JP2013184180A - 板組の電気抵抗溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気抵抗溶接の進展に伴って電極チップ先端面の中心部に形成される合金層を効率的に除去して板組に印加される溶接電流分布を均一にして亜鉛メッキ鋼板相互に形成されるナゲット品質が良好にして板組を高い強度で溶接する。
【解決手段】一対の電極チップ9,11による電気抵抗溶接打点数が10乃至100回に達したとき、電極チップ先端部に応じた凹状の整形室内周面から底面に亘って形成された複数条の外周面整形突部及び整形室底面に電極チップ先端面と平行な先端面整形突部を有して回転される電極チップ再生具の整形室内に電極チップの先端部を突入し、回転する上記外周面整形突部及び先端面整形突部により上記電気抵抗溶接時の加圧により膨張変形した電極チップの先端部を先端側へ圧延して正規外周形状に整形すると共に先端面整形突部により先端面に成膜された銅、亜鉛及び鉄をそれぞれ主成分とする合金層を、一部を残して除去する。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも3枚の亜鉛メッキ鋼板が重ね合わされた板組(本発明の当該技術分野において板組とは、被溶接鋼板としての亜鉛メッキ鋼板を2枚以上重ね合わされた場合を意味するが、本発明においては少なくとも3枚の亜鉛メッキ鋼板を重ね合せた場合を意味し、以下においては、単に板組と称する。)の電気抵抗溶接方法に関する。
近年、例えば車体の製造においては、耐腐食性が高い亜鉛メッキ鋼板を被溶接鋼板とし、これらを3枚以上重ね合せた板組を電気抵抗溶接により接合して剛性を高めている。上記電気抵抗溶接は、上下一対の電極チップにより上記板組を挟持して加圧した状態で通電し、通電に伴う抵抗熱により溶融して亜鉛メッキ鋼板相互に必要サイズのナゲットによる継手を形成して接合している。このようにして得られたナゲットによる継手品質は、せん断引張強度(継手のせん断方向に引張試験をしたときの強さ)や十字引張強度(継手の剥離方向に引張試験をしたときの強さ)、また疲労強度などで評価されるが、これらの強度はナゲットの大きさ(径)や均一な溶込みに大きく依存している。
3枚重ねの亜鉛メッキ鋼板からなる板組を従来の電気抵抗溶接方法により接合する場合、亜鉛メッキ鋼板相互に大きい径で、均一な溶け込みのナゲットを形成して接合するには、電極チップ間の各亜鉛メッキ鋼板に対してほぼ等しい電流が流れるように板組を高い加圧力で圧締して相互間に電気抵抗になる空隙をなくすと共に圧締個所全体にほぼ等しい電流が流れるように電極チップの先端面を平滑にする必要がある。
しかし、上記板組に対して電極チップを高い加圧力で圧締すると、電極チップ自体、銅又は銅合金で形成されて変形し易いため、電気抵抗溶接による打点数の増大に伴って先端部が膨張変形して先端面の平滑度が悪くなると共に板組に対する圧接面積が増大して板組に対する印加電流密度が減少し、板組に対する密着度が悪くなって板組へ溶接電流を有効に流すことが困難になり、亜鉛メッキ鋼板相互を大きい径で、均一な溶込みのナゲットを形成して溶接できない問題を有している。
また、電気抵抗溶接による打点数の増大に伴って電極チップの先端面に銅-亜鉛合金や亜鉛-鉄合金の合金層が形成され、特に炭素系合金である亜鉛-鉄合金層が電気抵抗層になり、板組の亜鉛メッキ鋼板相互に流れる電流を均一にすることが困難になる問題を有している。
即ち、電極チップの先端面に形成される合金層の内、亜鉛-鉄合金層は、銅-亜鉛合金層や銅(同合金)に比べて圧縮強度が高いため、板組に対する電極チップの加圧に伴って電極チップ先端面、特に中心部を凹状に変形させて侵入し易く、中心部の電気抵抗を増大させる。このように先端面の中央部に鉄-亜鉛合金層が侵入した電極チップを使用して電気抵抗溶接を行うと、中心部からの印加電流値が減少すると共に先端面周縁からの印加電流値が増大して板組における亜鉛メッキ鋼板相互に形成されるナゲットがドーナッツ状になって中心部での溶け込みが悪く、充分なせん断引張強度や十字引張強度、疲労強度を得るように接合できなかった。
これらの問題は、溶接打点数が所定数に達した際には、電極チップの先端部を切削して初期形状に戻すと共に形成された合金層を除去して電極チップ先端面の電気抵抗を維持管理することにより解決できるが、電極チップの先端部を切削して整形すると、電極チップ自体の長さが徐々に短くなって部品寿命が短くなり、電極チップの交換頻度が高くなっている。電極チップを交換する際には、電気抵抗溶接作業を一時的に中断しなければならず、電気抵抗溶接の稼働時間が短くなって生産性が悪くなる問題が生じている。
上記問題を解決するため、例えば特許文献1に示すように二枚以上の鋼板を重ね合せた板組を、一対の溶接電極で挟持し、加圧しながら電流を流して溶接する抵抗スポット溶接方法において、通電により所定の径のナゲットを形成する本通電工程と、加圧力を本通電工程より増加させて、1サイクル以上20サイクル以下の休止と、短時間の通電からなる後熱通電工程との少なくとも二つの工程からなる抵抗スポット溶接方法が提案されている。
即ち、重ね合わされた鋼板を強固に加圧して相互間の空隙をなくした状態で電流を印加して板組を構成する亜鉛メッキ鋼板間に対する電流をほぼ等しくする必要があるが、電極チップ自体、銅又は銅合金製で変形し易いため、板組を強固に加圧することができない、これを回避するため、この抵抗スポット溶接方法は、先ずは弱い加圧力で板組を挟持した状態で電流を印加して鋼板相互間にナゲットを形成して空隙をなくすように仮溶接した後、仮溶接された板組を高い加圧力で挟持した状態で短時間の通電を所定サイクル数繰り返して本溶接することを特徴とする。しかし、上記の抵抗スポット溶接方法は、本通電工程と後熱通電工程において板組への加圧力を変える必要があり、溶接作業性が悪い問題を有している。
また、電気抵抗溶接に使用する電極チップとしては、通常外径が6mmのものを使用しているが、板組を構成する各亜鉛メッキ鋼板に対する電流の流れを等しくするには、小径の電極チップを使用して先端面からの電流密度を高めることにより解決することができる。しかし、電極チップを小径のものに変更するには、例えば溶接ロボットに電極チップ取付け治具等を変更しなければならず、作業性が悪い問題を有している。
特開2010−149187号公報
解決しようとする問題点は、亜鉛メッキ鋼板の3枚板組を電気抵抗溶接するには高い加圧力で板組を圧締して相互を密着させた状態で溶接電流を印加しなければならず、この加圧力で電極チップ先端部が膨張変形して板組に対する密着性が悪くなり、板組に対して等しい電流を流すことが困難になり、各亜鉛メッキ鋼板間に大きい径で均一な溶け込みのナゲットを形成して溶接することができない点にある。また、電気抵抗溶接の打点数の増大に伴って電極チップの先端面に形成される合金層が増大して電気抵抗になり、板組に対する電極チップ先端面から印加電流を均一にすることができず、各亜鉛メッキ鋼板間に大きい径で均一な溶け込みのナゲットを形成して溶接することができない点にある。
本発明は、少なくとも3枚の亜鉛メッキ鋼板が重ね合わされた板組を一対の電極チップにより挟持した加圧状態で溶接電流を印加して電気抵抗溶接する際に、上記一対の電極チップによる電気抵抗溶接打点数が10乃至100回に達したとき、電極チップ先端部に応じた凹状の整形室内周面から底面に亘って形成された複数条の外周面整形突部及び整形室底面に電極チップ先端面と平行な先端面整形突部を有して回転される電極チップ再生具の整形室内に電極チップの先端部を突入し、回転する上記外周面整形突部及び先端面整形突部により上記電気抵抗溶接時の加圧により膨張変形した電極チップの先端部を先端側へ圧延して正規外周形状に整形すると共に先端面整形突部により先端面に成膜された銅、亜鉛及び鉄をそれぞれ主成分とする合金層を、一部を残して除去し、整形された電極チップにより板組を挟持して加圧した状態で印加される溶接電流を電極チップ先端面から均一な電流分布で通電可能にして亜鉛メッキ鋼板相互間に電極チップ先端面に応じた大きさの溶接ナゲットを形成とすると共に均一な溶け込みを可能にして板組を溶接可能としたことを最も主要な特徴とする。
本発明は、亜鉛メッキ鋼板の3枚板組に対して電極チップの先端面を密着させた状態で溶接電流を印加して各亜鉛メッキ鋼板間に大きい径で均一な溶け込みのナゲットを形成して溶接することができる。また、電気抵抗溶接の打点数の増大に伴って電極チップの先端面に形成される合金層による電気抵抗の増大を規制し、溶接時における板組に印加される溶接電流のばらつきを少なくして各亜鉛メッキ鋼板間に大きい径で均一な溶け込みのナゲットを形成して溶接することができる。
電極チップ再生装置の配置例を示す説明図である。 電極チップと電極チップ再生装置を示す略体斜視図である。 電極チップ再生装置を一部省略して示す略体斜視図である。 電極チップ再生具の概略を示す斜視図である。 電極チップ再生具の平面図である。 図5のA−A線縦断面図である。 板組の溶接状態を示す説明図である。 電極チップにおける合金層の形成状態を示す説明写真である。 電極チップにおける合金層の切削状態を示す説明図である。 電極チップの整形状態を示す説明図である。 整形後の電極チップ先端部の説明写真である。
一対の電極チップによる電気抵抗溶接打点数が10乃至100回に達したとき、電極チップ先端部に応じた凹状の整形室内周面から底面に亘って形成された複数条の外周面整形突部及び整形室底面に電極チップ先端面と平行な先端面整形突部を有して回転される電極チップ再生具の整形室内に電極チップの先端部を突入し、回転する上記外周面整形突部及び先端面整形突部により上記電気抵抗溶接時の加圧により膨張変形した電極チップの先端部を先端側へ圧延して正規外周形状に整形すると共に先端面整形突部により先端面に成膜された銅、亜鉛及び鉄をそれぞれ主成分とする合金層を、一部を残して除去し、整形された電極チップにより板組を挟持して加圧した状態で印加される溶接電流を電極チップ先端面から均一な電流分布で通電可能にして亜鉛メッキ鋼板相互間に電極チップ先端面に応じた大きさの溶接ナゲットを形成とすると共に均一な溶け込みを可能にして板組を溶接可能としたことを最良の実施形態とする。
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
先ず、抵抗溶接用電極チップが取付けられる溶接ガンの概略を説明すると、図1に示すように、例えば3枚の亜鉛メッキ鋼板を重ね合せた板組61を電気抵抗溶接して車体を組み立てる車体組立てラインには搬送方向に対して所要の間隔をおいて溶接ステーションが設けられ、該溶接ステーションには前製造工程から車体に組み立てられる板組61が所要の溶接に要する時間の間隔をおいて順次搬入される。また、溶接ステーションには、例えば多関節型抵抗溶接機(溶接ロボット、何れも図示せず)が配置され、溶接ロボットは対応する溶接位置へ順次搬入される車体を構成する板組61の所定個所を順に溶接して車体を製造する。
溶接ロボットのアーム先端部には溶接ガン1が取付けられる。溶接ガン1のフレーム3には一対の取付けアーム5・7が適宜の間隔をおいて相対して移動可能に設けられる。そして各取付けアーム5・7には、先端部に電極チップ9・11が交換可能にそれぞれ取付けられる取付け軸13・15が軸線を一致させて相対するように設けられている。
これら電極チップ9・11は、例えば一方の取付けアーム5/7に連結されたエアーシリンダーや送りネジ機構に連結されたサーボモータ等の作動部材(図示せず)により、互いに近づく方向及び遠ざかる方向へ移動制御される。各電極チップ9・11は、電気抵抗が低く、耐熱性に優れ、かつ塑性変形し易い銅や銅合金(クロム銅)等で、所要の軸線長さで、先端部が所要の外径で、先端に向かって徐々に小径化して先端面が湾曲面又は平面の截頭円錐形状に形成される。
また、溶接ガン1の移動原点位置(待機位置)には電極チップ再生装置17が配置される。電極チップ再生装置17は車体組立てラインにおいて次に溶接する車体が搬入されるまでの間、移動原点位置(待機位置)に戻された溶接ガン1に装着された電極チップ9・11を装着状態で正規形状に整形して再生する。
上記電極チップ再生装置17の詳細について説明すると、図2乃至図6に示すように電極チップ再生装置17の本体19には上下方向に軸線を有し、水平方向に所定の間隔をおいた2本のガイド軸21に可動フレーム23が上下方向へ移動するように支持される。該可動フレーム23は各ガイド軸21に装着された圧縮ばね等の弾性部材25の弾性力によりガイド軸21の軸線方向中間部に位置するように弾性的に支持される。
上記可動フレーム23の一方側面には水平方向へ延出し、中心部に軸支孔(図示せず)が形成された支持盤27が設けられ、該支持盤27の軸支孔には回転体29が回転可能に軸支される。該回転体29の外周側には歯車29aが形成され、該歯車29aには上記可動フレーム23に固定されたサーボモータ等の数値制御可能な電動モータ31の出力軸に設けられた歯車33が噛合わされる。上記回転体29は電動モータ31の駆動に伴って所要の方向へ回転される。
上記回転体29の中心部には後述する電極チップ再生具35が抜け止め可能に挿嵌される支持孔37aを有したボス37が設けられる。なお、上記支持盤27には中心部に上記ボス37の外形に応じた内径の貫通孔39aを有し、回転体29を覆うカバー39が取付けられる。
上記電極チップ9・11を正規の形状に整形して再生する電極チップ再生具35は以下のように構成される。即ち、図3〜図5に示すように電極チップ再生具35は超硬合金(高速度鋼)やセラミックス等の超硬材で、本実施例においては六角柱形状に形成される。そして電極チップ再生具35の上部及び下部には相対する電極チップ9・11が進入して正規の形状に整形される整形室41・43が上下対称に形成される。
整形室41・43は電極チップ9・11の先端部側が進入可能な大きさのカップ状に形成され、各整形室41・43の外周側には底面を連通して軸線方向へ延びる、例えば3個の逃し穴45が周方向へほぼ等しい間隔をおいて形成される。各逃し孔45間なおける整形室41・43には電極チップ9・11における先端部外周の変形部分に圧接して先端面側へ押延ばす3個の外周面整形突部47・49が内周面から底面へ延びるように形成される。
各外周面整形突部47・49は所要の高さで、かつ電極チップ再生具35の回転方向に対してスパイラル曲線状に湾曲で、整形室41・43の中心軸線上に想定される中心点からの各曲率半径が、電極チップ再生具35の回転方向下手から上手に向かって順に大きくなるように形成される。
各整形室41・43の底面には電極チップ9・11の先端面に圧接して押延ばす先端面整形突部51・53が形成される。該先端面整形突部51・53は電極チップ再生具35の中心軸線から若干偏心した位置に中心を有し、所要の高さで電極チップ9・11の先端面幅より若干長く、平面視がS字形に形成される。また、先端面整形突部51・53の長手直交方向両側に応じた底面には対応する箇所の逃し穴45に連続する凹部(図示せず)が形成される。なお、電極チップ再生具35の詳細については、本出願人の出願に係る特開2010-188366号公報に記載されているため、その詳細な説明を省略する。
次に、3枚板組61の電気抵抗溶接方法に付いて説明すると、先ず、本例において電気抵抗溶接される板組61は、被溶接材としての亜鉛メッキ鋼板63を少なくとも3枚重ね合せたもので、各亜鉛メッキ鋼板63は鉄(Fe)を主成分とする鋼板の表面に亜鉛(Zn)を所要の膜厚でメッキ処理されたもので、それぞれの溶融点は、鉄が約1500℃、亜鉛が約420度である。この亜鉛メッキ鋼板63は使用される用途により鋼板及び亜鉛メッキ層の厚さは多種多様である。
先ず、取付け軸13・15に未使用の電極チップ9・11をセットした後、溶接ロボットを移動制御して電気抵抗溶接される板組61の上面及び下面に対してそれぞれの電極チップ9・11を所要の間隔をおいて相対させる。
作動部材を作動して上記板組61の上面及び下面に対して相対する電極チップ9・11を所要の圧力で圧接させた後、電極チップ9・11へ溶接電流を印加して該個所を電気抵抗溶接した後、溶接ロボットを溶接個所に応じて移動制御して板組61の所定個所を順に電気抵抗溶接する。
上記電気抵抗溶接時においては、板組61に対し、電極チップ9・11先端面の全体から溶接電流が印加されるため、該板組61を構成する重ね合わされた亜鉛メッキ鋼板63間における電極チップ9・11の先端面に応じた個所全体を均一に溶け込ますと共に該先端面に応じた大きさの溶接ナゲットを形成して溶接する。(図7参照)
また、電気抵抗溶接回数が増大するに伴って電極チップ9・11の先端面には電気抵抗溶接の熱により銅や亜鉛及び鉄が溶融したり、蒸気化したりして付着し、β銅−亜鉛合金層(βCu−Zn層、Znに対してCuの含有比率が50%以上の層))、γ銅−亜鉛合金層(γCu−Zn層、Cuに対してZnの含有比率が50%以上で、クラックが入り易い層)及び鉄−亜鉛合金層(Fe−Zn層、高電気抵抗の炭素系物質層)が順に形成される。(図8参照)
電気抵抗溶接をそのまま継続すると、電極チップ9・11先端面中央部における鉄−亜鉛合金層の厚さが増大して電気抵抗が高くなり、板組61に対して所要の溶接電流を印加できなかった。また、電極チップ9・11の先端面においては、板組61に対する電極チップ9・11の加圧により合金層の内、圧縮強度が高い鉄―亜鉛合金層が先端面の中央部を凹状に変形させて侵入して電気抵抗を増大させる。
このため、板組61に対する電極チップ9・11からの電流印加分布としては、電極チップ9・11先端面における中央部からの印加電流値が周縁部に比べて低くなり、板組61の各亜鉛メッキ鋼板63間に形成されるナゲットが中抜きのドーナッツ状で溶け込みが不充分になる結果、板組61を充分な強度で溶接できなくなる。
また、同様に電気抵抗溶接をそのまま継続すると、電極チップ9・11自体、動又は銅合金で形成されて変形し易いため、板組61に対する電極チップ9・11の圧接により先端部が圧接力により膨張変形し、先端面の平滑度が悪くなると共に板組61に対する電極チップ9・11の当接面積が増大する。このため、板組61に対する電極チップ9・11の密着度が悪くなると共に板組61に印加される単位面積当たりの電流値が減少し、板組61における各亜鉛メッキ鋼板63相互に良好なナゲットを形成して電気抵抗溶接することができなかった。
本発明は上記の問題を解決するため、電気抵抗溶接回数が所定回数、具体的には溶接ステーションにおいて板組61に対する所定打点数の溶接作業が終了したとき、更に具体的には溶接打点数が20〜100回に達し、溶接された板組61が次の工程へ搬送されるまでの間に溶接ロボットが待機位置へ戻されて待機している間に待機位置に配置された電極チップ再生装置17により電極チップ9・11を以下のように整形する。
即ち、溶接ロボットのアームを移動制御して待機位置へ戻される電極チップ9・11を電極チップ再生装置17に装着された電極チップ再生具35の各整形室41・43内に進入させる。上記状態にて作動部材を作動して各電極チップ9・11を各整形室41・43内へ所要の圧力で加圧しながら電動モータ31を駆動して電極チップ再生具35を所要の方向へ回転させると、先ず、回転する各先端面整形突部51・53により各電極チップ9・11の先端面に形成されたβ銅−亜鉛合金層、γ銅−亜鉛合金層及び鉄−亜鉛合金層の内、鉄−亜鉛合金層の多くを削り落すと共に加圧によりβ銅−亜鉛合金層とγ銅−亜鉛合金層を融合して亜鉛の含有量が多い合金層が所要の膜厚(例えば5〜30μm)になるように調整する。(図9及び図11参照)
なお、図12は銅-亜鉛合金層上に鉄―亜鉛合金層が微少の膜厚で残った状態を示す。このように微少膜厚の鉄-亜鉛合金層を残すことにより電極チップ9・11先端面の圧縮強度を高めに保つことができ、板組61に対して電極チップ9・11を所要の圧力で圧接した際に電極チップ9・11が過度に変形するのを防止する。
また、電極チップ9・11の先端面において融合されたβ銅−亜鉛合金層及びγ銅−亜鉛合金層は全体として溶融温度が低い亜鉛を多く含有した合金層になるため、板組61に対して電極チップ9・11を圧接した際に、板組61に対して電極チップ9・11先端面を密着させて両者間の電気抵抗を低減させることができる。
更に、上記した電極チップ9・11に先端面に形成された合金層の除去作用と共に板組61に対する加圧により膨張変形された電極チップ9・11先端部は回転する電極チップ再生具35の各外周面整形突部47・49により放射方向へ膨張変形した変形部分を先端側へ圧延して初期の正規形状へ整形させると共に各先端面整形突部51・53により各電極チップ9・11先端面を平滑度を高める。
このとき、それぞれの外周面整形突部47・49が電極チップ再生具35の回転方向に対してスパイラル状に形成されているため、放射方向へ膨張変形した電極チップ9・11先端部の変形部分は、それぞれの外周面整形突部47・49により徐々に変形させられながら先端側へ押し延ばされ、先端部を正規形状に整形される。(図10参照)
合金層の除去及び先端部の整形は上記したように車体の組み立てラインにおいて次の板組61が溶接ステーションに搬入されるまでの間の待機時間内に完了するように設定される。
そして次位の板組61が溶接ステーションへ搬入されるタイミング、従って電極チップ9・11先端部における合金層の除去及び整形が終了するタイミングで溶接ロボットを移動制御し、該溶接ステーションに搬入された板組61を上記と同様に電気抵抗溶接する。
本実施例方法は、電気抵抗溶接時に溶接打点数が所定の回数(20乃至100)に達するごとに電極チップ再生具35により電極チップ9・11先端面に形成された銅−亜鉛合金層及び亜鉛-鉄合金層の内、亜鉛-鉄合金層の大部分を削り落して板組61に対する電気抵抗を低減すると共に板組61に対する加圧により膨張変形した電極チップ9・11先端部の変形部分を先端側へ圧延して先端面が平滑な正規形状へ整形して板組61に対する密着性を高めると共に圧接面積を等しくすることができ、板組61を構成する各亜鉛メッキ鋼板63間に大きい径で、溶け込みが均一なナゲットを形成して電気抵抗溶接することができる。
1 溶接ガン
3 フレーム
5・7 取付けアーム
9・11 電極チップ
13・15 取付け軸
17 電極チップ再生装置
19 本体
21 ガイド軸
23 可動フレーム
25 弾性部材
27 支持盤
29 回転体
29a 歯車
31 電動モータ
33 歯車
35 電極チップ再生具
37 ボス
37a 支持孔
39 カバー
41・43 整形室
45 逃し穴
47・49 外周面整形突部
51・53 先端面整形突部
61 板組
63 亜鉛メッキ鋼板

Claims (5)

  1. 少なくとも3枚の亜鉛メッキ鋼板が重ね合わされた板組を一対の電極チップにより挟持した加圧状態で溶接電流を印加して電気抵抗溶接する際に、
    上記一対の電極チップによる電気抵抗溶接打点数が10乃至100回に達したとき、電極チップ先端部に応じた凹状の整形室内周面から底面に亘って形成された複数条の外周面整形突部及び整形室底面に電極チップ先端面と平行な先端面整形突部を有して回転される電極チップ再生具の整形室内に電極チップの先端部を突入し、
    回転する上記外周面整形突部及び先端面整形突部により上記電気抵抗溶接時の加圧により膨張変形した電極チップの先端部を先端側へ圧延して正規外周形状に整形すると共に先端面整形突部により先端面に成膜された銅、亜鉛及び鉄をそれぞれ主成分とする合金層を、一部を残して除去し、
    整形された電極チップにより板組を挟持して加圧した状態で印加される溶接電流を電極チップ先端面から均一な電流分布で通電可能にして亜鉛メッキ鋼板相互間に電極チップ先端面に応じた大きさの溶接ナゲットを形成とすると共に均一な溶け込みを可能にして板組を溶接可能とした板組の電気抵抗溶接方法。
  2. 請求項1において、電極チップ再生具における整形室内の各外周面整形突部は回転方向に対してスパイラル状に形成された板組の電気抵抗溶接方法。
  3. 請求項1において、上記一対の電極チップは板組の搬送ラインに沿って設けられた溶接ステーションに配置された溶接ロボットのアームに装着されると共に電極チップ再生具は上記溶接ロボットの待機位置にて回転駆動可能に設けられ、
    搬送ラインにより溶接ステーションに搬入された板組に対して上記所定の溶接打点数の電気抵抗溶接を終了して一対の電極チップを待機位置へ戻した際に板組が次位の工程へ搬送されるまでの間に電極チップを上記電極チップ再生具により整形する板組の電気抵抗溶接方法。
  4. 請求項1において、電気抵抗溶接により電極チップ先端面に成膜される合金層は先端面側から銅−亜鉛合金層、鉄―亜鉛合金層からなり、回転する電極チップ再生具により少なくとも鉄―亜鉛合金層を削り除去する板組の電気抵抗溶接方法。
  5. 請求項4において、銅−亜鉛合金層は電極チップの先端面側から銅の含有量が多い第1銅−亜鉛合金層と亜鉛の含有量が多い第2銅−亜鉛合金層からなり、回転する電極チップ再生具により鉄―亜鉛合金層と共に第2銅−亜鉛合金層を削り除去する板組の電気抵抗溶接方法。
JP2012049978A 2012-03-07 2012-03-07 板組の電気抵抗溶接方法 Pending JP2013184180A (ja)

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