JP2013192886A - ステント - Google Patents

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Abstract

【課題】病変部以外の正常な部分への薬剤コート層の接触が抑制され、病変部への局所的な薬剤投与を可能とするステントを提供することを目的とする。
【解決手段】略管状体に形成されたステント本体と、ステント本体の周方向における一部の領域にのみ形成された薬剤を含む薬剤コート層と、薬剤コート層の形成領域に対応して所定の位置に配置される少なくとも2つの造影性マーカーとを有し、少なくとも2つの造影性マーカーは、ステント本体の軸方向に関して互いに異なる位置に配置されると共に、ステント本体の周方向に関して互いに異なり且つ非対称の位置に配置されるステント。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体管腔内に生じた狭窄部または閉塞部に留置して管腔の開存状態を維持するステント、特に、ステント本体に薬剤コート層が設けられているDES(Drug Eluting Stent)と称される薬剤溶出タイプのステントに関する。
ステントは、血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体管腔内に生じた狭窄部または閉塞部の改善に使用される医療用具であり、細いストラットが相互に接続部において交差接合された、いわば網目状の管状体である。
ステントは、例えば、心臓の冠動脈においては、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再狭窄防止の目的で用いられるが、薬剤がコーティングされていない、いわゆるベアメタルステントを用い、予めこれを縮径した状態で病変部(狭窄部または閉塞部)に到達させ、拡張して管腔内に留置すると、ステントを全く使用しないPTCAのみの場合と比べて再狭窄率は低下するものの、ステント留置部に約20〜30%の割合で再狭窄が認められている。再狭窄の主な原因は、血管平滑筋細胞の遊走・増殖による内膜肥厚であることから、最近では、血管平滑筋細胞の遊走・増殖を抑制しうる薬剤(例えば免疫抑制剤)をステントの表面にコーティングし、ステント留置部位で薬剤を溶出させて再狭窄を防止する、DESと称される薬剤溶出タイプのステントの開発が行われている(特許文献1)。
特開2000−51367号公報
図10に示すように、通常、狭窄部などの病変部30は血管32内の全周に渡って存在するわけではなく、血管32内の周方向の一部にのみ存在する場合が多く、病変部30以外の正常な血管部34では内皮細胞と平滑筋細胞との関係が均衡している。
そのため、薬剤溶出タイプのステントが病変部以外の正常な血管部に接触すると、免疫抑制剤などの薬剤が正常な血管部にまで投与されることとなり、平滑筋細胞の増殖を抑える内皮細胞の活動まで抑制されてしまうなどの懸念が生じる。
また、薬剤の種類によっては、繊維化・瘢痕化・再内皮化までもが抑制され、ステントの固定化障害が引き起こされる、または、遅発性の血栓症の頻度が高くなるといった問題が生じる虞もある。
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、生体管腔内に留置される際に、病変部以外の正常な部分への薬剤コート層の接触が抑制され、病変部への局所的な薬剤投与を可能とするステントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のステントは、略管状体に形成されたステント本体と、上記ステント本体の周方向における一部の領域にのみ形成された薬剤を含む薬剤コート層と、上記薬剤コート層の形成領域に対応して上記ステント本体に配置され、且つ、X線造影により生体管腔内にて上記ステント本体の周方向における上記薬剤コート層の位置を認識するための少なくとも2つの造影性マーカーとを有し、上記少なくとも2つの造影性マーカーは、上記ステント本体の軸方向に関して互いに異なる位置に配置されると共に、上記ステント本体の周方向に関して互いに異なり且つ非対称の位置に配置されることを特徴とするステントである。
この場合、好ましくは、上記造影性マーカーの少なくとも1つが上記ステント本体の上記薬剤コート層の形成領域に配置される。
また、好ましくは、上記薬剤コート層が、上記ステント本体の外側表面にのみ設けられる。
また、好ましくは、上記薬剤コート層は、上記薬剤とポリマーの混合物で形成されている。
本発明によれば、病変部以外の正常な部分への薬剤の投与を抑制しつつ、病変部への局所的な薬剤投与を可能とする。
本発明の実施の形態1に係るステントを示す正面図である。 図1のA−A線に沿った模式的な矢視断面図である。 (A)〜(C)は、実施の形態1のステントが生体管腔内に挿入された場合の模式的なX線造影図である。 2つの造影性マーカーがステント本体の軸方向に関して同じ位置に配置される比較例1のステントを示し、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線に沿った模式的な矢視断面図、(C)は生体管腔内に留置された場合の模式的なX線造影図である。 2つの造影性マーカーがステント本体の周方向に関して同じ位置に配置される比較例2のステントを示し、(A)は正面図、(B)は(A)のC−C線に沿った模式的な矢視断面図、(C)は生体管腔内に留置された場合の模式的なX線造影図である。 2つの造影性マーカーがステント本体の周方向に関して対称に配置される比較例3のステントを示し、(A)は正面図、(B)は(A)のD−D線に沿った模式的な矢視断面図、(C)は生体管腔内に留置された場合の模式的なX線造影図である。 ステント本体の周方向の一部に薬剤コート層が配置されるステントの断面図であり、(A)はステント本体の外周面の全周に対して約50%の角度領域を薬剤コート層が覆う態様、(B)はステント本体の外周面の全周に対して約75%の角度領域を薬剤コート層が覆う態様を示す。 本発明の実施の形態2に係るステントを示し、(A)は正面図、(B)は(A)のE−E線に沿った模式的な矢視断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係るステントを示し、(A)は正面図、(B)は(A)のF−F線に沿った模式的な矢視断面図である。 狭窄部がある血管の模式図である。
以下、本発明に係るステントについての好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係るステント10を示す正面図であり、図2は図1の線A−Aに沿って切断した模式的な矢視断面図である。
図1に示すステント10は、略管状体のステント本体12と、ステント本体12の周方向の一部の表面上を覆うように配置される薬剤を含む薬剤コート層14と、ステント本体12に配置される造影性マーカー16aおよび16bとを備える。後述するように、ステント本体12の所定の位置に配置される造影性マーカー16aおよび16bによって、生体管腔内にステント10が留置された際に、X線造影によりステント10の回転位置(回転角度)を認識することができる。そのため、ステント本体12の周方向の一部の領域に設けられた薬剤コート層14が、生体管腔内の内壁の一部にある病変部と対向するように、ステント10を生体管腔内で回転させて、薬剤コート層14が正常な血管部と接触しないようにすることが可能となる。
以下、ステント10を構成する部材(ステント本体12、薬剤コート層14、造影性マーカー16a,16b)について詳述する。
ステント本体12は、両末端部が開口し、これら両末端部の間を長手方向(軸方向)に延在する略管状体である。略管状体の側面は、その外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっており、血管等の生体管腔内に留置された際に、その形状を維持する。
ステント本体12は、線状部材18からなり、内部に切り欠き部を有する略菱形の要素20を基本単位とする。複数の略菱形の要素20が、その短軸方向に連続して配置され結合することで環状ユニット22をなしている。環状ユニット22は、隣接する環状ユニットと線状の連結部材24を介して接続されている。これにより複数の環状ユニット22が一部結合した状態でその軸方向に連続して配置される。
薬剤コート層14は、ステント本体12の全周ではなく、上記ステント本体12の周方向における一部の領域にのみ設けられる層であり、薬剤が含まれる。ステント10の模式的な矢視断面図である図2に示すように、薬剤コート層14は、ステント本体12の外周面の全周に対して約20%の角度領域を覆うように周方向の一部にのみ設けられている。
造影性マーカー16aおよび16bは、薬剤コート層14の形成領域に対応してステント本体12に配置され、ステント10が生体管腔内に留置された際に、薬剤コート層14の位置を認識するためのマーカーである。
造影性マーカー16aおよび16bは、ステント本体12に形成された小開口に、この小開口より若干小さい部分と大きい部分を有するX線造影性物質の円盤状部材を配置し両面より押圧して、リベット状に、かしめることにより取り付けられる。
造影性マーカー16aはステント本体12の薬剤コート層14の形成領域に配置され、図1の紙面上においてはステント本体12の中央部付近に位置する。一方、造影性マーカー16bはステント本体12の薬剤コート層14が設けられていない領域に配置されており、図1の紙面上においては造影性マーカー16aよりも左側端部付近に位置する。この所定の位置関係にある造影性マーカー16aおよび16bによって、生体管腔内に留置された際にステント10の回転位置を確認することができる。
以下に、図3を用いて、造影性マーカー16aおよび16bによるステント10の回転位置の確認方法について詳述する。
図3(A)〜(C)は、ステント10を生体管腔P内に挿入した際の模式的なX線造影図である。なお、図3(A)〜(C)におけるステント10の向きは、図1中の紙面上のステント10の向きと同じであり、造影性マーカー16bが紙面上の上側に位置する。
図3(A)の紙面上では、造影性マーカー16aがステント10の左側端部付近に位置しており、造影性マーカー16bがステント10の中央部付近に位置する。図1中の造影性マーカー16aの位置と図3(A)中の造影性マーカー16aの位置を比較すると、図3(A)中のステント10は、図1中のステント10よりも左回り(反時計回り)に約90°回転していることがわかる。よって、図3(A)のステント10中の薬剤コート層14は、紙面上でステント10の左側端部付近に位置していることが分かる。
図3(B)の紙面上では、造影性マーカー16aがステント10の右側端部付近に位置しており、造影性マーカー16bがステント10の中央部付近に位置する。図1中の造影性マーカー16aの位置と図3(B)中の造影性マーカー16aの位置を比較すると、図3(B)中のステント10は、図1中のステント10よりも右回り(時計回り)に約90°回転していることがわかる。よって、図3(B)のステント10中の薬剤コート層14は、紙面上でステント10の右側端部付近に位置していることが分かる。
図3(C)の紙面上では、造影性マーカー16aがステント10の中央部付近に位置しており、造影性マーカー16bがステント10の右側端部付近に位置する。図1中の造影性マーカー16aの位置と図3(C)中の造影性マーカー16aの位置を比較すると、両者はほぼ同一の位置にある。一方、図1中において造影性マーカー16bが左側端部付近に位置するのに対して、図3(C)において造影性マーカー16bは右側端部付近に位置している。よって、図3(C)中のステント10は、図1中のステント10よりも左回り(反時計回り)あるいは右回り(時計回り)に約180°回転していることがわかる。よって、図3(C)のステント10中の薬剤コート層14は、紙面上で奥側を向いて位置していることが分かる。
上記のように、2つの造影性マーカー16aおよび16bの位置を確認することにより、生体管腔内におけるステント10の回転角度を確認することができ、薬剤コート層14が所定の位置にある病変部と対応するようにステント10の回転角度を調整することができる。これにより、生体管腔P内の正常な部分に薬剤コート層14から薬剤が投与されることを抑制することができる。
なお、2つの造影性マーカー16aおよび16bは、図1に示すように、ステント本体12の軸方向(図1の紙面上で上下方向)に関して互いに異なる位置に配置されることが必要となる。言い換えると、造影性マーカー16bが、造影性マーカー16aを通りステント本体12の周方向に延びる延長線上からはずれた位置に配置される必要がある。
以下、図4に基づいて、その理由について説明する。
図4(A)は、比較例1に係るステント100を示す正面図であり、このステント100においては造影性マーカー16aおよび16bがステント本体12の軸方向(図4(A)の紙面上で上下方向)に関して同じ位置に配置される。図4(B)は図4(A)の線B−Bに沿って切断した模式的な矢視断面図であり、造影性マーカー16aは薬剤コート層14の形成領域に配置され、造影性マーカー16bは薬剤コート層14が形成されていない領域に配置される。
図4(C)は、ステント100を生体管腔内に留置した際の模式的なX線造影図である。図4(C)において、造影性マーカー16aおよび16bが確認される。しかしながら、X線造影図上では、造影性マーカー16aおよび16bが紙面上手前側にあるのか、紙面上奥側にあるのか判別ができない。そのため、薬剤コート層14が図4(C)の紙面上手前側にあるのか、紙面上奥側にあるのか判別できず、薬剤コート層14の位置を生体管腔内の病変部へと対応させることができない。
また、2つの造影性マーカー16aおよび16bは、図1に示すように、ステント本体12の周方向(図1の紙面上で左右方向)に関して互いに異なる位置で、かつ、非対称の位置に配置される必要がある。言い換えると、まず、ステント本体12の周方向(図1の紙面上で左右方向)に関して互いに異なる位置とは、造影性マーカー16bが、造影性マーカー16aを通りステント10の軸方向に延びる線上からはずれた位置を意図する。また、非対称の位置に配置されるとは、点対称でないことを意図し、より具体的にはステント本体12の軸線に直交する平面に投影した際に造影性マーカー16aと16bとがステント本体12の中心軸を挟んで対向する位置(造影性マーカー16aと16bとがステント本体12の中心軸を挟んで略180°の位置)にないことを意図する。
以下、図5に基づいて、その理由について説明する。
図5(A)は、比較例2に係るステント200を示す正面図であり、このステント200においては造影性マーカー16aおよび16bがステント本体12の周方向(図5(A)の紙面上で左右方向)に関して同じ位置に配置される。図5(B)は図5(A)の線C−Cに沿って切断した模式的な矢視断面図であり、造影性マーカー16aおよび16bは、互いに重なって見えている。
図5(C)は、ステント200を生体管腔内に留置した際の模式的なX線造影図である。図5(C)においては、造影性マーカー16aおよび16bが確認される。しかしながら、X線造影図上では、造影性マーカー16aおよび16bが紙面上手前側にあるのか、紙面上奥側にあるのか判別ができない。そのため、薬剤コート層14が図5(C)の紙面上手前側にあるのか、紙面上奥側にあるのか判別できず、薬剤コート層14の位置を生体管腔内の病変部へと対応させることができない。
また、図6(A)は、比較例3に係るステント300を示す正面図であり、このステント300においては造影性マーカー16aおよび16bがステント本体12の周方向(図6(A)の紙面上で左右方向)に関して対称の位置に配置される。図6(B)は図6(A)の線D−Dに沿って切断した模式的な矢視断面図(ステント本体12の軸線に直交する平面への投影図にも該当)であり、造影性マーカー16aおよび16bは、ステント本体12の中心軸を挟んで対向する位置(造影性マーカー16aと16bとがステント本体12の中心軸を挟んで略180°の位置)に配置される。
図6(C)は、ステント300を生体管腔内に留置した際の模式的なX線造影図である。図6(C)においては、造影性マーカー16aおよび16bが確認される。しかしながら、X線造影図上では、造影性マーカー16aおよび16bのいずれの造影性マーカーが紙面上手前側にあるのか、紙面上奥側にあるのか判別ができない。そのため、薬剤コート層14が図6(C)の紙面上手前側にあるのか、紙面上奥側にあるのか判別できず、薬剤コート層14の位置を生体管腔内の病変部へと対応させることができない。
このように、2つの造影性マーカー16aおよび16bを、ステント本体12の軸方向に関して互いに異なる位置に配置すると共にステント本体12の周方向に関して互いに異なる位置で且つ非対称の位置に配置することにより、生体管腔内におけるステント10の回転角度を確認することが可能となる。
上記の実施の形態1では、ステント本体12が、線状部材18からなり、内部に切り欠き部を有する略菱形の要素20を基本単位とする略管状体に形成されていたが、このような態様に限定されず、両末端部が開口し、該両末端部の間を長手方向に延在する略管状体(円筒体)であって、その側面上に、外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造を広く含む。
また、ステント本体12を構成する線状部材18の断面形状についても、図2に示すような矩形に限定されず、円形、楕円形、矩形以外の多角形等、他の形状であってもよい。
ステント本体12の材料としては、高分子材料、金属材料、炭素繊維、セラミックス等が挙げられ、ある程度の剛性と弾性を有するものであれば特に限定されないが、生体適合性を有する材料であることが好ましい。
具体的には、高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、セルロースアセテート、セルロースナイトレート等のセルロース系ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等の含フッ素ポリマー等が挙げられる。
金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、タンタル、チタン、ニッケルチタン合金、タンタルチタン合金、ニッケルアルミニウム合金、インコネル、金、プラチナ、イリジウム、タングステン、コバルトクロム合金、コバルトニッケル合金等が挙げられる。ステンレス鋼の中では、最も耐食性が良好であるSUS316Lが好適である。
ステント本体12は、上記例示した材料から、その適用箇所または拡張手段に応じて適宣選択した材料により好適に形成することができる。例えば、ステント本体12を金属材料で形成した場合、金属材料は強度に優れているため、ステント10を病変部に確実に留置することが可能である。ステント本体12を高分子材料で形成した場合、高分子材料は柔軟性に優れているため、ステント10の病変部への到達性(デリバリー性)という点で優れた効果を発揮する。
ステント本体12の拡張手段は特に限定されず、自己拡張型、すなわち小さく折りたたんだステント本体12を保持している力を除くことで、自らの復元力で半径方向に拡張するタイプのものであってもよく、バルーン拡張型、すなわちステント本体12の内側からバルーンを拡張し、その外力によってステント本体12を半径方向に拡張するタイプであってもよい。
ステント本体12の大きさは適用箇所に応じて適宣選択すればよい。例えば、心臓の冠動脈に用いる場合は、通常拡張前における外径は1.0〜3.0mm、長さは5〜50mmが好ましい。
上記したように、ステント本体12が線状部材18で構成される場合、ステント本体12を多数の切欠部を有するように構成する線状部材の幅方向の長さは、好ましくは0.01〜0.5mmであり、より好ましくは0.05〜0.2mmである。
ステント本体12の製造方法は、特に限定されず、ステントの構造および材料に応じて、通常使用される製造方法から適宜選択すればよい。例えば、レーザエッチング、化学エッチング等のエッチング技術、およびレーザーカット技術を利用した製造方法を選択することができる。
また、図1では、ステント本体12の外周面の全周方向に対して約20%の角度領域を覆うように薬剤コート層14が配置されていたが、薬剤コート層14を設ける領域は血管内の病変部に大きさに合わせて適宜設計できる。例えば、薬剤コート層14を、ステント本体12の外周面の全周に対して10〜90%の角度領域を覆うように周方向の一部にのみ設けてもよい。
より具体的には、病変部が血管内壁の約50%を占める場合は、図7(A)に示すように、薬剤コート層14をステント本体12の外周面の全周に対して約50%の角度領域を覆うように周方向の一部にのみ設けられていてもよく、病変部が血管内壁の約75%を占める場合は、図7(B)に示すように、薬剤コート層14をステント本体12の外周面の全周に対して約75%の角度領域を覆うように周方向の一部にのみ設けられていてもよい。
薬剤コート層14には病変部に投与される薬剤が含まれており、使用される薬剤としては、ステント10を病変部に留置した際に起こりうる脈管系の狭窄、閉塞を抑制するものであれば特に限定されない。例えば、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、NO産生促進物質などが挙げられる。
薬剤コート層14は、上記薬剤とポリマーとの混合物により形成されることが好ましく、該ポリマーとしては生分解性ポリマーであることが好ましい。病変部にステント10を留置した後、薬剤を保持しているポリマーが生分解されると、薬剤が徐放され、ステント留置部での再狭窄がより防止されやすくなる。なお、生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体などが挙げられる。
薬剤コート層14の厚さは、病変部への到達性(デリバリー性)や血管壁への刺激性などステント本体12の性能を著しく損なわない程度であり、なおかつ薬剤の効果が確認される厚さで設定されるべきであることから、好ましくは1〜100μm、より好ましく1〜50μm、最も好ましくは1〜20μmの範囲である。
薬剤コート層14をステント本体12上に形成する方法は特に制限されず、例えば、スプレー法、インクジェット法、ノズル噴射法など種々の方法を使用することができる。ここで、スプレー法とは、薬剤を空気流と共にステント本体12の外側表面に噴射して、薬剤コート層14を形成するものである。また、インクジェット法とは、薬剤を微細粒にしてステント本体12の外表面に塗布するものである。さらに、ノズル噴射法とは、薬剤をノズルよりステント本体12の外表面に塗布するものである。
より具体的には、WO2011/040218号パンフレットに開示される方法などを使用することが好ましい。
図2において、薬剤コート層14はステント本体12の外側表面にのみ設けられていたが、該態様に限定されずステント本体12の内側表面にも設けられていてもよい。なお、ステント本体12の内側表面に薬剤コート層14がある場合、病変部にステントを留置した際に、内側にある薬剤コート層14中の薬剤が血液等の体液中に溶出し、病変部以外の正常な部位に薬剤が運ばれる虞があるため、薬剤コート層14はステント本体12の外側表面にのみ設けることが好ましい。
なお、造影性マーカー16aおよび16bは、X線造影性物質からなる円盤状部材をリベット状にかしめることにより取り付けられていたが、造影性マーカーの設置方法は上記態様に限定されず、例えば、X線造影性物質をメッキまたは蒸着によりステント本体の外面に被覆する態様、X線造影性物質により形成された線材をステント本体の外面に巻き付ける態様、また、X線造影性物質により形成されたリング状部材をステント本体の外面に取り付ける態様などが挙げられる。造影性マーカーを構成するX線造影性物質としては、例えば、金、白金、タングステン、タンタル、イリジウム、パラジウムもしくはそれらの合金、または金−パラジウム合金、白金−イリジウム、NiTiPd、NiTiAu等が好適である。
実施の形態2
図1に示した実施の形態1のステント10においては、造影性マーカー16aは薬剤コート層14の形成領域に、造影性マーカー16bは薬剤コート層14が設けられていない領域に配置されていたが、2つの造影性マーカー16aおよび16bの配置位置は図1の態様には限定されない。
例えば、図8(A)および(B)に示すように、造影性マーカー16aおよび16bが両方とも薬剤コート層14の形成領域に配置される態様が挙げられる。図8(A)は本発明の実施の形態2に係るステント400を示す正面図であり、図8(B)は図8(A)の線E−Eに沿って切断した模式的な矢視断面図である。ステント400においては、造影性マーカー16aおよび16bはいずれも薬剤コート層14の端部付近に配置されている。このような態様であれば、造影性マーカー16aおよび16bの間に薬剤コート14があることが認識しやすく、生体管腔内において薬剤コート層14の位置を病変部へと対応させやすく、操作性がより優れる。
また、他の態様としては、図9(A)および(B)に示すように、造影性マーカー16aおよび16bがいずれも薬剤コート層14の形成領域に配置されない態様が挙げられる。図9(A)は本発明の実施の形態2の変形例に係るステント500を示す正面図であり、図9(B)は図9(A)の線F−Fに沿って切断した模式的な矢視断面図である。ステント500においては、造影性マーカー16aおよび16bは薬剤コート層14を挟むように、薬剤コート層14が設けられていないステント本体12の領域上に配置される。
ステント本体12に取り付ける造影性マーカーの数は少なくとも2つあればよく、3つ以上設けられていてもよい。
上述したステント10を生体管腔内の目的部位に留置する方法は特に制限されず、公知の方法を使用できる。
例えば、ステント10がバルーン拡張型ステントである場合、予めバルーンにマウントしたステント10を病変部に挿入した後、バルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステント10を拡張(塑性変形)させ病変部の内面に密着させて固定する。
また、ステント10自体が拡張機能を持っている自己拡張ステントである場合、ステント10を収縮させた状態にして病変部に挿入した後、収縮状態の維持のために負荷していた応力を除去する。例えば、病変部の内径より小さい外径のチューブ内にステント10を収縮させて収納し、このチューブの先端を病変部に到達させた後、ステント10をチューブより放出することにより行われる。放出されたステント10はチューブより解放されることにより応力負荷が解除され、収縮前の形状に復元し拡張する。これにより、病変部の内面に密着し固定される。
10,100,200,300,400,500 ステント
12 ステント本体
14 薬剤コート層
16a,16b 造影性マーカー
18 線状部材
20 略菱形の要素
22 環状ユニット
24 連結部材
30 病変部
32 血管
34 正常な血管部

Claims (4)

  1. 略管状体に形成されたステント本体と、
    前記ステント本体の周方向における一部の領域にのみ形成された薬剤を含む薬剤コート層と、
    前記薬剤コート層の形成領域に対応して前記ステント本体に配置され、且つ、X線造影により生体管腔内にて前記ステント本体の周方向における前記薬剤コート層の位置を認識するための少なくとも2つの造影性マーカーと
    を有し、
    前記少なくとも2つの造影性マーカーは、前記ステント本体の軸方向に関して互いに異なる位置に配置されると共に、前記ステント本体の周方向に関して互いに異なり且つ非対称の位置に配置されることを特徴とするステント。
  2. 前記造影性マーカーの少なくとも1つが前記ステント本体の前記薬剤コート層の形成領域に配置される、請求項1に記載のステント。
  3. 前記薬剤コート層が、前記ステント本体の外側表面にのみ設けられる、請求項1または2に記載のステント。
  4. 前記薬剤コート層は、前記薬剤とポリマーの混合物で形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のステント。
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