JP2013193987A - Ppar活性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な手法で効率よく得ることができるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)を提供すること。
【解決手段】サトウキビ、ソルガムから選ばれるいずれかのイネ科植物の梢頭部抽出物を主成分とする。
【選択図】図1
【解決手段】サトウキビ、ソルガムから選ばれるいずれかのイネ科植物の梢頭部抽出物を主成分とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、本発明は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(peroxisome proliferator−activated receptor:PPAR)活性組成物に関する。
PPARは、ステロイド受容体、レチノイド受容体やサイロイド受容体等と同様、核内受容体スーパーファミリーに属するリガンド依存性の転写因子であり、これまでに組織分布を異にする三種のアイソフォーム(α型、δ(またはβ)型、γ型)がヒトをはじめ種々の動物種で同定されている(非特許文献1を参照)。この内PPARαは、脂肪酸の異化能の高い肝臓や腎臓、骨格筋等に発現しており、特に肝臓において高発現が認められ(非特許文献2を参照)、脂肪酸の代謝や細胞内輸送に関連する遺伝子(たとえば、アシルCoA合成酵素、脂肪酸結合タンパク質やリポ蛋白リパーゼなど)およびコレステロールや中性脂質の代謝に関連するアポリポ蛋白(AI、AII、CIII)遺伝子の発現を正または負に制御している。PPARδは、神経細胞を中心として生体内各組織に普遍的に発現している。現時点ではPPARδの生理的意義については不明である。PPARγは、脂肪細胞に高発現していて脂肪細胞の分化に関与している(非特許文献3を参照)。このようにPPARの各アイソフォームは特定の臓器や組織において特異的な機能を果たしている。
このようなPPAR活性組成物が、イネ科植物に含有されていることは知られており、具体的にモロコシ属植物に含まれているPPAR活性組成物の抽出物は特許文献1に記載されているが、その他のイネ科植物について具体的に調査された例はなかった。
Proceedings of the National Academy of Sciences, 1992年, 89巻, 4653〜4657頁
Endocrinology, 1996年, 137巻, 354〜366頁
Journal of Lipid Research, 1996年, 37巻, 907〜925頁
一般に、同じ科に属する植物であっても、属が異なる植物が、同種の活性物質を生産するとしても、その活性物質が、他の属の植物から得られた活性物質と同等の活性を有するとは限らず、また、何らかの要因で活性が阻害されている場合もありえる。そのため、このような活性物質を探索する場合には、植物ごとに特有の抽出手法、分離手法を開発しなければならないことも多く、容易に活性物質を開発することができるわけではない。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、簡易な手法で効率よく得ることができるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)活性組成物を提供することを目的とする。
また他方、サトウキビは、茎部分に相当量の糖分を含んでおり、茎部分は有効活用されているものの、茎以外の部分は茎に比べて糖分含有率が低いという理由から廃棄され、その廃棄に要するコストも嵩むため、有効利用の途が求められていた。
そこで、本発明の別の側面からの目的は、本来廃棄されるサトウキビ等のバイオマス廃棄物を有効利用して有価物を得る点にもある。
上記目的のため本発明者等は、鋭意研究の結果、サトウキビおよびソルガムに充分高いPPAR活性物質が含まれていることを明らかにした。特に、サトウキビでは、製糖過程で捨てられている梢頭部から抽出した抽出液にPPAR活性を見出した。
〔構成1〕
そこで、上記課題を解決するための本発明の特徴構成は、サトウキビ、ソルガムから選ばれるいずれかのイネ科植物の梢頭部抽出物を主成分とする点にある。
そこで、上記課題を解決するための本発明の特徴構成は、サトウキビ、ソルガムから選ばれるいずれかのイネ科植物の梢頭部抽出物を主成分とする点にある。
〔作用効果1〕
イネ科植物として、サトウキビ、ソルガムを対象としてPPAR活性物質を抽出する場合、その梢頭部を抽出することによってPPAR活性物質が有効に抽出できる。この梢頭部は、たとえばサトウキビにおいては精糖工程で最初に廃棄される部分であり、資源としては容易に確保することができるものである。また、単純に廃棄される廃棄物から、PPAR活性組成物を抽出することができれば、廃棄物の有効利用を図ることができるとともに、廃棄にかかるエネルギーコストの節約につながる。
イネ科植物として、サトウキビ、ソルガムを対象としてPPAR活性物質を抽出する場合、その梢頭部を抽出することによってPPAR活性物質が有効に抽出できる。この梢頭部は、たとえばサトウキビにおいては精糖工程で最初に廃棄される部分であり、資源としては容易に確保することができるものである。また、単純に廃棄される廃棄物から、PPAR活性組成物を抽出することができれば、廃棄物の有効利用を図ることができるとともに、廃棄にかかるエネルギーコストの節約につながる。
なお、梢頭部とは、植物の成長する尖端部で、サトウキビであれば、先端から二節程度の糖度の低い部分をさす。サトウキビの梢頭部は、通常廃棄処分されている。
この構成において抽出されるPPAR活性物質は、PPARα、PPARβ、PPARγいずれも含むことがわかっている。PPARβの生理活性が現状でわかっていないとしても、これら物質は医薬品、機能性食品成分として有効に機能すると考えられるもので、利用性が高い。
なお、本発明でいうPPAR活性物質とは、PPARのリガンド結合領域に結合する能力(活性)を有する化合物を含む物質であり、PPAR活性組成物とは、このような物質を成分として含有し、上記活性を備えた組成物をさす。PPARリガンド活性は、たとえば、PPARリガンド結合領域とGAL4との融合タンパクに対する結合をルシフェラーゼの発現で評価するレポーター・アッセイ(Cell,1995年,83巻,803〜812頁)や、PPARリガンド結合領域を含むタンパクを用いたコンペティション・バインディング・アッセイ(Cell,1995年,83巻,813〜819頁)などにより測定することができる。これらのアッセイにおいて、サンプルの活性は一般に溶媒対照と比較し、溶媒対照よりも高い活性を示し、なおかつ用量依存性が認められるサンプルを「PPAR活性あり」と評価する。
また、抽出方法は、特に限定されないが、溶媒抽出、水蒸気蒸留、超臨界抽出技術を用いた二酸化炭素による抽出など種々抽出操作を用いることができる。さらに、当該抽出物は、精製して用いることもできるが、飲食品や医薬品として不適当な不純物を含有しない限り、抽出液のまま、または粗抽出物あるいは半精製抽出物のような形態で使用できる。
〔構成2〕
また、上記構成において前記イネ科植物の梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒により抽出してもよい。
また、上記構成において前記イネ科植物の梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒により抽出してもよい。
〔作用効果2〕
上記PPAR活性物質は、PPARα、PPARβ、PPARγいずれも含むが、現状で最も用途が確立している物質がPPARα活性物質である。そこで、後述の実施形態より、サトウキビ、ソルガムから選ばれるいずれかのイネ科植物の梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒により抽出した場合に、特にPPARα活性物質が効率よく抽出される。
上記PPAR活性物質は、PPARα、PPARβ、PPARγいずれも含むが、現状で最も用途が確立している物質がPPARα活性物質である。そこで、後述の実施形態より、サトウキビ、ソルガムから選ばれるいずれかのイネ科植物の梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒により抽出した場合に、特にPPARα活性物質が効率よく抽出される。
〔構成3〕
また、上記抽出物としてPPARα活性を有する画分を得ることができる。
また、上記抽出物としてPPARα活性を有する画分を得ることができる。
〔作用効果3〕
PPARα活性を有する画分を得ることにより、PPARα活性物質を単離同定し、より活性を高めて利用することができる可能性があり、物質単位にまで単離するまでもなく、PPAR活性組成物として、より活性の高い状態で使用することが可能となる。
PPARα活性を有する画分を得ることにより、PPARα活性物質を単離同定し、より活性を高めて利用することができる可能性があり、物質単位にまで単離するまでもなく、PPAR活性組成物として、より活性の高い状態で使用することが可能となる。
〔構成4〕
また、前記抽出物のPPARα活性を有する画分が、クロマトグラフ法により分離され、PPARα活性阻害物質を除去された画分であることが好ましい。
また、前記抽出物のPPARα活性を有する画分が、クロマトグラフ法により分離され、PPARα活性阻害物質を除去された画分であることが好ましい。
〔作用効果4〕
前記イネ科植物の梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒により抽出した場合、前記PPARα活性物質とともにPPARα活性阻害成分を含んでいることも明らかになった。そこで、前記抽出物のPPARα活性を有する画分を、クロマトグラフ法により分離することにより、PPARα活性組成物を活性阻害のない高活性な状態で利用することができるようになる。
前記イネ科植物の梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒により抽出した場合、前記PPARα活性物質とともにPPARα活性阻害成分を含んでいることも明らかになった。そこで、前記抽出物のPPARα活性を有する画分を、クロマトグラフ法により分離することにより、PPARα活性組成物を活性阻害のない高活性な状態で利用することができるようになる。
〔構成5〕
具体的には、前記抽出物がPPARα活性を有する画分が、クロロホルム、メタノール混合溶媒を溶出液としたクロマトグラフ法により分離された、高メタノール溶媒抽出画分とすることができる。
具体的には、前記抽出物がPPARα活性を有する画分が、クロロホルム、メタノール混合溶媒を溶出液としたクロマトグラフ法により分離された、高メタノール溶媒抽出画分とすることができる。
〔作用効果5〕
PPARα活性阻害成分は、クロロホルム、メタノール混合溶媒を溶出液としたクロマトグラフ法により比較的初期の画分に含まれていることがわかり、高メタノール溶媒抽出画分を使用することにより、PPARα活性物質をより精製した状態で使用することができ、活性の高いPPARα活性組成物を提供することができる。
PPARα活性阻害成分は、クロロホルム、メタノール混合溶媒を溶出液としたクロマトグラフ法により比較的初期の画分に含まれていることがわかり、高メタノール溶媒抽出画分を使用することにより、PPARα活性物質をより精製した状態で使用することができ、活性の高いPPARα活性組成物を提供することができる。
したがって、サトウキビ廃材から少量で有効となるPPAR活性成分を得ることができ、メタボリックシンドローム改善の健康食品や飲料および医薬品としての活用が可能となる。
以下に、本発明のPPAR活性組成物を説明する。なお、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔PPAR活性組成物の抽出〕
サトウキビの梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒、熱水により抽出し、得られた抽出成分をクロロホルム、メタノール混合溶媒を溶出液としたクロマトグラフ法により分離することにより、高メタノール溶媒抽出画分として、PPAR活性組成物を抽出することができることがわかった。
サトウキビの梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒、熱水により抽出し、得られた抽出成分をクロロホルム、メタノール混合溶媒を溶出液としたクロマトグラフ法により分離することにより、高メタノール溶媒抽出画分として、PPAR活性組成物を抽出することができることがわかった。
<抽出溶媒の検討>
まず、PPAR活性組成物を抽出するのに適した抽出溶媒を検討した。
まず、PPAR活性組成物を抽出するのに適した抽出溶媒を検討した。
〔検体の調整〕
(熱水抽出)
サトウキビ梢頭部を風乾後、細断し、さらにミキサーで粉砕した。粉砕した試料20gを蒸留水100mlに懸濁し、撹拌下、90℃で40分間加熱後、ろ過した。残渣を蒸留水100mlに再懸濁した後、ろ過し、先のろ液と合わせ、抽出液とした。抽出液を減圧下で濃縮した後、100mlに定容した。抽出液10ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物を得た。抽出物をジメチルスルホキシド(DMSO)2.0mlに溶解し検体Aを得た。
(熱水抽出)
サトウキビ梢頭部を風乾後、細断し、さらにミキサーで粉砕した。粉砕した試料20gを蒸留水100mlに懸濁し、撹拌下、90℃で40分間加熱後、ろ過した。残渣を蒸留水100mlに再懸濁した後、ろ過し、先のろ液と合わせ、抽出液とした。抽出液を減圧下で濃縮した後、100mlに定容した。抽出液10ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物を得た。抽出物をジメチルスルホキシド(DMSO)2.0mlに溶解し検体Aを得た。
(70%アセトン抽出のエーテル可溶物)
試料を風乾後、細断し、さらにミキサーで粉砕した。粉砕した試料10gを70%アセトン150mlに懸濁し、室温で16時間撹拌した後、ろ過した。残渣を70%アセトン100mlに再懸濁した後、ろ過し、先のろ液と合わせ、抽出液とした。抽出液を減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。粗抽出物に蒸留水100mlを加え、ジエチルエーテル50mlで2回抽出し、抽出液を減圧下で濃縮した後、ジエチルエーテル10mlに定容した。抽出液1ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物を得た。抽出物をDMSO1.0mlに溶解し検体Bを得た。
試料を風乾後、細断し、さらにミキサーで粉砕した。粉砕した試料10gを70%アセトン150mlに懸濁し、室温で16時間撹拌した後、ろ過した。残渣を70%アセトン100mlに再懸濁した後、ろ過し、先のろ液と合わせ、抽出液とした。抽出液を減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。粗抽出物に蒸留水100mlを加え、ジエチルエーテル50mlで2回抽出し、抽出液を減圧下で濃縮した後、ジエチルエーテル10mlに定容した。抽出液1ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物を得た。抽出物をDMSO1.0mlに溶解し検体Bを得た。
(70%アセトン抽出のエーテル可溶物)
上記粗抽出物に蒸留水100mlを加え、ジエチルエーテル50mlで2回抽出した際の水層を減圧下で濃縮した後、蒸留水10mlに定容した。水溶液1ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物を得た。抽出物をDMSO1.0mlに溶解し検体Cを得た。
上記粗抽出物に蒸留水100mlを加え、ジエチルエーテル50mlで2回抽出した際の水層を減圧下で濃縮した後、蒸留水10mlに定容した。水溶液1ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物を得た。抽出物をDMSO1.0mlに溶解し検体Cを得た。
〔活性の測定〕
ヒト由来PPARα/β/γに対する応答性(アゴニスト作用)は、サル腎臓由来COS−7細胞を用いたレポーター遺伝子アッセイ法により測定した。
96穴マイクロプレートにCOS−7細胞(10,000個)を播種し37℃で一晩培養した後、PPARαあるいはβあるいはγの各発現プラスミド、PPREレポータープラスミドおよびコントロールプラスミドをロッシュ社製FuGene6トランスフェクション試薬により細胞内に導入した。3時間培養後、陽性対照物質(10-5M)および検体A,B,Cの希釈試料(終濃度;10,000倍、3,000倍、1,000倍、300倍)を添加後、24時間培養した。細胞内ルシフェラーゼ誘導活性についてプロメガ社製ルシフェラーゼアッセイシステムによりPerkin−Elmer社製ルミノメーター(Wallac1420ARVOSX)を用いて測定した。また、細胞毒性等を補正するためのコントロールプラスミド由来β−ガラクトシダーゼ活性について、蛍光法により測定した。ルシフェラーゼ活性をβ−ガラクトシダーゼ活性で除した値をPPARアゴニスト活性とし、試験検体のアゴニスト活性は、陽性対照物質(10-5M)の活性を100とした場合の相対活性(%)で表した。なお、陽性対照物質として、PPARαアッセイの場合はCiprofibrate(化1)、PPARβアッセイの場合はL−651,041(化2)、PPARγアッセイの場合はPioglitazone(化3)をそれぞれ使用した。
ヒト由来PPARα/β/γに対する応答性(アゴニスト作用)は、サル腎臓由来COS−7細胞を用いたレポーター遺伝子アッセイ法により測定した。
96穴マイクロプレートにCOS−7細胞(10,000個)を播種し37℃で一晩培養した後、PPARαあるいはβあるいはγの各発現プラスミド、PPREレポータープラスミドおよびコントロールプラスミドをロッシュ社製FuGene6トランスフェクション試薬により細胞内に導入した。3時間培養後、陽性対照物質(10-5M)および検体A,B,Cの希釈試料(終濃度;10,000倍、3,000倍、1,000倍、300倍)を添加後、24時間培養した。細胞内ルシフェラーゼ誘導活性についてプロメガ社製ルシフェラーゼアッセイシステムによりPerkin−Elmer社製ルミノメーター(Wallac1420ARVOSX)を用いて測定した。また、細胞毒性等を補正するためのコントロールプラスミド由来β−ガラクトシダーゼ活性について、蛍光法により測定した。ルシフェラーゼ活性をβ−ガラクトシダーゼ活性で除した値をPPARアゴニスト活性とし、試験検体のアゴニスト活性は、陽性対照物質(10-5M)の活性を100とした場合の相対活性(%)で表した。なお、陽性対照物質として、PPARαアッセイの場合はCiprofibrate(化1)、PPARβアッセイの場合はL−651,041(化2)、PPARγアッセイの場合はPioglitazone(化3)をそれぞれ使用した。
その結果、図1〜3のようになり、アセトン、熱水、いずれの抽出成分についてもPPAR活性物質が抽出されていることが読み取れた。また、PPAR活性成分としてPPARα、PPARβ、PPARγがいずれも抽出された。特に、PPARα活性成分が検体Bに多く含まれていることがわかった。また、検体BにおけるPPARα活性は、1000倍希釈よりも300倍希釈のほうが活性が下がっており、何らかの活性阻害物質が含まれていることも明らかになった。すなわち、PPARα活性成分は、アセトンを含む抽出溶媒により効率よく抽出されるが、阻害物質も併せて抽出されるため、さらなる精製工程が必要となることが示唆された。
<試料の種類>
次に、サトウキビ梢頭部のどの部分にPPAR活性成分が含まれているのかを調べた。また、サトウキビ以外イネ科植物としてソルガムからPPAR活性組成物を抽出することができるか調べた。
次に、サトウキビ梢頭部のどの部分にPPAR活性成分が含まれているのかを調べた。また、サトウキビ以外イネ科植物としてソルガムからPPAR活性組成物を抽出することができるか調べた。
〔検体の調製〕
下記表1に示す試料S1、S2,T1,T2を試料としてPPAR活性組成物の抽出を行った。抽出方法は、70%アセトン抽出のエーテル可溶物の項に準じて行った。その結果、各試料から、試料S1:16mg、試料S2:8mg、試料T1:21mg、試料T2:13mgの抽出物が得られた。抽出物をDMSO1.0mlに溶解し検体S1、S2,T1,T2として先と同様に活性を測定した。
下記表1に示す試料S1、S2,T1,T2を試料としてPPAR活性組成物の抽出を行った。抽出方法は、70%アセトン抽出のエーテル可溶物の項に準じて行った。その結果、各試料から、試料S1:16mg、試料S2:8mg、試料T1:21mg、試料T2:13mgの抽出物が得られた。抽出物をDMSO1.0mlに溶解し検体S1、S2,T1,T2として先と同様に活性を測定した。
その結果図4〜6のようになり、サトウキビの梢頭部においては、葉部にも幹部にもPPAR活性成分が含まれており、通常は廃棄処分されている梢頭部からの抽出によりPPAR活性組成物を得ることができることがわかった。また、サトウキビ以外では、ソルガムにもPPAR活性成分が含まれており、抽出によりPPAR活性組成物を得ることができることがわかった。
<阻害物質について>
上記試験例において、PPARα活性成分には、阻害物質が混入することが明らかになったことから、PPARα活性成分と、阻害物質との分離を試みた。
上記試験例において、PPARα活性成分には、阻害物質が混入することが明らかになったことから、PPARα活性成分と、阻害物質との分離を試みた。
〔検体の調製〕
先の試料S1について、粗抽出物に、蒸留水100mlを加え、ジエチルエーテル50mlで2回抽出し、抽出液を減圧下で濃縮した後、ジエチルエーテル10mlに定容した。抽出液1ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物をクロロホルム1.0mlに溶解した。これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ:φ12mm×3cm、シリカゲル:2.0g、充填溶媒:クロロホルム)にて分画し、画分は濃縮乾固後、DMSO0.4mlに溶解し、測定試料とした。
先の試料S1について、粗抽出物に、蒸留水100mlを加え、ジエチルエーテル50mlで2回抽出し、抽出液を減圧下で濃縮した後、ジエチルエーテル10mlに定容した。抽出液1ml(試料1g相当分)を減圧下で濃縮し、抽出物をクロロホルム1.0mlに溶解した。これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ:φ12mm×3cm、シリカゲル:2.0g、充填溶媒:クロロホルム)にて分画し、画分は濃縮乾固後、DMSO0.4mlに溶解し、測定試料とした。
クロマトグラフィーは、試料1.0mlをカラムに添加し、さらにクロロホルム1.0mlを添加した後、下記表2に示す溶媒で順次行った。
得られた画分F1〜F6を、それぞれ検体F1〜F6として、前と同様に活性の測定を行ったところ、図7のようになった。
図7より、前記検体F3、F4の活性は希釈により活性が高くなる現象が見られたことから、画分F3、F4に阻害物質が含まれていることが示唆された。そこで、F5,F6の20%メタノール含有クロロホルムのように、高メタノール画分を得ることにより、より阻害物質を含まず、活性の高いPPAR活性組成物を得ることができることがわかった。また、検体F5のPPAR活性は精製前に比べて充分高いものと読み取れる。
したがって、サトウキビ廃材から少量で有効となるPPAR活性成分を得ることができ、たとえば、メタボリックシンドローム改善の健康食品や飲料および医薬品としての活用が可能となる。
Claims (5)
- サトウキビ、ソルガムから選ばれるいずれかのイネ科植物の梢頭部抽出物を主成分とするPPAR活性組成物。
- 前記イネ科植物の梢頭部をアセトンを含む抽出溶媒により抽出するPPAR活性組成物の抽出方法。
- アセトンを含む抽出溶媒により抽出された抽出物がPPARα活性を有する画分である請求項2に記載のPPAR活性組成物の抽出方法。
- 前記抽出物のPPARα活性を有する画分が、クロマトグラフ法により分離され、PPARα活性阻害物質を除去された画分である請求項3に記載のPPAR活性組成物の抽出方法。
- 前記抽出物がPPARα活性を有する画分が、クロロホルム、メタノール混合溶媒を溶出液としたクロマトグラフ法により分離された、高メタノール溶媒抽出画分である請求項3に記載のPPAR活性組成物の抽出方法。
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JP2015196651A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 大阪瓦斯株式会社 | Ppar活性組成物 |
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JP2003034636A (ja) * | 2001-07-19 | 2003-02-07 | Kao Corp | 脂質代謝改善剤 |
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