JP2013185149A - スメクタイト積層膜形成用表面処理剤、スメクタイト積層膜付固体基材及びその製造方法 - Google Patents

スメクタイト積層膜形成用表面処理剤、スメクタイト積層膜付固体基材及びその製造方法 Download PDF

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Tomoko HIGASHIUCHI
智子 東内
Nobuaki Takane
信明 高根
Yasushi Kamishiro
恭 神代
Hiroshi Yokota
弘 横田
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Abstract

【課題】各種プラスチック成形材料、例えば、ビデオプロジェクションテレビのスクリーンや太陽電池の集光に用いられるフレネルレンズやレンチキュラーレンズ又はマイクロレンズ等の光学機能部材に使用されるプラスチックレンズ等の微細形状に追従し、変色防止性に優れる表面処理剤及び表面処理剤付き基材、その製造方法、並びに表面処理剤上に反射防止膜を具備する基材を提供する。
【解決手段】電解質ポリマーを含有するA液と、直径方向長さが10nm〜400nm、厚みが1nm〜10nmのスメクタイトを含有するB液からなるスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スメクタイト積層膜形成用表面処理剤、スメクタイト積層膜付固体基材及びその製造方法に関する。
プラスチックレンズは、ガラスレンズに比べて軽量であり、成形性、加工性等に優れ、しかも割れにくく安全性も高いため、光学材料部材に急速に普及してきている。特に最近では、ビデオプロジェクションテレビのスクリーンや太陽電池の集光に用いられるフレネルレンズやレンチキュラーレンズ又はマイクロレンズ等の光学機能部材としての需要が急速に増加している。
しかし、これら用途に供するプラスチックレンズは、空気中の酸素と反応して酸化劣化し、それにより褐色あるいは黄色に変色するという欠点を有する。
このようなプラスチックレンズの変色を防止する方法として、プラスチック製品(フィルム、シート)のガスバリア性を改善するために、基材を炭素膜や無機物薄膜で被覆する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
DLC(ダイアモンド状炭素系素材)のコーティング技術は、ガスバリア性、表面保護特性を改善する技術として知られている。プラスチック製品にDLC薄膜をコーティングするにあたっては、真空(数Pa〜数10Pa)中での低温プラズマによるCVD(化学蒸着)コーティング、イオン化蒸着、アークイオンプレーティング、スパッタリング等を行う必要がある。
しかし真空プロセスでは成膜速度が遅いため、プラスチックレンズのガスバリア膜形成には適さない。更にDLCのコーティングは可視光・紫外線を遮断するため、プラスチックレンズのガスバリア膜には適さない。
無機物薄膜の形成方法には、蒸着法、スパッタ法等の気相法や、ディップ法、スピンコート法等の塗布法が挙げられる。
気相法を用いると、微細構造体の形状に追従させて薄膜を形成することができる。しかし、気相法では真空装置が必要となるため、製造コストが高価になる。更に、真空装置の内壁に形成された膜が剥がれ落ち、ガスバリア膜上に異物として残存する。
塗布法では、真空装置は不要であり、また、真空装置に由来する異物も発生しない。
しかし、スピンコート法では、塗布材料が微細構造体の凹部分に残留することが避けられず、凹部分でガスバリア膜が厚くなる。このように微細構造体へガスバリア膜が追従しない場合、微細構造体のもたらす拡散性や集光性等の幾何光学的な性能が損なわれる。
一方、ディップ法等は、引き上げ速度により膜厚を制御できるため、塗布材料を微細構造体に追従させることも可能である。
しかし、引き上げ速度が数十μm/秒まで遅くする必要があり、製造コストが著しく高くなる(例えば、特許文献2参照)。
ナノメータースケールの薄膜を溶液から形成する方法として、交互積層法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。交互積層法では、液中での静電吸着により薄膜が形成されるため、微細構造体に良好に追従した薄膜を得ることができる。また常温プロセスであるために、樹脂材料に熱的ダメージを与えない。
CCDやCMOS等の撮像素子を用いた、携帯電話等に組み込まれている撮像レンズモジュールは、忠実な被写体の再現性を備えていることが望ましい。
最近では、撮像素子が小型化されてきており、これに伴って、これらに組み込まれる撮像レンズも必然的に小型化、コンパクト化の要求が高まってきている。
更に、撮像素子は、メガオーダーの高画素化となってきている。これを用いた撮像レンズモジュールは、安価で軽いことが要求されている。
特許第3176558号公報 特許第2905712号公報
Thin Solid Films, 210/211, p831(1992)
本発明は、各種プラスチック成形材料、例えば、ビデオプロジェクションテレビのスクリーンや太陽電池の集光に用いられるフレネルレンズやレンチキュラーレンズ又はマイクロレンズ等の光学機能部材に使用されるプラスチックレンズ等の微細形状に追従し、変色防止性に優れる表面処理剤及び表面処理剤付き基材、その製造方法、並びに表面処理剤上に反射防止膜を具備する基材を提供する。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の組成を有する表面処理剤により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記(1)〜(11)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)電解質ポリマーを含有するA液と、直径方向長さが10nm〜400nm、厚みが1nm〜10nmのスメクタイトを含有するB液からなるスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
(2)B液が水溶性高分子を含有する、(1)に記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
(3)B液に含有されるスメクタイト及び水溶性高分子の固体重量比が95/5〜50/50である、(2)に記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
(4)B液に含有されるスメクタイトが、スチーブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト、バイデライトのうちいずれか1種類以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
(5)B液に含有されるスメクタイトが合成品である、(1)〜(4)のいずれかに記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
(6)A液に含有される電解質ポリマー溶液中のイオン性基が第1級、第2級、もしくは第3級アミノ基、該アミノ基の塩、及び第4級アンモニウム型基からなる群から選ばれる1種以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
(7)A液に含有される電解質ポリマーの濃度が、0.0003質量%以上3質量%以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の表面処理剤により形成されるスメクタイト積層膜を具備する固体基材。
(9)(1)〜(7)のいずれかに記載の表面処理剤により形成されるスメクタイト積層膜の上に、更に反射防止膜を具備する(8)に記載の固体基材。
(10)凹凸構造を有する(8)又は(9)に記載の固体基材。
(11)固体基材上にスメクタイト積層膜を形成する製造方法であって、
(i)固体基材の表面に電解質ポリマー溶液(A液)又はスメクタイト分散液(B液)を接触させる工程、次いでリンスする工程、
(ii)前記A液を接触させた後の固体基材の表面にA液の電解質ポリマーと反対電荷を有するスメクタイトの分散液を接触させる工程、又は前記B液を接触させた後の固体基材の表面にB液のスメクタイトと反対電荷を有する電解質ポリマーの溶液を接触させる工程、次いでリンスする工程、
(iii)(i)と(ii)を交互に繰り返し、スメクタイト積層膜を形成する工程
を含むスメクタイト積層膜付固体基材の製造方法。
本発明によれば、各種プラスチック成形材料、例えば、ビデオプロジェクションテレビのスクリーンや太陽電池の集光に用いられるフレネルレンズやレンチキュラーレンズ又はマイクロレンズ等の光学機能部材に使用されるプラスチックレンズ等の微細形状に追従し、変色防止性に優れた表面処理剤及び表面処理剤付き基材、その製造方法、並びに表面処理剤上に反射防止膜を具備する基材を提供することが可能になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表面処理剤は、電解質ポリマーを含有するA液と、スメクタイトを含有するB液の2液からなり、A液とB液を交互に接触させ、前記スメクタイト同士を結合させるものである。
本発明の表面処理剤のB液には水溶性高分子が含有されてもよい。
本発明の表面処理剤のB液に含有されるスメクタイト粒子は、厚さ1〜10nm、直径方向長さ10〜400nmの板状形状を有する。また、前記スメクタイト粒子は、水及びアルコール等の溶媒との混合によって膨潤して溶媒に分散する性質を有することが好ましい。また、本発明の表面処理剤のB液に含有される水溶性高分子もスメクタイト粒子と同様に、水及びアルコール等の溶媒との混合によって膨潤して溶媒に分散する性質を有することが好ましい。
本発明の表面処理剤に含有されるB液は、これらの混合体から構成されるものであり、プラスチック基材をA液に接触させた後にB液に接触させることによって、特にプラスチック基材表面へ優れた耐変色性を与えることができる。すなわち、本発明の表面処理剤のB液に含有される板状形状のスメクタイト粒子が、プラスチック基材上にA液を介在して積層することによって、例えばプラスチックの変色要因であると考えられている大気中のガスの遮蔽性が向上する。
また、本発明の表面処理剤のB液に水溶性高分子が含有されると、前記水溶性高分子がスメクタイト粒子同士及びスメクタイト粒子とプラスチック基材表面の接着性を向上させる作用を有するため好ましい。すなわち、水溶性高分子が含有されることによって、スメクタイト粒子同士及びスメクタイト粒子とプラスチック基材表面での応力が緩和され接着力が向上するものである。
本発明の表面処理剤のA液に含有される電解質ポリマー溶液中のイオン性基は、第1級から第3級のアミノ基や第4級アンモニウム型基が好ましい。スメクタイトの表面水酸基とアミノ基やアンモニウム基が比較的強く結合する。
例えば、ポリエチレンイミン(PEI及びその第4級化物)、ポリアリルアミン及びその第4級化物、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン(+)、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチルイミン及びそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体や塩の種類を変えたもの等を用いることができる。
より具体的には、ポリアリルアミンアミド硫酸塩、アリルアミン塩酸塩とジアリルアミン塩酸塩の共重合体、アリルアミン塩酸塩とジメチルアリルアミン塩酸塩の共重合体、アリルアミン塩酸塩とその他の共重合体、部分メトキシカルボニル化アリルアミン重合体、部分メチルカルボニル化アリルアミン酢酸塩重合体、ジアリルアミン塩酸塩重合体、メチルジアリルアミン塩酸塩重合体、メチルジアリルアミンアミド硫酸塩重合体、メチルジアリルアミン酢酸塩重合体、ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウの共重合体、ジアリルアミン酢酸塩と二酸化イオウの共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとの共重合体、メチルジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとジアリルアミン塩酸塩誘導体との共重合体、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンの共重合体、ジメチルアミンとエチレンジアミンとエピクロロヒドリンの共重合体、ポリアミドポリアミンとエピクロロヒドリンとの共重合体等が挙げられる。
これらの電解質ポリマーは、いずれも水溶性又は水と有機溶媒との混合液に可溶なものであり、電解質ポリマーの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した値)としては、用いる電解質ポリマーの種類により一概には定めることができないが、一般に、400〜300,000のものが好ましい。
なお、溶液中の電解質ポリマーの濃度は、0.0003質量%以上3質量%以下が好ましく、0.001質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上1質量%以下が更に好ましい。電解質ポリマーの濃度が低すぎるとスメクタイト積層膜が形成できず、高すぎると洗浄工程での余剰な電解質ポリマーの除去が不十分となり、凝集物を生成するためにスメクタイト積層膜が透明性や平坦性を損なう。
また、電解質ポリマー溶液のpHは、1以上6.5以下が好ましく、2以上6以下がより好ましく、3以上5以下が更に好ましい。pHが高すぎると、スメクタイト粒子の水酸基を活性化できずに電解質ポリマーの吸着量が不均一になり、スメクタイト積層膜の膜厚が不均一になる。pHが低すぎるとスメクタイト粒子が凝集するため、透明性や平坦性を損なう。電解質ポリマー溶液のpHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製のModel PH81(商品名))で測定することができる。測定は、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH:6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を電解質ポリマー溶液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。
例えば、ポリカチオンであるA液のポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)と、ポリアニオンであるB液のスチーブンサイト(ST)を用いて、交互積層法により(PDDA/ST)多層膜を作製できる。シリコンウエハ上に交互積層回数80回で形成した(PDDA/ST)80層構造膜の厚さは350nmであり、交互積層回数1回あたりのPDDA/ST膜の厚さは約4.3nmと概算できる。このことから、PDDA層とST層は、分子オーダーの薄さで形成されることがわかる。
なお、本発明の表面処理剤B液に含有されるスメクタイト及び水溶性高分子の固体重量比は、95/5〜50/50であることが好ましい。
スメクタイト及び水溶性高分子の固体含有量比が95/5以下であれば、プラスチック基材への接着性向上作用を有する水溶性高分子の含有量が多くなり、スメクタイト粒子のプラスチック基材上への密着性が向上する。その結果、接着界面からの酸素等のガス透過量を低減し、プラスチック基材の変色抑制効果が向上する。一方、スメクタイト及び水溶性高分子の固体含有量比が50/50以上であれば、ガス遮蔽性を有するスメクタイト粒子含有量が多くなり、酸素等のガスを遮蔽しプラスチックレンズの変色抑制効果が向上する。
なお、プラスチック基材への接着性向上作用及び酸素等のガス遮蔽性向上作用の観点から、スメクタイト及び水溶性高分子の固体含有量は90/10〜50/50であることがより好ましく、80/20〜50/50であることが更に好ましい。
また、本発明の表面処理剤のB液に含有されるスメクタイトとしては、スチーブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト、バイデライトのうちいずれか1種類以上を好適に用いることができる。すなわち、厚さ1〜10nm、直径方向長さ10〜400nmの扁平な板状形状を有するスメクタイト粒子がプラスチック基材上に積層することによって、例えば酸素等のガス遮蔽性を発現するものである。
ガス遮蔽性並びにプラスチック基材本来の透明性を維持する観点から、本発明の表面処理剤のB液に含有されるスメクタイト粒子の直径方向長さは、10〜400nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましく、10〜100nmであることが更に好ましい。
なお、スメクタイト粒子の直径方向長さは、例えば透過型電子顕微鏡等を用いることによって測定することができる。
本発明の表面処理剤のB液に含有されるスメクタイトは、合成品であることが好ましい。
合成品以外のスメクタイト、例えば土壌から産出される天然スメクタイトを使用した場合、精製後も成分中に鉄イオン等の不純物が含有されるため、スメクタイトが褐色に着色する。その結果、プラスチック基材上にコーティングした際に表面が着色し、プラスチック基材本来の透明性が低下する。
なお、スメクタイトの合成方法としては、例えば水熱合成法を好適に用いることができる。
本発明の表面処理剤のB液に含有される水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース塩、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのうちいずれか1種類以上を好適に用いることができる。
A液に含有される電解質ポリマーの有する電荷と、B液に含有されるスメクタイト及び水溶性高分子が有する電荷とが反対符号である方が好適に用いることができる。
なお、本発明の表面処理剤のB液に使用される溶媒としては、水を好適に用いることができるほか、メタノール、エタノール、プロパノール等の極性溶媒を用いることも可能である。また、本発明の表面処理剤のB液に含有される固体成分濃度は、例えばプラスチックレンズの変色要因である酸素ガスの遮蔽性の観点から、2質量%〜0.005質量%であることが好ましく、1.5質量%〜0.01質量%であることがより好ましく、1質量%〜0.05質量%であることが更に好ましい。
また、本発明の表面処理剤から溶媒を除去する方法として、乾燥を好適に用いることができ、乾燥温度は室温以上であれば特に限定されない。
本発明の表面処理剤を塗布する順序としては、プラスチック基材への密着性を向上させる観点から、A液に含有されるポリカチオンをプラスチック基材表面に接触させた後、B液に含有されるスメクタイト及び水溶性高分子からなる膜を吸着させ、更にA液、B液、と塗布することが好ましい。
本発明では、本発明の表面処理剤により形成されるスメクタイト積層膜を具備するプラスチック基材を提供することが可能である。
本発明のスメクタイト積層膜を具備するプラスチック基材は、スメクタイト積層膜の上に、更に反射防止膜を具備していてもよい。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<スチーブンサイトの合成>
(合成例)
コロイダルシリカ(Ludox TM 50(「Ludox」は登録商標)、Sigma−Aldrich社製)60gと蒸留水120mlとを混合した分散液に硝酸20mlを添加した。これに硝酸マグネシウム(一級試薬)91gと蒸留水128mlとを混合した溶液を入れて攪拌しながら、アンモニア水(28質量%水溶液)をゆっくりと滴下した。pH10になったところで滴下を止め、室温で一晩熟成させ、均一複合沈殿を得た。その後、蒸留水の添加、振盪、固液分離の過程による水洗浄をアンモニア臭がなくなるまで繰り返した。充分に洗浄を行った均一複合沈殿の分散液に、10質量%の水酸化リチウム水溶液を25.4ml添加し、よく混合し、出発原料スラリーを得た。出発原料スラリーをオートクレーブに仕込み、200℃で48時間水熱反応させた。冷却後、オートクレーブ内の反応生成物を取り出し、60℃で乾燥した後、粉砕し、スチーブンサイトに分類される直径方向長さが30nm〜100nm、厚みが1nmのスメクタイトを得た。
(実施例1)
A液としては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA、Sigma−Aldrich社製)を、pHは調整せずに濃度を0.028質量%に調整した水溶液を電解質ポリマー水溶液として用いた。また、合成例で得られた、スチーブンサイト1.0gをスメクタイトとして使用し、蒸留水を添加して全質量100gとした後、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製、商品名:ARE−310)を用いて、2000min−1、10分間混合、2200min−1、10分間脱泡を行い、合成スメクタイト、1質量%のB液を得た。
<プラスチックレンズ上への表面処理剤塗布>
固体基材である微細構造体であるマイクロレンズ(光硬化性樹脂、幅9μm、高さ1.5μm)を有するマイクロレンズアレイシートに、A液である電解質ポリマー水溶液を滴下して1分間経過後にリンス用の超純水を1分間シャワーする工程(ア)、スメクタイト及び水溶性高分子を含有するB液を滴下して1分間経過後にリンス用の超純水を1分間シャワーする工程(イ)をこの順に施した。
工程(ア)1回と工程(イ)1回を順に行うことを1サイクルとし、このサイクル数をスメクタイト及び水溶性高分子積層回数とした。スメクタイト交互積層回数を80回行い、基材表面にスメクタイト積層膜を形成した。
<表面処理剤を塗布したマイクロレンズアレイシートの着色評価>
スメクタイト積層膜を表面に具備するマイクロレンズアレイシートを7日間、120℃で加熱し、外観目視及びレンズ反射率計(オリンパス株式会社製、商品名:USPM−RU−W)を用いて波長400nmの透過率を測定し、マイクロレンズアレイシートの着色評価を行った。
<表面処理剤を塗布したマイクロレンズアレイシートの追従性評価>
スメクタイト積層膜を表面に具備するマイクロレンズアレイシートの断面微細構造を、SEM(走査型電子顕微鏡、Philips社製、商品名:XL−30)を用いて観察した。マイクロレンズ表面からの法線方向に対するスメクタイト積層膜の厚みを測定することで、スメクタイト積層膜の微細構造への追従性を評価した。
(実施例2)
合成例で得られた、スチーブンサイト0.9gをスメクタイトとして、カルボキシメチルセルロースアンモニウム(株式会社ダイセル製、商品名:DN−800H)0.1gを水溶性高分子としてそれぞれ使用し、蒸留水を添加して全質量100gとした後、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製、商品名:ARE−310)を用いて、2000min−1、10分間混合、2200min−1、10分間脱泡を行い、合成スメクタイト/水溶性ポリマーの固体重量比90/10、1質量%のB液を得た以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例1)
固体基材である微細構造体であるマイクロレンズ(光硬化性樹脂、幅9μm、高さ1.5μm)を有するマイクロレンズアレイシートを実施例1と同様に評価を行った。
(比較例2)
実施例1と同様に作製したスメクタイトを含有するB液を用い、ディップ法にて、実施例1で用いたものと同じマイクロレンズアレイシートの表面に、スメクタイト膜を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例3)
1質量%に調整した水溶性高分子であるカルボキシメチルセルロース水溶液を用い、ディップ法にて、実施例1で用いたものと同じマイクロレンズアレイシートの表面に、水溶性高分子を成膜し、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例4)
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA、Sigma−Aldrich社製)を、pHは調整せずに濃度を0.028質量%に調整した水溶液を用い、ディップ法にて、実施例1で用いたものと同じマイクロレンズアレイシートを表面処理し、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例5)
BET法で測定した平均一次粒子径が8nmの数珠状シリカ微粒子が分散したシリカ水分散液(日産化学工業株式会社製、商品名:スノーテックス(ST)OUP(「スノーテックス」は登録商標)、シリカゾル)を、pHは調整せずに濃度を1質量%に調整した微粒子分散液をB液の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして表面処理を行い、実施例1と同様に評価を行った。
上記の実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。なお、着色評価の基準は、○が波長400nmの透過率80%以上、×が透過率80%未満である。
Figure 2013185149
表1に示されるように、本発明の表面処理剤により形成されるスメクタイト積層膜は、変色防止性に優れることが明らかである。
また、スメクタイト積層膜を交互積層法により作製することで、マイクロレンズなどの微細構造に追従させることができることが明らかである。

Claims (11)

  1. 電解質ポリマーを含有するA液と、直径方向長さが10nm〜400nm、厚みが1nm〜10nmのスメクタイトを含有するB液からなるスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
  2. B液が水溶性高分子を含有する、請求項1に記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
  3. B液に含有されるスメクタイト及び水溶性高分子の固体重量比が95/5〜50/50である、請求項2に記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
  4. B液に含有されるスメクタイトが、スチーブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト、バイデライトのうちいずれか1種類以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
  5. B液に含有されるスメクタイトが合成品である、請求項1〜4のいずれかに記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
  6. A液に含有される電解質ポリマー溶液中のイオン性基が、第1級、第2級、もしくは第3級アミノ基、該アミノ基の塩、及び第4級アンモニウム型基からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
  7. A液に含有される電解質ポリマーの濃度が、0.0003質量%以上3質量%以下である、請求項1〜6のいずれか記載のスメクタイト積層膜形成用表面処理剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤により形成されるスメクタイト積層膜を具備する固体基材。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤により形成されるスメクタイト積層膜の上に、更に反射防止膜を具備する請求項8に記載の固体基材。
  10. 凹凸構造を有する請求項8又は9に記載の固体基材。
  11. 固体基材上にスメクタイト積層膜を形成する製造方法であって、
    (i)固体基材の表面に電解質ポリマー溶液(A液)又はスメクタイト分散液(B液)を接触させる工程、次いでリンスする工程、
    (ii)前記A液を接触させた後の固体基材の表面に前記A液の電解質ポリマーと反対電荷を有するスメクタイトの分散液を接触させる工程、又は前記B液を接触させた後の固体基材の表面に前記B液のスメクタイトと反対電荷を有する電解質ポリマーの溶液を接触させる工程、次いでリンスする工程、
    (iii)(i)と(ii)を交互に繰り返し、スメクタイト積層膜を形成する工程
    を含むスメクタイト積層膜付固体基材の製造方法。
JP2012054360A 2012-03-12 2012-03-12 スメクタイト積層膜形成用表面処理剤、スメクタイト積層膜付固体基材及びその製造方法 Pending JP2013185149A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016509530A (ja) * 2012-12-28 2016-03-31 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン 薄膜拡散バリア

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