JP2014016443A - 光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 - Google Patents
光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014016443A JP2014016443A JP2012153295A JP2012153295A JP2014016443A JP 2014016443 A JP2014016443 A JP 2014016443A JP 2012153295 A JP2012153295 A JP 2012153295A JP 2012153295 A JP2012153295 A JP 2012153295A JP 2014016443 A JP2014016443 A JP 2014016443A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- movable
- frame fixing
- outer frame
- displacement
- light reflecting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
- Laser Beam Printer (AREA)
- Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
Abstract
【課題】可動部を互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる光スキャナーおよび画像形成装置を提供すること。
【解決手段】外枠固定部131と、外枠固定部131の内側に形成され、駆動梁43,53,63,73の延長線と重ならない部分において外枠固定部131と1箇所で接続された内枠固定部132と、内枠固定部132を固定する基台12と、内枠固定部132および外枠固定部131を、基台12と反対側から支持する基材14,15,16,17とを設けることで、基台12と振動基板11との接合応力が連結部4,5,6,7へ伝達するのを防止する。従って、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動を安定して行うことができる。
【選択図】図1
【解決手段】外枠固定部131と、外枠固定部131の内側に形成され、駆動梁43,53,63,73の延長線と重ならない部分において外枠固定部131と1箇所で接続された内枠固定部132と、内枠固定部132を固定する基台12と、内枠固定部132および外枠固定部131を、基台12と反対側から支持する基材14,15,16,17とを設けることで、基台12と振動基板11との接合応力が連結部4,5,6,7へ伝達するのを防止する。従って、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動を安定して行うことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置に関する。
例えば、レーザープリンター等にて光走査により描画を行うための光スキャナーとして、捩り振動子で構成されアクチュエーターを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、一対の永久磁石が設けられた絶縁基板と、一対の永久磁石の間に位置するように絶縁基板に支持されたスキャナー本体とを有するアクチュエーターが開示されている。また、スキャナー本体は、枠状の支持部と、支持部の内側に設けられた枠状の外側可動板と、外側可動板の内側に設けられた内側可動板(ミラー)とを有している。また、外側可動板は、X軸方向に延長する一対の第1トーションバーを介して支持部に連結されており、内側可動板は、X軸方向と直交するY軸方向に延長する第2トーションバーを介して外側可動板に連結している。また、外側可動板および内側可動板には、それぞれコイルが設けられている。
特許文献1には、一対の永久磁石が設けられた絶縁基板と、一対の永久磁石の間に位置するように絶縁基板に支持されたスキャナー本体とを有するアクチュエーターが開示されている。また、スキャナー本体は、枠状の支持部と、支持部の内側に設けられた枠状の外側可動板と、外側可動板の内側に設けられた内側可動板(ミラー)とを有している。また、外側可動板は、X軸方向に延長する一対の第1トーションバーを介して支持部に連結されており、内側可動板は、X軸方向と直交するY軸方向に延長する第2トーションバーを介して外側可動板に連結している。また、外側可動板および内側可動板には、それぞれコイルが設けられている。
このような構成のアクチュエーターでは、通電により各コイルから発生する磁界と一対の永久磁石間に発生する磁界とを作用させることにより、外側可動板が内側可動板とともに第1トーションバーを中心軸としてX軸まわりに搖動し、内側可動板が第2トーションバーを中心軸としてY軸まわりに搖動する。
このように、特許文献1のアクチュエーターでは、内側可動板をX軸まわりに搖動させる機構と、Y軸まわりに搖動させる機構とが異なっている。そのため、内側可動板をX軸およびY軸まわりに等しい条件で搖動させることができない。また、特許文献1のアクチュエーターでは、外側可動板に設けられたコイルから発生する磁場と、内側可動板に設けられたコイルから発生する磁場とが干渉し、内側可動板をX軸およびY軸のそれぞれの軸まわりに独立して搖動させることができない。したがって、特許文献1のアクチュエーターでは、内側可動板をX軸およびY軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることができないという問題がある。
本発明の目的は、可動板を互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりにおいて、安定して搖動させることができ、可動板と搖動する軸との偏りを押さえ、正確な画像を実現することができる光スキャナーおよび画像形成装置を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものである。以下の形態または適用例により実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる光スキャナーは、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、前記内枠固定部を固定する基台と、前記内枠固定部および前記外枠固定部を、前記基台と反対側から支持する基材と、前記変位部に形成される内枠部と、前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする。
この構成によれば、外枠固定部と、外枠固定部の内側に形成され、駆動梁の延長線と重ならない部分において外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、内枠固定部を固定する基台と、内枠固定部および外枠固定部を、基台と反対側から支持する基材とが設けられている。
このため、基台と内枠固定部との接合応力が連結部へ伝達するのを防止する。従って、可動部の搖動中心軸まわりの搖動を安定して行うことができる。
これにより、互いに直交する2つの軸のうちの一方の軸まわりの可動部の搖動と、他方の軸まわりの可動部の搖動とを独立して行うことができる。また、駆動梁に連結する外枠固定部の変形を防止することができる。そのため、可動部を互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる光スキャナーを提供することができる。
さらに、これによれば、変位部を駆動する駆動部が、可動梁の延長方向に変位部から隔てて配置され、変位部の内枠部に固定される永久磁石に近付けて配置することができる。このため、永久磁石により駆動部に発生させるトルクを高い状態にすることができる。トルクは磁界に比例し、コイルにより発生する磁界は電流に比例するので、同一のトルクを発生させることは、駆動部が永久磁石に近付けて配置されることにより、低い電流で可能となる。そして、消費電力は電流の2乗に比例するので、変位部を駆動する駆動部の消費電力を低くすることができ、消費電力化を実現し安定に駆動する2軸駆動の光スキャナーを得ることができる。
このため、基台と内枠固定部との接合応力が連結部へ伝達するのを防止する。従って、可動部の搖動中心軸まわりの搖動を安定して行うことができる。
これにより、互いに直交する2つの軸のうちの一方の軸まわりの可動部の搖動と、他方の軸まわりの可動部の搖動とを独立して行うことができる。また、駆動梁に連結する外枠固定部の変形を防止することができる。そのため、可動部を互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる光スキャナーを提供することができる。
さらに、これによれば、変位部を駆動する駆動部が、可動梁の延長方向に変位部から隔てて配置され、変位部の内枠部に固定される永久磁石に近付けて配置することができる。このため、永久磁石により駆動部に発生させるトルクを高い状態にすることができる。トルクは磁界に比例し、コイルにより発生する磁界は電流に比例するので、同一のトルクを発生させることは、駆動部が永久磁石に近付けて配置されることにより、低い電流で可能となる。そして、消費電力は電流の2乗に比例するので、変位部を駆動する駆動部の消費電力を低くすることができ、消費電力化を実現し安定に駆動する2軸駆動の光スキャナーを得ることができる。
[適用例2]本適用例にかかる光スキャナーは、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線上を避けて前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、前記内枠固定部に形成された貫通孔を介して前記内枠固定部と接着固定され、かつ前記外枠固定部を支持する基台と、前記変位部に形成される内枠部と、前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする。
これにより、互いに直交する2つの軸のうちの一方の軸まわりの可動部の搖動と、他方の軸まわりの可動部の搖動とを独立して行うことができる。また、駆動梁に連結する外枠固定部の変形を防止することができる。そのため、可動部を互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる光スキャナーを提供することができる。さらに、これによれば、変位部を駆動する駆動部が、可動梁の延長方向に変位部から隔てて配置され、変位部の内枠部に固定される永久磁石に近付けて配置することができる。このため、永久磁石により駆動部に発生させるトルクを高い状態にすることができる。トルクは磁界に比例し、コイルにより発生する磁界は電流に比例するので、同一のトルクを発生させることは、駆動部が永久磁石に近付けて配置されることにより、低い電流で可能となる。そして、消費電力は電流の2乗に比例するので、変位部を駆動する駆動部の消費電力を低くすることができ、消費電力化を実現し安定に駆動する2軸駆動の光スキャナーを得ることができる。
これにより、基台と反対側から支持する基材がなくても、上記適用例1と同様の効果を奏することが可能な光スキャナーを提供することができる。
これにより、基台と反対側から支持する基材がなくても、上記適用例1と同様の効果を奏することが可能な光スキャナーを提供することができる。
[適用例3]本適用例にかかるミラーチップは、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線上を避けて前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、前記変位部に形成される内枠部と、前記内枠部に固定される永久磁石と、前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする。
これによれば、ミラーチップは、外枠固定部が駆動梁だけでなく、支持部および分離部により連結されているので、外枠固定部が駆動梁だけに連結されている場合と比べて剛性が高い。このため、ミラーチップを保持して、内枠固定部を基台に配置して、内枠固定部と基台とを接合させる際などにおいて、ミラーチップを破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。すなわち、互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる可動部を備える光スキャナーを、高い歩留まりで製造できるミラーチップを提供することができる。
[適用例4]本適用例にかかるミラーチップは、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、前記変位部に形成される内枠部と、前記内枠部に固定される永久磁石と、前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする。
これによれば、ミラーチップは、外枠固定部が駆動梁だけでなく、支持部および分離部により連結されているので、外枠固定部が駆動梁だけに連結されている場合と比べて剛性が高い。このため、ミラーチップを保持して、内枠固定部を基台に配置して、内枠固定部と基台とを接合させる際などにおいて、ミラーチップを破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。すなわち、互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる可動部を備える光スキャナーを、高い歩留まりで製造できるミラーチップを提供することができる。
[適用例5]上記適用例にかかるミラーチップにおいて、前記分離部は、前記外枠固定部と前記支持部とが部分的に連結されていることが好ましい。
これによれば、分離部が外枠固定部と支持部とが部分的に連結されて構成されるため、分離部の強度を他の部分に比べて選択的に弱くすることができる。従って、より確実に分離部において外枠固定部と支持部とを分離することが可能となる。
[適用例6]上記適用例にかかるミラーチップにおいて、前記分離部は、前記外枠固定部および前記支持部の厚さよりも小さい厚さを有することが好ましい。
これによれば、分離部が外枠固定部および支持部よりも小さい厚みで構成されるため、分離部の強度を他の部分に比べて選択的に弱くすることができる。従って、分離部において外枠固定部と支持部とをより確実に分離することが可能となる。
[適用例7]本適用例にかかる光スキャナーの製造方法は、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、前記内枠固定部を固定する基台と、前記内枠固定部および前記外枠固定部を、前記基台と反対側から支持する基材とを備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする光スキャナーの製造方法であって、前記光反射部材、前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、前記内枠固定部を前記基台に固定する固定工程と、前記外枠固定部を前記基台と反対側から支持する工程と、前記分離部において前記外枠固定部と前記支持部とを分離する分離工程とを備えることを特徴とする。
これによれば、外枠固定部が駆動梁だけでなく、支持部および分離部により連結されているので、外枠固定部が駆動梁だけに連結された場合と比べて剛性を高くすることができる。そのため、支持部および外枠固定部および内枠固定部を保持して、内枠固定部を基台に配置して、内枠固定部と基台とを接合させる際などにおいて、支持部ならびに支持部に取り囲まれた光反射部材、支持部材、可動部、可動梁、変位部、駆動梁、外枠固定部、および内枠固定部を破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。すなわち、互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる可動部を備える光スキャナーを、高い歩留まりで製造できる。
[適用例8]本適用例にかかる光スキャナーの製造方法は、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、前記外枠固定部を支持する基台と、を備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする光スキャナーの製造方法であって、前記光反射部材、前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、前記内枠固定部に形成された貫通孔を介して前記基台に接着固定する固定工程と、前記分離部において前記外枠固定部と前記支持部とを分離する分離工程とを備えることを特徴とする。
これによれば、外枠固定部が駆動梁だけでなく、支持部および分離部により連結されているので、外枠固定部が駆動梁だけに連結された場合と比べて剛性を高くすることができる。そのため、支持部および外枠固定部および内枠固定部を保持して、内枠固定部を基台に配置して、内枠固定部と基台とを接合させる際などにおいて、支持部ならびに支持部に取り囲まれた光反射部材、支持部材、可動部、可動梁、変位部、駆動梁、外枠固定部、および内枠固定部を破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。すなわち、互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることのできる可動部を備える光スキャナーを、高い歩留まりで製造できる。
[適用例9]本適用例にかかる画像形成装置は、光源と、前記光源からの光を走査する光スキャナーと、を備え、前記光スキャナーは、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、前記内枠固定部を固定する基台と、前記内枠固定部および前記外枠固定部を、前記基台と反対側から支持する基材と、前記変位部に形成される内枠部と、前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする。
これによれば、可動部を互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりにおいて、安定して搖動させることができ、可動部と搖動する軸との偏りを押さえ、正確な画像を実現する画像形成装置を提供することができる。
[適用例10]本適用例にかかる画像形成装置は、光源と、前記光源からの光を走査する光スキャナーと、を備え、前記光スキャナーは、光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、前記駆動梁が連結される外枠固定部と、前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、前記内枠固定部に形成された貫通孔を介して前記内枠固定部と接着固定され、かつ前記外枠固定部を支持する基台と、前記変位部に形成される内枠部と、前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする。
これによれば、可動部を互いに直交する2つの軸のそれぞれの軸まわりにおいて、安定して搖動させることができ、可動部と搖動する軸との偏りを押さえ、正確な画像を実現する画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の光スキャナーおよび画像形成装置の好適な実施形態の一例について説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
以下では、説明の便宜上、図中の左側を「左」、右側を「右」と言い、図中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1に示すように互いに直交する3軸を、X軸、Y軸およびZ軸とし、非駆動状態の可動部の面と、X軸およびY軸で形成される面とが一致し(平行であり)、可動部の厚さ方向とZ軸とが一致する。また、以下では、X軸に平行な方向を「X軸方向」と言い、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」と言い、Z軸方向に平行な方向を「Z軸方向」と言う。
<第1実施形態>
第1実施形態の光スキャナー1について説明する。
図1は本実施形態にかかる光スキャナーを示す概略平面図である。図2(a)は、図1のA−A断面図であり、図2(b)は、図1のB−B断面図であり、図2(c)は、図1のC−C断面図である。
図1および図2に示す光スキャナー1は、可動部2、可動部2に支持される光反射部材20、可動部2に連結する4つの連結部4,5,6,7と、連結部4,5,6,7を連結する外枠固定部131と、外枠固定部と1か所で接続された内枠固定部132で構成された振動基板11と、振動基板11を固定する基台12と、振動基板11を基台12と反対側から支持する基材14,15,16,17と、可動部2を変位させる変位手段8とを有している。以下、光スキャナー1の各構成について順次詳細に説明する。
第1実施形態の光スキャナー1について説明する。
図1は本実施形態にかかる光スキャナーを示す概略平面図である。図2(a)は、図1のA−A断面図であり、図2(b)は、図1のB−B断面図であり、図2(c)は、図1のC−C断面図である。
図1および図2に示す光スキャナー1は、可動部2、可動部2に支持される光反射部材20、可動部2に連結する4つの連結部4,5,6,7と、連結部4,5,6,7を連結する外枠固定部131と、外枠固定部と1か所で接続された内枠固定部132で構成された振動基板11と、振動基板11を固定する基台12と、振動基板11を基台12と反対側から支持する基材14,15,16,17と、可動部2を変位させる変位手段8とを有している。以下、光スキャナー1の各構成について順次詳細に説明する。
(1−1.振動基板11)
第1実施形態では、振動基板11(すなわち、可動部2、4つの連結部4,5,6,7、4つの外枠固定部131および内枠固定部132)は、SOI基板の不要部位をドライエッチングおよびウェットエッチング等の各種エッチング法により除去することにより一体的に形成されている。
第1実施形態では、振動基板11(すなわち、可動部2、4つの連結部4,5,6,7、4つの外枠固定部131および内枠固定部132)は、SOI基板の不要部位をドライエッチングおよびウェットエッチング等の各種エッチング法により除去することにより一体的に形成されている。
4つの外枠固定部131は、それぞれ連結部4,5(5,6および6,7および4,7)に連結され、4つの外枠固定部131と4つの連結部4,5,6,7とにより、可動部2の周囲を囲むように設けられている。また、4つの内枠固定部132は、外枠固定部131の内側に形成され、駆動梁43,53,63,73の延長線上を避けて外枠固定部131と1箇所で接続されている。このように、固定部は外枠固定部131と内枠固定部132とに分割されて構成されている。
この、内枠固定部132は外枠固定部131と1箇所で接続され、接続部分は外枠固定部131の厚み方向の平面視で駆動梁43,53,63,73の延長線と重ならない部分において接続されている。
このような構造によれば、基台12と振動基板11との接合応力が連結部4,5,6,7へ伝達するのを防止する。従って、後述するように、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動を安定して行うことができる。
なお、4つの外枠固定部131、内枠固定部132、及び外枠固定部131と内枠固定部132の接続箇所のXY平面視形状は、矩形で図示したが、これに限定されず、例えば三角形、正方形等の多角形、円形または楕円形等であってもよい。例えば、三角形や正方形や五角形以上の多角形の一部が接続箇所であってもよいし、円形の一部が接続箇所であってもよい。また、4つの外枠固定部131および内枠固定部132の形状は、それぞれ同一の大きさおよび同一の形状で図示したが、これに限るものではなく、適宜形状を決定することができる。4つの内枠固定部132は、接着剤または陽極接合等の各種接合方法を用いて基台12と固定される。また、基材14,15,16,17の凹部は、4つの外枠固定部131および内枠固定部132が内側に配置され、基材14,15,16,17の凸部は、接着剤または陽極接合等の各種接合方法により基台12と固定される。
この、内枠固定部132は外枠固定部131と1箇所で接続され、接続部分は外枠固定部131の厚み方向の平面視で駆動梁43,53,63,73の延長線と重ならない部分において接続されている。
このような構造によれば、基台12と振動基板11との接合応力が連結部4,5,6,7へ伝達するのを防止する。従って、後述するように、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動を安定して行うことができる。
なお、4つの外枠固定部131、内枠固定部132、及び外枠固定部131と内枠固定部132の接続箇所のXY平面視形状は、矩形で図示したが、これに限定されず、例えば三角形、正方形等の多角形、円形または楕円形等であってもよい。例えば、三角形や正方形や五角形以上の多角形の一部が接続箇所であってもよいし、円形の一部が接続箇所であってもよい。また、4つの外枠固定部131および内枠固定部132の形状は、それぞれ同一の大きさおよび同一の形状で図示したが、これに限るものではなく、適宜形状を決定することができる。4つの内枠固定部132は、接着剤または陽極接合等の各種接合方法を用いて基台12と固定される。また、基材14,15,16,17の凹部は、4つの外枠固定部131および内枠固定部132が内側に配置され、基材14,15,16,17の凸部は、接着剤または陽極接合等の各種接合方法により基台12と固定される。
ここで、図3ないし図5に基づいて、固定部を外枠固定部131と内枠固定部132に分割した効果について説明する。なお、図3は、固定部13を分割せず、基台12と固定した際の有限要素法解析結果である。図4は、固定部を外枠固定部131と内枠固定部132とに分割し、かつ内枠固定部132は外枠固定部131と1箇所で接続され、内枠固定部132を基台12と固定した際の有限要素法解析結果である。図5は、固定部を外枠固定部131と内枠固定部132に分割し、かつ内枠固定部132は外枠固定部131と2箇所で接続され、内枠固定部132を基台12と固定した際の有限要素法解析結果である。なお、解析の際の固定方法は接着剤9を設け、接着剤の収縮応力による外枠固定部の変形を考察したが、これに限定されるものではなく、陽極接合などの場合に生じる接合応力の場合も同様である。
図3(a)は、固定部13と基台12を接着した際の上面図、図3(b)は、固定部13と基台12を接着した際の側面図、図3(c)は、有限要素法解析に用いた寸法、図3(d)は、有限要素法解析結果の上面図、図3(e)は有限要素法解析結果の側面図である。なお、固定部13の形状変化をわかりやすくするため、固定部13は基台12よりも大きく設定した。
図3(d)および図3(e)に示すとおり、固定部13は、接着剤9の収縮応力により形状が歪み、かつ下方へ変位する。従って、固定部13に連結された駆動梁43,53,63,73へも変位が伝達し、変位部41,51,61,71の搖動軸がずれる。その結果、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動が不安定になる。
図3(d)および図3(e)に示すとおり、固定部13は、接着剤9の収縮応力により形状が歪み、かつ下方へ変位する。従って、固定部13に連結された駆動梁43,53,63,73へも変位が伝達し、変位部41,51,61,71の搖動軸がずれる。その結果、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動が不安定になる。
図4(a)は、固定部にスリットを設け、固定部を外枠固定部131と内枠固定部132に分割し、かつ内枠固定部132は外枠固定部131と1箇所で接続され、内枠固定部132を基台12と接着した際の上面図、図4(b)は、内枠固定部132と基台12を接着した際の側面図、図4(c)は有限要素法解析に用いた寸法であり、外枠固定部131と内枠固定部132とを接続する寸法を変えた構造I〜IIIを示す。
図4(d)および図4(e)は、構造Iの有限要素法解析結果の上面図および側面図、図4(f)および図4(g)は、構造IIの有限要素法解析結果の上面図および側面図、図4(h)および図4(i)は、構造IIIの有限要素法解析結果の上面図および側面図である。
構造Iは、外枠固定部131と内枠固定部132の接続部の寸法k,mが、内枠固定部132の寸法g,hの1割の場合、構造IIは、外枠固定部131と内枠固定部132の接続部の寸法k,mが、内枠固定部132の寸法g,hの5割の場合、構造IIIは、外枠固定部131と内枠固定部132の接続部の寸法k,mが、内枠固定部132の寸法g,hと等しい場合である。ここで、接続部の最少寸法を1割に設定したのは、接続部の寸法が小さすぎると、構造的に脆くなるためである。
構造Iの場合、外枠固定部131の形状がほぼ保たれたまま、上方へ変位した。従って、基台12と反対側から支持する基材14,15,16,17を設け、上方への変位を抑制すれば、外枠固定部131に連結された駆動梁43,53,63,73へ変位が伝達せず、変位部41,51,61,71の搖動をスムーズに行うことができる。その結果、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動を安定して行うことができる。
構造II、構造IIIの場合、外枠固定部131の形状に若干歪みが認められることから、接続部の寸法は寸法g,hの1割以上、5割よりも小さいことが好ましい。
図4(d)および図4(e)は、構造Iの有限要素法解析結果の上面図および側面図、図4(f)および図4(g)は、構造IIの有限要素法解析結果の上面図および側面図、図4(h)および図4(i)は、構造IIIの有限要素法解析結果の上面図および側面図である。
構造Iは、外枠固定部131と内枠固定部132の接続部の寸法k,mが、内枠固定部132の寸法g,hの1割の場合、構造IIは、外枠固定部131と内枠固定部132の接続部の寸法k,mが、内枠固定部132の寸法g,hの5割の場合、構造IIIは、外枠固定部131と内枠固定部132の接続部の寸法k,mが、内枠固定部132の寸法g,hと等しい場合である。ここで、接続部の最少寸法を1割に設定したのは、接続部の寸法が小さすぎると、構造的に脆くなるためである。
構造Iの場合、外枠固定部131の形状がほぼ保たれたまま、上方へ変位した。従って、基台12と反対側から支持する基材14,15,16,17を設け、上方への変位を抑制すれば、外枠固定部131に連結された駆動梁43,53,63,73へ変位が伝達せず、変位部41,51,61,71の搖動をスムーズに行うことができる。その結果、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動を安定して行うことができる。
構造II、構造IIIの場合、外枠固定部131の形状に若干歪みが認められることから、接続部の寸法は寸法g,hの1割以上、5割よりも小さいことが好ましい。
図5(a)は、固定部にスリットを設け、固定部を外枠固定部131と内枠固定部132に分割し、かつ内枠固定部132は外枠固定部131と2箇所で接続され、接続箇所は対角線上であり、内枠固定部132を基台12と接着した際の上面図、図5(b)は、内枠固定部132と基台12を接着した際の側面図である。有限要素法の解析には、図4(c)の構造Iの寸法を用いた。有限要素法解析結果の上面図を図5(c)に、有限要素法解析結果の側面図を図5(d)に示す。外枠固定部131の形状は大きく歪みが生じた。歪みが生じた場合、変位を抑制しても駆動梁43,53,63,73へ歪みが伝達するので、変位部41,51,61,71の搖動軸がずれる。その結果、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動が不安定になる。従って、図4で既に述べた通り、内枠固定部132と外枠固定部131は1箇所で接続されなければならない。
図5(e)は、固定部にスリットを設け、固定部を外枠固定部131と内枠固定部132に分割し、かつ内枠固定部132は外枠固定部131と隣接する2箇所で接続され、内枠固定部132を基台12と接着した際の上面図、図5(f)は、内枠固定部132と基台12を接着した際の側面図である。有限要素法の解析には、図4(c)の構造Iの寸法を用いた。有限要素法解析結果の上面図を図5(g)に、有限要素法解析結果の側面図を図5(h)に示す。接続部の位置によらず、外枠固定部131には大きな歪みが生じた。
図5(e)は、固定部にスリットを設け、固定部を外枠固定部131と内枠固定部132に分割し、かつ内枠固定部132は外枠固定部131と隣接する2箇所で接続され、内枠固定部132を基台12と接着した際の上面図、図5(f)は、内枠固定部132と基台12を接着した際の側面図である。有限要素法の解析には、図4(c)の構造Iの寸法を用いた。有限要素法解析結果の上面図を図5(g)に、有限要素法解析結果の側面図を図5(h)に示す。接続部の位置によらず、外枠固定部131には大きな歪みが生じた。
図1、2に戻り、可動部2は、平板状をなしている。そして、可動部2には、支持部材23を備えた光反射部材20が配置されている。光反射部材20は平板状をなし、光反射部材20の一方の面(基台12と反対側の面)21には、光反射性を有する光反射部22が形成されている。そして、支持部材23が接着剤などにより可動部2に固定されることで、光反射部材20は、可動部2に支持される。光反射部22は、例えば、面21上に金、銀、アルミニウム等の金属膜などを蒸着等により形成することにより得られる。
なお、第1実施形態では、可動部2のXY平面視形状は、円形であるが、可動部2のXY平面視形状としては、特に限定されず、例えば三角形、長方形、正方形等の多角形、楕円形等であってもよい。
また、光反射部22は、可動部2の基台12と反対側の面に直接設けられていてもよい。
このような可動部2は、4つの連結部4,5,6,7によって外枠固定部131に連結され、駆動梁43,53,63,73の延長線上を避けて1か所で内枠固定部132に接続されている。そして、内枠固定部132は基台12により支持される。4つの連結部4,5,6,7は、可動部2のXY平面視にて、可動部2の周方向に沿って等間隔、すなわち90度間隔で配置されている。
なお、第1実施形態では、可動部2のXY平面視形状は、円形であるが、可動部2のXY平面視形状としては、特に限定されず、例えば三角形、長方形、正方形等の多角形、楕円形等であってもよい。
また、光反射部22は、可動部2の基台12と反対側の面に直接設けられていてもよい。
このような可動部2は、4つの連結部4,5,6,7によって外枠固定部131に連結され、駆動梁43,53,63,73の延長線上を避けて1か所で内枠固定部132に接続されている。そして、内枠固定部132は基台12により支持される。4つの連結部4,5,6,7は、可動部2のXY平面視にて、可動部2の周方向に沿って等間隔、すなわち90度間隔で配置されている。
そして、4つの連結部4,5,6,7のうち、連結部4,6は、可動部2を介してX軸方向に対向しかつ可動部2に対して対称的に形成されており、連結部5,7は、可動部2を介してY軸方向に対向しかつ可動部2に対して対称的に形成されている。このような連結部4,5,6,7によって可動部2を支持することにより、可動部2を安定した状態で支持することができる。
4つの連結部4,5,6,7は、互いに同様の構成をなしている。
具体的には、連結部(第1の連結部)4は、変位部41と、可動梁42と、一対の駆動梁43とを有している。可動梁42は、変位部41と可動部2とを連結している。駆動梁43は、変位部41と外枠固定部131とを連結している。
そして、連結部(第3の連結部)5は、変位部51と、可動梁52と、一対の駆動梁53とを有している。可動梁52は、変位部51と可動部2とを連結している。駆動梁53は、変位部51と外枠固定部131とを連結している。
また、連結部(第2の連結部)6は、変位部61と、可動梁62と、一対の駆動梁63とを有している。可動梁62は、変位部61と可動部2とを連結している。駆動梁63は、変位部61と外枠固定部131とを連結している。
同様に、連結部(第4の連結部)7は、変位部71と、可動梁72と、一対の駆動梁73とを有している。可動梁72は、変位部71と可動部2とを連結している。駆動梁73は、変位部71と外枠固定部131とを連結している。
なお、前記「同様の構成」とは、連結部を構成する要素が共通しているということである。したがって、外形形状については一致している必要はない。
各連結部4,5,6,7をこのような構成とすることにより、連結部の構成が簡単となるとともに、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動等をスムーズに行うことができる。
具体的には、連結部(第1の連結部)4は、変位部41と、可動梁42と、一対の駆動梁43とを有している。可動梁42は、変位部41と可動部2とを連結している。駆動梁43は、変位部41と外枠固定部131とを連結している。
そして、連結部(第3の連結部)5は、変位部51と、可動梁52と、一対の駆動梁53とを有している。可動梁52は、変位部51と可動部2とを連結している。駆動梁53は、変位部51と外枠固定部131とを連結している。
また、連結部(第2の連結部)6は、変位部61と、可動梁62と、一対の駆動梁63とを有している。可動梁62は、変位部61と可動部2とを連結している。駆動梁63は、変位部61と外枠固定部131とを連結している。
同様に、連結部(第4の連結部)7は、変位部71と、可動梁72と、一対の駆動梁73とを有している。可動梁72は、変位部71と可動部2とを連結している。駆動梁73は、変位部71と外枠固定部131とを連結している。
なお、前記「同様の構成」とは、連結部を構成する要素が共通しているということである。したがって、外形形状については一致している必要はない。
各連結部4,5,6,7をこのような構成とすることにより、連結部の構成が簡単となるとともに、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動等をスムーズに行うことができる。
以下、連結部4,5,6,7について具体的に説明するが、連結部4,5,6,7の構成は、互いに同様であるため、連結部4について代表して説明し、他の連結部5,6,7については、その説明を省略する。なお、連結部5,7は、可動部2のXY平面視にて、連結部4に対して90度回転した状態で配置されている。そのため、連結部5,7については、下記の連結部4の説明中の「Y軸方向」を「X軸方向」とし、「X軸方向」を「Y軸方向」とすることで説明することもできる。
図6に示すように、一対の駆動梁43は、変位部41を介してY軸方向に対向配置されており、変位部41を両持ち支持している。また、一対の駆動梁43は、それぞれ、Y軸方向に延長する棒状をなしている。また、一対の駆動梁43は、駆動梁43の中心軸まわりに捩じり変形可能となっている。このような一対の駆動梁43は、同軸的に設けられており、この軸(以下、「搖動中心軸Y2」とも言う)を中心として、一対の駆動梁43が捩じり変形するとともに変位部41が搖動する。
変位部41は、可動部2に対してX軸方向に離間して設けられている。また、変位部41は、前述したように一対の駆動梁43によって両持ち支持されている。このような変位部41には内枠部411が形成されている。この内枠部411は、変位部41の光反射面に平行な面の法線方向に沿って変位部41を貫通する貫通孔によって形成されているとも言える。そして、この内枠部411に永久磁石811が挿通、固定されている。永久磁石811は、例えば、嵌合(圧入)や、接着剤によって、変位部41に固定されている。
なお、変位部41の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、三角形や正方形や五角形以上の多角形であってもよいし、円形であってもよい。
このような変位部41は、可動梁42によって可動部2と連結している。可動梁42は、全体的にX軸方向に延長するように設けられている。このような可動梁42は、変位部41と可動部2との間に設けられた屈曲部421と、可動部側可動梁422と、変位部側可動梁423とを有している。可動部側可動梁422は、屈曲部421と可動部2とを連結し、変位部側可動梁423は、屈曲部421と変位部41とを連結している。
可動部側可動梁422および変位部側可動梁423は、それぞれ、X軸方向に延長する棒状をなしている。また、可動部側可動梁422および変位部側可動梁423は、同軸的に設けられている。
このような変位部41は、可動梁42によって可動部2と連結している。可動梁42は、全体的にX軸方向に延長するように設けられている。このような可動梁42は、変位部41と可動部2との間に設けられた屈曲部421と、可動部側可動梁422と、変位部側可動梁423とを有している。可動部側可動梁422は、屈曲部421と可動部2とを連結し、変位部側可動梁423は、屈曲部421と変位部41とを連結している。
可動部側可動梁422および変位部側可動梁423は、それぞれ、X軸方向に延長する棒状をなしている。また、可動部側可動梁422および変位部側可動梁423は、同軸的に設けられている。
これら2つの軸部のうちの変位部側可動梁423は、光スキャナー1の駆動時に大きな変形が起こらない硬さに設定されているのが好ましく、実質的に変形しない硬さに設定されているのがより好ましい。これに対して可動部側可動梁422は、その中心軸まわりに捩じり変形可能となっている。このように、可動梁42が実質的に変形しない硬い部分およびその先端側に位置する捩じり変形可能な部位を有することにより、可動部2をX軸およびY軸のそれぞれの軸まわりに安定して搖動させることができる。なお、前記「変形しない」とは、Z軸方向への屈曲または湾曲および中心軸まわりの捩じり変形が実質的に起きないことを言う。
このような可動部側可動梁422および変位部側可動梁423は、屈曲部421を介して連結している。屈曲部421は、可動梁42が屈曲変形する際の節となる機能と、可動部側可動梁422の捩じり変形により発生するトルクを緩和(吸収)し、前記トルクが変位部側可動梁423に伝わるのを防止または抑制する機能とを有している。
このような可動部側可動梁422および変位部側可動梁423は、屈曲部421を介して連結している。屈曲部421は、可動梁42が屈曲変形する際の節となる機能と、可動部側可動梁422の捩じり変形により発生するトルクを緩和(吸収)し、前記トルクが変位部側可動梁423に伝わるのを防止または抑制する機能とを有している。
図6に示すように、屈曲部421は、一対の変形部4211,4212と、これらの間に設けられた非変形部4213と、変形部4211を非変形部4213に接続する一対の接続部4214と、変形部4212を非変形部4213に接続する一対の接続部4215とを有している。
非変形部4213は、Y軸方向に延長する棒状をなしている。このような非変形部4213は、光スキャナー1の駆動時に実質的に変形しない硬さに設定されている。これにより、非変形部4213の搖動中心軸Y4を中心に可動梁42を屈曲させることができ、屈曲部421に節としての機能を確実に発揮させることができ、光スキャナー1を安定して駆動させることができる。
非変形部4213は、Y軸方向に延長する棒状をなしている。このような非変形部4213は、光スキャナー1の駆動時に実質的に変形しない硬さに設定されている。これにより、非変形部4213の搖動中心軸Y4を中心に可動梁42を屈曲させることができ、屈曲部421に節としての機能を確実に発揮させることができ、光スキャナー1を安定して駆動させることができる。
このような非変形部4213に対して対称的に一対の変形部4211,4212が配置されている。変形部4211,4212は、それぞれ、Y軸方向に延長する棒状をなしている。また、変形部4211,4212は、互いにX軸方向に離間して並設されている。このような変形部4211,4212は、それぞれ、その中心軸まわりに捩じり変形可能となっている。
可動部2側に位置する変形部4211は、その長手方向のほぼ中央にて可動部側可動梁422の一端と連結しているとともに、その両端部にて一対の接続部4214を介して非変形部4213に連結している。同様に、変位部41側に位置する変形部4212は、その長手方向のほぼ中央にて変位部側可動梁423の一端と連結しているとともに、その両端部にて一対の接続部4215を介して非変形部4213に連結している。
一対の接続部4214の一方の接続部は、変形部4211および非変形部4213の一端部同士を連結し、他方の接続部は、変形部4211および非変形部4213の他端部同士を連結している。また、一対の接続部4215の一方の接続部は、変形部4212および非変形部4213の一端部同士を連結し、他方の接続部は、変形部4212および非変形部4213の他端部同士を連結している。
このような各接続部4214,4215は、X軸方向に延長する棒状をなしている。また、各接続部4214,4215は、Z軸方向に湾曲可能でかつその中心軸まわりに捩じり変形可能となっている。
以上、振動基板11の構成について具体的に説明した。
このような各接続部4214,4215は、X軸方向に延長する棒状をなしている。また、各接続部4214,4215は、Z軸方向に湾曲可能でかつその中心軸まわりに捩じり変形可能となっている。
以上、振動基板11の構成について具体的に説明した。
前述したように、このような構成の振動基板11は、SOI基板から一体的に形成されている。これにより、振動基板11の形成が容易となる。具体的には、前述したように、振動基板11には、積極的に変形させる部位と、変形させない(変形させたくない)部位とが混在している。一方、SOI基板は、第1のSi層と、SiO2層と、第2のSi層とがこの順に積層した基板である。そこで、変形させない部位を前記3つの層の全てで構成するとともに、積極的に変形させる部位を第2のSi層のみで構成することにより、すなわち、SOI基板の厚さを異ならせることにより、変形させる部位と変形させない部位が混在する振動基板11を簡単に形成することができる。なお、積極的に変形させる部位は、第2のSi層とSiO2層の2層で構成されていてもよい。
前記「変形させる部位」には、駆動梁43,53,63,73、可動部側可動梁422,522,622,722、変形部4211,4212,5211,5212,6211,6212,7211,7212および接続部4214,4215,5214,5215,6214,6215,7214,7215が含まれる。
一方、前記「変形させない部位」には、可動部2、固定部13、変位部41,51,61,71、変位部側可動梁423,523,623,723および非変形部4213,5213,6213,7213が含まれる。
一方、前記「変形させない部位」には、可動部2、固定部13、変位部41,51,61,71、変位部側可動梁423,523,623,723および非変形部4213,5213,6213,7213が含まれる。
図2(b)に示す図1のB−B断面図、または図2(c)に示す図1のC−C断面図のように、基台12は、平板状の基部121と、基部121の4隅に設けられた基板保持部122とを有している。このような基台12は、基板保持部122にて振動基板11の内枠固定部132の下面、および基材14,15,16,17の凸部と接合されている。これにより、基台12によって振動基板11が支持される。また、基台12と振動基板11の接合応力による振動基板11の変位量を、基材14,15,16,17で抑制する。このような基台12または基材14,15,16,17は、例えば、パイレックス(登録商標)、テンパックス(登録商標)などのガラスやシリコンあるいはアルミニウムを主材料として構成されている。なお、基台12と内枠固定部132の接合方法、基台12と基材14,15,16,17の接合方法は、接着剤による接合であるが、特に限定されず、例えば陽極接合等の各種接合方法を用いてもよい。また、基台12は、4隅に基板保持部122を有するとしたが、これに限定されず、基板保持部122は、振動基板11の内枠固定部132の位置に対応して基部121上に設けられていればよい。
(1−2.変位手段8)
図1に示すように、変位手段8は、第1の変位手段81と、第2の変位手段82と、第3の変位手段83と、第4の変位手段84とを有している。
第1の変位手段81は、永久磁石811、コイル812が巻き付けられた駆動部810、および電源813を有している。第2の変位手段82は、永久磁石821、コイル822が巻き付けられた駆動部820、および電源823を有している。第3の変位手段83は、永久磁石831、コイル832が巻き付けられた駆動部830、および電源833を有している。第4の変位手段84は、永久磁石841、コイル842が巻き付けられた駆動部840、および電源843を有している。
図1に示すように、変位手段8は、第1の変位手段81と、第2の変位手段82と、第3の変位手段83と、第4の変位手段84とを有している。
第1の変位手段81は、永久磁石811、コイル812が巻き付けられた駆動部810、および電源813を有している。第2の変位手段82は、永久磁石821、コイル822が巻き付けられた駆動部820、および電源823を有している。第3の変位手段83は、永久磁石831、コイル832が巻き付けられた駆動部830、および電源833を有している。第4の変位手段84は、永久磁石841、コイル842が巻き付けられた駆動部840、および電源843を有している。
そして、第1の変位手段81は、連結部4に対応して設けられており、第2の変位手段82は、連結部5に対応して設けられており、第3の変位手段83は、連結部6に対応して設けられており、第4の変位手段84は、連結部7に対応して設けられている。
このような構成によれば、変位手段8の構成が簡単となる。また、変位手段8を電磁駆動とすることにより、比較的大きな力を発生させることができ、可動部2をより確実に搖動させることができる。また、各連結部4,5,6,7に1つの変位手段8(81,82,83,84)が設けられているため、各連結部4,5,6,7を独立して変形させることができる。そのため、可動部2を様々な態様で変位させることができる。
このような構成によれば、変位手段8の構成が簡単となる。また、変位手段8を電磁駆動とすることにより、比較的大きな力を発生させることができ、可動部2をより確実に搖動させることができる。また、各連結部4,5,6,7に1つの変位手段8(81,82,83,84)が設けられているため、各連結部4,5,6,7を独立して変形させることができる。そのため、可動部2を様々な態様で変位させることができる。
以下、第1の変位手段81、第2の変位手段82、第3の変位手段83および第4の変位手段84について説明するが、これらはそれぞれ同様の構成であるため、以下では、第1の変位手段81について代表して説明し、第2の変位手段82、第3の変位手段83および第4の変位手段84については、その説明を省略する。なお、第2の変位手段82および第4の変位手段84は、可動部2の平面視にて、第1の変位手段81に対して90度回転した状態で配置されている。そのため、第2の変位手段82および第4の変位手段84については、下記の第1の変位手段81の説明中の「Y軸方向」を「X軸方向」とし、「X軸方向」を「Y軸方向」とすることで説明することもできる。
図6および図7に示すように、永久磁石811は、棒状をなしており、その長手方向に磁化している。すなわち、永久磁石811は、その長手方向の一端側がS極となっており、他端側がN極となっている。このような永久磁石811は、変位部41に形成された内枠部411に挿通されており、長手方向のほぼ中央で変位部41に固定されている。そして、永久磁石811が、変位部41の上下に同じ長さだけ突出し、かつ変位部41(搖動中心軸Y2)を介してS極とN極が対向する。これにより、可動部2を安定して変位させることができる。
また、永久磁石811は、その長手方向が変位部41の面方向に直交するように設けられている。また、永久磁石811は、その中心軸が搖動中心軸Y2と交わるように設けられている。
このような永久磁石811としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石などの、硬磁性体を着磁したものを好適に用いることができる。
このような永久磁石811としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石などの、硬磁性体を着磁したものを好適に用いることができる。
なお、第1実施形態では、永久磁石811は、棒状をなしているが、永久磁石の形状としては、特に限定されず、例えば、板状または円柱状をなしていてもよい。この場合には、永久磁石811を面方向に磁化し、その面方向がX軸方向と直交するように変位部41に固定すればよい。これにより、永久磁石811のX軸方向長さを短くすることができるため、変位部41の搖動に伴って発生する慣性モーメントを抑えることができる。
コイル812は、永久磁石811に作用する磁界を発生する。このようなコイル812は、振動基板11の外側近傍に、X軸方向にて永久磁石811と対向するように配置されている。また、コイル812は、X軸方向の磁界を発生させることができるように、すなわち、コイル812の永久磁石811側がN極となりその反対側がS極となる状態と、コイル812の永久磁石811側がS極となりその反対側がN極となる状態とを発生させることができるように設けられている。
第1実施形態の光スキャナー1は、振動基板11の外側に基台12と固定的に設けられた駆動部810(820,830,840)にコイル固定部85を有しており、このコイル固定部85が有するX軸方向に延長する突出部851にコイル812が巻き付けられている。このような構成とすることにより、コイル812を振動基板11に対して固定でき、かつ、簡単に前述のような磁界を発生させることができる。また、突出部851を鉄などの軟磁性体で構成することにより、突出部851をコイル812の磁心として用いることができ、前述のような磁界をより効率的に発生させることもできる。
電源813は、コイル812に電気的に接続されている。そして、電源813からコイル812に所望の電圧を印加することにより、コイル812から前述したような磁界を発生させることができる。第1実施形態では、電源813は、交番電圧および直流電圧を選択して印加できるようになっている。また、交番電圧を印加する際には、その強さ、周波数を変更できるようになっており、さらにオフセット電圧(直流電圧)を重畳させることもできるようになっている。
(2.光スキャナー1の作動)
次いで、光スキャナー1の作動について説明する。
上述のような構成の光スキャナー1では、可動部2を搖動させるパターンと、可動部2を振動させるパターンと、可動部2を所定位置で静止させるパターンとを選択することができるようになっている。このように、光スキャナー1が種々のパターンで駆動することができるのは、各連結部4,5,6,7の可動梁42,52,62,72を屈曲変形させることにより得られる効果である。
以下、これら3つのパターンについて順次説明する。なお、以下では、説明の便宜上、永久磁石811,821,831,841が全てN極を上側にして配置された構成について代表して説明する。
次いで、光スキャナー1の作動について説明する。
上述のような構成の光スキャナー1では、可動部2を搖動させるパターンと、可動部2を振動させるパターンと、可動部2を所定位置で静止させるパターンとを選択することができるようになっている。このように、光スキャナー1が種々のパターンで駆動することができるのは、各連結部4,5,6,7の可動梁42,52,62,72を屈曲変形させることにより得られる効果である。
以下、これら3つのパターンについて順次説明する。なお、以下では、説明の便宜上、永久磁石811,821,831,841が全てN極を上側にして配置された構成について代表して説明する。
(2−1.搖動)
<Y軸まわりの搖動>
図8に基づいて、可動部2のY軸まわりの搖動について説明する。なお、図8は、図1中A−A線断面図に対応する断面図である。
まず、コイル812の永久磁石811側がN極、コイル832の永久磁石831側がS極となる第1の状態と、コイル812の永久磁石811側がS極、コイル832の永久磁石831側がN極となる第2の状態とが交互にかつ周期的に切り替わるように、電源813,833からコイル812,832に交番電圧を印加する。電源813,833からコイル812,832に印加される交番電圧は、互いに同じ波形(強さおよび周波数が同じ)であるのが好ましい。
<Y軸まわりの搖動>
図8に基づいて、可動部2のY軸まわりの搖動について説明する。なお、図8は、図1中A−A線断面図に対応する断面図である。
まず、コイル812の永久磁石811側がN極、コイル832の永久磁石831側がS極となる第1の状態と、コイル812の永久磁石811側がS極、コイル832の永久磁石831側がN極となる第2の状態とが交互にかつ周期的に切り替わるように、電源813,833からコイル812,832に交番電圧を印加する。電源813,833からコイル812,832に印加される交番電圧は、互いに同じ波形(強さおよび周波数が同じ)であるのが好ましい。
図8(a)に示す第1の状態では、永久磁石811のS極がコイル812に引き付けられるとともにN極がコイル812から遠ざかって傾斜するため、一対の駆動梁43を捩じり変形させつつ、変位部41がその上面を可動部2側に向けるように搖動中心軸Y2まわりに傾斜する。これとともに、永久磁石831のN極がコイル832に引き付けられるとともにS極がコイル832から遠ざかって傾斜するため、一対の駆動梁63を捩じり変形させつつ、変位部61がその下面を可動部2側に向けるように搖動中心軸Y3まわりに傾斜する。すなわち、変位部41,61がともに図8(a)中時計回りに傾斜する。
この変位部41,61の傾斜とともに、変位部側可動梁423が可動部2側の端を下側に向けるように傾斜し、変位部側可動梁623が可動部2側の端を上側に向けるように傾斜する。これにより、変位部側可動梁423,623の可動部2側の端同士がZ軸方向にずれた状態となる。
そして、変位部側可動梁423,623の可動部2側の端同士がZ軸方向にずれることによって、変形部4211,4212,6211,6212をその中心軸まわりに捩じり変形させるとともに各接続部4214,4215,6214,6215を湾曲変形させながら、可動部側可動梁422,622および可動部2が一体的に図8(a)中反時計回りに傾斜する。
そして、変位部側可動梁423,623の可動部2側の端同士がZ軸方向にずれることによって、変形部4211,4212,6211,6212をその中心軸まわりに捩じり変形させるとともに各接続部4214,4215,6214,6215を湾曲変形させながら、可動部側可動梁422,622および可動部2が一体的に図8(a)中反時計回りに傾斜する。
このように、第1の状態では、連結部4の可動梁42がその途中にある屈曲部421で下側に凸のV字状に屈曲変形(第1の変形)するとともに、連結部6の可動梁62がその途中にある屈曲部621で上側に凸のV字状に屈曲変形(第2の変形)することにより、搖動中心軸Y1を中心として、可動部2が図8(a)中反時計回りに傾斜する。
一方、図8(b)に示す第2の状態では、前述した第1の状態と逆の変形が起こる。すなわち、第2の状態では、連結部4の可動梁42が屈曲部421で上側に凸のV字状に屈曲変形(第2の変形)するとともに、連結部6の可動梁62が屈曲部621で下側に凸のV字状に屈曲変形(第1の変形)する。これにより、搖動中心軸Y1を中心として、可動部2が図8(b)中時計回りに傾斜する。
このような第1の状態と、第2の状態とを交互にかつ周期的に切り替えることによって、可動部2を搖動中心軸Y1まわりに搖動させることができる。なお、可動部2の搖動中心軸Y1まわりの搖動は、連結部5,7が有する可動部側可動梁522,722がその中心軸まわりに捩じり変形することによって許容される。
なお、コイル812,832に印加する交番電圧の周波数としては特に限定されず、可動部2および連結部4,5,6,7で構成される振動基板11の共振周波数と等しくても異なっていてもよいが、前記共振周波数と異なっているのが好ましい。すなわち、光スキャナー1を非共振で駆動するのが好ましい。これにより、光スキャナー1のより安定した駆動が可能となる。
なお、コイル812,832に印加する交番電圧の周波数としては特に限定されず、可動部2および連結部4,5,6,7で構成される振動基板11の共振周波数と等しくても異なっていてもよいが、前記共振周波数と異なっているのが好ましい。すなわち、光スキャナー1を非共振で駆動するのが好ましい。これにより、光スキャナー1のより安定した駆動が可能となる。
<X軸まわりの搖動>
次いで、図9に基づいて、可動部2のX軸まわりの搖動について説明する。なお、図9は、図1中D−D線断面図に対応する断面図である。
まず、コイル822の永久磁石821側がN極、コイル842の永久磁石841側がS極となる第1の状態と、コイル822の永久磁石821側がS極、コイル842の永久磁石841側がN極となる第2の状態とが交互にかつ周期的に切り替わるように、電源823,843からコイル822,842に交番電圧を印加する。電源823,843からコイル822,842に印加される交番電圧は、互いに同じ波形であるのが好ましい。
次いで、図9に基づいて、可動部2のX軸まわりの搖動について説明する。なお、図9は、図1中D−D線断面図に対応する断面図である。
まず、コイル822の永久磁石821側がN極、コイル842の永久磁石841側がS極となる第1の状態と、コイル822の永久磁石821側がS極、コイル842の永久磁石841側がN極となる第2の状態とが交互にかつ周期的に切り替わるように、電源823,843からコイル822,842に交番電圧を印加する。電源823,843からコイル822,842に印加される交番電圧は、互いに同じ波形であるのが好ましい。
前述した可動部2の搖動中心軸Y1まわりの搖動と同様に、図9(a)に示す第1の状態では、連結部5の可動梁52がその途中にある屈曲部521で下側に凸のV字状に屈曲変形(第1の変形)するとともに、連結部7の可動梁72がその途中にある屈曲部721で上側に凸のV字状に屈曲変形(第2の変形)することにより、搖動中心軸X1を中心として、可動部2が図9(a)中反時計回りに傾斜する。
一方、図9(b)に示す第2の状態では、前述した第1の状態と逆の変形が起こる。すなわち、第2の状態では、連結部5の可動梁52が屈曲部521で上側に凸のV字状に屈曲変形(第2の変形)するとともに、連結部7の可動梁72が屈曲部721で下側に凸のV字状に屈曲変形(第1の変形)することにより、搖動中心軸X1を中心として、可動部2が図9(b)中時計回りに傾斜する。
このような第1の状態と、第2の状態とを交互にかつ周期的に切り替えることによって、可動部2を搖動中心軸X1まわりに搖動させることができる。なお、可動部2の搖動中心軸X1まわりの搖動は、連結部4,6が有する可動部側可動梁422,622がその中心軸まわりに捩じり変形することにより許容される。
このような第1の状態と、第2の状態とを交互にかつ周期的に切り替えることによって、可動部2を搖動中心軸X1まわりに搖動させることができる。なお、可動部2の搖動中心軸X1まわりの搖動は、連結部4,6が有する可動部側可動梁422,622がその中心軸まわりに捩じり変形することにより許容される。
なお、コイル822,842に印加する交番電圧の周波数としては特に限定されず、可動部2および連結部4,5,6,7で構成される振動基板11の共振周波数と等しくても異なっていてもよいが、前記共振周波数と異なっているのが好ましい。すなわち、光スキャナー1を非共振で駆動するのが好ましい。これにより、光スキャナー1のより安定した駆動が可能となる。
<X軸およびY軸のそれぞれの軸まわりの搖動>
前述したようなX軸まわりの搖動と、Y軸まわりの搖動とを同時に行うことにより、可動部2を搖動中心軸Y1および搖動中心軸X1のそれぞれの軸まわりに2次元的に搖動させることができる。前述したように、可動部2の搖動中心軸Y1まわりの搖動は、可動部側可動梁522,722がその中心軸まわりに捩じり変形することによって許容され、可動部2の搖動中心軸X1まわりの搖動は、可動部側可動梁422,622がその中心軸まわりに捩じり変形することにより許容される。
前述したようなX軸まわりの搖動と、Y軸まわりの搖動とを同時に行うことにより、可動部2を搖動中心軸Y1および搖動中心軸X1のそれぞれの軸まわりに2次元的に搖動させることができる。前述したように、可動部2の搖動中心軸Y1まわりの搖動は、可動部側可動梁522,722がその中心軸まわりに捩じり変形することによって許容され、可動部2の搖動中心軸X1まわりの搖動は、可動部側可動梁422,622がその中心軸まわりに捩じり変形することにより許容される。
前述したX軸まわりの搖動、Y軸まわりの搖動およびこれら2軸まわりの搖動では、コイル812,822,832,842に印加する交番電圧の周波数としては特に限定されず、可動部2および連結部4,5,6,7で構成される振動基板11の共振周波数と等しくても異なっていてもよいが、前記共振周波数と異なっているのが好ましい。すなわち、光スキャナー1を非共振で駆動するのが好ましい。これにより、光スキャナー1のより安定した駆動が可能となる。
また、可動部2を搖動中心軸Y1まわりに搖動させるためにコイル812,832に印加する交番電圧の周波数と、可動部2を搖動中心軸X1まわりに搖動させるためにコイル822,842に印加する交番電圧の周波数とは等しくてもよいし異なっていてもよい。例えば、可動部2を搖動中心軸X1よりも搖動中心軸Y1まわりに速く搖動させたい場合には、コイル812,832に印加する交番電圧の周波数を、コイル822,842に印加する交番電圧の周波数よりも高く設定すればよい。
また、コイル812,832に印加する交番電圧の強さと、コイル822,842に印加する交番電圧の強さは、等しくても異なっていてもよい。例えば、可動部2を搖動中心軸X1よりも搖動中心軸Y1まわりに大きく搖動させたい場合には、コイル812,832に印加する交番電圧の強さを、コイル822,842に印加する交番電圧の強さよりも強くすればよい。
上記では、コイル812,822,832,842に交番電圧を印加する駆動方法について説明したが、次のような駆動方法によっても可動部2を搖動させることができる。すなわち、電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に印加される交番電圧に(+)または(−)のオフセット電圧(直流電圧)を重畳してもよい。言い換えれば、永久磁石811,821,831,841のN極がコイル812,822,832,842に引き付けられる強さ(以下、単に「N極引き付け強さ」とも言う)と、永久磁石811,821,831,841のS極がコイル812,822,832,842に引き付けられる強さ(以下、単に「S極引き付け強さ」とも言う)とを異ならせてもよい。
以下、具体的に説明するが、前述したような、N極引き付け強さおよびS極引き付け強さが等しい状態を「通常状態」と言う。
コイル812,822,832,842のS極引き付け強さがN極引き付け強さよりも大きい場合には、通常状態と比較して、図1中A−A断面から見た変位部41,51,61,71の可動部側の端部における搖動の上死点および下死点(搖動方向が切り替わる点)が下側に移動する。その結果、図10に示すように、可動部2の搖動中心軸X1,Y1が通常状態に比べて下側に移動する。逆に、コイル812,822,832,842のS極引き付け強さがN極引き付け強さよりも弱い場合には、通常状態と比較して、図1中A−A断面から見た変位部41,51,61,71の可動部側の端部における搖動の上死点および下死点がそれぞれ上側に移動するため、可動部2の搖動中心軸X1,Y1が通常状態に比べて上側に移動する。
コイル812,822,832,842のS極引き付け強さがN極引き付け強さよりも大きい場合には、通常状態と比較して、図1中A−A断面から見た変位部41,51,61,71の可動部側の端部における搖動の上死点および下死点(搖動方向が切り替わる点)が下側に移動する。その結果、図10に示すように、可動部2の搖動中心軸X1,Y1が通常状態に比べて下側に移動する。逆に、コイル812,822,832,842のS極引き付け強さがN極引き付け強さよりも弱い場合には、通常状態と比較して、図1中A−A断面から見た変位部41,51,61,71の可動部側の端部における搖動の上死点および下死点がそれぞれ上側に移動するため、可動部2の搖動中心軸X1,Y1が通常状態に比べて上側に移動する。
このように、電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に印加される交番電圧にオフセット電圧を重畳することにより、可動部2の搖動中心軸X1,Y1をZ軸方向にずらすことができる。これにより、例えば、光スキャナー1がプロジェクター等の画像形成装置に組み込まれている場合に、画像形成装置を組み立てた後でも、光源から出射される光の可動部2までの光路長を調整することができる。すなわち、画像形成装置の組み立て時には、光源と可動部2との位置決めを精密に行うが、仮にこれらの位置が設定値に対してずれてしまった場合でも、組み立て後に、光源と可動部2との位置を補正することができる。
(2−2.振動)
まず、コイル812,822,832,842の永久磁石811,821,831,841側がそれぞれN極となる第1の状態と、コイル812,822,832,842の永久磁石811,821,831,841側がそれぞれS極となる第2の状態とが、交互にかつ周期的に切り替わるように、電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に交番電圧を印加する。電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に印加される交番電圧は、互いに同じ波形であるのが好ましい。
まず、コイル812,822,832,842の永久磁石811,821,831,841側がそれぞれN極となる第1の状態と、コイル812,822,832,842の永久磁石811,821,831,841側がそれぞれS極となる第2の状態とが、交互にかつ周期的に切り替わるように、電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に交番電圧を印加する。電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に印加される交番電圧は、互いに同じ波形であるのが好ましい。
図11(a)に示す第1の状態では、前述した搖動の場合と同様にして、変位部41,51,61,71は、それぞれ、その上面を可動部2側に向けるように搖動中心軸Y2,X2,Y3,X3まわりに傾斜する。このような変位部41,51,61,71の傾斜に伴って、変位部側可動梁423,523,623,723は、それぞれ、可動部2側の端が下側を向くように傾斜する。これにより、可動梁42,52,62,72が屈曲部421,521,621,721で屈曲しながら、可動部側可動梁422,522,622,722および可動部2が一体的にかつ可動部2の姿勢(すなわち面方向)を一定に保ちつつ下側に移動する。
一方、図11(b)に示す第2の状態では、変位部41,51,61,71は、それぞれ、その下面を可動部2側に向けるように搖動中心軸Y2,X2,Y3,X3まわりに傾斜する。このような変位部41,51,61,71の傾斜に伴って、変位部側可動梁423,523,623,723は、それぞれ、可動部2側の端が上側を向くように傾斜する。これにより、可動梁42,52,62,72が屈曲部421,521,621,721で屈曲しながら、可動部側可動梁422,522,622,722および可動部2が一体的にかつ可動部2の姿勢を一定に保ちつつ上側に移動する。
このような第1の状態と、第2の状態とを交互に切り替えることによって、可動部2をその姿勢を保ちつつ、すなわち光反射部22の表面をX−Y平面と平行に保ちつつ、Z軸方向に振動させることができる。
なお、コイル812,822,832,842に印加する交番電圧の周波数としては特に限定されず、可動部2および連結部4,5,6,7で構成される振動基板11の共振周波数と等しくても異なっていてもよいが、前記共振周波数と等しいのが好ましい。すなわち、光スキャナー1を共振で駆動するのが好ましい。これにより、光スキャナー1のより安定した駆動が可能となる。
このような振動パターンでも、前述した搖動パターンと同様に、コイル812,822,832,842に印加する交番電圧にオフセット電圧を重畳させることにより、自然状態からZ軸方向にシフトして可動部2を振動させることができる。
なお、コイル812,822,832,842に印加する交番電圧の周波数としては特に限定されず、可動部2および連結部4,5,6,7で構成される振動基板11の共振周波数と等しくても異なっていてもよいが、前記共振周波数と等しいのが好ましい。すなわち、光スキャナー1を共振で駆動するのが好ましい。これにより、光スキャナー1のより安定した駆動が可能となる。
このような振動パターンでも、前述した搖動パターンと同様に、コイル812,822,832,842に印加する交番電圧にオフセット電圧を重畳させることにより、自然状態からZ軸方向にシフトして可動部2を振動させることができる。
(2−3.静止パターン)
例えば、コイル812,822,832,842の永久磁石811,821,831,841側がそれぞれN極となる状態となるように電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に直流電圧を印加する。電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に印加される直流電圧は、互いに同じ強さであるのが好ましい。このような電圧をコイル812,822,832,842に印加すると図11(a)に示すような状態で可動部2が静止する。
例えば、コイル812,822,832,842の永久磁石811,821,831,841側がそれぞれN極となる状態となるように電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に直流電圧を印加する。電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に印加される直流電圧は、互いに同じ強さであるのが好ましい。このような電圧をコイル812,822,832,842に印加すると図11(a)に示すような状態で可動部2が静止する。
逆に、コイル812,822,832,842の永久磁石811,821,831,841側がそれぞれS極となる状態となるように電源813,823,833,843からコイル812,822,832,842に直流電圧を印加すると、図11(b)に示すような状態で可動部2が静止する。
このように、可動部2を自然状態とは異なる位置に維持することができる。このような駆動によれば、例えば光反射部22で反射した光の光路を自然状態のときに対してずらすことができるため、例えば、光スキャナー1を光スイッチとして利用するときに特に有効である。
このように、可動部2を自然状態とは異なる位置に維持することができる。このような駆動によれば、例えば光反射部22で反射した光の光路を自然状態のときに対してずらすことができるため、例えば、光スキャナー1を光スイッチとして利用するときに特に有効である。
また、例えば、光スキャナー1がプロジェクター等の画像形成装置に組み込まれている場合に、光源から異常なレーザーが出射されるなどの理由から、レーザーの装置外部への出射を停止しなければならない場合に、可動部2を自然状態とは異なる位置(レーザーの光路と交わらない位置)に退避させることにより、光反射部22によるレーザーの反射を防止する。これにより、装置外部へのレーザーの出射を防止することができる。また、可動部2を変位させることにより光反射部22で反射されたレーザーの光路を変更することにより、装置外部へのレーザーの出射を防止してもよい。これにより、このような問題を解決するための安全機構を別途組み込まなくてもよくなり、画像形成装置の製造工程が簡易化されるとともに、製造コストを削減することができる。
このような可動部2の静止駆動を応用し、コイル812,822,832,842に印加する直流電圧の強さを互いに異ならせることにより、可動部2を自然状態に対して傾けた状態で維持することもできる。また、コイル812,822,832,842に印加する直流電圧の強さを、それぞれ独立して、かつ経時的に変化させることにより、可動部2を連続的または段階的に不規則に変位させることもできる。このような駆動方法は、例えば、光反射部22で反射した光をベクタースキャンする時に特に有効である。
以上、光スキャナー1の駆動について詳細に説明した。
以上、光スキャナー1の駆動について詳細に説明した。
このような光スキャナー1では、可動部2の搖動中心軸Y1まわりの搖動と搖動中心軸X1まわりの搖動とを同じ機構で行うことができる。また、光スキャナー1では、可動部2の搖動中心軸Y1まわりの搖動と搖動中心軸X1まわりの搖動とを独立して行うことができる。すなわち、光スキャナー1では、搖動中心軸Y1の搖動が搖動中心軸X1まわりの搖動に影響を受けず、逆に、搖動中心軸X1の搖動も搖動中心軸Y1まわりの搖動に影響を受ない。そのため、光スキャナー1によれば、搖動中心軸Y1および搖動中心軸X1のそれぞれの軸まわりに可動部2を安定して搖動させることができる。
また、前述したように、光スキャナー1では、可動部2の搖動中心軸Y1まわりの搖動は、可動部側可動梁522,722がその中心軸まわりに捩じり変形することによって許容され、可動部2の搖動中心軸X1まわりの搖動は、可動部側可動梁422,622がその中心軸まわりに捩じり変形することにより許容される。このように、各連結部4,5,6,7が中心軸まわりに捩じり変形可能な可動部側可動梁422,522,622,722を有しているため、可動部2を搖動中心軸Y1,X1のそれぞれの軸まわりにスムーズに搖動させることができる。
さらには、光スキャナー1では、可動部側可動梁422,522,622,722が直接、可動部2に接続されているため、よりスムーズに、可動部2を搖動中心軸Y1,X1のそれぞれの軸まわりに搖動させることができたり、Z軸方向へ振動させたりすることができる。
また、光スキャナー1では、連結部4において、前述のように捩じり変形する可動部側可動梁422と変形させたくない変位部側可動梁423との間に屈曲部421を設けている。そのため、前述の捩じり変形により生じた応力は、屈曲部421の変形部4211,4212や接続部4214,4215が変形することにより吸収・緩和され、変位部側可動梁423に伝わらない。すなわち、屈曲部421を設けることにより、可動部2の搖動中に変位部側可動梁423がその中心軸まわりに捩じり変形してしまうのを確実に防止することができる。このことは、連結部4以外の他の連結部5,6,7についても同様である。そのため、可動部2を搖動中心軸Y1,X1のそれぞれの軸まわりにスムーズに搖動させることができる。
また、光スキャナー1では、連結部4において、前述のように捩じり変形する可動部側可動梁422と変形させたくない変位部側可動梁423との間に屈曲部421を設けている。そのため、前述の捩じり変形により生じた応力は、屈曲部421の変形部4211,4212や接続部4214,4215が変形することにより吸収・緩和され、変位部側可動梁423に伝わらない。すなわち、屈曲部421を設けることにより、可動部2の搖動中に変位部側可動梁423がその中心軸まわりに捩じり変形してしまうのを確実に防止することができる。このことは、連結部4以外の他の連結部5,6,7についても同様である。そのため、可動部2を搖動中心軸Y1,X1のそれぞれの軸まわりにスムーズに搖動させることができる。
さらには、各変位部側可動梁423,523,623,723の破壊が効果的に防止される。すなわち、棒状の部材において、自然状態からZ軸方向の応力が加わったときの破壊強度よりも、中心軸まわりの捩じり変形が生じている状態からZ軸方向の応力が加わったときの破壊強度の方が低いことが技術的に明らかになっている。そのため、上述のように、屈曲部421,521,621,721を設け、変位部側可動梁423,523,623,723に捩じり変形を生じさせないことにより、変位部側可動梁423,523,623,723の破壊を効果的に防止することができる。
また、連結部4において、変位部側可動梁423が実質的に変形しないため、変位部41の搖動によって生じる応力を効率よく可動部2の搖動に用いることができる。このことは連結部5,6,7についても同様である。そのため、可動部2を大きい搖動角度でしかも省電力で搖動させることができたり、大きい振幅でZ軸方向に振動させたりすることができる。
また、連結部4において、屈曲部421が非変形部4213を有しているため、この非変形部4213を軸にして可動梁42を屈曲させることができる。このことは、連結部5,6,7についても同様である。そのため、各連結部4,5,6,7の可動梁42,52,62,72を簡単かつ確実に屈曲させることができ、可動部2を安定して搖動、振動させることができる。
また、連結部4において、屈曲部421が可動部側可動梁422と連結する変形部4211と、変位部側可動梁423と連結する変形部4212とを有し、可動梁42の屈曲時に、変形部4211,4212がその中心軸まわりに捩じり変形することにより、屈曲により発生する応力を効果的に緩和している。このことは、連結部5,6,7についても同様である。そのため、各連結部4,5,6,7の可動梁42,52,62,72を確実に屈曲させることができるとともに、可動梁42,52,62,72の破壊を防止することができる。すなわち、光スキャナー1を安定して駆動することができる。
また、連結部4において、屈曲部421が一対の変形部4211,4212を有しているため、次のような効果も発揮することができる。すなわち、例えば、通電によりコイル812から発生する熱や光反射部22に照射される光によって生じる熱等による可動部側可動梁422および変位部側可動梁423の熱膨張を、変形部4211,4212が変形することにより許容することができる。このことは、連結部5,6,7についても同様である。そのため、光スキャナー1は、振動基板11に応力が残留してしまうのを防止または抑制することができ、温度によらずに所望の振動特性を発揮することができる。
本実施形態によれば、変位部41,51,61,71を駆動する駆動部810,820,830,840が、可動梁42,52,62,72の延長方向に変位部41,51,61,71から隔てて配置され、変位部41,51,61,71の内枠部411に固定される永久磁石811,821,831,841に近付けて配置することができる。従来の構成であれば、変位部41,51,61,71と駆動部810,820,830,840との間の、4つの外枠固定部131は、それぞれ連結部4,5(5,6および6,7および4,7)に連結されるとともに、支持部が外枠固定部131に連結されている。この支持部は、駆動部810,820,830,840と、変位部41,51,61,71との間に配置される。このため、その支持部を構成しない本実施形態の光スキャナー1は、駆動部810,820,830,840を、永久磁石811,821,831,841に近付けて配置することができる。
このため、永久磁石811,821,831,841により駆動部810,820,830,840に発生させるトルクを高い状態にすることができる。トルクは磁界に比例し、コイルにより発生する磁界は電流に比例するので、同一のトルクを発生させることは、駆動部810,820,830,840が永久磁石811,821,831,841に近付けて配置されることにより、低い電流で可能となる。そして、消費電力Wは、W=I2×R(Wは消費電力、Iは電流、Rは抵抗を示す)であらわされるように、電流の2乗に比例するので、変位部41,51,61,71を駆動する駆動部810,820,830,840の消費電力を低くすることができ、消費電力化を実現する光スキャナー1を得ることができる。たとえば、駆動部810,820,830,840と永久磁石811,821,831,841との距離を、従来に比べて1/4にすると、同一トルクを発生させるために、従来比1/4の電流、および従来比1/16の消費電力で、光スキャナー1を安定して駆動させることができる。
このため、永久磁石811,821,831,841により駆動部810,820,830,840に発生させるトルクを高い状態にすることができる。トルクは磁界に比例し、コイルにより発生する磁界は電流に比例するので、同一のトルクを発生させることは、駆動部810,820,830,840が永久磁石811,821,831,841に近付けて配置されることにより、低い電流で可能となる。そして、消費電力Wは、W=I2×R(Wは消費電力、Iは電流、Rは抵抗を示す)であらわされるように、電流の2乗に比例するので、変位部41,51,61,71を駆動する駆動部810,820,830,840の消費電力を低くすることができ、消費電力化を実現する光スキャナー1を得ることができる。たとえば、駆動部810,820,830,840と永久磁石811,821,831,841との距離を、従来に比べて1/4にすると、同一トルクを発生させるために、従来比1/4の電流、および従来比1/16の消費電力で、光スキャナー1を安定して駆動させることができる。
以下、第1実施形態における変位部41の内枠部411に関する変形例を記載する。
(変形例1)
図12(a)に示すように、変位部41の内枠部411は、可動梁42の延長方向へ開口している。すなわち、変位部41と可動梁42とが連結される面と反対側の面(コイル812が設けられる側)へ開口しているとも言える。
図12(a)に示すように、変位部41の内枠部411は、可動梁42の延長方向へ開口している。すなわち、変位部41と可動梁42とが連結される面と反対側の面(コイル812が設けられる側)へ開口しているとも言える。
(変形例2)
図12(b)に示すように、変位部41の内枠部411は、可動梁42の延長方向へ開口している。すなわち、変位部41と可動梁42とが連結される面と反対側の面(コイル812が設けられる側)へ開口しているとも言える。
図12(b)に示すように、変位部41の内枠部411は、可動梁42の延長方向へ開口している。すなわち、変位部41と可動梁42とが連結される面と反対側の面(コイル812が設けられる側)へ開口しているとも言える。
変形例1および2によれば、内枠部411が可動梁42の延長方向へ開口しているため、駆動部810と永久磁石811との間に変位部41を構成する部材が無いので、駆動部810を永久磁石811にさらに近付けて配置でき、同様に、駆動部820,830,840を永久磁石821,831,841にさらに近付けて配置できる。これにより、さらなる消費電力化を実現する光スキャナー1を得ることができる。
また、永久磁石811(821,831,841)のXY平面視形状としては、図1および図6と同様に図12に実線で矩形と図示したが、特に限定されず、破線で図示する円形であってもよい。または、永久磁石811(821,831,841)のXY平面視形状としては、三角形や正方形や五角形以上の多角形であってもよく、楕円形などであってもよい。
(3−1.ミラーチップ)
第1実施形態に係る振動基板11を備えたミラーチップ10について、図13を参照して説明する。
ミラーチップ10は、第1実施形態の光スキャナー1の振動基板11を備えた構成である。このため、同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。
第1実施形態に係る振動基板11を備えたミラーチップ10について、図13を参照して説明する。
ミラーチップ10は、第1実施形態の光スキャナー1の振動基板11を備えた構成である。このため、同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。
図13に示すように、ミラーチップ10は、支持部3と、分離部18と、振動基板11とを有している。
支持部3は、振動基板11を取り囲んで形成されている。言い換えると、支持部3は、可動部2、可動梁42,52,62,72、変位部41,51,61,71、駆動梁43,53,63,73、内枠固定部132、および外枠固定部131を取り囲んで形成されている。
そして、支持部3は、分離部18により外枠固定部131と連結されている。本実施形態において、分離部18は支持部3と外枠固定部131との間を部分的に連結している。すなわち、分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く形成されている。このため、分離部18において支持部3と外枠固定部131とを確実に分離することが可能である。分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く構成されていればよく、上記の構成に限定されない。例えば、支持部3や外枠固定部131の厚みよりも分離部18の厚みを小さく形成してもよい。
なお、支持部3は、外枠固定部131の外側に形成され、分離部18を介して外枠固定部131の間を接続していればよく、上記の形に限定されるものではない。
そして、支持部3は、分離部18により外枠固定部131と連結されている。本実施形態において、分離部18は支持部3と外枠固定部131との間を部分的に連結している。すなわち、分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く形成されている。このため、分離部18において支持部3と外枠固定部131とを確実に分離することが可能である。分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く構成されていればよく、上記の構成に限定されない。例えば、支持部3や外枠固定部131の厚みよりも分離部18の厚みを小さく形成してもよい。
なお、支持部3は、外枠固定部131の外側に形成され、分離部18を介して外枠固定部131の間を接続していればよく、上記の形に限定されるものではない。
本実施形態によれば、ミラーチップ10は、支持部3および分離部18により外枠固定部131が連結されて振動基板11が連結されているので、外枠固定部131が駆動梁43,53,63,73だけに連結された振動基板11の場合と比べて剛性を高くすることができる。そのため、ミラーチップ10を保持して、振動基板11の内枠固定部132を基台12の基板保持部122に配置して、振動基板11と基台12とを接合させる際などにおいて、振動基板11を破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。
(4−1.製造方法)
第1実施形態の光スキャナー1の製造方法について、図14〜図17を参照して説明する。
第1実施形態の光スキャナー1の製造方法は、ミラーチップ10を用いて、光スキャナーを製造する方法である。このため同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。図14は第1実施形態にかかる光スキャナー1の製造方法を示すフローチャートである。図15ないし図17は、第1実施形態にかかる光スキャナー1の製造方法を示す概略工程図である。
第1実施形態の光スキャナー1の製造方法について、図14〜図17を参照して説明する。
第1実施形態の光スキャナー1の製造方法は、ミラーチップ10を用いて、光スキャナーを製造する方法である。このため同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。図14は第1実施形態にかかる光スキャナー1の製造方法を示すフローチャートである。図15ないし図17は、第1実施形態にかかる光スキャナー1の製造方法を示す概略工程図である。
まず、固定工程1(S101)を実施する。
図15(a)に示すように、ミラーチップ10を保持部材(図示省略)などにより保持し、基台12の基板保持部122と向き合わせる。
そして、図15(b)に示すように、ミラーチップ10の内枠固定部132が、基台12の基板保持部122内に収まるように配置する。そして、接着剤または陽極接合等の各種接合方法を用いて、内枠固定部132を基板保持部122に固定する。これにより、ミラーチップ10は基台12に固定される。そして、基台12によって振動基板11が支持される。
図15(a)に示すように、ミラーチップ10を保持部材(図示省略)などにより保持し、基台12の基板保持部122と向き合わせる。
そして、図15(b)に示すように、ミラーチップ10の内枠固定部132が、基台12の基板保持部122内に収まるように配置する。そして、接着剤または陽極接合等の各種接合方法を用いて、内枠固定部132を基板保持部122に固定する。これにより、ミラーチップ10は基台12に固定される。そして、基台12によって振動基板11が支持される。
次に、固定工程2(S102)を実施する。
図16(c)および図16(d)に示すように、基材14,15,16,17を保持部材(図示省略)などにより保持し、ミラーチップ10の外枠固定部131および内枠固定部132と向き合わせる。
そして、図16(e)および図16(f)に示すように、ミラーチップ10の外枠固定部131および内枠固定部132が、基材14,15,16,17の凹部に収まるように配置する。そして、接着剤または陽極接合等の各種接合方法を用いて、基材14,15,16,17を基板保持部122に固定する。これにより、基材14,15,16,17は基台12に固定される。そして、基材14,15,16,17によって振動基板11が支持される。
図16(c)および図16(d)に示すように、基材14,15,16,17を保持部材(図示省略)などにより保持し、ミラーチップ10の外枠固定部131および内枠固定部132と向き合わせる。
そして、図16(e)および図16(f)に示すように、ミラーチップ10の外枠固定部131および内枠固定部132が、基材14,15,16,17の凹部に収まるように配置する。そして、接着剤または陽極接合等の各種接合方法を用いて、基材14,15,16,17を基板保持部122に固定する。これにより、基材14,15,16,17は基台12に固定される。そして、基材14,15,16,17によって振動基板11が支持される。
次に、分離工程(S103)を実施する。
図17(g)に示すように、基材14,15,16,17を保持部材(図示省略)などにより保持し、分離治具90を矢印の方向に移動させ、保持部材により基材14,15,16,17を押し付け、分離治具90により支持部3および分離部18を押し付ける。ここで、分離部18は、保持部材または分離治具90により押し付けられていてもよく、いずれにも押し付けられないとしてもよく、適宜選択することができる。また、分離治具90を矢印の方向に移動させるとしたが、これに限るものではなく、外枠固定部131および内枠固定部132、つまり基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよく、または分離治具90を矢印の方向に移動させるとともに、基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよい。
引き続き、図17(h)に示すように、分離治具90を矢印の方向に移動させ、分離部18を破壊させて折り取ることで、基台12に固定されたミラーチップ10から、支持部3を分離する。これにより、振動基板11が基台12によって支持された光スキャナー1を得る(図2参照)。
図17(g)に示すように、基材14,15,16,17を保持部材(図示省略)などにより保持し、分離治具90を矢印の方向に移動させ、保持部材により基材14,15,16,17を押し付け、分離治具90により支持部3および分離部18を押し付ける。ここで、分離部18は、保持部材または分離治具90により押し付けられていてもよく、いずれにも押し付けられないとしてもよく、適宜選択することができる。また、分離治具90を矢印の方向に移動させるとしたが、これに限るものではなく、外枠固定部131および内枠固定部132、つまり基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよく、または分離治具90を矢印の方向に移動させるとともに、基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよい。
引き続き、図17(h)に示すように、分離治具90を矢印の方向に移動させ、分離部18を破壊させて折り取ることで、基台12に固定されたミラーチップ10から、支持部3を分離する。これにより、振動基板11が基台12によって支持された光スキャナー1を得る(図2参照)。
ここで、図15ないし図17において、ミラーチップ10に永久磁石821(811,831,841)を固定しているとして図示したが、これに限るものではなく、分離工程(S103)の後に永久磁石821(811,831,841)を固定するとしてもよい。
本実施形態によれば、ミラーチップ10は、外枠固定部131が駆動梁43,53,63,73だけでなく、支持部3および分離部18により固定部が連結されて振動基板11が連結されているので、外枠固定部131が駆動梁43,53,63,73だけに連結された振動基板11の場合と比べて剛性を高くすることができる。そのため、ミラーチップ10を保持して、振動基板11を基台12の基板保持部122に配置して、振動基板11と基台12とを接合させる際などにおいて、振動基板11を破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。
そして、支持部3を分離部18において折り取るので、振動基板11に支持部3を備えている従来の構成に比べて、XY平面視にて小型化させた光スキャナー1を得ることができる。さらには、消費電力化を実現する光スキャナー1を得ることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の光スキャナー1000について説明する。
図18は本実施形態にかかる光スキャナーを示す概略平面図である。図19(a)は図18のA−A断面図であり、図19(b)は図18のB−B断面図である。
図18および図19に示す光スキャナー1000は、可動部2、可動部2に支持される光反射部材20、可動部2に連結する4つの連結部4,5,6,7と、連結部4,5,6,7を連結する外枠固定部131と、外枠固定部131と1か所で接続された内枠固定部132と、内枠固定部132に形成された貫通孔で構成された振動基板110と、振動基板110を支持する基台12と、可動部2を変位させる変位手段8とを有している。光スキャナー1000において、第1実施形態の光スキャナー1と同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。
以下、光スキャナー1000の各構成について順次詳細に説明する。
第2実施形態の光スキャナー1000について説明する。
図18は本実施形態にかかる光スキャナーを示す概略平面図である。図19(a)は図18のA−A断面図であり、図19(b)は図18のB−B断面図である。
図18および図19に示す光スキャナー1000は、可動部2、可動部2に支持される光反射部材20、可動部2に連結する4つの連結部4,5,6,7と、連結部4,5,6,7を連結する外枠固定部131と、外枠固定部131と1か所で接続された内枠固定部132と、内枠固定部132に形成された貫通孔で構成された振動基板110と、振動基板110を支持する基台12と、可動部2を変位させる変位手段8とを有している。光スキャナー1000において、第1実施形態の光スキャナー1と同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。
以下、光スキャナー1000の各構成について順次詳細に説明する。
(5−1.振動基板110)
第2実施形態では、振動基板110(すなわち、可動部2、4つの連結部4,5,6,7、4つの外枠固定部131、内枠固定部132、内枠固定部132に形成された貫通孔133)は、SOI基板の不要部位をドライエッチングおよびウェットエッチング等の各種エッチング法により除去することにより一体的に形成されている。
第2実施形態では、振動基板110(すなわち、可動部2、4つの連結部4,5,6,7、4つの外枠固定部131、内枠固定部132、内枠固定部132に形成された貫通孔133)は、SOI基板の不要部位をドライエッチングおよびウェットエッチング等の各種エッチング法により除去することにより一体的に形成されている。
4つの外枠固定部131は、それぞれ連結部4,5(5,6および6,7および4,7)に連結され、4つの外枠固定部131と4つの連結部4,5,6,7とにより、可動部2の周囲を囲むように設けられている。また、貫通孔133が形成された4つの内枠固定部132は、外枠固定部131の内側に形成され、駆動梁43,53,63,73の延長線上を避けて外枠固定部131と1箇所で接続されている。このように、固定部は外枠固定部131と内枠固定部132とに分割されて構成されている。
4つの外枠固定部131、貫通孔が形成された内枠固定部132、及び外枠固定部131と内枠固定部132の接続箇所のXY平面視形状は、矩形で図示したが、これに限定されず、例えば三角形、正方形等の多角形、円形または楕円形等であってもよい。例えば、三角形や正方形や五角形以上の多角形の一部が接続箇所であってもよいし、円形の一部が接続箇所であってもよい。また、内枠固定部132の貫通孔133のXY平面視形状は、円形で図示したが、これに限定されず、例えば三角形、正方形等の多角形、矩形または楕円形等であってもよい。また、4つの外枠固定部131、内枠固定部132、貫通孔の形状は、それぞれ同一の大きさおよび同一の形状で図示したが、これに限るものではなく、適宜形状を決定することができる。4つの内枠固定部132は、貫通孔133に埋没された接着剤9により基台12と固定される。
4つの外枠固定部131、貫通孔が形成された内枠固定部132、及び外枠固定部131と内枠固定部132の接続箇所のXY平面視形状は、矩形で図示したが、これに限定されず、例えば三角形、正方形等の多角形、円形または楕円形等であってもよい。例えば、三角形や正方形や五角形以上の多角形の一部が接続箇所であってもよいし、円形の一部が接続箇所であってもよい。また、内枠固定部132の貫通孔133のXY平面視形状は、円形で図示したが、これに限定されず、例えば三角形、正方形等の多角形、矩形または楕円形等であってもよい。また、4つの外枠固定部131、内枠固定部132、貫通孔の形状は、それぞれ同一の大きさおよび同一の形状で図示したが、これに限るものではなく、適宜形状を決定することができる。4つの内枠固定部132は、貫通孔133に埋没された接着剤9により基台12と固定される。
次に、図20に基づいて、内枠固定部132は外枠固定部131と1箇所で接続され、かつ、内枠固定部132に貫通孔を形成し、貫通孔133に埋没された接着剤9により内枠固定部132と基台12とを固定した効果について説明する。
図20(a)は、内枠固定部132を、貫通孔133に埋没された接着剤9により、基台12と接着した際の上面図、図20(b)は、内枠固定部132を、貫通孔133に埋没された接着剤9により、基台12と接着した際の側面図、図20(c)は、有限要素法解析に用いた寸法、図20(d)は、有限要素法解析結果の上面図、図20(e)は有限要素法解析結果の側面図である。なお、外枠固定部131の形状変化をわかりやすくするため、外枠固定部131は基台12よりも大きく設定した。なお、有限要素法解析に用いた寸法は、貫通孔を除き、図4(c)の構造Iと同様である。
図20(a)は、内枠固定部132を、貫通孔133に埋没された接着剤9により、基台12と接着した際の上面図、図20(b)は、内枠固定部132を、貫通孔133に埋没された接着剤9により、基台12と接着した際の側面図、図20(c)は、有限要素法解析に用いた寸法、図20(d)は、有限要素法解析結果の上面図、図20(e)は有限要素法解析結果の側面図である。なお、外枠固定部131の形状変化をわかりやすくするため、外枠固定部131は基台12よりも大きく設定した。なお、有限要素法解析に用いた寸法は、貫通孔を除き、図4(c)の構造Iと同様である。
図20(d)および図20(e)に示すように、外枠固定部131は、形状がほぼ保たれたまま、下方へ変位した。従って、基台12を外枠固定部131の大きさとほぼ等しくすれば、外枠固定部131が下方へ変位することを抑制できる。従って、外枠固定部131に連結された駆動梁43,53,63,73へ変位が伝達せず、変位部41,51,61,71の搖動をスムーズに行うことができる。その結果、可動部2の搖動中心軸X1,Y1まわりの搖動を安定して行うことができる。
(6−1.ミラーチップ)
第2実施形態に係る振動基板を備えたミラーチップ100について、図21を参照して説明する。
ミラーチップ100は、第2実施形態の光スキャナー1000の振動基板110を備えた構成である。このため、同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。
第2実施形態に係る振動基板を備えたミラーチップ100について、図21を参照して説明する。
ミラーチップ100は、第2実施形態の光スキャナー1000の振動基板110を備えた構成である。このため、同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。
図21に示すように、ミラーチップ100は、支持部3と、分離部18と、振動基板110とを有している。
支持部3は、振動基板110を取り囲んで形成されている。言い換えると、支持部3は、可動部2、可動梁42,52,62,72、変位部41,51,61,71、駆動梁43,53,63,73、貫通孔が形成された内枠固定部132、および外枠固定部131を取り囲んで形成されている。
そして、支持部3は、分離部18により外枠固定部131と連結されている。本実施形態において、分離部18は支持部3と外枠固定部131との間を部分的に連結している。すなわち、分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く形成されている。このため、分離部18において支持部3と外枠固定部131とを確実に分離することが可能である。分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く構成されていればよく、上記の構成に限定されない。例えば、支持部3や外枠固定部131の厚みよりも分離部18の厚みを小さく形成してもよい。
なお、支持部3は、外枠固定部131の外側に形成され、分離部18を介して外枠固定部131の間を接続していればよく、上記の形に限定されるものではない。
そして、支持部3は、分離部18により外枠固定部131と連結されている。本実施形態において、分離部18は支持部3と外枠固定部131との間を部分的に連結している。すなわち、分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く形成されている。このため、分離部18において支持部3と外枠固定部131とを確実に分離することが可能である。分離部18は、支持部3や外枠固定部131に対して構造的な強度が弱く構成されていればよく、上記の構成に限定されない。例えば、支持部3や外枠固定部131の厚みよりも分離部18の厚みを小さく形成してもよい。
なお、支持部3は、外枠固定部131の外側に形成され、分離部18を介して外枠固定部131の間を接続していればよく、上記の形に限定されるものではない。
本実施形態によれば、ミラーチップ100は、支持部3および分離部18により外枠固定部131が連結されて振動基板110が連結されているので、外枠固定部131が駆動梁43,53,63,73だけに連結された振動基板110の場合と比べて剛性を高くすることができる。そのため、ミラーチップ100を保持して、振動基板110の内枠固定部132を基台12の基板保持部122に配置して、振動基板110と基台12とを接合させる際などにおいて、振動基板110を破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。
(7−1.製造方法)
第2実施形態の光スキャナー1000の製造方法について、図22および図23を参照して説明する。
第2実施形態の光スキャナー1000の製造方法は、ミラーチップ100を用いて、光スキャナーを製造する方法である。このため同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。図22は第2実施形態にかかる光スキャナー1000の製造方法を示すフローチャートである。図23は、第2実施形態にかかる光スキャナー1000の製造方法を示す概略工程図である。
第2実施形態の光スキャナー1000の製造方法について、図22および図23を参照して説明する。
第2実施形態の光スキャナー1000の製造方法は、ミラーチップ100を用いて、光スキャナーを製造する方法である。このため同様の構成については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。図22は第2実施形態にかかる光スキャナー1000の製造方法を示すフローチャートである。図23は、第2実施形態にかかる光スキャナー1000の製造方法を示す概略工程図である。
まず、固定工程(S104)を実施する。
図23(a)に示すように、ミラーチップ100を保持部材(図示省略)などにより保持し、基台12の基板保持部122と向き合わせる。
そして、図23(b)に示すように、ミラーチップ100の内枠固定部132が、基台12の基板保持部122内に収まるように配置する。そして、接着剤9を貫通孔133に埋没し、内枠固定部132を基板保持部122に固定する。これにより、ミラーチップ100は基台12に固定される。そして、基台12によって振動基板110が支持される。
図23(a)に示すように、ミラーチップ100を保持部材(図示省略)などにより保持し、基台12の基板保持部122と向き合わせる。
そして、図23(b)に示すように、ミラーチップ100の内枠固定部132が、基台12の基板保持部122内に収まるように配置する。そして、接着剤9を貫通孔133に埋没し、内枠固定部132を基板保持部122に固定する。これにより、ミラーチップ100は基台12に固定される。そして、基台12によって振動基板110が支持される。
次に、分離工程(S105)を実施する。
図23(c)に示すように、保持治具91および分離治具90を矢印の方向に移動させ、保持治具91により外枠固定部131、および内枠固定部132を押し付け、分離治具90により支持部3および分離部18を押し付ける。ここで、分離部18は、保持治具91または分離治具90により押し付けられていてもよく、いずれにも押し付けられないとしてもよく、適宜選択することができる。また、保持治具91および分離治具90を矢印の方向に移動させるとしたが、これに限るものではなく、外枠固定部131、および内枠固定部132、つまり基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよく、または保持治具91および分離治具90を矢印の方向に移動させるとともに、基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよい。
引き続き、図23(d)に示すように、分離治具90を矢印の方向に移動させ、分離部18を破壊させて折り取ることで、基台12に固定されたミラーチップ100から、支持部3を分離する。これにより、振動基板110が基台12によって支持された光スキャナー1000を得る(図19参照)。
図23(c)に示すように、保持治具91および分離治具90を矢印の方向に移動させ、保持治具91により外枠固定部131、および内枠固定部132を押し付け、分離治具90により支持部3および分離部18を押し付ける。ここで、分離部18は、保持治具91または分離治具90により押し付けられていてもよく、いずれにも押し付けられないとしてもよく、適宜選択することができる。また、保持治具91および分離治具90を矢印の方向に移動させるとしたが、これに限るものではなく、外枠固定部131、および内枠固定部132、つまり基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよく、または保持治具91および分離治具90を矢印の方向に移動させるとともに、基台12を矢印の方向と逆の方向に移動させるとしてもよい。
引き続き、図23(d)に示すように、分離治具90を矢印の方向に移動させ、分離部18を破壊させて折り取ることで、基台12に固定されたミラーチップ100から、支持部3を分離する。これにより、振動基板110が基台12によって支持された光スキャナー1000を得る(図19参照)。
ここで、図23において、ミラーチップ100に永久磁石821(811,831,841)を固定しているとして図示したが、これに限るものではなく、分離工程(S105)の後に永久磁石821(811,831,841)を固定するとしてもよい。
本実施形態によれば、ミラーチップ100は、外枠固定部131が駆動梁43,53,63,73だけでなく、支持部3および分離部18により固定部が連結されて振動基板110が連結されているので、外枠固定部131が駆動梁43,53,63,73だけに連結された振動基板110の場合と比べて剛性を高くすることができる。そのため、ミラーチップ100を保持して、振動基板110を基台12の基板保持部122に配置して、振動基板110と基台12とを接合させる際などにおいて、振動基板110を破損させることなく、上述のように、保持して、配置して、接合されることが可能となる。
そして、支持部3を分離部18において折り取るので、振動基板110に支持部3を備えている従来の構成に比べて、XY平面視にて小型化させた光スキャナー1000を得ることができる。さらには、消費電力化を実現する光スキャナー1000を得ることができる。
(8−1.画像形成装置)
第1実施形態の光スキャナー1、または第2実施形態の光スキャナー1000を備えた画像形成装置を、図24を参照して説明する。第1実施形態の光スキャナー1、または第2実施形態の光スキャナー1000と同様の構成および製造方法については、同一の符号を付与し、構成および製造方法などの説明を省略する。
第1実施形態の光スキャナー1、または第2実施形態の光スキャナー1000を備えた画像形成装置を、図24を参照して説明する。第1実施形態の光スキャナー1、または第2実施形態の光スキャナー1000と同様の構成および製造方法については、同一の符号を付与し、構成および製造方法などの説明を省略する。
以上説明したような光スキャナー1または光スキャナー1000は、例えば、プロジェクター、レーザープリンター、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡などの画像形成装置に好適に適用することができる。図24は、本実施形態の画像形成装置の概要を示す模式図である。図24には、画像形成装置としてのプロジェクター200が示されている。ここでは、スクリーン280の長手方向を「横方向」といい、長手方向に直角な方向を「縦方向」という。プロジェクター200は、レーザーなどの光を出射する光源装置210と、複数のダイクロイックミラー220と、光スキャナー1または光スキャナー1000とを有している。
光源装置210は、赤色光を出射する赤色光源装置211と、青色光を出射する青色光源装置212と、緑色光を出射する緑色光源装置213とを備えている。各ダイクロイックミラー220は、赤色光源装置211、青色光源装置212、緑色光源装置213のそれぞれから出射された光を合成する光学素子である。このようなプロジェクター200は、図示しないホストコンピューターからの画像情報に基づいて、光源装置210から出射された光をダイクロイックミラー220で合成し、この合成された光が光スキャナー1または光スキャナー1000によって2次元走査され、固定ミラー250を介してスクリーン280上にカラー画像を形成するよう構成されている。
2次元走査の際、光スキャナー1または光スキャナー1000の可動部2が、Y軸方向の軸まわりに搖動し、可動部2の光反射部22で反射した光がスクリーン280の横方向に走査(主走査)される。一方、光スキャナー1または光スキャナー1000の可動部2が、X軸方向の軸まわりに搖動し、光反射部22で反射した光がスクリーン280の縦方向に走査(副走査)される。光スキャナー1または光スキャナー1000による光の走査は、いわゆるラスタースキャンによって行ってもよいし、いわゆるベクタースキャンによって行ってもよい。特に、光スキャナー1または光スキャナー1000においては、その構成上、ベクタースキャンに適しているため、ベクタースキャンによって光を走査するのが好ましい。
光スキャナー1または光スキャナー1000にとって好ましいベクタースキャンとは、光源装置210から出射された光を、スクリーン280に対し、該スクリーン280上の異なる2点を結ぶ線分を順次形成するように走査する手法である。すなわち、微少な直線を集合させることにより、スクリーン280に所望の画像を形成する手法である。光スキャナー1または光スキャナー1000では、可動部2を、Y軸方向の軸まわりおよびX軸方向の軸まわりに、不規則に且つ連続的に変位させることが可能であるため、ベクタースキャンに特に適している。
具体的に説明すれば、図24に示すような文字(aおよびb)をベクタースキャンにて描画する場合には、光源装置210から出射された光をそれぞれの文字を書くように走査する。この際、光スキャナー1または光スキャナー1000が有する可動部2のX軸方向の軸まわりの姿勢(搖動)とY軸方向の軸まわりの姿勢(搖動)とをそれぞれ制御して、走査軌跡230に沿って不規則に光を走査することができ、aおよびbの文字を一筆書きのように描画することができる。このようなベクタースキャンによれば、ラスタースキャンのように、スクリーン280の全面に光を走査させなくてよいため、効率的に画像を描画することができる。なお、図24では、ダイクロイックミラー220で合成された光を光スキャナー1または光スキャナー1000によって2次元的に走査した後、その光を固定ミラー250で反射させてからスクリーン280に画像を形成するように構成されているが、固定ミラー250を省略し、光スキャナー1または光スキャナー1000によって2次元的に走査された光を直接スクリーン280に照射してもよい。
本実施形態によれば、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果を奏することが可能な画像形成装置としてのプロジェクター200を提供することができる。
なお、上記課題の少なくとも一部を解決できる範囲での変形、改良などは前述の実施形態に含まれるものである。
たとえば、図13および図21に示した分離部18の配置、形状、および数量などは、ミラーチップ10またはミラーチップ100の支持部3と外枠固定部131との連結、および分離工程(S103またはS105)での分離部18における折り取りならびに分離部18における取り外しを考慮して、適宜決定することができる。
また、内枠部411のXY平面視形状は、図1、図6および図18に示した矩形に限定されず、例えば、三角形や正方形や五角形以上の多角形、または円形または楕円形であってもよく、適宜決定することができる。
また、永久磁石811,821,831,841のXY平面視形状としては、図1、図6および図18で矩形と図示したが、特に限定されず、例えば、三角形や正方形や五角形以上の多角形であってもよいし、図12に破線で図示する円形であってもよい。
さらに、コイル固定部、変位手段、応力緩和部、振動基板、および可動板の構成および形状、ならびに振動基板を図示上下に反転して光反射部材を取り付けるなどは、前述の実施形態を限定するものではなく、適宜変更することが可能である。
1…第1実施形態の光スキャナー、2…可動部、3…支持部、4,5,6,7…連結部、8…変位手段、9…接着剤、10…第1実施形態のミラーチップ、11…第1実施形態の振動基板、12…基台、131…外枠固定部、132…内枠固定部、14,15,16,17…基材、18…分離部、20…光反射部材、21…面、22…光反射部、23…支持部材、41,51,61,71…変位部、42,52,62,72…可動梁、43,53,63,73…駆動梁、81…第1の変位手段、82…第2の変位手段、83…第3の変位手段、84…第4の変位手段、85…コイル固定部、90…分離治具、121…基部、122…基板保持部、1000…第2実施形態の光スキャナー、100…第2実施形態のミラーチップ、110…第2実施形態の振動基板、90…分離治具、91…保持治具、200…プロジェクター、210…光源装置、211…赤色光源装置、212…青色光源装置、213…緑色光源装置、220…ダイクロイックミラー、230…走査軌跡、250…固定ミラー、280…スクリーン、411…内枠部、421,521,621,721…屈曲部、422,522,622,722…可動部側可動梁、423,523,623,723…変位部側可動梁、810,820,830,840…駆動部、811,821,831,841…永久磁石、812,822,832,842…コイル、813,823,833,843…電源、851…突出部、4211,4212,6211,6212…変形部、4213,5213,6213,7213…非変形部、4214,4215,5214,5215,6214,6215,7214,7215…接続部、X1,X2,X3,Y1,Y2,Y3,Y4…搖動中心軸。
Claims (10)
- 光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、
前記内枠固定部を固定する基台と、
前記内枠固定部および前記外枠固定部を、前記基台と反対側から支持する基材と、
前記変位部に形成される内枠部と、
前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする光スキャナー。 - 光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線上を避けて前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、
前記内枠固定部に形成された貫通孔を介して前記内枠固定部と接着固定され、かつ前記外枠固定部を支持する基台と、
前記変位部に形成される内枠部と、
前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする光スキャナー。 - 光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線上を避けて前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、
前記変位部に形成される内枠部と、
前記内枠部に固定される永久磁石と、
前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、
前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とするミラーチップ。 - 光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、
前記変位部に形成される内枠部と、
前記内枠部に固定される永久磁石と、
前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、
前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とするミラーチップ。 - 請求項3または4に記載のミラーチップにおいて、
前記分離部は、前記外枠固定部と前記支持部とが部分的に連結されていることを特徴とするミラーチップ。 - 請求項3ないし5のいずれか一項に記載のミラーチップにおいて、
前記分離部は、前記外枠固定部および前記支持部の厚さよりも小さい厚さを有することを特徴とするミラーチップ。 - 光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、
前記内枠固定部を固定する基台と、
前記内枠固定部および前記外枠固定部を、前記基台と反対側から支持する基材とを備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする光スキャナーの製造方法であって、
前記光反射部材、前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、
前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、
前記内枠固定部を前記基台に固定する固定工程と、
前記外枠固定部を前記基台と反対側から支持する工程と、
前記分離部において前記外枠固定部と前記支持部とを分離する分離工程とを備えることを特徴とする光スキャナーの製造方法。 - 光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、
前記外枠固定部を支持する基台と、を備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする光スキャナーの製造方法であって、
前記光反射部材、前記可動部、前記可動梁、前記変位部、前記駆動梁、前記内枠固定部、および前記外枠固定部を取り囲んで形成される支持部と、
前記外枠固定部と前記支持部とを連結する分離部とを備え、
前記内枠固定部に形成された貫通孔を介して前記基台に接着固定する固定工程と、
前記分離部において前記外枠固定部と前記支持部とを分離する分離工程とを備えることを特徴とする光スキャナーの製造方法。 - 光源と、
前記光源からの光を走査する光スキャナーと、を備え、
前記光スキャナーは、
光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続された内枠固定部と、
前記内枠固定部を固定する基台と、
前記内枠固定部および前記外枠固定部を、前記基台と反対側から支持する基材と、
前記変位部に形成される内枠部と、
前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする画像形成装置。 - 光源と、
前記光源からの光を走査する光スキャナーと、を備え、
前記光スキャナーは、
光反射面を有する光反射部材を備える可動部と、
前記可動部から前記光反射面に沿って延長され、かつ静止状態における前記可動部の厚み方向の平面視にて前記可動部の周方向に沿って90度間隔で設けられた4つの可動梁と、
前記可動梁の延長方向に連結する変位部と、
前記可動梁の延長方向に前記変位部から隔てて配置され、前記変位部を駆動する駆動部と、
前記変位部から前記可動梁に直交して前記光反射面の面方向に延長する2つの駆動梁と、
前記駆動梁が連結される外枠固定部と、
前記外枠固定部の内側に形成され、前記外枠固定部の厚み方向の平面視で前記駆動梁の延長線と重ならない部分において前記外枠固定部と1箇所で接続され、かつ貫通孔が形成された内枠固定部と、
前記内枠固定部に形成された貫通孔を介して前記内枠固定部と接着固定され、かつ前記外枠固定部を支持する基台と、
前記変位部に形成される内枠部と、
前記内枠部に固定される永久磁石と、を備え、
前記可動梁は、静止状態における前記可動部の前記光反射面の前記面方向と垂直な方向に前記可動梁を屈曲変形させる屈曲部を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012153295A JP2014016443A (ja) | 2012-07-09 | 2012-07-09 | 光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012153295A JP2014016443A (ja) | 2012-07-09 | 2012-07-09 | 光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014016443A true JP2014016443A (ja) | 2014-01-30 |
Family
ID=50111194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012153295A Pending JP2014016443A (ja) | 2012-07-09 | 2012-07-09 | 光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014016443A (ja) |
-
2012
- 2012-07-09 JP JP2012153295A patent/JP2014016443A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5659672B2 (ja) | 光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 | |
JP5577742B2 (ja) | 光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5659642B2 (ja) | 光スキャナー、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 | |
JP5381801B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5598296B2 (ja) | アクチュエーター、光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5447272B2 (ja) | 光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5333286B2 (ja) | 光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP2012108165A (ja) | アクチュエーター、光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP4984987B2 (ja) | アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 | |
JP2012123116A (ja) | アクチュエーター、光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP2012108164A (ja) | アクチュエーター、光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5447283B2 (ja) | 光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP2012123117A (ja) | アクチュエーター、光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5923933B2 (ja) | ミラーデバイス、光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP2012128307A (ja) | 光スキャナー、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 | |
JP5867547B2 (ja) | 光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5803586B2 (ja) | ミラーデバイス、光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5294033B2 (ja) | 光走査装置及び画像形成装置 | |
JP2014016443A (ja) | 光スキャナー、ミラーチップ、光スキャナーの製造方法、および画像形成装置 | |
JP5045611B2 (ja) | アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 | |
JP4984988B2 (ja) | アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 | |
JP2011100074A (ja) | 光学デバイス、光走査装置及び画像形成装置 | |
JP2013190724A (ja) | 光スキャナーおよび画像形成装置 | |
JP5023952B2 (ja) | アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 | |
JP2005250076A (ja) | 光偏向器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150108 |