JP2013185254A - 磁石ユニット及びスパッタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カソードマグネットサイズを小型化できると共に、高速で回路構成を変化することができる磁石ユニット及びスパッタ装置を提供する。
【解決手段】磁石ユニット1Aは、駆動部38連結される原動磁石アセンブリ21Aと、当該原動磁石アセンブリ21Aに対し回転自在に設けられた従動磁石アセンブリ22Aとを備え、前記原動磁石アセンブリ21Aに対し前記従動磁石アセンブリ22Aの回転速度を電磁力によって相対的に変化させることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】磁石ユニット1Aは、駆動部38連結される原動磁石アセンブリ21Aと、当該原動磁石アセンブリ21Aに対し回転自在に設けられた従動磁石アセンブリ22Aとを備え、前記原動磁石アセンブリ21Aに対し前記従動磁石アセンブリ22Aの回転速度を電磁力によって相対的に変化させることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁石ユニット及びスパッタ装置に関するものである。
各種基板表面に金属膜や、絶縁膜などの薄膜を形成する技術の一つにスパッタリング法がある。スパッタリング法は、薄膜の原料であるターゲットを被成膜基板と対向して配置し、ポンプにより常に排気されている真空容器に放電用ガス(例えばアルゴンや窒素、酸素、これらの混合ガス)を導入しながらターゲットに負の電位を与える。これにより高密度プラズマからターゲット前方にプラスイオンが引き寄せられ、ターゲット表面にイオンが衝突しターゲットから原子が弾き飛ばされる。この原子が、基板に付着することで薄膜を形成する。
スパッタリング法の利点は、被成膜基板に対する薄膜の付着力が高い、被成膜基板の温度を高くすることなく緻密な膜を生成することができる、スパッタ時のガス圧力を変えることで、膜密度を容易に変えることができる、スパッタ粒子のエネルギーを制御しやすく結晶性膜や非晶質膜の成膜を容易に制御できる、などがある。これら数々の利点により、スパッタリング法は様々な産業で使用されている。
ところで、スパッタリング法では、高密度プラズマをターゲット前方に生成する必要がある。すなわち、放電により発生した電子をターゲット前面に閉じ込めることで効率よく電離を繰り返すことが必要になる。電子の閉じ込めは、ターゲット前面での磁束密度の高低で発生するミラー効果による往復運動に加え、電界と磁界の直交領域における電子のドリフト運動により発生する。ドリフト運動による電子の逃走を抑えるために、ドリフトする「通路」は無終端にすることが望ましい。この「通路」を磁気トラックと呼ぶ。これにより電子はターゲット上の磁気トラックにおいて長期にわたり電離衝突をすることが可能になる。
磁気トラックの形状は、ターゲット下部に配置されたカソードマグネットの磁気回路で決定される。磁気回路は、ターゲット上の磁気トラックの形状を決定すると共に、ターゲット前方におかれた被成膜基板に形成される薄膜の面内膜厚分布、ターゲットに発生する浸食の形状、その浸食によるターゲットの交換時期(ターゲット寿命)を決定づける。
磁気回路を形成する磁石ユニットは様々な形態があるが、強磁性板上に永久磁石を並べた形態が一般的である。例えば、図18Aのカソード1130は、保持板(磁性ヨークと呼ぶ)1131上に永久磁石1132を固定し、その内部に永久磁石1133を固定する。永久磁石1132と永久磁石1133は、互いに反対の磁極がターゲット1134側に現れるようにし、互いに接触しないようにギャップ1135が設けられている。このようにすることで、図18Bのようにターゲット1134上に磁束1136が発生する。磁束1136の頂点近傍の集合が磁気トラックであり、この磁気トラック上でプラズマ密度が最大の領域1137が生成される。なお、図中WAはウェーハ(被成膜基板)である。
磁気回路は、上記のように永久磁石を全面で固定した磁石ユニットによって形成する場合が多いが、磁気ユニット変形可能な構造とすることにより磁気回路を変えて、膜厚分布を調整、ターゲット上の集中的な浸食を回避する技術が開示されている(例えば、特許文献1、及び特許文献2)。
特許文献1では、環状の内側磁石とその外周に中心方向に移動可能な環状外側磁石を備えた回転可能マグネット機構を提案している。環状外側磁石を中心方向に移動させれば、ターゲット中心からのスパッタが増加し、環状外側磁石を外周に移動すれば、ターゲット外周部のスパッタを増やすことが可能になる。特許文献2では、環状磁気回路の一部を構成する8個の磁気セグメントがカソードマグネット外側方向に移動可能となっており、ターゲットの使用と共に磁気セグメントが漸進的にカソードマグネット外側方向に移動することが可能になっている。上記特許文献のいずれも、カソードマグネットを回転させながら磁気回路を変形している。
しかしながら、上記特許文献のいずれもカソードマグネットサイズを大きくするか、回転速度を小さくしなければならず、適用できるスパッタ装置が限られてしまう、という問題があった。
特許文献1では、内側磁石の周りに配置された環状外側磁石を中心方向に移動可能にするために、多数の歯車と軸受を使用している。環状外側磁石を移動する場合、すなわち配置径を変えるには、隣り合う磁石の反発力によりアームや歯車の歯面に大きな力、そして軸受に対し大きなモーメント荷重がかかる。加えて、ターゲットが磁性材料からなる場合、個々の磁石がターゲット方向へ吸引されてしまう。すなわち駆動させる部品を無理なく固定するための領域を増やす必要がある。したがって特許文献1では、小型サイズのカソードマグネットには適用することは困難である。
なお、小型サイズのカソードマグネットは、複数のカソードを近接配置して成膜プロセスを行うマルチカソードスパッタ装置や、ハードディスクメディアのような小型基板(直径2.5インチから直径3.5インチ)に対応したスパッタ装置に需要が見込まれている。
特許文献2では、磁気回路の一部を構成する磁気セグメントをカソードマグネット外周部へ直線移動させるために、磁気セグメントから伸ばしたピンをヨーク板によってスライドさせる。ヨーク板にはガイドが形成されており、このガイドに外部から伸びたローラを当てる。カソードマグネットを回転させた状態でローラをカソードマグネット径方向に移動させ、ローラをヨーク上のガイドに当てることにより、ヨーク板の半径方向への移動に伴い、磁気セグメントも移動する。特許文献2に係る構造は非常にシンプルであるが、カソードマグネットの回転速度を上げるとガイドとローラの衝突による機械的な疲労が無視できなくなる。
上記のとおり、上記特許文献の場合、カソードマグネットサイズを小型化すること、及び、高速で磁気回路を変化することが困難である、という問題があった。
上記のとおり、上記特許文献の場合、カソードマグネットサイズを小型化すること、及び、高速で磁気回路を変化することが困難である、という問題があった。
そこで、本発明は、カソードマグネットサイズの小型化と共に、高速で磁気回路を変化することができる磁石ユニット及びスパッタ装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る磁石ユニットは、スパッタ装置のカソードに搭載され、駆動部に連結される原動磁石アセンブリと、当該原動磁石アセンブリに対し回転自在に設けられた従動磁石アセンブリとを備え、前記原動磁石アセンブリに対し前記従動磁石アセンブリの回転速度を電磁力により相対的に変化させることを特徴とする。
本発明の請求項1によれば、電磁力によって原動磁石アセンブリと従動磁石アセンブリの回転角速度をそれぞれ異なる大きさにすることができるので、従来のように歯車や送りねじなどの機構を用いる場合に比べ、小型化することができる。磁石ユニットは、従来のように歯車や送りねじなどの機構を用いずに原動磁石アセンブリと従動磁石アセンブリの回転速度を変更することができるので、高速で磁気回路を変えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、磁石ユニット1Aは、薄膜の原料となるターゲット2が設けられたカソード本体3内に保持されている。カソード本体3は、冷却保持板7A、絶縁部9、ケース8、及び基台10を有する。カソード本体3は、接地されたカソードカバー体11に収容されている。カソードカバー体11は、上端に前記ターゲット2を表出させる開口を有し、下端が前記基台10に固定されている。冷却保持板7A、絶縁部9、ケース8、及び基台10の間にはシール部6がそれぞれ設けられている。基台10は接地されている。
図1に示すように、磁石ユニット1Aは、薄膜の原料となるターゲット2が設けられたカソード本体3内に保持されている。カソード本体3は、冷却保持板7A、絶縁部9、ケース8、及び基台10を有する。カソード本体3は、接地されたカソードカバー体11に収容されている。カソードカバー体11は、上端に前記ターゲット2を表出させる開口を有し、下端が前記基台10に固定されている。冷却保持板7A、絶縁部9、ケース8、及び基台10の間にはシール部6がそれぞれ設けられている。基台10は接地されている。
冷却保持板7Aは、ターゲット2の背面に密着固定され、内部を冷却水又は冷媒が循環するように形成されており、これによりターゲット2の温度上昇を抑制する。絶縁部9、ケース8は、リング状に形成されており、磁石ユニット1Aの周囲を囲むように配置されている。絶縁部9は、冷却保持板7Aに電力を印加した場合、基台10へ電力が地落することを防ぐために冷却保持板7Aとケース8との間に設けられている。
基台10は、後述する駆動部の主軸を挿通する挿通穴12を有する板状部材であって、真空容器4にシール部5を介して固定されている。
基台10は、後述する駆動部の主軸を挿通する挿通穴12を有する板状部材であって、真空容器4にシール部5を介して固定されている。
上記のように構成されたカソード本体3は、磁石ユニット1Aが配置されている内部と、ターゲット2が設けられている外部の間の気密を保持している。これにより、カソード本体3は、ターゲット2を真空容器4における真空中に保持すると共に、磁石ユニット1Aを大気圧下で使用可能に保持する。
磁石ユニット1Aは、原動磁石アセンブリとしての第1磁石アセンブリ21Aと、第1磁石アセンブリ21Aの外側を囲むように配置された従動磁石アセンブリとしての第2磁石アセンブリ22Aとを備え、ターゲット2表面に磁束を供給する。第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aは、第1軸受23を介して連結されており、相対的に回転し得る。本実施形態に係る磁石ユニット1Aは、第2磁石アセンブリ22Aの回転速度を第1磁石アセンブリ21Aに対し電磁力によって相対的に変化させる電磁力生成部を備える。電磁力生成部は、後述する高導電部と磁束生成部とで構成される。
因みに電磁力は、一般的に磁場と電流との間に働く力を指すが、本発明はこれに限らず、電場や磁場の中の電荷・磁極・電流に働く力(大辞林、第二版、三省堂)を指す。
第1磁石アセンブリ21Aは、第1磁石エレメント25と、当該第1磁石エレメント25を保持する第1保持部26Aとを有する。第1保持部26Aは、強磁性体の円板状部材からなり、上板41と下板42Aとを有する。上板41と下板42Aは、第1軸受23の内輪を間に挟み、締結部43、例えばボルトで互いが連結されている。第1磁石エレメント25は、上板41表面に接着剤、例えばエポキシ系接着剤などで固定される。
第2磁石アセンブリ22Aは、第2磁石エレメント27Aと、当該第2磁石エレメント27Aを保持する第2保持部28Aとを有する。第2保持部28Aは、強磁性体のリング状の板部材からなり、上板45と下板46Aとを有する。上板45と下板46Aは、第1軸受23の外輪を間に挟み、締結部47、例えばボルトで互いが連結されている。第2磁石エレメント27Aは、上板45表面に接着剤、例えばエポキシ系接着剤などで固定される。
第2保持部28Aの下板46Aは、第2磁石エレメント27Aが固定されている面と反対側の面に高導電部材で形成された高導電部30Aが設けられている。高導電部30Aは、例えばアルミニウムで形成されたリング状の板状部材、本実施形態ではアルミ板を適用することができる。
基台10には、第2保持部28Aに対向して配置されたリング状の板状部材を有する固定部32Aが設けられている。当該固定部32Aの表面には、高導電部30Aに対向して磁束生成部33Aが設けられている。これにより、磁束生成部33Aは、第1磁石アセンブリ21A及び第2磁石アセンブリ22Aの回転に関わらず静止した状態で保持される。
本実施形態の場合、磁束生成部33Aは、磁石であり、図2に示すように、複数(本図では16個)均等に配置されている。当該磁石の極方向は第1磁石アセンブリ21Aの回転軸Zに対し平行なので、前記磁石から生じる磁束は高導電部30Aを垂直方向に貫く。磁石の形状は、本実施形態では円柱形状であるが、本発明はこれに限らず、四角柱形状でもよい。固定部32Aは、磁石から生じる磁束を増加させるため、磁性材料で形成されるのが好ましい。
上記駆動部38は、ジョイントベース35が固定されたジョイント36が主軸39に直結されている。ジョイントベース35は、第1保持部26Aの下板42Aに、締結部43により固定されている。主軸39は、第2軸受40を介して基台10に回転自在に支持されている(図1)。
次に、渦電流による回転について図3を参照して説明する。本図は、高導電部50の背面に磁石51が配置されている。当該磁石51が矢印52方向へ移動すると、高導電部50を貫く磁石51からの磁束の変化を打ち消す方向に渦電流53、54が生じる(電磁誘導の法則、レンツの法則)。この渦電流によって生じる合成電流の向き55と、磁石51により高導電部50に生じている磁場により高導電部50には矢印52方向に力が生じる(ローレンツ力)。この力により高導電部50は52の方向へ移動(又は回転)し始める。これはいわゆる「アラゴの円板」を利用した方法である。
この時、高導電部50の回転角速度ω2は磁石51の回転角速度ω1よりも必ず小さくなる。ω1=ω2と仮定するならば磁石51に対して高導電部50は静止しまうからである。したがってω1>ω2となる。この時(ω1−ω2)/ω1を一般的にすべりと呼んでいる。このすべりによって、高導電部50と磁石51の間に回転速度の差が発生する。
図4Aと図4Bは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aが相対的に回転した場合の、ある瞬間の磁石エレメントの配置をそれぞれ表したものである。図4Bは図4Aに対し、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aの相対的位置が90度変化した状態を示す。本実施形態の場合、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aは同心円状に配置されている。
第1磁石アセンブリ21Aは、第1保持部26A上に第1磁石エレメント25が設けられている。第1磁石エレメント25は、均等に配置された磁石エレメント61〜64で構成される。磁石エレメント61、62は、表面側すなわちターゲット2側がS極となるように配置されている。磁石エレメント63、64は、表面側すなわちターゲット2側がN極となるように配置されている。このようにして第1磁石アセンブリ21Aは、S極とN極が交互に配列された第1磁石エレメント25を有する。
第1保持部26Aの中心には、磁力吸収部69が設けられている。磁力吸収部69は、磁性材料(SS400、一般構造用圧延鋼材)で形成された板状部材であって、周囲の磁束を吸収し、中心におけるターゲット2の浸食速度を抑制する。
第2磁石アセンブリ22Aは、第2保持部28A上に第2磁石エレメント27Aが設けられている。第2磁石エレメント27Aは、磁石エレメント65〜67で構成される。磁石エレメント65は、第2保持部28Aの周縁部を囲むように、図中X軸上に隙間を開けて配置され、表面側すなわちターゲット2側がN極となるように配置されている。磁石エレメント66、67は、第2保持部28Aの内周部に均等に配置されて固定されている。磁石エレメント66は、表面側すなわちターゲット2側がS極となるように配置されている。磁石エレメント67は、表面側すなわちターゲット2側がN極となるように配置されている。このようにして第2磁石アセンブリ22Aは、周縁部がN極で囲まれ、内周部にS極とN極が交互に配列された第2磁石エレメント27Aを有する。
次に、本実施形態に係る磁石ユニット1Aの動作について図1を用いて説明する。駆動部38が主軸39に駆動力を伝達すると、主軸39に固定されたジョイント36及びジョイントベース35が共に回転し始める。主軸39は、第2軸受40に軸支されているので、回転時に軸ブレが発生しない。
ジョイントベース35が第1保持部26Aに固定されているので、第1磁石アセンブリ21Aは主軸39と一体的に回転する。第1磁石アセンブリ21Aが回転し始めると、第1軸受23が一定の摺動抵抗を有しているので、第1軸受23を介して連結されている第2磁石アセンブリ22Aも従動的に回転を始める。高導電部30Aを基準にすると、磁束生成部33Aから生じた磁束は、高導電部30Aを貫通し、当該高導電部30Aと相対的に移動する。そうすると、高導電部30Aを貫通する磁束が変化し、高導電部30Aにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流と磁束生成部33Aの磁場の相互作用によって高導電部30Aの回転を妨げる向きに電磁力が発生する。この電磁力により、第2磁石アセンブリ22Aの回転が抑制される。したがって、第2磁石アセンブリ22Aの回転速度は、第1磁石アセンブリ21Aよりも小さくなる。
本実施形態に係る磁石ユニット1Aは、電磁力を用いたことにより、駆動部を単一にしても、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aの回転速度を相対的に変えることができる。したがって、磁石ユニット1Aは、従来のように歯車や送りねじなどの機構を用いる場合に比べ、小型化することができる。また、磁石ユニット1Aは、従来に比べ上記機械的構成を省略することができるので、機械の長寿命化を実現できると共に、保守作業を容易にすることができる。
次に、磁気回路の変形について図4を参照して説明する。磁石ユニット1Aは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aが図4Aに示す配置となったとき、すなわち、図中Y軸において磁極がN−S−S−S−S−Nの順に配列され、図中X軸において磁極がN−N−N−Nの順に配列されたとき、ターゲット2上に瓢箪(ひょうたん)形状の磁気トラック70Aを生成する。
次いで、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aが相対的に回転し、図4Bに示す配置となったとき、すなわち、図中Y軸において磁極がN−S−N−N−S−Nの順に配列され、図中X軸において磁極がN−S−S−Nの順に配列されたとき、磁石ユニット1Aはターゲット2上に草鞋(わらじ)形状の磁気トラック71Aを生成する。
上記のように、磁石ユニット1Aは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aを相対的に回転することにより、磁気回路を変形して形状が異なる磁気トラック70A、71Aを生成することができる。
磁石ユニット1Aは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aの回転速度を電磁力により相対的に変えることにより磁気回路を変形する。これにより、磁石ユニット1Aは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aを第1軸受23のみで連結することができるので、機械的な摩耗を最小限にとどめることができる。したがって、磁石ユニット1Aは、機械的な疲労を軽減できるので、高速で磁気回路を変形することができる。
図4Bでは、磁石エレメント61、62、67によってそれらの極と異極の磁石エレメント64が囲まれていることにより、磁気回路73Aが形成される。同様に、磁石エレメント66、61、62によってそれらの極と異極の磁石エレメント63が囲まれていることにより、磁気回路72Aが形成される。これら磁気回路72A、73Aは、ターゲット2表面に発生する磁場強度が低く(10〜20mT程度)放電に寄与しない。このため上記草鞋形状の磁気トラック71A上で高密度プラズマが発生する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る磁石ユニット1Bについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図5を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Bは、磁束生成部及び固定部の構成が上記第1実施形態と異なる。
第2実施形態に係る磁石ユニット1Bについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図5を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Bは、磁束生成部及び固定部の構成が上記第1実施形態と異なる。
本実施形態に係る磁石ユニット1Bが適用される冷却保持板7Bは銅合金で形成されている。これにより、冷却保持板7Bは熱伝導性が高いので、ターゲット2をより効率的に冷却することができる。本実施形態に係る冷却保持板7Bは、成膜するレートを高めるためにターゲット2への電力密度を高める必要があるときなどに有効である。
固定部32Bは、第1保持部26Aの下板42Aとジョイントベース35との間に挟まれて第1磁石アセンブリ21Aに固定されている。固定部32Bには、高導電部30Aに対向するように磁束生成部33Bが設けられている。これにより、固定部32Bは、第1磁石アセンブリ21Aと一体的に回転する。
第1磁石アセンブリ21Aが主軸39と一体的に回転し始めると、第1軸受23を介して連結されている第2磁石アセンブリ22Aも従動的に回転を始める。第2磁石アセンブリ22Aに設けられた第2磁石エレメント27Aから生じる磁束は、冷却保持板7Bを貫通し、当該冷却保持板7Bと相対的に移動する。そうすると、冷却保持板7Bを貫通する磁束が変化し、冷却保持板7Bにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流と第2磁石エレメント27Aの磁場の相互作用によって、第2磁石エレメント27Aの回転を妨げる向きに電磁力が生じる。この電磁力により、第2磁石アセンブリ22Aの回転が抑制される。
一方、固定部32Bは第1磁石アセンブリ21Aと一体的に回転する。そうすると、固定部32Bに設けられた磁束生成部33Bと第2磁石アセンブリ22Aに設けられた高導電部30Aとの間に速度差が生じるので、高導電部30Aを貫通する磁束が変化し、当該高導電部30Aにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流と磁束生成部33Bの磁場の相互作用によって、磁束生成部33Bの回転方向と同じ向きの電磁力が高導電部30Aに生じる。この電磁力により、第2磁石アセンブリ22Aは回転速度が増加する。
これにより、本実施形態に係る磁石ユニット1Bは、銅合金で形成された冷却保持板7Bによる回転速度の抑制を、磁束生成部33Bによる電磁力で補うことにより、第2磁石アセンブリ22Aをより最適な回転速度で回転させることができる。
上記のように、磁石ユニット1Bは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aの回転速度を電磁力により相対的に変えることができるので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る磁石ユニット1Cについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図6を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Cは、第2磁石アセンブリ、磁束生成部及び固定部の構成が上記第1実施形態と異なる。
第3実施形態に係る磁石ユニット1Cについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図6を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Cは、第2磁石アセンブリ、磁束生成部及び固定部の構成が上記第1実施形態と異なる。
第2磁石アセンブリ22Bは、第2保持部28Bに磁束生成部33Cが設けられている。磁束生成部33Cは、第2保持部28Bの下板46Bの背面に固定されている。高導電部80Aは、磁束生成部33Cに対向するように形成され、基台10に固定されている。これにより、高導電部80Aは静止した状態で保持される。
第1磁石アセンブリ21Aが主軸39と一体的に回転し始めると、第1軸受23を介して連結されている第2磁石アセンブリ22Bも従動的に回転を始める。磁束生成部33Cは、第2保持部28Bに固定されているので、第2磁石アセンブリ22Bと一体的に回転する。磁束生成部33Cから生じた磁束は、基台10に固定された高導電部80Aを貫通し、当該高導電部80Aと相対的に移動する。そうすると、高導電部80Aを貫通する磁束が変化し、高導電部80Aにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流と磁束生成部33Cの磁場の相互作用によって電磁力が磁束生成部33Cの回転を妨げる向きに発生する。この電磁力により、第2磁石アセンブリ22Bの回転が抑制される。
上記のように、磁石ユニット1Cは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Bの回転速度を電磁力により相対的に変えることができるので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る磁石ユニット1Dについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図7を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Dは、第2磁石アセンブリ、磁束生成部及び高導電部の構成が上記第1実施形態と異なる。本実施形態に係る磁石ユニット1Dが適用される冷却保持板7Bの構成は、上記第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、第2磁石アセンブリ22Bの構成は、上記第3実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第4実施形態に係る磁石ユニット1Dについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図7を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Dは、第2磁石アセンブリ、磁束生成部及び高導電部の構成が上記第1実施形態と異なる。本実施形態に係る磁石ユニット1Dが適用される冷却保持板7Bの構成は、上記第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、第2磁石アセンブリ22Bの構成は、上記第3実施形態と同様であるので、説明を省略する。
高導電部80Bは、高導電性材料で形成されており、第1保持部26Aの下板42Aとジョイントベース35の間に挟まれて第1磁石アセンブリ21Aに固定されている。これにより、高導電部80Bは、第1磁石アセンブリ21Aと一体的に回転する。高導電部80Bは、磁束生成部33Cに対向するように形成された円板状の部材である。
第1磁石アセンブリ21Aが主軸39と一体的に回転し始めると、第1軸受23を介して連結されている第2磁石アセンブリ22Bも従動的に回転を始める。第2磁石アセンブリ22Bに設けられた第2磁石エレメント27Aから生じる磁束は、冷却保持板7Bを貫通し、当該冷却保持板7Bと相対的に移動する。そうすると、上記第2実施形態と同様、冷却保持板7Bを貫通する磁束が変化し、冷却保持板7Bにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流により発生した磁場と第2磁石エレメント27Aの磁場の相互作用によって第2磁石アセンブリ22Bの回転が抑制される。
一方、高導電部80Bは第1磁石アセンブリ21Aと一体的に回転する。そうすると、高導電部80Bと磁束生成部33Cとの間に速度差が生じるので、高導電部80Bを貫通する磁束が変化し、当該高導電部80Bにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流により発生した磁場と磁束生成部33Cの磁場の相互作用(電磁力)によって第2磁石アセンブリ22Bは回転速度が増加する。
これにより、本実施形態に係る磁石ユニット1Dは、銅合金で形成された冷却保持板7Bによる回転速度の抑制を、磁束生成部33Cによる電磁力で補うことにより、第2磁石アセンブリ22Bをより最適な回転速度で回転させることができる。
上記のように、磁石ユニット1Dは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Bの回転速度を電磁力により相対的に変えることができるので、上記第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る磁石ユニット1Eについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図8を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Eは、第1磁石アセンブリ、第2磁石アセンブリ、磁束生成部、固定部、及び高導電部の構成が上記第1実施形態と異なる。本実施形態に係る磁石ユニット1Eは、上記第2実施形態と同様、冷却保持板7Bが適用される。
第5実施形態に係る磁石ユニット1Eについて説明する。図1と同様の構成について同様の符号を付した図8を参照して説明する。本図に示す磁石ユニット1Eは、第1磁石アセンブリ、第2磁石アセンブリ、磁束生成部、固定部、及び高導電部の構成が上記第1実施形態と異なる。本実施形態に係る磁石ユニット1Eは、上記第2実施形態と同様、冷却保持板7Bが適用される。
本実施形態に係る磁石ユニット1Eは、従動磁石アセンブリとしての第1磁石アセンブリ21Bと、当該第1磁石アセンブリ21Bの外側に配置された原動磁石アセンブリとしての第2磁石アセンブリ22Cを備える。
第1磁石アセンブリ21Bは、ジョイントベース35(本図には図示しない)には固定されておらず、第1保持部26Bに高導電部83が設けられている。高導電部83は、第1保持部26Bの下板42Bの背面に設けられている。
第2磁石アセンブリ22Cは、固定部84を介してジョイントベース35(本図には図示しない)に固定されている。固定部84は、ジョイントベース35(本図には図示しない)に固定されると共に、第1保持部26Bではなく第2保持部28Cの下板46Cに固定されている。固定部84は、第1保持部26Bに対向する位置に磁束生成部82が設けられている。
駆動部38が固定部84に駆動力を伝達すると、固定部84が第2保持部28Cに固定されているので、第2磁石アセンブリ22Cは固定部84と一体的に回転する。第2磁石アセンブリ22Cが回転し始めると、第1軸受23を介して連結されている第1磁石アセンブリ21Bも同様に回転を始める。第1磁石アセンブリ21Bに設けられた第1磁石エレメント25から生じる磁束は、冷却保持板7Bを貫通し、当該冷却保持板7Bと相対的に移動する。そうすると、上記第2実施形態と同様、冷却保持板7Bを貫通する磁束が変化し、冷却保持板7Bにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流により発生した磁場と第1磁石エレメント25の磁場の相互作用によって、第1磁石アセンブリ21Bの回転が抑制される。
一方、固定部84は第2磁石アセンブリ22Cと一体的に回転する。そうすると、固定部84に設けられた磁束生成部82と第1磁石アセンブリ21Bに設けられた高導電部83との間に速度差が生じるので、高導電部83を貫通する磁束が変化し、当該高導電部83にはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流と磁束生成部82の磁場の相互作用によって、磁束生成部82の回転方向と同じ向きの電磁力が高導電部83に生じる。この電磁力により、第1磁石アセンブリ21Bは回転速度が増加する。
これにより、本実施形態に係る磁石ユニット1Eは、銅合金で形成された冷却保持板7Bによる回転速度の抑制を、磁束生成部82による電磁力で補うことにより、第1磁石アセンブリ21Bをより最適な回転速度で回転させることができる。
上記のように、磁石ユニット1Eは、第1磁石アセンブリ21Bと第2磁石アセンブリ22Cの回転速度を電磁力により相対的に変えることができるので、上記第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る磁石ユニット1Fについて説明する。本実施形態に係る磁石ユニット1Fは図7に示す第4実施形態と高導電部の構成が異なる。図7と同様の構成について同様の符号を付した図9を参照して説明する。本図に示す高導電部80Bは、磁束生成部33Cに対向する面と逆側の背面に透磁率の高い材料で形成された透磁部86が設けられている。透磁部86は、例えば磁性材料で形成することができる。透磁部86は、高導電部80Bと同様、円板状の部材である。高導電部80Bと透磁部86とは、互いに密着させて固定されている。
第6実施形態に係る磁石ユニット1Fについて説明する。本実施形態に係る磁石ユニット1Fは図7に示す第4実施形態と高導電部の構成が異なる。図7と同様の構成について同様の符号を付した図9を参照して説明する。本図に示す高導電部80Bは、磁束生成部33Cに対向する面と逆側の背面に透磁率の高い材料で形成された透磁部86が設けられている。透磁部86は、例えば磁性材料で形成することができる。透磁部86は、高導電部80Bと同様、円板状の部材である。高導電部80Bと透磁部86とは、互いに密着させて固定されている。
透磁部86が背面に固定されていない高導電部80Bの場合、図10A、10Bに示すように、磁束生成部33Cから生じた磁束ML1は、放射状に広がってしまうので、高導電部80B内に入り込む磁束密度は高くならない。
透磁部86が背面に固定された高導電部80Bの場合、図10Cに示すように、磁束生成部33Cから生じた磁束ML2は透磁部86に引き寄せられ、その多くが高導電部80B内に向かうため、より多くの磁束が高導電部80Bを垂直に貫くことになる。これにより、本実施形態に係る磁石ユニット1Aは、高導電部80Bに発生する渦電流を増加させることができる。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態の変形例について説明する。上記第1実施形態では、第1磁石アセンブリ21Aを主軸39と共に一定角速度で回転させ、第2磁石アセンブリ22Aを従動的に回転させる場合について例示した。上記第1実施形態では、従動的に回転する第2磁石アセンブリ22Aは、主軸39と共に回転する第1磁石アセンブリ21Aより角速度が小さいものの、時間的な変化はなく一定の角速度で回転する。本発明はこれに限らず、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aにおいて、角速度を周期的に変化させ得るように構成してもよい。
第1実施形態の変形例について説明する。上記第1実施形態では、第1磁石アセンブリ21Aを主軸39と共に一定角速度で回転させ、第2磁石アセンブリ22Aを従動的に回転させる場合について例示した。上記第1実施形態では、従動的に回転する第2磁石アセンブリ22Aは、主軸39と共に回転する第1磁石アセンブリ21Aより角速度が小さいものの、時間的な変化はなく一定の角速度で回転する。本発明はこれに限らず、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Aにおいて、角速度を周期的に変化させ得るように構成してもよい。
図11に本変形例に係る電磁力生成部の構成を示す。電磁力生成部は、高導電部が一回転する間において部分的に回転を妨げる向きに電磁力を生じさせ得るように構成されている。電磁力生成部は、従動磁石アセンブリとしての第2磁石アセンブリ22Cに固定されている高導電部30Bと、固定部32A上に設けられた磁束生成部87とを備える。
高導電部30Bは、リング状の板状部材を一部、本図の場合半分除去した形状に形成されている。磁束生成部87を構成する複数の磁石は、非軸対称に配列されている。本図の場合、7個の磁石がリング状に形成された固定部32Aの半周部分のみに均等に配置されている。
第1磁石アセンブリ21Aが主軸39と共に一定の角速度で回転すると、第1軸受23を介して連結された第2磁石アセンブリ22Cも回転する。第2磁石アセンブリ22Cは、高導電部30Bが固定部32A上に配置された磁石上を通過する際、回転を抑制する電磁力が強まる。一方、固定部32A上に磁石が配置されていない部分では、第2磁石アセンブリ22Cの回転を抑制する電磁力が弱まる。本変形例の場合、高導電部30Bは、1回転する間に磁石が配置された部分と、前記磁石が配置されていない部分とを各1回ずつ通過するので、1回転の間に角速度が最速と最遅とを繰り返すことになる。
すなわち、図11A、図11Bに示す位置関係の場合、高導電部30Bは全ての磁石を完全に覆うように配置されているので、高導電部30Bに発生する電磁力が強くなる。この場合、第2磁石アセンブリ22Cの回転は最も抑制され、角速度が最遅となる。この状態から高導電部30Bが本図中で時計回りに回転するに伴い、徐々に磁石が配置されていない部分へ高導電部30Bが移動する。そうすると、高導電部30Bと磁石とが重なる部分が少なくなり、高導電部30Bに発生する電磁力が弱まる。この場合、第2磁石アセンブリ22Cの回転は、電磁力による抑制が弱まり、角速度が増加していく(図11C〜図11D)。図11Eに示す位置関係に至った時点で、高導電部30Bは、完全に磁石が配置されていない部分を通過するので、回転を抑制する電磁力が発生せず、したがって角速度が最速となり得る。
上記のように高導電部30Bが磁束生成部33Aによって受ける影響を、1回転する間の一部に制限することにより、図12に示すように、第2磁石アセンブリ22Cの角速度を一定周期で変化させることができる。したがって、第1磁石アセンブリ21Aを一定の角速度で回転させながら、第2磁石アセンブリ22Cの角速度を変化させることができる。すなわち、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Cの角速度差に時間変化を生じさせることができ、磁気回路の形状を時間変調することができる。
このように磁気回路の形状を時間変調できると、特定の磁気回路の時間を長くしたり、又は短くしたりすることができる。例えば、図4Aの磁気回路形状に図11Aの磁石と高導電部30Bとの位置関係とが対応するように設定すると、図4Bと図11Dとが対応することになる。そうすると、図4Aに示す瓢箪形状の磁気トラックを長く形成することにより、ターゲット2中心部からのスパッタを促進することができ、膜厚分布やターゲットエロ―ジョンを容易に調整することができる。
以上より、磁束生成部を構成する磁石の配置や、高導電部の形状を適宜変更することで、ターゲット利用効率の改善、及び膜厚分布の調整を容易に実現することができる。
また、固定部32Cは、図13に示すように、磁束生成部87を配置する凹部を有することとしてもよい。この固定部32Cが磁性材料で形成されている場合、磁束生成部87を構成する磁石を前記凹部に吸着させることで、容易に位置決めすることができる。
上記変形例は、上記第2〜第4、第6実施形態に適用できることは言うまでもない。なお、上記変形例では、第1磁石アセンブリが主軸と共に回転し、第2磁石アセンブリが従動的に回転する場合について説明したが、本変形例は、第2磁石アセンブリを主軸と共に一定角速度で回転させ第1磁石アセンブリを従動的に回転させる第5実施形態にも適用することができる。
上記変形例の場合、高導電部がリング状の板状部材を半分除去した形状に形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限らず、リング状の板状部材を1/3、2/3、1/4、又は3/4除去した形状に形成することとしてもよい。
上記変形例の場合、磁束生成部は7個の磁石がリング状に形成された固定部の半周部分のみに均等に配置されている場合について説明したが、本発明はこれに限らず、固定部の1/3、2/3、1/4、又は3/4部分のみに配置してもよいし、磁石の数も適宜変更することができる。
(評価1)
図14は上記第1実施形態に対応する実施例で使用した磁石ユニット101Aの分割図である(分割面に対して対称となる)。
図14は上記第1実施形態に対応する実施例で使用した磁石ユニット101Aの分割図である(分割面に対して対称となる)。
磁石ユニット101Aの外接円直径は145mm、高さは40mmである。第1磁石アセンブリ121は、第1保持部126と、当該第1保持部126に設けられた第1磁石エレメント125とを有する。第2磁石アセンブリ122は、第2保持部128と、当該第2保持部128に設けられた第2磁石エレメント127とを有する。第1磁石エレメント125及び第2磁石エレメント127の高さは22mm〜28mmである。第1保持部126と第2保持部128は、第1軸受123Aで連結されている。これにより、第1磁石アセンブリ121と第2磁石アセンブリ122は、相対的に回転可能に保持されている。第1軸受123Aは、深溝玉軸受で、寸法が外径78mm、内径60mm、高さ10mmのものを使用した。
固定部132Aは、磁束生成部133Aを構成する磁石が吸着固定されている。吸着固定とは、磁石が磁力により固定されている状態をいう。この場合、固定部132AがSS400(一般構造用圧延鋼材)で形成されていることにより、前記磁石が吸着されている。これにより、前記磁石を容易に取り付けたり、取り外したりすることができる。
固定部132Aは図示しない支柱によって、基台10(本図には図示しない)に固定されており、磁石ユニット101Aの回転にかかわらず静止している。
固定部132Aは図示しない支柱によって、基台10(本図には図示しない)に固定されており、磁石ユニット101Aの回転にかかわらず静止している。
高導電部130は、アルミニウム合金で形成されており、第2保持部128に図示しない締結部材で固定されている。高導電部130は、磁束生成部133A表面との隙間が約2mmとなるように配置されている。高導電部130のうち、磁束生成部133Aに対向している部分の厚みは2mmである。磁束生成部133Aを構成する磁石は、ネオジウム系磁石(例えば信越化学工業製N48M)で直径10mm×高さ7mm、厚さ方向に磁極を持ち、隣り合う磁極が交互に異なるように配列されている。
第1保持部126と第2保持部128は、SS400(一般構造用圧延鋼材)で形成されている。特に第2保持部128が磁性材料であることで、磁束生成部133Aからの磁束をより多く垂直に高導電部130に通すことができる。
磁石ユニット101Aは、上部に冷却保持板(本図には図示しない)が2mmの隙間を介して固定されている。冷却保持板はSUS304製(非磁性ステンレス)で形成されている。当該冷却保持板上には、厚さ13mmのクロム−チタニウム合金ターゲット(本図には図示しない)が機械的なクランプ機構により密着固定されている。
第2磁石アセンブリ122の外周部の1カ所に、反射板199が設けられている。当該反射板199は、基台10内に設けられた図示しないレーザー光反射型センサーが照射するレーザー光を反射する。これにより、前記レーザー光反射型センサーは、第2磁石アセンブリ122の回転数を計測し得る。
このような構成において、第1保持部126に接続されている駆動部(本図には図示しない)を0rpm(無回転)から徐々に加速し、最終的に第1磁石アセンブリ121が600rpmで一定回転するように調節した状態で、第2磁石アセンブリ122の回転数を測定した結果を表1に示した。
表1について回転動作と共に説明する。駆動部を起動することにより、第1磁石アセンブリ121が駆動部と一体的に回転を始める。第1軸受123Aは一定の摺動抵抗を生じるので、第1磁石アセンブリ121が回転を始めることにより、第1軸受123Aで連結されている第2磁石アセンブリ122も従動的に回転し始める。磁束生成部133Aが設けられていない場合、一定時間経過後における第2磁石アセンブリ122の回転数は第1磁石アセンブリ121と同等になる。
第2磁石アセンブリ122に固定された高導電部130は、基台10に固定された磁束生成部133A上を移動するため、高導電部130には渦電流による電磁力が生じる。当該電磁力は、第2磁石アセンブリ122の移動を妨げる方向に生じる。これにより、第2磁石アセンブリ122の回転が抑制される。したがって、第2磁石アセンブリ122の回転速度は、第1磁石アセンブリ121よりも小さくなる。
ここで、表1に示す通り、磁束生成部133Aを構成する磁石が増えるほど、第2磁石アセンブリ122の回転速度は第1磁石アセンブリ121に比べ小さくなることが確認できた。これは、磁束生成部133Aを構成する磁石が多いほど、高導電部130を貫く磁束が増え、渦電流密度と電磁力の強度が大きくなるので、結果として第2磁石アセンブリ122の回転を抑制するからである。上記評価結果から、変形例に係る磁石ユニット101A、磁気回路を変形できることが確認できた。
(評価2)
図15は上記第2実施形態に対応する実施例で使用した磁石ユニット101Bの分割図である(分割面に対して対称となる)。図14と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図15は上記第2実施形態に対応する実施例で使用した磁石ユニット101Bの分割図である(分割面に対して対称となる)。図14と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
磁石ユニット101Bの外接円直径は145mm、高さは40mmである。第1磁石アセンブリ121は、第1保持部126と、当該第1保持部126に設けられた第1磁石エレメント125とを有する。固定部132BはSS400(一般構造用圧延鋼材)で形成されており、磁束生成部133Bを構成する磁石が吸着固定されている。そして、第1保持部126と固定部132Bは、図示しない締結部品により連結されているため、第一磁石アセンブリ121の回転とともに、磁束生成部133Bも回転することができる。
第1保持部126と第2保持部128は、第1軸受123Bで連結されている。これにより、第1磁石アセンブリ121と第2磁石アセンブリ122は、相対的に回転可能に保持されている。第1軸受123Bは、クロスローラベアリングで、寸法が外径76mm、内径60mm、高さ8mmのものを使用した。
高導電部130は、磁束生成部133B表面との隙間が約1mmとなるように配置されている。高導電部130は、磁束生成部133Bに対向している部分の厚さが2mmに設定されている。磁束生成部133Bを構成する磁石は、ネオジウム系磁石(例えば信越化学工業製N48M)で直径10mm×高さ7mm、厚さ方向に磁極を持ち、隣り合う磁極が交互に異なるように配列されている。
磁石ユニット101Bは、上部に冷却保持板(本図には図示しない)が2mmの隙間を介して固定されている。冷却保持板は銅製で形成されている。当該冷却保持板上には、厚さ2mmのニッケル鉄合金ターゲット(本図には図示しない)がインジウムボンディングにより密着固定されている。
このような構成において、第1保持部126に接続されている駆動部(本図には図示しない)を0rpm(無回転)から徐々に加速し、最終的に第1磁石アセンブリ121が600rpmで一定回転するように調節した状態で、第2磁石アセンブリ122の回転数を測定した結果を表2に示した。
表2について回転動作と共に説明する。駆動部を起動することにより、第1磁石アセンブリ121が回転を始める。第1軸受123Bは一定の摺動抵抗を生じるので、第1磁石アセンブリ121が回転を始めることにより、第1軸受123Bで連結されている第2磁石アセンブリ122も回転し始める。
第2磁石アセンブリ122に設けられた第2磁石エレメント127から生じる磁束は、冷却保持板を貫通し、当該冷却保持板と相対的に移動する。そうすると、冷却保持板を貫通する磁束が変化し、冷却保持板7Bにはその磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。その結果、当該渦電流により発生した磁場と第2磁石エレメント127の磁場の相互作用によって、第2磁石アセンブリ122の回転が抑制される。
第2磁石アセンブリ122には、第1軸受123Bから受ける摺動抵抗による回転方向の力と、冷却保持板に発生した渦電流磁場による前記回転を抑制する力とが生じる。すなわち、第1磁石アセンブリ121と第2磁石アセンブリ122の回転速度に差が生じることになるが、磁束生成部133Bを設けることにより、高導電部130には渦電流による電磁力が生じる。当該電磁力は、第2磁石アセンブリ122に回転力を付与する。
表2に示す通り、磁束生成部133Bを構成する磁石を設けない場合、冷却保持板から渦電流磁場による前記回転を抑制する力によって第2磁石アセンブリ122の回転数は60rpmまで減少する。一方、磁束生成部133Bを構成する磁石を設けた場合、第2磁石アセンブリ122の回転速度は320rpmに増加することが確認できた。これは、高導電部130に生じた電磁力が、第2磁石アセンブリ122に回転力を付与するからである。上記評価結果から、変形例に係る磁石ユニット101Bは、磁気回路を変形できることが確認できた。
次に、磁石ユニットが磁気回路を変形させることによりターゲット上に生成する磁場強度分布の変化について図16を参照して説明する。図16に示す磁場強度分布は、図14で示した磁石ユニット101Aを用いて、第1磁石アセンブリ121と第2磁石アセンブリ122が特定の角度差となるときの磁気回路における磁場強度分布を確認した。
第1磁石アセンブリ121に対し特定の位相差になるまで手動で第2磁石アセンブリ122を回転し、その位相差を保持した状態で磁場測定器(テスラプローブ)を用いてターゲット上の磁場強度を測定した。
図16中、1001はターゲットエッジ部、1002はターゲット厚み方向の磁場強度が0になるポイントの集合(磁気トラックと呼ぶ)、1003はターゲット面内方向の磁場強度を示す。
位相差0°とは、第1磁石アセンブリ121と第2磁石アセンブリ122が、図14に示した位置関係にある状態をいう。この状態から、手動で第2磁石アセンブリ122のみを時計回りに回転し、45°毎にターゲット上の磁場強度を測定した。
位相差0°の磁気トラックではX軸で中心に向かってくぼむ瓢箪形状となっているが、位相差が大きくなるにつれて、このくぼみが時計回りに回転しつつ、位相差180°でくぼみが無くなり草鞋形状となった。
上記のとおり、磁石ユニット101Aは、第1磁石アセンブリ121と第2磁石アセンブリ122の回転速度に差を生じさせることにより、磁気回路を変えることができ、これにより、磁気トラックの形状も時間と共に変えることができる。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
上記実施形態では、第1磁石アセンブリ21A、第2磁石アセンブリ22Aの構成について図4に例示したが、本発明はこれに限らず、異なる形状の磁気トラックを生成し得るように形成すればよい。例えば、図17に示す磁石ユニット1Gは、第1磁石アセンブリ21Aと、第2磁石アセンブリ22Dを備える。本図に示す第2磁石アセンブリ22Dは、第2磁石エレメント27Bが第2保持部28Aに固定されている。第2磁石エレメント27Bは、磁石エレメント92〜94を有する。磁石エレメント92は、第2保持部28Aの周縁全周を囲むように配置され、表面側すなわちターゲット2側がN極となるように配置されている。また、磁石エレメント92は、X軸上において内側に突出した突部95を有している。当該磁石エレメント92の内側に磁石エレメント93、94が磁石エレメント92と異なる極であるS極を表面側すなわちターゲット2側に向けて固定されている。磁石エレメント93、94は、本図ではX軸に対し対称に配置されている。
磁石ユニット1Gは、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Dが図17Aに示す配置となったとき、ずなわち、図中Y軸において磁極がN−S−S−S−S−Nの順に配列され、図中X軸において磁極がN−N−N−Nの順に配列されたとき、ターゲット2上に瓢箪形状の磁気トラック70Bを生成する。
次いで、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Dが相対的に回転し、図17Bに示す配置となったとき、すなわち、図中Y軸において磁極がN−S−N−N−S−Nの順に配列され、図中X軸において磁極がN−S−S−Nの順に配列されたとき、磁石ユニット1Gはターゲット2上に草鞋形状の磁気トラック71Bを生成する。
磁石ユニット1Gは、本図のように形成した場合も、上記第1実施形態と同様に、第1磁石アセンブリ21Aと第2磁石アセンブリ22Dを相対的に回転することにより、磁気回路を変形して形状が異なる磁気トラックを生成することができる。
図17Bでは、磁石エレメント61、62、94によってそれらの極と異極の磁石エレメント64が囲まれていることにより、磁気回路73Bが形成される。同様に、磁石エレメント93、61、62によってそれらの極と異極の磁石エレメント63が囲まれていることにより、磁気回路72Bが形成される。これら磁気回路72B、73Bは、ターゲット2表面に発生する磁場強度が低く(10〜20mT程度)放電に寄与しない。このため上記草鞋形状の磁気トラック71B上で高密度プラズマが発生する。
上記実施形態の場合、高導電部は、アルミニウムで形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、銅(Cu)やカーボン(C)で形成してもよい。
上記実施形態の場合、高導電部は、アルミニウムで形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、銅(Cu)やカーボン(C)で形成してもよい。
上記実施形態の場合、第1軸受は摺動抵抗を有し、原動磁石アセンブリが主軸と一体的に回転すると、従動磁石アセンブリも従動的に回転し、一定時間経過後、従動磁石アセンブリの回転速度は原動磁石アセンブリと同じになる場合について説明したが、本発明はこれにかぎらない。すなわち、第1軸受の摺動抵抗が極めて小さく、原動磁石アセンブリが回転しても従動磁石アセンブリが回転しない、または回転速度がごく小さい場合には、上記第2、第4、第5実施形態に係る磁石ユニットを適用することにより、従動磁石アセンブリをより適正な回転速度で回転させることができる。
これまでの説明から、本発明による磁石ユニットは145mmの大きさに限らず、軸受のサイズを適宜変更することで、100mm〜500mm程度の大きさにも適用できることは明らかである。
1A :磁石ユニット
2 :ターゲット
3 :カソード本体
4 :真空容器
5 :シール部
6 :シール部
7A :冷却保持板
8 :ケース
9 :絶縁部
10 :基台
12 :挿通穴
21A :第1磁石アセンブリ(原動磁石アセンブリ)
22A :第2磁石アセンブリ(従動磁石アセンブリ)
23 :第1軸受
26A :第1保持部
28A :第2保持部
30A :高導電部
32A :固定部
33A :磁束生成部
38 :駆動部
39 :主軸
40 :第2軸受
2 :ターゲット
3 :カソード本体
4 :真空容器
5 :シール部
6 :シール部
7A :冷却保持板
8 :ケース
9 :絶縁部
10 :基台
12 :挿通穴
21A :第1磁石アセンブリ(原動磁石アセンブリ)
22A :第2磁石アセンブリ(従動磁石アセンブリ)
23 :第1軸受
26A :第1保持部
28A :第2保持部
30A :高導電部
32A :固定部
33A :磁束生成部
38 :駆動部
39 :主軸
40 :第2軸受
Claims (11)
- スパッタ装置のカソードに搭載される磁石ユニットであって、
駆動部に連結される原動磁石アセンブリと、
当該原動磁石アセンブリに対し回転自在に設けられた従動磁石アセンブリと
を備え、
前記原動磁石アセンブリに対し前記従動磁石アセンブリの回転速度を電磁力により相対的に変化させる
ことを特徴とする磁石ユニット。 - 前記高導電部を貫通する磁束を生成する磁束生成部が設けられており、
前記従動磁石アセンブリは高導電性金属で形成された高導電部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の磁石ユニット。 - 前記磁束生成部が、静止した状態で保持されていることを特徴とする請求項2記載の磁石ユニット。
- 前記磁束生成部が、前記原動磁石アセンブリと共に回転可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載の磁石ユニット。
- 高導電性金属で形成され、前記磁束生成部が生成した磁束が貫通する高導電部が設けられており、
前記従動磁石アセンブリは磁束生成部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の磁石ユニット。 - 前記高導電部が、静止した状態で保持されていることを特徴とする請求項5記載の磁石ユニット。
- 前記高導電部が、前記原動磁石アセンブリと共に回転可能に設けられていることを特徴とする請求項5記載の磁石ユニット。
- 前記高導電部は、前記磁束生成部に対し反対側表面に磁性材料で形成された磁性部が設けられていることを特徴とする請求項7記載の磁石ユニット。
- 前記磁束生成部は磁石であることを特徴とする請求項2〜8のうちいずれか1項記載の磁石ユニット。
- 前記磁束生成部と前記高導電部とは、前記従動磁石アセンブリの角速度を変化させるように形成されていることを特徴とする請求項2〜9のうちいずれか1項に記載の磁石ユニット。
- 請求項1〜10のうちいずれか1項記載の磁石ユニットを備えたことを特徴とするスパッタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012054312A JP2013185254A (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 磁石ユニット及びスパッタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012054312A JP2013185254A (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 磁石ユニット及びスパッタ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013185254A true JP2013185254A (ja) | 2013-09-19 |
Family
ID=49386941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012054312A Pending JP2013185254A (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 磁石ユニット及びスパッタ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013185254A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020044872A1 (ja) * | 2018-08-27 | 2020-03-05 | 株式会社アルバック | スパッタリング装置及び成膜方法 |
-
2012
- 2012-03-12 JP JP2012054312A patent/JP2013185254A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020044872A1 (ja) * | 2018-08-27 | 2020-03-05 | 株式会社アルバック | スパッタリング装置及び成膜方法 |
CN112639160A (zh) * | 2018-08-27 | 2021-04-09 | 株式会社爱发科 | 溅射装置及成膜方法 |
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US11230760B2 (en) | 2018-08-27 | 2022-01-25 | Ulvac, Inc. | Sputtering apparatus and method of forming film |
JP6997877B2 (ja) | 2018-08-27 | 2022-02-10 | 株式会社アルバック | スパッタリング装置及び成膜方法 |
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