9においてPMの堆積量が再生閾値に達してないYESと判定すればステップS12に進み、ここでもNSR21のNOx吸蔵量が還元閾値未満であるかどうか判定する。この判定がYESでNOx吸蔵量が還元閾値に達していなければリターンする一方、NOx吸蔵量が還元閾値に達していれば、ステップS13に進んでEGRの増量補正を行う。
すなわち、NSR21についても本来、NOx還元制御を行う程度にまでNOx吸蔵量が多くなっていて、それにもかかわらずNOx還元制御を行えないときには、EGRの増量補正によってNOxの生成量を減少させる。こうすると、図8に一例を示すように、再生閾値を越えてからNOx吸蔵量の増大するペースが鈍化し、それが許容上限値を越えるまでに自動車がより長い距離を走行できるようになるから、NOx還元制御を実行する機会を増やすことができる。
したがって、本実施形態の排気浄化装置によると、ディーゼルエンジン1の排気系に配設されたNSR21の状態に基づいてNOx還元制御を行い、DPF22の状態に基づいてDPF再生制御を行うだけではなく、NSR21におけるNOx吸蔵量とDPF22におけるPM堆積量とのバランスを考慮して、いずれか一方のみが多くなり過ぎないようにEGRの補正制御行うようにしている。
すなわち、DPF22のPM堆積量が再生閾値に達すればEGRを減量補正し、燃焼に伴うPMの生成量を減少させることにより、PM堆積量が許容上限値を越えるまでの期間を延長し、DPF再生制御の実行機会を増やすことができる。同様にNSR21のNOx吸蔵量が還元閾値に達すればEGRを増量補正し、NOxの生成量を減少させることにより、NOx吸蔵量が許容上限値を越えるまでの期間を延長し、NOx還元制御の実行機会を増やすことができる。
つまり、エンジン1の運転状態などに応じて好適に設定されているEGRガス量を敢えて変更することで、NSR21およびDPF22の余裕代に応じて、NOxおよびPMの生成量のバランスを修正することができる。これにより、NSR21およびDPF22のいずれかの能力が飽和するまでの期間を極力、延長し、その能力を回復する機会を増やすことができ、排気浄化装置全体として能力を十全に発揮させ、排気浄化性能を安定的に確保することができる。
しかも、そうしたEGRガス量の補正制御は、PM堆積量が再生閾値に達しているにもかかわらずDPF再生制御を実行できないとき、および、NOx吸蔵量が還元閾値に達しているにもかかわらずNOx還元制御を行えないとき、のいずれかに限って行う。よって、好適に設定されているEGRガス量の減量によってポンプロスの低減効果が目減りすることやEGRの増量によって燃焼状態が悪化することなどの弊害は最小限に抑制できる。
−他の実施形態−
以上、説明した実施形態は自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジン1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車以外に搭載されるディーゼルエンジンにも適用可能である。また、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンに対しても本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、EGR通路71を還流させるEGRガス量をEGRバルブ72によって調整するものであったが、本発明は、これに限らず、例えば吸気バルブ、排気バルブの開閉タイミングを変更することによって、気筒1a内に残留もしくは排気通路4から直接、還流させる既燃ガス量を調整するものにも適用可能である。
また、前記実施形態では、インジェクタ2からのポスト噴射によってNOx還元制御やDPF再生制御を行うものであったが、本発明は、これに限らず、例えば排気通路4に設けた燃料添加弁からの燃料添加によってNOx還元制御やDPF再生制御を行う場合にも適用可能である。
また、前記実施形態では、NOx還元制御およびDPF再生制御の両方に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、NOx還元制御またはDPF再生制御のいずれか一方のみにも適用可能である。但し、PM堆積量が許容上限値を超えた場合のDPF過熱のおそれを考慮すると、少なくともDPF再生制御に本発明を適用するのが好ましい。
更に、前記実施形態では、PMを捕集するフィルタとしてはDPF22を備えたシステムについて説明したが、DPNRを備えたシステムに対しても本発明は適用可能である。
本発明は、NOx吸蔵材およびPMフィルタを備えた排気浄化装置の能力を十全に発揮させることができるものであり、特に自動車に搭載されるディーゼルエンジン等に適用して極めて有益である。
1 エンジン(内燃機関)
1a 気筒(燃焼室)
4 排気通路
21 NSR(NOx吸蔵材)
22 DPF(PMフィルタ)
71 EGR通路(既燃ガス量調整手段)
72 EGRバルブ(既燃ガス量調整手段)
100 ECU(制御手段)

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配設され、所定の状態で排気中のNOxを吸蔵するNOx吸蔵材と、排気中に含まれるPMを捕集するPMフィルタと、を備えた排気浄化装置であって、
    前記内燃機関には、燃焼室に残留もしくは還流させる既燃ガス量を調整可能な既燃ガス量調整手段が設けられ、
    前記NOx吸蔵材におけるNOxの吸蔵量が所定の閾値に達するか、または、前記PMフィルタにおけるPMの捕集量が所定の閾値に達するか、のいずれかのときに、前記燃焼室において生成されるNOxおよびPMのうち、前記閾値に達した方の生成量が減少するように、前記既燃ガス量調整手段によって既燃ガス量を増量または減量させる補正制御を行う、制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記制御手段は、前記PMフィルタにおけるPMの捕集量が前記閾値に達したとき、前記内燃機関が所定の運転状態にあれば前記既燃ガス量の補正制御を行う一方、当該所定の運転状態になければ、前記PMフィルタの温度を上昇させて、捕集されているPMを燃焼除去するためのフィルタ再生制御を行う、内燃機関の排気浄化装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記制御手段は、前記NOx吸蔵材におけるNOxの吸蔵量が前記閾値に達したとき、前記内燃機関が所定の運転状態にあれば前記既燃ガス量の補正制御を行う一方、当該所定の運転状態になければ、前記NOx吸蔵材に流入する排気の空燃比をリッチ化させて、吸蔵されているNOxを還元浄化するためのNOx還元制御を行う、内燃機関の排気浄化装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記制御手段は、前記内燃機関の燃焼室に残留もしくは還流させる既燃ガス量が、運転状態に対応する目標値になるように前記既燃ガス量調整手段を制御するとともに、前記補正制御として前記既燃ガス量の目標値を増量または減量補正する、内燃機関の排気浄化装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記制御手段は、NOxの吸蔵量およびPMの捕集量のうち、閾値に達していない方の当該閾値までの余裕代に応じて、前記既燃ガス量調整手段による既燃ガス量の増量または減量補正の度合いを変更する、内燃機関の排気浄化装置。
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