JP2013189390A - ピーリング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚が弱い対象においても安心して使用できるピーリング剤の提供。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C)を含有するピーリング剤:(A)カルボキシビニルポリマー;(B)カチオン性界面活性剤;及び(C)梅果汁の醗酵液、及び硫酸イオンを90%以上除去し得るナノフィルター(NF)膜で海洋深層水を処理し、得られた透過水を濃縮して得られる、Brixが30.0〜55.0、Mgイオン濃度が10,000〜100,000mg/L、Caイオン濃度が4,000〜40,000mg/L、及びSO4イオン濃度が0〜1,000mg/L、並びにCaイオン濃度:Mgイオン濃度=1:0.25〜1:4である、海洋深層水NF膜透過水濃縮物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ピーリング用の化粧料に関する。本発明は、化粧品の開発及び製造、並びに化粧品を用いた美容分野で有用である。
ピーリング用化粧料は、古くなった角質層に働きかけ、剥離を促すことにより、肌のくすみ、しみ、にきび跡や小じわ等を目立たなくする効果がある。ピーリングは、角質層の剥離を、吸着、擦り落とし(ゴマージュ)、削るなどの物理的な方法で行う物理的なピーリングと、角質層の剥離を促す薬剤を用いるケミカルピーリングとに大別できる。
ピーリング用化粧料として、様々なものが開発されてきている。例えば、特許文献1は、角質を穏やかに除去するピーリング基材について、さらに少なくともナノクラスター水及び有機ゲルマニウムを加えて均一に加温混和する、ピーリング化粧料を提案する。また、特許文献2は、(A)カルボキシビニルポリマー、0.1重量%〜5重量%、及び(B)カチオン性界面活性剤、0.1重量%〜15重量%を配合し、pHを1〜5に調整されている。ゴマージュ化粧料を提案する。さらに特許文献3は、(A)皮膜形成性水溶性高分子 0.5〜3質量%;(B)ポリスチレン末 1〜10質量%;(C)25℃において液状の油 0.5〜5質量%を配合することを特徴とするゴマージュ化粧料を提案する。
一方、本出願人は、天然物に由来する様々な物質の化粧品原料としての利用について検討してきた。例えば、古くから、食用以外に薬理作用が知られ、漢方薬などにも利用されてきた梅については、果汁を発酵させ、機能性を高めたものを開発した(特許文献4)。さらに、海洋深層水に関しては、その濃縮方法及び濃縮の程度によって、成分比及び成分量に差が生じることに鑑み、特定の方法で濃縮した海洋深層水にサイトカインの産生及び線維芽細胞の増殖を伴う細胞賦活作用を見いだしてきた(特許文献5)。
特開2007-31399 特開2007-119437 特開2007-262029 特開平7-173026(第2526362号) 特開2007-217356
従来の物理的ピーリングのための剤は、使用時に物理的な肌表面の摩擦作用や吸着作用を利用する。摩擦や吸着は、皮膚に対しては比較的負担が大きく、刺激が強い。特に皮膚の弱い欧米人は、物理的ピーリングの際に肌への刺激を感じる人が多かった。皮膚が弱い対象においても安心して使用できるピーリング剤があれば好ましい。
本発明者らは、従来のピーリングに関する問題点を改善するために、鋭意研究を行った結果、前掲特許文献2の成分(A)及び(B)に、さらに(C)梅果汁の醗酵液、及び海洋深層水NF膜透過水濃縮物を加えることによって皮膚刺激が少なく、皮膚に負担をかけないことを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する。
[1]次の成分(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴とする、ピーリング剤:
(A)カルボキシビニルポリマー;
(B)カチオン性界面活性剤;及び
(C)梅果汁の醗酵液、及び硫酸イオンを90%以上除去し得るナノフィルター(NF)膜で海洋深層水を処理し、得られた透過水を濃縮して得られる、Brixが30.0〜55.0、Mgイオン濃度が10,000〜100,000mg/L、Caイオン濃度が4,000〜40,000mg/L、及びSO4イオン濃度が0〜1,000mg/L、並びにCaイオン濃度:Mgイオン濃度 = 1:0.25〜1:4である、海洋深層水NF膜透過水濃縮物。
[2]成分(C)としてうめ果汁の発酵液を含み、前記醗酵液が滅菌した梅果汁に糖を添加し、酵母により醗酵をさせることによりアミノ酸を増量させた後に限外濾過処理により蛋白質を除去して得られるものである[1]記載のピーリング剤。
[3]前記滅菌の方法が、殺菌フィルター濾過法である、[2]記載のピーリング剤。
[4]前記添加糖が、蜂蜜である、[2]又は[3]記載のピーリング剤。
[5]前記限外濾過処理が、分子量5000以上をカットするものである、[2]〜[4]のいずれか一記載のピーリング剤。
[6]成分(B)のカチオン性界面活性剤として、ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウムの1種又は2種以上を含む、[6]に記載のピーリング剤。
本発明によるピーリング剤は、皮膚が比較的弱い対象においても、皮膚刺激が少なく、安心して使用することができる。
本発明の剤は、成分(A)カルボキシビニルポリマー(カルボマー、架橋型ポリアクリル酸)を含む。これは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの単純エステル1種以上と、アクリル酸アルキル(C10-30)から成る共重合体をショ糖のアリルエーテル又はペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋したもの。成分(A)の好ましい例は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマーである。
カルボマーは概して適当なアルカリ剤、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化物、アンモニア水やエタノールアミン等のアミン類、アルギニンやリジン等の塩基性アミノ酸等で中和することで良好なゲル状となる。
本発明のピーリング剤においては、成分(B)として、カルボマーの中和剤として中間的な分子の大きさを持つカチオン界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤の好ましい例は、炭素数14〜22のハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウム、炭素数14〜22のアルキル基を有するハロゲン化モノアルキルトリメチルアンモニウムである。
これらのカチオン性界面活性剤のうちまず第4級アンモニウムの臭化物としては、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジセチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。また第4級アンモニウムの塩化物としては、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウム及び塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。これらの製品としては多くのメーカーが各種タイプを取り揃えているので入手が容易である。
本発明における成分(A)の配合量は、概して0.1重量%〜5重量%が良好で、0.5重量%〜3重量%がより好ましい。0.1重量%未満であると皮膜形成能が低く、また5重量%を超えるとゲル及び生成皮膜の粘性が高くなりすぎて扱いにくいので好ましくない。
また成分(B)の配合量は、理論的には成分(A)とほぼ同じ当量にすれば良い。ただし、成分(A)の構造や重合度、側鎖のカルボン酸の数量などを考慮してもよく、炭素数12〜24のアルキル基を有するハロゲン化モノアルキルトリメチルアンモニウム又はハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウムの場合、成分(A):成分(B)の重量比が1:1〜1:3、即ち0.1重量%〜15重量%が好ましい。1:1未満であるとフリーな成分(A)が多いので良好なゲルが得られず、所望の時間内に固化しない。1:3を超えると、フリーのカチオン性界面活性剤が増えて硬くなりすぎ、また安定性が悪くなる。
本発明のピーリング剤の特徴の一つは、(C)成分として、梅果汁の醗酵液、及び硫酸イオンを90%以上除去し得るナノフィルター(NF)膜で海洋深層水を処理し、得られた透過水を濃縮して得られる、Brixが30.0〜55.0、Mgイオン濃度が10,000〜100,000mg/L、Caイオン濃度が4,000〜40,000mg/L、及びSO4イオン濃度が0〜1,000mg/L、並びにCaイオン濃度:Mgイオン濃度 = 1:0.25〜1:4である、海洋深層水NF膜透過水濃縮物を用いている点である。
本発明に用いることのできる梅果汁の発酵液は、殺菌フィルター濾過法を用いて滅菌した梅果汁に蜂蜜から成る糖を添加し、これを酵母により醗酵をさせてアミノ酸を増量させた後に限外濾過処理にて分子量5000以上をカットすることにより蛋白質を除去して得られる。調整のためには、前掲特許文献4を参照することができる。より詳細には、下記のとおりである:
梅果実、好ましくは適熟期前の肉質の硬い未熟な梅の果実を採取し、果実から種を取り除いた果肉部分を圧搾して梅果汁を採り、これに必要に応じ糖質を1〜10%加えて、発酵培地となる梅果汁を得る。得られた梅果汁を適切な方法で殺菌した後、
準備した酵母を添加し、発酵上有効な温度において、発酵上有効な期間を経て、梅果汁発酵液を得る。発酵液から適切な方法で菌体と、分子量5000以上の画分を除去する。
本発明に用いる梅果汁発酵液の特徴の一つは、未醗酵梅果汁に比べて総アミノ酸量が著しくましていることである。特に、必須アミノ酸である、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、メチオニン、スレオニン、トリプトファン、バリンの8種類が包含されうる。
梅果汁を酵母により醗酵をさせることにより、アミノ酸を増量させているので、本発明のピーリング剤においては、剤の性質をさらに向上させ、従来得られなかった優れた効果を発揮することができる。また限外濾過処理にて分子量5000以上をカットしているので、肌に対するかぶれなどの恐れがない。
梅果汁発酵液は、アミノ酸以外にも、ビタミン、ミネラル及び糖類が含まれうる。本発明者らの検討によると、梅果汁発酵液は、豊富なアミノ酸源としてのみならず、メイラード反応抑制効果、DPPHラジカル消去効果、B16メラノーマ細胞メラニン産生抑制作用を有することが見出されている。またピーリング剤の原料として用いた場合に、皮膚刺激を少なくする点でも貢献しうる。
本発明における梅果汁発酵液の配合量は、概して0.1重量%〜5重量%が良好で、0.5重量%〜3重量%がより好ましい。0.1重量%未満であると皮膜形成能が低く、また5重量%を超えるとゲル及び生成皮膜の粘性が高くなりすぎて扱いにくいので好ましくない。
本発明に用いることのできるNF透過水濃縮物は、海洋深層水由来であって、Brixが30.0〜55.0、好ましくは40.0〜50.0、Mgイオン濃度が10,000〜100,000mg/L、好ましくは12,000〜80,000mg/L、より好ましくは40,000〜80,000mg/L、さらにより好ましくは45,000〜75,000mg/L、Caイオン濃度が4,000〜40,000mg/L、好ましくは4,800〜35,000mg/L、より好ましくは20,000〜33,000mg/L、さらにより好ましくは23,000〜30,000mg/L、及びSO4イオン濃度が0〜1,000mg/L、好ましくは600mg/L以下、より好ましくは300mg/L以下、さらにより好ましくは100mg/L以下であり、Caイオン濃度:Mgイオン濃度 = 1:0.25〜1:4、好ましくは1:1〜1:3.5、より好ましくは1:2〜1:3、更に特定すれば1:2.5である。
本発明に用いることのできるNF透過水濃縮物の製造方法は、前掲特許文献5を参照することができる。より詳細には、下記のとおりである:
採取海洋深層水を、ナノフィルター膜を備えた装置を用いて処理し、NF膜透過水を得る。得られたNF膜透過水を、必要であれば減圧下で、濃縮し、固液分離して液体(水溶液)を得、さらに得られた液体を同様に濃縮し、固液分離して、液体(水溶液)を得る。この操作を1〜3回繰り返し、約14倍〜約50倍のNF膜透過水濃縮物を得る。濃縮物においては、Na、K、Mg及びCaイオンが、適切な比で含まれうる。
このような海洋深層水の濃縮物は、皮膚細胞を賦活することができ、好ましくはサイトカイン産生を促進することにより皮膚細胞を賦活することができ、より好ましくはVEGF及び/若しくはKGF産生を促進することにより皮膚細胞を賦活することができ、並びに/又は線維芽細胞の増殖を促進することにより皮膚細胞を賦活することができる。
本発明における海洋深層水NF透過水濃縮物の配合量は、概して0.0005重量%〜0.5重量%が良好で、0.001重量%〜0.01重量%がより好ましい。
本発明のピーリング剤には、上記の成分のほか、化粧品として許容される他の機能性成分を含んでもよい。このような例として、角質水分量増加、経表皮水分損失抑制、皮膜形成及び/又はメラニン生成抑制(B16メラノーマメラニン生成抑制)効果があるといわれる海藻抽出物を挙げることができる。海藻抽出物の好ましい例は、褐藻(Phaeophyta 、brown algae)抽出物、紅藻(Rhodophyta 、red algae)抽出物、及び緑藻(Chlorophyta 、green algae)又はこれらのいずれかの混合物からなる群から選択されるものである。海藻抽出物の調製には、当業者であれば、特開2001-302492、特開2001-302491、特開2001-181167、特開2001-139419を参考にすることができる。また海藻抽出物として、化粧品原料として許容される市販の海藻抽出物を用いてもよい。海藻抽出物を用いる場合、その配合量は、概して0.00000005重量%〜0.0005重量%が良好で、0.0000001重量%〜0.0001重量%がより好ましい。
本発明のピーリング剤には、上記の成分のほか、目的の効果が損なわれない範囲で、化粧品として許容される他の添加剤を含んでもよい。このような例として、溶剤(例えば、精製水)、油剤、界面活性剤、保湿剤、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン、パラベン))、増粘剤、着色剤、着香剤、抗炎症剤、血行促進剤、細胞賦活剤、美白剤、角質軟化剤、収斂剤等が挙げられる。このうち、保湿剤は、本発明のピーリング剤に添加するのに特に好ましい成分である。特に、1,3−ブチレングリコール(BG)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びグリセリン等の多価アルコールは、皮膜の柔軟性を維持することができる点でも好ましい。
本発明のピーリング剤は、次のように使用することができる。洗顔後、肌の水気をよく拭きとってから、適量(1〜2ml)を乾いた手の平にとり、顔に塗布する。次いで、軽くマッサージをしながらくるくると手でなじませていく。ポロポロとジェルが固まり始め、水気が無くなるまで、適度なマッサージを続ける。残ったジェルやカスを水で洗い流す。目の周り使用は、通常のピーリング剤と同様に、避けたほうがよい場合がある。使用後は、残った剤を洗い流し、化粧水やクリーム等で、平常どおりのスキンケアを施すことができる。
本発明のピーリング剤は、通常のピーリング剤と同様、肌のコンディションに合わせて、週に1〜2回を目安に、使用することができる。例えば1週間に一度の使用が推奨される。
本発明のピーリング剤は、通常の化粧料と同様に、湿度の高い所、極端に高温の場所、及び直射日光のあたる場所での保管を避けるとよい。適切に保管されていれば、3年程度は安定である。
使用時に物理的な肌表面の摩擦作用や吸着作用を利用する従来のピーリング剤は、皮膚の負担が比較的大きいが、本発明のピーリング剤は、ピーリングのための成分と梅果汁発酵液及び海洋深層水NF透過水濃縮物との相乗効果により、ピーリング残渣(澱、残渣、残滓、カス等ということもある。)が生じ易い。そのためピーリングの際の肌への刺激が軽減されており、皮膚が弱い対象や皮膚への刺激を避けたい対象においても安心して使用できる。このような対象には、体表の色素が比較的少ない人種(例えば、コーカソイド、いわゆる欧米人)、乾燥、生活習慣、気候の急激な変動等により比較的敏感になった肌の人が含まれる。
[梅果汁発酵液の調製]
紀州産の新鮮で、緑色を呈した適熟期前の肉質の硬い未熟な梅の果実を採取し、果実から種を取り除いた果肉部分を圧搾して梅果汁を採り、これに添加糖としての蜂蜜を5%加えて培地となる梅果汁を作った。この後の工程はすベて無菌的に行う必要があるので、まず、この梅果汁を、殺菌フィルター濾過法により滅菌した。殺菌フィルター濾過法はつぎのように行った。まず、梅果汁に5%の蜂蜜を添加した後、濾紙にて濾過し、梅果汁中の沈澱物を除き、その後にオートクレーブにより殺菌済の0.45マイクロメートルのフィルターで濾過し、梅果汁中の菌体を除くことにより滅菌梅果汁を作成した。
つぎに、梅果汁の醗酵を行うに際しては、事前にGYP培地(グルコース1%、酵母エキス0.5%、ポリペプトン0.5%)を用いて酵母を培養して菌体を増やしておき、その後に酵母の菌体を滅菌果汁培地に加えて、約30℃の恒温器内で酵母菌を培養した。なお、これらの操作もすべて無菌的に行った。
このようにして酵母を培養させた梅果汁は、濾紙と0.45のフィルターで濾過し、菌体を取り除いた後、限外濾過器を用いて分子量5000以上を取り除くことにより、肌に対してかぶれなどの原因となるタンパク質を除いた。この梅果汁の醗酵液は、未醗酵梅果汁に比べて総アミノ酸量が著しく多くなった。アミノ酸総量は、発酵液100g当たり、約55mgであった。代表的なアミノ酸の発酵液100g当たりの量は、アルギニン約7mg、リジン約5mg、ヒスチジン約1mg、フエニルアラニン約2mg、チロシン約1mg、ロイシン約3mg、イソロイシン約2mg、メチオニン約1mg、バリン約2mg、アラニン約3mg、グリシン約4mg、プロリン約3mg、グルタミン酸約14mg、セリン約2mg、スレオニン約3mg、トリプトファン約1mg、シスチン約1mgであった。
[NF透過水濃縮物の調製]
鹿児島県与論島太平洋側沖5〜6kmの海上から船上に設置したポンプにて、約500mの深さの部分の海水を採取した。これを、ナノフィルター膜(東レ社製、ROMEMBRA SU-610、膜材質:架橋全芳香族ポリアミド系複合膜、エレメント形式:スパイラル型、海水試験前NaCl標準性能(500ppm、3.5kg/cm2):脱塩率52.7%及び造水量4.9t/日)(給水圧力0.35MPa、給水温度25℃、給水濃度500mg/L(NaCl)、濃縮水量20L/分でのNa2SO4除去率99.6%、MgSO4除去率99.2%)を備えた装置(水道機工株式会社製、処理能力(25℃、24時間運転/日、12kg/cm2):原水18m3/日から透過水3m3/日及び濃縮水15m3/日を生産)を用いて24時間処理し(25℃、12kg/cm2)、18m3の海洋深層水原水からNF膜透過水3m3及びNF膜濃縮水15m3を得た。
海洋深層水原水、NF膜透過水及びNF膜濃縮水の主要成分組成下表に示す。
Figure 2013189390
得られたNF膜透過水を、ロータリーエバポレーター(東京理化器械株式会社製)を用いた減圧濃縮(50〜60℃、10〜50mmHg)により濃縮し、濾過にて固液分離して液体(水溶液)を得た。さらに得られた液体を同様に減圧濃縮し、濾過にて固液分離して液体(水溶液)を得た。この操作を1〜3回繰り返し、14倍、30倍、41倍、50倍に濃縮したNF膜透過水濃縮物(水溶液)を得た。濃縮前の全体量を14分の1にしたものが、14倍濃縮物である。濃縮前のNF膜透過水及び濃縮後の各種濃度のNF膜透過水濃縮物中のNa、K、Mg及びCaイオンの含有量並びに屈折率を下表に示す。
Figure 2013189390
なお、屈折率の測定は、手持屈折計(ATAGO社製、Brix0〜30)を用いて25℃の条件で行った。各イオンの濃度は、イオン分析計(イオンクロマトグラフ法)を用いて測定した。
[ピーリング剤の調製]
下表の配合で、ピーリング剤を調製した。
Figure 2013189390
ピーリング剤は、次のようにして調製した。
1.水の一部と(A)を攪拌し、膨潤させる。
2.加温した残りの水に1を加え攪拌する。
3.2にdを加える。実施例のみさらに(C)を加える
4.3に加温溶解した(B)およびeを加えて攪拌し、ピーリング剤を得た
[ピーリング剤に関する官能試験]
調製された化粧品の官能試験をパネラー5名(20代〜50代の女性)によって実施した。
比較例(ブランク)と実施例(海塩 、海水、ウメ果汁発酵液を配合)を半顔ずつ評価した。
ピーリング剤は、次のように使用した。
1.洗顔後、肌の水気をよく拭きとってから、適量(1〜2ml)を乾いた手の平にとり、顔に塗布する。
2.軽くマッサージをしながらくるくると手でなじませていく。
3.ポロポロとジェルが固まり始め、水気が無くなるまでマッサージを続ける。
4.残ったジェルやカスを水で洗い流す。
比較例と比べた結果を以下の基準にて判定した。
Figure 2013189390
5名が回答した、内訳を以下に示した。
Figure 2013189390
実施例では、「カスの出方」に大きな改善が見られた。カスの出が遅く、固まるのが遅いと、マッサージをやり過ぎてしまい、肌に負担をかける。そのため実施例のほうが、皮膚刺激がすくなく、安心して使用することができると言える。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴とする、ピーリング剤:
    (A)カルボキシビニルポリマー;
    (B)カチオン性界面活性剤;及び
    (C)梅果汁の醗酵液、及び硫酸イオンを90%以上除去し得るナノフィルター(NF)膜で海洋深層水を処理し、得られた透過水を濃縮して得られる、Brixが30.0〜55.0、Mgイオン濃度が10,000〜100,000mg/L、Caイオン濃度が4,000〜40,000mg/L、及びSO4イオン濃度が0〜1,000mg/L、並びにCaイオン濃度:Mgイオン濃度 = 1:0.25〜1:4である、海洋深層水NF膜透過水濃縮物。
  2. 成分(C)としてうめ果汁の発酵液を含み、前記醗酵液が滅菌した梅果汁に糖を添加し、酵母により醗酵をさせることによりアミノ酸を増量させた後に限外濾過処理により蛋白質を除去して得られるものである請求項1記載のピーリング剤。
  3. 前記滅菌の方法が、殺菌フィルター濾過法である、請求項2記載のピーリング剤。
  4. 前記添加糖が、蜂蜜である、請求項2又は3記載のピーリング剤。
  5. 前記限外濾過処理が、分子量5000以上をカットするものである、請求項2〜4のいずれか1項記載のピーリング剤。
  6. 成分(B)のカチオン性界面活性剤として、ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウムの1種又は2種以上を含む、請求項6に記載のピーリング剤。
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