JP2013190209A - 多点レーザ距離算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の光源により複数の目標物までの距離を算出できる多点レーザ距離算出装置を提供する。
【解決手段】レーザ光を出射する光源部11、レーザ光を3個の分割出射光に分割するビームスプリッタ12、13、分割出射光の通過・遮蔽を切り替える開閉手段21〜23、開閉手段21〜23のうち、いずれかが分割出射光を通過させ、他が分割出射光を遮蔽するように制御する制御部25、分割出射光の反射光を受光する受光部14、制御部25によって通過するように制御された分割出射光と、分割出射光の反射光とを用いた目標物までの距離の算出を、各目標物について行う算出部26を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて複数の目標物までの距離を算出する多点レーザ距離算出装置に関する。
従来、レーザ距離計により、反射手段までの距離を測定することが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−156330号公報
そのような従来のレーザ距離計により、複数の目標物までの距離を測定する場合には、複数のレーザ距離計を用いることになる。その結果、コストが高くなり、またレーザ距離計の設置やメンテナンスも、そのレーザ距離計の個数だけ煩雑になるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成で複数の目標物までの距離を算出することができる多点レーザ距離算出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による多点レーザ距離算出装置は、レーザ光を出射する単一の光源部と、レーザ光をN個の異なる方向の分割出射光(Nは2以上の整数)に分割する1以上のビームスプリッタと、N個の分割出射光の通過・遮蔽をそれぞれ切り替えるN個の開閉手段と、N個の開閉手段のうち、いずれか1個の開閉手段のみが分割出射光を通過させ、他の開閉手段が分割出射光を遮蔽するように制御する制御部と、N個の分割出射光のそれぞれの反射光を受光する受光部と、制御部によって通過するように制御された分割出射光と、分割出射光の反射光とを用いた目標物までの距離の算出を、N個の分割出射光をそれぞれ反射するN個の目標物のそれぞれについて行う算出部と、を備えたものである。
このような構成により、単一の光源部から出射されたレーザ光を用いて、複数の目標物までの距離を算出することができる。その結果、複数の目標物までの距離を算出する際のコストを低減させることができ、装置の設置やメンテナンスを容易にすることができる。
また、本発明による多点レーザ距離算出装置では、Nは2以上であり、分割出射光の方向を変更できる少なくともN−1個の出射方向変更手段をさらに備えてもよい。
このような構成により、1個の分割出射光の方向については、多点レーザ距離算出装置そのものの方向を変更することにより調整し、他のN−1個の分割出射光の方向については、出射方向変更手段を用いることによって調整することができる。
また、本発明による多点レーザ距離算出装置では、算出部は、1回の測定において、1個の目標物までの距離を算出し、当該距離に変化がある場合には、他の目標物に対する分割出射光の出射によって当該他の目標物までの距離も算出し、当該距離に変化がない場合には、他の目標物に対する分割出射光の不出射によって当該他の目標物までの距離を算出しなくてもよい。
このような構成により、1個の目標物までの距離に変化がない場合には、他の目標物までの距離を測定しないことになり、それに応じて電力の消費を低減させることができる。一方、例えば、複数の目標物が同じ構造物や同じ山肌等に存在する場合には、いずれかの目標物の移動に応じて、他の目標物も多少は動くことになると考えられる。したがって、1個の目標物に距離の変化があったときには、他の目標物についても距離を測定することによって、必要な場合には、より正確な状況を的確に把握することができるようになりうる。
本発明による多点レーザ距離算出装置によれば、複数の目標物までの距離を、単一の光源部から出射されたレーザ光を用いて算出することができる。
本発明の実施の形態1による多点レーザ距離算出装置の構成を示す図 同実施の形態における出射方向変更手段について説明するための図 同実施の形態による多点レーザ距離算出装置の動作を示すフローチャート 同実施の形態による多点レーザ距離算出装置の利用の一例を示す図 同実施の形態における分割出射光の方向の変更について説明するための図 同実施の形態における分割出射光の方向の変更について説明するための図
以下、本発明による多点レーザ距離算出装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による多点レーザ距離算出装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による多点レーザ距離算出装置は、3個の分割出射光を出射するものである。
図1は、本実施の形態による多点レーザ距離算出装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による多点レーザ距離算出装置1は、単一の光源部11と、ビームスプリッタ12、13と、受光部14と、開閉手段21、22、23と、制御部25と、算出部26と、蓄積部27と、変位検出部28と、変位出力部29と、出射方向変更手段31、32とを備える。
光源部11は、レーザ光を出射する。光源部11は、例えば、レーザダイオードによってレーザ光を生成し、出射してもよい。そのレーザ光の波長は問わない。そのレーザ光は、例えば、650nm程度の波長の赤色レーザ光であってもよく、あるいは、その他の波長のレーザ光であってもよい。光源部11から出射されるレーザ光の直径は、約3mm程度であってもよく、あるいは、その他の直径であってもよい。
ビームスプリッタ12、13は、光源部11からのレーザ光をN個の異なる方向の分割出射光(Nは2以上の整数)に分割する。なお、本実施の形態では、N=3である場合、すなわち、ビームスプリッタ12、13が、レーザ光を3個の分割出射光に分割する場合について説明する。ビームスプリッタ12、13は、レーザ光を異なる方向の出射光に分割できるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、ビームスプリッタ12、13は、一部を透過し、残りを反射する一部透過ミラーであってもよく、一部を透過し、残りを反射するプリズムであってもよく、その他の光学機器であってもよい。なお、一部透過ミラーのうち、透過光と反射光との強度がほぼ同じものは、ハーフミラーと呼ばれる。また、ビームスプリッタ12、13のそれぞれの透過率や反射率は、分割後のN個の分割出射光の強度がほぼ同じになるように設定されることが好適である。例えば、図1の多点レーザ距離算出装置1の場合には、ビームスプリッタ12が、2/3を透過し、1/3を反射するものであり、ビームスプリッタ13が、1/2を透過し、1/2を反射するハーフミラーであることが好適である。そのようにすることで、各分割出射光の強度は、光源部11を出射したレーザ光の1/3ずつとなる。なお、分割出射光は、拡散光ではないレーザ光であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。例えば、遠くの目標物までの距離を測定することを想定しておらず、近くの目標物までの距離を測定することを想定している場合には、分割出射光は、拡散光ではないレーザ光であってもよい。
受光部14は、3個の分割出射光がそれぞれ3個の目標物M1〜M3で反射された3個の反射光を受光する。図1では、多点レーザ距離算出装置1から出射された分割出射光は、それぞれ3個の目標物M1〜M3で反射され、ビームスプリッタ12、13で反射されたり、ビームスプリッタ12、13を透過したりし、ハーフミラー17で反射されて受光部14に入射されることになる。この受光部14は、光を検出できるものであればよく、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタ等であってもよい。
ここで、目標物M1〜M3は、分割出射光が反射されるものであれば、どのようなものであってもよい。すなわち、分割出射光を吸収するものでない限り、どのようなものであってもよい。その目標物M1〜M3は、例えば、反射手段であってもよい。その反射手段は、入射角度にかかわらず入射光と反射光とが同じ方向となる再帰反射板であってもよく、あるいは、再帰反射板でない反射板(例えば、ミラー等)であってもよい。目標物M1〜M3が再帰反射板である場合には、例えば、コーナーキューブ・ミラーやコーナーキューブ・プリズムを用いたものであってもよく、微細なガラスビーズを用いたものであってもよい。また、反射手段である目標物M1〜M3の反射面は、平面であってもよく、曲面であってもよい。また、目標物M1〜M3の形状は問わない。例えば、円形であってもよく、矩形であってもよく、三角形であってもよく、あるいは、その他の形状であってもよい。また、目標物M1〜M3の大きさも問わない。例えば、20×20cm程度であってもよく、それよりも大きくてもよく、あるいは、それよりも小さくてもよい。また、目標物M1〜M3は、分割出射光を反射させるために配置されたものであってもよく、あるいは、あらかじめ存在するもの(例えば、構造物等の一部など)を目標物M1〜M3として用いてもよい。また、目標物M1〜M3には、例えば、雨を防ぐための防雨用カバー等が設けられてもよい。なお、目標物M1〜M3が再帰反射板である場合には、出射光と反射光とがほぼ同じ光路を通ることになる。
なお、光源部11を出射したレーザ光の一部は、ハーフミラー15で反射され、発光検出受光部16で受光される。この発光検出受光部16でのレーザ光の受光は、後述する目標物M1〜M3までの距離の算出時に用いられることになる。
開閉手段21〜23は、3個の分割出射光の通過・遮蔽をそれぞれ切り替える。開閉手段21〜23は、分割出射光を通過させたり、遮断したりすることができるものであれば、どのようなものであってもよい。開閉手段21〜23は、例えば、液晶を透明にしたり、不透明にしたりすることで分割出射光の通過・遮断を切り替える液晶シャッターであってもよく、機械的に開閉を切り替えるメカニカルシャッターであってもよく、あるいは、その他の形式のシャッターであってもよい。本実施の形態では、開閉手段21〜23が、液晶シャッターである場合について主に説明する。
制御部25は、3個の開閉手段21〜23のうち、いずれか1個の開閉手段のみが分割出射光を通過させ、他の開閉手段が分割出射光を遮蔽するように制御する。この制御を行うことによって、単一の分割出射光のみが多点レーザ距離算出装置1から出射されることになる。そして、その単一の分割出射光を用いた目標物までの距離を算出することができる。なお、制御部25によって、多点レーザ距離算出装置1から出射される分割出射光を順次、切り替えることにより、すべての目標物M1〜M3までの距離を算出することができる。具体的には、次のようにしてもよい。まず、目標物M1に対して分割出射光が出射されるように開閉手段21を開放し、開閉手段22、23を閉鎖する。次に、目標物M2に対して分割出射光が出射されるように開閉手段22を開放し、開閉手段21、23を閉鎖する。最後に、目標物M3に対して分割出射光が出射されるように開閉手段23を開放し、開閉手段21、22を閉鎖する。このようにして、目標物M1〜M3までの距離が順次、測定されることになる。なお、距離の測定については後述する。
算出部26は、制御部25によって通過するように制御された分割出射光と、分割出射光の反射光とを用いた目標物までの距離の算出を行う。その距離は、分割出射光が反射した目標物までの距離である。また、算出部26は、その距離の算出を、3個の分割出射光をそれぞれ反射する3個の目標物M1〜M3のそれぞれについて行う。算出部26は、レーザ光が光源部11を出射してから、受光部14で受光されるまでの時間Δtを測定する。そして、そのΔtを用いて、光源部11から目標物までの距離Lを、L=(c×Δt)/2と算出することができる。ここで、cは、大気中の光速である。また、この距離Lのことを基線長と呼ぶこともある。また、基線長でなく、別の位置からの距離を測定したい場合には、基線長の距離Lに対して、適宜、補正量を加算または減算してもよい。すなわち、測定する距離の基点となる位置にはある程度の任意性がある。例えば、目標物が構造物の一部または構造物に配置された反射手段である場合には、基線長は、通常、2m程度から30m程度までである。また、例えば、目標物が山崩れを検出するために山に配置された反射手段等である場合には、基線長は、30m以上であってもよい。また、算出部26は、その時間Δtを、例えば、レーザ光の位相を用いて算出してもよく、レーザ光の出射タイミングから受光タイミングまでの時間を測定することによって算出してもよく、あるいは、その他の方法によって算出してもよい。レーザ光の出射タイミングから受光タイミングまでの時間を測定する場合には、ハーフミラー15で反射されたレーザ光の発光検出受光部16における受光タイミングを用いてもよい。具体的には、光源部11からレーザ光を出射すると、そのレーザ光が、発光検出受光部16で検出されると共に、そのレーザ光に応じた分割出射光の反射光が受光部14で検出される。したがって、両検出の時間差を用いることによって、時間Δtを測定することができる。なお、算出部26は、発光検出受光部16が出射光を受光したタイミングを用いて時間Δtを測定してもよく、あるいは、そのタイミングを、レーザ光が光源部11から発光検出受光部16に到達するまでの時間に応じて補正したタイミングを用いて時間Δtを測定してもよい。発光検出受光部16を用いた時間Δtの測定は、すでに公知であり、その詳細な説明を省略する。また、算出部26が、目標物までの距離の算出で発光検出受光部16での受光タイミングを用いない場合には、多点レーザ距離算出装置1は、ハーフミラー15と、発光検出受光部16とを備えていなくてもよい。この算出部26による距離の算出方法については、例えば、前述の特許文献1や、次の文献等を参照されたい。
文献:納谷宏、溝上雅宏、浅利晋一郎、増成友宏、清水則一、前田寛之、「拡散レーザ変位計の開発とその実用性の検証」、日本地すべり学会誌、Vol.44、No.6、p339−348、2008年
また、算出部26は、例えば、常時、距離を測定するものであってもよく、または、定期的(例えば、1分ごと、5分ごと、10分ごとや、1時間ごと、6時間ごと、12時間ごと、24時間ごとなど)に、もしくは、不定期(例えば、何らかのイベントの発生の検知に応じたタイミングなど)に距離を測定するものであってもよい。定期的に距離を測定する場合には、算出部26は、例えば、図示しない時計部や計時部を用いて、測定を行うタイミングであるかどうかを判断してもよい。また、1回の測定におけるレーザ光の出射時間は、例えば、4秒以下であってもよく、1秒以下であってもよい。また、算出部26は、ある目標物までの距離の算出において、複数回、距離を算出し、それを平均したものを最終的な距離としてもよい。このようにすることで、距離の誤差を低減させることができうる。また、算出部26は、光源部11を駆動してレーザ光を出射させる制御手段や、受光部14からの受光に応じた出力信号に対して、増幅や波形整形、ピークホールドなどを行う信号処理手段、クロック等を用いて時間を計測する計時手段等を備えていてもよい。
蓄積部27は、算出部26が算出した3個の距離を図示しない記録媒体にそれぞれ蓄積する。その蓄積の際に、どの目標物までの距離であるのかが分かるように蓄積することが好適である。その記録媒体は、蓄積部27が有していてもよく、あるいは、蓄積部27の外部に存在してもよい。また、その記録媒体は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。また、その記録媒体での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。
変位検出部28は、蓄積部27が蓄積した3個の距離、すなわち、目標物M1〜M3までのそれぞれの距離を用いて、3個の目標物M1〜M3までのそれぞれの距離の変化を検出する。その検出は、例えば、目標物ごとに、前回に算出された距離と、今回に算出された距離との差があらかじめ決められているしきい値を超えたことの検出であってもよく、以前に算出された距離の平均と、今回に算出された距離との差があらかじめ決められているしきい値を超えたことの検出であってもよく、あるいは、基準として算出された距離と、今回に算出された距離との差があらかじめ決められているしきい値を超えたことの検出であってもよい。その基準として算出された距離は、1回目に算出された距離であってもよい。
変位出力部29は、変位検出部28が検出した変位に関する出力を行う。その出力は、例えば、変位量の出力であってもよく、変位が検出された旨の出力や、変位が検出された警告の出力であってもよく、あるいは、その他の変位に関する出力であってもよい。また、変位出力部29は、変位が検出された場合にのみ、変位に関する出力を行ってもよく、あるいは、変位が検出されなかった場合にも、変位に関する出力、すなわち、変位が検出されなかった旨の出力を行ってもよい。後者の場合には、変位が検出されなかったとしても、多点レーザ距離算出装置1が動作している旨を、その出力によって知らせることができる。また、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、警告灯の点灯でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、サイレンによる警告音の出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。なお、変位出力部29は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタ、通信デバイスなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、変位出力部29は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。本実施の形態では、変位出力部29が、変位が検出された旨と、変位量とを送信する場合について説明する。
出射方向変更手段31、32は、分割出射光の方向を変更できるものである。出射方向変更手段31が、目標物M1に対して出射される分割出射光の方向を変更できるものであり、出射方向変更手段32が、目標物M2に対して出射される分割出射光の方向を変更できるものである。
図2は、その出射方向変更手段31の詳細な構成について示す図である。出射方向変更手段32も、図2で示される出射方向変更手段31と同様の構成を有しているものとする。出射方向変更手段31は、多点レーザ距離算出装置1の筐体10に対して、軸A1と、軸A2とを中心として回動可能に設けられている。出射方向変更手段31の支持板20は、ビームスプリッタ12と、開閉手段21とを支持している。また、その支持板20の図中手前側は、筐体10に設けられた2個の雌ネジにそれぞれ螺合する2個の雄ネジ41、42により、高さが調整可能になっている。すなわち、その雄ネジ41、42を回転させることにより、支持板20が、軸A1を中心として両矢印B1の方向に傾くことになる。また、その支持板20の図中手前側には、凹部43が設けられており、筐体10に回転可能に設けられた偏心部材44の突出部44aが、その凹部43に係合している。その偏心部材44は、筐体10に対して回転可能に設けられており、その回転軸とは異なる偏心した位置に突出部44aが設けられている。したがって、その偏心部材44を回転させると、突出部44aの位置が変化することになり、その変化に応じて、支持板20が、軸A2を中心として両矢印B2の方向に回動することになる。したがって、雄ネジ41,42と、偏心部材44とを用いることによって、分割出射光の方向を調整することができる。なお、出射方向変更手段31,32は、分割出射光の方向を任意に調整できるのであれば、図2の構成に限定されないことは言うまでもない。例えば、出射方向変更手段31,32はそれぞれ、入射してくるレーザ光の光軸方向を回転軸(図2の軸A1)としてビームスプリッタを回動させることができ、その入射してくるレーザ光の光軸方向と、出射する分割出射光の光軸方向とを含む面の法線方向を回転軸(図2の軸A1)としてビームスプリッタを回動させることができるようになっていてもよい。
なお、多点レーザ距離算出装置1の各構成要素は、例えば、防塵防水仕様であり、温度変化にも強い筐体10の内部に設けられてもよい。分割出射光の出射箇所は、防塵ガラスD1〜D3によって、それぞれ防塵防水になっている。そのような多点レーザ距離算出装置1であれば、野外における長期間にわたる距離の測定に使用することができうる。また、その筐体10は、例えば、防振加工がなされていてもよい。
また、多点レーザ距離算出装置1は、地滑りや山崩れ等に応じた目標物M1〜M3までの距離を算出するものであるため、通常、電源の供給のない僻地において、バッテリー駆動することになる。したがって、各構成は、消費電力が少ない省電力のものであることが好適である。例えば、液晶シャッターの方がメカニカルシャッターよりも消費電力が少ない場合には、開閉手段21〜23は、液晶シャッターとすることが好適である。
次に、多点レーザ距離算出装置1の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)制御部25は、距離を算出するタイミングであるかどうか判断する。そして、距離を算出するタイミングである場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、距離を算出するタイミングとなるまでステップS101の処理を繰り返す。なお、制御部25は、前述のように、例えば、定期的に距離を算出するタイミングであると判断してもよく、あるいは、その他のイベントの発生等に応じて、距離を算出するタイミングであると判断してもよい。
(ステップS102)制御部25は、カウンタiを1に設定する。
(ステップS103)制御部25は、i番目の開閉手段のみが開放となり、それ以外の開閉手段が分割出射光を遮蔽するように、各開閉手段21〜23を制御する。
(ステップS104)算出部26は、パルス状のレーザ光を出射するように、光源部11を制御する。その結果、光源部11からレーザ光が出射される。そして、そのレーザ光は、ビームスプリッタ12、13によって3個の分割出射光に分割される。ただし、開放であるのはi番目の開閉手段のみであるため、そのi番目の開閉手段からのみ分割出射光が出射される。そして、その分割出射光の照射された目標物で反射された反射光が、i番目の開閉手段と、ビームスプリッタと、ハーフミラー17とを介して、受光部14で受光される。
(ステップS105)算出部26は、レーザ光に関する時間Δtを測定し、それを用いて目標物までの距離Lを算出する。
(ステップS106)算出部26は、距離の算出を繰り返すかどうか判断する。そして、繰り返す場合には、ステップS104に戻り、そうでない場合には、それまでに算出した距離の平均を算出してステップS107に進む。なお、算出部26は、例えば、あらかじめ決められた回数(例えば、4回や5回であってもよい)だけ距離の算出が行われた場合には、繰り返さないと判断し、距離の算出の回数がその決められた回数に満たない場合には、繰り返すと判断してもよい。
(ステップS107)蓄積部27は、算出部26が算出した距離を図示しない記録媒体に蓄積する。なお、この蓄積対象の距離は、繰り返し算出された距離の平均である。
(ステップS108)制御部25は、カウンタiがNであるかどうか判断する。なお、Nは、分割出射光の個数であり、本実施の形態では、前述のようにN=3である。そして、カウンタiがNである場合には、ステップS110に進み、そうでない場合、すなわち、まだN未満である場合には、ステップS109に進む。
(ステップS109)制御部25は、カウンタiを1だけインクリメントする。そして、ステップS103に戻る。
(ステップS110)変位検出部28は、目標物M1〜M3までの各距離について、最新に蓄積された距離と、それまでに蓄積された距離とを用いて、距離に変化があるかどうか判断する。そして、いずれかの目標物までの距離に変化がある場合には、ステップS111に進み、そうでない場合、すなわち、いずれの目標物までの距離にも変化がない場合には、ステップS101に戻る。なお、1回目に距離を算出した際には、比較対象の距離が存在せず、距離の変化の有無を判断できないため、ステップS101に戻ってもよい。
(ステップS111)変位出力部29は、変位検出部28が検出した変位に関する出力を行う。そして、ステップS101に戻る。
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、図3のフローチャートにおいて、距離の測定を繰り返さない場合には、ステップS105からステップS107に進んでもよい。また、距離の変化の有無にかかわらず、変位に関する出力を行う場合には、ステップS108においてYesと判断された際に、ステップS111に進んでもよい。
次に、本実施の形態による多点レーザ距離算出装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、図4で示されるように、山の複数の地点に関する変位の量を多点レーザ距離算出装置1で検出する場合について説明する。このようにすることで、山の複数の地点に関する山崩れを検知することができる。図4において、反射手段としての目標物M1〜M3は、山の複数の位置にそれぞれ設けられているものとする。ここで、多点レーザ距離算出装置1を設置する方法について簡単に説明する。本実施の形態による多点レーザ距離算出装置1は、図5Aで示されるように、目標物M1,M2への分割出射光については、仰角方向φ,φ(図2中のB1方向)と、方位角方向θ,θ(図2中のB2方向)とに、それぞれ出射方向変更手段31,32によって出射方向を変更できるため、まず、目標物M3への分割出射光が適切に目標物M3に到達するように多点レーザ距離算出装置1を設置する。なお、他の目標物M1,M2についても、分割出射光の方向が概ね合うようにしておくことが好適である。その後、出射方向変更手段31,32を操作することにより、目標物M1,M2にそれぞれ分割出射光が到達するように調整する。そのようにして、各目標物M1〜M3にそれぞれ分割出射光が照射されるようになる。ここで、各分割出射光は、仰角方向や方位角方向が基準位置である場合に、略同一平面に含まれるものとしており、方位角は、その平面内における基準となる方向に対する角度であり、仰角は、その平面を基準とした上下方向の角度である。また、山崩れなどにより、目標物M1〜M3のいずれかが移動した場合には、その移動に応じて多点レーザ距離算出装置1と目標物M1〜M3までの距離のうち、少なくともいずれかが変化することになる。したがって、その変化を多点レーザ距離算出装置1で検出することができ、その検出に応じて、山崩れに関する警報を出したり、警告を行ったりすることができる。また、この具体例において、変位出力部29は、変位に関する情報を、あらかじめ決められたサーバに送信するものとする。また、この具体例において、1時間ごと(正時ごと)に距離の測定が行われ、目標物ごとに1回の測定で4回の距離の算出が行われ、それらが平均されるものとする。
ある日の午前1時になったとする。すると、制御部25は、測定を開始すると判断し(ステップS101)、まず、開閉手段21のみが開放となり、開閉手段22,23が閉鎖されるように各開閉手段21〜23を制御する(ステップS102,S103)。そして、制御部25は、算出部26に、1番目の目標物M1までの距離を測定するように指示する。すると、その指示に応じて、算出部26は、光源部11を制御し、レーザ光を出射させる。この具体例において、光源部11は、1mW以下のクラス2レーザ製品であるとする。その出射されたレーザ光は、発光検出受光部16で受光されると共に、ハーフミラー17、ビームスプリッタ12を介して、目標物M1に照射される。また、その目標物M1からの反射光は、同じ経路を介して、受光部14で受光される(ステップS104)。反射光が受光されると、算出部26は、発光検出受光部16が受光した時点から、受光部14が受光した時点までの時間Δt1を算出する。そして、算出部26は、前述の式に時間Δt1を代入し、目標物M1までの距離L11を算出して図示しない記録媒体で一時的に記憶する(ステップS105)。また、算出部26は、あと3回、その距離の算出を繰り返し、距離L12,L13,L14を算出して、図示しない記録媒体に蓄積し、距離L11〜L14の平均である平均距離AL150(=(L11+L12+L13+L14)/4)を算出して蓄積部27に渡す(ステップS104〜S106)。蓄積部27は、その距離AL150を、その時点の日時と、目標物M1の識別子(ここでは、その識別子を「M1」とする。他の目標物についても同様であるとする)とに対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS107)。
その後、制御部25は、開閉手段22のみが開放となり、開閉手段21,23が閉鎖されるように各開閉手段21〜23を制御する(ステップS108,S109,S103)。そして、制御部25は、算出部26に、2番目の目標物M2までの距離を測定するように指示する。すると、その指示に応じて、算出部26は、前述の処理と同様に、光源部11を制御し、また発光検出受光部16の受光時点と、受光部14の受光時点とを用いて、目標物M2までの距離L21を算出し、蓄積する(ステップS104,S105)。また、算出部26は、あと3回、その距離の算出を繰り返し、距離L22〜L24を算出して蓄積し、距離L21〜L24の平均である平均距離AL250(=(L21+L22+L23+L24)/4)を算出して蓄積部27に渡す(ステップS104〜S106)。蓄積部27は、その平均距離AL250を、その時点の日時と、目標物M2の識別子「M2」とに対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS107)。
最後に、制御部25は、開閉手段23のみが開放となり、開閉手段21,22が閉鎖されるように各開閉手段21〜23を制御する(ステップS108,S109,S103)。そして、制御部25は、算出部26に、3番目の目標物M3までの距離を測定するように指示する。算出部26は、その指示に応じて、前述の処理と同様に、目標物M3までの平均距離AL350を算出し、蓄積部27は、その平均距離AL350を、その時点の日時と、目標物M3の識別子「M3」とに対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS104〜S107)。
変位検出部28は、新しい距離AL150、AL250、AL350が蓄積されたことを検知すると、図示しない記録媒体で記憶されている最も古い日時に対応する距離AL101、AL201、AL301と、新しい距離AL150、AL250、AL350とのそれぞれの差の絶対値を算出する。その差の絶対値はそれぞれAD150、AD250、AD350であったとする。そして、変位検出部28は、あらかじめ図示しない記録媒体で記憶されているしきい値Tを読み出し、AD150、AD250、AD350のそれぞれがTを超えているかどうか判断する。この場合には、すべて超えていなかったとする。すると、変位検出部28は、変位がないと判断し、変位に関する出力は行われない(ステップS110)。
なお、新しい距離と、最も古い距離との差AD150、AD250、AD350のうち、距離の差AD150、AD250がしきい値Tを超えていた場合の処理について簡単に説明する。その場合には、変位検出部28は、第1及び第2の目標物までの距離に変化があった旨と、しきい値Tを超えていた距離の差AD150、AD250とを変位出力部29に渡す。そして、変位出力部29は、受け取った情報を、あらかじめ決められた送信先に送信する(ステップS111)。それを受信した図示しないサーバでは、その受信に応じて、適宜、警報を出したり、警告を行ったり、現場を確認しに行ったりすることができる。このようにして、山崩れを検知することができ、例えば、大きな事故の防止等に役立てることなどができる。また、このような場合には、多点レーザ距離算出装置1は、通常、簡単にアクセスできない山の中などに設置されるため、保守点検を頻繁に行うことは難しいが、本実施の形態による多点レーザ距離算出装置1を用いることによって、頻繁に山崩れを確認することができるようになる。
以上のように、本実施の形態による多点レーザ距離算出装置1によれば、1個の光源部11から出射されたレーザ光を用いて、複数の目標物M1〜M3までの距離を算出することができ、またその算出した距離の変化を検出することができる。したがって、複数の目標物M1〜M3までの距離や、その距離の変化の検出を、複数の目標物ごとに光源部を備える場合よりも低コストで実現することができる。また、複数の目標物ごとにレーザ変位計やレーザ距離計を設置する場合よりも、装置の設置やメンテナンスが容易になるというメリットもある。また、出射方向変更手段31,32を備えたことにより、目標物M3に照射されるレーザ光の方向は、多点レーザ距離算出装置1そのものの設置状況を調整することによって調整でき、目標物M1,M2に照射されるレーザ光は、出射方向変更手段31,32をそれぞれ操作することによって調整できる。また、ビームスプリッタ12,13の角度を適宜、調整することにより、光源部11方向の所定の角度を除いて、ほぼ360度の任意の角度に分割出射光を出射することができる。
なお、本実施の形態では、光源部11からのレーザ光を3個の分割出射光に分割する場合について説明したが、そうでなくてもよい。分割出射光の個数は、例えば、2個であってもよく、4個以上であってもよい。すなわち、多点レーザ距離算出装置1は、複数の分割出射光を出射するものであればよい。分割出射光の個数が3個以外である場合には、それに応じた個数のビームスプリッタや開閉手段を備えることが好適である。例えば、分割出射光の個数がN個である場合には、多点レーザ距離算出装置1は、N個の開閉手段を備えるものとする。また、その場合のビームスプリッタの個数は、例えば、N−1個であってもよく、あるいは、その他の個数であってもよい。また、その場合の出射方向変更手段の個数は、例えば、N−1個以上であってもよい。出射方向変更手段の個数がN−1個である場合には、1個の分割出射光の方向については、多点レーザ距離算出装置1の向きによって調整し、残りのN−1個の分割出射光の方向については、そのN−1個の出射方向変更手段を用いて調整してもよい。したがって、多点レーザ距離算出装置1が出射方向変更手段を備える場合には、Nは2以上の整数であってもよい。なお、多点レーザ距離算出装置1の向きによって調整される1個の分割出射光は、光源部11から出射したレーザ光と同じ光軸である分割出射光であってもよい。また、多点レーザ距離算出装置1は、分割出射光の個数と同じ個数の出射方向変更手段を備えてもよい。
また、本実施の形態では、レーザ光をN個の分割出射光に分割する場合に、N−1個の出射方向変更手段を用いてN−1個の分割出射光の方向を変更可能である場合について説明したが、そうでなくてもよい。レーザ光をN個の分割出射光に分割する場合に、N−2個の出射方向変更手段を用いてN−2個の分割出射光の方向を仰角方向及び方位角方向に変更可能にし、1個の出射方向変更手段を用いて他の1個の分割出射光の方向を方位角方向に変更可能にし、1個の回転手段を用いて、出射方向変更手段による方向の変更を行わない1個の分割出射光の光軸を中心として多点レーザ距離算出装置1の方向を変更可能にしてもよい。なお、回転手段によって、方位角方向のみを変更する分割出射光の方向を、仰角方向に変更可能となっていることが好適である。N=3のときには、図5Bで示されるようになる。図5Bにおいて、目標物M2への分割出射光の方向については、出射方向変更手段により、仰角方向(φ)及び方位角方向(θ)に変更することができる。また、目標物M1への分割出射光の方向については、出射方向変更手段により、方位角方向(θ)に変更することができる。また、回転手段51により、目標物M3への分割出射光の光軸を中心として、多点レーザ距離算出装置1の方向(φ)を変更可能になっている。このような場合に、多点レーザ距離算出装置1を設置する方法について簡単に説明する。例えば、まず、目標物M3への分割出射光が適切に目標物M3に到達するように多点レーザ距離算出装置1を設置する。なお、他の目標物M1,M2についても、分割出射光の方向が概ね合うようにしておくことが好適である。その後、目標物M1への分割出射光の方位角方向を出射方向変更手段によって調整し、目標物M1への分割出射光の仰角方向を回転手段によって調整する。最後に、出射方向変更手段によって、目標物M2への分割出射光の方向を調整する。
また、本実施の形態では、各ビームスプリッタ12,13が、レーザ光を2個のレーザ光に分割する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。1個のビームスプリッタがレーザ光を3個以上のレーザ光に分割してもよい。
また、本実施の形態では、1回の測定において、すべての目標物までの距離をそれぞれ算出する場合について説明したが(例えば、図3のフローチャート参照)、そうでなくてもよい。例えば、算出部26は、1回の測定において、1個の目標物までの距離を算出し、その距離に変化がある場合には、他の目標物に対する分割出射光の出射に応じて、他の目標物までの距離も算出し、その距離に変化がない場合には、他の目標物に対する分割出射光の不出射に応じて、他の目標物までの距離を算出しないようにしてもよい。このようにすることで、1個の目標物までの距離に変化がない場合には、他の目標物までの距離を測定しないことになる。そのため、他の目標物に対する分割出射光の出射が行われないことになり、それに応じて光源部11や開閉手段に関する電力の消費を低減させることができる。一方、例えば、目標物が同じ構造物や同じ山肌等に配置されている場合には、いずれかの目標物の移動に応じて、他の目標物も多少は動くことになると考えられる。したがって、1個の目標物に距離の変化があったときに、他の目標物についても距離を測定することによって、必要な場合には、より正確な状況を的確に把握することができるようになりうる。ここで、1個の目標物までの距離に変化があるかどうかは、例えば、算出部26が判断してもよく、あるいは、変位検出部28が判断してもよい。その判断では、例えば、算出された距離と、基準距離との差がしきい値T1より大きい場合に、距離に変化があると判断してもよい。その基準距離は、例えば、同じ目標物について、前回に算出された距離であってもよく、以前に算出された距離の平均であってもよく、あるいは、基準として算出された距離(例えば、1回目に算出された距離)であってもよい。また、そのしきい値T1は、変位検出部28が変位を検出する際に用いるしきい値と同じであってもよく、あるいは、それよりも小さくてもよい。ある目標物までの距離の変位により、他の目標物までの距離に変位が生じたことを検出する目的を考慮すると、そのしきい値T1は、変位検出部28が変位を検出する際に用いるしきい値よりも小さいことが好適である。また、1個の目標物までの距離の算出や、他の目標物までの距離の算出において、前述のように、算出部26は、複数回、距離を算出し、それを平均したものを最終的な距離としてもよい。また、1回の測定において距離を算出する1個の目標物は、毎回の測定において同じであってもよく、あるいは、測定ごとに1個ずつ異なる目標物になるように変更してもよい。後者の場合には、目標物の個数がN個であるとすると、各目標物は、N回の測定において最低1回は距離が算出されることになる。例えば、N=3であるとすると、1回目の測定では、目標物M1までの距離を算出し、2回目の測定では、目標物M2までの距離を算出し、3回目の測定では、目標物M3までの距離を算出し、4回目以降の測定でも、距離を測定する目標物M1〜M3を順番に変更するようにしてもよい。なお、1個の目標物までの距離に変化があるかどうかを算出部26が判断する場合には、例えば、多点レーザ距離算出装置1は、基準距離が記憶される図示しない記憶部や、算出部26が算出した距離が基準距離との比較のために記憶される図示しない記憶部等を備えていてもよい。
また、本実施の形態では、算出部26が繰り返し算出した距離の平均を算出する場合について説明したが、そうでなくてもよい。算出部26は、距離の平均を算出するのではなく、1回算出した距離を目標物までの距離としてもよい。
また、本実施の形態では、多点レーザ距離算出装置1が出射方向変更手段31,32を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。すなわち、分割出射光の方向を変更できなくてもよい。分割出射光の方向を変更できない場合には、例えば、目標物の位置を、分割出射光の方向に合わせて変更するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、多点レーザ距離算出装置1により山崩れを検出する場合について例示したが、それ以外の目的で多点レーザ距離算出装置1を用いてもよいことは言うまでもない。例えば、山間部における複数点の山崩れを検出するために用いてもよく、橋梁や水門、トンネル、煙突等の建造物における複数点のずれを検出するために用いてもよく、あるいは、その他の複数点のずれの検出のために用いてもよい。
また、本実施の形態では、多点レーザ距離算出装置1によって、複数の目標物までのそれぞれの距離の変位を検出する場合について説明したが、そうでなくてもよい。多点レーザ距離算出装置1は、複数の目標物までのそれぞれの距離を算出するものであってもよい。その場合には、多点レーザ距離算出装置1は、蓄積部27、変位検出部28、及び変位出力部29を備えていなくてもよい。また、その場合に、多点レーザ距離算出装置1は、測定された距離を出力する図示しない距離出力部を備えてもよい。その距離出力部は、変位に関する出力に代えて距離を出力する以外、変位出力部29と同様のものであり、その詳細な説明を省略する。なお、その多点レーザ距離算出装置1において算出された複数の目標物までの距離を用いて、例えば、別の装置等において、その複数の目標物までの距離の変位が検出されてもよく、あるいは、その距離そのものが何らかの処理のために用いられてもよい。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、算出したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、多点レーザ距離算出装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上より、本発明による多点レーザ距離算出装置によれば、単一の光源を用いて複数の目標物までの距離を算出できるという効果が得られ、例えば、複数の目標物までの距離を算出する装置として有用である。
1 多点レーザ距離算出装置
11 光源部
12、13 ビームスプリッタ
14 受光部
16 発光検出受光部
20 支持板
21、22、23 開閉手段
25 制御部
26 算出部
27 蓄積部
28 変位検出部
29 変位出力部
31、32 出射方向変更手段
51 回転手段

Claims (3)

  1. レーザ光を出射する単一の光源部と、
    前記レーザ光をN個の異なる方向の分割出射光(Nは2以上の整数)に分割する1以上のビームスプリッタと、
    前記N個の分割出射光の通過・遮蔽をそれぞれ切り替えるN個の開閉手段と、
    前記N個の開閉手段のうち、いずれか1個の開閉手段のみが分割出射光を通過させ、他の開閉手段が分割出射光を遮蔽するように制御する制御部と、
    前記N個の分割出射光のそれぞれの反射光を受光する受光部と、
    前記制御部によって通過するように制御された分割出射光と、当該分割出射光の反射光とを用いた目標物までの距離の算出を、前記N個の分割出射光をそれぞれ反射するN個の目標物のそれぞれについて行う算出部と、を備えた多点レーザ距離算出装置。
  2. 前記Nは2以上であり、
    分割出射光の方向を変更できる少なくともN−1個の出射方向変更手段をさらに備えた、請求項1記載の多点レーザ距離算出装置。
  3. 前記算出部は、1回の測定において、1個の目標物までの距離を算出し、当該距離に変化がある場合には、他の目標物に対する分割出射光の出射によって当該他の目標物までの距離も算出し、当該距離に変化がない場合には、他の目標物に対する分割出射光の不出射によって当該他の目標物までの距離を算出しない、請求項1または請求項2記載の多点レーザ距離算出装置。
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