JP2013189875A - チョーク装置 - Google Patents

チョーク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013189875A
JP2013189875A JP2012054820A JP2012054820A JP2013189875A JP 2013189875 A JP2013189875 A JP 2013189875A JP 2012054820 A JP2012054820 A JP 2012054820A JP 2012054820 A JP2012054820 A JP 2012054820A JP 2013189875 A JP2013189875 A JP 2013189875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
choke valve
choke
centrifugal force
engine
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012054820A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Takei
佑二 武居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2012054820A priority Critical patent/JP2013189875A/ja
Publication of JP2013189875A publication Critical patent/JP2013189875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Means For Warming Up And Starting Carburetors (AREA)

Abstract

【課題】簡単かつ安価な構成によって動作の自動化を図ったチョーク装置を提供する。
【解決手段】エンジンの吸気流路11に設けられるチョークバルブ13を有するチョーク装置であって、エンジンの回転部分30に設けられ運転時に回転するとともに、エンジン回転数の向上に起因する遠心力の増加に応じて第1の位置から第2の位置へ変位する遠心力感応部材40と、チョークバルブと連動しかつ遠心力感応部材が第1の位置で回転した場合に遠心力感応部材から押圧されてチョークバルブを閉状態へ推移させるとともに遠心力感応部材が第2の位置で回転した場合に遠心力感応部材とすれ違う駆動力伝達部材50と、チョークバルブを開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、付勢手段によるチョークバルブの開状態への推移動作に対して抗力を発生し、開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段110,120とを備える構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンに設けられるチョーク装置に関し、特には簡単かつ安価な構成によって自動的にチョークバルブの開閉を行うものに関する。
例えば産業用等の汎用エンジンのように、キャブレタによって燃料供給を行うエンジンにおいては、冷間始動の直後にチョークバルブを絞って混合気を一時的に濃くすること(チョーキング)が必要となる。
このようなチョーキングは、エンジンの始動後、例えば数秒から数十秒程度の所定時間にわたってチョークバルブを閉じることによって行い、その後通常運転時においてはチョークバルブは開かれる。
従来、ユーザの利便性を向上するため、例えばシリンダヘッドやマフラ等に設けられたバイメタルやワックス等の温度感知装置を用いてエンジンの暖機状態を検出し、チョークバルブの開動作を自動的に行うようにすることが提案されている。
また、このようなチョークバルブの自動的な開動作に関する従来技術として、例えば特許文献1には、チョーク操作レバーによって閉弁操作が行われるチョークバルブに、開弁方向へ付勢するチョークばねと、開弁動作を緩徐に制御するオイルダンパとを設けることが記載されている。
特開2003−201915号公報
しかし、上述したような温度感知装置を用いた手法の場合、チョークバルブを全開にするまでに比較的長時間を要し、その間、濃い混合気での運転によって排ガス中の有害成分が増加する場合がある。
また、このような温度感知装置に設けられるバイメタルやワックス等はコストが高価であるうえ、温度感知装置の設置場所の確保が必要となるため設計自由度が損なわれる。
また、温度感知装置によって一度チョークが解除されると、暖気中の再始動などでは始動不良となる場合がある。
一方、特許文献1に記載されたように、オイルダンパを用いた場合、構造が複雑となってやはりコストが高価となる。
また、特許文献1に記載された技術においては、暖気終了時のチョークバルブ開動作は自動的に行われるが、始動時のチョークバルブ閉動作は手動で行う必要がある。
本発明の課題は、簡単かつ安価な構成によって操作の自動化を図ったチョーク装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、エンジンの吸気流路に設けられ、開状態から閉状態へ推移することによって前記吸気流路の流路断面積を減少させるチョークバルブを有するチョーク装置であって、前記エンジンの回転部分に設けられ該エンジンの運転時に回転するとともに、エンジン回転数の向上に起因する遠心力の増加に応じて第1の位置から第2の位置へ変位する遠心力感応部材と、前記チョークバルブと連動しかつ前記遠心力感応部材が前記第1の位置で回転した場合に前記遠心力感応部材から押圧されて前記チョークバルブを前記開状態から前記閉状態へ推移させるとともに前記遠心力感応部材が前記第2の位置で回転した場合に該遠心力感応部材とすれ違う駆動力伝達部材と、前記チョークバルブを前記閉状態から前記開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、前記付勢手段による前記チョークバルブの前記閉状態から前記開状態への推移動作に対して抗力を発生し、前記開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段とを備えることを特徴とするチョーク装置である。
これによれば、エンジン始動直後の低速回転時に、第1の位置にある遠心力感応部材が駆動力伝達部材を押圧することによって、チョークバルブを閉状態まで駆動し、その後チョークバルブ開動作遅延手段及び付勢手段によって緩徐にチョークバルブを開状態へ推移させることによって、エンジン始動時のチョーク操作を自動化することができる。
また、エンジンの暖機終了後、通常運転時においては、エンジン回転数の向上によって遠心力感応部材が第2の位置へ移動することによって、遠心力感応部材が駆動力伝達部材に当たることがなく、エンジンの運転中にはチョークバルブが開状態に維持される。
請求項2に係る発明は、前記エンジンは前記回転部分の回転軸が鉛直方向にほぼ沿って配置される縦軸型エンジンであり、前記遠心力感応部材は、前記駆動力伝達部材との当接部が上下する方向に揺動可能に支持されるとともに、エンジン回転数の低下に応じて前記当接部が自重により降下することを特徴とする請求項1に記載のチョーク装置である。
これによれば、遠心力感応部材の当接部が自重により降下することによって、エンジンの低回転時に当接部を確実に駆動力伝達部材に当てることができ、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項3に係る発明は、前記チョークバルブ開動作遅延手段は、固定部材及び前記チョークバルブと連動して前記固定部材に対して回動する回動部材の一方に設けられた筒状部材と、前記固定部材及び前記回動部材の他方に設けられ、前記筒状部材に挿入されるとともに前記回動部材の回転軸と実質的に同心に配置された軸状部材と、前記筒状部材の内周面から内径側に突き出して形成され突端部が前記軸状部材の外周面と摺動可能に当接し、前記筒状部材の径方向に対して傾斜して配置された摩擦付与部材とを有し、前記チョークバルブが前記開状態から前記閉状態へ推移する際に発生する抗力に対して、前記チョークバルブが前記閉状態から前記開状態へ推移する際に発生する抗力が大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2までに記載のチョーク装置である。
これによれば、簡単な構成によってチョークバルブの回動に対して抗力を与えることができ、チョークバルブの開状態への推移を遅延させチョークバルブを適切に作動させることができる。
また、摩擦付与部材を筒状部材の径方向に対して傾斜して配置したことによって、回動方向に応じて抗力を異ならせることができる。これによって、チョークバルブを閉状態に推移させる際の抗力を開状態に推移させる際の抗力に対して小さくすることができ、比較的弱い動力によってチョークバルブの閉状態への駆動を行うことが可能となる。
請求項4に係る発明は、前記軸状部材は、筒状部材に対する相対回動量に応じて、外周面部が前記摩擦付与部材と当接する箇所の外径が連続的に変化することを特徴とする請求項3に記載のチョーク装置である。
これによれば、軸状部材の外径を連続的に変化させることによって、チョークバルブが閉状態から開状態へ推移する際の速さを行程中で変化させることができ、例えばエンジンの暖機運転初期においては緩徐に作動させ、暖気運転終了時においては急速に作動させること等が可能となる。
請求項5に係る発明は、前記摩擦付与部材は、温度の上昇とともに硬度が低下する材質によって形成されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のチョーク装置である。
これによれば、低温時と高温時とでチョークバルブが閉状態から開状態に推移する時間を異ならせて、雰囲気温度に応じて適切にチョークバルブを作動させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、簡単かつ安価な構成によって動作の自動化を図ったチョーク装置を提供することができる。
本発明を適用したチョーク装置の実施例の構成を示す図であって、エンジン始動前の状態を示す図である。 実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン始動時の状態を示す図である。 実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン運転中の状態を示す図である。 実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン停止時の状態を示す図である。 図1のチョーク装置におけるフリクションカラーの外観斜視図である。 図1のチョーク装置におけるチョークシャフトの外観斜視図である。 図5のフリクションカラーの効果を説明する図である。 図6のチョークシャフトの効果を説明する図である。
本発明は、簡単かつ安価な構成によって動作の自動化を図ったチョーク装置を提供する課題を、エンジン回転時の遠心力により揺動するレバーが低速回転時に他のレバーと当接することによってチョークバルブを閉じるとともに、スプリング等の付勢手段でチョークバルブを開きかつチョークバルブの動作と連動して摺動する部材のフリクションを利用してチョークバルブが全開に戻る時期を遅延させることによって解決した。
以下、本発明を適用したチョーク装置の実施例について説明する。
実施例のチョーク装置は、例えば、産業用等の汎用エンジンのキャブレタに設けられたチョークバルブを自動的に開閉するものである。
実施例においては、エンジンは例えばクランクシャフトが鉛直方向にほぼ沿って配置されたいわゆる縦軸型(V軸型)のものである。
図1は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン始動前の状態を示す図である。
図2は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン始動時の状態を示す図である。
図3は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン運転中の状態を示す図である。
図4は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン停止時の状態を示す図である。
なお、図1(a)乃至図4(a)は、エンジンの上方から見た平面図であり、図1(b)乃至図4(b)は、水平方向から見た図(フライホイルは断面を示す)である。
エンジンは、キャブレタ10、クランクケース20、フライホイル30等を有して構成されている。
キャブレタ10は、図示しないシリンダヘッドの吸気ポートに混合気を供給するものである。
キャブレタ10は、吸気流路を構成するバレル部11内の中間部に、部分的に内径を小さくされた小径部12を有する。
小径部12の上流側、下流側には、それぞれチョークバルブ13及び図示しないスロットルバルブが設けられている。
チョークバルブ13は、バレル部11の直径にほぼ沿って配置された回転軸(チョークシャフト110)回りに回動するバタフライバルブであって、エンジンの冷間始動時等に、新気の流路断面積を絞って混合気を濃くするチョーキングを行なうものである。
スロットルバルブは、バレル部11の直径にほぼ沿って配置された回転軸回りに回動するバタフライバルブであって、エンジンの運転中に吸入空気量を調節して出力調整を行なうものである。
クランクケース20は、図示しないエンジンのクランクシャフト等を収容するエンジンの本体部分である。
フライホイル30は、図示しないクランクシャフトの一方の端部に固定された円盤状の部材である。
ブロワファン31は、フライホイル30の一方の面部から突き出して形成された複数のブレードを有し、フライホイル30の回転時に、その外周縁部から接線方向にほぼ沿って進行する気流(風)を発生するものである。
また、エンジンは、以下説明するチョーク装置を備えている。
チョーク装置は、第1レバー40、第2レバー50、チョークレバー60、リンクロッド70、チョークシャフト110、フリクションカラー120等を有して構成されている。
第1レバー40は、フライホイル30の外周縁部に設けられた基部41回りに揺動可能に支持され、エンジンの始動時に第2レバー50と衝突し、第2レバー50を回動方向に駆動するものである。
第1レバー40は、フライホイル30の外径側に突き出して配置されるとともに、基部41に対してフライホイル30の周方向にほぼ沿った回転軸回りに、揺動可能に支持されている。
基部41は、フライホイル30のブロワファン31のフィン部を挟み込んで取り付けられるように構成すると、既存のフライホイルに容易に後付けできるので好ましい。
第1レバー40は、エンジンの停止時あるいは低速回転時においては回転軸に対して突端部が下側となるように傾斜して配置され、エンジンの回転数向上に応じて、遠心力によって突端部が回転軸と実質的に同じ高さとなるまで回動するようになっている。
第2レバー50は、クランクケース20に対してチョークシャフト110と平行な回転軸回りに回動可能に支持された部材である。
第2レバー50は、第1レバー40から押圧されて回転駆動されるとともに、リンクロッド70を介してチョークレバー60と連動し、チョークバルブ13を閉方向に駆動するものである。
第2レバー50は、軸支部51、被押圧部52、リンクロッド接続部53等を有する。
軸支部51は、第2レバー50の長手方向における中央部に設けられ、第2レバー50を回動可能に支持するものである。
被押圧部52は、第2レバー50の一方の端部に設けられ、第1レバー40に押圧されて第2レバー50を回動させる部分である。
被押圧部52は、第2レバー50がチョークバルブ13の全開状態に対応する位置に存在しかつ第1レバー40の突端部が下垂した状態でフライホイル30が回転した際に、第1レバー40と当接するようになっている。
一方、第2レバー50がチョークバルブ13の全閉状態に対応する位置に存在する場合、あるいは、第1レバー40の突端部が遠心力により上昇した場合には、第1レバー40の突端部とすれ違うようになっている。
リンクロッド接続部53は、第2レバー50の被押圧部52とは反対側の端部に設けられ、リンクロッド70の第2レバー50側の端部が回動可能に接続されるものである。
チョークレバー60は、チョークバルブ13の回転軸であるチョークシャフト110の一方の端部に固定され、リンクロッド70を介して第2レバー50と連動し、チョークバルブ13を開閉するものである。
チョークレバー60は、一方の端部がチョークシャフトに固定されるとともに、他方の端部には、リンクロッド接続部61が設けられている。
リンクロッド接続部61は、リンクロッド70のチョークレバー60側の端部が揺動可能に接続される部分である。
リンクロッド70は、第2レバー50とチョークレバー60とを連動させる部材である。
リンクロッド70は、例えば金属製の線材の両端部にクランク状の曲げ加工をして形成されている。
リンクロッド70の両端部は、第2レバー50のリンクロッド接続部53及びチョークレバー60のリンクロッド接続部61にそれぞれ回動可能に接続されている。
本実施例において、チョークバルブ13の回転軸となるチョークシャフト110は、以下説明するフリクションカラー120に挿入されている。
チョークシャフト110及びフリクションカラー120は、協働して相対回転に応じた抗力を発生するフリクションダンパとして機能する。
図5は、フリクションカラーの外観斜視図である。
図6は、チョークシャフトの外観斜視図である。
図5に示すように、フリクションカラー120は、円筒部121、フィン122を備えている。
円筒部121は、内径側にチョークシャフト110が挿入されるものである。
円筒部121の内径は、チョークシャフト110の外径に対して大きく設定される。
円筒部121は、キャブレタ10において、チョークバルブ13の作動時に回転しない非回転部に固定されている。
円筒部121は、例えば、図7に示すような円筒状のハウジングHをキャブレタ10に設けて、このハウジングHの内径側に圧入すること等によって固定される。
フィン122は、円筒部121の内周面から内径側に突き出して形成された実質的に平板状の部分である。
フィン122は、円筒部121の中心軸方向に沿って延びるとともに、円筒部121の径方向に対して傾斜して配置されている。
フィン122は、円筒部121の周方向に実質的に等間隔に離間して、例えば3箇所に設けられている。
円筒部121及びフィン122は、例えば、弾性を有するとともに、温度の上昇に応じて硬度が低下(軟化)する樹脂材料によって、一体に形成されている。
図6に示すように、チョークシャフト110におけるフリクションカラー120の内径側に配置される部分には、外周面の径が中心軸回りにおける角度位置に応じて連続的に変化する径変化部111が形成されている。
径変化部111は、例えば、チョークシャフト110の中心軸回りにおける角度位置の変化に応じて、外径が連続的に増加する領域が、中心角にして120°ごとに形成されている。
チョークシャフト110は、例えば、スチール等の金属材料によって一体に形成されている。
また、チョークシャフト110は、フリクションカラー120の外径側に設けられる巻スプリングである図示しないリターンスプリングによって、チョークバルブ13を開く方向に付勢されている。
図7は、フリクションカラー120の効果を説明する図である。
なお、図7においては、理解を容易とするために、チョークシャフト110の断面形状は真円状としている。
図7に示すように、フリクションカラー120のフィン122を、外径側に対して内径側が反時計回りにずらして配置される方向に傾斜させた場合、チョークシャフト110をフリクションカラー120に対して時計回り方向に回動させると、フィン122が円筒部121からの突出高さ方向に圧縮されて、フィン122の突端面部とチョークシャフト110の表面部との接触面圧が向上する。
その結果、時計回り方向にチョークシャフト110を回動させる場合にフリクションカラー120とチョークシャフト110との間に発生する摩擦力(抗力)は、反時計回り方向にチョークシャフト110を回動させた場合に対して大きくなる。
ここで、チョークバルブ13を開く方向へのリターンスプリングの付勢力を、時計回り方向とした場合、チョークバルブ13を閉じる場合の抗力に対して、チョークバルブ13を開く場合の抗力を大きくすることができる。
図8は、チョークシャフト110の径変化部111の効果を説明する図である。
図8(a)は、フリクションカラー120のフィン122が径変化部111の大径部(半径R大)と当接した状態を示している。
このように、フィン122が大径部と当接している場合、フィン122が圧縮されてフィン122の突端面部とチョークシャフト110との接触面圧が高くなるため、フリクションカラー120が発生する摩擦力は大きくなり、チョークバルブ13は比較的低速で作動する。
図8(b)は、フリクションカラー120のフィン122が径変化部111の小径部(半径R小)と当接した状態を示している。
このように、フィン122が小径部と当接している場合、フィン122の突端面部とチョークシャフト110との接触面圧が、大径部と当接している場合に対して相対的に低くなるため、フリクションカラー120が発生する摩擦力は小さくなり、チョークバルブ13は比較的高速で作動する。
本実施例においては、チョークバルブ13が全閉状態から全開状態へ推移する際に、フィン122と当接する箇所の外径が連続的に減少するようにし、エンジン始動直後においてはチョークバルブ13の作動を遅くし、暖気運転終了時にはチョークバルブ13の作動を速めるようにしている。
なお、スプリングの特性上、チョークバルブ13が全閉から全開に推移する際には付勢力が徐々に小さくなり、仮に摩擦力が一定である場合には、作動後半に作動が遅くなってしまうが、このように径変化を設けることによって、チョークバルブ13の戻り速度を任意に設定することが可能である。
また、フリクションカラー120は、温度上昇に応じて硬度が低下することによって、フィン122の剛性が低下し、チョークシャフト110との当接面部の面圧が低くなる。
このため、高温時においては、低温時よりも抗力が小さくなり、その結果、チョークバルブの開動作に要する時間も短くなる。
一例として、チョークバルブ13の全閉から全開までに要する時間は、冬季において60〜90秒、夏季において5〜10秒程度となるように設定される。
次に、本実施例のチョーク装置における動作について説明する。
このチョーク装置は、エンジンの始動時に自動的にチョークバルブを閉じ、その後所定の時間経過後に自動的にチョークバルブを開くオートチョークとして機能する。
以下、エンジン始動前から運転終了までの各段階における状態について、順次説明する。
<エンジン始動前>
図1に示すエンジン始動前の状態においては、チョークバルブ13はリターンスプリングの付勢力によって全開状態となっている。
第1レバー40は、自重によって先端部が下がった状態となっている。
第2レバー50は、チョークレバー60からリンクロッド70を介して牽引されることによって、被押圧部52がフライホイル30側に近接する方向(図1における時計回り方向)に変位している。
<エンジン始動時>
図2に示すエンジン始動時(リコイルスタータ操作時等)の状態においては、エンジンの回転数が比較的低回転であり、第1レバー40に作用する遠心力が小さいことから、第1レバー40は依然として先端部が下がった状態となっている。
この状態でフライホイル30が回転すると、第1レバー40の先端部は、第2レバー50の被押圧部52と衝突し、これを押圧して第2レバー50を図2における反時計方向に回動させる。
その結果、第2レバー50のリンクロッド接続部53が、リンクロッド70を介して、チョークレバー60のリンクロッド接続部61を牽引し、チョークレバー60が回動してチョークバルブ13は全閉される。
<エンジン運転中>
図3に示すエンジンの通常運転中の状態においては、エンジン回転数が図2に示す始動時の状態よりも向上しており、第1レバー40に作用する遠心力が大きくなって、第1レバー40の先端部は、その軸支部と実質的に同じ高さまで上昇する。
その結果、第1レバー40と第2レバー50の被押圧部52とは、フライホイル30の回転軸方向にすれ違うようになる。
一方、チョークバルブ13は、リターンスプリングの付勢力によって開く方向への回動を開始するが、フリクションカラー120が発生する摩擦力が抗力となるため、直ちに全開状態となることはなく、閉状態から開状態へ、緩徐に推移する。
これによって、第2レバー50も時計回り方向へ、緩徐に回動する。
<エンジン停止時>
図4に示すエンジン停止時の状態においては、チョークバルブ13は全開状態となっており、第1レバー40、第2レバー50の状態も実質的に図1に示すエンジン始動時の状態と同じ状態となる。
以上説明したように、実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)エンジン始動時のフライホイル30の回転を利用して第1レバー40、第2レバー50、リンクロッド70、チョークレバー60を連動させてチョークバルブ13を閉じ、その後遠心力で第1レバー40が退避する構成としたことによって、比較的安価な部品からなる簡単な構成により、エンジンの始動時にチョークバルブ13を自動的に閉状態とすることができる。
また、このような機構はブロワハウジング内及びその周辺に配置することが可能であり、シリンダヘッド周辺にスペースを確保する必要がない。
(2)チョークバルブ13が全閉となった後、リターンスプリングの付勢力を利用してチョークバルブ13が開状態へ推移する構成としたことによって、暖気運転終了時にチョークバルブ13を自動的に開状態とすることができる。
(3)フリクションカラー120によってチョークシャフト110との相対回動時に摩擦力を発生させ、キャッチャリンク50の回動を緩徐とすることによって、チョークバルブ13が全開状態に復帰するまでの時間を遅延させ、チョークバルブ13を適切に作動させることができる。
(4)フリクションカラー120は、チョークバルブ13を開く方向の抗力に対して閉じる方向の抗力が小さいため、比較的小さい動力によってチョークバルブ13の閉動作を行わせることができる。
(5)チョークシャフト110に外径が連続的に変化する径変化部111を設けたことによって、チョークバルブ13の回動速度をその位置に応じて変化させることが可能となり、暖気運転中にはチョークバルブ13を緩徐に回動させ、暖気終了時にはチョークバルブ13を速やかに全開状態とすることができる。
(6)フリクションカラー120を、温度上昇に応じて硬度が低下する材質で形成したことによって、暖気運転時間が短くてもよい高温時においてはフリクションカラー120が発生する抗力を小さくし、チョークバルブ13の開状態への推移を早めることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)チョーク装置を構成する各構成部材の形状、構造、材質、配置等は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、実施例では第1レバーをフライホイルに対して揺動可能に取り付けているが、これに限らず、他の回転部分に取り付けてもよい。また、第1レバーを、例えば並進方向等の揺動とは異なる態様に変位可能な構成としてもよい。
(2)実施例では、第1レバーは低回転時や停止時に自重により第2レバーを押圧可能な位置に変位しているが、例えばクランクシャフトが水平に配置されるエンジンの場合には、付勢手段などによって第2レバーを押圧可能な位置に変位させる構成としてもよい。
(3)実施例では、フリクションカラーを用いてチョークバルブが閉状態から開状態となる時期を遅延させているが、例えばオイルダンパ等の他の遅延手段を用いてもよい。
10 キャブレタ 11 バレル部
12 小径部 13 チョークバルブ
20 クランクケース 30 フライホイル
31 ブロワファン 40 第1レバー
42 支持部 50 第2レバー
51 軸支部 52 被押圧部
53 リンクロッド接続部 60 チョークレバー
61 リンクロッド接続部 70 リンクロッド
110 チョークシャフト 111 径変化部
120 フリクションカラー 121 筒状部
122 フィン 130 スプリング

Claims (5)

  1. エンジンの吸気流路に設けられ、開状態から閉状態へ推移することによって前記吸気流路の流路断面積を減少させるチョークバルブを有するチョーク装置であって、
    前記エンジンの回転部分に設けられ該エンジンの運転時に回転するとともに、エンジン回転数の向上に起因する遠心力の増加に応じて第1の位置から第2の位置へ変位する遠心力感応部材と、
    前記チョークバルブと連動しかつ前記遠心力感応部材が前記第1の位置で回転した場合に前記遠心力感応部材から押圧されて前記チョークバルブを前記開状態から前記閉状態へ推移させるとともに前記遠心力感応部材が前記第2の位置で回転した場合に該遠心力感応部材とすれ違う駆動力伝達部材と、
    前記チョークバルブを前記閉状態から前記開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、
    前記付勢手段による前記チョークバルブの前記閉状態から前記開状態への推移動作に対して抗力を発生し、前記開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段と
    を備えることを特徴とするチョーク装置。
  2. 前記エンジンは前記回転部分の回転軸が鉛直方向にほぼ沿って配置される縦軸型エンジンであり、
    前記遠心力感応部材は、前記駆動力伝達部材との当接部が上下する方向に揺動可能に支持されるとともに、エンジン回転数の低下に応じて前記当接部が自重により降下すること
    を特徴とする請求項1に記載のチョーク装置。
  3. 前記チョークバルブ開動作遅延手段は、
    固定部材及び前記チョークバルブと連動して前記固定部材に対して回動する回動部材の一方に設けられた筒状部材と、
    前記固定部材及び前記回動部材の他方に設けられ、前記筒状部材に挿入されるとともに前記回動部材の回転軸と実質的に同心に配置された軸状部材と、
    前記筒状部材の内周面から内径側に突き出して形成され突端部が前記軸状部材の外周面と摺動可能に当接し、前記筒状部材の径方向に対して傾斜して配置された摩擦付与部材とを有し、
    前記チョークバルブが前記開状態から前記閉状態へ推移する際に発生する抗力に対して、前記チョークバルブが前記閉状態から前記開状態へ推移する際に発生する抗力が大きいこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2までに記載のチョーク装置。
  4. 前記軸状部材は、筒状部材に対する相対回動量に応じて、外周面部が前記摩擦付与部材と当接する箇所の外径が連続的に変化すること
    を特徴とする請求項3に記載のチョーク装置。
  5. 前記摩擦付与部材は、温度の上昇とともに硬度が低下する材質によって形成されること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載のチョーク装置。
JP2012054820A 2012-03-12 2012-03-12 チョーク装置 Pending JP2013189875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054820A JP2013189875A (ja) 2012-03-12 2012-03-12 チョーク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054820A JP2013189875A (ja) 2012-03-12 2012-03-12 チョーク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013189875A true JP2013189875A (ja) 2013-09-26

Family

ID=49390388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012054820A Pending JP2013189875A (ja) 2012-03-12 2012-03-12 チョーク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013189875A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4732378B2 (ja) エンジン制御装置
JP4523543B2 (ja) エンジンの気化器自動制御装置
AU2005200859B2 (en) Device for controlling choke valve of carburetor
US7144000B2 (en) Automatic choke for an engine
JPH04262043A (ja) 自動チョーク装置及び方法
KR20060043372A (ko) 기화기의 쵸크 밸브 제어 장치
US20130000586A1 (en) Automatic control apparatus for carburettor choke valve
EP2141344A2 (en) Engine Air/Fuel Mixing Apparatus
WO2011009373A1 (zh) 通用汽油发动机的化油器阻风门自动控制机构
JP5318075B2 (ja) オートチョーク装置
US10215130B2 (en) Choke override for an engine
AU2007237337A1 (en) Governor with take-up spring
US7343898B1 (en) Air vane governor
JP2013189875A (ja) チョーク装置
CN105179110B (zh) 自动阻风门系统及其发动机
US20060043620A1 (en) Automatic choke for an engine
JP2013185572A (ja) チョーク装置
JP2009013965A (ja) 気化器の電子制御装置
JP2013185569A (ja) チョーク装置
US10054081B2 (en) Automatic starting system
JP2013185570A (ja) チョーク装置
JP2013185571A (ja) チョーク装置
JP6117873B2 (ja) 電動オートチョーク装置
JP2013189876A (ja) チョーク装置
JP3901516B2 (ja) 気化器のチョーク弁制御装置