JP2013192301A - 三相電圧形電力変換器に対するパルスパターン生成構成 - Google Patents

三相電圧形電力変換器に対するパルスパターン生成構成 Download PDF

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Abstract

【課題】従来手法1のPWM制御に比べ、スイッチング損失を抑制することができる上、従来手法2のPWM制御に比べ、直流電源と交流負荷又は交流系統との間で適正な電力の授受を容易に行うことができる三相電圧形電力変換器に対するパルスパターン生成構成を提供する。
【解決手段】鋸キャリア波CTと各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWとを比較してパルスパターン信号PU,PV,PWを生成し、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態と、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態とを一致させるパルスパターン生成構成。
【選択図】図1

Description

本発明は、三相ブリッジ接続されたスイッチング素子を含む三相電圧形電力変換器に対してパルスパターンを生成するパルスパターン生成構成に関する。
三相ブリッジ接続されたスイッチング素子を含む6個の三相電圧形電力変換器を用いて電力変換を行う構成は、従来から知られている。
図6は、三相ブリッジ接続された6個のスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)を含む三相電圧形電力変換器11を用いて電力変換を行う三相電圧形電力変換システム10の一例を示す回路図である。なお、図6において、符号VDは、直流電源Gの直流電圧を示しており、符号iU,iV,iWはそれぞれ電力変換器11のU相、V相及びW相の各相U,V,Wの交流側線電流を示している。
図6に示す三相電圧形電力変換システム10は、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)(以下、PWMということがある。)によって電力変換を行う三相電圧形電力変換器11と、三相電圧形電力変換器11を作動制御する制御部12とを備えている。
電力変換器11は、各相U,V,Wのアーム対BU,BV,BWが三対並列に接続されている。各相U,V,Wのアーム対BU,BV,BWでは、それぞれ、各相U,V,Wの上アーム(スイッチング素子UP,VP,WP)並びに各相U,V,Wの下アーム(スイッチング素子UN,VN,WN)が直列に接続されている。各相U,V,Wの上アーム(スイッチング素子UP,VP,WP)並びに各相U,V,Wの下アーム(スイッチング素子UN,VN,WN)は、いずれも、逆導通形のスイッチング素子で構成されている。
電力変換器11は、直流側に直流電源Gが接続され、かつ、交流側の各アーム対BU,BV,BWの上アーム(スイッチング素子UP,VP,WP)と下アーム(スイッチング素子UN,VN,WN)との間において、それぞれ、各相U,V,Wのラインを介して交流負荷Load、又は、各相U,V,Wのライン及びフィルタFを介して交流系統Eが接続される。交流負荷としては、代表的には、三相交流モータや無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)を例示できる。また、交流系統としては、代表的には、電力系統を例示できる。
なお、本明細書でいう上アームとは直流側から三相電圧形電力変換器に電流が流入する方のアーム群(スイッチング素子UP,VP,WP)を指し、下アームとは三相電圧形電力変換器から直流側に電流が流出する方のアーム群(スイッチング素子UN,VN,WN)を指す。
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部121と、記憶部122とを備えている。記憶部122は、ROM(Read Only Memory)122a及びRAM(Random Access Memory)122bを含み、各種制御プログラムや必要な関数及びテーブルを記憶するようになっている。
制御部12は、処理部121によって、スイッチング制御プログラムを記憶部122から読み出し、読み出したスイッチング制御プログラムを実行することで、三相電圧形電力変換器11における各上下アーム(スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN))のスイッチング制御を行うように構成されている。
従来のスイッチング制御においては、例えば、キャリア波として通常の三角キャリア波を用いたPWM制御(以下、従来手法1のPWM制御という。)を行う場合には、次のような動作を行う。
図7は、三相電圧形電力変換システム10において、従来手法1のPWM制御による電力変換を行うにあたってPWMにより得られるパルスパターン信号PU,PV,PWに基づいてスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通状態と非導通状態とが制御される各波形を示すグラフである。なお、図7において、上段の波形は、キャリア波(三角キャリア波CS)と各相U,V,Wの三相の電圧指令値SU,SV,SWとを示しており、中段の波形は、各相U,V,Wのパルスパターン信号PU,PV,PWを示しており、下段の波形は、U相とV相との間の線間電圧VUVを示している。また、図7において、キャリア波(三角キャリア波CS)は、その形状を分かりやすくするという観点から、キャリア波の周波数を実際の周波数よりも小さくして示している。
電力変換器11は、制御部12の指示命令に従い、キャリア波(三角キャリア波CS、図7の上段の波形参照)と各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SW(図7の上段の波形参照)とを用いたPWMにより得られる各相U,V,Wのパルスパターン信号(パルス電圧)PU,PV,PW(図4の中段の波形参照)に基づいてスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通状態と非導通状態とが制御(PWM制御)される。ここで、キャリア波は、時間経過にとともに所定の傾斜をもって直線的に増加する部分と時間経過にとともに所定の傾斜をもって直線的に減少する部分とを有する三角波形とされた三角キャリア波SC(いわゆるダブルエッジキャリア)である。そして、電力変換器11は、制御部12が指示するU相のパルスパターン信号PUによって出力されるU相電圧から、同様に、制御部12が指示するV相のパルスパターン信号PVによって出力されるV相電圧を差引いて得られるU相とV相との間の線間電圧VUV(図7の下段の波形参照)によって所定波形(例えば正弦波)とされた出力波形(図示省略)を出力する。また、電力変換器11は、図示を省略したが、線間電圧波形VUVと同様にして、V相のパルスパターン信号PVによって出力されるV相電圧からW相のパルスパターン信号PWによって出力されるW相電圧を差引いて得られるV相とW相との間の線間電圧VVWによって所定波形(例えば正弦波)とされた出力波形を出力し、W相のパルスパターン信号PWによって出力されるW相電圧からU相のパルスパターン信号PUによって出力されるU相電圧を差引いて得られるW相とU相との間の線間電圧VWUによって所定波形(例えば正弦波)とされた出力波形を出力する。こうして、直流電源Gと交流負荷Load又は交流系統Eとの間で電力の授受(電力変換)を行うことができる。
ところで、図6に示す電力変換器11は、制御部12の指示命令に従い、電力変換を行う際には、通常は、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が転流するとき(具体的には、導通状態(オン状態)から非導通状態(オフ状態)になるとき、及び、非導通状態(オフ状態)から導通状態(オン状態)になるときに)、スイッチング損失が発生する。
図8は、図6に示す電力変換器11の回路状態[0]から回路状態[7]を示す回路図である。図8(a)〜図8(h)は、それぞれ、回路状態[0]から回路状態[7]を示している。なお、図8並びに後述する図9(b)、図1(b)、図2(b)及び図3(b)において、白丸(○)印が付されたスイッチング素子は、導通状態を示しており、他のスイッチング素子は、非導通状態を示している。
図8(a)に示す回路状態[0]では、上アームのスイッチング素子(UP,VP,WP)が非導通状態となっており、下アームのスイッチング素子(UN,VN,WN)が導通状態となっている。図8(b)に示す回路状態[1]では、上アームのスイッチング素子WP、下アームのスイッチング素子(UN,VN)が導通状態となっており、上アームのスイッチング素子(UP,VP)、下アームのスイッチング素子WNが非導通状態となっている。図8(c)に示す回路状態[2]では、上アームのスイッチング素子VP、下アームのスイッチング素子(UN,WN)が導通状態となっており、上アームのスイッチング素子(UP,WP)、下アームのスイッチング素子VNが非導通状態となっている。
図8(d)に示す回路状態[3]では、上アームのスイッチング素子(VP,WP)、下アームのスイッチング素子UNが導通状態となっており、上アームのスイッチング素子UP、下アームのスイッチング素子(VN,WN)が非導通状態となっている。図8(e)に示す回路状態[4]では、上アームのスイッチング素子UP、下アームのスイッチング素子(VN,WN)が導通状態となっており、上アームのスイッチング素子(VP,WP)、下アームのスイッチング素子UNが非導通状態となっている。図8(f)に示す回路状態[5]では、上アームのスイッチング素子(UP,WP)、下アームのスイッチング素子VNが導通状態となっており、上アームのスイッチング素子VP、下アームのスイッチング素子(UN,WN)が非導通状態となっている。
図8(g)に示す回路状態[6]では、上アームのスイッチング素子(UP,VP)、下アームのスイッチング素子WNが導通状態となっており、上アームのスイッチング素子WP、下アームのスイッチング素子(UN,VN)が非導通状態となっている。また、図8(h)に示す回路状態[7]では、上アームのスイッチング素子(UP,VP,WP)が導通状態となっており、下アームのスイッチング素子(UN,VN,WN)が非導通状態となっている。
図9は、図6に示す電力変換器11において従来手法1のPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失を説明するため図である。図9(a)は、三角キャリア波CSと電圧指令値SU,SV,SWとパルスパターン信号PU,PV,PWとを三角キャリア波CSの1変調周期T分よりも少し長めの期間で任意に抜き出した波形を示すグラフである。図9(b)は、図9(a)に示す従来手法1のPWM制御による電力変換器11の回路状態[0][4][6][7]を示す回路図である。なお、図9(a)並びに後述する図1(a)、図2(a)及び図3(a)において、三角キャリア波CSの波形と電圧指令値SU,SV,SWの波形との交点に付された白丸(○)印は、転流箇所を示している。
図9(a)に示す1変調周期Tでは、1変調周期T内の第1期間T1においてU相、V相、W相のうち、全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが三角キャリア波CSの値よりも低くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図9(b)の上から1段目の回路状態[0](図8(a)参照)となる。
また、1変調周期T内の第2期間T2においてU相の電圧指令値SUが三角キャリア波CSの値よりも高くなっており、V相、W相の電圧指令値SV,SWが三角キャリア波CSの値よりも低くなっていることから、U相のパルスパターン信号PUがHigh(2進数で「1」)となり、V相、W相のパルスパターン信号PV,PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図9(b)の上から2段目の回路状態[4](図8(e)参照)となる。
また、1変調周期T内の第3期間T3においてU相、V相の電圧指令値SU,SVの値が三角キャリア波CSよりも高くなっており、W相の電圧指令値SWが三角キャリア波CSの値よりも低くなっていることから、U相、V相のパルスパターン信号PU,PVがHigh(2進数で「1」)となり、W相のパルスパターン信号PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図9(b)の上から3段目の回路状態[6](図8(g)参照)となる。
また、1変調周期T内の第4期間T4においてU相、V相、W相の全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが三角キャリア波CSの値よりも高くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがHigh(2進数で「1」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図9(b)の上から4段目の回路状態[7](図8(h)参照)となる。
以下、同様に考えると、第5期間T5、第6期間T6、第7期間T7において、スイッチング素子UN,VN,WNがそれぞれ回路状態[6](図8(g)参照)、回路状態[4](図8(e)参照)、回路状態[0](図8(a)参照)となる。
そして、U相のパルスパターン信号PUが第1期間T1と第2期間T2との間で非導通状態から導通状態になり(転流回数1回)、次に、V相のパルスパターン信号PVが第2期間T2と第3期間T3との間で非導通状態から導通状態になり(転流回数1回で合計2回)、次に、W相のパルスパターン信号PWが第3期間T3と第4期間T4との間で非導通状態から導通状態になる(転流回数1回で合計3回)。さらに、W相のパルスパターン信号PWが第4期間T4と第5期間T5との間で導通状態から非導通状態になり(転流回数1回で合計4回)、次に、V相のパルスパターン信号PVが第5期間T5と第6期間T6との間で導通状態から非導通状態になり(転流回数1回で合計5回)、次に、U相のパルスパターン信号PUが第6期間T6と第7期間T7との間で導通状態から非導通状態になる(転流回数1回で合計6回)。
このように、電力変換器11に対する図9に示すような従来手法1のPWM制御では、転流回数が6回となり、それだけ多くのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)のスイッチング損失となる。
ここでは、任意に抜き出した一つの変調周期について説明したが、他の何れの変調周期についても同様に説明することができる。
この点に関し、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)のスイッチング回数を3分の2に減少させてそれだけスイッチング損失を減少させるPWM制御が従来から知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
すなわち、特許文献1,2に記載したような従来のPWM制御(以下、従来手法2のPWM制御という。)では、一定期間毎にU相、V相、W相の電圧指令値Us,SV,SWのうち何れか一つを必ずキャリア波よりも低くする或いは高くする一方で、それに伴い、U相、V相、W相の出力電圧が所定波形(例えば正弦波)となるように、他の電圧指令値を振幅方向にシフトさせることにより、スイッチング回数を従来手法1に比べて3分の2に減少させるようにしている(例えば、特許文献2の図7参照)。
特開平6−14590号公報 特開平7−46855号公報
しかしながら、従来手法2のPWM制御では、スイッチング回数を従来手法1のPWM制御に比べて3分の2に減少させることで、それに応じてスイッチング損失を抑制することができたとしても、スイッチング周波数成分が分散するという課題がある。
これについて、図10から図13を参照しながら、従来手法1のPWM制御により各相U,V,Wのパルスパターン信号PU,PV,PWをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧,V相とW相との間の線間電圧,W相とU相との間の線間電圧,VUV,VVW,VWUのスイッチング周波数成分と比較して、従来手法2のPWM制御により各相U,V,Wのパルスパターン信号PU,PV,PWをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧,V相とW相との間の線間電圧,W相とU相との間の線間電圧,VUV,VVW,VWUのスイッチング周波数成分を説明する。
図10及び図11は、従来手法1のPWM制御により各相U,V,Wのパルスパターン信号PU,PV,PWをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧,V相とW相との間の線間電圧,W相とU相との間の線間電圧,VUV,VVW,VWUのスイッチング周波数成分を説明するための図である。図10(a)及び図11(a)は、それぞれ、三角キャリア波CSと各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWのうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値SUとの波形の一例及び他の例を示すグラフである。図10(b)及び図11(b)は、それぞれ、U相とV相との間の線間電圧,V相とW相との間の線間電圧,W相とU相との間の線間電圧,VUV,VVW,VWUのうち何れか一つの線間電圧VUV(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の一例及び他の例を示すグラフである。
また、図12及び図13は、従来手法2のPWM制御により各相U,V,Wのパルスパターン信号PU,PV,PWをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧,V相とW相との間の線間電圧,W相とU相との間の線間電圧,VUV,VVW,VWUのスイッチング周波数成分を説明するための図である。図12(a)及び図13(a)は、それぞれ、三角キャリア波CSと各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWのうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値SUとの波形の一例及び他の例を示すグラフである。図12(b)及び図13(b)は、それぞれ、U相とV相との間の線間電圧,V相とW相との間の線間電圧,W相とU相との間の線間電圧,VUV,VVW,VWUのうち何れか一つの線間電圧VUV(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の一例及び他の例を示すグラフである。
ここで、図10及び図12に示す例と図11及び図13に示す例とでは、それぞれ、U相の電圧指令値SUの振幅のみが異なっている。すなわち、図10及び図12に示すU相の電圧指令値SUの振幅は、それぞれ、図11及び図13に示すU相の電圧指令値SUの振幅よりも大きくなっている。また、図10(a)、図11(a)、図12(a)及び図13(a)並びに後述する図4(a)及び図5(a)において、縦軸は振幅の最大レベルを1とした相対レベルを示している。図10(b)、図11(b)、図12(b)及び図13(b)並びに後述する図4(b)及び図5(b)において、縦軸は予め定めた所定の成分レベルを1とした相対レベルを示しており、電圧指令値SUの周波数は50Hz、三角キャリア波CSの周波数は6kHzとしている。
従来手法1のPWM制御では、図10(b)及び図11(b)に示すように、U相のパルスパターン信号PUとV相のパルスパターン信号PVをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧VUVのスイッチング周波数成分は、U相の電圧指令値SUの基本波形における周波数成分(この例では50Hz)(図10(b)及び図11(b)のα部分参照)に加えて、キャリア波(三角キャリア波CS)の周波数に対する整数倍の周波数(この例では6kHz,12kHz,18kHz〜)(図10(b)及び図11(b)のβ1,β2,β3〜部分参照)を中心に狭い範囲でレベルが大きくなっている。
すなわち、従来手法1のPWM制御によりU相のパルスパターン信号PUとV相のパルスパターン信号PVをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧VUVのスイッチング周波数成分は、離散的になっている。このため、例えば、通常はフィルタを設けることがない三相の交流モータ等の交流負荷Loadに対しては、スイッチング周波数成分による損失を小さくすることができる。このことは、三相の交流モータ等の交流負荷Loadを低い電圧で駆動するときに特に有利となる。また、三相の電力系統等の交流系統Eに対しては、カットオフ周波数の高いフィルタFを用いることができ、それだけ、フィルタFの小型化かつ低コスト化を実現することができる。従って、従来手法1のPWM制御では、従来手法2に比べて、スイッチング損失が大きくなるものの、直流電源Gと交流負荷Load又は交流系統Eとの間で適正な電力の授受を容易に行うことができる。
一方、従来手法2のPWM制御では、図12(b)及び図13(b)に示すように、U相のパルスパターン信号PUとV相のパルスパターン信号PVをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧VUVのスイッチング周波数成分は、U相の電圧指令値SUの基本波形における周波数成分(この例では50Hz)(図12(b)及び図13(b)のα部分参照)に加えて、キャリア波(三角キャリア波CS)の周波数に対する整数倍の周波数(この例では、6kHz,12kHz,18kHz〜)(図12(b)及び図13(b)のβ1,β2,β3〜部分参照)を中心に広い範囲でレベルが大きくなっている。
すなわち、従来手法2のPWM制御によりU相のパルスパターン信号PUとV相のパルスパターン信号PVをもとに、電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧VUVのスイッチング周波数成分は、広範囲に分散している(連続的になっている)。このため、例えば、通常はフィルタを設けることがない三相の交流モータ等の交流負荷Loadに対しては、スイッチング周波数成分による損失が大きくなる。このことは、三相の交流モータ等の交流負荷Loadを低い電圧で駆動するときに特に顕著となる。また、三相の電力系統等の交流系統Eに対しては、カットオフ周波数の低いフィルタFを用いる必要があり、それだけ、フィルタFの大型化かつ高コスト化を招く。従って、従来手法2のPWM制御では、従来手法1に比べて、スイッチング損失を抑制できるものの、直流電源Gと交流負荷Load又は交流系統Eとの間で適正な電力の授受を容易に行うことが困難である。
ここでは、U相とV相との間の線間電圧VUVの周波数成分について説明したが、V相とW相との間の線間電圧,W相とU相との間の線間電圧,VVW,VWUについても同様に説明することができる。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、従来手法1のPWM制御に比べ、スイッチング損失を抑制することができる上、従来手法2のPWM制御に比べ、直流電源と交流負荷又は交流系統との間で適正な電力の授受を容易に行うことができる三相電圧形電力変換器に対するパルスパターン生成構成を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、次のことを見出した。
すなわち、本発明者は、三相ブリッジ接続されたスイッチング素子を含み、かつ、パルス幅変調により得られるパルスパターン信号に基づいて前記スイッチング素子の導通状態と非導通状態とが制御されることにより、直流電源と交流負荷又は交流系統との間で電力の授受を行う三相電圧形電力変換器に対してパルスパターンを生成するパルスパターン生成構成においては、
(a)各相の電圧指令値のうち、全ての相の電圧指令値がキャリア波の値以下となった場合での上アームのスイッチング素子が全て非導通状態となり、かつ、下アームのスイッチング素子が全て導通状態となる回路状態[0]と、各相の電圧指令値のうち、全ての相の電圧指令値がキャリア波の値以上となった場合での上アームのスイッチング素子が全て導通状態となり、かつ、下アームのスイッチング素子が全て非導通状態となる回路状態[7]とでは、回路状態は異なっていても、U相とV相との間の線間電圧、V相とW相との間の線間電圧、W相とU相との間の線間電圧は、何れも0Vとなることから、回路状態[0]のときに回路状態[7]にしても、回路状態[7]のときに回路状態[0]にしても、出力される所定波形(例えば正弦波)の形状は変わらない点、
(b)キャリア波として、急激な立ち上がり部分又は急激な立ち下がり部分を有する鋸波形とされた鋸キャリア波(いわゆるシングルエッジキャリア)を用いると、回路状態[0]と回路状態[7]とが連続する箇所が存在する点、
に着目し、各相の電圧指令値のうち、全ての相の電圧指令値が鋸キャリア波の値以下となった場合でのスイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が鋸キャリア波の値以上となった場合でのスイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させることで、従来手法1のPWM制御に比べて、従来手法2のPWM制御と同様、3分の2に減らせることができ、しかも、従来手法2のPWM制御で発生するような分散したスイッチング周波数成分ではなく、離散的なスイッチング周波数成分にすることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、三相ブリッジ接続されたスイッチング素子を含み、かつ、パルス幅変調により得られるパルスパターン信号に基づいて前記スイッチング素子の導通状態と非導通状態とが制御されることにより、直流電源と交流負荷又は交流系統との間で電力の授受を行う三相電圧形電力変換器に対してパルスパターンを生成するパルスパターン生成構成であって、急激な立ち上がり部分又は急激な立ち下がり部分を有する鋸キャリア波と各相の電圧指令値とを比較して各相のパルスパターン信号を生成し、前記各相の電圧指令値のうち、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以下となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以上となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させることを特徴とするパルスパターン生成構成を提供する。
本発明によれば、前記各相の電圧指令値のうち、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以下となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以上となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させるので、従来手法1のPWM制御に比べて3分の2に減らせることができ、従って、従来手法1のPWM制御に比べ、スイッチング損失を抑制することが可能となる。しかも、従来手法2のPWM制御で発生するような分散したスイッチング周波数成分ではなく、離散的なスイッチング周波数成分にすることができる。従って、従来手法2のPWM制御に比べ、前記直流電源と前記交流負荷又は前記交流系統との間で適正な電力の授受を容易に行うことができる。
本発明において、交流側電流の絶対値が最大となる相のスイッチングが行われないように、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以下となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以上となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させる態様を例示できる。
この特定事項では、交流側電流の絶対値が最大となる相のスイッチングを行わないことで、スイッチング損失を最小限に抑えることができる。
本発明において、前記各相の電圧指令値のうち、中間値の相と交流側電流の絶対値が最大となる相とが同じ場合には、交流側電流の絶対値が中間となる相のスイッチングが行われないように、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以下となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以上となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させる態様を例示できる。
この特定事項では、前記各相の電圧指令値のうち、中間値の相と交流側電流の絶対値が最大となる相とが同じ場合には、交流側電流の絶対値が中間となる相のスイッチングを行わないことで、それだけスイッチング損失を低減させることができる。
以上説明したように、本発明によると、従来手法1のPWM制御に比べ、スイッチング損失を抑制することができる上、従来手法2のPWM制御に比べ、前記直流電源と前記交流負荷又は前記交流系統との間で適正な電力の授受を容易に行うことが可能となる。
図6に示す電力変換器において本発明の第1実施形態に係るスイッチング制御プログラムにより鋸キャリア波によるPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失を説明するため図であって、(a)は、鋸キャリア波と電圧指令値とパルスパターン信号とを鋸キャリア波の1変調周期分よりも少し長めの期間で任意に抜き出した波形を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す鋸キャリア波のPWM制御による電力変換器の回路状態[4][6][7]を示す回路図である。 図6に示す電力変換器において本発明の第2実施形態に係るスイッチング制御プログラムにより鋸キャリア波によるPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失を説明するため図であって、(a)は、鋸キャリア波と電圧指令値とパルスパターン信号とを鋸キャリア波の1変調周期分よりも少し長めの期間で任意に抜き出した波形を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す鋸キャリア波のPWM制御による電力変換器の回路状態[0][4][6]を示す回路図である。 図6に示す電力変換器において鋸キャリア波による通常のPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失を説明するため図であって、(a)は、鋸キャリア波と電圧指令値とパルスパターン信号とを鋸キャリア波の1変調周期分よりも少し長めの期間で任意に抜き出した波形を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す鋸キャリア波のPWM制御による電力変換器の回路状態[0][4][6][7]を示す回路図である。 第1実施形態のPWM制御により各相のパルスパターン信号をもとに、電力変換器が出力する各相間の線間電圧のスイッチング周波数成分を説明するための図であって、(a)は、鋸キャリア波と各相の電圧指令値のうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値との波形を示すグラフの一例であり、(b)は、各線間電圧のうち何れか一つの線間電圧(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の一例を示すグラフである。 第2実施形態のPWM制御により各相のパルスパターン信号をもとに、電力変換器が出力する各相間の線間電圧のスイッチング周波数成分を説明するための図であって、(a)は、鋸キャリア波と各相の電圧指令値のうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値との波形を示すグラフの他の例であり、(b)は、各線間電圧のうち何れか一つの線間電圧(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の他の例を示すグラフである。 三相ブリッジ接続された6個のスイッチング素子を含む三相電圧形電力変換器を用いて電力変換を行う三相電圧形電力変換システムの一例を示す回路図である。 三相電圧形電力変換システムにおいて、従来手法1のPWM制御による電力変換を行うにあたってPWMにより得られるパルスパターン信号に基づいてスイッチング素子の導通状態と非導通状態とが制御される各波形を示すグラフである。 図6に示す電力変換器の回路状態[0]から回路状態[7]を示す回路図であって、(a)〜(h)は、それぞれ、回路状態[0]から回路状態[7]を示す図である。 図6に示す電力変換器において従来手法1のPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失を説明するため図であって、(a)は、三角キャリア波と電圧指令値とパルスパターン信号とを三角キャリア波の1変調周期分よりも少し長めの期間で任意に抜き出した波形を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す従来手法1のPWM制御による電力変換器の回路状態[0][4][6][7]を示す回路図である。 従来手法1のPWM制御により各相のパルスパターン信号をもとに、電力変換器が出力する各相間の線間電圧のスイッチング周波数成分を説明するための図であって、(a)は、三角キャリア波と各相の電圧指令値のうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値との波形の一例を示すグラフであり、(b)は、各線間電圧のうち何れか一つの線間電圧(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の一例を示すグラフである。 従来手法1のPWM制御により各相のパルスパターン信号をもとに、電力変換器が出力する各相間の線間電圧のスイッチング周波数成分を説明するための図であって、(a)は、三角キャリア波と各相の電圧指令値のうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値との波形の他の例を示すグラフであり、(b)は、各線間電圧のうち何れか一つの線間電圧(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の他の例を示すグラフである。 従来手法2のPWM制御により各相のパルスパターン信号をもとに、電力変換器が出力する各相間の線間電圧のスイッチング周波数成分を説明するための図であって、(a)は、三角キャリア波と各相の電圧指令値のうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値との波形の一例を示すグラフであり、(b)は、各線間電圧のうち何れか一つの線間電圧(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の一例を示すグラフである。 従来手法2のPWM制御により各相のパルスパターン信号をもとに、電力変換器が出力する各相間の線間電圧のスイッチング周波数成分を説明するための図であって、(a)は、三角キャリア波と各相の電圧指令値のうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値との波形の他の例を示すグラフであり、(b)は、各線間電圧のうち何れか一つの線間電圧(この例ではU相とV相との間の線間電圧)を周波数解析した結果の他の例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図6に示す三相電圧形電力変換システム10を取り挙げて添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図6に示す三相電圧形電力変換システム10において、制御部12は、本発明の実施の形態に係るスイッチング制御プログラムによって、電力変換器11に対してパルスパターンを生成する構成とされている。
図1及び図2は、それぞれ、図6に示す電力変換器11において本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係るスイッチング制御プログラムにより鋸キャリア波CTによるPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失を説明するため図である。図1(a)及び図2(a)は、鋸キャリア波CTと電圧指令値SU,SV,SWとパルスパターン信号PU,PV,PWとを鋸キャリア波CTの1変調周期T分よりも少し長めの期間で任意に抜き出した波形を示すグラフである。図1(b)及び図2(b)は、それぞれ、図1(a)及び図2(a)に示す鋸キャリア波CTのPWM制御による電力変換器11の回路状態[4][6][7]及び回路状態[0][4][6]を示す回路図である。
また、図3は、図6に示す電力変換器11において鋸キャリア波CTによる通常のPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失を説明するため図である。図3(a)は、鋸キャリア波CTと電圧指令値SU,SV,SWとパルスパターン信号PU,PV,PWとを鋸キャリア波CTの1変調周期T分よりも少し長めの期間で任意に抜き出した波形を示すグラフである。図3(b)は、図3(a)に示す鋸キャリア波CTのPWM制御による電力変換器11の回路状態[0][4][6][7]を示す回路図である。
なお、図1(a)及び図2(a)の電圧指令値SU,SV,SWにおいて示されている破線は、図3に示す鋸キャリア波CTの通常のPWM制御による電圧指令値SU,SV,SWを表している。
以下、鋸キャリア波CTによる図1及び図2に示す第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失について、鋸キャリア波CTによる図3に示す通常のPWM制御を行うに際に発生するスイッチング損失と比較して説明する。
図1から図3に示す例において、制御部12は、ここでは、急激な立ち下がり部分を有する鋸キャリア波CT(いわゆるシングルエッジキャリア)と各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWとを比較して各相のパルスパターン信号を生成する構成とされている。具体的には、鋸キャリア波CTは、1変調周期内の波形を構成する連続した2辺のうち一方の辺のみが傾斜を有する電気パルスとされている。つまり、鋸キャリア波CTは、1変調周期において所定の傾斜をもって直線的に立ち上がった後、垂直に瞬間的に下降する電気パルスである。なお、鋸キャリア波CTは、急激な立ち上がり部分を有する電気パルス、つまり、1変調周期において垂直に瞬間的に立ち上がった後、所定の傾斜をもって直線的に下降する電気パルスであってもよい。
(鋸キャリア波による通常のPWM制御の説明)
図3(a)に示す1変調周期Tでは、1変調周期T内の第1期間T1においてU相、V相、W相の全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがHigh(2進数で「1」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図3(b)の上から4段目の回路状態[7](図8(h)参照)となる。
また、1変調周期T内の第2期間T2においてU相、V相の電圧指令値SU,SVが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっており、W相の電圧指令値SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相、V相のパルスパターン信号PU,PVがHigh(2進数で「1」)となり、W相のパルスパターン信号PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図3(b)の上から3段目の回路状態[6](図8(g)参照)となる。
また、1変調周期T内の第3期間T3においてU相の電圧指令値SUが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっており、V相、W相の電圧指令値SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相のパルスパターン信号PUがHigh(2進数で「1」)となり、V相、W相のパルスパターン信号PV,PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図3(b)の上から2段目の回路状態[4](図8(e)参照)となる。
また、1変調周期T内の第4期間T1においてU相、V相、W相のうち、全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図3(b)の上から1段目の回路状態[0](図8(a)参照)となる。
さらに、次の1変調周期T内の第1期間T1においてU相、V相、W相のうち、全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがHigh(2進数で「1」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図3(b)の上から4段目の回路状態[7](図8(h)参照)となり、これらの動作が繰り返される。
そして、U相、V相、W相のパルスパターン信号PU,PV,PWが一つ前の1変調周期T内の第4期間T4と次の1変調周期T内の第1期間T1との間で非導通状態から導通状態になり(転流回数3回)、次に、W相のパルスパターン信号PWが第1期間T1と第2期間T2との間で導通状態から非導通状態になり(転流回数1回で合計4回)、次に、V相のパルスパターン信号PVが第2期間T2と第3期間T3との間で導通状態から非導通状態になる(転流回数1回で合計5回)。さらに、U相のパルスパターン信号PUが第3期間T3と第4期間T4との間で導通状態から非導通状態になる(転流回数1回で合計6回)。
このように、電力変換器11に対する鋸キャリア波CTによる通常のPWM制御では、転流回数が6回となり、それだけ多くのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)のスイッチング損失となる。
ここでは、任意に抜き出した一つの変調周期について説明したが、他の何れの変調周期についても同様に説明することができる。
(第1実施形態及び第2実施形態の説明)
この点、第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御を行う制御部12は、各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWのうち、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態と、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態とを一致させる構成とされている。
(第1実施形態)
詳しくは、第1実施形態では、制御部12は、図1に示すように、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態(図3の回路状態[0])を、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態(回路状態[7])と一致させる第1スイッチング制御を行う構成とされている。
具体的には、図1(a)に示す1変調周期Tでは、1変調周期T内の第1期間T1においてU相、V相、W相の全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがHigh(2進数で「1」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図1(b)の上から3段目の回路状態[7](図8(h)参照)となる。
また、1変調周期T内の第2期間T2においてU相、V相の電圧指令値SU,SVが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっており、W相の電圧指令値SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相、V相のパルスパターン信号PU,PVがHigh(2進数で「1」)となり、W相のパルスパターン信号PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図1(b)の上から2段目の回路状態[6](図8(g)参照)となる。
また、1変調周期T内の第3期間T3においてU相の電圧指令値SUが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっており、V相、W相の電圧指令値SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相のパルスパターン信号PUがHigh(2進数で「1」)となり、V相、W相のパルスパターン信号PV,PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図1(b)の上から1段目の回路状態[4](図8(e)参照)となる。
そして、1変調周期T内の第4期間T4においてU相、V相、W相の全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっているが、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWをHigh(2進数で「1」)にする。こうすることで、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)を図1(b)の上から3段目の回路状態[7](図8(h)参照)にする。
さらに、次の1変調周期T内の第1期間T1においてU相、V相、W相の全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがHigh(2進数で「1」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の図1(b)の上から3段目の回路状態[7](図8(h)参照)が維持され、これらの動作が繰り返される。
そして、U相、V相、W相のパルスパターン信号PU,PV,PWが隣り合う変調周期T,Tの前後の第4期間T4と第1期間T1との間で転流が発生せず、W相のパルスパターン信号PWが第1期間T1と第2期間T2との間で導通状態から非導通状態になり(転流回数1回)、次に、V相のパルスパターン信号PVが第2期間T2と第3期間T3との間との間で導通状態から非導通状態になり(転流回数1回で合計2回)、次に、V相、W相のパルスパターン信号PV,PWが第3期間T3と第4期間T4との間で非導通状態から導通状態になる(転流回数2回で合計4回)。
このように、電力変換器11に対する第1実施形態のPWM制御では、転流回数が4回となり、スイッチング回数を従来手法1のPWM制御に比べて3分の2に減少させることができ、それだけスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)のスイッチング損失を抑制することができる。
ここでは、任意に抜き出した一つの変調周期について説明したが、他の何れの変調周期についても同様に説明することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、制御部12は、図2に示すように、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態(図3の回路状態[7])を、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態(回路状態[0])と一致させる第2スイッチング制御を行う構成とされている。
具体的には、図2(a)に示す1変調周期Tでは、1変調周期T内の第1期間T1においてU相、V相、W相のうち、全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっているが、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWをLow(2進数で「0」)にする。こうすることで、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の図2(b)の上から1段目の回路状態[0](図8(a)参照)を維持する。
また、1変調周期T内の第2期間T2においてU相、V相の電圧指令値SU,SVが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっており、W相の電圧指令値SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相、V相のパルスパターン信号PU,PVがHigh(2進数で「1」)となり、W相のパルスパターン信号PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図2(b)の上から3段目の回路状態[6](図8(g)参照)となる。
また、1変調周期T内の第3期間T3においてU相の電圧指令値SUが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっており、V相、W相の電圧指令値SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相のパルスパターン信号PUがHigh(2進数で「1」)となり、V相、W相のパルスパターン信号PV,PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図2(b)の上から2段目の回路状態[4](図8(e)参照)となる。
また、1変調周期T内の第4期間T4においてU相、V相、W相のうち、全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも低くなっていることから、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWがLow(2進数で「0」)となる。よって、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)が図2(b)の上から1段目の回路状態[0](図8(a)参照)となる。
さらに、次の1変調周期T内の第1期間T1においてU相、V相、W相のうち、全ての相の電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値よりも高くなっているが、U相、V相、W相の全てのパルスパターン信号PU,PV,PWをLow(2進数で「0」)にする。こうすることで、スイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の図2(b)の上から1段目の回路状態[0](図8(a)参照)を維持し、これらの動作が繰り返される。
そして、U相、V相、W相のパルスパターン信号PU,PV,PWが隣り合う変調周期T,Tの前後の第4期間T4と第1期間T1との間で転流が発生せず、U相、V相のパルスパターン信号PU,PVが第1期間T1と第2期間T2との間で非導通状態から導通状態になり(転流回数2回)、次に、V相のパルスパターン信号PVが第2期間T2と第3期間T3との間で導通状態から非導通状態になり(転流回数1回で合計3回)、次に、U相のパルスパターン信号PUが第3期間T3と第4期間4との間で導通状態から非導通状態になる(転流回数1回で合計4回)。
このように、電力変換器11に対する第2実施形態のPWM制御では、転流回数が4回となり、スイッチング回数を従来手法1のPWM制御に比べて3分の2に減少させることができ、それだけスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)のスイッチング損失を抑制することができる。
ここでは、任意に抜き出した一つの変調周期について説明したが、他の何れの変調周期についても同様に説明することができる。
(交流側電流との関係について)
また、本第1実施形態及び第2実施形態では、制御部12は、交流側電流iU,iV,iWの絶対値|iU|,|iV|,|iW|が最大となる相(図1の例ではU相、図2の例ではW相)のスイッチングが行われないように、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態と、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態とを一致させる構成とされている。
また、本第1実施形態及び第2実施形態では、制御部12は、各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWのうち、中間値の相(図1及び図2の例ではV相)と交流側電流iU,iV,iWの絶対値|iU|,|iV|,|iW|が最大となる相(図1及び図2の例ではV相)とが同じ場合には、交流側電流iU,iV,iWの絶対値|iU|,|iV|,|iW|が中間となる相(2番目に大きい相、図1の例ではU相、図2の例ではW相)のスイッチングが行われないように、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態と、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態とを一致させる構成とされている。
なお、本第1実施形態及び第2実施形態において、交流側電流iU,iV,iWは、図示を省略した電流計にて測定することができる。制御部12は、この電流計の検出結果に基づき交流側電流の絶対値|iU|,|iV|,|iW|を認識することができる。
(スイッチング周波数成分について)
次に、本第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御におけるスイッチング周波数成分について調べたので、図4及び図5を参照しながら以下に説明する。
図4及び図5は、本第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御により各相U,V,Wのパルスパターン信号PU,PV,PWをもとに電力変換器11が出力する各相間の線間電圧のスイッチング周波数成分を説明するための図である。図4(a)及び図5(a)は、それぞれ、鋸キャリア波CTと各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWのうち何れか一つの相(この例ではU相)の電圧指令値SUとの波形の一例及び他の例を示すグラフである。図4(b)及び図5(b)は、それぞれ、各線間電圧VUV,VVW,VWUのうち何れか一つの線間電圧(この例ではU相とV相との間の線間電圧VUV)を周波数解析した結果の一例及び他の例を示すグラフである。ここで、図4に示す例と図5に示す例とでは、U相の電圧指令値SUの振幅のみが異なっている。すなわち、図4に示すU相の電圧指令値SUの振幅は図5に示すU相の電圧指令値SUの振幅よりも大きくなっている。
本第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御では、図4(b)及び図5(b)に示すように、U相のパルスパターン信号PUとV相のパルスパターン信号PVをもとに電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧VUVのスイッチング周波数成分は、U相の電圧指令値SUの基本波形における周波数成分(この例では50Hz)(図4(b)及び図5(b)のα部分参照)に加えて、キャリア波(鋸キャリア波CT)の周波数に対する整数倍の周波数(この例では6kHz,12kHz,18kHz〜)(図4(b)及び図4(b)のβ1,β2,β3〜部分参照)を中心に狭い範囲でレベルが大きくなっている。
すなわち、本第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御によりU相のパルスパターン信号PUとV相のパルスパターン信号PVをもとに電力変換器11が出力するU相とV相との間の線間電圧VUVのスイッチング周波数成分は、従来手法2のPWM制御(図12(b)及び図13(b)参照)に比べ分散が大幅に抑えられ、従来手法1のPWM制御(図10(b)及び図11(b)参照)と同様に、離散的になっている。このため、例えば、通常はフィルタを設けることがない三相の交流モータ等の交流負荷Loadに対しては、従来手法2のPWM制御に比べ、損失を小さくすることができる。このことは、三相の交流モータ等の交流負荷Loadを低い電圧で駆動するときに特に有利となる。また、三相の電力系統等の交流系統Eに対しては、従来手法2のPWM制御に比べ、不要な周波数成分をカットし易くすることができる。
なお、本第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御では、キャリア波の周波数に対する整数倍の周波数でのレベルが、従来手法1のPWM制御による値(例えば図11(b)のβ1でのレベル0.15程度)に比べ、高い値(図5(b)のβ1でのレベル0.3程度)になっているものの、次のような利点がある。すなわち、従来手法1のPWM制御と本第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御とでキャリア波が同一周波数であれば、キャリア波の周波数に対する整数倍の周波数でレベルが従来手法1のPWM制御に比べ高い分、三相の電力系統等の交流系統Eにおいて、使用するフィルタFのカットオフ周波数が低くなるものの、スイッチング回数が従来手法1のPWM制御に比べ3分の2に減少させることができることから、その分キャリア波の周波数を高周波数化することができる。これにより、キャリア波の周波数の高周波数化によりスイッチング回数がその分増えたとしても、従来手法1のPWM制御で使用するようなカットオフ周波数の高いフィルタFを用いることができる。つまり、本第1実施形態及び第2実施形態のPWM制御では、従来手法1のPWM制御と比較した場合に、スイッチング回数の低下(ひいてはスイッチング損失の低下)を優先してカットオフ周波数の低いフィルタF(ひいてはフィルタFの大型化かつ高コスト化)を選択するか、或いは、スイッチング回数の増加(ひいてはスイッチング損失の増加)を犠牲にしてカットオフ周波数の高いフィルタF(ひいてはフィルタFの小型化かつ低コスト化)を選択するかというように、設計の自由度を向上させることが可能となる。
ここでは、U相とV相との間の線間電圧VUVの周波数成分について説明したが、V相とW相との間の線間電圧VVW、W相とU相との間の線間電圧VWUのパルスパターン信号PV,PWについても同様に説明することができる。
(第1実施形態及び第2実施形態について)
以上説明したように、本第1実施形態及び第2実施形態によると、各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWのうち、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態と、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態とを一致させることで、従来手法1のPWM制御に比べて3分の2に減らせることができ、従って、従来手法1のPWM制御に比べ、スイッチング損失を抑制することが可能となる。しかも、従来手法2のPWM制御で発生するような分散したスイッチング周波数成分ではなく、離散的なスイッチング周波数成分にすることができる。従って、従来手法2のPWM制御に比べ、直流電源Gと交流負荷Load又は交流系統Eとの間で適正な電力の授受を容易に行うことができる。
また、本第1実施形態及び第2実施形態では、交流側電流iU,iV,iWの絶対値|iU|,|iV|,|iW|が最大となる相のスイッチングが行われないように、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態と、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態とを一致させることにより、スイッチング損失を最小限に抑えることができる。
また、本第1実施形態及び第2実施形態では、各相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWのうち、中間値の相と交流側電流iU,iV,iWの絶対値|iU|,|iV|,|iW|が最大となる相とが同じ場合には、交流側電流の絶対値が中間となる相のスイッチングが行われないように、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以下となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態と、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWが鋸キャリア波CTの値以上となった場合でのスイッチング素子(UP,UN),(VP,VN),(WP,WN)の導通・非導通状態とを一致させることにより、それだけスイッチング損失を低減させることができる。
なお、本第1実施形態及び第2実施形態のパルスパターン生成構成は、電力変換器11を三相電圧形インバータとして利用する場合に適用したが、三相電圧形コンバータとして利用する場合に適用してもよい。
また、本第1実施形態及び第2実施形態のパルスパターン生成構成では、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWとして正弦波を例示したが、正弦波に限定されるものではない。
また、本第1実施形態及び第2実施形態のパルスパターン生成構成において、全ての相U,V,Wの電圧指令値SU,SV,SWに共通の成分を重畳して直流電圧の利用率向上を実現することも可能である。
10 三相電圧形電力変換システム
11 三相電圧形電力変換器
12 制御部
CS 三角キャリア波
CT 鋸キャリア波
PV パルスパターン信号
PU パルスパターン信号
PW パルスパターン信号
SU 電圧指令値
SV 電圧指令値
SW 電圧指令値
P スイッチング素子
N スイッチング素子
P スイッチング素子
N スイッチング素子
P スイッチング素子
N スイッチング素子
U 交流側電流
V 交流側電流
W 交流側電流

Claims (3)

  1. 三相ブリッジ接続されたスイッチング素子を含み、かつ、パルス幅変調により得られるパルスパターン信号に基づいて前記スイッチング素子の導通状態と非導通状態とが制御されることにより、直流電源と交流負荷又は交流系統との間で電力の授受を行う三相電圧形電力変換器に対してパルスパターンを生成するパルスパターン生成構成であって、
    急激な立ち上がり部分又は急激な立ち下がり部分を有する鋸波形とされた鋸キャリア波と各相の電圧指令値とを比較して各相のパルスパターン信号を生成し、
    前記各相の電圧指令値のうち、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以下となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以上となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させることを特徴とするパルスパターン生成構成。
  2. 請求項1に記載のパルスパターン生成構成であって、
    交流側電流の絶対値が最大となる相のスイッチングが行われないように、前記各相の電圧指令値のうち、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以下となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以上となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させることを特徴とするパルスパターン生成構成。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のパルスパターン生成構成であって、
    前記各相の電圧指令値のうち、中間値の相と交流側電流の絶対値が最大となる相とが同じ場合には、交流側電流の絶対値が中間となる相のスイッチングが行われないように、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以下となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態と、全ての相の電圧指令値が前記鋸キャリア波の値以上となった場合での前記スイッチング素子の導通・非導通状態とを一致させることを特徴とするパルスパターン生成構成。
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