JP2013190423A - 試料透過光検出方法および試料透過光検出装置 - Google Patents

試料透過光検出方法および試料透過光検出装置 Download PDF

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英 俊 南
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本 学 辻
Kazuo Kadowaki
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Abstract

【課題】試料を光が透過できるようにして、試料の吸収特性を正確に検出可能とする。
【解決手段】試料透過光検出方法は、一方向に厚さが連続的に変化する試料セル内に、試料を収納するステップと、所定波長の光を集光させて前記試料セルに照射して、該光を前記試料の厚さの異なる少なくとも2箇所の測定箇所に照射するステップと、前記少なくとも2箇所の測定箇所を透過する光の透過光強度を測定するステップと、前記試料セルの所定区間を、前記所定波長と同じ又は異なる波長の光を前記一方向に沿って走査させて、前記所定区間を透過した光の干渉縞を生成させ、この干渉縞に基づいて前記測定箇所同士の厚さの差を検出するステップと、前記測定箇所での前記透過光強度と、前記検出された前記測定箇所の厚さの差とに基づいて、吸収係数を検出するステップと、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、試料に光を照射して、試料を透過する光を検出する試料透過光検出方法および試料透過光検出装置に関する。
物質に光を照射して、物質からの透過光強度を検出することで、物質の吸収特性を求める技術が知られている。
ところが、光の波長帯域によって物質の吸収特性が変わるため、物質を薄くしても、ある特定波長帯域の光を透過させることができず、結果として、吸収特性を正しく検出できない場合がある。
また、例えば試料セルに試料を収納した状態で、試料セルに光を照射して、試料セルからの透過光を検出して、試料の吸収特性を検出する場合、試料セルの容器自体での光の吸収がある上に、試料セルと試料との界面での反射もあるため、試料セルからの透過光が得られたとしても、試料の吸収特性を正しく測定できる保証はない。
このような事情から、ある特定波長帯域の光についての物質の吸収特性を簡易に検出する必要性が求められている。
その一方で、テラヘルツ帯域の光は、種々の物質に対して特徴的な浸透性あるいは吸収性をもつことから、様々な利用が検討されている。テラヘルツ(THz)帯域光は、ギガヘルツ帯域の光(電磁波)よりも高い周波数を持ち、高分子や水素結合した分子集団などの振動運動や分子間振動による共鳴吸収特性を有する。また、テラヘルツ帯域光は、短波長であることから、物体を精細に観察するのに用いることができる。そのため、物理化学的な分光測定器、種々の分子、高分子、タンパク質などの同定、精緻なイメージング分野、医療および診断装置、食品検査、セキュリティ等に幅広く応用可能な有望な周波数帯域である。この広範な応用性は、テラヘルツ帯域光の二つの特異的な性質から得られる。すなわち、広く様々な重要な化学的又は生物的性質に対するテラヘルツ帯域光のスペクトラム特異性、及び包装材料、衣類、プラスチック等を通過するテラヘルツ帯域光の浸透性である。
このため、従来から、テラヘルツ帯の光発振器として、半導体に高出力のフェムト秒(1/1015)レベルのレーザ光を照射し、その強力な電場によって誘起される電流でパルス的な広帯域のテラヘルツ帯域波を発生させる光スイッチ法の他に、例えば、本願発明者らにより、BSCCO(ビスマス・ストロンチウム・カルシウム・銅酸化物:BiSrCaCu、BiSrCaCu10)や、TBCCO(タリウム・バリウム・カルシウム・銅酸化物:TLBaCaCu10)等の超伝導単結晶からなる超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層された積層ジョセフソン接合を有する超伝導単結晶素子を利用したテラヘルツ帯発振器の利用が提案されていた(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照)。
そして、これらの特許文献には、例えば、0.6テラヘルツ帯域(0.36乃至0.85テラヘルツ帯域)において、0.5μWの単色コヒーレント光の連続的な発振を実現するBSCCO超伝導発振素子が開示されている。
特開2009−43787号公報 特開2009−224481号公報 特開2009−224482号公報
しかしながら、これらの文献には、テラヘルツ帯域のコヒーレント単色光を安定的に発振する固有ジョセブソン接合発振素子は開示されているものの、当該発振素子のテラヘルツ帯域光の応用分野である、物理化学的な分光測定器、種々の分子、高分子、タンパク質などの同定、精緻なイメージング分野、医療及び診断装置等の具体的な計測技術については確立されていなかった。
テラヘルツ帯域の光は、測定対象の試料が水溶液のように高い光吸収係数を持つ場合には、光が試料を透過しなくなり、試料の光吸収特性を測定することができなくなる。このため、試料からの反射を測定したり、試料が水溶液の場合には試料の吸収係数を下げるために例えば試料を乾燥させたり凍らせてから測定しなければならず、水溶液中のイオン、高分子、生体分子等の吸収分光の直接的測定が容易ではなかった。
また、テラヘルツ帯域の光に限らず、測定対象の物質が光を透過するかどうかは、光の波長帯域と物質の種類との対応関係に依存し、測定対象の試料が高い光吸収係数を持つ場合には、物質の吸収特性を正しく測定する手法が従来は確立されていなかった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、試料を光が透過できるようにして、試料の吸収特性を正確に検出可能な試料透過光検出方法および試料透過光検出装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、一方向に厚さが連続的に変化する試料セル内に、試料を収納するステップと、
所定波長の光を集光させて前記試料セルに照射して、該光を前記試料の厚さの異なる少なくとも2箇所の測定箇所に照射するステップと、
前記少なくとも2箇所の測定箇所を透過する光の透過光強度を測定するステップと、
前記試料セルの所定区間を、前記所定波長と同じ又は異なる波長の光を前記一方向に沿って走査させて、前記所定区間を透過した光の干渉縞を生成させ、この干渉縞に基づいて前記測定箇所同士の厚さの差を検出するステップと、
前記測定箇所での前記透過光強度と、前記検出された前記測定箇所の厚さの差とに基づいて、吸収係数を検出するステップと、を備えるものである。
また、本発明の他の一態様は、第1厚さの第1試料セルと、前記第1厚さとは異なる第2厚さの第2試料セルとのそれぞれに、厚さが異なり同一の材質からなる第1試料および第2試料をそれぞれ収納するステップと、
前記第1試料および前記第2試料に光を照射して、該光の波長を可変させて前記第1試料および前記第2試料の透過光強度スペクトルを測定するステップと、
前記第1試料セル内の前記第1試料が置かれていない場所と前記第2試料セル内の前記第2試料が置かれていない場所とに光を照射して、該光の波長を可変させて干渉縞を発生させ、該干渉縞から前記第1試料および前記第2試料の厚さを検出するステップと、
前記第1試料および前記第2試料の透過光強度スペクトルと、前記第1試料および前記第2試料の厚さとに基づいて、吸収係数スペクトルを検出するステップと、を備えるものである。
本発明によれば、試料セルの容器自体の光の吸収や、試料セルと試料との界面での反射の影響を受けることなくパラメーターフリーで、その上、試料の光吸収の強さに応じた試料の厚さをフレキシブルに選択することで透過光を検出でき、かつ試料の厚さを正確に検出できるため、正確に試料の吸収特性を検出できる。
本発明の一実施形態に係る試料透過光検出方法の概略を説明する図。 図1を用いて試料の吸収特性を測定する手順を示すフローチャート。 厚さが均一な試料セル12を用いて試料透過光検出を行う例を示す図。 図3を用いて試料9の吸収特性を測定する手順を示すフローチャート。 本実施形態に係るテラヘルツ帯域光発振素子の構成を説明する模式図。 (a)はテラヘルツ帯域光発振素子におけるI−V曲線の例を示し、(b)はテラヘルツ波発振強度の励起電流依存性を示し、(c)はこの励起電流電圧(I−V)曲線の戻り分岐部を拡大尺度にて示し、(d)はテラヘルツ波の分光スペクトルを示す図。 本実施形態に係るテラヘルツ帯域光分析システムの構成説明図を示す図。 (a)はTHz帯域透過板(水晶など)による楔形液体用試料セルの構成の説明図、(b)はセルの厚さを連続的に変えながら透過光の強度を測定した結果を示し、(c)は干渉模様の説明図を示す図。 (a)は封筒中のカミソリ刃のTHz透過像の説明図、(b)は封筒中の硬貨のTHz透過像の説明図を示す図。 (a)はセル内の純水の吸収係数の測定例の説明図、(b)はセルの厚さを連続的に変えながら透過強度の試料の厚さに対する依存性を説明する図。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る試料透過光検出方法の基本的な概念について説明する。本実施形態では、試料の吸収特性を測定するものである。
図1は本発明の一実施形態に係る試料透過光検出方法の概略を説明する図、図2は図1を用いて試料の吸収特性を測定する手順を示すフローチャートである。
図1は、一方向(X方向)に厚さが連続的に変化する楔状の試料セル12を用いる例を示している。この試料セル12の中に、例えば注射針を用いて、液体状の試料9を2箇所以上に収納する(ステップS1)。各試料9は、間隔を隔てて収納される。図1の例では、厚さd1の第1試料と、厚さd2の第2試料を試料セル12に収納している。厳密には、第1試料の第2試料側の端部x1での厚さがd1であり、第2試料の第1試料側の端部x2での厚さがd2である。
試料セル12は、2枚の透明板の各一辺を接触させ、対向辺側を所定の距離を隔てて配置したものであり、試料の厚さをフレキシブルに変えられる特徴をもつ。対向辺側の距離は、測定対象の試料の種類と測定する光の波長帯域に応じて調整する必要がある。より具体的には、測定する光が透過するように試料の厚さを調整する必要がある。
次に、所定の波長帯域の光を試料セル12を介して各試料9に照射し、この光を試料セル12の一方向(図1のx方向)に沿って走査させ、各試料9を透過した透過光強度I1、I2を測定する(ステップS2)。
上述したステップS2で光を走査する範囲は、第1試料の少なくとも一部から、一方向に沿って、第2試料の少なくとも一部にかけての領域であり、第1試料と第2試料の全域を走査する必要はない。すなわち、図1の位置x1〜x2の間は少なくとも光を走査させる必要があるが、それ以上にまで走査範囲を広げる必要はない。
また、試料セル12に照射する光は、十分に集光させておく必要がある。試料セル12は、連続的に厚さが変化することから、拡散されている光を試料セル12に照射すると、透過光強度を正しく検出できなくなる。
ここで、位置x1での第1試料の透過光強度I1と、位置x2での第2試料の透過光強度I2は、試料セル12への入射光の強度Ioを利用すると、それぞれ以下の(1)式と(2)式で表される。
I1/Io=A・exp(−α/d1) …(1)
I2/Io=A・exp(−α/d2) …(2)
ここで、Aは試料セル12の容器での光の吸収や試料セル12と試料との界面での反射等に依存する因子であり、光の波長に依存する。αは定数ではない吸収係数、d1は位置x1での第1試料の厚さ、d2は位置x2での第2試料の厚さである。
上述した(1)式と(2)式からIoを消去すると、
I1/I2=exp{−α(d1−d2)} …(3)
次に、光が第1試料と第2試料の間を走査する間に発生した干渉縞を利用して、第1試料の厚さd1と第2試料の厚さd2の差(d2−d1)を求める(ステップS3、試料厚さ差検出部)。
ステップS3で差を求めるために利用する光の波長は、ステップS2で透過光強度を測定するために利用する光の波長と同じでもよいし、異なっていてもよい。
次に、上述した(3)式に、ステップS2で測定した透過光強度I1、I2と、ステップS3で求めた差(d2−d1)を代入することにより、吸収係数αを求める(ステップS4、吸収係数検出部)。
次に、必要に応じて、ステップS2で透過光強度I1、I2を測定する際の光の波長を可変させて、各波長ごとに位置x1での透過光強度スペクトルI1(λ)と、位置x2での透過光強度スペクトルI2(λ)とを求め、これらに基づいて、上述した(3)式から、吸収係数スペクトルα(λ)を求めてもよい(ステップS5)。
上述した図2のステップS2〜S5の処理は、例えばコンピュータを用いたソフトウェア処理により実行可能である。なお、S2〜S5の処理は必ずこの順番でなければならないというものではなく、S2とS3の順番が逆であっても構わないし、S5とS4の順番が逆、すなわち吸収係数スペクトルを求めた後に、当該スペクトルから特定の吸収係数αを得るものであっても構わない。
試料9を透過した透過光強度を利用して吸収係数αを求めようとしても、試料セル12の容器での光の吸収や試料セル12と試料との界面での反射などの影響により、正確に吸収係数αを求めることはできない。この影響は、上述した(1)式と(2)式のAで表される。
ところが、上述した(3)式に示すように、(1)式と(2)式の比を取ることで、Aを削除でき、試料セル12の容器での光の吸収や試料セル12と試料との界面での反射などの影響に依存せずに、吸収係数αを精度よく求めることができる。
この吸収係数αを求めるにあたって、干渉縞を利用して第1試料の厚さd1と第2試料の厚さd2の差(d2−d1)を求めている。試料セル12内に離隔して配置された2つの試料9の間で光を走査させると、干渉縞ができる理由は、2つの試料9の間では、試料セル12の透過板の厚さが連続的に変化しており、厚さによって、光が強め合う位置と弱め合う位置が交互に現れ、これらが互いに干渉し合うためである。
すなわち、試料9のない場所に入射された光は、2枚の透過板を直接透過する光と、2枚の透過板の間で1回以上反射した後に透過する光とに分けられる。試料セル12を通過した光が強め合う条件は、以下の(4)式で表される。
2d=(λ/2)×2m (m=0.1,2,…) …(4)
ここで、dは試料セル12の透過板の厚さ、λは光の波長である。
このように、試料セル12内の2つの試料9の間で、一方向に沿って光を走査させながら光を透過板に照射すると、場所によって、光が強め合ったり、弱め合ったりして、干渉縞が形成される。厚さの差によって、干渉縞の種類も異なり、これは予め計算により把握できるため、実際の測定で生じた干渉縞と予め計算により得られた干渉縞を比較することで、極めて薄い試料であっても厚さの差を正確に検出できる。
ところで、上述した試料の吸収特性の測定を行うには、測定対象である試料を光が透過しなければならない。例えば、テラヘルツ帯の光を用いて水溶液の吸収係数を測定する場合や、光の吸収性の高い試料の場合は、試料を十分に薄くする必要がある。
10μm未満の薄さにまで試料を薄くする必要がある場合は、例えば、透過性のある板の上に試料を滴下し、その上に別の透過性のある板を配置して、両方の板を両側から押しつけて、試料を所望の薄さにすることが一案として考えられる。
本発明の基本的な概念は、「測定したい試料について厚さの異なる点(最低2箇所)の透過光を測定すること」、「透過光を測定した箇所の厚さの差を算出できること」の2点に基づいており、「透過光を測定した箇所の厚さの差を算出」のために、連続的に厚さが変化する領域を走査することで干渉縞を発生させて、これを利用することを一つの特徴としている。
従って、上記では、楔状の試料セル12に試料9を、間隔を隔てて収納させ、当該試料9(第1試料と第2試料)の間の部分を光が走査する間に発生した干渉縞を利用して、第1試料の厚さd1と第2試料の厚さd2の差(d2−d1)を求める例を説明したが、これに本発明が限定されるものではない。例えば、図1において、x3〜x4の間を走査させて、一つの試料9の中の2点を定めて(例えばx5とx1の2点)当該箇所の透過光を測定すると共に、試料9の無い部分で発生する干渉縞を利用して、これら2点の厚さの差を算出する(すなわち、干渉縞に基づいて、x方向に対する板12aと12bとの間隔の変化量を算出する)ようなものであってもよい。この場合、試料9を離隔して複数個所設ける必要はない。同様の概念で、x3〜x1(又はx5〜x4)の間を走査させて測定することも可能であるし、試料9を走査することでその透過光から干渉縞が得られる条件であれば、x5〜x1の間だけを走査させて測定することも可能である。
このように、楔状の試料セル12内に、少なくとも一つの試料9を収納することで、この試料9の任意の2箇所の測定箇所間の厚さの差を検出できる。
なお、試料セル12の形状は、厚さが連続的かつ線形に変化する理想的な形状の楔型でなくてもよく、厚さが変化する度合いが非線形であってもよい。また、以下に説明するように、厚さが均一な試料セル12を用いることも可能である。
図3は厚さが均一な試料セル12を用いて試料透過光検出を行う例を示す図、図4は図3を用いて試料9の吸収特性を測定する手順を示すフローチャートである。
厚さが均一な試料セル12を用いて試料9の吸収特性を測定するには、厚さの異なる複数の試料セル12(例えば第1試料セル12と第2試料セル12)を用意する必要がある。そして、それぞれの試料セル12内に、注射針等で液体状の試料9を収納する(ステップS11)。図3の例では、一方の試料セル12の厚さをd1、他方の試料セル12の厚さをd2としている。
次に、それぞれの試料セル12内の試料のある場所に、光の波長を変えながら光を照射し、この場所での透過光強度スペクトルI1(λ)、I2(λ)を測定する(ステップS12、透過光強度スペクトル測定部)。
ここで、透過光強度スペクトルI1(λ)、I2(λ)の比は、上述した(3)式からわかるように、以下の(5)式で表される。
I2(λ)/I1(λ)=exp{−α(λ)(d2−d1)} …(5)
次に、それぞれの試料セル12内の試料のない場所に、光の波長を変えながら光を照射し、この場所から透過された光同士の干渉により干渉縞を発生させ、この干渉縞に基づいて試料の厚さd1とd2を求める(ステップS13、試料厚さ検出部)。
次に、ステップS12で測定した透過光強度スペクトルI1(λ)、I2(λ)と、ステップS13で求めた厚さd1、d2とを(5)式に代入することにより、吸収係数スペクトルα(λ)を求めることができる(ステップS14、吸収係数スペクトル検出部)。
上述した図4のステップS12〜S14の処理は、例えばコンピュータを用いたソフトウェア処理により実行可能である。
図1のような楔形の試料セル12の場合、集光させた光を照射する必要があったが、図3のような均一な厚さの試料セル12の場合、どこに光が照射されても、試料セル12の厚さは共通であるため、拡散させた光を照射しても実用上問題ない。
なお、厚さが均一な試料セル12を用いる場合、試料セル12の透過板での吸収や透過板と試料との界面での反射による誤差を無視してもよい場合は、一種類の試料セル12のみを用いて試料の厚さを求めて、その厚さを利用して吸収係数スペクトルを求めてもよい。
また、上記では試料9に光の波長を変えながら光を照射し、この場所での透過光強度スペクトルを測定する例を説明したが、特定波長に対する級数係数αを求めたいだけである場合には、当該特定波長の光を照射するだけでよい。
上述した図1〜図4では、液体状の試料の吸収特性を測定する例を説明したが、本実施形態は、固体や気体試料の吸収特性の測定にも用いることができる。固体試料の場合は、上述した試料セル12を用いる必要は特になく、光が透過する適度な厚さにすればよい。
透過光量は物質の種類と測定する光の波長帯域に依存するため、適度な透過光量を得るため最適な試料の厚さを選択する必要がある。また、透過光量は試料セル12の透過板の材料にも依存するため、上述した図1と図3のいずれの試料セル12を用いる場合も、測定する光の波長帯域に応じて透過板の材料を選択する必要がある。
ただし、一般的な傾向として、テラヘルツ帯域の光では、吸収のない透過板を得ることが困難でその吸収が光の波長に依存するため、ここで提案されている方法は特に有効である。したがって、以下では、テラヘルツ帯域の光を用いて試料透過光検出を行う手法について説明する。
図5はテラヘルツ帯域光を発生する多重積層型固有ジョセフソン接合型発振素子の斜視図である。図5において、固有ジョセフソン接合型発振素子1(以下、発振素子という)は、サファイアによる絶縁体の基板3の上に、Bi系の高温超伝導体であるBSCOO(ビスマス・ストロンチウム・カルシウム・鋼酸化物:BiSrCaCu、BiSrCaCu10)にて層状の結晶構造を有した平板4の一部をメサ状に加工して発振源となるメサ2を構成している。この実施例では、メサ2と平板4の結晶構造はBi2212(BiSrCaCu)となっている。
メサ2のサイズは、例えば、幅(w)が62μm、長さ(1)が400μm、厚さ(t)が1,9μmであり、金属マスクとイオンミリングにて標準的な構造にて作製されている。そして、メサ2の上面と平板4にそれぞれ形成した蒸着された金により覆われる電極5A、5Bに直流電流電源を接続し、層に対し垂直に直流電流を流してメサ空洞共振させることにより、メサ2はテラヘルツ帯域(0.3乃至1.0THz帯域)の強力な光を放射し外部へ誘導する。そして、当該テラヘルツ帯域光の周波数を概ね±20%程度チューニングする。
上記の構成による発振素子1の特性について説明する。図6(a)は電流一電圧(I−V)曲線の典型例を示し、大きなヒステリシスを有している。この曲線において、戻り分岐部を拡大尺度にて示すのが図6(c)で、約1.5Vの電圧及び約14mAの電流の部分と、約1.6Vの電圧及び約11mAの電流の部分とで、図6(b)の発振強度の励起電流依存性で示すように、強い大きさを備えた強烈なテラヘルツ帯域光をそれぞれ観察した。
特に、約1.6Vの電圧及び約11mAの電流にて、1μWの最高パワーが得られて、このときの発振周波数は0.54THzである。図6(d)は、放射されるテラヘルツ波の周波数特性を示しており、発振素子1に印加する電圧の大きさを変化させて11mAの電流を流したとき、発振素子1からは、スペクトル線幅約0.5GHzの単色性を有する0.54THzの連続テラヘルツ帯域光を得ることができる。このときのテラヘルツ帯域光の最大変調動作は500kHz以上となっている。
図7は、このような発振素子1を用いたテラヘルツ帯域光分析システムの構成を示す。図7で、発振素子1は、クライオスタット11の中に設置されて超電導状態になる温度まで冷却される。クライオスタット11は断熱構造を有し、内部に収容している発振素子1を、液体ヘリウムをフローさせることで冷却する。
発振素子1は、ケーブルを通して、クライオスタット11の外に置かれるオシロスコープ6及びファンクション・ジェネレータ7と接続される。
発振素子1からのテラヘルツ帯域光は、クライオスタット11の表面に形成される窓11Aを通して外部に放射されて、軸外し放物面鏡10に入射する。軸外し放物面鏡10は、発振素子1から照射されるテラヘルツ帯域光を測定対象の試料9に集光させるもので、一組の放物面鏡10a、10bから構成されている。
放物面鏡10は、点光源から出る光を平行ビームに変換する機能があり、2枚を向い合せに使えば、点光源を一点に集光させることができる。すなわち、放物面鏡10aはその鏡面で受けた点光源のテラヘルツ帯域光を平行ビームに変換し、放物面鏡10bは平行ビームで受けた放物面鏡10aからの反射光を試料9の一点に向けて集光させる。このように、テラヘルツ帯域の単色連続光を測定対象の試料9に集光させる装置としては、軸外し放物面鏡10に限定されるものでなく他の集光光学系を用いても良い。
液体試料9は、楔形液体用試料セル12の中に配置される。この試料セル12は、図1に示したものと同様のものである。水晶などによる2枚のTHz帯域透過板12a、12bを有する楔形液体用試料セル12は、図8(a)にて示すように、テラヘルツ帯域光の進行方向に対してそれぞれが異なる角度を有して平面が楔状となるよう、対向して配置するTHz帯域透過板12a、12bの一方の垂直辺どうしはスペーサー12cを介在して接触させ、他方の垂直辺どうしは直接接触させている。
図7の説明に戻って、試料9を透過したテラヘルツ帯域光は検出器13にて強度が検出されるが、検出器13としては、応答の速いInSbホットエレクトロン検出器が用いられる。そして、検出器13による検出信号を狭帯域・ハイゲインのAC−DC変換型増幅器であるロックイン・アンプ8にてロックイン検出することで測定を行う。この場合、ロックイン・アンプ8は、検出器13にて検出された透過光の強度を測定することにより画像データを得る画像データ取得装置を構成している。なお、検出器13は、InSbホットエレクトロン検出器以外にもショットキーバリアダイオード検出器などが使用できる。
このような楔形液体用試料セル12にテラヘルツ帯域光を集光し、楔形液体用試料セル12を2回走査することで、楔形液体用試料セル12で生じる等厚干渉模様と試料9の透過光の強度の変化を測定する。すなわち、楔形液体用試料セル12にテラヘルツ帯域光を集光することで等厚干渉模様を測定し、次に楔形液体用試料セル12に試料9を置きテラヘルツ帯域光を透過させたときの干渉縞の本数や透過光の強度の変化から試料9の光学特性を判断する。これにより、テラヘルツ帯域光の干渉現象を利用した高精度な測定が可能となる。
等厚干渉模様は、図8(a)で示すように、楔形液体用試料セル12を水平方向(図示のx方向)に移動させて、セル12の厚さを連続的に変えながら透過光の強度を測定したとき、図8(b)で四角に囲った部分で周期的に変わる部分での出力にて示される。このように、楔形液体用試料セル12の空気層による干渉模様は等間隔に現れ、この周期は、図8(c)にシミュレーションで示す周波数が0.620THzの波形と一致しており、この周波数のテラヘルツ帯域光であることが分かる。そして、等厚干渉の条件は、THz帯域透過板12a、12bの間隔dと波長λの関係式は、上述した(4)式で表される。
セル12内に配置した試料9を、ステージ・コントローラ14にて制御される自動ステーション15により、X(水平)及びZ(垂直)方向に移動させることで全体をテラヘルツ帯域光にて走査して、試料9におけるテラヘルツ帯域光の透過強度を試料の厚さを変えながら測定する。
そして、測定したセル12で生じる等厚干渉模様と試料9の透過光強度をそれぞれ示す信号をコンピュータ16で処理し吸収係数を算出する。このとき、ファンクション・ジェネレータ7にて直流電流に小振幅の変調を重層した電流を発振素子1に供給し発振強度のオンオフを繰り返し、ロックイン・アンプ8にて変調周波数成分だけの振幅および位相を高感度で抽出し、その振幅に相当する直流信号としてコンピュータ16に出力して透過光強度を得る。セル12の厚さを連続的に変えながら透過強度の厚さに対する依存性を測定することで、パラメーターフリー、高い確度、高いS/N比で吸収係数を算出する。発振素子1に供給する電圧および電流を変えることで、必要な周波数の細かさで周波数を変える。このようにスペクトル線幅で決まる高い周波数分解能で吸収スペクトルを計算にて求めることで、物質を同定することができる。
コンピュータ16は、THz波の透過性を利用して求めた透過強度に基づいて、試料をディスプレイ上に画像化および視覚化する。THz波は、プラスチック、セラミックス、紙、ゴム、ビニル、木材、繊維、半導体、乾燥食品、氷、粉体、薬剤、骨、脂肪などを透過する。
こうして、楔状のセル12により、試料9の厚さを連続的に変えながら透過光の強度を測定することで、多点測定による精度の向上と、セルによる吸収、各界面での反射による不正確性を排除したパラメーターフリーかつ高い確度での吸収係数測定ができる。
図7はテラヘルツ帯域光分析システムの構成を示しているが、発振素子1の交換することで、任意の波長帯域の光を用いて試料の分析を行う光分析システムを構成可能である。
以下では、上述したテラヘルツ帯域光分析システムによる具体的な測定結果の例について説明する。
図9は、0.62THzの光を照射して封筒中の物質を同定するもので、図9(a)は封筒24中のカミソリ刃25とそのTHz透過像26、図9(b)は封筒27中の硬貨28とそのTHz透過像29をそれぞれ示している。この揚合における本分析システムの性能は、1つの透過像で約15分、スキャン速度が30mm/s、空間分解能が1mm程度である。また、封筒の紙の透過率は1枚に対しで79%の透過率で、等厚干渉模様が観測されたが、これはTHz波の単色性を反映しているものである。
図10(a)は、0.583THzの光を照射してセル12内の純水9の吸収係数を測定した例を示すもので、図10(b)は、セル12を:水平方向に移動させて、セル12の厚さを連続的に変えながら光透過強度の試料(純水9)の厚さに対する依存性を測定した結果を示す。この結果、0.583THzの光を照射した揚合の純水9の吸収係数αは186cm−1(毎センチメートル)で、透過光の正規化強度の対数は試料(純水9)の厚さtに比例する(透過光の正規化強度∝exp(−at))ことが明確に示されている。このことから、本発明によるテラヘルツ帯域光分析システムによれば、水溶液中の物質の同定、分析、比較を高精度で行なえることが分かる。
上記したように、物質にテラヘルツ帯域光を照射すると、THz波と物質とが相互作用を起こし、物質固有の透過率に基づくテラヘルツ帯の吸収スペクトルを示すことで、この物質を同定することができる。この場合の相互作用とは、物質がその組成に応じて発生する(1)物質内の原子分子の大振幅振動、(2)水素結合した物質などでの分子間振動、(3)糖類などの有機化合物の基準振動、(4)高分子化合物の振動と分子間振動のことである。
以上詳しく説明したように、図1に示すような厚さが連続的に変化する試料セルに、間隔を隔てて複数の試料を収納し、これら複数の試料セルに光を照射して、一方向に沿って光を走査させることにより、各試料ごとに、透過光強度を求めることができる。また、一方向に沿って隣接配置された2つの試料の間で光を走査させることにより、これら2つの試料の間を透過した光が干渉縞を生成する。したがって、この干渉縞から2つの試料の厚さの差を正確に検出でき、これらの結果から、試料セルの容器での吸収や試料界面での反射の影響を受けることなく、吸収係数を求めることができる。
また、図3に示すように、厚さが均一で、互いに厚さの異なる第1試料セルと第2試料セルのそれぞれに、厚さが異なり同じ材質の試料をそれぞれ収納して、各試料セルについて試料がある場所に光を照射して透過光強度スペクトルを測定するとともに、試料がない場所に光を照射して光の波長を変えて干渉縞を生成し、この干渉縞から各試料の厚さを求めて、これらの結果から吸収係数スペクトルを検出できる。
さらに、本実施形態に係るテラヘルツ帯域光による試料の透過像取得方法及び装置は、固有ジョセフソン接合発振素子からの単色連続テラヘルツ帯域光の干渉現象を利用して、物理化学的な分光測定器、種々の分子、高分子、タンパク質などの同定、精緻なイメージング分野の計測技術を実現したのである。特に測定対象の試料が光吸収係数の高い揚合や水溶液の揚合にも、試料を乾燥させたり凍らせることなく、試料中のイオン、高分子、生体分子等の吸収分光測定を実現したのである。
本発明は、物理化学的な分光測定器、種々の分子、高分子、タンパク質などの同定、医療及び診断装置、食品検査等に幅広く利用される広範な応用分野において産業上の利用可能性を有する。
1 多重積層型固有ジョセブソン接合型発振素子、8 画像データ取得装置(ロックイン・アンプ)、10 軸外し放物面鏡(集光光学系)、12 楔形液体用試料セル、12a、12b THz帯域透過板、13 検出器(InSbホットエレクトロン検出器)、15 自動ステーション、16 データ処理装置(コンピュータ)

Claims (12)

  1. 一方向に厚さが連続的に変化する試料セル内に、試料を収納するステップと、
    所定波長の光を集光させて前記試料セルに照射して、該光を前記試料の厚さの異なる少なくとも2箇所の測定箇所に照射するステップと、
    前記少なくとも2箇所の測定箇所を透過する光の透過光強度を測定するステップと、
    前記試料セルの所定区間を、前記所定波長と同じ又は異なる波長の光を前記一方向に沿って走査させて、前記所定区間を透過した光の干渉縞を生成させ、この干渉縞に基づいて前記測定箇所同士の厚さの差を検出するステップと、
    前記測定箇所での前記透過光強度と、前記検出された前記測定箇所の厚さの差とに基づいて、吸収係数を検出するステップと、を備えることを特徴とする試料透過光検出方法。
  2. 前記試料セル内には、前記一方向に沿って離隔して複数の試料が収納され、
    集光された光は、前記複数の試料のそれぞれの前記一方向に沿って走査される厚さの異なる少なくとも2箇所の測定箇所に照射され、
    前記複数の試料セルのうち、前記一方向に沿って隣接配置された2つの試料の間で、前記所定波長と同じ又は異なる波長の光を前記一方向に沿って走査させて、前記2つの試料の間を透過した光の干渉縞を生成され、この干渉縞に基づいて前記2つの試料同士の厚さの差を検出し、
    前記2つの試料の互いに向き合う2つの端部での前記透過光強度と、前記検出された前記測定箇所の厚さの差とに基づいて、吸収係数を検出することを特徴とする請求項1に記載の試料透過光検出方法。
  3. 前記光の波長を可変させて、前記透過光強度を繰り返し検出した結果と、前記検出された前記厚さの差とに基づいて、吸収係数スペクトルを検出するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の試料透過光検出方法。
  4. 前記試料セルは、前記一方向に沿って厚さが連続的に変化する楔形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の試料透過光検出方法。
  5. 第1厚さの第1試料セルと、前記第1厚さとは異なる第2厚さの第2試料セルとのそれぞれに、厚さが異なり同一の材質からなる第1試料および第2試料をそれぞれ収納するステップと、
    前記第1試料および前記第2試料に光を照射して、該光の波長を可変させて前記第1試料および前記第2試料の透過光強度スペクトルを測定するステップと、
    前記第1試料セル内の前記第1試料が置かれていない場所と前記第2試料セル内の前記第2試料が置かれていない場所とに光を照射して、該光の波長を可変させて干渉縞を発生させ、該干渉縞から前記第1試料および前記第2試料の厚さを検出するステップと、
    前記第1試料および前記第2試料の透過光強度スペクトルと、前記第1試料および前記第2試料の厚さとに基づいて、吸収係数スペクトルを検出するステップと、を備えることを特徴とする試料透過光検出方法。
  6. 前記試料は液体であり、
    前記試料セルを構成する第1透明板の上に試料を滴下して、その上に第2透明板を載置して、前記光が前記試料セルを透過するように、前記第1透明板と前記第2透明板との間の厚さを調整することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の試料透過光検出方法。
  7. 前記光の波長は、紫外線またはそれ以下の波長を持つ光であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の試料透過光検出方法。
  8. 前記光は、多重積層型固有ジョセフソン接合型発振素子により発生されたテラヘルツ帯域の単色連続光であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の試料透過光検出方法。
  9. 前記多重積層型固有ジョセフソン接合型発振素子は、超伝導体BSCCO単結晶体をメサ加工したものであることを特徴とする請求項8に記載の試料透過光検出方法。
  10. 前記単結晶体をメサ空洞共振させることにより、0.3乃至1.0テラヘルツ帯域の単色連続光を発光させ、前記超伝導体BSCCO単結晶体に印可する電圧を制御することで、当該テラヘルツ帯域単色連続光の周波数を±20%以内の範囲でチューニングすることを特徴とする請求項9に記載の試料透過光検出方法。
  11. 一方向に厚さが連続的に変化する試料セル内に、試料を収納した状態で、該試料セルに所定波長の光を集光して照射する光照射部と、
    前記試料セルに照射された光を前記複数の試料の厚さの異なる少なくとも2箇所の測定箇所に照射させて、前記少なくとも2箇所の測定箇所を透過する光の透過光強度を測定する光検出器と、
    前記複数の試料セルの所定区間を、前記所定波長と同じ又は異なる波長の光を前記一方向に沿って走査させる走査部材と、
    前記走査部材の走査により、前記所定区間を透過した光の干渉縞を生成させ、この干渉縞に基づいて前記測定箇所同士の厚さの差を検出する試料厚さ差検出部と、
    前記測定箇所での前記透過光強度と、前記検出された前記測定箇所の厚さの差とに基づいて、吸収係数を検出する吸収係数検出部と、を備えることを特徴とする試料透過光検出装置。
  12. 第1厚さの第1試料セルと、前記第1厚さとは異なる第2厚さの第2試料セルとのそれぞれに、厚さが異なり同一の材質からなる第1試料および第2試料をそれぞれ収納した状態で、前記第1試料および前記第2試料に光を照射する光照射部と、
    前記第1試料および前記第2試料に照射する光の波長を可変させて前記第1試料および前記第2試料の透過光強度スペクトルを測定する透過光強度スペクトル測定部と、
    前記第1試料セル内の前記第1試料が置かれていない場所と前記第2試料セル内の前記第2試料が置かれていない場所とに光を照射して、該光の波長を可変させて干渉縞を発生させ、該干渉縞から前記第1試料および前記第2試料の厚さを検出する試料厚さ検出部と、
    前記第1試料および前記第2試料の透過光強度スペクトルと、前記第1試料および前記第2試料の厚さとに基づいて、吸収係数スペクトルを検出する吸収係数スペクトル検出部と、を備えることを特徴とする試料透過光検出装置。
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