JP2013190724A - 光スキャナーおよび画像形成装置 - Google Patents

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恵弥 水野
Yasushi Mizoguchi
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Abstract

【課題】光反射面を安定して自在に回動させる制御が容易である光スキャナーを提供する。
【解決手段】光スキャナー1は、光反射面3aを有する反射板3と、反射板3を支持する第2永久磁石41と、第2永久磁石41を介して反射板3を保持する可動部2と、可動部2から光反射面3aと平行にそれぞれ延出し中間に屈曲部7,8を有する一対の可動梁5,6と、可動梁5,6に直結し可動梁5,6を介して可動部2へ変位を付与する変位部21,31を有し、可動梁5,6の延出方向の端部にそれぞれ設けられた第1永久磁石213,313と、変位部21,31から延出し、光反射面3aと平行し且つ可動梁5,6の延出方向と直交する一対の駆動梁9,10と、駆動梁9,10を固定するための支持枠15と、第2永久磁石41と、第2永久磁石41に対向するコイル部42と、コイル部42に2種類の電圧を印加する電圧印加部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光走査により描画等を行うための光スキャナー、およびこの光スキャナーを備えた画像形成装置に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、光スキャナーとしての機能を有する電磁アクチュエーターが知られている。この電磁アクチュエーターは、一対の永久磁石が設けられた絶縁基板と、一対の永久磁石の間に位置し絶縁基板に支持されたスキャナー本体と、を備えている。スキャナー本体は、枠状の支持部と支持部の内側に設けられた枠状の外側可動板と外側可動板の内側に設けられ全反射ミラーを有する内側可動板とを有しており、いわゆるジンバル構造となっている。また、外側可動板は一対の第1トーションバーを介して支持部に連結されている。内側可動板は、第1トーションバーと直交する一対の第2トーションバーを介して外側可動板に連結している。そして、外側可動板及び内側可動板にはそれぞれ平面コイルが設けられている。
このような構成の電磁アクチュエーターでは通電により各平面コイルから発生する磁界と一対の永久磁石の間における磁界と、を相互作用させる。これにより、外側可動板が内側可動板とともに第1トーションバーを中心軸として回動し、内側可動板が第2トーションバーを中心軸として回動することになる。これにより、電磁アクチュエーターは、全反射ミラーに入射する光の反射方向を制御することが可能であり、光スキャナーとして機能する。
特開平8−322227号公報
しかし、従来の技術において、電磁アクチュエーターは、第1トーションバーの回動に連動して、第2トーションバーの中心軸の延在方向も回動して移動する。そのため、全反射ミラーを所定方向へ向けるための制御は第1トーションバーと第2トーションバーとをそれぞれ回動させるので煩雑なものになっていた。
また、電磁アクチュエーターの外側可動板に設けられた平面コイルから発生する磁場と、内側可動板に設けられた平面コイルから発生する磁場と、が干渉しやすい。その場合、全反射ミラーは、第1トーションバーまたは第2トーションバーの中心軸まわりにおける回動が意図する回動と異なってしまうことがある。従って、従来の電磁アクチュエーターのような構成の光スキャナーでは、内側可動板の全反射ミラーを安定して自在に回動させることが難しく、容易には行えない、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係わる光スキャナーは、光反射面を有する光反射部を備え、かつ第1の回動中心軸及び前記第1の回動中心軸に直交する第2の回動中心軸まわりに回動可能な可動部と、前記可動部から前記第1の回動中心軸に沿って延出し、前記可動部を挟んで対向配置される一対の可動梁と、各前記可動梁に接続され、前記可動部を前記第2の回動中心軸まわりに回動させる変位を発生する変位部と、各前記変位部から前記第2の回動中心軸と平行な方向に延出する一対の駆動梁と、前記駆動梁を支持する支持枠と、各前記変位部に設けられた第1永久磁石、前記可動部に設けられた第2永久磁石、各前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石に作用する磁界を発生するコイル、該コイルに電圧を印加する電圧印加部、を有する駆動部と、を備え、前記可動梁は、前記変位部の変位によって前記支持枠の厚さ方向に屈曲変形する屈曲部と、前記可動部と前記屈曲部の間に位置するねじり梁と、前記屈曲部と前記変位部の間に位置する連結梁と、を含み、前記電圧印加部は、第1の電圧波形を発生する第1の電圧発生部、第2の電圧波形を発生する第2の電圧発生部、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを重畳する電圧重畳部、を有し、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記コイルに印加することにより、前記可動部を前記第1の電圧波形で前記第2の回動中心軸まわりに回動させつつ、前記第2の電圧波形で前記第1の回動中心軸まわりに回動させるように構成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、光反射面は、可動部と連動して変位し、入射した光を任意の方向へ反射する。可動部は、変位部に駆動される可動梁の作動に追随して変位する。ここで、可動梁は、非駆動状態では、光反射面と平行な面上において、変位部と共に1つの軸である第1の回動中心軸に沿って延出する駆動梁に支持されている。つまり、駆動梁を中心にして変位部が回動することによって、可動部を挟む一対の可動梁がそれぞれ回動し、可動部を変位させている。そして、可動部に設けられている屈曲部は、可動梁と連結梁の回動に応じて柔軟に屈曲し、可動部を該第1の回動中心軸に沿って確実に変位させる機能を有している。
さらに、光スキャナーは、各第1永久磁石とコイルの駆動により変位部が回動し、該第1の回動中心軸とは異なる方向の第2の回動中心軸に沿って可動部を変位させている。即ち、第2永久磁石とコイルの駆動は、可動梁及び駆動梁を介することなく、可動部を直接変位させることが可能である。この時、可動梁及び屈曲部は、第2永久磁石及びコイルの駆動によって可動部へ付与される変位の影響が、第1永久磁石及びコイルの駆動による変位へ及ぶことを回避する、機能を果たす。同様に、可動梁及び屈曲部は、第1永久磁石とコイルの駆動によって可動部へ付与される変位の影響が、第2永久磁石とコイルの駆動による変位へ及ぶことを回避する機能を果たす。これにより、光スキャナーは、第1永久磁石及びコイル、または第2永久磁石及びコイルによる個々の変位付与に対し、可動部が第1の回動中心軸または第2の回動中心軸に沿ってそれぞれ個別に且つ確実に対応でき、安定して自在に変位することが可能である。また、第2永久磁石に印加する電圧と第1永久磁石に印加する電圧とを重畳して1つの電圧発生部で発生する。これにより、光スキャナーを小型化することが可能である。
[適用例2]上記適用例に記載の光スキャナーでは、前記第1永久磁石は、前記光反射面と直交する方向に両極が対向するように配置され、各前記変位部に設けられた各前記第1永久磁石同士は、前記光反射面の側に位置するそれぞれの極が互いに異なる極性であることが好ましい。
本適用例によれば、第1永久磁石は、非駆動状態の光反射面に対して直交方向に延在し、延在する端部側の極がN極またはS極である。この場合、可動梁の両端の各変位部において、一方の側の変位部に設けられた第1永久磁石は、光反射面の向いている方向と同じ側に位置する端部側の極がN極であれば、他方の側の変位部に設けられた第1永久磁石は、光反射面の向いている方向と同じ側に位置する端部側の極がS極となるように配置されている。即ち、光反射面の側に位置するそれぞれの極が互いに異なる極性となっている。
ここで、光スキャナーにおける可動部を傾ける変位は、可動部を挟む一対の可動梁がそれぞれ同じ方向へ回動することにより、可能となる。このように可動梁を回動させるには、各第1永久磁石に対向するコイル側をS極として、第1永久磁石のN極側端部をコイルへ引きつければ良い。あるいは、各第1永久磁石に対向するコイル側をN極として、第1永久磁石のS極側端部をコイルへ引きつければ良い。従って、変位部を同じ方向へ回動することが可能である。
[適用例3]上記適用例に記載の光スキャナーでは、前記第2永久磁石は、両極間の長さが前記可動部の外形長さと近似し、前記第2の回動中心軸と平行な方向に両極が対向するように前記可動部へ設けられていることが好ましい。尚、外形長さは外形形状を平行線で挟んだときの幅に相当する。可動部が円のときには直径となる。
本適用例によれば、光反射面と平行な面上において可動梁の延出方向と直角に交叉する方向に、第2永久磁石の両極が対向するように配置することにより、第2永久磁石とコイルの駆動は、第1永久磁石とコイルの駆動に付与する変位と直交する方向の変位を、可動部へ付与することが可能である。
このように、第1永久磁石とコイルによる駆動と第2永久磁石とコイルによる駆動が付与する変位が互いに直交していれば、可動部の変位を容易に特定でき、可動部が反射する光の方向を容易に制御することが可能である。また、第2永久磁石の長さが、可動部の外形長さと同程度に近似しており、可動部を回動させるモーメントが確保しやすく、可動部を確実に変位させることが可能である。
[適用例4]上記適用例に記載の光スキャナーは、前記第2永久磁石は、前記光反射部を支持した状態で前記可動部に設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、第2永久磁石は、第1の回動中心軸を回動するための駆動源としての機能に加え、光反射面を有する光反射部材を支持する支持部材としての機能も合わせて有している。第2永久磁石が支持部材として光反射部材を支持することにより、光反射部材を支持するだけの支持部材を削減することができ、可動部の重量軽減による変位に要する磁界強度の低減、及び部品点数削減等が図れる。
[適用例5]上記適用例に記載の光スキャナーは、前記光反射面は、前記可動部より大きな面積を有していることが好ましい。
本適用例によれば、光反射面は、可動部より大きく設定することができ、例えば、可動部位置から可動梁の屈曲部を超える位置にまで広げることも可能であり、より多くの光束を反射することが可能である。これが可能な理由は、支持部材によって、光反射面を有する光反射部材と可動部との間に隙を有する構成であることにより、光反射部材は、可動部が傾いた場合でも、この隙の分だけ可動梁と接触することを回避可能であることによる。
[適用例6]上記適用例に記載の光スキャナーは、前記第2の電圧波形の周波数は、前記可動部と一対の前記ねじり梁と前記第2永久磁石とによって構成される振動系の共振周波数と等しいことが好ましい。
本適用例によれば、前記可動部の駆動は共振駆動となり、低電力で高速駆動が可能である。
[適用例7]上記適用例に記載の光スキャナーでは、前記第1の電圧波形の周波数は、前記第2の電圧波形の周波数と異なり、且つ前記変位部と前記一対の駆動梁と前記第1永久磁石とによって構成される振動系の共振周波数と異なることが好ましい。
本適用例によれば、前記変位部の駆動は非共振駆動となり、低速動作が可能である。また、前記変位部と前記一対の駆動梁と前記第1永久磁石とで構成される振動系の周波数範囲を広くとることができ、駆動梁の設計が容易となる。
[適用例8]本適用例に係わる画像形成装置は、光源と、前記光源からの光を走査する光スキャナーと、を有し、前記光スキャナーは、光反射面を有する光反射部を備え、かつ第1の回動中心軸及び前記第1の回動中心軸に直交する第2の回動中心軸まわりに回動可能な可動部と、前記可動部から前記第1の回動中心軸に沿って延出し、前記可動部を挟んで対向配置される一対の可動梁と、各前記可動梁に接続され、前記可動部を前記第2の回動中心軸まわりに回動させる変位を発生する変位部と、各前記変位部から前記第2の回動中心軸と平行な方向に延出する一対の駆動梁と、前記駆動梁を支持する支持枠と、前記変位部に設けられた第1永久磁石、前記可動部に設けられた第2永久磁石、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石に作用する磁界を発生するコイル、該コイルに電圧を印加する電圧印加部、を有する駆動部と、を備え、前記可動梁は、前記変位部の変位によって前記支持枠の厚さ方向に屈曲変形する屈曲部と、前記可動部と前記屈曲部の間に位置するねじり梁と、前記屈曲部と前記変位部の間に位置する連結梁と、を含み、前記電圧印加部は、第1の電圧波形を発生する第1の電圧発生部、第2の電圧波形を発生する第2の電圧発生部、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを重畳する電圧重畳部、を有し、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記コイルに印加することにより、前記可動部を前記第1の電圧波形で前記第2の回動中心軸まわりに回動させつつ、前記第2の電圧波形で前記第1の回動中心軸まわりに回動させるように構成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、光源と光スキャナーを備えていて、この光スキャナーによれば、光反射面は、可動部と連動して変位し、入射した光を任意の方向へ反射する。可動部は、第1永久磁石とコイルで駆動される可動梁の作動に追従して変位する。ここで、可動梁は、非駆動状態では、光反射面と平行な面上で可動梁に対して直交方向へ延出する駆動梁に支持されている。つまり、駆動梁を中心にして変位部が回動することによって、可動部を挟む一対の可動梁がそれぞれ回動し、可動部を変位させている。
そして、可動部に設けられている屈曲部は、可動梁のそれぞれの回動に応じて柔軟に屈曲し、可動部を該第1の回動中心軸に沿って確実に変位させる機能を有している。さらに、光スキャナーは、各第1永久磁石とコイルの駆動により変位部が回動し、該第1の回動中心軸とは異なる方向の第2の回動中心軸に沿って可動部を変位させている。即ち、第2永久磁石とコイルの駆動は、可動梁及び駆動梁を介することなく、可動部を直接変位させることが可能である。この時、可動梁及び屈曲部は、第2永久磁石及びコイルの駆動によって可動部へ付与される変位の影響が、第1永久磁石及びコイルの駆動による変位へ及ぶことを回避する、機能を果たす。同様に、可動梁及び屈曲部は、第1永久磁石とコイルの駆動によって可動部へ付与される変位の影響が、第2永久磁石とコイルの駆動による変位へ及ぶことを回避する、機能を果たす。これにより、光スキャナーは、第1永久磁石及びコイル、または第2永久磁石及びコイルによる個々の変位付与に対し、可動部が第1の回動中心軸または第2の回動中心軸に沿ってそれぞれ個別に且つ確実に対応でき、安定して自在に変位することが可能である。
また、第2永久磁石に印加する電圧と第1永久磁石に印加する電圧とを重畳して1つの電圧発生部で発生する。これにより、光スキャナーを小型化することが可能である。このような光スキャナーを備えた画像形成装置は、自在な画像を安定して形成でき、小型化を図ることも可能である。
実施形態1にかかる光スキャナーの構成を示す模式平面図。 光スキャナーの構成を示す模式側断面図。 反射板を変位させるための可動梁、永久磁石及びコイルの構造を示す概略斜視図。 電圧印加部の構成を示すブロック図。 (a)及び(b)は、電圧波形を説明するためのタイムチャート。 (a)及び(b)は、第1永久磁石とコイルによる駆動を説明するための模式側断面図。 (a)及び(b)は、第2永久磁石とコイルによる駆動を説明するための模式側断面図。 画像形成装置の構成を示す模式図。 変形例にかかり、(a)及び(b)は、光スキャナーの動作を説明するための模式側断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
図1は、本発明にかかる光スキャナーの構成を示す模式平面図である。また、図2は、光スキャナーの構成を示す模式側断面図であり、図1に示す光スキャナーのA−A’面を示している。そして、図3は、反射板を変位させるための可動梁、永久磁石及びコイルの構造を示す概略斜視図である。まず、実施形態1にかかる光スキャナー1の概略構成について説明する。図1及び図2に示すように、光スキャナー1は、可動部2と、可動部2と連結する2つの連結部11,12とを備えている。連結部11,12の可動部2と反対側端部には第1永久磁石213,313が設けられている。第1永久磁石213,313は連結部11,12を介して可動部2を変位させる。
第1永久磁石213は変位部21に設置され、第1永久磁石313は変位部31に設置されている。変位部21及び変位部31は支持枠15に支持され、支持枠15は基台16に支持されている。可動部2には第1永久磁石213,313による駆動とは異なる変位を可動部2へ直接付与するための第2永久磁石41が設置されている。そして、第1永久磁石213,313及び第2永久磁石41に重畳電圧を印加するコイルとしてのコイル部42が基台16に設置されている。
これら可動部2、連結部11,12、変位部21,31、及び支持枠15は振動基板4を構成している。また、可動部2は、光反射面3aを有する光反射部としての反射板3を第2永久磁石41を介して支持している。第2永久磁石41は反射板3を支持する状態で可動部2に設置され支持部材としても機能している。尚、以下では、光スキャナー1を平面視した図1に示すように、連結部11,12が延出する振動基板4の長手方向をX軸(課題を解決するための手段における第1の回動中心軸)とし、X軸及びY軸(課題を解決するための手段における第2の回動中心軸)で形成される平面は、非駆動状態の光反射面3aと並行であり、該平面と直交するZ軸は、光反射面3aを有する反射板3の厚さ方向と一致する。
次に、振動基板4について説明する。振動基板4の支持枠15は、可動部2を支持するために、枠状をなしており、可動部2の周囲を囲むように設けられている。支持枠15の内側では可動部2が連結部11,12により連結されている。可動部2は円形の平板状をなしている。可動部2は第2永久磁石41を介して反射板3を支持している。反射板3は、可動部2の直径(外形長さ)とほぼ同じ大きさ(近似)の直径D1の円形である。反射板3の一面である光反射面3aが基台16と反対方向に向いて設けられている。光反射面3aは、例えば、金、銀、アルミニウム等の金属膜等を蒸着等により形成することにより得られ、この場合、アルミニウムで形成されている。
また、連結部11,12はX方向に沿って位置し、可動部2に対して対称的に形成されている。連結部11は、変位部21と、変位部21と支持枠15とを連結する一対の駆動梁9と、変位部21と可動部2とを連結し中間部分に屈曲部7を有する可動梁5と、を有している。また、連結部12は、変位部31と、変位部31と支持枠15とを連結する一対の駆動梁10と、変位部31と可動部2とを連結し中間部分に屈曲部8を有する可動梁6と、を有している。
ここで、連結部11,12の詳細な構成について、連結部11を例にし、図3を参照して説明する。連結部12も、連結部11と同様な構成である。図3に示すように、一対の駆動梁9は、変位部21を介してY方向に対向配置されており、変位部21を両持ち支持している。また、駆動梁9は、それぞれ、Y方向に延在する棒状をなしていてY方向を軸として捩じり変形が可能な形態になっている。このような駆動梁9は同軸的に設けられており、この軸を中心として駆動梁9がそれぞれが捩じり変形することにより、変位部21が回動(変位)する。
この変位部21は、可動部2に対してX方向に離間して設けられていて、変位部21の変位体211が一対の駆動梁9によって両持ち支持されている。また、変位体211には、貫通孔212が形成されており、この貫通孔212に第1永久磁石213が挿通され、嵌合(圧入)あるいは接着剤によって固定されている。
さらに、変位部21の平面視形状は、Y方向を長手とする長方形であり、第1永久磁石213を固定するスペースを確保しつつ、変位体211の幅(X方向の長さ)を抑えることができる。変位体211の幅を抑えることにより、変位体211がY方向を軸として回動する際に発生する慣性モーメントを抑えることができ、変位部21の反応性が高まり、より高速な回動が可能となる。また、変位部21の反応性が高まると、変位部21の回動によって、不本意な振動が発生するのを抑えることができ、特に回動方向が切り替わる切り返しの時に効果的である。そのため、光スキャナー1を安定して駆動することができる。
そして、変位部21は、可動梁5によって可動部2と連結している。可動梁5は、X方向に延出するように設けられていて、既述した屈曲部7と、屈曲部7と可動部2とを連結するねじり梁5aと、屈曲部7と変位部21の変位体211とを連結する連結梁5bと、を有している。ねじり梁5a及び連結梁5bは、それぞれ、X方向に延出する棒状をなしていて、同軸的に設けられている。
可動梁5のうちの連結梁5bは、光スキャナー1の駆動時に大きな変形が起こらない硬さに設定されているのが好ましく、実質的に変形しない硬さに設定されているのがより好ましい。これに対してねじり梁5aは、X方向に延出する梁を軸とする軸まわりに捩じり変形が可能な形態となっている。このように、可動梁5が実質的に変形しない硬い部位である連結梁5b、及び捩じり変形可能な部位であるねじり梁5aを有することにより、可動部2をX軸及びY軸のそれぞれの軸まわりに安定して回動させることができる。ここで、「変形しない」とは、Z方向への屈曲または湾曲及び梁を軸とする軸まわりの捩じり変形が実質的に起きないことを言う。このようなねじり梁5a及び連結梁5bは、屈曲部7を介して連結している。屈曲部7は、可動梁5が屈曲変形する際の節となる機能と、ねじり梁5aの捩じり変形により発生するトルクを緩和(吸収)し、該トルクが連結梁5bに伝わるのを防止または抑制する機能と、を果たしている。
屈曲部7は、非変形部71と、応力緩和部72と、を有している。応力緩和部72は、非変形部71のねじり梁5aの側及び連結梁5bの側のそれぞれに設けられた一対の変形部721と、変形部721のそれぞれを非変形部71に接続するための接続部722と、を有している。そして、非変形部71は、Y方向に延在する棒状をなしていて、光スキャナー1の駆動時に実質的に変形しない硬さに設定されている。この構成により、非変形部71を中心にして可動梁5を屈曲させることができる。即ち、応力緩和部72に節としての機能を確実に発揮させて、光スキャナー1を安定駆動させることができる。
また、一対の変形部721は、非変形部71に対して対称的にそれぞれ配置され、Y方向に延在する棒状をなして、互いにX方向に離間して並設されている。これら変形部721は、それぞれの中心軸まわりに捩じり変形が可能な形態となっている。そして、可動部2の側に位置する変形部721は、その長手方向のほぼ中央にてねじり梁5aの一端と連結していると共に、その両端部にて一対の接続部722を介して非変形部71に連結している。同様に、変位部21の側に位置する変形部721は、その長手方向のほぼ中央にて連結梁5bの一端と連結していると共に、その両端部にて一対の接続部722を介して非変形部71に連結している。これら接続部722は、X方向に延在する棒状をなしていて、Z方向に湾曲が可能であって、且つその中心軸まわりに捩じり変形も可能な形態となっている。このような構成の連結部11により、可動部2は、X方向またはY方向を中心軸として、よりスムーズに回動することが可能である。
一方、連結部12も、連結部11と同様な機能を有していて、可動梁6(ねじり梁6a及び連結梁6b)と、屈曲部8と、変位部31(変位体311、貫通孔312、第1永久磁石313)と、駆動梁10と、から構成されている。連結部12の構造は連結部11と同様な構造であり、説明を省略する。
このような構成の光スキャナー1において、振動基板4は、SOI基板をエッチング等することにより一体的に形成されている。SOI基板は、第1のSi層と、SiO2層と、第2のSi層とがこの順に積層した基板である。振動基板4には、積極的に変形させる部位と、変形させない(変形させたくない)部位とが混在している。そこで、変形させない部位を前記3つの層の総てで構成するとともに、積極的に変形させる部位を第2のSi層のみ、あるいは、第2のSi層とSiO2層の2層で構成する。つまり、SOI基板の厚さを異ならせることにより、変形させる部位と変形させない部位が混在する振動基板4を簡単に形成することができる。
光スキャナー1における振動基板4は、図2に示すように、基台16により支持されている。基台16は、箱状(枡状)をなしていて、平板状の基部161と、基部161の縁部に沿って立設された枠部162と、を有している。このような基台16は、枠部162が振動基板4の支持枠15と接合されて、振動基板4を支持する。基台16は、ガラスやシリコンを主材料として構成され、この場合、シリコンで形成されている。基台16と支持枠15との接合は、接着剤を用いて接合しているが、これに限定されることなく、陽極接合等の各種接合方法を用いることも可能である。
次に、変位部21,31の変位により可動部2及び反射板3を変位させる構成と、変位部21,31による変位とは異なる変位を可動部2及び反射板3に付与する構成と、について説明する。まず、変位部21,31の変位について説明する。
図1及び図2に示すように、駆動部60は、変位部21に設けられ貫通孔212に挿通された第1永久磁石213と、変位部31に設けられ貫通孔312に挿通された第1永久磁石313と、を有している。さらに、駆動部60は、可動部2に設けられ反射板3を支持する第2永久磁石41と、可動部2と対向して基台16の基部161に設けられるコイル部42と、を有している。さらに、駆動部60は重畳した電圧をコイル部42に印加する電圧印加部61を有している。
変位部21の第1永久磁石213は棒状をなしており長手方向に磁化されている。つまり、第1永久磁石213は長手方向の一端側がS極となっており、他端側がN極となっていて、この場合、光反射面3aの向く方向と同方向側がS極である。そして、第1永久磁石213は、変位体211の貫通孔212へZ方向に挿通され、その長手方向のほぼ中央位置で変位体211に接着固定されている。この第1永久磁石213としては、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石等の、硬磁性体を着磁したもの等を用いることができ、この場合、ネオジウム磁石を用いている。
変位部31の第1永久磁石313は棒状をなしており長手方向に磁化されている。つまり、第1永久磁石313は長手方向の一端側がS極となっており、他端側がN極となっていて、この場合、光反射面3aの向く方向と同方向側がN極である。そして、第1永久磁石313は、変位体311の貫通孔312へZ方向に挿通され、その長手方向のほぼ中央位置で変位体311に接着固定されている。これにより、第1永久磁石213,313は、光反射面3aと直交する方向に両極が対向するように配置される。そして、変位部21,31に設けられた第1永久磁石213,313同士は、光反射面3aの側に位置するそれぞれの極が互いに異なる極性となっている。
第2永久磁石41は長手方向の一端側がS極となっており、他端側がN極となっている。そして、両極間の長さが可動部2の直径と近似している。そして、第2の回動中心軸であるY軸と平行な方向に両極が対向するように可動部2へ設けられている。これにより、第2永久磁石41とコイル部42の駆動は、第1永久磁石213,313が可動部2に付与する変位と直交する方向の変位を、可動部2へ付与することができる。そして、可動部2が反射する光の方向を容易に制御することが可能となる。また、第2永久磁石41の長さが、可動部2の外形長さと同程度に近似している為、可動部2を回動させるモーメントが確保しやすく、可動部を確実に変位させることが可能となっている。
コイル部42は基部161へ載置されたコイル固定部422とコイル固定部422のZ方向に突出した部位に巻き付けられたコイル部421とからなっている。突出した部位は鉄等の軟磁性体を磁心にしており磁界をより効率的に発生させることができる。また、コイル部421は電圧印加部61に電気的に接続されていて、第1永久磁石と第2永久磁石41とに作用する磁界を発生させる。コイル部42において第2永久磁石41の側がN極となりその反対側がS極となる状態と、その反対の極性配置になる状態と、を交互にかつ周期的に切り替えることができるようになっている。
図4は、電圧印加部の構成を示すブロック図である。図4に示すように、電圧印加部61は第1の電圧発生部612、第2の電圧発生部613及び電圧重畳部611を有している。第1の電圧発生部612は可動部2をY軸まわりに回動させるための第1の電圧波形を発生させる。第2の電圧発生部613は可動部2をX軸まわりに回動させるための第2の電圧波形を発生させる。電圧重畳部611は第1の電圧波形と第2の電圧波形とを重畳し、その電圧波形をコイル部42に印加する。
図5は電圧波形を説明するためのタイムチャートである。図5(a)に示すように、第1の電圧発生部612は周期T1、電圧V1で周期的に変化する第1の電圧波形614を発生させるものである。第1の電圧波形614は鋸波のような波形である。そのため、光スキャナー1は効果的に光を垂直走査(副走査)することができる。尚、第1の電圧波形614は、これに限定されず、交番電圧及び直流電圧を選択して印加できるようになっている。交番電圧を印加する際には、その電圧の強さV1、周波数(周期T1)を変更できるようになっている。さらに、オフセット電圧(直流電圧)を重畳させることもできるようになっている。本実施形態では、第1の電圧波形614の周波数は、変位部21と一対の駆動梁9と第1永久磁石213によって構成される振動系の共振周波数と異なるように調整されている。
図5(b)に示すように、一方、第2の電圧発生部613は周期T1とは異なる周期T2、電圧V2で周期的に変化する第2の電圧波形615を発生させるものである。周期T2は周期T1より短い周期に設定されている。第2の電圧波形615は正弦波のような波形である。尚、第2の電圧波形615は、これに限定されない。本実施形態では、第2の電圧波形615の周波数は、可動部2とねじり梁5aと連結梁5bと第2永久磁石41とによって構成される振動系の共振周波数と等しくなるように調整されている。これにより、可動部2がX軸まわりに高速回動し、回動角を大きくすることができる。
図4に戻って、第1の電圧発生部612及び第2の電圧発生部613は、電圧重畳部611に接続されている。電圧重畳部611は、コイル部42に電圧を印加するための加算器611aを備えている。加算器611aは、第1の電圧発生部612から第1の電圧波形614を受け取るとともに、第2の電圧発生部613から第2の電圧波形615を受け、これらの電圧を重畳しコイル部42に印加する。
次に、Y方向を軸とした軸まわりの可動部2の回動について説明する。図6(a)及び図6(b)は、第1永久磁石とコイルによる駆動を説明するための模式側断面図である。図6(b)は図6(a)とは異なる方向への駆動を示している。図6は、図1におけるA−A’断面に対応する断面図である。まず、第2永久磁石41の側がN極となる第1の状態と、S極となる第2の状態と、が交互にかつ周期的に切り替わるように、電圧印加部61からコイル部42のコイル部421へ第1の電圧波形614(交番電圧)を印加する。
図6(a)に示す第1の状態では、コイル部42の可動部2側がN極となる。そして、第1永久磁石213のS極がコイル部42に引き付けられると共にN極がコイル部42から遠ざかる。これにより、変位体211は、一対の駆動梁9を捩じり変形させつつ、第1永久磁石213のS極側の面を可動部2の側に向けるように回動して傾斜する。これと同時に、第1永久磁石313のS極がコイル部42に引き付けられると共にN極がコイル部42から遠ざかる。これにより、変位体311は、一対の駆動梁10を捩じり変形させつつ、第1永久磁石313のS極側の面を可動部2の側に向けるように回動して傾斜する。つまり、変位部21,31が共に図中時計回りに回動する。
この変位部21,31の回動と共に、連結梁5bが可動部2側の端を基台16側に向けるように傾斜し、連結梁6bが可動部2側の端を基台16と反対側に向けるように傾斜する。そして、変位部21の可動部2側の端が−Z方向にずれ、変位部31の可動部2側の端がZ方向にずれた状態となる。これにより、屈曲部7の変形部721はその中心軸まわりに捩じり変形し、接続部722は湾曲変形する。屈曲部8も同様に捩じり変形及び湾曲変形し、ねじり梁5a,6a及び可動部2が図中一体的に反時計回りに回動する。
一方、図6(b)に示す第2の状態では、コイル部42の可動部2側がS極となる。そして、前述した第1の状態と逆の変形が起こる。すなわち、第1永久磁石213のN極がS極となっているコイル部42に引き付けられると共に、第1永久磁石313のN極がS極になっているコイル部42に引き付けられることになる。そして、可動部2は図6中時計回りに回動する。このようにして、第1の状態と、第2の状態とを交互にかつ周期的に切り替えることによって、可動部2をY方向を軸とした軸まわりに、自在に回動させることができる。
次に、X方向を軸とした軸まわりの可動部2の回動について説明する。図7(a)は、第2永久磁石とコイルによる駆動を説明するための模式側断面図である。図7(b)は、第2永久磁石とコイルによる駆動を説明するための模式側断面図であって、図7(a)とは異なる方向へ駆動する様子を示している。図7は、図1におけるB−B’断面に対応する断面図であり、以下では、図7に加え、図1、図2及び図3も参照して説明する。コイル部42の第2永久磁石41側がN極となる第1の状態と、S極となる第2の状態と、が交互にかつ周期的に切り替わるように、電圧印加部61からコイル部42のコイル部421へ第2の電圧波形615(交番電圧)を印加する。
図7(a)に示すように、コイル部42の第2永久磁石41側がS極である場合、第2永久磁石41のN極がコイル部42に引き付けられると共にS極がコイル部42から遠ざかる。このため、可動部2は可動部側のねじり梁5a,6aを捩じり変形させて図中時計回りに回動して傾斜する。これに対し、図7(b)に示すように、コイル部42の第2永久磁石41の側がN極である場合、第2永久磁石41のS極がコイル部42に引き付けられると共にN極がコイル部42から遠ざかる。このため、可動部2は可動部側のねじり梁5a,6aを捩じり変形させて図中反時計回りに回動して傾斜する。そして、可動部2の図中時計回りの回動あるいは反時計回りの回動は、可動部側のねじり梁5a,6aの捩れにより吸収されることになる。従って、前述したY方向を軸とした軸まわりの可動部2の回動に影響を与えることがない。
従って、光スキャナー1は可動部2のY方向の軸まわりの回動と、可動部2のX方向の軸まわりの回動と、をそれぞれ個別に独立して行うことができる。即ち、第1永久磁石213、313とコイル部42による可動部2の回動は、第2永久磁石41とコイル部42による可動部2の回動による影響を受けない。逆に、第2永久磁石41とコイル部42による可動部2の回動は、第1永久磁石213、313とコイル部42による可動部2の回動による影響を受けない。そのため、光スキャナー1はY方向及びX方向のそれぞれの軸まわりに可動部2を安定して回動させることができる。
以上説明したような光スキャナー1は、例えば、プロジェクター、レーザープリンター、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡等の画像形成装置に好適に適用することができる。図8は、本発明の画像形成装置の構成を示す模式図である。図8には、画像形成装置としてのプロジェクター100が示されている。ここでは、スクリーン180の長手方向を「横方向」といい、長手方向に直角な方向を「縦方向」という。プロジェクター100は、レーザー等の光を射出する光源としての光源装置110と、複数のダイクロイックミラー120と、光スキャナー1とを有している。
光源装置110は、赤色光を射出する赤色光源装置111と、青色光を射出する青色光源装置112と、緑色光を射出する緑色光源装置113とを備えている。各ダイクロイックミラー120は、赤色光源装置111、青色光源装置112、緑色光源装置113のそれぞれから射出された光を合成する光学素子である。このようなプロジェクター100は、図示しないホストコンピューターからの画像情報に基づいて、光源装置110から射出された光をダイクロイックミラー120で合成し、この合成された光が光スキャナー1によって2次元走査され、固定ミラー150を介してスクリーン180上にカラー画像を形成するよう構成されている。
2次元走査の際、光スキャナー1の可動部2が、Y方向の軸まわりに回動し、反射板3の光反射面3aで反射した光がスクリーン180の横方向に走査(主走査)される。一方、光スキャナー1の可動部2が、X方向の軸まわりに回動し、光反射面3aで反射した光がスクリーン180の縦方向に走査(副走査)される。光スキャナー1による光の走査は、いわゆるラスタースキャンによって行ってもよしい、いわゆるベクタースキャンによって行ってもよい。特に、光スキャナー1においては、その構成上、ベクタースキャンに適しているため、ベクタースキャンによって光を走査するのが好ましい。
光スキャナー1にとって好ましいベクタースキャンとは、光源装置110から射出された光を、スクリーン180に対し、スクリーン180上の異なる2点を結ぶ線分を順次形成するように走査する手法である。すなわち、微少な直線を集合させることにより、スクリーン180に所望の画像を形成する手法である。光スキャナー1では、可動部2を、Y方向の軸まわり及びX方向の軸まわりに、不規則に且つ連続的に変位させることが可能であるため、ベクタースキャンに特に適している。
具体的に説明すれば、図中に示すような文字”ab”をベクタースキャンにて描画する場合には、光源装置110から射出された光をそれぞれの文字を書くように走査する。この際、光スキャナー1が有する可動部2のX方向の軸まわりの姿勢(回動)とY方向の軸まわりの姿勢(回動)とをそれぞれ制御して、走査軌跡130に沿って不規則に光を走査することができる。そして、”ab”の文字を一筆書きのように描画することができる。このようなベクタースキャンによれば、ラスタースキャンのように、スクリーン180の全面に光を走査させなくてよいため、効率的に画像を描画することができる。尚、本実施形態では、ダイクロイックミラー120で合成された光を光スキャナー1によって2次元的に走査した後、その光を固定ミラー150で反射させてからスクリーン180に画像を形成するように構成されているが、固定ミラー150を省略し、光スキャナー1によって2次元的に走査された光を直接スクリーン180に照射してもよい。
以上説明した実施形態における光スキャナー1の主要な効果を記載する。
(1)光スキャナー1は、X方向を軸とする回動と、Y方向を軸とする回動と、が互いの影響を受けることなく可動部2へ変位を付与する機能を有する。これにより、光スキャナー1は、可動部2がX方向またはY方向の軸を中心にして、個別に安定して回動することができ、任意の方向へ光を反射することができる。さらに、X方向を軸とする回動の構成が可動梁及び駆動梁を有しない構成であるため、光スキャナー1を小型化することも可能である。
(2)可動部2を、Y方向を軸として回動を行うための第1の電圧波形614と、X方向を軸として回動を行うための第2の電圧波形615と、を重畳して1つのコイル部へ印加する。各回動に必要なコイルを1つに削減し、光スキャナー1をより小型化することが可能である。また、コイルを1つに削減している為、生産性良く光スキャナー1を生産することができる。
(3)光スキャナー1のY方向を軸とする回動を行うアクチュエーターは、第1永久磁石213,313とコイル部42で構成し、X方向を軸とする回動を行うアクチュエーターは、第2永久磁石41とコイル部42で構成している。そして、第1永久磁石213,313または第2永久磁石41に対し、コイル部42から磁界を発生させて、第1永久磁石213,313または第2永久磁石41のいずれかの極側をコイルに引きつけることにより、可動部2を回動させている。このように、光スキャナー1は、重畳した電圧の印加によりコイル部42の極性を簡便に変化させる構成により、可動部2を自在に変位させることが容易にできる。
(4)光スキャナー1は、第2永久磁石41が反射板3を支持することに加え、第2永久磁石としても機能している。これにより、光スキャナー1は、反射板3を支持するだけの支持部材を削減することができ、可動部2の重量軽減が可能となり変位に要する磁界強度の低減や、部品点数削減等が図れる。従って、生産性良く光スキャナー1を生産することができる。
また、光スキャナー1及び画像形成装置としてのプロジェクター100は、上記の実施形態に限定されるものではなく、次に挙げる変形例のような形態であっても、実施形態と同様な効果が得られる。
(変形例1)光スキャナー1の反射板3は、可動部2と近似の大きさの直径D1の円形をなしているが、この構成に限定されるものではなく、可動梁5,6が機能する範囲であれば、可動部2より大きな直径D2の円形であっても良い。図9(a)及び(b)は、光スキャナーの動作を説明するための模式側断面図であり、図9(b)は、変形例におけるY方向を軸とする回動を示す模式断面図である。図9(a)に示すように、可動部2に第2永久磁石41によって支持されている光反射部としての反射板50は、可動部2に対して反対方向に光反射面50aを有し、その円周端部が屈曲部7,8を超えて連結梁5b,6bにまで達する大きさである。このような大きさの反射板50であっても、反射板50が第2永久磁石41によって可動部2から離間しているため、図9(b)に示すように、反射板50が回動して傾斜した状態でも、可動梁5,6及び屈曲部7,8に当接しない。つまり、反射板50は、反射板3と同様な回動ができることに加え、さらに、より多くの光束を一度に反射することができる。尚、これとは逆に、反射板は、可動部2より小さな円形であっても良い。
(変形例2)光スキャナー1において、可動部2及び反射板3の平面視形状は、円形であるが、これに限定されず、例えば長方形、正方形等の多角形、円形、楕円形等であっても良い。また、可動部2と反射板3とが同形状でなくても良い。
(変形例3)変位部21,31の変位体211,311の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、正方形や五角形以上の多角形であっても良く、円形等であっても良い。
(変形例4)変位部21,31における第1永久磁石213,313は、棒状をなしているが、これに限定されず、例えば、板状等をなしていても良い。板状の場合には、これら永久磁石を面方向に磁化して変位体211,311に固定する。これにより、該永久磁石のX方向長さを短くすることができ、変位体211,311の回動に伴って発生する慣性モーメントを抑えることができる。
(変形例5)光スキャナー1は、第1永久磁石213と第1永久磁石313とが光反射面3aの側に位置するそれぞれの極の極性を互いに異ならせた状態で、可動部2をX方向あるいはY方向の軸まわりに回動させる構成である。これに限らず、磁石の配置や電圧の印加方法を変えて回動以外の変位を付与しても良い。例えば、可動部2を傾斜させずにZ方向へ振動あるいは静止させたりすることも可能であり、より多彩な光の反射を行うことができる。
(変形例6)可動部2をX方向及びY方向に回動するためのアクチュエーターは、第1永久磁石213,313または第2永久磁石41と、コイル部42と、を有する構成であるが、例えば、コイル部42に替えて、回転可能に設置された永久磁石を有する構成等であっても良い。該永久磁石をすばやく回転させることにより、コイル部42のように、第1永久磁石213,313または第2永久磁石41に対向する側の極性を変化させることができる。
(変形例7)光スキャナー1では、振動基板4における振動形態について特に規定していないが、例えば、第1永久磁石213、313とコイル部42により連結部11,12を介して可動部2を回動させる場合には、それぞれが共振して駆動することが好ましい。共振駆動では、可動部2を正弦波駆動させるため同じ回動を繰り返して行う駆動となるが、大きな回動でも低消費電力で駆動することが可能である。一方、梁等を介さず、第2永久磁石41とコイル部42により、可動部2を直接回動させる場合には、ねじり梁5a,6aとが非共振で駆動することが好ましく、非共振駆動では、消費電力が増えるが、可動部2を小さな回動で自在に駆動することが可能である。共振駆動と非共振駆動とを選択することにより、光スキャナー1を最適に駆動することができ、プロジェクター100をはじめ、各種の画像形成装置に搭載可能である。
1…光スキャナー、2…可動部、3a…光反射面、3…光反射部としての反射板、5,6…可動梁、5a,6a…ねじり梁、5b,6b…連結梁、7,8…屈曲部、9,10…駆動梁、15…支持枠、21,31…変位部、41…第2永久磁石、42…コイルとしてのコイル部、60…駆動部、61…電圧印加部、110…光源としての光源装置、213,313…第1永久磁石、611…電圧重畳部、612…第1の電圧発生部、613…第2の電圧発生部、614…第1の電圧波形、615…第2の電圧波形。

Claims (8)

  1. 光反射面を有する光反射部を備え、かつ第1の回動中心軸及び前記第1の回動中心軸に直交する第2の回動中心軸まわりに回動可能な可動部と、
    前記可動部から前記第1の回動中心軸に沿って延出し、前記可動部を挟んで対向配置される一対の可動梁と、
    各前記可動梁に接続され、前記可動部を前記第2の回動中心軸まわりに回動させる変位を発生する変位部と、
    各前記変位部から前記第2の回動中心軸と平行な方向に延出する一対の駆動梁と、
    前記駆動梁を支持する支持枠と、
    各前記変位部に設けられた第1永久磁石、前記可動部に設けられた第2永久磁石、各前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石に作用する磁界を発生するコイル、該コイルに電圧を印加する電圧印加部、を有する駆動部と、を備え、
    前記可動梁は、前記変位部の変位によって前記支持枠の厚さ方向に屈曲変形する屈曲部と、前記可動部と前記屈曲部の間に位置するねじり梁と、前記屈曲部と前記変位部の間に位置する連結梁と、を含み、
    前記電圧印加部は、第1の電圧波形を発生する第1の電圧発生部、第2の電圧波形を発生する第2の電圧発生部、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを重畳する電圧重畳部、を有し、
    前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記コイルに印加することにより、前記可動部を前記第1の電圧波形で前記第2の回動中心軸まわりに回動させつつ、前記第2の電圧波形で前記第1の回動中心軸まわりに回動させるように構成されていることを特徴とする光スキャナー。
  2. 請求項1に記載の光スキャナーにおいて、
    前記第1永久磁石は、前記光反射面と直交する方向に両極が対向するように配置され、各前記変位部に設けられた各前記第1永久磁石同士は、前記光反射面の側に位置するそれぞれの極が互いに異なる極性となっていることを特徴とする光スキャナー。
  3. 請求項1または2に記載の光スキャナーにおいて、
    前記第2永久磁石は、両極間の長さが前記可動部の外形長さと近似し、前記第2の回動中心軸と平行な方向に両極が対向するように前記可動部へ設けられていることを特徴とする光スキャナー。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の光スキャナーにおいて、
    前記第2永久磁石は、前記光反射部を支持した状態で前記可動部に設けられていることを特徴とする光スキャナー。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の光スキャナーにおいて、
    前記光反射面は、前記可動部より大きな面積を有していることを特徴とする光スキャナー。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の光スキャナーにおいて、
    前記第2の電圧波形の周波数は、前記可動部と一対の前記ねじり梁と前記第2永久磁石とによって構成される振動系の共振周波数と等しいことを特徴とする光スキャナー。
  7. 請求項6に記載の光スキャナーにおいて、
    前記第1の電圧波形の周波数は、前記第2の電圧波形の周波数と異なり、且つ前記変位部と前記一対の駆動梁と前記第1永久磁石によって構成される振動系の共振周波数と異なることを特徴とする光スキャナー。
  8. 光源と、
    前記光源からの光を走査する光スキャナーと、を有し、
    前記光スキャナーは、
    光反射面を有する光反射部を備え、かつ第1の回動中心軸及び前記第1の回動中心軸に直交する第2の回動中心軸まわりに回動可能な可動部と、
    前記可動部から前記第1の回動中心軸に沿って延出し、前記可動部を挟んで対向配置される一対の可動梁と、
    各前記可動梁に接続され、前記可動部を前記第2の回動中心軸まわりに回動させる変位を発生する変位部と、
    各前記変位部から前記第2の回動中心軸と平行な方向に延出する一対の駆動梁と、
    前記駆動梁を支持する支持枠と、
    前記変位部に設けられた第1永久磁石、前記可動部に設けられた第2永久磁石、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石に作用する磁界を発生するコイル、該コイルに電圧を印加する電圧印加部、を有する駆動部と、を備え、
    前記可動梁は、前記変位部の変位によって前記支持枠の厚さ方向に屈曲変形する屈曲部と、前記可動部と前記屈曲部の間に位置するねじり梁と、前記屈曲部と前記変位部の間に位置する連結梁と、を含み、
    前記電圧印加部は、第1の電圧波形を発生する第1の電圧発生部、第2の電圧波形を発生する第2の電圧発生部、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを重畳する電圧重畳部、を有し、
    前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記コイルに印加することにより、前記可動部を前記第1の電圧波形で前記第2の回動中心軸まわりに回動させつつ、前記第2の電圧波形で前記第1の回動中心軸まわりに回動させるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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