JP2013185864A - ケーブル診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】診断対象のケーブルが長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、所望の診断結果が得られるケーブル診断装置を提供する。
【解決手段】コネクタ2aに接続され、第1の信号線へ検査信号を送信する送信回路4と、第2の信号線から検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいて結線の誤りの有無を判定する判定部7とを有する主診断装置9と、コネクタ2bに接続され、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11を有し、信号等化器11を介して第1および第2の信号線を接続するアダプタ12とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】コネクタ2aに接続され、第1の信号線へ検査信号を送信する送信回路4と、第2の信号線から検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいて結線の誤りの有無を判定する判定部7とを有する主診断装置9と、コネクタ2bに接続され、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11を有し、信号等化器11を介して第1および第2の信号線を接続するアダプタ12とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の信号線を有するメタルケーブルに結線の誤りがないかどうかを検査するケーブル診断装置に関するものである。
従来、メタルケーブルの断線や短絡等の結線の誤りを検出する結線検査装置として、例えば、特許文献1では、検査信号発生回路および比較器を設け、検査信号発生回路から出力される検査信号と、ケーブルおよびコネクタを介してループバックする検査信号とを比較器において比較し、ケーブルの結線検査を容易的に行っている。
また、例えば、特許文献2では、一方の先端に診断用ループバックアダプタを取り付けたLANケーブルに、他方の先端に接続されたパソコンから信号を送信し、ループバックアダプタによりパソコンへ戻される信号と元の信号とを比較することにより、LANケーブルの機能診断を行っている。
しかしながら、例えば特許文献1,2のような従来のケーブル診断装置は、診断するケーブルが、長距離伝送対応の長いケーブルである場合や、Gbit/sec級の高速伝送対応のケーブルである場合、ケーブルが有する周波数依存および距離依存の伝送損失により検査信号の立ち上がりが大幅に鈍る。これにより、出力される検査信号とケーブルおよびコネクタを介してループバックして受信される検査信号との間に大きな差異が生じるため、これらの信号について比較器において正しく比較することができないという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、診断対象のケーブルが長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、所望の診断結果が得られるケーブル診断装置を提供することを目的とする。
この発明に係るケーブル診断装置は、第1および第2の信号線を含む複数の信号線を有するケーブルの両端にアセンブリされたコネクタにおける結線の誤りの有無を判定するケーブル診断装置であって、前記コネクタの一方に接続され、前記第1の信号線へ検査信号を送信する送信回路と、前記第2の信号線から検査信号を受信する受信回路と、前記送信回路により送信された検査信号と前記受信回路により受信された検査信号とを比較する比較器と、前記比較器による比較に基づいて前記結線の誤りの有無を判定する判定部とを有する主診断装置と、前記コネクタの他方に接続され、前記ケーブルが有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器を有し、当該信号等化器を介して前記第1および第2の信号線を接続するアダプタとを備えることを特徴とする。
本発明のケーブル診断装置によれば、ケーブルが有する周波数依存および距離依存の伝送損失を補償し、ケーブル伝送後の検査信号の立ち上がりの鈍りを改善するため、長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、ケーブルの断線およびケーブルとコネクタとの結線誤りを検出および診断することが可能となる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置の回路図である。図1に示すように、このケーブル診断装置は、上りレーン(第1の信号線)と下りレーン(第2の信号線)に対応した二芯の信号線を有するケーブル1の断線およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定するものであり、コネクタ2aに接続された主診断装置9と、コネクタ2bに接続されたアダプタ12と、主診断装置9に接続された表示手段13によって構成されている。
図1は、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置の回路図である。図1に示すように、このケーブル診断装置は、上りレーン(第1の信号線)と下りレーン(第2の信号線)に対応した二芯の信号線を有するケーブル1の断線およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定するものであり、コネクタ2aに接続された主診断装置9と、コネクタ2bに接続されたアダプタ12と、主診断装置9に接続された表示手段13によって構成されている。
主診断装置9は、第1の受け側コネクタ3を介してコネクタ2aに接続され、上りレーンへ検査信号を送信する送信回路4と、下りレーンから検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいてケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定して判定結果に応じた制御信号を出力する判定部7と、判定部7により出力された制御信号を外部へ出力する外部出力端子8とを有する。
アダプタ12は、第2の受け側コネクタ10を介してコネクタ2bに接続され、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11を有し、信号等化器11を介して上りレーンと下りレーンを接続する。
表示手段13は、主診断装置9と外部出力端子8を介して接続され、判定部7により出力される制御信号に応じ、ケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの有無についての診断結果を表示する。
次に、動作について説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置の処理の流れを示すフローチャートである。まず、主診断装置9の送信回路4が検査信号をケーブル1の上りレーンへ出力する(ステップST11)。
次に、アダプタ12の信号等化器11が、送信回路4から出力されてケーブル1の上りレーンを伝送した検査信号を受信する(ステップST12)。この際、上りレーンを伝送し信号等化器11の入力端子に到達する検査信号は、ケーブル1が有する周波数依存および距離依存の伝送損失を受け、立ち上がり波形が大幅に鈍っている。
ここで、ケーブル1が有する伝送損失について図3を用いて説明する。図3は、4つのケーブルA〜Dの通過特性について示す特性図であり、各ケーブルの伝送損失と周波数の関係について示している。ケーブルA〜Dはいずれも周波数依存の伝送損失を有し、周波数が高くなるに従って伝送損失は大きくなるため、図3に示すように、ケーブルA〜Dの通過特性はいずれも周波数に対して右肩下がりとなる。なお、ケーブルA〜Dの伝送損失の大きさを比較するとA<B<C<Dであり、仮にケーブルA〜Dが同じ種類のケーブルである場合、距離依存の伝送損失の大きさはケーブルの長さに比例するので、ケーブルA〜Dの長さについても伝送損失の大きさと同様にA<B<C<Dとなる。
次に、この発明のケーブル診断装置と従来のケーブル診断装置との違いを明確にするため、従来のケーブル診断装置における検査信号が、ケーブルが有する伝送損失により受ける影響について、図4および図5を用いて説明する。図4は、図1に示すケーブル診断装置において、信号等化器11を伝送線路14に置き換えた従来のケーブル診断装置について示す回路図であり、アダプタ15が有する伝送線路14は単に上りレーンと下りレーンを接続するだけのものである。
図5は、図3に示された4つのケーブルA〜Dが有する伝送損失を受けた各検査信号について示す波形図であり、具体的には図4に示された従来のケーブル診断装置によって、図3に示されたケーブルA〜Dについてそれぞれ診断を行った際に、受信回路5により受信された各検査信号の波形について示している。図5に示すように、ケーブルA〜Dを伝送した各検査信号は伝送したケーブルが有する伝送損失の大きさに応じてビットの立ち上がりが鈍っており、伝送損失が小さいケーブルAを伝送した検査信号の立ち上がりはほとんど鈍っていないのに対し、伝送損失が大きいケーブルDを伝送した検査信号の立ち上がりは大幅に鈍っている。また、ビットの周波数帯域によっても伝送損失による影響の大きさは異なっており、低周波帯域を示す横幅が大きなビットよりも高周波帯域を示す横幅が小さなビットの方がより立ち上がりが鈍っていることが示されている。
ここで、図4に示された従来のケーブル診断装置の比較器6において、送信回路4により出力された検査信号と、図5に示された受信回路5により受信された検査信号とをディジタル信号に変換して比較する場合について考える。例えば、比較器6は、各検査信号について振幅が所定の閾値以上の場合は「High」に、振幅が所定の閾値未満の場合には「Low」に、それぞれ変換して、各検査信号の変換後の値が一致するか否か判定する。ここで仮に、所定の閾値を0.6Vに設定すると、例えば、図5に示すケーブルDを伝送した検査信号の50[ns]、70[ns]において、検査信号の振幅が立ち上がり時に0.6Vに達する前に立ち下がりに遷移するビットが発生する。このとき、ケーブル1とコネクタ2a,2bが正しくアセンブリされているにも拘わらず、送信回路4により送信された検査信号は閾値を上回って「High」に変換されるのに対し、受信回路5により受信されたケーブルDを伝送した検査信号は閾値を下回って「Low」に変換されるため、比較器6により2つの検査信号は不一致であるとされてしまい、この結果、判定部7によりケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bに結線の誤りが有ると判定されてしまう。
このように、従来のケーブル診断装置における検査信号はケーブル1が有する伝送損失により影響を受けて、ビットの立ち上がりが鈍ってしまうことにより、所望の診断結果が得られない場合があり、問題だった。
このように、従来のケーブル診断装置における検査信号はケーブル1が有する伝送損失により影響を受けて、ビットの立ち上がりが鈍ってしまうことにより、所望の診断結果が得られない場合があり、問題だった。
そこで、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置は、この問題を解決するため、アダプタ12にケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11を有しており、図2に示すように、信号等化器11がケーブル1を伝送することにより検査信号に生じる伝送損失を補償する(ステップST13)。
図6は、この発明の実施の形態1に係るケーブル1と信号等化器11の通過特性について示す特性図であり、ケーブル1の通過特性、信号等化器11の通過特性およびケーブル1と信号等化器11を合わせた全体の通過特性と周波数との関係が示されている。図6に示すように、信号等化器11は周波数に対して右肩上がりの通過特性を有し、ケーブル1が有する右肩下がりの通過特性とは反対の通過特性を有する。すなわち、信号等化器11はケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有するため、ケーブル1と信号等化器11を合わせることにより、全体の通過特性を平坦に近く改善できる。これにより、検査信号が信号等化器11を伝送することにより、ケーブル1が有する伝送損失が補償され、送信回路4により出力される検査信号と受信回路5により受信される検査信号とに差異が生じることを抑制できる。
なお、信号等化器11は周波数に対する通過特性と同様に、距離に対しても右肩上がりの通過特性を有しており、ケーブル1が有する距離依存の伝送損失についても補償する。
なお、信号等化器11は通過特性が可変であり、ケーブル1が有する伝送損失に応じて調整可能である。信号等化器11は、送信回路4から出力する検査信号の周波数スペクトルと、信号等化器11伝送後の検査信号とを比較し、両者の周波数スペクトルが一致するように、自身の通過特性の大きさを調整する。信号等化器11を用いることにより、種類や長さが異なるケーブルを1台の検査装置によって診断することが可能となる。
次に、信号等化器11が伝送損失を補償した検査信号をケーブル1の下りレーンへ出力し(ステップST14)、主診断装置9の受信回路5が信号等化器11から出力されてケーブル1の下りレーンを伝送した検査信号を受信する。
その後、比較器6が、送信回路4により出力された検査信号と、受信回路5により受信された検査信号とを比較し(ステップST15)、判定部7が比較器6による比較に基づきケーブル1の断線およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定する(ステップST16)。この際、受信回路5により受信された検査信号は、信号等化器11の通過特性によりケーブル1が有する伝送損失を補償されている。これにより、ケーブル1が長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、ケーブル1とコネクタ2a,2bが正しくアセンブリされていれば、送信回路4により出力される検査信号と受信回路5により受信される検査信号が、比較器6において不一致であるとされることはないので、判定部7によりケーブル1およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bに結線の誤りが有ると判定されることはなく、ケーブル1の結線状態を正しく診断することが可能となる。
なお、長距離伝送および高速伝送の定義については、信号の基本周波数におけるケーブルの伝送損失が−6dBを下回るケーブルの長さを長距離とし、信号の基本周波数におけるケーブルの伝送損失が−6dBを下回るケーブルの速度を高速とする。
なお、長距離伝送および高速伝送の定義については、信号の基本周波数におけるケーブルの伝送損失が−6dBを下回るケーブルの長さを長距離とし、信号の基本周波数におけるケーブルの伝送損失が−6dBを下回るケーブルの速度を高速とする。
なお、比較器6は、送信回路4により出力された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較するとともに、検査信号毎に所定の時間毎における送信ビット数とエラーが発生したビット数をカウントし、送信ビット数に対するエラーが発生したビット数の割合をビットエラーレートとして計測してもよい。
次に、判定部7が、判定結果に応じて制御信号を外部出力端子8を介して表示手段13に出力し(ステップST17)、表示手段13が、判定部7により出力された制御信号に応じ、ケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの有無についての診断結果を表示して(ステップST18)、処理を終了する。
表示手段13がケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの有無の診断結果について表示することにより、診断結果を簡単に目視することが可能となる。
なお、表示手段13は、判定部7から制御信号だけでなく比較器6により計測されたビットエラーレートを受信し、ケーブル診断の判定結果と共にビットエラーレートを表示してもよく、これにより、より詳細な診断結果を簡単に目視することが可能となる。
なお、実施の形態1では、検査信号の信号規格がシングルエンド信号である場合について示したが、差動信号であってもよい。図7は、図1に示すケーブル診断装置における検査信号の信号規格が差動信号である場合について示した回路図であり、図7に示すように、検査信号の信号規格をシングルエンド信号でなく差動信号とする場合、ケーブル1は2本の芯線を1対とするものを使用し、また、送信回路4、受信回路5、比較器6および信号等化器11は差動信号に対応したものを使用する。送信回路4および受信回路5はそれぞれ2つの検査信号を送受信し、比較器6は送信回路4により送信された2つの検査信号の差と受信回路5により受信された2つの検査信号の差とを比較する。
なお、実施の形態1では、診断対象となるケーブル1の芯線が2本の場合について示したが芯線の数は偶数であればよく、芯線の数に応じて診断に必要な数のケーブル診断装置を用意する。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、コネクタ2aに接続され、第1の信号線へ検査信号を送信する送信回路4と、第2の信号線から検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいて結線の誤りの有無を判定する判定部7とを有する主診断装置9と、コネクタ2bに接続され、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11を有し、信号等化器11を介して第1および第2の信号線を接続するアダプタ12とを備えるように構成したので、ケーブル1が有する周波数依存および距離依存の伝送損失を補償でき、その結果、長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、ケーブル1の断線およびケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの検出および診断することが可能となる。
また、実施の形態1によれば、信号等化器11は、ケーブル1の種類や長さに応じて通過特性を調整可能であるため、種類や長さが異なるケーブルを1台のケーブル診断装置によって診断することが可能となる。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2に係るケーブル診断装置を示す回路図であり、実施の形態1の図1に示すケーブル診断装置の構成に対して、主診断装置16が信号等化器11を有し、アダプタ17は信号等化器11の代わりに伝送線路14を有する点で異なる。図1と同一符号は同一または相対部分を示すので説明を省略する。
図8は、この発明の実施の形態2に係るケーブル診断装置を示す回路図であり、実施の形態1の図1に示すケーブル診断装置の構成に対して、主診断装置16が信号等化器11を有し、アダプタ17は信号等化器11の代わりに伝送線路14を有する点で異なる。図1と同一符号は同一または相対部分を示すので説明を省略する。
主診断装置16は、第1の受け側コネクタ3を介してコネクタ2aに接続され、上りレーンへ検査信号を送信する送信回路4と、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11と、信号等化器11を介して下りレーンから検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいてケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定して判定結果に応じた制御信号を出力する判定部7と、判定部7により出力された制御信号を外部へ出力する外部出力端子8とを有する。
アダプタ17は、第2の受け側コネクタ10を介してコネクタ2bに接続され、単に上りレーンと下りレーンを接続する伝送線路14を有する。
次に、動作について説明する。図9は、この発明の実施の形態2に係るケーブル診断装置の処理の流れを示すフローチャートである。まず、主診断装置16の送信回路4が検査信号をケーブル1の上りレーンへ出力する(ステップST21)。
次に、アダプタ17内の伝送線路14が送信回路4から出力されてケーブル1の上りレーンを伝送した検査信号を折り返し(ステップST22)、信号等化器11が伝送線路14により折り返されてケーブル1の下りレーンを伝送した検査信号を受信する(ステップST23)。このとき、ケーブル1の上りレーンおよび下りレーンを伝送して信号等化器11の入力端子に到達する検査信号は、ケーブル1が有する周波数依存および距離依存の伝送損失を受けて立ち上がり波形が大幅に鈍っている。
そこで、信号等化器11がケーブル1を伝送することにより検査信号に生じる伝送損失を補償する(ステップST24)。信号等化器11は、実施の形態1に係るケーブル診断装置の場合と同様に、図6に示すように、ケーブル1が有する伝送損失に対して反対の通過特性を有する。すなわち、信号等化器11はケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する。したがって、ケーブル1と信号等化器11を合わせることにより、全体の通過特性を平坦に近く改善でき、送信回路4から出力される検査信号とケーブル1伝送後の検査信号とに差異が生じることを抑制できる。
なお、信号等化器11は周波数に対する通過特性と同様に、距離に対しても右肩上がりの通過特性を有しており、ケーブル1が有する距離依存の伝送損失についても補償する。
なお、信号等化器11は通過特性が可変であり、ケーブル1が有する伝送損失に応じて調整可能である。信号等化器11は、送信回路4から出力する検査信号の周波数スペクトルと、信号等化器11伝送後の検査信号とを比較し、両者の周波数スペクトルが一致するように、自身の通過特性の大きさを調整する。信号等化器11を用いることにより、種類や長さが異なるケーブルを1台の検査装置によって診断することが可能となる。
次に、信号等化器11が伝送損失を補償した検査信号を受信回路5へ出力し(ステップST25)、その後、比較器6が送信回路4により出力された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較し(ステップST26)、判定部7が比較器6による比較に基づいてケーブル1の断線およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定する(ステップST27)。この際、受信回路5により受信された検査信号は信号等化器11の通過特性によりケーブル1が有する伝送損失を補償されている。これにより、ケーブル1が長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、ケーブル1とコネクタ2a,2bが正しくアセンブリされていれば、送信回路4により出力される検査信号と受信回路5により受信される検査信号が、比較器6において不一致であるとされることはないので、判定部7によりケーブル1およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bに結線の誤りが有ると判定されることはなく、ケーブル1の結線状態を正しく診断することが可能となる。
なお、比較器6は、送信回路4により出力された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較するとともに、検査信号毎に所定の時間毎における送信ビット数とエラーが発生したビット数をカウントし、送信ビット数に対するエラーが発生したビット数の割合をビットエラーレートとして計測してもよい。
その後、判定部7が、判定結果に応じて制御信号を外部出力端子8を介して表示手段13へ出力して(ステップST28)、表示手段13が判定部7により出力された制御信号に応じて、ケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの有無についての診断結果を表示して(ステップST29)、処理を終了する。
表示手段13がケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの有無の診断結果について表示することにより、診断結果を簡単に目視することが可能となる。
なお、表示手段13は、判定部7から制御信号だけでなく比較器6により計測されたビットエラーレートを受信し、ケーブル診断の判定結果と共に各検査信号のビットエラーレートを表示してもよく、これにより、より詳細な診断結果を簡単に目視することが可能となる。
なお、実施の形態2では検査信号の信号規格がシングルエンド信号である場合について示したが、実施の形態1の図7に示す場合と同様に、実施の形態2においても検査信号の信号規格を差動信号としてもよく、この場合、ケーブル1は2本の芯線を1対とするものを使用し、また、送信回路4、受信回路5、比較器6および信号等化器11は差動信号に対応したものを使用する。送信回路4および受信回路5はそれぞれ2つの検査信号を送受信し、比較器6は送信回路4により送信された2つの検査信号の差と受信回路5により受信された2つの検査信号の差とを比較する。
なお、実施の形態2では、診断対象となるケーブル1の芯線が2本の場合について示したが芯線の数は偶数であればよく、芯線の数に応じて診断に必要な数のケーブル診断装置を用意する。
以上のように、実施の形態2によれば、コネクタ2aに接続され、第1の信号線へ検査信号を送信する送信回路4と、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11と、信号等化器11を介して第2の信号線から検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいて結線の誤りの有無を判定する判定部7とを有する主診断装置9と、コネクタ2bに接続され、第1および第2の信号線を接続するアダプタ17とを備えるように構成したので、ケーブル1が有する周波数依存および距離依存の伝送損失を補償でき、その結果、長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、ケーブル1の断線およびケーブル1とコネクタ2a,2bの結線の状態を診断することが可能となる。
また、実施の形態2によれば、信号等化器11は、ケーブル1の種類や長さに応じて通過特性を調整可能であるため、種類や長さが異なるケーブルを1台のケーブル診断装置によって診断することが可能となる。
実施の形態3.
図10は、この発明の実施の形態3に係るケーブル診断装置を示す回路図であり、実施の形態2の図8に示すケーブル診断装置の構成に対して、アダプタ17を備えず、コネクタ2a,2bの両方に接続された主診断装置18が、第2の受け側コネクタ10を追加で有する点で異なる。図1および図8と同一符号は同一または相対部分を示すので説明を省略する。
図10は、この発明の実施の形態3に係るケーブル診断装置を示す回路図であり、実施の形態2の図8に示すケーブル診断装置の構成に対して、アダプタ17を備えず、コネクタ2a,2bの両方に接続された主診断装置18が、第2の受け側コネクタ10を追加で有する点で異なる。図1および図8と同一符号は同一または相対部分を示すので説明を省略する。
主診断装置18は、第1の受け側コネクタ3を介してコネクタ2aと、第2の受け側コネクタ10を介してコネクタ2bと、それぞれ接続され、ケーブル1へ検査信号を出力する送信回路4と、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11と、信号等化器11を介してケーブル1から検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいてケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定して判定結果に応じた制御信号を出力する判定部7と、判定部7により出力された制御信号を外部へ出力する外部出力端子8とを有する。
次に動作について説明する。図11は、この発明の実施の形態3に係るケーブル診断装置の処理の流れを示すフローチャートである。まず、主診断装置18の送信回路4が検査信号をケーブル1の上りレーンへ出力する(ステップST31)。
次に、主診断装置18の信号等化器11が送信回路4から出力されてケーブル1を伝送した検査信号を受信する(ステップST32)。このとき、ケーブル1を伝送し信号等化器11の入力端子に到達する検査信号は、ケーブル1が有する周波数依存および距離依存の伝送損失を受けて立ち上がり波形が大幅に鈍っている。
そこで、信号等化器11がケーブル1を伝送することにより検査信号に生じる伝送損失を補償する(ステップST33)。信号等化器11は、実施の形態1に係るケーブル診断装置の場合と同様に、ケーブル1が有する伝送損失に対して反対の通過特性を有する。すなわち、信号等化器11はケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する。したがって、ケーブル1と信号等化器11を合わせることにより、図6に示す信号等化器のように、全体の通過特性を平坦に近く改善でき、送信回路4から出力される検査信号とケーブル1伝送後の検査信号とに差異が生じることを抑制できる。
なお、信号等化器11は周波数に対する通過特性と同様に、距離に対しても右肩上がりの通過特性を有しており、ケーブル1が有する距離依存の伝送損失についても補償する。
なお、信号等化器11は通過特性が可変であり、ケーブル1が有する伝送損失に応じて調整可能である。信号等化器11は、送信回路4から出力する検査信号の周波数スペクトルと、信号等化器11伝送後の検査信号とを比較し、両者の周波数スペクトルが一致するように、自身の通過特性の大きさを調整する。信号等化器11を用いることにより、種類や長さが異なるケーブルを1台の検査装置によって診断することが可能となる。
次に信号等化器11が検査信号を受信回路5へ出力し(ステップST34)、その後、比較器6が送信回路4により出力された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較し(ステップST35)、判定部7が比較器6による比較に基づいてケーブル1の断線およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bにおける結線の誤りの有無を判定する(ステップST36)。この際、受信回路5が受信した検査信号は、信号等化器11の通過特性によりケーブル1の伝送による伝送損失を補償されている。これにより、ケーブル1が長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、ケーブル1とコネクタ2a,2bが正しくアセンブリされていれば、送信回路4により出力される検査信号と受信回路5により受信される検査信号が、比較器6において不一致であるとされることはないので、判定部7によりケーブル1およびケーブル1の両端にアセンブリされたコネクタ2a,2bに結線の誤りが有ると判定されることはなく、ケーブル1の結線状態を正しく診断することが可能となる。
なお、比較器6は、送信回路4により出力された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較するとともに、検査信号毎に所定の時間毎における送信ビット数とエラーが発生したビット数をカウントし、送信ビット数に対するエラーが発生したビット数の割合をビットエラーレートとして計測してもよい。
その後、判定部7が、判定結果に応じて制御信号を外部出力端子8を介して表示手段13へ出力して(ステップST37)、表示手段13が、判定部7により出力された制御信号に応じて、ケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの有無についての診断結果を表示して(ステップST38)、処理を終了する。
表示手段13がケーブル1とコネクタ2a,2bとの結線誤りの有無の診断結果について表示することにより、診断結果を簡単に目視することが可能となる。
なお、表示手段13は、判定部7から制御信号だけでなく比較器6により計測されたビットエラーレートを受信し、ケーブル診断の判定結果と共に各検査信号のビットエラーレートを表示してもよく、これにより、より詳細な診断結果を簡単に目視することが可能となる。
なお、実施の形態3では検査信号の信号規格がシングルエンド信号である場合について示したが、実施の形態1の図7に示す場合と同様に、実施の形態3においても検査信号の信号規格を差動信号としてもよく、この場合、ケーブル1は2本の芯線を1対とするものを使用し、また、送信回路4、受信回路5、比較器6および信号等化器11は差動信号に対応したものを使用する。送信回路4および受信回路5はそれぞれ2つの検査信号を送受信し、比較器6は送信回路4により送信された2つの検査信号の差と受信回路5により受信された2つの検査信号の差とを比較する。
なお、実施の形態3では、診断対象となるケーブル1の芯線が1本の場合について示したが芯線を複数としてもよく、この場合、芯線の数に応じて診断に必要な回路を用意する。
以上のように、実施の形態3によれば、コネクタ2a,2bの両方に接続され、ケーブル1へ検査信号を送信する送信回路4と、ケーブル1が有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器11と、信号等化器11を介してケーブル1から検査信号を受信する受信回路5と、送信回路4により送信された検査信号と受信回路5により受信された検査信号とを比較する比較器6と、比較器6による比較に基づいて結線の誤りの有無を判定する判定部7とを有する主診断装置9を備えるように構成したので、ケーブル1が有する周波数依存および距離依存の伝送損失を補償でき、その結果、長距離伝送対応またはGbit/sec級の高速伝送対応のケーブルであっても、ケーブル1の断線およびケーブル1とコネクタ2a,2bの結線の状態を診断することが可能となる。
また、実施の形態3によれば、信号等化器11は、ケーブル1の種類や長さに応じて通過特性を調整可能であるため、種類や長さが異なるケーブルを1台のケーブル診断装置によって診断することが可能となる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 ケーブル、2a,2b コネクタ、3 第1の受け側コネクタ、4 送信回路、5 受信回路、6 比較器、7 判定部、8 外部出力端子、9 主診断装置、10 第2の受け側コネクタ、11 信号等化器、12,15,17 アダプタ、13 表示手段、14 伝送線路、16,18 主診断装置。
Claims (5)
- 第1および第2の信号線を含む複数の信号線を有するケーブルの両端にアセンブリされたコネクタにおける結線の誤りの有無を判定するケーブル診断装置であって、
前記コネクタの一方に接続され、前記第1の信号線へ検査信号を送信する送信回路と、前記第2の信号線から検査信号を受信する受信回路と、前記送信回路により送信された検査信号と前記受信回路により受信された検査信号とを比較する比較器と、前記比較器による比較に基づいて前記結線の誤りの有無を判定する判定部とを有する主診断装置と、
前記コネクタの他方に接続され、前記ケーブルが有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器を有し、当該信号等化器を介して前記第1および第2の信号線を接続するアダプタとを備える
ことを特徴とするケーブル診断装置。 - 第1および第2の信号線を含む複数の信号線を有するケーブルの両端にアセンブリされたコネクタにおける結線の誤りの有無を検出するケーブル診断装置であって、
前記コネクタの一方に接続され、前記第1の信号線へ検査信号を送信する送信回路と、前記ケーブルが有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器と、前記信号等化器を介して前記第2の信号線から検査信号を受信する受信回路と、前記送信回路により送信された検査信号と前記受信回路により受信された検査信号とを比較する比較器と、前記比較器による比較に基づいて前記結線の誤りの有無を判定する判定部とを有する主診断装置を備える
ことを特徴とするケーブル診断装置。 - 信号線を有するケーブルの両端にアセンブリされたコネクタにおける結線の誤りの有無を検出するケーブル診断装置であって、
前記コネクタの両方に接続され、前記ケーブルへ検査信号を送信する送信回路と、前記ケーブルが有する伝送損失を補償する通過特性を有する信号等化器と、前記信号等化器を介して前記ケーブルから検査信号を受信する受信回路と、前記送信回路により送信された検査信号と前記受信回路により受信された検査信号とを比較する比較器と、前記比較器による比較に基づいて前記結線の誤りの有無を判定する判定部とを有する主診断装置を備える
ことを特徴とするケーブル診断装置。 - 前記信号等化器は、前記ケーブルの種類や長さに応じて前記通過特性を調整可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のケーブル診断装置。 - 前記比較器は、前記送信回路により出力された検査信号と前記受信回路で受信する検査信号とが一致するか否かを判定するとともに前記検査信号のビットエラーレートを算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のケーブル診断装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2012-03-06 JP JP2012049280A patent/JP2013185864A/ja active Pending
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