JP2013185571A - チョーク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単かつ安価な構成によって操作の自動化を図ったチョーク装置を提供する。
【解決手段】エンジンの吸気流路11に設けられたチョークバルブ13を有するチョーク装置を、エンジンを始動させるリコイルスタータ20を駆動するリコイルロープ21に固定された牽引部材22と、リコイルロープが挿入される筒状部31を有し、牽引部材に着脱可能に取り付けられるとともに、リコイルロープの牽引ストローク初期には牽引部材とともに牽引方向へ移動し、牽引量の増加に応じて牽引部材から分離する牽引力伝達部材30と、牽引力伝達部材の牽引方向への移動と連動してチョークバルブを開状態から閉状態へ推移させるチョークバルブ駆動機構50,60,70と、チョークバルブを閉状態から開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、付勢手段によるチョークバルブの閉状態から開状態への推移動作に対して抗力を発生し、開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段110,120とを備える構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンの吸気流路11に設けられたチョークバルブ13を有するチョーク装置を、エンジンを始動させるリコイルスタータ20を駆動するリコイルロープ21に固定された牽引部材22と、リコイルロープが挿入される筒状部31を有し、牽引部材に着脱可能に取り付けられるとともに、リコイルロープの牽引ストローク初期には牽引部材とともに牽引方向へ移動し、牽引量の増加に応じて牽引部材から分離する牽引力伝達部材30と、牽引力伝達部材の牽引方向への移動と連動してチョークバルブを開状態から閉状態へ推移させるチョークバルブ駆動機構50,60,70と、チョークバルブを閉状態から開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、付勢手段によるチョークバルブの閉状態から開状態への推移動作に対して抗力を発生し、開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段110,120とを備える構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンに設けられるチョーク装置に関し、特には簡単かつ安価な構成によって自動的にチョークバルブの開閉を行うものに関する。
例えば産業用等の汎用エンジンのように、キャブレタによって燃料供給を行うエンジンにおいては、冷間始動の直後にチョークバルブを絞って混合気を一時的に濃くすること(チョーキング)が必要となる。
このようなチョーキングは、エンジンの始動後、例えば数秒から数十秒程度の所定時間にわたってチョークバルブを閉じることによって行い、その後通常運転時においてはチョークバルブは開かれる。
このようなチョーキングは、エンジンの始動後、例えば数秒から数十秒程度の所定時間にわたってチョークバルブを閉じることによって行い、その後通常運転時においてはチョークバルブは開かれる。
従来、ユーザの利便性を向上するため、例えばシリンダヘッドやマフラ等に設けられたバイメタルやワックス等の温度感知装置を用いてエンジンの暖機状態を検出し、チョークバルブの開動作を自動的に行うようにすることが提案されている。
また、このようなチョークバルブの自動的な開動作に関する従来技術として、例えば特許文献1には、チョーク操作レバーによって閉弁操作が行われるチョークバルブに、開弁方向へ付勢するチョークばねと、開弁動作を緩徐に制御するオイルダンパとを設けることが記載されている。
しかし、上述したような温度感知装置を用いた手法の場合、チョークバルブを全開にするまでに比較的長時間を要し、その間、濃い混合気での運転によって排ガス中の有害成分が増加する場合がある。
また、このような温度感知装置に設けられるバイメタルやワックス等はコストが高価であるうえ、温度感知装置の設置場所の確保が必要となるため設計自由度が損なわれる。
また、温度感知装置によって一度チョークが解除されると、暖気中の再始動などでは始動不良となる場合がある。
一方、特許文献1に記載されたように、オイルダンパを用いた場合、構造が複雑となってやはりコストが高価となる。
また、特許文献1に記載された技術においては、暖気終了時のチョークバルブ開動作は自動的に行われるが、始動時のチョークバルブ閉動作は手動で行う必要がある。
本発明の課題は、簡単かつ安価な構成によって操作の自動化を図ったチョーク装置を提供することである。
また、このような温度感知装置に設けられるバイメタルやワックス等はコストが高価であるうえ、温度感知装置の設置場所の確保が必要となるため設計自由度が損なわれる。
また、温度感知装置によって一度チョークが解除されると、暖気中の再始動などでは始動不良となる場合がある。
一方、特許文献1に記載されたように、オイルダンパを用いた場合、構造が複雑となってやはりコストが高価となる。
また、特許文献1に記載された技術においては、暖気終了時のチョークバルブ開動作は自動的に行われるが、始動時のチョークバルブ閉動作は手動で行う必要がある。
本発明の課題は、簡単かつ安価な構成によって操作の自動化を図ったチョーク装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、エンジンの吸気流路に設けられ、開状態から閉状態へ推移することによって前記吸気流路の流路断面積を減少させるチョークバルブを有するチョーク装置であって、前記エンジンを始動させるリコイルスタータを駆動するリコイルロープに固定された牽引部材と、前記リコイルロープが挿入される筒状部を有し、前記牽引部材に着脱可能に取り付けられるとともに、前記リコイルロープの牽引ストローク初期には前記牽引部材とともに牽引方向へ移動し、牽引量の増加に応じて前記牽引部材から分離する牽引力伝達部材と、前記牽引力伝達部材の前記牽引方向への移動と連動して前記チョークバルブを前記開状態から前記閉状態へ推移させるチョークバルブ駆動機構と、前記チョークバルブを前記閉状態から前記開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、前記付勢手段による前記チョークバルブの前記閉状態から前記開状態への推移動作に対して抗力を発生し、前記開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段とを備えることを特徴とするチョーク装置である。
これによれば、ユーザがリコイルロープを引いた際に、牽引力伝達部材がリコイルロープとともに移動してチョークバルブを開状態から閉状態へ推移させるとともに、付勢手段及びチョークバルブ開動作遅延手段がチョークバルブを閉状態から開状態へ推移させることによって、比較的安価な部品からなる簡単な構成によって、エンジン始動時のチョークバルブの開閉動作を自動化することができる。
請求項1に係る発明は、エンジンの吸気流路に設けられ、開状態から閉状態へ推移することによって前記吸気流路の流路断面積を減少させるチョークバルブを有するチョーク装置であって、前記エンジンを始動させるリコイルスタータを駆動するリコイルロープに固定された牽引部材と、前記リコイルロープが挿入される筒状部を有し、前記牽引部材に着脱可能に取り付けられるとともに、前記リコイルロープの牽引ストローク初期には前記牽引部材とともに牽引方向へ移動し、牽引量の増加に応じて前記牽引部材から分離する牽引力伝達部材と、前記牽引力伝達部材の前記牽引方向への移動と連動して前記チョークバルブを前記開状態から前記閉状態へ推移させるチョークバルブ駆動機構と、前記チョークバルブを前記閉状態から前記開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、前記付勢手段による前記チョークバルブの前記閉状態から前記開状態への推移動作に対して抗力を発生し、前記開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段とを備えることを特徴とするチョーク装置である。
これによれば、ユーザがリコイルロープを引いた際に、牽引力伝達部材がリコイルロープとともに移動してチョークバルブを開状態から閉状態へ推移させるとともに、付勢手段及びチョークバルブ開動作遅延手段がチョークバルブを閉状態から開状態へ推移させることによって、比較的安価な部品からなる簡単な構成によって、エンジン始動時のチョークバルブの開閉動作を自動化することができる。
請求項2に係る発明は、前記チョークバルブ駆動機構は、前記エンジンに前記チョークバルブと連動して回動可能に取り付けられた回動部材を有し、前記牽引力伝達部材は、前記回動部材に所定の角度範囲内で揺動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のチョーク装置である。
これによれば、簡単な構成の機構によって、上述した効果を確実に得ることができる。
これによれば、簡単な構成の機構によって、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項3に係る発明は、前記牽引部材はユーザが前記リコイルロープの牽引時に把持する操作部であり、前記牽引力伝達部材の前記筒状部は、弾性体を介して前記操作部に取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチョーク装置である。
これによれば、リコイルロープの操作部を牽引部材として利用し、これに弾性体を介して牽引力伝達部材の筒状部を取り付けることによって、部品点数の増加を抑制しつつ本発明を適用することができる。
これによれば、リコイルロープの操作部を牽引部材として利用し、これに弾性体を介して牽引力伝達部材の筒状部を取り付けることによって、部品点数の増加を抑制しつつ本発明を適用することができる。
請求項4に係る発明は、前記付勢手段は、前記リコイルロープを巻き戻すものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のチョーク装置である。
これによれば、リコイルロープのリールを付勢してリコイルロープを巻き戻すスプリングに、チョークバルブを自動的に閉状態から開状態へ戻すリターンスプリングとしての機能も付与することによって、部品点数の低減及び構造の簡素化を図ることができる。
これによれば、リコイルロープのリールを付勢してリコイルロープを巻き戻すスプリングに、チョークバルブを自動的に閉状態から開状態へ戻すリターンスプリングとしての機能も付与することによって、部品点数の低減及び構造の簡素化を図ることができる。
請求項5に係る発明は、前記チョークバルブ開動作遅延手段は、固定部材及び前記チョークバルブと連動して前記固定部材に対して回動する回動部材の一方に設けられた筒状部材と、前記固定部材及び前記回動部材の他方に設けられ、前記筒状部材に挿入されるとともに前記回動部材の回転軸と実質的に同心に配置された軸状部材と、前記筒状部材の内周面から内径側に突き出して形成され突端部が前記軸状部材の外周面と摺動可能に当接し、前記筒状部材の径方向に対して傾斜して配置された摩擦付与部材とを有し、前記チョークバルブが前記開状態から前記閉状態へ推移する際に発生する抗力に対して、前記チョークバルブが前記閉状態から前記開状態へ推移する際に発生する抗力が大きいことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のチョーク装置である。
これによれば、簡単な構成によってチョークバルブの回動に対して抗力を与えることができ、チョークバルブの開状態への推移を遅延させチョークバルブを適切に作動させることができる。
また、摩擦付与部材を筒状部材の径方向に対して傾斜して配置したことによって、回動方向に応じて抗力を異ならせることができる。これによって、チョークバルブを閉状態に推移させる際の抗力を開状態に推移させる際の抗力に対して小さくすることができ、比較的弱い動力によってチョークバルブの閉状態への駆動を行うことが可能となる。
これによれば、簡単な構成によってチョークバルブの回動に対して抗力を与えることができ、チョークバルブの開状態への推移を遅延させチョークバルブを適切に作動させることができる。
また、摩擦付与部材を筒状部材の径方向に対して傾斜して配置したことによって、回動方向に応じて抗力を異ならせることができる。これによって、チョークバルブを閉状態に推移させる際の抗力を開状態に推移させる際の抗力に対して小さくすることができ、比較的弱い動力によってチョークバルブの閉状態への駆動を行うことが可能となる。
請求項6に係る発明は、前記軸状部材は、筒状部材に対する相対回動量に応じて、外周面部が前記摩擦付与部材と当接する箇所の外径が連続的に変化することを特徴とする請求項5に記載のチョーク装置である。
これによれば、軸状部材の外径を連続的に変化させることによって、チョークバルブが閉状態から開状態へ推移する際の速さを行程中で変化させることができ、例えばエンジンの暖機運転初期においては緩徐に作動させ、暖気運転終了時においては急速に作動させること等が可能となる。
これによれば、軸状部材の外径を連続的に変化させることによって、チョークバルブが閉状態から開状態へ推移する際の速さを行程中で変化させることができ、例えばエンジンの暖機運転初期においては緩徐に作動させ、暖気運転終了時においては急速に作動させること等が可能となる。
請求項7に係る発明は、前記摩擦付与部材は、温度の上昇とともに硬度が低下する材質によって形成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のチョーク装置である。
これによれば、低温時と高温時とでチョークバルブが閉状態から開状態に推移する時間を異ならせて、雰囲気温度に応じて適切にチョークバルブを作動させることができる。
これによれば、低温時と高温時とでチョークバルブが閉状態から開状態に推移する時間を異ならせて、雰囲気温度に応じて適切にチョークバルブを作動させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、簡単かつ安価な構成によって動作の自動化を図ったチョーク装置を提供することができる。
本発明は、簡単かつ安価な構成によって操作の自動化を図ったチョーク装置を提供する課題を、リコイルロープを操作するリコイルノブに着脱可能なリコイルキャッチャを設け、リコイルキャッチャに連動するキャッチャリンク及びリンクロッドを介してチョークレバーを駆動してチョークバルブを閉じるとともに、スプリング等の付勢手段でチョークバルブを開きかつチョークバルブの動作と連動して摺動する部材のフリクションを利用してチョークバルブが全開に戻る時期を遅延させることによって解決した。
以下、本発明を適用したチョーク装置の実施例について説明する。
実施例のチョーク装置は、例えば、産業用等の汎用エンジンのキャブレタに設けられたチョークバルブを自動的に開閉するものである。
図1は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン始動前の状態を示す図である。
図2は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの始動開始時の状態を示す図である。
図3は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの始動中の状態を示す図である。
図4は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの運転開始時の状態を示す図である。
図5は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの通常運転時の状態を示す図である。
実施例のチョーク装置は、例えば、産業用等の汎用エンジンのキャブレタに設けられたチョークバルブを自動的に開閉するものである。
図1は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジン始動前の状態を示す図である。
図2は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの始動開始時の状態を示す図である。
図3は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの始動中の状態を示す図である。
図4は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの運転開始時の状態を示す図である。
図5は、実施例のチョーク装置の構成を示す図であって、エンジンの通常運転時の状態を示す図である。
キャブレタ10は、図示しないシリンダヘッドの吸気ポートに混合気を供給するものである。
キャブレタ10は、吸気流路を構成するバレル部11内の中間部に、部分的に内径を小さくされたベンチュリ部12を有する。
ベンチュリ部12の上流側、下流側には、それぞれチョークバルブ13及び図示しないスロットルバルブが設けられている。
キャブレタ10は、吸気流路を構成するバレル部11内の中間部に、部分的に内径を小さくされたベンチュリ部12を有する。
ベンチュリ部12の上流側、下流側には、それぞれチョークバルブ13及び図示しないスロットルバルブが設けられている。
チョークバルブ13は、バレル部11の直径にほぼ沿って配置された回転軸(チョークシャフト)回りに回動するバタフライバルブであって、エンジンの冷間始動時等に、新気の流路断面積を絞って混合気を濃くするチョーキングを行なうものである。
スロットルバルブは、バレル部11の直径にほぼ沿って配置された回転軸回りに回動するバタフライバルブであって、エンジンの運転中に吸入空気量を調節して出力調整を行なうものである。
スロットルバルブは、バレル部11の直径にほぼ沿って配置された回転軸回りに回動するバタフライバルブであって、エンジンの運転中に吸入空気量を調節して出力調整を行なうものである。
また、エンジンには、リコイルスタータ20が設けられている。
リコイルスタータ20は、リコイルロープ21、リコイルノブ22、リコイルリール23、リコイルハウジング24、ロープガイド25等を有して構成されている。
リコイルロープ21は、ユーザが牽引することによって図示しないクランクシャフトを回転させ、エンジンを始動するものである。
リコイルノブ22は、リコイルローブ21の端部に固定され、ユーザがリコイルロープ21を牽引する際に把持する操作部である。
リコイルスタータ20は、リコイルロープ21、リコイルノブ22、リコイルリール23、リコイルハウジング24、ロープガイド25等を有して構成されている。
リコイルロープ21は、ユーザが牽引することによって図示しないクランクシャフトを回転させ、エンジンを始動するものである。
リコイルノブ22は、リコイルローブ21の端部に固定され、ユーザがリコイルロープ21を牽引する際に把持する操作部である。
リコイルリール23は、リコイルロープ21が巻きつけられるドラム状の部材である。
リコイルリール23には、ユーザがリコイルロープ21を牽引した後、リコイルロープを巻き上げる図示しないリコイルスプリングが設けられている。
リコイルハウジング24は、リコイルリール23を収容するものである。
ロープガイド25は、リコイルハウジング24の一部に形成され、リコイルロープ21を引き出し、巻き戻し時に案内するものである。
リコイルリール23には、ユーザがリコイルロープ21を牽引した後、リコイルロープを巻き上げる図示しないリコイルスプリングが設けられている。
リコイルハウジング24は、リコイルリール23を収容するものである。
ロープガイド25は、リコイルハウジング24の一部に形成され、リコイルロープ21を引き出し、巻き戻し時に案内するものである。
本実施例のチョーク装置は、ユーザがリコイルスタータ20を操作した際のリコイルノブ22の動きを利用してチョークバルブ13を閉じ、その後、リコイルリール23の付勢力を利用してチョークバルブ13を開くことによって、エンジン始動時のチョークバルブ13の開閉動作を自動化するものである。
チョーク装置は、リコイルキャッチャ30、ロックアダプタ40、キャッチャリンク50、チョークレバー60、リンクロッド70、固定シャフト110、フリクションカラー120等を有して構成されている。
図6は、チョーク装置の主要構成部品の一部を示す拡大図であって、図6(a)は、リコイルノブ22、リコイルキャッチャ30、ロックアダプタ40、キャッチャリンク50等を、チョークシャフトの軸方向から見た図であり、図6(b)は、図6(a)のb−b部矢視断面図である。
また、図6(a)は、図6(b)のa−a部矢視断面図である。
図6は、チョーク装置の主要構成部品の一部を示す拡大図であって、図6(a)は、リコイルノブ22、リコイルキャッチャ30、ロックアダプタ40、キャッチャリンク50等を、チョークシャフトの軸方向から見た図であり、図6(b)は、図6(a)のb−b部矢視断面図である。
また、図6(a)は、図6(b)のa−a部矢視断面図である。
リコイルキャッチャ30は、リコイルロープ21が挿入される筒状部31を有し、ロックアダプタ40を介してリコイルノブ22に着脱可能に取り付けられる部材である。
筒状部31は、内径がリコイルロープ21の外径に対して大きく形成されるとともに、リコイルノブ22側がロープガイド25側に対して大径となるテーパ状に形成されている。
筒状部31の外径側には、キャッチャリンク50に対して、チョークバルブ13の回転軸と平行な回転軸回りに揺動可能に支持される支持部32が形成されている。
また、支持部32には、キャッチャリンク50の揺動角規制爪53と協働し、キャッチャリンク50に対するリコイルキャッチャ30の揺動範囲を規制する揺動角規制突起33が形成されている。
筒状部31は、内径がリコイルロープ21の外径に対して大きく形成されるとともに、リコイルノブ22側がロープガイド25側に対して大径となるテーパ状に形成されている。
筒状部31の外径側には、キャッチャリンク50に対して、チョークバルブ13の回転軸と平行な回転軸回りに揺動可能に支持される支持部32が形成されている。
また、支持部32には、キャッチャリンク50の揺動角規制爪53と協働し、キャッチャリンク50に対するリコイルキャッチャ30の揺動範囲を規制する揺動角規制突起33が形成されている。
ロックアダプタ40は、リコイルノブ22に固定されるとともに、リコイルキャッチャ30の筒状部31が着脱可能に取り付けられる部材である。
ロックアダプタ40は、リコイルノブ22から突き出して形成された先細りの円錐台状の基部41から、外径側につば状に張り出して形成されたヒダ42を、基部41の軸方向に分散して複数形成したものである。
リコイルロープ21のリコイルノブ22側の端部は、ロックアダプタ40の中心軸部を貫通してリコイルノブ22に接続されている。
複数のヒダ42の外径は、ロックアダプタ40の先端部側からリコイルノブ22側にかけて順次大きくなるように設定され、軸方向距離に対する外径の変化率は、筒状部31の内径の変化率と実質的に一致している。
ロックアダプタ40は、リコイルノブ22から突き出して形成された先細りの円錐台状の基部41から、外径側につば状に張り出して形成されたヒダ42を、基部41の軸方向に分散して複数形成したものである。
リコイルロープ21のリコイルノブ22側の端部は、ロックアダプタ40の中心軸部を貫通してリコイルノブ22に接続されている。
複数のヒダ42の外径は、ロックアダプタ40の先端部側からリコイルノブ22側にかけて順次大きくなるように設定され、軸方向距離に対する外径の変化率は、筒状部31の内径の変化率と実質的に一致している。
ロックアダプタ40は、例えばゴム等の弾性及び可撓性を有する材料によって一体に形成されている。
ロックアダプタ40は、リコイルキャッチャ30の筒状部31に対して実質的に同心となるように挿入しかつ軸方向に押圧することによって、ヒダ42が弾性変形して筒状部31との間に圧着力を生じ、リコイルキャッチャ30を保持可能となっている。
一方、ロックアダプタ40がリコイルキャッチャ30を保持した状態から、所定以上の力で引くことによって、ロックアダプタ40はリコイルキャッチャ30から分離可能となっている。
ロックアダプタ40は、リコイルキャッチャ30の筒状部31に対して実質的に同心となるように挿入しかつ軸方向に押圧することによって、ヒダ42が弾性変形して筒状部31との間に圧着力を生じ、リコイルキャッチャ30を保持可能となっている。
一方、ロックアダプタ40がリコイルキャッチャ30を保持した状態から、所定以上の力で引くことによって、ロックアダプタ40はリコイルキャッチャ30から分離可能となっている。
キャッチャリンク50は、リコイルキャッチャ30と連動し、リンクロッド70を介してチョークレバー60を開閉駆動するものである。
キャッチャリンク50は、例えば板金によって、レバー状かつプレート状に形成されている。
キャッチャリンク50は、軸支部51、リコイルキャッチャ支持部52、揺動角規制爪53、リンクロッド接続部54等を有して構成されている。
キャッチャリンク50は、例えば板金によって、レバー状かつプレート状に形成されている。
キャッチャリンク50は、軸支部51、リコイルキャッチャ支持部52、揺動角規制爪53、リンクロッド接続部54等を有して構成されている。
軸支部51は、キャッチャリンク50を、例えばエンジンの本体部やブロワハウジング等に設けられた基部に対して、チョークバルブ13の回転軸と平行な回転軸回りに回動可能に支持するものである。
軸支部51は、キャッチャリンク50の長手方向における中央部に設けられている。
基部には後述する固定シャフト110が立設されるとともに、軸支部51には後述するフリクションカラー120が設けられる。このフリクションカラー120に固定シャフト110を相対回動可能に挿入することによって、キャッチャリンク50は固定シャフト110に対してその中心軸回りに回動可能に支持される。
この固定シャフト110及びフリクションカラー120については、後に詳しく説明する。
軸支部51は、キャッチャリンク50の長手方向における中央部に設けられている。
基部には後述する固定シャフト110が立設されるとともに、軸支部51には後述するフリクションカラー120が設けられる。このフリクションカラー120に固定シャフト110を相対回動可能に挿入することによって、キャッチャリンク50は固定シャフト110に対してその中心軸回りに回動可能に支持される。
この固定シャフト110及びフリクションカラー120については、後に詳しく説明する。
リコイルキャッチャ支持部52は、リコイルキャッチャ30の支持部32を、チョークバルブ13の回転軸と平行な回転軸回りに回動可能に支持するものである。
リコイルキャッチャ支持部52は、キャッチャリンク50の一方の端部近傍に配置されている。
揺動角規制爪53は、リコイルキャッチャ30の揺動角規制突起33を、その揺動方向に挟んだ位置に一対形成され、キャッチャリンク50に対するリコイルキャッチャ30の揺動可能範囲を規制するものである。
リコイルキャッチャ支持部52は、キャッチャリンク50の一方の端部近傍に配置されている。
揺動角規制爪53は、リコイルキャッチャ30の揺動角規制突起33を、その揺動方向に挟んだ位置に一対形成され、キャッチャリンク50に対するリコイルキャッチャ30の揺動可能範囲を規制するものである。
このような構成により、リコイルキャッチャ30は、キャッチャリンク50に対して所定の角度範囲内で首振り可能とされ、キャッチャリンク50が回動した場合であっても、リコイルキャッチャ30の筒状部31とリコイルロープ21とがなす角度が大きく変化してリコイルロープ21に無理な曲げが加わること等を防止できる。
リンクロッド接続部54は、リンクロッド70のキャッチャリンク50側の端部が揺動可能に接続される部分である。
リンクロッド接続部54は、キャッチャリンク50のリコイルキャッチャ支持部52側とは反対側の端部近傍に配置されている。
リンクロッド接続部54は、キャッチャリンク50のリコイルキャッチャ支持部52側とは反対側の端部近傍に配置されている。
チョークレバー60は、チョークバルブ13の回転軸であるチョークシャフトの一方の端部に固定され、リンクロッド70を介してキャッチャリンク50と連動し、チョークバルブ13を開閉するものである。
チョークレバー60は、一方の端部がチョークシャフトに固定されるとともに、他方の端部には、リンクロッド接続部61が設けられている。
リンクロッド接続部61は、リンクロッド70のチョークレバー60側の端部が揺動可能に接続される部分である。
チョークレバー60は、一方の端部がチョークシャフトに固定されるとともに、他方の端部には、リンクロッド接続部61が設けられている。
リンクロッド接続部61は、リンクロッド70のチョークレバー60側の端部が揺動可能に接続される部分である。
リンクロッド70は、キャッチャリンク50とチョークレバー60との間にわたして設けられ、これらを連動させるものである。
リンクロッド70は、例えばスチール等の金属製のシャフトの両端部にクランク状の曲げ加工を施し、これらの端部をキャッチャリンク50のリンクロッド接続部54とチョークレバー60のリンクロッド接続部61とにそれぞれチョークシャフトと平行な回転軸回りに揺動可能に接続したものである。
リンクロッド70は、例えばスチール等の金属製のシャフトの両端部にクランク状の曲げ加工を施し、これらの端部をキャッチャリンク50のリンクロッド接続部54とチョークレバー60のリンクロッド接続部61とにそれぞれチョークシャフトと平行な回転軸回りに揺動可能に接続したものである。
上述したように、本実施例において、キャッチャリンク50を支持する固定シャフト110は、以下説明するフリクションカラー120に挿入されている。
固定シャフト110及びフリクションカラー120は、協働して相対回転に応じた抗力を発生するフリクションダンパとして機能する。
図7は、フリクションカラーの外観斜視図である。
図8は、固定シャフトの外観斜視図である。
図7に示すように、フリクションカラー120は、筒状部121、ヒダ122を備えている。
筒状部121は、内径側に固定シャフト110が挿入されるものである。
筒状部121の内径は、固定シャフト110の外径に対して大きく設定される。
筒状部121は、チョークバルブ13の作動時にチョークバルブ13とともに回動するキャッチャリンク50に固定されている。
筒状部121は、例えば、図9に示すような円筒状のハウジングHをキャッチャリンク50の軸支部51に設けて、このハウジングHの内径側に圧入すること等によって固定される。
固定シャフト110及びフリクションカラー120は、協働して相対回転に応じた抗力を発生するフリクションダンパとして機能する。
図7は、フリクションカラーの外観斜視図である。
図8は、固定シャフトの外観斜視図である。
図7に示すように、フリクションカラー120は、筒状部121、ヒダ122を備えている。
筒状部121は、内径側に固定シャフト110が挿入されるものである。
筒状部121の内径は、固定シャフト110の外径に対して大きく設定される。
筒状部121は、チョークバルブ13の作動時にチョークバルブ13とともに回動するキャッチャリンク50に固定されている。
筒状部121は、例えば、図9に示すような円筒状のハウジングHをキャッチャリンク50の軸支部51に設けて、このハウジングHの内径側に圧入すること等によって固定される。
フィン122は、筒状部121の内周面から内径側に突き出して形成された実質的に平板状の部分である。
フィン122は、筒状部121の中心軸方向に沿って延びるとともに、筒状部121の径方向に対して傾斜して配置されている。
フィン122は、筒状部121の周方向に実質的に等間隔に離間して、例えば3箇所に設けられている。
筒状部121及びフィン122は、例えば、弾性を有するとともに、温度の上昇に応じて硬度が低下(軟化)する樹脂材料によって、一体に形成されている。
フィン122は、筒状部121の中心軸方向に沿って延びるとともに、筒状部121の径方向に対して傾斜して配置されている。
フィン122は、筒状部121の周方向に実質的に等間隔に離間して、例えば3箇所に設けられている。
筒状部121及びフィン122は、例えば、弾性を有するとともに、温度の上昇に応じて硬度が低下(軟化)する樹脂材料によって、一体に形成されている。
図8に示すように、固定シャフト110におけるフリクションカラー120の内径側に配置される部分には、外周面の径が中心軸回りにおける角度位置に応じて連続的に変化する径変化部111が形成されている。
径変化部111は、例えば、固定シャフト110の中心軸回りにおける角度位置の変化に応じて、外径が連続的に増加する領域が、中心角にして120°ごとに形成されている。
固定シャフト110は、例えば、スチール等の金属材料によって一体に形成されている。
径変化部111は、例えば、固定シャフト110の中心軸回りにおける角度位置の変化に応じて、外径が連続的に増加する領域が、中心角にして120°ごとに形成されている。
固定シャフト110は、例えば、スチール等の金属材料によって一体に形成されている。
図9は、フリクションカラー120の効果を説明する図である。
なお、図9においては、理解を容易とするために、固定シャフト110の断面形状は真円状としている。
図9に示すように、フリクションカラー120のフィン122を、外径側に対して内径側が反時計回りにずらして配置される方向に傾斜させた場合、固定シャフト110をフリクションカラー120に対して時計回り方向に回動させると、フィン122が筒状部121からの突出高さ方向に圧縮されて、フィン122の突端面部と固定シャフト110の表面部との接触面圧が向上する。
なお、図9においては、理解を容易とするために、固定シャフト110の断面形状は真円状としている。
図9に示すように、フリクションカラー120のフィン122を、外径側に対して内径側が反時計回りにずらして配置される方向に傾斜させた場合、固定シャフト110をフリクションカラー120に対して時計回り方向に回動させると、フィン122が筒状部121からの突出高さ方向に圧縮されて、フィン122の突端面部と固定シャフト110の表面部との接触面圧が向上する。
その結果、時計回り方向に固定シャフト110を回動させる場合にフリクションカラー120と固定シャフト110との間に発生する摩擦力(抗力)は、反時計回り方向に固定シャフト110を回動させた場合に対して大きくなる。
ここで、チョークバルブ13を開く方向へのリコイルリール23の付勢力を、時計回り方向とした場合、チョークバルブ13を閉じる場合の抗力に対して、チョークバルブ13を開く場合の抗力を大きくすることができる。
ここで、チョークバルブ13を開く方向へのリコイルリール23の付勢力を、時計回り方向とした場合、チョークバルブ13を閉じる場合の抗力に対して、チョークバルブ13を開く場合の抗力を大きくすることができる。
図7は、固定シャフト110の径変化部111の効果を説明する図である。
図7(a)は、フリクションカラー120のフィン122が径変化部111の大径部(半径R大)と当接した状態を示している。
このように、フィン122が大径部と当接している場合、フィン122が圧縮されてフィン122の突端面部と固定シャフト110との接触面圧が高くなるため、フリクションカラー120が発生する摩擦力は大きくなり、チョークバルブ13は比較的低速で作動する。
図7(a)は、フリクションカラー120のフィン122が径変化部111の大径部(半径R大)と当接した状態を示している。
このように、フィン122が大径部と当接している場合、フィン122が圧縮されてフィン122の突端面部と固定シャフト110との接触面圧が高くなるため、フリクションカラー120が発生する摩擦力は大きくなり、チョークバルブ13は比較的低速で作動する。
図7(b)は、フリクションカラー120のフィン122が径変化部111の小径部(半径R小)と当接した状態を示している。
このように、フィン122が小径部と当接している場合、フィン122の突端面部と固定シャフト110との接触面圧が、大径部と当接している場合に対して相対的に低くなるため、フリクションカラー120が発生する摩擦力は小さくなり、チョークバルブ13は比較的高速で作動する。
このように、フィン122が小径部と当接している場合、フィン122の突端面部と固定シャフト110との接触面圧が、大径部と当接している場合に対して相対的に低くなるため、フリクションカラー120が発生する摩擦力は小さくなり、チョークバルブ13は比較的高速で作動する。
本実施例においては、チョークバルブ13が全閉状態から全開状態へ推移する際に、フィン122と当接する箇所の外径が連続的に減少するようにし、エンジン始動直後においてはチョークバルブ13の作動を遅くし、暖気運転終了時にはチョークバルブ13の作動を速めるようにしている。
なお、スプリングの特性上、チョークバルブ13が全閉から全開に推移する際には付勢力が徐々に小さくなり、仮に摩擦力が一定である場合には、作動後半に作動が遅くなってしまうが、このように径変化を設けることによって、チョークバルブ13の戻り速度を任意に設定することが可能である。
また、フリクションカラー120は、温度上昇に応じて硬度が低下することによって、フィン122の剛性が低下し、固定シャフト110との当接面部の面圧が低くなる。
このため、高温時においては、低温時よりも抗力が小さくなり、その結果、チョークバルブの開動作に要する時間も短くなる。
一例として、チョークバルブ13の全閉から全開までに要する時間は、冬季において60〜90秒、夏季において5〜10秒程度となるように設定される。
なお、スプリングの特性上、チョークバルブ13が全閉から全開に推移する際には付勢力が徐々に小さくなり、仮に摩擦力が一定である場合には、作動後半に作動が遅くなってしまうが、このように径変化を設けることによって、チョークバルブ13の戻り速度を任意に設定することが可能である。
また、フリクションカラー120は、温度上昇に応じて硬度が低下することによって、フィン122の剛性が低下し、固定シャフト110との当接面部の面圧が低くなる。
このため、高温時においては、低温時よりも抗力が小さくなり、その結果、チョークバルブの開動作に要する時間も短くなる。
一例として、チョークバルブ13の全閉から全開までに要する時間は、冬季において60〜90秒、夏季において5〜10秒程度となるように設定される。
次に、本実施例のチョーク装置における動作について説明する。
このチョーク装置は、エンジンの始動時に自動的にチョークバルブを閉じ、その後所定の時間経過後に自動的にチョークバルブを開くオートチョークとして機能する。
以下、エンジン始動前から運転終了までの各段階における状態について、順次説明する。
このチョーク装置は、エンジンの始動時に自動的にチョークバルブを閉じ、その後所定の時間経過後に自動的にチョークバルブを開くオートチョークとして機能する。
以下、エンジン始動前から運転終了までの各段階における状態について、順次説明する。
<エンジン始動前>
図1に示すエンジン始動前の状態においては、リコイルキャッチャ30は、リコイルリール23の巻き戻し力によって、ロックアダプタ40を介してリコイルノブ22に取り付けられた状態で、ロープガイド25の端部に押し当てられた状態となっている。
このとき、キャッチャリンク50及びチョークレバー60は、揺動可能範囲のうちチョークバルブ13が全開となる側の端に位置している。
このとき、リコイルキャッチャ30の揺動角規制突起33は、一方の揺動角規制爪53に当接し、揺動が規制された状態となっている。
図1に示すエンジン始動前の状態においては、リコイルキャッチャ30は、リコイルリール23の巻き戻し力によって、ロックアダプタ40を介してリコイルノブ22に取り付けられた状態で、ロープガイド25の端部に押し当てられた状態となっている。
このとき、キャッチャリンク50及びチョークレバー60は、揺動可能範囲のうちチョークバルブ13が全開となる側の端に位置している。
このとき、リコイルキャッチャ30の揺動角規制突起33は、一方の揺動角規制爪53に当接し、揺動が規制された状態となっている。
<エンジン始動開始>
図2に示すエンジン始動開始時の状態においては、ユーザがリコイルノブ22を引くことによってリコイルロープ21の引き出しが開始されている。
このとき、リコイルキャッチャ30は、リコイルノブ22とともにリコイルロープ21の牽引方向に移動するとともに、キャッチャリンク50を軸支部51回りに、図2における反時計回りに回動させる。
キャッチャリンク50の回動により、リンクロッド70が引かれてチョークレバー60は、チョークバルブ13を閉じる方向(図2においては時計回り)に回動し、チョークバルブ13を全閉とする。
これらの動作に伴い、リコイルキャッチャ30は、キャッチャリンク50に対して時計回りに回動し、揺動角規制突起33は図1とは反対側の揺動角規制爪53に当接し、それ以上の揺動が規制される。
図2に示すエンジン始動開始時の状態においては、ユーザがリコイルノブ22を引くことによってリコイルロープ21の引き出しが開始されている。
このとき、リコイルキャッチャ30は、リコイルノブ22とともにリコイルロープ21の牽引方向に移動するとともに、キャッチャリンク50を軸支部51回りに、図2における反時計回りに回動させる。
キャッチャリンク50の回動により、リンクロッド70が引かれてチョークレバー60は、チョークバルブ13を閉じる方向(図2においては時計回り)に回動し、チョークバルブ13を全閉とする。
これらの動作に伴い、リコイルキャッチャ30は、キャッチャリンク50に対して時計回りに回動し、揺動角規制突起33は図1とは反対側の揺動角規制爪53に当接し、それ以上の揺動が規制される。
<エンジン始動中>
図3に示すエンジン始動中の状態においては、ユーザが図2の状態よりもさらにリコイルノブ22を引いている。
リコイルキャッチャ30は、キャッチャリンク50に接続されているため、リコイルノブ22の牽引ストロークが大きくなると追従は不可能であり、ロックアダプタ40が筒状部31から引き抜かれることによって、リコイルキャッチャ30はリコイルノブ22から分離する。
このとき、ロープガイド25から繰り出されるリコイルロープ21は、筒状部31の内部を通過する。
図3に示すエンジン始動中の状態においては、ユーザが図2の状態よりもさらにリコイルノブ22を引いている。
リコイルキャッチャ30は、キャッチャリンク50に接続されているため、リコイルノブ22の牽引ストロークが大きくなると追従は不可能であり、ロックアダプタ40が筒状部31から引き抜かれることによって、リコイルキャッチャ30はリコイルノブ22から分離する。
このとき、ロープガイド25から繰り出されるリコイルロープ21は、筒状部31の内部を通過する。
<運転開始時>
図4に示す運転開始時の状態においては、エンジンが始動しユーザがリコイルノブ22から手を離すことによって、リコイルロープ21はリコイルリール23のバネ力によって巻き戻されている。
バネ力によってロープガイド25側へ引き戻されてきたリコイルノブ22は、ロックアダプタ40がリコイルキャッチャ30の筒状部31に押し込まれることによって、再びリコイルキャッチャ30と結合される。
その後、リコイルリール23のバネ力によって、リコイルキャッチャ30が付勢されることによって、リコイルキャッチャ30はロープガイド25側へ移動を開始するが、上述したフリクションカラー120がキャッチャリンク50の軸支部に設けられていることによって、リコイルキャッチャ30は、ロープガイド25に当接する位置(図1に示す初期位置)まで、所定の時間をかけて緩徐に移動する。
キャッチャリンク50及びチョークレバー60は、このリコイルキャッチャ30の移動と連動して、チョークバルブ13を開く方向への回動を開始する。
図4に示す運転開始時の状態においては、エンジンが始動しユーザがリコイルノブ22から手を離すことによって、リコイルロープ21はリコイルリール23のバネ力によって巻き戻されている。
バネ力によってロープガイド25側へ引き戻されてきたリコイルノブ22は、ロックアダプタ40がリコイルキャッチャ30の筒状部31に押し込まれることによって、再びリコイルキャッチャ30と結合される。
その後、リコイルリール23のバネ力によって、リコイルキャッチャ30が付勢されることによって、リコイルキャッチャ30はロープガイド25側へ移動を開始するが、上述したフリクションカラー120がキャッチャリンク50の軸支部に設けられていることによって、リコイルキャッチャ30は、ロープガイド25に当接する位置(図1に示す初期位置)まで、所定の時間をかけて緩徐に移動する。
キャッチャリンク50及びチョークレバー60は、このリコイルキャッチャ30の移動と連動して、チョークバルブ13を開く方向への回動を開始する。
<通常運転時>
図5に示す通常運転時の状態においては、リコイルキャッチャ30はリコイルリール23のバネ力によってロープガイド25と当接する位置まで移動を完了しており、これと連動してキャッチャリンク50及びチョークレバー60も図1と同様のチョークバルブ13を全開とする位置に復帰している。
図5に示す通常運転時の状態においては、リコイルキャッチャ30はリコイルリール23のバネ力によってロープガイド25と当接する位置まで移動を完了しており、これと連動してキャッチャリンク50及びチョークレバー60も図1と同様のチョークバルブ13を全開とする位置に復帰している。
以上説明したように、本実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ユーザがリコイルロープを引く力を利用してリコイルキャッチャ30、キャッチャリンク50、チョークレバー60を連動させてチョークバルブ13を閉じることによって、比較的安価な部品からなる簡単な構成により、エンジンの始動時にチョークバルブ13を自動的に閉状態とすることができる。
また、このような機構はブロワハウジング内及びその周辺に配置することが可能であり、シリンダヘッド周辺にスペースを確保する必要がない。
(2)チョークバルブ13が全閉となった後、リコイルリール23がリコイルロープ21を巻き戻すバネ力を利用してチョークバルブ13が開状態へ推移する構成としたことによって、暖気運転終了時にチョークバルブ13を自動的に開状態とすることができる。
(3)フリクションカラー120によって固定シャフト110との相対回動時に摩擦力を発生させ、キャッチャリンク50の回動を緩徐とすることによって、チョークバルブ13が全開状態に復帰するまでの時間を遅延させ、チョークバルブ13を適切に作動させることができる。
(4)フリクションカラー120は、チョークバルブ13を開く方向の抗力に対して閉じる方向の抗力が小さいため、比較的小さい動力によってチョークバルブ13の閉動作を行わせることができる。
(5)固定シャフト110に外径が連続的に変化する径変化部111を設けたことによって、チョークバルブ13の回動速度をその位置に応じて変化させることが可能となり、暖気運転中にはチョークバルブ13を緩徐に回動させ、暖気終了時にはチョークバルブ13を速やかに全開状態とすることができる。
(6)フリクションカラー120を、温度上昇に応じて硬度が低下する材質で形成したことによって、暖気運転時間が短くてもよい高温時においてはフリクションカラー120が発生する抗力を小さくし、チョークバルブ13の開状態への推移を早めることができる。
(7)キャブレタ10自体は本発明のチョーク装置を適用していない既存のエンジンと同じものを利用可能であるため、既存機種に後付けで適用することが容易である。
(1)ユーザがリコイルロープを引く力を利用してリコイルキャッチャ30、キャッチャリンク50、チョークレバー60を連動させてチョークバルブ13を閉じることによって、比較的安価な部品からなる簡単な構成により、エンジンの始動時にチョークバルブ13を自動的に閉状態とすることができる。
また、このような機構はブロワハウジング内及びその周辺に配置することが可能であり、シリンダヘッド周辺にスペースを確保する必要がない。
(2)チョークバルブ13が全閉となった後、リコイルリール23がリコイルロープ21を巻き戻すバネ力を利用してチョークバルブ13が開状態へ推移する構成としたことによって、暖気運転終了時にチョークバルブ13を自動的に開状態とすることができる。
(3)フリクションカラー120によって固定シャフト110との相対回動時に摩擦力を発生させ、キャッチャリンク50の回動を緩徐とすることによって、チョークバルブ13が全開状態に復帰するまでの時間を遅延させ、チョークバルブ13を適切に作動させることができる。
(4)フリクションカラー120は、チョークバルブ13を開く方向の抗力に対して閉じる方向の抗力が小さいため、比較的小さい動力によってチョークバルブ13の閉動作を行わせることができる。
(5)固定シャフト110に外径が連続的に変化する径変化部111を設けたことによって、チョークバルブ13の回動速度をその位置に応じて変化させることが可能となり、暖気運転中にはチョークバルブ13を緩徐に回動させ、暖気終了時にはチョークバルブ13を速やかに全開状態とすることができる。
(6)フリクションカラー120を、温度上昇に応じて硬度が低下する材質で形成したことによって、暖気運転時間が短くてもよい高温時においてはフリクションカラー120が発生する抗力を小さくし、チョークバルブ13の開状態への推移を早めることができる。
(7)キャブレタ10自体は本発明のチョーク装置を適用していない既存のエンジンと同じものを利用可能であるため、既存機種に後付けで適用することが容易である。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)チョーク装置を構成する各構成部材の形状、構造、材質、配置等は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、リコイルロープの牽引力をチョークレバーに伝達する機構は、実施例の構成に限らず、適宜変更することが可能である。
また、実施例では、キャッチャリンクにフリクションカラーを設けてエンジン側に固定された固定シャフトを挿入しているが、キャブレタを新規設計する場合には、チョークバルブに固定されたチョークシャフトがキャブレタに固定されたフリクションカラーに挿入される構成としてもよい。
(2)実施例では、リコイルリールの巻き戻し力を利用してチョークバルブを開いているが、チョークバルブを開くために独立した付勢手段等を設けてもよい。
(3)実施例では、フリクションカラーを用いてチョークバルブが閉状態から開状態となる時期を遅延させているが、例えばオイルダンパ等の他の遅延手段を用いてもよい。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)チョーク装置を構成する各構成部材の形状、構造、材質、配置等は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、リコイルロープの牽引力をチョークレバーに伝達する機構は、実施例の構成に限らず、適宜変更することが可能である。
また、実施例では、キャッチャリンクにフリクションカラーを設けてエンジン側に固定された固定シャフトを挿入しているが、キャブレタを新規設計する場合には、チョークバルブに固定されたチョークシャフトがキャブレタに固定されたフリクションカラーに挿入される構成としてもよい。
(2)実施例では、リコイルリールの巻き戻し力を利用してチョークバルブを開いているが、チョークバルブを開くために独立した付勢手段等を設けてもよい。
(3)実施例では、フリクションカラーを用いてチョークバルブが閉状態から開状態となる時期を遅延させているが、例えばオイルダンパ等の他の遅延手段を用いてもよい。
10 キャブレタ 11 バレル部
12 ベンチュリ部 13 チョークバルブ
20 リコイルスタータ 21 リコイルロープ
22 リコイルノブ 23 リコイルリール
24 リコイルハウジング 25 ロープガイド
30 リコイルキャッチャ 31 筒状部
32 支持部 33 揺動角規制突起
40 ロックアダプタ 41 基部
42 ヒレ 50 キャッチャリンク
51 軸支部 52 リコイルキャッチャ支持部
53 揺動角規制爪 54 リンクロッド接続部
60 チョークレバー 61 リンクロッド接続部
70 リンクロッド
110 固定シャフト 111 径変化部
120 フリクションカラー 121 筒状部
122 フィン
12 ベンチュリ部 13 チョークバルブ
20 リコイルスタータ 21 リコイルロープ
22 リコイルノブ 23 リコイルリール
24 リコイルハウジング 25 ロープガイド
30 リコイルキャッチャ 31 筒状部
32 支持部 33 揺動角規制突起
40 ロックアダプタ 41 基部
42 ヒレ 50 キャッチャリンク
51 軸支部 52 リコイルキャッチャ支持部
53 揺動角規制爪 54 リンクロッド接続部
60 チョークレバー 61 リンクロッド接続部
70 リンクロッド
110 固定シャフト 111 径変化部
120 フリクションカラー 121 筒状部
122 フィン
Claims (7)
- エンジンの吸気流路に設けられ、開状態から閉状態へ推移することによって前記吸気流路の流路断面積を減少させるチョークバルブを有するチョーク装置であって、
前記エンジンを始動させるリコイルスタータを駆動するリコイルロープに固定された牽引部材と、
前記リコイルロープが挿入される筒状部を有し、前記牽引部材に着脱可能に取り付けられるとともに、前記リコイルロープの牽引ストローク初期には前記牽引部材とともに牽引方向へ移動し、牽引量の増加に応じて前記牽引部材から分離する牽引力伝達部材と、
前記牽引力伝達部材の前記牽引方向への移動と連動して前記チョークバルブを前記開状態から前記閉状態へ推移させるチョークバルブ駆動機構と、
前記チョークバルブを前記閉状態から前記開状態へ推移する方向に付勢する付勢手段と、
前記付勢手段による前記チョークバルブの前記閉状態から前記開状態への推移動作に対して抗力を発生し、前記開状態となる時期を遅延させるチョークバルブ開動作遅延手段と
を備えることを特徴とするチョーク装置。 - 前記チョークバルブ駆動機構は、前記エンジンに前記チョークバルブと連動して回動可能に取り付けられた回動部材を有し、
前記牽引力伝達部材は、前記回動部材に所定の角度範囲内で揺動可能に取り付けられること
を特徴とする請求項1に記載のチョーク装置。 - 前記牽引部材はユーザが前記リコイルロープの牽引時に把持する操作部であり、
前記牽引力伝達部材の前記筒状部は、弾性体を介して前記操作部に取り付けられること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチョーク装置。 - 前記付勢手段は、前記リコイルロープを巻き戻すものであること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のチョーク装置。 - 前記チョークバルブ開動作遅延手段は、
固定部材及び前記チョークバルブと連動して前記固定部材に対して回動する回動部材の一方に設けられた筒状部材と、
前記固定部材及び前記回動部材の他方に設けられ、前記筒状部材に挿入されるとともに前記回動部材の回転軸と実質的に同心に配置された軸状部材と、
前記筒状部材の内周面から内径側に突き出して形成され突端部が前記軸状部材の外周面と摺動可能に当接し、前記筒状部材の径方向に対して傾斜して配置された摩擦付与部材とを有し、
前記チョークバルブが前記開状態から前記閉状態へ推移する際に発生する抗力に対して、前記チョークバルブが前記閉状態から前記開状態へ推移する際に発生する抗力が大きいこと
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のチョーク装置。 - 前記軸状部材は、筒状部材に対する相対回動量に応じて、外周面部が前記摩擦付与部材と当接する箇所の外径が連続的に変化すること
を特徴とする請求項5に記載のチョーク装置。 - 前記摩擦付与部材は、温度の上昇とともに硬度が低下する材質によって形成されること
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のチョーク装置。
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