JP2013187181A - 燃料電池用触媒電極層、燃料電池、およびこれらの製造方法 - Google Patents
燃料電池用触媒電極層、燃料電池、およびこれらの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013187181A JP2013187181A JP2012054336A JP2012054336A JP2013187181A JP 2013187181 A JP2013187181 A JP 2013187181A JP 2012054336 A JP2012054336 A JP 2012054336A JP 2012054336 A JP2012054336 A JP 2012054336A JP 2013187181 A JP2013187181 A JP 2013187181A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- catalyst electrode
- fuel cell
- temperature
- electrolyte
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【解決手段】高分子電解質と、高分子電解質と混在する触媒粒子と、を含む触媒電極材料で形成され、一方の面が燃料電池の電解質膜に接するように配置される多孔質な触媒電極層であって、高分子電解質は、吸水したときに、プロトン伝導性を示す複数のイオン交換基が液水を取り囲んでクラスターを形成し、燃料電池の電解質膜20に接する一方の面の表面を含む領域に配置される高分子電解質である膜側電解質の方が、他方の面の表面を含む領域に配置される高分子電解質であるガス流路側電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする燃料電池用触媒電極層。
【選択図】図3
Description
高分子電解質と、該高分子電解質と混在する触媒粒子と、を含む触媒電極材料で形成され、一方の面が燃料電池の電解質膜に接するように配置される多孔質な触媒電極層であって、
前記高分子電解質は、吸水したときに、プロトン伝導性を示す複数のイオン交換基が液水を取り囲んでクラスターを形成し、
前記燃料電池の電解質膜に接する前記一方の面の表面を含む領域に配置される前記高分子電解質である膜側電解質の方が、他方の面の表面を含む領域に配置される前記高分子電解質であるガス流路側電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする
燃料電池用触媒電極層。
適用例1記載の燃料電池用触媒電極層であって、前記膜側電解質におけるクラスター径は、前記ガス流路側電解質におけるクラスター径よりも、0.5nm以上大きいことを特徴とする燃料電池用触媒電極層。
適用例2に記載の燃料電池用触媒電極層によれば、触媒電極層の厚み方向にクラスター径を異ならせることによる効果を、容易に確保可能になる。
電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池であって、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層は、適用例1または2記載の触媒電極層である燃料電池。
適用例3に記載の燃料電池によれば、触媒電極層において、触媒に対する反応ガスの供給を確保すると共に、電解質膜との界面近傍の水分量を確保することができる。そのため、触媒電極層におけるフラッディングを抑制しつつ、触媒電極層および電解質膜の乾燥を抑制し、電池性能を向上させることができる。
適用例3記載の燃料電池であって、前記少なくとも一方の触媒電極層上に形成される前記反応ガスの流路は、前記触媒電極層上で、一定の方向に前記反応ガスが流れる流路であり、前記少なくとも一方の触媒電極層では、前記反応ガスの入口近傍に配置される前記高分子電解質である上流側電解質の方が、前記反応ガスの出口近傍に配置される下流側電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする燃料電池。
適用例4に記載の燃料電池によれば、反応ガス流れの上流側領域における電解質膜および触媒電極層の乾燥を抑制することができる。また、触媒電極層の反応ガス流れの下流側領域において、触媒への反応ガスの供給量を確保することができる。
適用例3または4記載の燃料電池であって、前記一対の触媒電極層のうち、カソード側の触媒電極層が備える前記高分子電解質であるカソード側電解質の方が、アノード側の触媒電極層が備える前記高分子電解質であるアノード側電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする燃料電池。
適用例5に記載の燃料電池によれば、さらに、電解質膜において、カソード側からアノード側への水分移動を促進できるという効果を奏する。そのため、カソードにおける生成水を利用して電解質膜の湿潤状態を高めることができ、燃料電池に供給する反応ガスの加湿量を低減し、あるいは加湿を不要とすることが可能になる。
適用例3ないし5いずれか記載の燃料電池であって、前記電解質と前記一対の触媒電極層と前記反応ガス流路とを備える単セルが複数積層されたスタック構造を有し、前記スタック構造内において、前記少なくとも一方の触媒電極層上を流れる前記反応ガスの流量が相対的に多い前記単セルが備える前記少なくとも一方の触媒電極層中の前記高分子電解質は、前記反応ガスの流量が相対的に少ない単セルが備える前記少なくとも一方の触媒電極層中の前記高分子電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする燃料電池。
適用例6に記載の燃料電池によれば、反応ガスの流量が相対的に少ない単セルの上記少なくとも一方の触媒電極層が備える触媒において、吸水時の高分子電解質の膨潤に起因する反応ガスの供給量の低下が抑制できる。そのため、スタック構造を有する燃料電池全体で、発電効率を均一化して、電池性能を高めることができる。
高分子電解質と、該高分子電解質と混在する触媒粒子と、を含む触媒電極材料で形成され、一方の面が燃料電池の電解質膜に接するように配置される多孔質な触媒電極層の製造方法であって、
前記高分子電解質と前記触媒粒子とが分散された触媒インクを用意する第1の工程と、
前記触媒インクを、層状の触媒インク層に成形する第2の工程と、
前記触媒インク層の前記一方の面が、前記触媒電極層を備える燃料電池の製造工程における他の工程において前記触媒電極層に加えられる最高温度よりも高い第1の温度となり、前記触媒インク層の他方の面が、前記第1の温度よりも低い第2の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する第3の工程と、
を備える燃料電池用触媒電極層の製造方法。
適用例7記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法であって、前記第1の温度と前記第2の温度との差が5℃以上であることを特徴とする燃料電池用触媒電極層の製造方法。
適用例8に記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法によれば、触媒電極層の厚み方向にクラスター径を異ならせることによる効果を、容易に確保可能になる。
電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、適用例7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程と、前記第4の工程の後に、前記触媒インク層を、前記電解質膜上に転写する第5の工程と、を備え、前記第3の工程は、前記触媒インク層において、前記第5の工程で前記電解質膜と接する側の温度が前記第2の温度となり、前記電解質膜と接しない側の温度が前記第1の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する工程である燃料電池の製造方法。
適用例9に記載の燃料電池の製造方法によれば、触媒電極層におけるフラッディングを抑制しつつ、触媒電極層および電解質膜の乾燥を抑制して、発電性能の高い燃料電池を得ることができる。
電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、適用例7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程を備え、前記第2の工程は、前記電解質膜上に前記触媒インク層を形成する工程であり、前記第3の工程は、前記触媒インク層において、前記電解質膜側の温度が前記第2の温度となり、前記電解質膜と接しない側の温度が前記第1の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する工程である燃料電池の製造方法。
適用例10に記載の燃料電池の製造方法によれば、触媒電極層におけるフラッディングを抑制しつつ、触媒電極層および電解質膜の乾燥を抑制して、発電性能の高い燃料電池を得る際に、製造工程を簡素化することができる。
電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、各々の前記触媒電極層上に設けられ、反応ガスの流路を形成するガス拡散層と、を備える燃料電池の製造方法であって、 適用例7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程と、前記第4の工程の後に、前記触媒インク層を、前記ガス拡散層上に転写する第6の工程と、を備え、前記第3の工程は、前記触媒インク層において、前記第5の工程で前記ガス拡散層と接する側の温度が前記第1の温度となり、前記ガス拡散層と接しない側の温度が前記第2の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する工程である燃料電池の製造方法。
適用例11に記載の燃料電池の製造方法によれば、触媒電極層におけるフラッディングを抑制しつつ、触媒電極層および電解質膜の乾燥を抑制して、発電性能の高い燃料電池を得ることができる。
電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、適用例7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程を備え、前記第2の工程は、基板上に前記触媒インク層を形成する工程であり、前記第3の工程は、前記触媒インク層における前記基板と接しない側の面を前記電解質膜と接触させ、前記触媒インク層において、前記基板側の温度が前記第1の温度となり、前記電解質膜側の温度が前記第2の温度となるように前記触媒インク層を加熱して、前記基板上の前記触媒インク層を前記電解質膜上に転写する工程である燃料電池の製造方法。
適用例12に記載の燃料電池の製造方法によれば、触媒電極層におけるフラッディングを抑制しつつ、触媒電極層および電解質膜の乾燥を抑制して、発電性能の高い燃料電池を得る際に、製造工程を簡素化することができる。
電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、
前記高分子電解質と前記触媒粒子とが分散された触媒インクを用意する第1の工程と、
前記触媒インクから、複数の触媒インク層を形成する第2の工程と、
前記複数の触媒インク層のうちの第1の触媒インク層を、前記燃料電池の製造工程における他の工程において前記触媒電極層に加えられる最高温度よりも高い第1の温度で加熱し、前記第1の触媒インク層以外の触媒インク層を、前記第1の温度よりも低い温度で加熱する第3の工程と、
前記複数の触媒インク層を、前記第3の工程における加熱の温度の順に積層して、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を形成すると共に、前記第1の触媒インク層が前記電解質膜から最も離間するように、前記電解質膜上に前記少なくとも一方の触媒電極層を形成する第4の工程と
を備える燃料電池の製造方法。
図1は、本発明の第1の実施形態としての燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。本実施形態の燃料電池は、反応ガス(水素を含有する燃料ガスおよび酸素を含有する酸化ガス)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池は、複数の単セル10が積層されたスタック構造を有しており、図1では、単セル10の構造を示している。
図7は、第2の実施形態におけるMEA27の製造工程を表わす説明図である。第2の実施形態以降の実施形態では、第1の実施形態と同様の構成の燃料電池を製造する際のMEA27の製造工程が若干異なっている。第2の実施形態以降の実施形態に係る説明では、第1の実施形態と共通する燃料電池の構成要素については、第1の実施形態と同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。また、各実施形態における製造工程において、第1の実施形態と共通する工程には、同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図8は、第3の実施形態におけるMEA27の製造工程を表わす説明図である。第3の実施形態では、まず、ステップS100〜S110を実行する。これにより、第1の実施形態と同様に、基板上に触媒インク層40を形成する。その後、基板上に形成した触媒インク層40を、基板側が低温側になるようにして、図5のように加熱する(ステップS320)。そして、基板上の触媒インク層40をガス拡散層24上に転写して(ステップS330)、基板を剥離する。その後、触媒インク層40の基板を剥離した面を電解質膜20と接触させて、ガス拡散層24上の触媒インク層40を電解質膜20と接合して(ステップS340)、MEA27を完成する。なお、電解質膜20上におけるアノード21の形成は、ステップS340に先だって予め行なっても良く、ステップS340において、接合の処理に引き続いて行なっても良い。
図9は、第4の実施形態におけるMEA27の製造工程を表わす説明図である。第4の実施形態では、まず、ステップS100〜S110を実行する。これにより、第1の実施形態と同様に、基板上に触媒インク層40を形成する。その後、基板上に形成した触媒インク層40を、電解質膜20上に転写する。その際、基板側が高温側になり、電解質膜20側が低温側になるように、加熱板を温度設定してホットプレスを行なう(ステップS420)。転写の後に基板を剥離して、MEA27を完成する。なお、電解質膜20上におけるアノード21の形成は、ステップS420に先だって予め行なっても良く、ステップS420において、上記した転写の処理に引き続いて行なっても良い。
図10は、第5の実施形態におけるMEA27の製造工程を表わす説明図である。第5の実施形態では、まず、第1の実施形態と同様に触媒インクを作製する(ステップS100)。そして、得られた触媒インクを、2枚の基板(第1の基板および第2の基板)のそれぞれの上に塗布し(ステップS510)、第1の触媒インク層および第2の触媒インク層を形成する。
図11は、第6の実施形態におけるカソード22の構成に係る説明図である。本実施形態では、カソード22が備える高分子電解質は、第1の実施形態と同様に厚み方向にクラスター径が勾配を示す性質を有する他、面内においても、領域によってクラスター径が異なっている。
図12は、第7の実施形態の燃料電池が備える膜−電極接合体の概略構成を表わす説明図である。本実施形態のカソード22は、電解質膜側の加熱温度をガス拡散層側の加熱温度よりも低く設定することにより、電解質膜側の方がガス拡散層側よりも高分子電解質のクラスター径が大きく形成されている。このようなカソード22は、例えば、第1ないし第4のいずれかの実施形態と同様にして作製することができる。本実施形態では、アノード21は、カソード22とは別に、カソード22の加熱温度よりも高温で、加熱の処理が施されている。具体的には、例えば、カソード22の膜側加熱温度が140℃、カソード22のガス拡散層側加熱温度を150℃として、アノード21の加熱温度を160℃とすることができる。ただし、これらの設定温度は一例である。
図13は、第8の実施形態の燃料電池60の構成を表わす説明図である。本実施形態の燃料電池60は、第1の実施形態と同様に、単セル10を積層したスタック構造を有している。また、燃料電池60には、第1の実施形態と同様に、燃料電池を、その積層方向に貫通する複数のマニホールドが形成されている。具体的には、個々の単セル10においてカソード22上に形成されるセル内酸化ガス流路との間で酸化ガスの供給を行なう酸化ガス供給マニホールドと、個々の単セル10のセル内酸化ガス流路から酸化ガスが排出される酸化ガス排出マニホールドとが形成されている。また、個々の単セル10においてアノード21上に形成されるセル内燃料ガス流路との間で燃料ガスの供給を行なう燃料ガス供給マニホールドと、個々の単セル10のセル内燃料ガス流路から燃料ガスが排出される燃料ガス排出マニホールドとが形成されている。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
第1ないし第8の実施形態では、触媒インク層を加熱する際に、膜側の加熱温度とガス流路側の加熱温度の双方を設定して、触媒電極層の高分子電解質のクラスター径を、設定した温度に応じた大きさにしたが、異なる構成としても良い。燃料電池の製造工程では、図4等に示した膜−電極接合体の製造工程以外の他の工程においても、触媒電極層が加熱される場合がある。例えば、第1の実施形態において、カソード22を設けた後に、アノード21をホットプレスにより形成する場合には、ホットプレス時にはカソード22も加熱される。燃料電池の製造工程において、触媒インクの加熱温度を超える温度が触媒電極層に加えられると、触媒電極層の高分子電解質のクラスター径は、より小さくなり得る。そのため、触媒インク層を加熱する際のガス流路側の加熱温度は、燃料電池の製造工程中の他の工程において触媒電極層に加えられる最高温度よりも高い第1の温度に、設定することが望ましい。
第1ないし第8の実施形態では、触媒電極層が備える高分子電解質は、パーフルオロスルホン酸ポリマ(フッ素樹脂)としたが、異なる構成としても良い。例えば、炭化水素系の高分子電解質を用いても良い。また、触媒電極層の高分子電解質が備えるイオン交換基は、カルボキシル基やリン酸基など、スルホ基(−SO3H基)以外のイオン交換基であっても良く、プロトン伝導性を付与可能であればよい。このような場合であっても、触媒電極層を作製する際の触媒インク層の加熱温度を、膜側よりもガス流路側を高く設定することで、ガス流路側電解質のクラスター径をより小さくして、各実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。用いる高分子電解質は、イオン交換基の移動の自由度が高く、容易にクラスター構造を形成する観点から、架橋されていない主鎖と、末端にイオン交換基を有する側鎖とを有する構造であることが望ましい。
20…電解質膜
21…アノード
22…カソード
23,24…ガス拡散層
25,26…ガスセパレータ
27…MEA
28,29…流路溝
30…触媒担持カーボン
31…高分子電解質
33…クラスター
40…触媒インク層
42…基板
44,46…加熱板
50…大クラスター領域
51…小クラスター領域
60…燃料電池
61…酸化ガス供給流路
62…酸化ガス排出流路
63…ガス給排側セル
64…奥側セル
Claims (13)
- 高分子電解質と、該高分子電解質と混在する触媒粒子と、を含む触媒電極材料で形成され、一方の面が燃料電池の電解質膜に接するように配置される多孔質な触媒電極層であって、
前記高分子電解質は、吸水したときに、プロトン伝導性を示す複数のイオン交換基が液水を取り囲んでクラスターを形成し、
前記燃料電池の電解質膜に接する前記一方の面の表面を含む領域に配置される前記高分子電解質である膜側電解質の方が、他方の面の表面を含む領域に配置される前記高分子電解質であるガス流路側電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする
燃料電池用触媒電極層。 - 請求項1記載の燃料電池用触媒電極層であって、
前記膜側電解質におけるクラスター径は、前記ガス流路側電解質におけるクラスター径よりも、0.5nm以上大きいことを特徴とする
燃料電池用触媒電極層。 - 電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池であって、
前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層は、請求項1または2記載の触媒電極層である
燃料電池。 - 請求項3記載の燃料電池であって、
前記少なくとも一方の触媒電極層上に形成される前記反応ガスの流路は、前記触媒電極層上で、一定の方向に前記反応ガスが流れる流路であり、
前記少なくとも一方の触媒電極層では、前記反応ガスの入口近傍に配置される前記高分子電解質である上流側電解質の方が、前記反応ガスの出口近傍に配置される下流側電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする
燃料電池。 - 請求項3または4記載の燃料電池であって、
前記一対の触媒電極層のうち、カソード側の触媒電極層が備える前記高分子電解質であるカソード側電解質の方が、アノード側の触媒電極層が備える前記高分子電解質であるアノード側電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする
燃料電池。 - 請求項3ないし5いずれか記載の燃料電池であって、
前記電解質と前記一対の触媒電極層と前記反応ガス流路とを備える単セルが複数積層されたスタック構造を有し、
前記スタック構造内において、前記少なくとも一方の触媒電極層上を流れる前記反応ガスの流量が相対的に多い前記単セルが備える前記少なくとも一方の触媒電極層中の前記高分子電解質は、前記反応ガスの流量が相対的に少ない単セルが備える前記少なくとも一方の触媒電極層中の前記高分子電解質よりも、クラスター径が大きく形成されていることを特徴とする
燃料電池。 - 高分子電解質と、該高分子電解質と混在する触媒粒子と、を含む触媒電極材料で形成され、一方の面が燃料電池の電解質膜に接するように配置される多孔質な触媒電極層の製造方法であって、
前記高分子電解質と前記触媒粒子とが分散された触媒インクを用意する第1の工程と、
前記触媒インクを、層状の触媒インク層に成形する第2の工程と、
前記触媒インク層の前記一方の面が、前記触媒電極層を備える燃料電池の製造工程における他の工程において前記触媒電極層に加えられる最高温度よりも高い第1の温度となり、前記触媒インク層の他方の面が、前記第1の温度よりも低い第2の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する第3の工程と、
を備える燃料電池用触媒電極層の製造方法。 - 請求項7記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法であって、
前記第1の温度と前記第2の温度との差が5℃以上であることを特徴とする
燃料電池用触媒電極層の製造方法。 - 電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、
請求項7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程と、
前記第4の工程の後に、前記触媒インク層を、前記電解質膜上に転写する第5の工程と、
を備え、
前記第3の工程は、前記触媒インク層において、前記第5の工程で前記電解質膜と接する側の温度が前記第2の温度となり、前記電解質膜と接しない側の温度が前記第1の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する工程である
燃料電池の製造方法。 - 電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、
請求項7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程を備え、
前記第2の工程は、前記電解質膜上に前記触媒インク層を形成する工程であり、
前記第3の工程は、前記触媒インク層において、前記電解質膜側の温度が前記第2の温度となり、前記電解質膜と接しない側の温度が前記第1の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する工程である
燃料電池の製造方法。 - 電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、各々の前記触媒電極層上に設けられ、反応ガスの流路を形成するガス拡散層と、を備える燃料電池の製造方法であって、
請求項7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程と、
前記第4の工程の後に、前記触媒インク層を、前記ガス拡散層上に転写する第6の工程と、
を備え、
前記第3の工程は、前記触媒インク層において、前記第5の工程で前記ガス拡散層と接する側の温度が前記第1の温度となり、前記ガス拡散層と接しない側の温度が前記第2の温度となるように、前記触媒インク層を加熱する工程である
燃料電池の製造方法。 - 電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、
請求項7または8記載の燃料電池用触媒電極層の製造方法により、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を製造する第4の工程を備え、
前記第2の工程は、基板上に前記触媒インク層を形成する工程であり、
前記第3の工程は、前記触媒インク層における前記基板と接しない側の面を前記電解質膜と接触させ、前記触媒インク層において、前記基板側の温度が前記第1の温度となり、前記電解質膜側の温度が前記第2の温度となるように前記触媒インク層を加熱して、前記基板上の前記触媒インク層を前記電解質膜上に転写する工程である
燃料電池の製造方法。 - 電解質膜と、該電解質膜上に設けられた一対の触媒電極層と、を備え、各々の前記触媒電極層上に反応ガスの流路が形成される燃料電池の製造方法であって、
前記高分子電解質と前記触媒粒子とが分散された触媒インクを用意する第1の工程と、
前記触媒インクから、複数の触媒インク層を形成する第2の工程と、
前記複数の触媒インク層のうちの第1の触媒インク層を、前記燃料電池の製造工程における他の工程において前記触媒電極層に加えられる最高温度よりも高い第1の温度で加熱し、前記第1の触媒インク層以外の触媒インク層を、前記第1の温度よりも低い温度で加熱する第3の工程と、
前記複数の触媒インク層を、前記第3の工程における加熱の温度の順に積層して、前記一対の触媒電極層のうちの少なくとも一方の触媒電極層を形成すると共に、前記第1の触媒インク層が前記電解質膜から最も離間するように、前記電解質膜上に前記少なくとも一方の触媒電極層を形成する第4の工程と
を備える燃料電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012054336A JP5765273B2 (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012054336A JP5765273B2 (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013187181A true JP2013187181A (ja) | 2013-09-19 |
JP5765273B2 JP5765273B2 (ja) | 2015-08-19 |
Family
ID=49388424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012054336A Active JP5765273B2 (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5765273B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016201175A (ja) * | 2015-04-07 | 2016-12-01 | 凸版印刷株式会社 | 燃料電池用触媒層シートの製造方法及び燃料電池用触媒層シート、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002042824A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-08 | Fuji Electric Co Ltd | 固体高分子型燃料電池およびその製造方法 |
JP2002164057A (ja) * | 2000-11-28 | 2002-06-07 | Fuji Electric Co Ltd | 固体高分子型燃料電池とその製造方法 |
JP2005251491A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-09-15 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
JP2005317287A (ja) * | 2004-04-27 | 2005-11-10 | Toyota Motor Corp | 膜/電極接合体及び固体高分子型燃料電池 |
JP2007335265A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Kaneka Corp | 高分子電解質膜の製造方法、並びに当該製造方法によって製造された高分子電解質膜およびその利用 |
JP2010015899A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Toyota Motor Corp | 燃料電池 |
JP2010044933A (ja) * | 2008-08-12 | 2010-02-25 | Toyota Motor Corp | 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池 |
-
2012
- 2012-03-12 JP JP2012054336A patent/JP5765273B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002042824A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-08 | Fuji Electric Co Ltd | 固体高分子型燃料電池およびその製造方法 |
JP2002164057A (ja) * | 2000-11-28 | 2002-06-07 | Fuji Electric Co Ltd | 固体高分子型燃料電池とその製造方法 |
JP2005251491A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-09-15 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
JP2005317287A (ja) * | 2004-04-27 | 2005-11-10 | Toyota Motor Corp | 膜/電極接合体及び固体高分子型燃料電池 |
JP2007335265A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Kaneka Corp | 高分子電解質膜の製造方法、並びに当該製造方法によって製造された高分子電解質膜およびその利用 |
JP2010015899A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Toyota Motor Corp | 燃料電池 |
JP2010044933A (ja) * | 2008-08-12 | 2010-02-25 | Toyota Motor Corp | 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6014043597; 橋本康博他: 'フッ素系燃料電池電解質膜の水の状態とクラスター構造がイオン伝導性に与える影響' 高分子論文集 Vol.63, No.3, 2006, pp.166-173 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016201175A (ja) * | 2015-04-07 | 2016-12-01 | 凸版印刷株式会社 | 燃料電池用触媒層シートの製造方法及び燃料電池用触媒層シート、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5765273B2 (ja) | 2015-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Kumar et al. | An overview of unsolved deficiencies of direct methanol fuel cell technology: factors and parameters affecting its widespread use | |
US8795918B2 (en) | Single fuel cell and fuel cell stack | |
EP2461401B1 (en) | Use of a gas diffusion layer member in a solid polymer fuel cell | |
JP7304524B2 (ja) | 燃料電池のカソード触媒層および燃料電池 | |
JP2008186798A (ja) | 電解質膜−電極接合体 | |
US20180145341A1 (en) | Component for fuel cell including graphene foam and functioning as flow field and gas diffusion layer | |
Hou et al. | Enhanced low-humidity performance in a proton exchange membrane fuel cell by the insertion of microcrystalline cellulose between the gas diffusion layer and the anode catalyst layer | |
US20090233148A1 (en) | Method for preparing membrane electrode assembly using low-temperature transfer method, membrane electrode assembly prepared thereby, and fuel cell using the same | |
US9325017B2 (en) | Method for controlling ionomer and platinum distribution in a fuel cell electrode | |
JP2008204664A (ja) | 燃料電池用膜電極接合体、およびこれを用いた燃料電池 | |
US9673467B2 (en) | Membrane electrode assembly and fuel cell | |
JP2007214019A (ja) | 燃料電池用膜電極接合体および燃料電池用ガス拡散層 | |
JP6571961B2 (ja) | 燃料電池用電極、燃料電池用膜電極複合体および燃料電池 | |
JP2011071068A (ja) | 直接酸化型燃料電池 | |
WO2017154475A1 (ja) | 触媒組成物、高分子電解質膜電極接合体の製造方法、および高分子電解質膜電極接合体 | |
US8377601B2 (en) | Direct oxidation fuel cell | |
JP5765273B2 (ja) | 燃料電池 | |
US20210167400A1 (en) | Membrane electrode assembly and fuel cell | |
JP2009032438A (ja) | 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法および膜−電極接合体 | |
JP2015079639A (ja) | 電解質膜・電極構造体 | |
JP5501044B2 (ja) | 膜電極接合体および燃料電池 | |
CN113508478A (zh) | 电极催化剂层、膜电极接合体以及固体高分子型燃料电池 | |
JP6356436B2 (ja) | 電解質膜・電極構造体 | |
CN217955916U (zh) | 燃料电池单元和燃料电池系统 | |
US20220006099A1 (en) | Catalyst layer for polymer electrolyte fuel cells, membrane-electrode assembly, and polymer electrolyte fuel cell |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140226 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141009 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141021 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150224 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150410 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150519 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150601 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5765273 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |