JP2013191281A - 燃料電池システムおよびこれの故障診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】システム異常の判定をできるだけ早期に且つ精度良く行うのに有利な燃料電池システムが提供される。
【解決手段】制御部は、スタックの発電運転を実行した後、発電運転を停止させ、発電運転の停止時において異常判定処理を実行する。異常判定処理において、スタック12のカソード11にカソードガスが存在する状態において、スタック12のアノード10に供給させる燃料ガスの単位時間あたりの流量を異常判定処理前よりも低減させると共に、開放回路電圧検知要素125によりスタック12のOCVを検知し、検知されたOCVが許容電圧値よりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、および/または、検知されたOCVが許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、制御部100はシステム異常と判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムおよびこれの故障診断方法に関する。
特許文献1は、スタックの温度、電圧、電流を検知してスタック毎の発電性能の差を算出する燃料電池システムを開示する。このものによれば、スタックの発電性能が許容以下まで低下した場合にシステム故障と診断する。
特許文献2は、SOFCからなる燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールの開放回路電圧値を測定する電圧センサとを有する燃料電池システムを開示する。このものによれば、システムの起動段階において、開放回路電圧(OCV)がしきい値よりも低いとき、制御部は発電異常と判定する。特許文献3は、水素吸蔵合金で形成された水素タンクと、スタックの電位を検知するセンサとを備えており、スタックの開放回路電圧(OCV)に基づいて、配管等からの水素の漏れを検知する携帯用の燃料電池システムを開示する。燃料原料から水素を生成させる改質器は設けられていない。
特開2007-250287号公報 特開2011-170983号公報 特開2008-293754号公報
特許文献1によれば、起動または発電中にスタックの発電性能を算出しているが、発電性能は運転環境でばらついたり、初期とその後とでもばらついたりする。このためシステム故障の判定するにあたり、ばらつきが大きく、判定精度が必ずしも充分ではない。
特許文献2によれば、燃料電池モジュールの開放回路電圧(OCV)は発電運転中の電圧値と異なり、外乱要因が少ない。このように開放回路電圧値が判定パラメータとされているため、判定精度が高められている。しかしながら特許文献2によれば、制御部は、起動段階では、改質器およびスタックを加熱させて暖機させているため、改質器およびスタックの温度は低めである。且つ、同一条件で改質器およびスタックを加熱暖機させたとしても、改質器およびスタックの温度は安定していない。このためシステム異常と判定するにあたり、判定精度が必ずしも充分ではない。更に、システムの起動段階では、改質器で生成された水素ガスで形成されたアノードガスの水素濃度も必ずしも充分に安定していない。このため、水素ガスで形成されたアノードガスがスタックのアノードに供給されるものの、スタックのアノードには他のガス成分が存在する可能性があり、起動段階ではアノードの電位の安定度は必ずしも充分ではない。このため、アノード電位とカソード電位との差であるOCVの高低に基づいてシステム異常が判定されるとしても、その判定精度の向上には限界がある。
特許文献3では、OCVに基づいて異常を検知するものの、水素タンクに貯蔵されている水素量が減少した場合には、システムの配管等が正常であっても、システム異常と判定されるおそれがある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、システム異常の判定をできるだけ早期に且つ精度良く行うのに有利な燃料電池システムを提供することを課題とする。
(1)様相1に係る燃料電池システムは、アノードおよびカソードをもつ燃料電池のスタックと、燃料ガスをスタックのアノードに供給させる燃料通路と、カソードガスをスタックのカソードに供給させるカソードガス通路と、スタックの開放回路電圧を直接または間接的に検知する開放回路電圧検知要素と、制御部とを具備しており、制御部は、スタックの発電運転を実行した後、発電運転を停止させ、発電運転の停止時において異常判定処理を実行し、異常判定処理において、スタックのカソードにカソードガスが存在する状態において、スタックのアノードに供給させる燃料ガスの単位時間あたりの流量を異常判定処理前よりも低減させると共に、開放回路電圧検知要素によりスタックの開放回路電圧を検知し、検知された開放回路電圧が許容電圧値よりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、および/または、検知された開放回路電圧が許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、制御部は、システム異常と判定する。
開放回路電圧(以下、OCVともいう)とは、外部に負荷をかけていない状態(アノードとカソード間に電流を流していない状態)の燃料電池のスタックの電圧をいい、外部に電力負荷をかけていない状態におけるカソード(酸化剤極)とアノード(燃料極)との間の電位差をいう。スタックのカソードにカソードガスが存在する状態において、システム異常判定処理は実行される。この場合、酸素を含むカソードガスがカソードに存在しているため、カソードの電位が酸素の電極電位として安定し、OCVの検知精度が確保される。
本様相によれば、スタックのアノードに供給させる燃料ガスの単位時間あたりの流量を異常判定処理前よりも低減させると共に、開放回路電圧検知要素によりスタックの開放回路電圧を検知する。アノードガスは、水素リッチな水素含有ガス、水素ガスとされるため、アノードの電位は水素の電極電位(0ボルト)となる。発電運転時のスタックの電位は外乱要因が多く、OCVに比較して安定性は充分ではない。
即ち、発電運転時のスタックの電位は、運転環境、電力負荷、運転条件等の影響を受け易く、OCVに比較して安定性は充分ではない。この点本様相によれば、OCVに基づけば、アノードとカソード間の電流は遮断されており、OCVの安定性は高く、システム異常を精度よく判定できるため、システム異常の判定精度を向上させることができる。しかもOCVの差が小さい場合であっても、判定できるため、システム異常を信頼性良くできるだけ早期に検知することができる。
システムの起動段階で検知したOCVに基づいてシステム異常を判定することも考えられる。しかしながらスタックの温度はOCVの値に影響を与える。電解質膜のイオン伝導性、アノード、カソード、他の導電部の導電性に温度が影響を与えるためと推察される。システムの起動段階では、スタックを加熱させて暖機させているため、スタックの温度は安定していない。また、スタックの他に改質器が設けられているシステムでは、改質器およびスタックの双方を加熱させて暖機させているため、改質器およびスタックの温度は安定していない。システムの起動段階では、仮に同一条件で改質器およびスタックを加熱暖機させたとしても、改質器およびスタックの温度は安定していない。このためシステム異常と判定するにあたり、判定精度が必ずしも充分ではない。更に、システムの起動段階では、改質器で生成された水素ガスで形成されたアノードガスの水素濃度も必ずしも充分に安定していない。このため、水素ガスで形成されたアノードガスがスタックのアノードに供給されるものの、スタックのアノードには他のガス成分が存在する可能性があり、アノードの電位の安定度は必ずしも充分ではない。
この点について本様相によれば、異常判定処理はシステムの起動段階ではなく、スタックの発電運転を実行し、その後、発電運転を停止させ、その停止時において実行される。このためスタックの温度は適度な高温状態において安定している。スタックの他に改質器が設けられているシステムの場合、起動運転時に比較して、改質器およびスタックの温度は適度な高温状態において安定している。この結果、OCVの安定性は高く、システム異常を精度よく判定できるため、システム異常の判定精度を向上させることができる。しかもOCVの差が小さい場合であっても、判定できるため、システム異常を信頼性良くできるだけ早期に検知することができる。
なお、上記した第1規定時間β1はシステムの種類、スタックの種類および材質、設置場所等に応じて適宜選択され、具体的には3秒、10秒、60秒、80秒等を例示できる。但しこれに限定されるものではない。第1規定時間β1が過剰に短いと、システム異常を検知し難い。第1規定時間β1が過剰に長いと、異常判定処理のためにシステム異常が長い時間にわたり継続されるので、好ましくない。
(2)様相2に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、異常判定処理前においてスタックの発電運転の運転時間が前回の異常判定処理またはシステム設置時期から第2規定時間β2(β2>β1)以上継続している条件のもとで、制御部は、異常判定処理を実行し、第2規定時間β2未満のとき異常判定処理を実行しない。前述したように、OCVはスタックの温度の影響を受けて変動する。スタックの温度が過剰に低温であると、スタックの温度の影響を受けてOCVの判定の信頼性は必ずしも充分ではない。ここで、スタックの発電運転の運転時間が第2規定時間β2以上継続していれば、スタックの温度はOCV判定に適する適度な高温状態で安定していると考えられ、OCVの判定の信頼性は向上する。なお、第2規定時間β2はシステムの種類、スタックの種類および材質、設置場所等に応じて適宜選択され、0.5時間以上、1時間以上、3時間以上等を例示できる。但しこれに限定されるものではない。
(3)様相3に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、スタックのアノードとカソードとを繋ぐ通電経路にはスイッチング素子が設けられており、制御部は、異常判定処理を実行するときスイッチング素子をオフとさせる。アノードとカソード間において電流が流れないため、OCVは確実に検知され、OCVの判定の信頼性は向上する。停止指令が出力された後に、第3規定時間βset以内にスイッチング素子をオフとさせ、異常判定処理を実行することが好ましい。第3規定時間βset以内であれば、発電運転の停止直後である。このため、水素がアノードに存在し易く、カソードガスがカソードに存在し易い。結果としてOCVの判定の精度が確保され易く、更にスタックの温度も高温状態で安定している。第3規定時間βsetの下限値は、0秒(1 msec以下)を例示でき、上限値は30分を例示できる。
(4)様相4に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、スタックの発電運転時の温度は200℃以上であり、制御部は、スタックの温度またはスタック付近の温度が第1規定温度以上のとき異常判定処理を実行し、スタックの温度が第1規定温度未満のとき異常判定処理を実行しない。なおOCVはスタックの温度の影響を受けて変動する。スタックの温度が過剰に低温であると、スタックの温度の影響を受けてOCVの判定の信頼性は必ずしも充分ではない。ここで、スタックの発電運転の運転時間が第2規定時間β2以上継続していれば、スタックは適度な高温状態で安定していると考えられ、OCVの判定の信頼性は向上する。なお、第2規定時間β2は、スタックの温度が安定できるように、システムの種類、スタックの種類および材質、設置場所等に応じて適宜選択され、0.5時間以上、1時間以上、3時間以上等を例示できる。なお、スタックの発電運転時の温度は300℃以上、400℃以上にでき、1200℃以下にできる。
(5)様相5に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、スタックの温度を直接または間接的に検知する温度検知要素と、スタックの温度の高低に応じてそれぞれ設定された複数の許容電圧値を格納する記憶要素とを具備しており、制御部は、異常判定処理おいて、温度検知要素に基づいてスタックの温度を検知し、スタックの温度に対応する許容電圧値を記憶要素から選択し、開放回路電圧検知要素により検知されたスタックの開放回路電圧が、選択された許容電圧値よりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、および/または、検知された開放回路電圧が許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、制御部は、システム異常と判定する。
(6)様相6に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、更に、異常判定処理における開放回路電圧の変動と経過時間との関係を表示する表示部を具備する。メンテナンス者やユーザは、開放回路電圧の変動と経過時間との関係を認識でき、メンテナンスや修理に貢献できる。OCVの変動量の絶対値、OCVの変動量と経過時間との関係は、システム異常の種類の認識に貢献できる。この場合、システム異常の程度、ハンチングが発生していることについて、メンテナンス者やユーザは認識し易い。
(7)様相7に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、制御部は、発電運転中において、ユーザまたはユーザ機器からの電力要請が規定電力値よりも少ない条件の下で、発電運転を停止させて異常判定処理を実行する。電力要請が規定電力値よりも少ないときには、アノードに供給するアノードガスの流量は少ない。改質器およびスタックの双方が設けられているシステムの場合には、改質器に供給させる燃料原料の流量は少なく、ひいては、スタックのアノードに供給するアノードガスの流量は少ない。異常判定処理においては、スタックのアノードに供給させる燃料ガスの単位時間あたりの流量を異常判定処理前よりも低減させるため、スタックの発電運転から異常判定処理に移行させ易い。このため、スタックの発電運転の停止指令の時刻から速やかに異常判定処理に移行させ易い。
(8)様相8に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、異常判定処理において、検知された開放回路電圧が許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、制御部は、システム異常の要因が燃料電池システムの電気系統の絶縁不良と推定し、その旨を報知する。
(9)様相9に係る燃料電池システムの故障診断方法は、アノードおよびカソードをもつ燃料電池のスタックと、燃料ガスをスタックのアノードに供給させる燃料通路と、カソードガスをスタックのカソードに供給させるカソードガス通路と、スタックの開放回路電圧を直接または間接的に検知する開放回路電圧検知要素とを具備する燃料電池システムの故障診断方法であって、
スタックの発電運転を連続的に第2規定時間以上実行する工程と、その後、発電運転を停止させ、発電運転の停止時において異常判定処理を実行する工程とを順に実施し、
異常判定処理において、スタックのカソードにカソードガスが存在する状態において、スタックのアノードに供給させる燃料ガスの単位時間あたりの流量を異常判定処理前よりも低減させると共に、開放回路電圧検知要素によりスタックの開放回路電圧を検知し、検知された開放回路電圧が許容電圧値よりも低い状態が第1規定時間以上継続されるとき、および/または、検知された開放回路電圧が許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、システム異常と判定する。本様相によれば、様相1の場合と同様の作用が得られる。
以上説明したように本発明によれば、異常判定処理はシステムの起動段階ではなく、スタックの発電運転の停止時において実行されるため、スタックの温度は適度な高温状態において安定している。スタックの他に改質器が設けられているシステムの場合、起動運転時に比較して、改質器およびスタックの温度は適度な高温状態において安定している。この結果、OCVの安定性は高く、システム異常を精度よく判定できるため、システム異常の判定精度を向上させることができる。しかもOCVの差が小さい場合であっても、判定できるため、システム異常を信頼性良くできるだけ早期に検知することができる。
実施形態1に係り、燃料電池システムの概念を示すブロック図である。 実施形態1に係り、燃料電池システムが正常であるとき、発電運転を停止したときにおける各情報の変化を示すグラフである。 実施形態1に係り、燃料電池システムに異常が発生しているとき、発電運転を停止したときにおける各情報の変化を示すグラフである。 実施形態1に係り、燃料電池システムに異常が発生しているとき、発電運転を停止したときにおける各情報の変化を示すグラフである。 実施形態5に係り、制御部が実行する制御の一例を示すフローチャートである。 実施形態6に係り、メモリに格納されている情報の一例を示す図である。 実施形態6に係り、制御部が実行する制御の一例を示すフローチャートである。 適用形態1に係り、燃料電池システムを示す図である。
開放回路電圧検知要素は、スタックの開放回路電圧を直接または間接的に検知する。間接的にとは、他のパラメータを介してOCVを検知するという意味である。本発明の一形態によれば、異常判定処理は発電運転の停止直後に行うことが好ましい。異常判定処理において、燃料電池のカソードにカソードガス(空気等の酸素含有ガス)を供給しつつ実行することができる。この場合、燃料電池のカソードは酸素濃度が高くなり、スタックのカソードの電位を酸素の標準電極電位(+1.229V vs.SHE)に近づけて高くできると考えられる。このためカソードとアノードとの電位差が増加し、OCVが増加し、OCVの検知精度が向上すると考えられる。
(実施形態1)
図1は実施形態1の燃料電池システムに係る概念図を示す。燃料電池システムは定置用であり、アノードガス通路73からアノードガス(水素含有ガス)が供給されるアノード10およびカソードガス通路70からカソードガス(空気等の酸素含有ガス)が供給されるカソード11をもつ固体酸化物形の燃料電池1のスタック12と、給水通路8から供給された液相状の原料水を蒸発させて気相状の水蒸気を生成させる蒸発部2と、純水である原料水を蒸発部2にポンプ80(水搬送源)により搬送させる給水通路8と、蒸発部2で生成された水蒸気を用いて燃料(例えば都市ガス,LPG)を水蒸気改質させてアノードガスを形成する改質部3と、蒸発部2と改質部3を加熱する燃焼部105と、給水通路8に設けられ原料水を蒸発部2に向けて搬送させるポンプ80(水搬送源)と、スタック12からの高温の排ガスを貯湯槽の水と熱交換させる熱交換器76と、ポンプ80,60,71等の機器を制御させる制御部100とを有する。
アノード10側から排出されたアノード排ガス(水素を含む)は、流路103を介して、燃焼部105に供給される。カソード11側から排出されたカソード排ガス(酸素を含む)は、流路104を介して、燃焼部105に供給される。燃焼部105は、アノード排ガスとカソード排ガスとを燃焼させ蒸発部2と改質部3を加熱させる。燃焼部105には燃焼排ガス路75が設けられ、燃焼部105における燃焼後のガスおよび、未燃焼のガスを含む燃焼排ガスが燃焼排ガス路75を介して大気中に放出される。
改質部3および蒸発部2は互いに隣設されているか、あるいは、接近して配置されている。改質部3には、蒸発部2を介して燃料通路6の燃料ポンプ60(燃料搬送源)によりガス状の燃料原料(例えば炭化水素系)が供給される。スタック12を構成する複数の燃料電池1は、直列に電気接続され、電圧が高くされている。スタック12のカソード11には、カソードガス通路70のカソードポンプ71(カソードガス搬送源)によりカソードガス(空気)が供給される。蒸発部2および改質部3を加熱させる燃焼部105が設けられている。断熱壁19は温度維持のために改質部3,蒸発部2,スタック12、燃焼部105等を覆っており、高温となる発電モジュール18を形成している。
発電モジュール18の内部の温度を検知する温度センサ33が設けられている。温度センサ33が検知する温度は、スタック12または改質部3の温度と考えることもできる。従って温度センサ33はスタック12の温度を検知する温度検知要素として機能できる。スタック12のOCVを計測するための電圧センサ125(開放回路電圧検知要素)が設けられている。温度センサ33,電圧センサ125の信号は制御部100に入力される。発電運転のとき発電モジュール18の内部温度、スタック12の温度は、発電モジュール18の構造等にもよるが、例えば400〜850℃、500〜800℃となる。但しこれに限定されるものではなく、場合によっては300〜1200℃の範囲内でも良い。
図1に示すように、スタック12のアノード10とカソード11とを繋ぐ通電経路14には、直流を交流に変換させる電力変換器15(インバータ)およびスイッチング素子16が設けられている。スタック12は電力変換器15を介して電力負荷17および商用電源18(他の電源)に繋がれている。電力変換器15は電力負荷の1種としても機能する。図1に示すように、制御部100には、システム異常をユーザまたはメンテナンス者に報知させるための警報器102および表示部107が設けられている。但し、システム異常のとき、システムの運転を停止させるときには、運転停止によりシステム異常を報知できるため、警報器102および表示部107は必ずしも必須ではない。
発電モジュール18で発生した排ガスは燃焼排ガス通路75および熱交換器76を介して外部に放出される。
図2、図3および図4は、スタック12が発電運転しているとき、スタック12の発電運転を停止させる停止指令が時刻t2において出力された場合において、各情報の変化を示す。図2はシステムが正常である形態を示す。図3および図4はシステムに異常が存在する形態を示す。図2〜図4において横軸は時間を示す。時間は時刻t1,t2,t3…の順に進行する。左側の縦軸は発電モジュール18の内部温度(℃)つまりスタック12の温度に相当する。右側の縦軸は、スタック12の電圧(V)、スタック電流を示す。
ここで図2において、VAはスタック12のOCVの正常値を示す。VBは、スタック12のOCVの許容値を示し、システムが正常であるか異常であるかの判定基準となるOCVのしきい値を示す。燃料電池システムの種類および設置場所等に応じて、VBの電圧値は、VAの電圧値×αとして設定できる。αは0.50〜0.95の範囲内、0.60〜0.90の範囲内、殊に0.70〜0.90の範囲内の任意値としてシステムに応じて設定できる。スタック12のOCVがVB以下となる状態が第1規定時間β1以上継続しているとき、制御部100はシステム異常と判定する。スタック12のOCVがVB以下となる状態が第1規定時間β1以上継続しない場合には、制御部100はシステム正常と判定する。第1規定時間β1としては、3秒、10秒、60秒、80秒などを例示できる。但しこれに限定されるものではない。
図2において、特性線KLは改質部3に供給される燃料原料の単位時間あたりの流量を示す。以下、本明細書では、特に断らない限り、流量は単位時間あたりの流量を意味する。特性線KVはスタック12の電圧を示す。特性線KAはスタック電流を示す。特性線KTはスタック12の温度を示す。以下、システムが正常な場合について説明する。
システムが正常である状態を示す図2において、スタック12の発電運転を停止させる停止指令が制御部100から時刻t2において出力される。このように発電運転の停止指令が出力されると、制御部100はポンプ60の出力を低下させる。従って、時刻t2から、特性線KLに示すように、改質部3に供給される燃料原料の流量はV1からV2に低下し、時刻t3、時刻t4、時刻t5を経過し、時刻t6において燃料原料の流量はV2からゼロに低下する。流量V1がスタック12の定格運転に近い状態のときには、例えばV2/V1=0.1〜0.6の範囲内で設定できるが、これに限定されるものではない。同様に、発電運転の停止に伴い、制御部100はポンプ80の出力を低下させ、蒸発部2に供給させる改質水の流量を低下させる。このように改質水の流量も低下するため、蒸発部2で生成される水蒸気の流量が低下し、改質部3で改質反応により生成される水素を含むアノードガスの流量も低下する。図2において時刻t6以降においては、燃料原料の供給が停止されるため、スタック12のアノード10に供給されるアノードガスの流量が低下し、アノード10の電位が水素電極電位(0V)から上昇するため、時刻t6以降においては特性線KVのKVcとして示すように、OCVは次第に低下する。
更に、発電運転の停止指令が時刻t2において出力されると、スイッチング素子16がオンからオフとされるため、特性線KAに示すように、スタック電流はA1からゼロとなる。この場合、スタック12から変換器105への給電が停止される。このようにスイッチング素子16がオンからオフとされるため、OCVを容易に検知可能となる。
このように発電運転の停止指令に伴い、スイッチング素子16がオフとされるため、特性線KVに示すように、時刻t2からスタック12の電圧はやや上昇してOCVを示す。特性線KTに示すように、時刻t1から時刻t2までは、スタック12は発電運転しているため、スタック12は温度Thighに維持されている。しかしながら発電運転の停止指令が出力されたとしても、スタック12を冷却させるべく、制御部100はポンプ71の駆動を継続させるため、カソードガスである空気が発電モジュール18内のスタック12に供給され、スタック12の冷却を促進させる。更に、カソード11に空気(酸素)が存在するため、カソード11の電位の精度が向上する。このため、特性線KTに示すように、時刻t2から、スタック12の温度は温度Thighから次第に低下し、時刻t6において温度T6(図2参照)に低下する。
なお、燃料電池システムの発電運転が停止されたときであっても、発電モジュール18の内部、改質部3およびスタック12が高温で大気雰囲気に晒されると、発電モジュール18の内部の酸化が進行したり、改質部3の触媒および燃料電池1の触媒の劣化が進行するおそれがある。このため発電運転の停止指令が時刻t2において出力されたとしても、発電モジュール18の内部温度が一般的には350〜550℃の範囲内の温度)に低下するまでは、改質部3において水素ガスを積極的に発生させて改質部3およびスタック12の内部を還元性雰囲気(水素含有雰囲気)とさせることが好ましい。このため、発電運転が停止されたとしても、燃料原料および改質水が発電モジュール18に供給され、還元作用をもつ水素ガスを主成分とするアノードガスを少量ではあるが生成させる。
図3はシステムに異常が発生している形態例1の特性を示す。図3に示すように、制御部100は、発電運転の停止指令を時刻t2から出力させるとともに異常判定処理を実行する。図3の特性線KVとして示すように、検知されたOCVは時刻t3からハンチングを発生させている。すなわち特性線KVとして示すように、検知されたOCVが時刻t3から許容電圧値VBに対して規定電圧値以上の下降および上昇を複数回繰り返すハンチングを発生させる。許容電圧値VBに対してΔV1以上下降すること、および、許容電圧値VBに対してΔV2以上上昇することが規定回数n以上繰り返されるとき、制御部はハンチングと判定する。このようにハンチングが発生するとき、制御部100は、システム異常と判定し、警報器102に報知すると共に表示部107にその旨を表示する。
更に、図3の特性線KVとして示すように、検知されたOCVは時刻t4から許容電圧値VBよりも低くなる。時刻t4から第1規定時間β1はカウントされる。OCVがハンチングし且つ許容電圧値VBよりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、制御部100は、システム異常と判定し、警報器102に報知すると共に表示部107にその旨を表示する。表示部107は、異常判定処理におけるOCVの変動と経過時間との関係を表示することが好ましい。このような関係は、メンテナンス者等がシステム異常の要因を識別させるにあたり有利となる。
図4はシステムに異常が発生している形態例2の特性を示す。図4に示すように、制御部100は、時刻t2から発電運転の停止指令を出力させるとともに異常判定処理を実行する。図4の特性線KVとして示すように、OCVが時刻t4から許容電圧値VBよりも低くなっている。時刻t4から第1規定時間β1はカウントされる。このようにOCVが許容電圧値VBよりも低い状態が第1規定時間β1以上連続して継続されるときには、制御部100は、システム異常と判定し、警報器102に報知すると共に表示部107にその旨を表示する。OCVが許容電圧値VBよりも低くなるものの、第1規定時間β1以上連続して継続されないときには、制御部100は、システム異常と判定せず、警報器102に報知すると共に表示部107にその旨を表示する。
なお本実施形態によれば、燃料がメタン系である場合には、水蒸気改質による水素含有ガス(アノードガス)の生成は、次の(1)式に基づくと考えられている。但し燃料はメタン系に限定されるものではない。
(1)…CH+2HO→4H+CO
CH+HO→3H+CO
以上説明したように本実施形態によれば、スタック12の発電運転が継続されているとき、発電運転を停止させる停止指令が出力されると、スタック12の発電運転の停止指令と共に制御部100は異常判定処理を速やかに実行する。この場合、ユーザまたはメンテナンス者から指示により、スタック12の発電運転を停止させて異常判定処理を実行しても良いし、あるいは、制御部100が有するタイマー機能により、制御部100がスタック12の発電運転を自動的に停止させて異常判定処理を実行しても良い。
異常判定処理において、スタック12のカソード11にカソードガスが存在する状態において、つまり、ポンプ71により空気をカソード11に強制的に供給させている状態において、スタック12のアノード10に供給させる燃料原料の流量を異常判定処理前よりも低減させる。そして、電圧センサ125によりスタック12のOCVを検知し、検知されたOCVが許容電圧値VBよりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、および/または、検知されたOCVが許容電圧値VBに対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、制御部100は、システム異常と判定する。このように異常判定処理前においてスタック12の発電運転が、前回の異常判定処理から第2規定時間β2以上連続して継続されているため、スタック12の温度はOCVの検知に適する温度領域となっており、制御部100は異常判定処理を実行する。
また、スタック12の発電運転の停止直後であれば、改質部3やアノードガス通路73(燃料通路の一部)には水素ガスが残留していると考えられる。殊に、改質部3が多孔質のセラミックス担体を有する場合には、セラミックス担体に水素が残留していると考えられる。このように改質部3に残留する水素を発電運転の停止直後にアノード10に供給できる。発電停止直後であっても、ポンプ60,80を駆動させて原料水および燃料原料を蒸発部2および改質部3に供給させているため、改質部3において水素が生成されるためである。このため、発電停止直後であっても、アノード10の電位を水素の電極電位(0ボルト)に維持させ易く、発電運転の停止直後にOCVの精度を確保させ易いと考えられる。
この点について本実施形態によれば、スタック12の発電運転を強制的に停止させる指令をシステムに出力させた時刻t2から直ちに(規定時間βset以内に)スイッチング素子16を速やかにオフにさせ、異常判定処理を実行することが好ましい。規定時間βsetとしては5秒、10秒、30秒、場合によっては60秒にできる。但し、場合によっては、スタックの発電運転を強制的に停止させる指令をシステムに出力させた時刻から規定時間βset経過後に、異常判定処理を開始させることにしても良い。
上記したように本実施形態によれば、スタック12のカソード11にカソードガスが存在する状態においてシステム異常判定処理は実行される。この場合、酸素を含むカソードガスがカソード11に存在するため、カソード11の電位が酸素の電極電位として安定し、OCVの検知精度が確保される。
本実施形態によれば、改質部3に供給される燃料原料を異常判定処理前よりも低減させ、スタック12のアノード10に供給させるアノードガスの流量を異常判定処理前よりも低減させると共に、スタック12のOCVを検知する。アノードガスは、水素リッチな水素含有ガスまたは水素ガスであるため、アノード10の電位は水素の電極電位(0ボルト)となる。ここで、発電運転時のスタック12の電位は外乱要因が多く、OCVに比較して安定性は充分ではない。即ち、発電運転時のスタック12の電位は運転環境および運転条件等の影響を受け易く、OCVに比較して安定性は充分ではない。この点本実施形態によれば、OCVが利用されるため、OCVは運転環境および運転条件等の影響を受け難く、OCVの安定性は高い。このためシステム異常を精度よく判定でき、システム異常の判定精度を向上させることができる。しかもOCVの差が小さい場合であっても、判定できるため、システム異常を信頼性良くできるだけ早期に検知することができる。
ところで、システムの起動段階で検知したOCVに基づいてシステム異常を判定することも考えられる。しかしながら、システムの起動段階では、スタック12および改質部3の双方を加熱させて暖機させているため、スタック12および改質部3の温度は安定しておらず、システム異常と判定するにあたり、判定精度が必ずしも充分ではない。更に、システムの起動段階では、改質部3で生成燃料原料を改質させて形成されたアノードガスの水素濃度も必ずしも充分に安定していない。このため、起動段階では、アノードガスがスタック12のアノード10に供給されるものの、スタック12のアノード10には他のガス成分が存在する可能性があり、アノード10の電位の安定度、ひいてはOCVの安定度は必ずしも充分ではない。
この点について本実施形態によれば、異常判定処理は起動時ではなく、スタック12の連続的な発電運転の停止時において実行されるため、起動段階に比較してスタック12の温度は適度な高温状態で安定している。この結果、OCVの安定性は高く、システム異常を精度よく判定できるため、システム異常の判定精度を向上させることができる。しかもOCVの差が小さい場合であっても、判定できるため、システム異常を信頼性良くできるだけ早期に検知することができる。
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施形態によれば、異常判定処理前においてスタック12の発電運転の連続的な運転時間が第2規定時間β2以上継続しているとき、制御部100は判定可能フラグを立てる。連続的な運転時間が第2規定時間β2未満であるとき、制御部100は判定可能フラグを立てない。判定可能フラグが立てられているときにはスタック12の温度はOCV判定に適する温度であり、スタック12の温度は安定しており、OCV判定の精度が高いと考えられる。そこで本実施形態によれば、判定可能フラグが立てられているとき、制御部100は、自身のタイマー機能により、定期的にまたは不定期的に、異常判定処理を開始するか判定する。開始するときには、制御部100は異常判定処理を自動的に実行する。
これに対して、運転時間が第2規定時間β2未満のときには、スタック12の温度の安定性が必ずしも充分ではないため、制御部100は異常判定処理を実行しない。なお、判定可能フラグが立てられている条件のもとで、ユーザまたはメンテナンス者等の指示により、制御部100は異常判定処理を実行することにしても良い。なお本実施形態を実施形態1等の他の実施形態と組み合わせても良い。
(実施形態3)
本実施形態は上記実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施形態によれば、異常判定処理前においてスタック12の発電運転の連続的な運転時間が第2規定時間β2以上継続している条件のもとで、制御部100のタイマー機能などにより、異常判定処理を開始させる指令が制御部100等により出力されるとき、制御部100は、温度センサ33によりスタック12の温度を検知する。異常判定処理を開始させる前に、スタック12の温度が第1規定温度Tset以上のとき、スタック12の温度は適度に安定していると判定されるため、制御部100は異常判定処理を実行する。これに対して、スタック12の温度が第1規定温度Tset未満のとき、スタック12の温度が過剰に低温であるため、制御部100は異常判定処理を実行しない。なお、ユーザまたはメンテナンス者等の指示により、制御部100は異常判定処理を実行することにしても良い。本実施形態を実施形態1等の他の実施形態と組み合わせても良い。
(実施形態4)
本実施形態は上記実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施形態によれば、本実施形態によれば、異常判定処理前においてスタック12の発電運転の連続的な運転時間が第2規定時間β2以上継続している条件のもとで、異常判定処理を開始させる指令が制御部100により出力されるとき、制御部100は、温度センサ33によりスタック12の温度を検知する。
スタック12の温度が第1規定温度Tset以上で且つ第2規定温度Tmax未満(Tmax>Tset)のとき、スタック12の温度は安定していると判定し、制御部100は異常判定処理を実行する。これに対して、スタック12の温度が第1規定温度Tset未満のとき、スタック12が低温であるため、制御部100は異常判定処理を実行しない。スタック12の温度が第2規定温度Tmax以上のとき、スタック12がオーバヒートしているため、制御部100は異常判定処理を実行しない。なお、ユーザまたはメンテナンス者等の指示により制御部100は異常判定処理を実行することにしても良い。本実施形態を実施形態1等の他の実施形態と組み合わせても良い。
(実施形態5)
図5は実施形態5に係る制御則のフローチャートを示す。フローチャートはこれに限定されるものではなく、適宜変更できる。本実施形態は上記実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施形態によれば、制御部100は、前回の異常判定処理から、または異常判定処理が始めての場合にはシステム設置時刻から、連続している運転時間を読み込む(ステップS102)。異常判定処理前においてスタック12の発電運転の連続的な運転時間が第2規定時間β2以上継続しているか否かを、制御部100は判定する(ステップS104)。運転時間が第2規定時間β2以上継続していないとき(ステップS104のNO)、制御部100はメインルーチンにリターンする。
連続的な運転時間が第2規定時間β2以上継続していれば(ステップS104のYES)、制御部100は、温度センサ33によりスタック12の温度を読み込む(ステップS106)。スタック12の温度が第1規定温度Tset以上か否かを、制御部100は判定する(ステップS108)。スタック12の温度が第1規定温度Tset以上であれば(ステップS108のYES)、スタック12の温度が第2規定温度Tmax(Tset<Tmax)未満か否かを、制御部100は判定する(ステップS110)。スタック12の温度が第1規定温度Tset以上で且つ第2規定温度Tmax未満であれば(ステップS110のYES)、スタック12の温度は異常判定処理の適温領域であるため、制御部100は判定可能フラグを立てる(ステップS112)。判定可能フラグが立てられているとき、スタック12の温度はOCV判定に適する温度であり、スタック12の温度が安定していると考えられる。
そこで本実施形態によれば、判定可能フラグが立てられているとき、異常判定処理を開始させる指令が出力されているか否かを、制御部100は判定する(ステップS114)。異常判定処理を開始させる指令が出力されているとき(ステップS114のYES)、制御部100は異常判定処理を実行する(ステップS116)。指令については、制御部100,ユーザ、メンテナンス者等が出力できる。
異常判定処理では、(i)スイッチング素子16をオフさせてアノード10とカソード11間を断電させる操作、(ii)ポンプ60の出力を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させ、改質部3に供給させる燃料原料の流量を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させる操作、(iii)ポンプ80の出力を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させ、蒸発部2に供給させる改質水の流量を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させる操作を、制御部100は行う(ステップS116)。
スタック12の発電運転の運転時間が第2規定時間β2以上継続していたとしても、スタック12の温度が第1規定温度Tset未満のときには(ステップS108のNO)、スタック12の温度が第2規定温度Tmax以上のときには(ステップS110のNO)、または、開始指令が出力されないときには(ステップS114のNO)、制御部100は異常判定処理を実行しない。
異常判定処理においてシステム異常が発生していると判定されるときには(ステップS118のYES)、ハンチングが発生しているかを制御部100は判定し(ステップS120)、ハンチングが発生していれば(ステップS120のYES)、ハンチングが発生していることを示すため、ハンチングフラグを立て(ステップS122)、ハンチングが発生していなければ、ハンチングフラグを立てない(ステップS120のNO)。
次に、制御部100は、検知されたシステム異常が軽微か否かを判定する(ステップS124)。軽微であれば(ステップS124のYES)、制御部100は、軽微である旨を警報器102で警報させるとともに表示部107で表示し(ステップS126)、ユーザまたはメンスナンス者等に報知させる。更に制御部100は、システムの次回の起動および発電運転を許可させる許可フラグを出力し(ステップS128)、メインルーチンにリターンする。OCVのハンチングが発生していれば、報知の際に、ハンチングが発生している旨を警報器102および表示部107により報知する。システム異常が軽微であるか否かについては、ハンチング時のOCVの変動幅、OCVの低下幅、OCVの低下速度等に基づいて判定できる。つまり、システム異常が軽微であるか否かの閾値は、ハンチング時のOCVの変動幅、OCVの低下幅、OCVの低下速度等に基づいて、予め制御部100に設定されている。
軽微でない場合には(ステップS124のNO)、制御部100は、システム異常が重度である旨を警報器102で警報させるとともに表示部107で表示し(ステップS130)、次回の起動および発電運転を許可させない不許可フラグを出力し(ステップS132)、メインルーチンにリターンする。なお本実施形態を実施形態1等の他の実施形態と組み合わせても良い。
(実施形態6)
図6および図7は実施形態6を示す。図7は制御則のフローチャートを示す。フローチャートはこれに限定されるものではなく、適宜変更できる。本実施形態は上記実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施形態によれば、スタック12の温度は、低温側から高温側に向けて複数段階、つまり、TS1,TS2,TS3,TS4,TS5とされている。温度TS1,TS2,TS3,TS4,TS5,TS5に応じて、それぞれ複数の許容電圧値VB1,VB2,VB3,VB4,VB5が予め設定されている。許容電圧値VB1〜VB5をそれぞれ格納させるエリアを有するメモリ100m(記憶要素)が制御部100に設けられている(図6参照)。
制御部100は、発電運転後の停止時において、異常判定処理を開始させるにあたり、温度センサ33の検知したスタック12の実際の温度を読み込み(ステップS202)、実際の温度に基づいてスタック12のみなし温度を決定する(ステップS204)。この場合、実際の温度の端数を四捨五入、切り捨て、または、切り上げて、みなし温度を決定することができる。そして、制御部100は、みなし温度に基づいて、メモリ100mに格納されている情報から、複数の前記許容電圧値VB1,VB2,VB3,VB4,VB5のうちのいずれかを設定する(ステップS208〜S216)。更に、許容電圧値VBにそれを代入する(ステップS220)。
即ち、スタック12のみなし温度がTS1であるときには、許容電圧値VB1が選択される。スタック12のみなし温度がTS2であるときには、許容電圧値VB2が選択される。スタック12のみなし温度がTS3であるときには、許容電圧値VB3が選択される。一般的には、スタック12のみなし温度が低い程、許容電圧値は高めに設定できる。但し、これに限定されるものではない。なお、みなし温度が第1規定温度未満のとき、異常判定処理せずにメインルーチンにリターンする。
制御部100は、(i)(ii)および(iii)を実行する(ステップS222、S224、S226)
(i)スイッチング素子16をオフさせてアノード10とカソード11間を断電させる操作
(ii)ポンプ60の出力を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させ、改質部3に供給させる燃料原料の流量を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させる操作
(iii)ポンプ80の出力を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させ、蒸発部2に供給させる改質水の流量を発電運転時(異常判定処理前)よりも低下させる操作
更に、制御部100は、スタック12のOCVを読み込み(ステップS228)、それをメモリ100mの所定のエリアに格納させ、(ステップS230)、この動作を規定時間が終了するまで実行する(ステップS232のNO)。規定時間は、OCVの低下を検知するために充分な時間とすることが好ましい。規定時間が終了すると(ステップS232のYES)、制御部100は全体のOCVデータを読み込み(ステップS234)、更に、スタック12のOCVが許容電圧値VB以下である状態が第1規定時間β1以上継続するか否かを判定する(ステップS236)。
例えば、許容電圧値VB1が選択されると仮定する。この場合、スタック12の開放回路電圧(OCV)が、選択された許容電圧値VB1よりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、システム異常と判定され(ステップS236のYES)、異常フラグを立て(ステップS238)、更に、OCVの所要量以上のハンチングが発生しているか否かを判定する(ステップS240)。ハンチングが発生していれば(ステップS242のYES)、制御部100は、ハンチングの発生を示すハンチングフラグを立て(ステップS242)、システム異常である旨を警報器102および表示部107に出力させ、ユーザやメンテナンス者に報知させる(ステップS244,S246)。
ステップS236において、スタック12のOCVが許容電圧値VB以下でない場合、または、OCVが許容電圧値VB以下である状態が第1規定時間β1以上継続されないときには(ステップS236のNO)、次に、ハンチングが発生しているか否かを判定する(ステップS240)。ハンチングが発生していれば(ステップS242のYES)、制御部100は、ハンチングの発生を示すハンチングフラグを立て(ステップS242)、システム異常である旨を警報器102および表示部107に出力させ、ユーザやメンテナンス者に報知させる(ステップS244,S246)。
スタック12のOCVが許容電圧値VB以下でない状態が第1規定時間β1以上継続されないとき、更に、所定量以上の幅のハンチングが発生していないときには、システムは正常と判定される。このため、制御部100は正常フラグを立て(ステップS243)、システムが正常である旨を警報器102および表示部107に出力させ、ユーザやメンテナンス者に報知させる(ステップS244,S246)。なお、場合によっては、ハンチングを考慮せずとも良い。OCVが許容電圧値VB以下である状態が第1規定時間β1以上継続されないときに、制御部100は、システム正常であると判定しても良い。
なお本実施形態においても、スタック12の温度が第1規定温度Tset未満のとき、または、スタック12の温度が第1規定温度Tmax以上のとき、制御部100は異常判定処理を実行しないことが好ましい。但しこれに限定されない。
(実施形態7)
本実施形態は上記実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施形態によれば、発電運転中において、ユーザまたはユーザ機器からの電力要請が規定電力値Wsetよりも少ないとき、制御部100は、スタック12の発電運転を強制的に停止させて異常判定処理を実行する。電力要請が規定電力値Wsetよりも少ないときには、改質部3に供給させる燃料原料の流量も少なく、ひいては、スタック12のアノード10に供給するアノードガスの流量は少ない。異常判定処理においては、スタック12のアノード10に供給させるアノードガス(燃料ガス)の単位時間あたりの流量を異常判定処理前よりも低減させるため、スタック12の発電運転から異常判定処理に移行させ易い利点が得られる。このため、スタック12の発電運転の停止指令の時刻から速やかに異常判定処理に移行させ易い利点が得られる。
本実施形態においても、異常判定処理前において、異常判定処理を開始させる指令が制御部100、ユーザまたはメンテナンス者等により出力されるとき、制御部100は、温度センサ33によりスタック12の温度を検知することが好ましい。そして、スタック12の温度が第1規定温度Tset以上のとき、スタック12の温度は安定していると判定し、制御部100はスイッチング素子16をオフとし、スタック12の発電運転を強制的に停止させ、異常判定処理を実行することが好ましい。
発電運転を強制的に停止させるため、電力が不足する。不足する電力量については、他の電力供給源から電力供給を受けることが好ましい。他の電力供給源としては、電力会社からの商用電源18が挙げられる。太陽電池システムが燃料電池システムと共に並設されている場合には、太陽電池システムが挙げられる。これに対して、スタック12の温度が第1規定温度Tset未満のとき、制御部100は異常判定処理を実行しないことが好ましい。スタック12の温度が第1規定温度Tmax以上のときにおいても、制御部100は異常判定処理を実行しないことが好ましい。なおスタック12の温度が第1規定温度Tmax以上のときであっても、スタック12のオーバヒートが少ない場合には、制御部100は異常判定処理を実行しても良い。
(実施形態8)
本実施形態は上記実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。異常判定処理において、検知された開放回路電圧(OCV)が許容電圧値VBに対して下降および上昇を繰り返す所定幅以上のハンチングを発生させるとき、制御部100は、システム異常の要因が燃料電池システムの電気系統の絶縁不良と推定し、その旨を表示部107に表示してメンテナンス者等に報知する。この場合、規定時間ΔT内において、OCVが許容電圧値VBに対してΔV1以上下降すること、および、OCVが許容電圧値VBに対してΔV2以上上昇することが規定回数n以上繰り返されるとき、制御部100はOCVのハンチングと判定する。OCVが許容電圧値VBに対してハンチングするときには、燃料電池システムの導電部同士の微視的な接触および離間の繰り返しと推定される。発電モジュール18は高温に維持されているため、導線等の導電部の電気的な接触部分の劣化および損傷が発生するおそれがあり、ガス供給などに基づいて劣化または損傷した部分同士の微視的な接触および離間の繰り返しが考えられる。このため、OCVのハンチング発生と考えられるときには、システムの電気系統の導線等の導電部の絶縁不良を優先的に検査することが、システムのメンテナンス時間や修理時間の短縮に好ましい。
(適用形態1)
図8は適用形態1の概念を模式的に示す。図8に示すように、燃料電池システムは、燃料電池1で形成されたスタック12と、液相状の水を蒸発させて水蒸気を生成させる蒸発部2と、蒸発部2で生成された水蒸気を用いて燃料を改質させてアノードガスを形成する改質部3と、蒸発部2と改質部3を加熱する燃焼部105と、蒸発部2に供給される液相状の原料水を溜めるタンク4と、これらを収容するケース5とを有する。
燃料電池1のスタック12は、イオン伝導体を挟むアノード10とカソード11とをもち、例えば、SOFCとも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(運転温度:例えば400℃以上)を適用できる。アノード10側から排出されたアノード排ガスは流路103を介して、燃焼部105に供給される。カソード11側から排出されたカソード排ガスは流路104を介して、燃焼部105に供給される。燃焼部105は前記アノード排ガスとカソード排ガスとを燃焼させ蒸発部2と改質部3を加熱させる。燃焼部105には燃焼排ガス路75が設けられ、燃焼部105における燃焼後のガスおよび、未燃焼のガスを含む燃焼排ガスが燃焼排ガス路75を介して大気中に放出される。改質部3は、多数のガス通路を形成するセラミックス等の担体に改質触媒を担持させて形成されており、蒸発部2に隣設されている。改質部3および蒸発部2は改質器2Aを構成しており、燃料電池1と共に断熱壁19で包囲され、発電モジュール18を形成している。改質部3の内部には、改質部3の温度を検知する温度センサ33と、燃焼部105には燃料を着火させるヒータである着火部35が設けられている。着火部35は燃焼部105の燃料に着火できるものであれば何でも良い。温度センサ33の信号は制御部100に入力される。制御部100は着火部35を作動させて燃焼部105を着火させて高温化させる。制御部100は警報器102をもつ。
運転時には、改質器2Aは改質反応に適するように断熱壁19内において加熱される。運転時には、蒸発部2は原料水を加熱させて水蒸気とさせ得るように燃焼部105により加熱される。燃料電池1がSOFCタイプの場合には、アノード10側から排出されたアノード排ガスとカソード11側から排出されたカソード排ガスが燃焼部105で燃焼するため、改質部3および蒸発部2は同時に加熱される。燃料通路6は、燃料源63からの燃料を改質器2Aに供給させるものであり、燃料ポンプ60および脱硫器62をもつ。燃料電池1のカソード11には、カソードガス(空気)をカソード11に供給させるためのカソードガス通路70が繋がれている。カソードガス通路70には、カソードガス搬送用の搬送源として機能するカソードポンプ71が設けられている。
図8に示すように、ケース5は外気に連通する吸気口50と排気口51とをもち、更に、第1室である上室空間52と、第2室である下室空間53と、温度センサ57とをもつ。燃料電池1は、改質部3および蒸発部2と共に、ケース5の上側つまり上室空間52に収容されている。ケース5の下室空間53には、改質部3で改質される液相状の水を溜めるタンク4が収容されている。タンク4には、電気ヒータ等の加熱機能をもつ加熱部40が設けられている。加熱部40は、タンク4に貯留されている水を加熱させるものであり、電気ヒータ等で形成できる。外気温度等の環境温度が低いとき等には、制御部100からの指令に基づいて、タンク4の水は加熱部40により加熱され、凍結が抑制される。なお、タンク4内の水位は基本的にはほぼ同一となるようにされていることが好ましい。
図8に示すように、下室空間53側のタンク4の出口ポート4pと上室空間52側の蒸発部2の入口ポート2iとを連通させる給水通路8が、配管としてケース5内に設けられている。給水通路8は、タンク4内に溜められている水をタンク4の出口ポート4pから蒸発部2に供給させる通路である。給水通路8および蒸発部2は水蒸気生成系2Xを形成する。給水通路8には、タンク4内の水を蒸発部2まで搬送させる水搬送源として機能するポンプ80が設けられている。なお、給水通路8は蒸発部2,改質部3、スタック12等を介して大気に連通するようにされている。制御部100はポンプ80,71,79,60を制御する。
システムの起動時には、燃料ポンプ60が駆動して燃料が蒸発部2,改質部3、アノード10を介して燃焼部105に供給される。カソードポンプ71が駆動してカソードガス(空気)が発電モジュール18内に供給される。この状態で着火部35を着火させ、燃焼部105において燃焼炎を生成させる。この結果、発電モジュール18の内部が加熱され、蒸発部2,改質部3、スタック12が加熱される。発電モジュール18の内部が高温になると、発電運転が開始される。すなわち、ポンプ80が駆動してタンク4内の水は出口ポート4pから蒸発部2の入口ポート2iに向けて給水通路8内を搬送され、高温の蒸発部2で加熱されて水蒸気とされる。水蒸気は燃料通路6から蒸発部2に供給される燃料(ガス状が好ましいが、場合によっては液相状としても良い)と共に改質部3に移動する。改質部3において燃料は、水蒸気改質されてアノードガス(水素含有ガス)となる。アノードガスは改質部3の出口ポート3pからアノードガス通路73(燃料通路の一部)を介して燃料電池1のアノード10に供給される。更にポンプ71の駆動によりカソードガス(酸素含有ガス、ケース5内の空気)がカソードガス通路70を介して燃料電池1のカソード11に供給される。この状態で燃料電池1において発電反応が生じる。
上記した発電反応においては、アノードガスとして水素含有ガスが供給されるアノード10では、基本的には(2)の反応が発生すると考えられている。空気(酸素)がカソードガスとして供給されるカソード11では、基本的には(3)の反応が発生すると考えられている。カソード11において発生した酸素イオン(O2−)がカソード11からアノード10に向けて電解質を伝導する。
(2)…H+O2−→HO+2e
COが含まれている場合には、CO+O2−→CO+2e
(3)…1/2O+2e→O2−
発電反応後のアノードオフガスは、発電反応しなかった水素を含む。カソードオフガスは発電反応に未反応な酸素を含む。アノードオフガスおよびカソードオフガスは、燃焼部105に排出されて燃焼される。燃焼した後のアノードオフガスおよびカソードオフガスは、排気ガスとなり、熱交換器76のガス通路を経て排気通路75を流れ、更に、排気通路75の先端の排気口からケース5の外部に放出される。図5に示すように、排気通路75には、凝縮機能をもつ熱交換器76が設けられている。貯湯槽77に繋がる貯湯通路78および貯湯ポンプ79が設けられている。貯湯通路78は往路78aおよび復路78cをもつ。貯湯槽77の低温の水は、貯湯ポンプ79の駆動により、貯湯槽77の吐出ポート77pから吐出されて往路78aを通過し、熱交換器76に至り、熱交換器76で加熱される。熱交換器76で加熱された水は、復路78cを介して帰還ポート77iから貯湯槽77に帰還する。このようにして貯湯槽77の水は温水となる。前記した排ガスに含まれていた水蒸気は、熱交換器76で凝縮されて凝縮水となる。凝縮水は、熱交換器76から延設された凝縮水通路42を介して重力等により浄水部43に供給される。浄水部43はイオン交換樹脂等の水浄化剤43aを有するため、凝縮水の不純物は除去される。不純物が除去された水はタンク4に移動し、タンク4に溜められる。ポンプ80が駆動すると、タンク4内の水は給水通路8を介して高温の蒸発部2に供給され、蒸発部2で水蒸気とされて改質部3に供給され、改質部3において燃料を改質させる改質反応として消費される。
本実施形態においても、前回の異常判定処理の終了時刻から、あるいは、システム設置時期から、スタック12の連続的な発電運転が第2規定時間β2以上実行されている状態において、異常判定処理を開始させる指令が出力されたときには、制御部100はスイッチング素子16をオフとさせてスタック12の発電運転を停止させ、発電運転の停止時において(殊に停止直後に)異常判定処理を実行する。
異常判定処理において、ポンプ71を駆動させてスタック12のカソード11にカソードガスを供給させている状態において、改質部3に供給させる燃料原料の流量を異常判定処理前よりも低減させる。更に電圧センサ125によりスタック12のOCVを検知する。検知されたOCVが許容電圧値VBよりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、および/または、検知されたOCVが許容電圧値VBに対してハンチングを発生させるとき、制御部100はシステム異常と判定する。本実施形態においても、他の実施形態の条件を準用することが好ましい。
なお、本実施形態においても、スタック12の温度が第1規定温度Tset未満のとき、スタック12は低温過ぎるため、制御部100は異常判定処理を実行しないことが好ましい。また、スタック12の温度が第2規定温度Tmax以上のとき、スタック12は高温過ぎるため、 制御部100は異常判定処理を実行しないことが好ましい。更に、スタック12の連続運転時間が第2規定時間β2未満であれば、制御部100は異常判定処理を実行しないことが好ましい。但しこれらに限定されるものではない。
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態および適用形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。燃料電池1は、場合によっては、溶融炭酸塩形またはリン酸形の燃料電池に適用しても良い。燃料原料としては、都市ガス、LPG、バイオガス、ガソリン、灯油、アルコール等でも良い。図5において、発電モジュール18の内部に、スタック12,改質部3,蒸発部2が収容されているが、蒸発部2は水蒸気を発生させ得るような温度となる限り、発電モジュール18の外方に離間して、あるいは、発電モジュール18の断熱壁19に隣設されていても良い。加熱部40はタンク4に設けられているが、これに限らず、凝縮水通路42に設けられていても良い。加熱部40を廃止させても良い。
1は燃料電池、10はアノード、11はカソード、12はスタック、14は通電経路、15は電力変換器、16はスイッチング素子、17は電力負荷、18は商用電源、102は警報器、107は表示部、125は電圧センサ(開放回路電圧検知要素)、2Aは改質器、2は蒸発部、2Xは水蒸気生成系、3は改質部、33は温度センサ、35は着火部、4はタンク、5はケース、57は温度センサ、6は燃料通路、60は燃料ポンプ(燃料搬送源)、70はカソードガス通路、73はアノードガス通路、75は排気通路、77は貯湯槽、8は給水通路、80はポンプ(水搬送源)、100は制御部を示す。

Claims (9)

  1. アノードおよびカソードをもつ燃料電池のスタックと、燃料ガスを前記スタックの前記アノードに供給させる燃料通路と、カソードガスを前記スタックの前記カソードに供給させるカソードガス通路と、前記スタックの開放回路電圧を直接または間接的に検知する開放回路電圧検知要素と、制御部とを具備しており、
    前記制御部は、
    前記スタックの発電運転を実行した後、発電運転を停止させ、発電運転の停止時において異常判定処理を実行し、
    前記異常判定処理において、前記スタックの前記カソードに前記カソードガスが存在する状態において、前記スタックの前記アノードに供給させる前記燃料ガスの単位時間あたりの流量を前記異常判定処理前よりも低減させると共に、前記開放回路電圧検知要素により前記スタックの開放回路電圧を検知し、検知された前記開放回路電圧が許容電圧値よりも低い状態が第1規定時間β1以上継続されるとき、および/または、検知された前記開放回路電圧が前記許容電圧値に対して下降および上昇を複数回繰り返すハンチングを発生させるとき、
    前記制御部は、システム異常と判定する燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記異常判定処理前において前記スタックの発電運転の運転時間が前回の前記異常判定処理からまたはシステム設置時期から第2規定時間部β2(β2>β1)以上継続している条件のもとで、前記制御部は、前記異常判定処理を実行し、前記第2規定時間β2未満のとき異常判定処理を実行しない燃料電池システム。
  3. 請求項1または2において、前記スタックの前記アノードと前記カソードとを繋ぐ通電経路にはスイッチング素子が設けられており、前記制御部は、前記スタックの開放回路電圧を検知すべく前記異常判定処理を実行するとき前記スイッチング素子をオフとさせる燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、前記スタックの発電運転時の温度は200℃以上であり、前記制御部は、前記スタックの温度または前記スタック付近の温度が第1規定温度以上のとき前記異常判定処理を実行し、前記スタックの温度が前記第1規定温度未満のとき前記異常判定処理を実行しない燃料電池システム。
  5. 請求項1〜4のうちの一項において、前記スタックの温度を直接または間接的に検知する温度検知要素と、前記スタックの温度の高低に応じてそれぞれ設定された複数の前記許容電圧値を格納する記憶要素とを具備しており、
    前記制御部は、前記異常判定処理おいて、前記温度検知要素に基づいて前記スタックの温度を検知し、前記スタックの温度に対応する前記許容電圧値を前記記憶要素から選択し、
    前記開放回路電圧検知要素により検知された前記スタックの開放回路電圧が、選択された前記許容電圧値よりも低い状態が前記第1規定時間β1以上継続されるとき、および/または、検知された開放回路電圧が前記許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、前記制御部は、システム異常と判定する燃料電池システム。
  6. 請求項1〜5のうちの一項において、更に、前記異常判定処理における開放回路電圧の変動と経過時間との関係を表示する表示部を具備する燃料電池システム。
  7. 請求項1〜6のうちの一項において、前記制御部は、発電運転中において、ユーザまたはユーザ機器からの電力要請が規定電力値よりも少ない条件の下で、発電運転を停止させて前記異常判定処理を実行する燃料電池システム。
  8. 請求項1〜7のうちの一項において、前記異常判定処理において、検知された開放回路電圧が前記許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、前記制御部は、システム異常の要因が前記燃料電池システムの電気系統の絶縁不良と推定し、その旨を報知する燃料電池システム。
  9. アノードおよびカソードをもつ燃料電池のスタックと、燃料ガスを前記スタックの前記アノードに供給させる燃料通路と、カソードガスを前記スタックの前記カソードに供給させるカソードガス通路と、前記スタックの開放回路電圧を直接または間接的に検知する開放回路電圧検知要素とを具備する燃料電池システムの故障診断方法であって、
    前記スタックの発電運転を連続的に第2規定時間以上実行する工程と、その後、発電運転を停止させ、発電運転の停止時において異常判定処理を実行する工程とを順に実施し、
    前記異常判定処理において、
    前記スタックの前記カソードにカソードガスが存在する状態において、前記スタックの前記アノードに供給させる燃料ガスの単位時間あたりの流量を前記異常判定処理前よりも低減させると共に、前記開放回路電圧検知要素により前記スタックの開放回路電圧を検知し、検知された開放回路電圧が許容電圧値よりも低い状態が第1規定時間以上継続されるとき、および/または、検知された開放回路電圧が前記許容電圧値に対して下降および上昇を繰り返すハンチングを発生させるとき、システム異常と判定する燃料電池システムの故障診断方法。
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