JP2013188150A - 分離膜モジュールの蒸気滅菌方法、連続発酵による化学品の製造方法、分離膜モジュールの滅菌用装置および膜分離型連続発酵装置 - Google Patents

分離膜モジュールの蒸気滅菌方法、連続発酵による化学品の製造方法、分離膜モジュールの滅菌用装置および膜分離型連続発酵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短い時間で、確実に分離膜モジュールを滅菌する滅菌方法、連続発酵による化学品の製造方法、分離膜モジュールの滅菌用装置および膜分離型連続発酵装置を提供する。
【解決手段】本発明の分離膜モジュールの滅菌方法は、温水を供給して予熱する予熱工程(ステップS1)と、前記分離膜モジュール内の温水を排出する排出工程(ステップS2)と、前記分離膜モジュールに蒸気を供給して、所定の滅菌温度で所定時間滅菌する滅菌工程(ステップS3および4)と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、発酵液等に含まれる化学品を得るために、発酵液から微生物を濾過する場合などに使用する分離膜モジュールの滅菌方法、連続発酵による化学品の製造方法、分離膜モジュールの滅菌用装置および膜分離型連続発酵装置に関するものである。
微生物や培養細胞の培養を伴う物質生産方法である発酵法は、大きく(1)回分発酵法(Batch発酵法)および流加発酵法(Fed−Batch発酵法)と、(2)連続発酵法とに分類することができる。
上記(1)の回分発酵法および流加発酵法は、設備的には簡素であり、短時間で培養が終了し雑菌汚染による被害が少ないという利点がある。しかしながら、時間経過と共に発酵培養液中の化学品濃度が高くなり、浸透圧あるいは化学品阻害等の影響により生産性および収率が低下してくる。そのため、長時間にわたり安定して高収率かつ高生産性を維持することが困難である。
また、上記(2)の連続発酵法は、発酵槽内で目的化学品が高濃度に蓄積することを回避することによって、長時間にわたって高収率かつ高生産性を維持できるという特徴がある。この連続発酵法については、L−グルタミン酸やL−リジンの発酵についての連続培養法が開示されている(非特許文献1参照)。しかしながら、この例では、発酵培養液に原料の連続的な供給を行うと共に、微生物や培養細胞を含んだ発酵培養液を抜き出すために、発酵培養液中の微生物や培養細胞が希釈されることから、生産効率の向上は限定されたものであった。
そこで、連続発酵法において、微生物や培養細胞を分離膜で濾過し、濾液から化学品を回収すると同時に濃縮液中の微生物や培養細胞を発酵培養液に保持または還流させることにより、発酵培養液中の微生物や培養細胞濃度を高く維持する方法が提案されている。例えば、分離膜として有機高分子からなる平膜を用いた連続発酵装置において、連続発酵する技術が提案されている(特許文献1参照)。
この様な連続発酵では、雑菌混入(コンタミネーション)を防いだ状態で純粋培養を行うことが好ましい。発酵培養液を濾過する際に分離膜モジュール等から雑菌が混入すると、発酵効率の低下、発酵槽内での発泡等により化学品の製造が効率的に行えなくなる。そのため、雑菌混入を防ぐために、発酵前に発酵槽や周辺設備、そして分離膜を滅菌する必要がある。
滅菌の方法としては、火炎滅菌、乾熱滅菌、煮沸滅菌、蒸気滅菌、紫外線滅菌、ガンマ線滅菌、ガス滅菌等の方法が挙げられるが、分離膜孔中の水分が無くなり、分離膜が乾燥してしまうと分離機能がなくなってしまうことに留意する必要がある。薬剤で殺菌する方法もあるが、殺菌後の薬剤の処理または分離膜モジュールへの薬剤の残留の問題がある。さらに薬剤耐性のある微生物が残る懸念がある。
また、分離膜の形状は、平膜、中空糸膜、スパイラル式などの形状のものがあり、中空糸膜モジュールであれば、外圧式、内圧式がある。特に中空糸膜モジュールは単位装置あたりの膜面積が大きく、工業的にも有用な構造と考えられるが、構造としては複雑なものである。
複雑な構造の分離膜を乾燥させずに滅菌するには、分離膜モジュール内に所定温度の水蒸気を供給して滅菌する蒸気滅菌(一般的には121℃、15分間から20分間)が適している。
この蒸気滅菌を生産スケールの発酵槽などの設備で行う場合、一般的には、発酵槽や周辺設備に、所定温度・圧力の蒸気、例えば125℃の飽和水蒸気を供給し、一般的な蒸気滅菌の温度である121℃まで各設備を昇温し、滅菌温度を所定時間保持して(20分以上)、蒸気滅菌を行っている。蒸気滅菌後、装置をそのまま冷却すると、蒸気が凝縮することにより装置内が負圧となり雑菌混入の懸念が生じる。
これに対して、半透膜モジュールの蒸気滅菌後、原水側から熱水を導入し、濾過装置内が負圧になることを防止する技術や(特許文献2参照)、膜モジュールの蒸気滅菌後、原水を常温のままで濾過処理時よりも低い線速度で通液してモジュールを冷却する技術が提案されている(特許文献3参照)。
また、蒸気滅菌後、原液側(1次側)である中空糸膜内側から空気を供給し、透過側(2次側)である中空糸膜の外側に空気の一部を膜透過させて、透過側の空間を満たした後、原液側より水を供給してモジュールの温度を下げる中空糸膜モジュールの蒸気滅菌方法が提案されている(特許文献4参照)。
特開2007−252367号公報 特開昭61−242605号公報 特開平8−164328号公報 特公平8−4726号公報
Toshihiko Hirao et al., Appl. Microbiol. Biotechnol.,32,269−273(1989)
分離膜中の水分を損なうことなく滅菌可能な蒸気滅菌方法は、スパイラルや中空糸膜等の複雑な形状を有する分離膜モジュールにおいて、適した滅菌方法であり、上記した種々の技術が提案されている。
ところで、発酵槽や周辺配管などを蒸気滅菌する場合、蒸気の供給温度は、最も温度が上がりにくい場所でも、所定の蒸気滅菌の温度以上になるように設定される。また、蒸気の供給時間は、最も温度が上がりにくい場所が、所定の蒸気滅菌の温度以上に昇温してから、所定の蒸気滅菌の時間以上滅菌するように設定される。通常、保温などで放熱対策を講じるが、供給する蒸気の温度は121℃以上とされる。
しかしながら、蒸気の供給温度が高く、かつ供給時間が長くなると、高温の蒸気との長時間の接触により、分離膜モジュールの各部材が劣化する懸念がある。例えば、中空糸膜モジュールでは、中空糸膜とモジュール容器を固定するため、ウレタン系やエポキシ系のポッティング剤を使用している。このポッティング剤は、繰り返し行われる蒸気滅菌により劣化して、ポッティング剤と中空糸膜、またはポッティング剤とモジュール容器の剥離が発生する懸念がある。また、中空糸膜モジュールの場合、ポッティング剤としてウレタン系の樹脂を使用することがあるが、ウレタン樹脂は120℃を超えると劣化が進行し、一般的な蒸気滅菌の処理温度である121℃の蒸気と長時間接触した場合、ポッティング剤が劣化し、リークが発生する懸念がある。
さらに、蒸気は、圧力損失の少ない空間に流れやすいため、例えば中空糸膜が密に集まっているなど、分離膜が密になっている部分には、蒸気は流れにくい懸念がある。蒸気滅菌時は、飽和水蒸気圧で高温に保持するが、分離膜が密になっている部分は、主に伝熱で昇温していくため、蒸気滅菌条件まで昇温するのに多くの時間を要する。分離膜形状が密なものは、膜面積が大きくとれるメリットがある反面、蒸気滅菌時、蒸気の通気が十分行き渡らずに滅菌温度まで昇温できずに滅菌不良となるか、または確実に昇温、滅菌するには長時間を要するといった問題を有していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、短い時間で、確実に分離膜モジュールを滅菌する滅菌方法、連続発酵による化学品の製造方法、分離膜モジュールの滅菌用装置および膜分離型連続発酵装置を提供するものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分離膜モジュールの蒸気滅菌方法は、分離膜モジュール内に、温水を供給して予熱する予熱工程と、前記予熱工程で供給した前記分離膜モジュール内の温水を排出する排出工程と、前記排出工程後、前記分離膜モジュールに蒸気を供給して、所定の滅菌温度で所定時間滅菌する滅菌工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の分離膜モジュールの蒸気滅菌方法は、上記発明において、前記予熱工程は、供給する温水の温度を昇温させながら前記分離膜モジュールを予熱することを特徴とする。
また、本発明の分離膜モジュールの蒸気滅菌方法は、上記発明において、前記分離膜モジュールの分離膜は中空糸膜であることを特徴とする。
また、本発明の連続発酵による化学品の製造方法は、上記のいずれか一つに記載の蒸気滅菌方法により前記分離膜モジュールを滅菌する蒸気滅菌工程と、発酵原料を微生物の発酵培養により化学品を含有する発酵液へと変換する発酵工程と、該発酵液から前記分離膜モジュールにより濾過液として化学品を回収する膜分離工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の分離膜モジュールの滅菌用装置は、分離膜モジュールに蒸気を供給する蒸気供給手段と、温度が制御された温水を生成し、前記分離膜モジュールに供給する温水供給部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の膜分離型連続発酵装置は、発酵原料を微生物により発酵培養することにより、該発酵原料を、化学品を含有する発酵液に変換する発酵槽と、前記発酵液から化学品を分離する分離膜モジュールと、前記発酵槽から前記分離膜モジュールに発酵液を送液する発酵液循環手段と、温度が制御された温水を生成し、前記分離膜モジュールに供給する温水供給部と、前記発酵槽および前記分離膜モジュールに蒸気を供給する蒸気供給手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、分離膜モジュールに温水を供給して予熱することにより、分離膜モジュールが所定の滅菌温度まで昇温するのに要する時間を大幅に短縮できるため、ポッティング剤等の熱による劣化を抑制しながら、確実に滅菌処理をすることが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる分離膜モジュールの滅菌用装置の概略図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる滅菌処理を説明するフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかる分離膜モジュールの滅菌用装置の概略図である。 図4は、本発明の実施の形態1の変形例2にかかる分離膜モジュールの滅菌用装置の概略図である。 図5は、本発明の実施の形態2にかかる膜分離型連続発酵装置の概略図である。
以下に、本発明の実施の形態にかかる分離膜モジュールの滅菌方法、連続発酵による化学品の製造方法、分離膜モジュールの滅菌用装置および膜分離型連続発酵装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る分離膜モジュールの蒸気滅菌方法について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる分離膜モジュールの滅菌用装置の概略図である。滅菌用装置100は、分離膜モジュール2に温度を制御した温水を供給する温水供給部20と、分離膜モジュール2に水蒸気を供給する水蒸気供給部30と、を備える。
温水供給部20は、分離膜を備えた分離膜モジュール2の1次側の下部に予熱用の温水を供給して、分離膜モジュール2を予熱する。温水供給部20は、温水供給ライン21および温水供給バルブ22を介して分離膜モジュール2に接続される。温水供給部20から分離膜モジュール2の1次側下部に供給された温水は、排出ライン25および排出バルブ31を介して分離膜モジュール2の系外に排出される。分離膜モジュール2に水を残さないことが望ましい場合は、予熱後、分離膜モジュール2で予熱水を濾過しても良い。
また、水蒸気供給部30は、水蒸気供給バルブ28および水蒸気供給ライン29を介して、分離膜モジュール2の1次側に接続される。水蒸気供給部30から分離膜モジュール2の1次側に供給された所定温度の水蒸気およびその凝縮水は、水蒸気排出ライン26および水蒸気排出バルブ27を介して分離膜モジュール2の系外に排出される。なお、以下、分離膜モジュール2内の、処理対象である原液と接する側を1次側と呼び、処理後の濾過液と接する側を2次側と呼ぶ。
また、分離膜モジュール2には、処理対象である原液を供給する、供給ライン23が1次側に接続されるとともに、分離膜で濾過された濾過液を排出・回収する濾過液排出ライン24が2次側に接続されている。供給ライン23および濾過液排出ライン24上には、供給バルブ17および濾過液排出バルブ13がそれぞれ配置されている。
分離膜モジュール2は、分離膜と該分離膜を収容する容器とを備える。本実施の形態1に使用される分離膜は、有機膜、無機膜を問わない。分離膜の洗浄に逆圧洗浄や薬液浸漬による洗浄などを行うため、分離膜は、これらに対する耐久性を有することが好ましい。分離膜の形状は、平膜、中空糸膜、スパイラル式などいずれの形状のものも採用することができる。中でも、中空糸膜モジュールが好ましく、中空糸膜モジュールであれば、外圧式、内圧式のいずれの形状のものも採用することができる。
本実施の形態1に使用される分離膜として、分離性能及び透水性能、さらには耐汚れ性の観点から、有機高分子化合物を好適に使用することができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、セルロース系樹脂およびセルローストリアセテート系樹脂などが挙げられ、これらの樹脂を主成分とする樹脂の混合物であってもよい。
溶液による製膜が容易で物理的耐久性や耐薬品性にも優れているポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂およびポリアクリロニトリル系樹脂が好ましく、ポリフッ化ビニリデン系樹脂またはそれを主成分とする樹脂が、化学的強度(特に耐薬品性)と物理的強度を併せ有する特徴をもつためより好ましく用いられる。
ここで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体が好ましく用いられる。さらに、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との共重合体を用いても構わない。フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよび三塩化フッ化エチレンなどが例示される。
実施の形態1に使用される分離膜の平均細孔径は、使用する目的や状況に応じて適宜決定することができるが、ある程度小さい方が好ましく、通常は0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。中空糸膜の平均細孔径が0.01μm未満であると、糖や蛋白質などの成分やその凝集体などの膜汚れ成分が細孔を閉塞して、安定運転ができなくなる。透水性能とのバランスを考慮した場合、好ましくは0.02μm以上であり、さらに好ましくは0.03μm以上である。また、1μmを超える場合、膜表面の平滑性と膜面の流れによる剪断力や、逆洗やエアースクラビングなどの物理洗浄による細孔からの汚れの成分の剥離が不十分となり、安定運転ができなくなる。
また、平均細孔径が微生物または培養細胞の大きさに近づくと、これらが直接細孔を塞いでしまう場合がある。さらに発酵液中の微生物または培養細胞の一部が死滅することにより細胞の破砕物が生成する場合があり、これらの破砕物によって細孔の閉塞を回避するために、平均細孔径は0.4μm以下が好ましく、0.2μm以下が好適である。
ここで、分離膜の平均細孔径は、倍率10,000倍以上の走査型電子顕微鏡観察で観察される複数の細孔の直径を測定し、平均することにより求めることができる。10個以上、好ましくは20個以上の細孔を無作為に選び、それら細孔の直径を測定し、数平均して求めることが好ましい。細孔が円状でない場合などは画像処理装置等によって、細孔が有する面積と等しい面積を有する円、すなわち等価円を求め、等価円直径を細孔の直径とする方法により求めることも好ましく採用できる。
分離膜モジュール2を使用した濾過処理を行う際、雑菌等による装置内および/または濾過液の汚染を防止するために、濾過処理前に分離膜モジュール2の滅菌処理を行うことが好ましい。
実施の形態1にかかる滅菌方法において、温水供給部20は分離膜モジュール2に温水を供給する。分離膜モジュール2に供給する温水の温度は、40〜100℃未満であることが好ましい。温水供給部20により分離膜モジュール2に温水を供給することにより、分離膜モジュール2を予熱することができる。温水供給による予熱により、一般的な蒸気滅菌の滅菌温度である121℃以上まで、蒸気を供給して分離膜モジュール2を昇温する際に、昇温時間を短くすることができる。供給する温水の温度は、より好ましくは、80〜100℃未満である。また、複雑な形状の分離膜モジュール2内では蒸気が行き渡りにくい部分が存在するが、該形状の分離膜モジュール2において、温水で予熱をすることで、予熱後に蒸気を供給してからの昇温時間を短くすることができる。
温水供給部20は、所定の温度の温水を分離膜モジュール2に供給することができるが、分離膜モジュール2の部材に急激な温度変化に対して耐久性が低いものを含む場合は、供給する温水の温度を徐々に上げて温水を供給することが好ましい。
温水は逆浸透膜を透過させた水や蒸留水、イオン交換水をヒーター等で加熱したものを用いる。滅菌に使用することから、フィルターを透過させてフィルター滅菌する等、滅菌してから使用することが好ましい。なお、フィルターは市販の滅菌用フィルターを使用することができ、捕捉径が0.2μm程度のものが好ましい。
温水として使用する水はタンク等に貯蔵しておき、分離膜モジュール2に送液しても良い。この場合、タンクで所定の温度に加熱しておくこともできる。また分離膜モジュール2の送液時に、途中に熱交換器を設けて、加熱することもできる。熱交換器には、プレート式、チューブ式、スパイラル式、二重管式等の一般的な熱交換器を用いることもできる。
温水供給部20は、図1に示すように、温水を、分離膜モジュール2の1次側(原水側)に供給する。分離膜モジュール2内に気体溜まりが発生しないように、分離膜モジュール2の下側から温水を供給し、分離膜モジュール2の上側から温水を排出することが好ましい。供給口または排出口は、円筒形状の分離膜モジュール容器であれば、円筒のサイドノズルを使用しても良い。
実施の形態1において、温水供給ライン21を介し分離膜モジュール2に温水を供給し、温水排出ライン25から温水を排出するクロスフローで温水を供給することが好ましい。分離膜モジュール2内におけるクロスフローの流れにより、分離膜モジュール2内の温水の滞留を減少させて予熱を行うことが好ましい。
分離膜モジュール2に供給された温水の分離膜モジュール2内でのクロスフローの流束は、0.01〜10m/sの範囲であることが好ましい。クロスフローの流速が0.01m/sより小さい場合は、分離膜モジュール2への供給熱量は少なくなり、昇温に時間を要すること、および分離膜モジュール2内での流れが層流となり、熱交換が遅くなる等のデメリットがある。一方、クロスフローの流束が10m/sより大きい場合、クロスフローの送液動力コストが大きくなること、および分離膜モジュール2内で分離膜が損傷する懸念等のデメリットがある。クロスフローの流束は、0.01m/s〜10m/sであり、さらに0.1m/s〜1m/sの範囲とすることが好ましい。
水蒸気供給部30は分離膜モジュール2の1次側に水蒸気を供給する。分離膜モジュール2に供給する水蒸気の温度は、滅菌対象物の特性により決定される滅菌温度に設定すれば良く、特に、一般的な蒸気滅菌の滅菌温度と同様の121℃以上であることが好ましい。供給する水蒸気として、イオン交換水、逆浸透膜処理水、蒸留水、またはそれと同程度の清浄性を有する水を用いることが好ましい。水蒸気用の水は、イオン交換水、逆浸透膜処理水、蒸留水などを予め滅菌し、その後に所定の水蒸気としてもよく、イオン交換水、逆浸透膜処理水、蒸留水などを予め所定の温度の水蒸気とし、その後に滅菌フィルター等を通して滅菌処理するようにしてもよい。
実施の形態1にかかる分離膜モジュール2の滅菌方法において、分離膜モジュール2内部が予熱温度に達するまでの予熱時間、および滅菌可能な温度に昇温するまでの昇温時間は、分離膜モジュール2内に熱電対を設置して事前に測定して決定することが好ましい。または、特定の微生物を分離膜モジュール2内に配置し、滅菌性を確認して決定しても良い。
なお、分離膜モジュール2内の、最も温度が上がりにくい場所でも、所定の滅菌温度以上になるように予熱時間および昇温時間を設定することが好ましい。通常、保温などで放熱対策を講じるが、蒸気の供給温度は121℃以上とすることが好ましい。
分離膜モジュール2の滅菌は、121℃以上で15分〜20分間保持されることが好ましく、分離膜モジュール2に121℃以上の水蒸気を15〜20分間供給し続けることにより滅菌を行うことが特に好ましい。
次に、図2を参照して、実施の形態1にかかる分離膜モジュール2の蒸気滅菌方法を説明する。図2は、実施の形態1にかかる分離膜モジュール2の滅菌処理を説明するフローチャートである。
実施の形態1にかかる蒸気滅菌処理では、まず、分離膜モジュール2の1次側に温水供給部20により所定温度に調整した温水を供給して分離膜モジュール2を予熱する(ステップS1)。温水の供給の際、水蒸気排出バルブ27、濾過液排出バルブ13、供給バルブ17および水蒸気供給バルブ28を閉、温水供給バルブ22および温水排出バルブ31を開とし、温水供給部20により温水供給ライン21を介して分離膜モジュール2の1次側に温水を供給する。分離膜モジュール2の1次側に供給された温水は、分離膜モジュール2を予熱し、排出ライン25から排液される。
分離膜モジュール2を所定温度まで予熱した後、分離膜モジュール2内の温水を排出して(ステップS2)、分離膜モジュール2の1次側に水蒸気供給部30から水蒸気を供給する(ステップS3)。水蒸気供給の際、供給バルブ17、濾過液排出バルブ13、温水供給バルブ22および温水排出バルブ31を閉、水蒸気供給バルブ28および水蒸気排出バルブ27を開とし、水蒸気供給ライン29を介して水蒸気を分離膜モジュール2の1次側に供給する。水蒸気供給部30による水蒸気の供給は、水蒸気排出ライン26から水蒸気および凝縮水を排出しながら、分離膜モジュール2が所定の滅菌温度に昇温するまで継続される。
分離膜モジュール2が所定の滅菌温度に昇温した後、分離膜モジュール2を所定の滅菌温度で所定時間滅菌する(ステップS4)。水蒸気を用いた滅菌においては、通常は滅菌温度が121℃、滅菌時間が15分から20分であるが、分離膜モジュール2に要求される滅菌のレベルなどに応じて、滅菌温度および滅菌時間を適宜変更してもよい。また、分離膜モジュール2の温度を保持しやすくするために、分離膜モジュール2に水蒸気を、各部分の放熱分を補う量の蒸気を供給する。分離膜モジュール2の保温等により所定の滅菌温度を保持しやすいように行ってもよい。
滅菌処理の終了後、分離膜モジュール2を冷却して濾過処理を行うが、冷却の際、分離膜モジュール2の部材に急激な温度変化に対して耐久性が低いものを含む場合は、所定の滅菌温度から徐々に温度を下げるように制御することが好ましい。かかる場合、滅菌終了後、蒸気の供給を停止し、その状態で放置してもよいが、温水供給部20により、徐々に温度を下げた温水を分離膜モジュール2に供給することにより、温度変化に弱い部材への影響を低減しながら、短い時間で冷却することも可能である。
本実施の形態1によれば、分離膜モジュール2に温水供給部20により温水を供給して予熱することにより、分離膜モジュール2が所定の滅菌温度まで昇温するのに要する時間を大幅に短縮できる。これにより、ポッティング剤等の熱による劣化を抑制することが可能となり、分離膜モジュール2の交換頻度を低減できる。さらに、確実に滅菌温度まで昇温できるので滅菌不良を防止することが可能となる。
また、図3に変形例1として示すように、分離膜モジュール2の1次側および2次側に温水を供給して分離膜モジュール2を予熱してもよい。図3の滅菌用装置100Aは、分離膜モジュール2の1次側および2次側に温水をそれぞれ供給する温水供給ライン21aおよび21bと、温水をそれぞれ排出する排出ライン25aおよび25bとを備える。温水供給ライン21aおよび21b上には、温水供給バルブ22aおよび22bがそれぞれ配置され、排出ライン25aおよび25b上には、温水排出バルブ31aおよび31bがそれぞれ配置される。分離膜モジュール2の1次側および2次側に、温水供給ライン21aおよび21bから温水をそれぞれ供給し、排出ライン25aおよび25bから温水を排水(クロスフロー)することにより、分離膜モジュール2を予熱し、蒸気滅菌時の昇温に要する時間をさらに短縮することができる。なお、変形例1において、排出ライン25bを設けずに、濾過液排出ライン24により2次側に供給した温水を排出してもよい。
さらに、図4に変形例2として示すように、分離膜モジュール2の1次側に温水を供給し、温水を分離膜に透過させてもよい。図4の滅菌用装置100Bは、温水供給ライン21により分離膜モジュール2の1次側にのみ温水を供給し、温水の排出は、1次側の排出ライン25aに加え、排出ライン25bにより2次側からも排出する。
分離膜モジュール2内の1次側に温水供給部20から温水が供給されると、排出ライン25aを介して温水が系外に排出される。温水供給部20から温水を供給しながら排出ライン25a上の排出バルブ31aを調整することにより、分離膜モジュール2の1次側に供給された温水を2次側にも通液する。2次側に通液された温水は、排出ライン25bを介して系外に排出される。
変形例2では、温水が分離膜を透過することにより、分離膜内部まで温水が行き渡るため、予熱の効率をさらに高めることができる。温水を分離膜に透過させる方法としては、上記のようにバルブを調整するほか、1次側から加圧して2次側通液する方法や、2次側から温水を排出する温水排出ライン24bに吸引ポンプを設置して該吸引ポンプにより温水を吸引して2次側に透過させる方法が例示される。
あるいは、温水を分離膜モジュール2の2次側(透過液側)から、1次側に温水を供給しても良い。分離膜モジュール2の2次側に温水を供給して予熱を行う場合、2次側から供給した温水を分離膜モジュール2の1次側に透過し、分離膜モジュール2の1次側から排出、または2次側から供給した温水を分離膜モジュール2の1次側に一部透過し、分離膜モジュール2の1次側および2次側から排出すればよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態2にかかる膜分離型連続発酵装置の概略図である。
膜分離型連続発酵装置200は、発酵原料を微生物の発酵培養により化学品を含有する発酵液への変換を行う発酵槽1と、発酵液から化学品を分離する分離膜モジュール2と、分離膜モジュール2に発酵液を供給する循環ポンプ8と、分離膜モジュール2に温水を供給する温水供給部20と、蒸気滅菌用の蒸気を供給する水蒸気供給部30と、各部を制御する制御装置40と、を備える。
発酵槽1内には、原料供給ポンプ9により原料及び微生物または培養細胞が投入される。発酵工程は発酵槽1内で進行する。膜分離型連続発酵装置200は、撹拌装置4および気体供給装置15を備える。撹拌装置4は発酵槽1内の発酵液を撹拌する。また、気体供給装置15は、必要とする気体を供給することができる。このとき、供給された気体を回収し、リサイクルして再び気体供給装置15で供給することができる。
膜分離型連続発酵装置200は、pHセンサー・制御装置5および中和剤供給ポンプ10を備えることができる。pHセンサー・制御装置5は培養液のpHを検出し、その結果に応じて、培養液が設定範囲内のpHを示すように、中和剤供給ポンプ10を制御する。中和剤供給ポンプ10は、酸性水溶液の槽及びアルカリ性水溶液の槽に接続されており、いずれかの水溶液を発酵槽1に添加することによって培養液のpHを調節する。培養液のpHが一定範囲内に保たれることで、生産性の高い発酵生産を行うことができる。中和剤、つまり酸性水溶液およびアルカリ性水溶液は、pH調整液に該当する。
循環ポンプ8は、装置内の培養液、つまり発酵液を、発酵槽1から分離膜モジュール2に送液し、クロスフローにより未濾過の発酵液を、分離膜モジュール2から発酵槽1に循環する。循環ポンプ8は、供給バルブ17、供給ライン23を介して、発酵液を分離膜モジュール2に送液し、分離膜モジュール2で濾過されなかった未濾過の発酵液を、排出ライン25を介して、発酵槽1に循環させる。発酵生産物である化学品を含む発酵液は、分離膜モジュール2によって濾過されることで微生物と発酵生産物である化学品に分離され、装置系から濾過液として取り出される。また、分離された微生物は、装置系内にとどまるので、装置系内の微生物濃度が高く維持される。その結果、生産性の高い発酵生産を可能としている。
分離膜モジュール2は、循環ポンプ8を介して発酵槽1に接続されている。分離膜モジュール2による濾過は、濾過ポンプ11により吸引しながら行うことが好ましい。分離膜モジュール2により濾過された濾液は、濾過液排出ライン24から濾過液排出バルブ13を介して排出・回収される。膜分離型連続発酵装置200は、分離膜モジュール2の分離膜の差圧を検出する差圧センサー・制御装置7を備えることできる。差圧センサー・制御装置7により、分離膜モジュール2の分離膜の差圧を検出しながら、分離膜モジュール2の分離膜の差圧が一定の範囲内の値を示すように、濾過ポンプ11を制御することで、安定したろ過を行うことができる。あるいは、濾過ポンプ11による吸引を行うことなく、循環ポンプ8による圧力のみによって、特別な動力を使用することなく濾過を行うことも可能である。また、循環ポンプ8の出力を調整することで、発酵槽1から分離膜モジュール2へ送られる発酵液量を適当に調整することができる。
発酵槽1は、温度制御装置3を備えることができる。温度制御装置3は、温度検出する温度センサーと、加熱部と、冷却部と、制御部とを備える。温度制御装置3は、温度センサーによって発酵槽1内の温度を検出し、検出結果に応じて、温度が一定の範囲内の値を示すように制御部によって加熱部及び冷却部温度を制御する。こうして、発酵槽1の温度が一定に維持されることで、微生物濃度が高く維持される。
また、発酵槽1には直接又は間接的に水を添加することができる。水供給部は、発酵槽1に直接的に水を供給し、具体的には水供給ポンプ16で構成される。間接的な水の供給は、原料の供給およびpH調整液の添加等を含む。膜分離型連続発酵装置200に添加される物質は、コンタミによる汚染を防止し、発酵を効率よく行うため、滅菌されていることが好ましい。例えば、培地は、培地原料を混合後に加熱されることで滅菌されてもよい。また、培地、pH調整液および発酵槽に添加される水は、必要に応じて、滅菌用フィルターを通すなどして無菌化されてもよい。
レベルセンサー・制御装置6は、発酵槽1内の液面の高さを検知するセンサーと、制御装置とを備える。制御装置は、このセンサーの検知結果に基づいて、原料供給ポンプ9、水供給ポンプ16等を制御することによって、発酵槽1内に流入する液量を制御することで、発酵槽1内の液面の高さを一定の範囲内に維持する。
分離膜洗浄装置18は、洗浄液槽と、洗浄液供給ポンプ12と、洗浄液バルブ14と、洗浄液供給ライン19と、を備える。分離膜洗浄装置18は、洗浄液供給ポンプ12を駆動することにより、洗浄液槽から洗浄液供給ライン19を介して分離膜モジュール2の2次側に洗浄液を供給して逆圧洗浄を行う。ここで、逆圧洗浄とは、分離膜の2次側である濾過液側から、1次側である発酵液側へ洗浄液を送ることにより、分離膜表面に堆積した汚れ物質を除去する方法である。分離膜モジュール2の2次側に供給された洗浄液は、分離膜を透過して1次側に濾過される。洗浄液が分離膜モジュール2に供給されることで、分離膜の洗浄が実行される。逆圧洗浄を行う場合、分離膜モジュール2と濾過ポンプ11との間に配置される濾過液排出バルブ13、を閉とすることで、分離膜モジュール2における濾過が停止される。同様に、後述する温水供給部20の温水供給バルブ22も閉として、洗浄液を分離膜モジュール2に供給する。逆圧洗浄を行う際は、循環ポンプ8を運転しても、または停止してもよい。循環ポンプ8を運転しながら逆圧洗浄を行う場合は、洗浄液供給ポンプ12の圧力を循環ポンプ8の圧力より高く設定すればよい。
逆圧洗浄に用いられる洗浄液には、発酵に大きく阻害しない範囲で、アルカリ、酸、酸化剤または還元剤を添加することができる。ここで、アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどを挙げることができる。酸の例としては、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硝酸などを挙げることができる。また酸化剤の例としては、次亜塩素酸塩、過酸化などを挙げることができる。還元剤の例としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの無機系還元剤などを挙げることができる。
微生物または培養細胞の発酵液を分離膜モジュール2中の分離膜で濾過処理する際の膜間差圧は、微生物および培養細胞、並びに培地成分が容易に目詰まりしない条件であればよい。例えば、膜間差圧を0.1kPa以上20kPa以下の範囲にして濾過処理することができる。膜間差圧は、好ましくは0.1kPa以上10kPa以下の範囲であり、さらに好ましくは0.1kPa以上5kPa以下の範囲である。上記膜間差圧の範囲内であれば、微生物(特に原核生物)および培地成分の目詰まり、並びに透過水量の低下を抑制することで、連続発酵運転に不具合を生じることを効果的に抑制することができる。
温水供給部20は、分離膜モジュール2の1次側に、温水供給ライン21を介して温水を供給する。分離膜モジュール2に供給された温水は、分離膜モジュール2を予熱して、クロスフローして排出ライン25を介して排出される。
水蒸気供給部30は、発酵槽1、分離膜モジュール2および周辺配管に、水蒸気供給ライン29を介して水蒸気を供給する。温水供給部20により分離膜モジュール2を所定温度まで予熱した後、水蒸気供給部30により蒸気を供給して、膜分離型連続発酵装置200内の蒸気滅菌処理を行う。
実施の形態2では、実施の形態1と同様に、分離膜モジュール2を温水で予熱した後1次側に水蒸気を供給するため、分離膜モジュール2が所定の滅菌温度まで昇温するのに要する時間を大幅に短縮でき、ポッティング剤等の熱による劣化を抑制することが可能となる。
なお、実施の形態2では、温水供給部20を独立して設けているが、温水供給部20を設けることなく、既存の設備を使用して分離膜モジュール2を予熱してもよい。たとえば、発酵槽1に水供給ポンプ16により水を供給し、発酵槽1内に供給された水を温度制御装置3により所定温度まで加熱することにより温水を調整することができる。調整した温水は、循環ポンプ8により供給ライン23を介して分離膜モジュール2に供給すればよい。
次に、本実施の形態にかかる膜分離型発酵装置200で使用される微生物および培養細胞について説明する。本実施の形態で使用する微生物および培養細胞については特に制限はなく、例えば、発酵工業においてよく使用されるパン酵母などの酵母、および糸状菌等の菌類;大腸菌およびコリネ型細菌などのバクテリア;放線菌などが挙げられる。また、培養細胞としては、動物細胞および昆虫細胞等が挙げられる。また、使用する微生物や培養細胞は、自然環境から単離されたものでもよく、突然変異や遺伝子組換えによって一部性質が改変されたものであってもよい。
乳酸を製造する場合、真核細胞であれば酵母、原核細胞であれば乳酸菌を用いることが好ましい。このうち酵母は、乳酸脱水素酵素をコードする遺伝子を細胞に導入した酵母が好ましい。このうち乳酸菌は、消費したグルコースに対して対糖収率として50%以上の乳酸を産生する乳酸菌を用いることが好ましく、更に好ましくは対糖収率として80%以上の乳酸菌であることが好適である。
また、本実施の形態で使用する発酵原料としては、培養する微生物および培養細胞の生育を促し、目的とする発酵生産物である化学品を良好に生産させ得るものであればよい。
発酵原料としては、液体培地が用いられる。培地中の成分であって、目的の化学品に変換される物質(すなわち狭義の原料)を原料と称することもあるが、本書では、特に区別しない場合には、培地全体を原料と称する。狭義の原料とは、例えば化学品としてアルコールを得るための発酵基質であるグルコース、フルクトース、ショ糖などの糖である。
原料は、炭素源、窒素源、無機塩類、および必要に応じてアミノ酸やビタミンなどの有機微量栄養素を適宜含有する。炭素源としては、グルコース、シュークロース、フラクトース、ガラクトースおよびラクトース等の糖類、これら糖類を含有する澱粉糖化液、甘藷糖蜜、甜菜糖蜜、ハイテストモラセス、酢酸等の有機酸、エタノールなどのアルコール類、およびグリセリンなどが使用される。窒素源としては、アンモニアガス、アンモニア水、アンモニウム塩類、尿素、硝酸塩類、その他補助的に使用される有機窒素源、例えば油粕類、大豆加水分解液、カゼイン分解物、その他のアミノ酸、ビタミン類、コーンスティープリカー、酵母または酵母エキス、肉エキス、ペプトン等のペプチド類、各種発酵菌体およびその加水分解物などが使用される。無機塩類としては、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩およびマンガン塩等が添加されてもよい。
微生物または培養細胞が生育のために特定の栄養素を必要とする場合には、その栄養物が標品またはそれを含有する天然物として、原料に添加される。
原料は、消泡剤を必要に応じて含有してもよい。
本明細書において、培養液とは、発酵原料に微生物または培養細胞が増殖した結果得られる液である。連続発酵においては、培養液に発酵原料を追加することができるが、追加する発酵原料の組成は、目的とする化学品の生産性が高くなるように、培養開始時の組成から適宜変更してもよい。例えば、狭義の発酵原料の濃度、培地における他の成分の濃度等は、変更可能である。
また、本明細書において、発酵液とは、発酵の結果生じた物質を含有する液であり、原料、微生物または培養細胞、及び化学品を含有してもよい。つまり、文言「培養液」と「発酵液」とはほぼ同じ意味で用いられることがある。
本実施の形態2にかかる膜分離型連続発酵装置200によれば、上記の微生物または培養細胞によって、発酵液中に、化学品すなわち変換後の物質が生産される。化学品としては、例えば、アルコール、有機酸、アミノ酸および核酸など発酵工業において大量生産されている物質を挙げることができる。例えば、アルコールとしては、エタノール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよびグリセロール等が挙げられる。また、有機酸としては、酢酸、乳酸、ピルビン酸、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸およびクエン酸等を挙げることができ、核酸であればイノシン、グアノシンおよびシチジン等を挙げることができる。また、本発明の方法を、酵素、抗生物質および組換えタンパク質のような物質の生産に適用することも可能である。
本実施の形態にかかる膜分離型連続発酵装置200は、化成品、乳製品、医薬品、食品または醸造品の製造に適用できる。ここで化成品としては、例えば、有機酸、アミノ酸および核酸が挙げられ、乳製品としては、例えば、低脂肪牛乳などが挙げられ、食品としては、例えば、乳酸飲料など、醸造品としては、例えば、ビール、焼酎が挙げられる。また、本発明の製造方法によって製造された、酵素、抗生物質、組み換えタンパク質等は、医薬品に適用可能である。
連続発酵による化学品の製造では、培養初期にBatch培養またはFed−Batch培養を行って、微生物濃度を高くした後に、連続発酵(つまり培養液の引き抜き)を開始しても良い。または、微生物濃度を高くした後に、高濃度の菌体をシードし、培養開始とともに連続発酵を行っても良い。連続発酵による化学品の製造では、適当な時期から原料培養液の供給および培養物の引き抜きを行うことが可能である。原料培養液供給と培養液の引き抜きの開始時期は必ずしも同じである必要はない。また、原料培養液の供給と培養液の引き抜きは連続的であってもよいし、間欠的であってもよい。
培養液には菌体増殖に必要な栄養素を添加し、菌体増殖が連続的に行われるようにすればよい。培養液中の微生物または培養細胞の濃度は、培養液の環境が微生物または培養細胞の増殖にとって不適切となって死滅する比率が高くならない範囲で、高い状態で維持することが、効率よい生産性を得る上で好ましい態様である。培養液中の微生物または培養細胞の濃度は、一例として、SL乳酸菌を用いたD−乳酸発酵では、乾燥重量として、微生物濃度を5g/L以上に維持することにより良好な生産効率が得られる。
連続発酵による化学品の製造において、原料に糖類を使用する場合は、培養液中の糖類濃度は5g/L以下に保持されることが好ましい。培養液中の糖類濃度を5g/L以下に保持することが好ましい理由は、培養液の引き抜きによる糖類の流失を最小限にするためである。
微生物および培養細胞の培養は、通常、pH3以上8以下、温度20℃以上60℃以下の範囲で行われる。培養液のpHは、無機の酸あるいは有機の酸、アルカリ性物質、さらには尿素、炭酸カルシウムおよびアンモニアガスなどによって、通常、pH3以上8以下のあらかじめ定められた値に調節する。酸素の供給速度を上げる必要があれば、空気に酸素を加えて酸素濃度を21%以上に保つ、培養液を加圧する、攪拌速度を上げる、あるいは通気量を上げるなどの手段を用いることができる。
連続発酵の運転においては、微生物発酵槽の微生物濃度をモニタリングすることが望ましい。微生物濃度の測定はサンプルを採取し、測定することでも可能だが、微生物発酵槽に、MLSS測定器など、微生物濃度センサーを設置し、微生物濃度の変化状況を連続的にモニタリングすることが望ましい。
連続発酵による化学品の製造では、必要に応じて、発酵槽内から培養液、微生物または培養細胞を引き抜くことができる。例えば、発酵槽内の微生物または培養細胞濃度が高くなりすぎると、分離膜の閉塞が発生しやすくなることから、引き抜くことで、閉塞から回避することができる。また、発酵槽内の微生物または培養細胞濃度によって化学品の生産性能が変化することがあるが、生産性能を指標として微生物または培養細胞を引き抜くことで、生産性能を維持させることも可能である。
連続発酵による化学品の製造では、発酵生産能力のあるフレッシュな菌体を増殖させつつ行う連続培養操作は、菌体を増殖させつつ生産物を生成する連続培養法であれば、発酵槽の数は問わない。連続発酵による化学品の製造では、連続培養操作は、通常、培養管理上単一の発酵槽で行うことが好ましい。発酵槽の容量が小さい等の理由から、複数の発酵槽を用いることも可能である。この場合、配管によって並列または直列に接続された複数の発酵槽を用いて連続培養を行っても、発酵生産物の高生産性は得られる。
以下、本発明の効果をさらに詳細に、実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(参考例1)中空糸膜の作製
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ−ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ−ブチロラクトンを中空部形成液体として随伴させながら口金から吐出し、温度20℃のγ−ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中で固化して球状構造からなる中空糸膜を作製した。次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを14重量%、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社製、CAP482−0.5)を1重量%、N−メチル−2−ピロリドンを77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネット(登録商標)T−20C)を5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調製した。この製膜原液を、球状構造からなる中空糸膜の表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させて球状構造層の上に三次元編目構造を形成させた中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜の被処理水側表面の平均細孔径は、0.04μmであった。次に、上記の分離膜である中空糸多孔性膜について純水透水量を評価したところ、5.5×10-93/m2/s/Paであった。透水量の測定は、逆浸透膜による25℃の温度の精製水を用い、ヘッド高さ1mで行った。
(参考例2)分離膜モジュール2の作製
分離膜モジュールケースにはポリスルホン樹脂製筒状容器(内径35mm)である成型品を用いて中空糸膜モジュールを作製した。分離膜として参考例1で作製した中空糸膜を用い、121℃の飽和水蒸気と1時間接触させた。飽和水蒸気との接触には、TOMY社製のオートクレーブ「LSX−700」を使用した。中空糸膜を前記モジュールケース内に挿入し、ウレタン樹脂(サンユレック社製、SA−7068A/SA−7068B、2剤を重量比が64:100となるように混合)を用いてモジュールケースと中空糸膜の両端を接着した。モジュール上端は中空糸膜を開口させるために、余分な接着部は切り落として用いた。中空糸膜のモジュール充填率は45%とした。発酵培養液はモジュール横下部ノズルから導入し、モジュール横上部ノズルから発酵槽1に戻す構造とした。
モジュールケースの1次側にエタノール80%水溶液を供給し、一部を2次側から濾過して、分離膜モジュール内をエタノール80%水溶液で満たし、1時間静置した。その後、エタノールを排出し、蒸留水で分離膜モジュール内を洗浄、置換した。分離膜モジュール内に水を満たして保管した。
上記参考例で作成した分離膜モジュール2について、後述する実施例・比較例での蒸気滅菌処理を行った後、以下の方法によりリークテストを行った。
参考例2の通り作製した分離膜モジュール2の1次側に、100kPaの空気を供給し、分離膜モジュール2の1次側の水を2次側に濾過した後、分離膜モジュール1次側を封じ込めして、100kPaの空気で加圧状態とした。ここで、分離膜モジュール1次側供給ラインに圧力計を設置し、分離膜モジュール1次側の圧力を確認できるようにした。また分離膜モジュール2次側は大気開放して、1次側からリークがあれば、放圧できるようにした。10分後、分離膜モジュール1次側の圧力の低下が3kPa以内、また分離膜2次側からの気泡の発生が無ければ、リークは無いと判断した。
(実施例1)
参考例2の通り作製した中空糸膜モジュールを図5に示す膜分離型連続発酵装置200の発酵液循環ラインに設置し、下記の条件で蒸気滅菌処理を行った。温水供給部20から80℃の温水を分離膜モジュール2および発酵槽1に供給し、1時間循環した。その後、温水を排出し、水蒸気供給部30から水蒸気を供給し、分離膜モジュール2、発酵槽1ならびに各配管を蒸気滅菌した。蒸気滅菌は、分離膜モジュール2が121℃になった後、20分間、蒸気を供給しながら行い、その後、蒸気供給を停止し、発酵槽1などを放冷した。
滅菌処理後に分離膜モジュール2についてリークテストを行い、上記の条件(80℃の温水で1時間予熱後に121℃に昇温し20分間の蒸気滅菌)での滅菌処理を20回繰り返した後までリーク等の問題はなかった。
図5に示す膜分離型連続発酵装置200を使用して連続発酵運転を行った。連続発酵における運転条件は、特に断らない限り、以下のとおりである。
発酵槽容量:20(L)
発酵槽有効容積:15(L)
使用分離膜:ポリフッ化ビニリデン中空糸膜250本(有効長20cm、総有効膜面積 0.4m
温度調整:37(℃)
発酵槽通気量:窒素ガス2(L/min)
発酵槽攪拌速度:600(rpm)
pH調整:3N Ca(OH)によりpH6に調整
乳酸発酵培地供給:発酵槽液量が約15Lで一定になる様に制御して添加
発酵液循環装置による循環液量:10(L/min)
膜濾過流量制御:吸引ポンプによる流量制御
間欠的な濾過処理:濾過処理(9分間)〜濾過停止 (1分間)の周期運転
膜濾過流束:0.01(m/day)以上0.3(m/day)以下の範囲で膜間差圧が20kPa以下となる様に可変。膜間差圧が範囲を超えて上昇し続けた場合は、連続発酵を終了した。
培地は121℃、20分での飽和水蒸気下の蒸気滅菌をして用いた。微生物としてSporolactobacillus laevolacticus JCM2513(SL株)を用い、培地として表1に示す組成の乳酸発酵培地を用い、生産物である乳酸の濃度の評価には、下記に示したHPLCを用いて以下の条件下で行った。
Figure 2013188150
カラム:Shim−Pack SPR−H(島津社製)
移動相:5 mM p−トルエンスルホン酸(0.8 mL/min)
反応相:5 mM p−トルエンスルホン酸、20 mM ビストリス、0.1 mM EDTA・2Na(0.8 mL/min)
検出方法:電気伝導度
カラム温度:45℃
なお、乳酸の光学純度の分析は、以下の条件下で行った。
カラム:TSK−gel Enantio L1(東ソー社製)
移動相 :1 mM 硫酸銅水溶液
流速:1.0 mL/分
検出方法 :UV 254 nm
温度 :30℃
L−乳酸の光学純度は、次式(5)で計算される。
光学純度(%)=100×(L−D)/(D+L) ・・・(5)
また、D−乳酸の光学純度は、次式(6)で計算される。
光学純度(%)=100×(D−L)/(D+L) ・・・(6)
ここで、LはL−乳酸の濃度を表し、DはD−乳酸の濃度を表す。
培養は、まずSL株を試験管で5mLの乳酸発酵培地で一晩振とう培養した(前々々培養)。得られた培養液を新鮮な乳酸発酵培地200mLに植菌し、1000mL容坂口フラスコで24時間、30℃で振とう培養した(前々培養)。前々培養液を、図5に示す膜分離型連続発酵装置200の15Lの発酵槽1に培地を入れて植菌し、発酵槽1を付属の攪拌装置4によって攪拌し、発酵槽1の通気量の調整、温度調整、pH調整を行い、循環ポンプ8を稼働させることなく、24時間培養を行った(前培養)。前培養完了後直ちに、循環ポンプ8を稼働させ、前培養時の運転条件に加え、乳酸発酵培地の連続供給を行い、連続発酵装置の発酵液量が15Lとなるよう膜透過水量の制御を行いながら連続培養し、連続発酵によるD−乳酸の製造を行った。連続発酵試験を行うときの膜透過水量の制御は、濾過ポンプ11により濾過量が発酵培地供給流量と同一となるように制御した。適宜、膜透過発酵液中の生産されたD−乳酸濃度および残存グルコース濃度を測定した。
滅菌処理後の分離膜モジュール2について、濾過処理(9分間)〜濾過停止処理(1分間)の周期運転を行いながら、図5に示す膜分離型連続発酵装置200において化学品を製造したことにより、連続発酵を400時間行うことができた。
(比較例1)
実施例1と同様に分離膜モジュール2を膜分離型連続発酵装置200に設置し、分離膜モジュール2の予熱を行うことなく、水蒸気供給部30から水蒸気を供給し、分離膜モジュール2、発酵槽1および各配管を滅菌した。分離膜モジュール2が121℃になった後、さらに20分間蒸気を供給して蒸気滅菌を行い、その後、蒸気供給を停止し、放冷した。
滅菌処理後に分離膜モジュール2のリークテストを行い、上記の条件(予熱なしで蒸気により121℃に昇温し20分間の蒸気滅菌)での滅菌処理を15回繰り返した後リークが発生した。リークはウレタン樹脂層とモジュールケース間の剥離によるものであった。
本発明の方法によれば、複雑な形状の分離膜を備える分離膜モジュールの滅菌に好適であり、特に、該分離膜モジュールを使用する化学品の製造装置に有用である。
1:発酵槽
2:分離膜モジュール
3:温度制御装置
4:撹拌装置
5:pHセンサー・制御装置
6:レベルセンサー・制御装置
7:差圧センサー・制御装置
8:循環ポンプ
9:原料供給ポンプ
10:中和剤供給ポンプ
11:濾過ポンプ
12:洗浄液供給ポンプ
13:濾過液排出バルブ
14:洗浄液バルブ
15:気体供給装置
16:水供給ポンプ
17:供給バルブ
18:分離膜洗浄装置
19:洗浄液供給ライン
20:温水供給部
21、21a、21b:温水供給ライン
22、22a、22b:温水供給バルブ
23:供給ライン
24:濾過液排出ライン
25、25a、25b:排出ライン
26:水蒸気排出ライン
27:水蒸気排出バルブ
28:水蒸気供給バルブ
29:水蒸気供給ライン
30:水蒸気供給部
31、31a、31b:排出バルブ
40:制御装置
100、100A、100B:滅菌用装置
200:膜分離型連続発酵装置

Claims (6)

  1. 分離膜モジュール内に、温水を供給して予熱する予熱工程と、
    前記予熱工程で供給した前記分離膜モジュール内の温水を排出する排出工程と、
    前記排出工程後、前記分離膜モジュールに蒸気を供給して、所定の滅菌温度で所定時間滅菌する滅菌工程と、
    を含むことを特徴とする分離膜モジュールの蒸気滅菌方法。
  2. 前記予熱工程は、供給する温水の温度を昇温させながら前記分離膜モジュールを予熱することを特徴とする請求項1に記載の分離膜モジュールの蒸気滅菌方法。
  3. 前記分離膜モジュールの分離膜は中空糸膜であることを特徴とする、請求項1または2に記載の分離膜モジュールの蒸気滅菌方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の蒸気滅菌方法により前記分離膜モジュールを滅菌する蒸気滅菌工程と、
    発酵原料を微生物の発酵培養により化学品を含有する発酵液へと変換する発酵工程と、
    該発酵液から前記分離膜モジュールにより濾過液として化学品を回収する膜分離工程と、
    を含むことを特徴とする連続発酵による化学品の製造方法。
  5. 分離膜モジュールに蒸気を供給する蒸気供給手段と、
    温度が制御された温水を生成し、前記分離膜モジュールに供給する温水供給部と、
    を備えることを特徴とする分離膜モジュールの滅菌用装置。
  6. 発酵原料を微生物により発酵培養することにより、該発酵原料を、化学品を含有する発酵液に変換する発酵槽と、
    前記発酵液から化学品を分離する分離膜モジュールと、
    前記発酵槽から前記分離膜モジュールに発酵液を送液する発酵液循環手段と、
    温度が制御された温水を生成し、前記分離膜モジュールに供給する温水供給部と、
    前記発酵槽および前記分離膜モジュールに蒸気を供給する蒸気供給手段と、
    を備えることを特徴とする膜分離型連続発酵装置。
JP2012055101A 2012-03-12 2012-03-12 分離膜モジュールの蒸気滅菌方法、連続発酵による化学品の製造方法、分離膜モジュールの滅菌用装置および膜分離型連続発酵装置 Pending JP2013188150A (ja)

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