JP2013183812A - 離床判定装置及び離床判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 判定対象者にとって身体的及び心的負担を何ら負うことなく、且つ、安価であって日常的に使用でき、在床から離床への変化の有無を高速且つ高精度に判定することができる離床判定装置を提供する。
【解決手段】 離床判定部8は、在床判定部6によって在床が判定された状態で、体動検出部7によって体動があった旨が検出された場合に利得制御のレベルをロックするか又は一定レベル以下には利得を下げないようにし、且つ、生体信号強度のピーク値が所定値以上となるように利得制御を行わせ、体動検出部7によって所定時間継続した体動があった旨が検出された後に信号の波形振幅が略ゼロ値となった場合に離床があったものと判定する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、在床から離床への変化の有無を判定する離床判定装置及び離床判定方法に関し、特に取り扱いが容易で日常的に使用可能である離床判定装置及び離床判定方法に関する。
例えば高齢者の介護施設では、被介護者が離床時に転倒する事故が多い。そのため、特に注意が必要な被介護者には、離床時に介護者が付き添うことが多く、介護者の負担が大きなものとなっている。
したがって、被介護者が離床した旨を検出するために、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、各種荷重/感圧センサを設けたシート状部材をベッド周囲の床面に敷設しておき、離床時に被介護者がシート状部材を踏むのに応じて離床を検出し、その旨を介護者等に報知するシステムが提案されている。
特開2005−34226号公報 特開2005−185812号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2に記載されたような床面に敷設したセンサによる検出をともなうシステムは、実際に被介護者が起き上がってシート状部材を踏み付けた場合と被験者と関係ない人がシートを踏みつけた場合でも信号を検出してしまう。現状のシート状部材は、いわゆるオン/オフセンサであることから、被介護者が在床状態から離床状態へと遷移したことを検出するセンサではなく、誤判定が多いという問題があった。
また、被介護者の心拍信号を測定し、これに基づいて離床判定を行う技術も提案されている。しかしながら、かかる技術においては、不整脈による信号減衰や、寝返り等の体動後の信号減衰など、睡眠中の被介護者の体調や挙動に起因して、離床判定信号との識別が困難な状況に陥ることがあり、離床判定信号の早期検出及び精度向上に対する要求が高まりつつある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、被介護者等の判定対象者にとって身体的及び心的負担を何ら負うことなく、且つ、安価であって判定対象者が日常的に使用でき、在床から離床への変化の有無を高速且つ高精度に判定することができる離床判定装置及び離床判定方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、離床の判定に悪影響を及ぼす要因を特定し、これら要因の影響を最小限にするための手法について鋭意研究を行った結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上述した目的を達成する本発明にかかる離床判定装置は、判定対象者の生体信号を無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出手段と、前記生体信号検出手段によって検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号強度を算出する生体信号強度算出手段と、前記生体信号強度算出手段によって算出された生体信号強度に基づいて、前記判定対象者の在床を判定する在床判定手段と、前記利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御した生体信号の波形振幅に基づいて、前記判定対象者の体動の有無を検出する体動検出手段と、前記在床判定手段による判定結果と前記体動検出手段による検出結果とに基づいて、前記判定対象者の離床の有無を判定する離床判定手段とを備え、前記離床判定手段は、前記在床判定手段によって前記判定対象者の在床が判定された状態で、前記体動検出手段によって体動があった旨が検出された場合に前記利得制御のレベルをロックするか又は一定レベル以下には利得を下げないようにし、且つ、生体信号強度のピーク値が所定値以上となるように利得制御を行わせ、前記体動検出手段によって所定時間継続した体動があった旨が検出された後に生体信号の波形振幅が略ゼロ値となった場合に離床があったものと判定することを特徴としている。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる離床判定方法は、所定の生体信号検出手段によって判定対象者の生体信号を無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出工程と、信号処理を行うプロセッサが、前記生体信号検出工程にて検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号強度を算出する生体信号強度算出工程と、前記プロセッサが、前記生体信号強度算出工程にて算出された生体信号強度に基づいて、前記判定対象者の在床を判定する在床判定工程と、前記プロセッサが、前記利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御した生体信号の波形振幅に基づいて、前記判定対象者の体動の有無を検出する体動検出工程と、前記プロセッサが、前記在床判定工程による判定結果と前記体動検出工程による検出結果とに基づいて、前記判定対象者の離床の有無を判定する離床判定工程とを備え、前記離床判定工程では、前記プロセッサが、前記在床判定工程にて前記判定対象者の在床が判定された状態で、前記体動検出工程にて体動があった旨が検出された場合に前記利得制御のレベルをロックするか又は一定レベル以下には利得を下げないようにし、且つ、生体信号強度のピーク値が所定値以上となるように利得制御を行わせ、前記体動検出工程にて所定時間継続した体動があった旨が検出された後に生体信号の波形振幅が略ゼロ値となった場合に離床があったものと判定することを特徴としている。
このような本発明にかかる離床判定装置及び離床判定方法は、無侵襲且つ無拘束で検出した生体信号に基づいて、誤判定の要因となる各種状況の影響を最小限にするような制御を行いながら離床の有無を自動的に判定する。
本発明においては、誤判定の要因となる各種状況の影響を最小限にするような制御を行いながら無侵襲且つ無拘束で生体信号を検出することから、判定対象者にとって身体的及び心的負担を何ら負うことなく、且つ、安価であって日常的に使用でき、離床の有無を高速且つ高精度に判定することができる。
被験者が在床しているときに測定した心拍波形の時系列データの具体例を示す図であり、在床時の体動後に離床したときの波形を示す図である。 心拍波形の時系列データの具体例を示す図であり、不整脈が発生した様子を説明する図である。 心拍波形の時系列データの具体例を示す図であり、通常の利得制御をした場合には、大きな体動後は利得が小さくなり、体動後は離床時と同様に心拍波形の振幅がゼロ近傍になる様子を説明する図である。 心拍波形の時系列データの具体例を示す図であり、心拍波形間の強度が小さい様子を説明する図である。 心拍波形の時系列データの具体例を示す図であり、強度が全体的に小さい傾向にある様子を説明する図である。 本発明の実施の形態として示す離床判定装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態として示す離床判定装置の構成を示す図であり、図6において矢視方向からみたときの一部断面図である。 本発明の実施の形態として示す離床判定装置において、離床の有無を判定する際の一連の手順を示すフローチャートである。 心拍波形の時系列データの具体例を示す図である。 心拍波形の時系列データの具体例を示す図である。 他の生体信号検出部の構成を示す図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、在床から離床への変化の有無を判定する離床判定装置である。特に、この離床判定装置は、被介護者等の判定対象者の生体信号に基づいて離床の有無を高速且つ高精度に判定するものである。
まず、本発明の実施の形態として示す離床判定装置の説明に先立って、本発明によって解決すべき課題が生じる状況、すなわち、睡眠中の被介護者の挙動などに起因する離床判定信号との識別が困難な状況と、それに対する解決策とについて説明する。
まず、第1の状況として、不整脈に起因して離床判定信号の誤判定を生じる状況が挙げられる。
図1に、判定対象者が在床しているときに測定した心拍波形の時系列データの例を示す。心拍信号に基づく離床判定は、例えば1〜3秒程度の所定時間継続した体動後に信号波形の振幅がゼロ近傍となった場合に、離床判定信号を出力することによって行われる。
不整脈は、一般に深い睡眠段階において発生する。例えば心拍信号を20ミリ秒毎にサンプリングしたときの心拍信号を求めると、図2に示すように、不整脈の発生に応じて約2秒間程度、信号波形の振幅がゼロ近傍となる領域が発生する。このような領域は、離床したものと誤判定してしまう要因となる。
つぎに、第2の状況として、体動後の信号減衰に起因して離床判定信号の誤判定を生じる状況が挙げられる。
本願発明者が既に提案しているように、この種のシステムにおいては、心拍信号が所定の信号レベルの範囲内に入るように自動的に利得制御を行うことがある。このような心拍信号の振幅が一定レベルとなるような制御を行うシステムにおいては、体動による大きな信号が長時間継続すると、例えば図3に示すように利得が小さくなり、体動終了後の所定時間、信号振幅がゼロ近傍となる領域が発生する。このような領域も、離床判定信号との識別が困難であり、誤判定の要因となる。
つぎに、第3の状況として、心拍波形間の安定領域に起因して離床判定信号の誤判定を生じる状況が挙げられる。
心拍は、通常、約1秒間隔で発生するが、例えば図4に示すように、約0.7秒程度は信号振幅がゼロ近傍となる領域が発生する。このような領域も、離床判定信号との識別が困難であり、誤判定の要因となる。
最後に、第4の状況として、ベッドの硬さに起因して離床判定信号の誤判定を生じる状況が挙げられる。
例えば被介護者がスプリング式のベッドに就寝している場合には、図5に示すように、心拍信号の振幅が小さくなる傾向にある。したがって、このようなベッドを使用する場合には、体動の検出が不十分となり、第3の状況にて説明した心拍波形間の安定領域における心拍信号の振幅も小さくなる。このような場合も、離床判定信号との識別が困難であり、誤判定の要因となる。
離床判定装置は、このような状況においても離床判定信号との識別を確実に行うために、以下のような方式のもとに心拍信号の測定を行う。
まず、第1の状況については、体動直後の約4秒といった一定時間以内には不整脈がほとんど出現せず、比較的深い睡眠時に出現することに着目する。すなわち、離床判定装置は、所定時間継続する体動を検出した場合においてその後に信号振幅がゼロ近傍となった場合には、不整脈によるものではなく離床であるものと判定する。したがって、離床判定装置は、図2に示した状況の場合には、離床判定信号を出力しないように制御することができる。
また、第2の状況については、体動後の信号減衰があった場合であっても利得制御のレベルが必要以上に低くならないようにすればよい。すなわち、離床判定装置は、体動を検出した場合には、利得制御のレベルをロックするか又は一定レベル以下には利得を下げないように制御する。これにより、離床判定装置は、体動後の信号減衰があった場合であっても、離床でない場合の信号振幅を確保して誤判定をなくすことができる。
さらに、第3の状況については、心拍波形間の安定領域を検出しないようにすればよい。すなわち、離床判定装置は、心拍波形間の安定領域と離床判定信号とを識別するために、所定時間継続する体動後に一定レベルの信号が検出される場合には、離床判定を行わない一定時間の不感帯を設ける。この不感帯は、通常の心拍間隔と同等に最大で1秒とする。これにより、離床判定装置は、心拍波形間の安定領域に起因する離床判定信号の誤判定をなくすことができる。
最後に、第4の状況については、心拍信号の振幅を上げるために利得制御を利用すればよい。すなわち、離床判定装置は、例えば心拍信号のフルスケールレベルを1000としたとき、ピークレベルが750以上となるように利得制御を行う。これにより、離床判定装置は、柔らかいベッドの場合であっても離床判定信号の誤判定をなくすことができる。
離床判定装置は、以上のような方式のもとに心拍信号の測定を行う。特に、離床判定装置は、上述した4つの状況に対応する処理を逐次処理とすると、約3秒〜4秒程度の遅延が発生することから、早期に離床の有無を判定するため、上述した4つの状況に対応する処理を割り込み処理として行い、離床判定と同時に離床判定信号を出力する。以下、このような離床判定装置の具体的な構成について説明する。
図6に、本発明の実施の形態として示す離床判定装置の処理をブロックとして表した構成を示し、図7に、図6において矢視方向からみたときの一部断面図を示している。すなわち、離床判定装置は、判定対象者の生体信号を検出する生体信号検出部1と、この生体信号検出部1によって検出された生体信号を増幅する信号増幅部2と、この信号増幅部2によって増幅された生体信号に対してフィルタリング処理を施すフィルタ部3と、このフィルタ部3を通過した心拍信号及び/又は呼吸信号に対して自動的に利得制御を行う自動利得制御部4と、心拍信号及び/又は呼吸信号の強度を算出する信号強度算出部5と、この信号強度算出部5によって算出された心拍強度及び/又は呼吸強度に基づいて在床の有無を判定する在床判定部6と、自動利得制御部4によって利得制御された心拍信号及び/又は呼吸信号の波形に基づいて体動の有無を検出する体動検出部7と、在床判定部6による判定結果と体動検出部7による検出結果とに基づいて離床の有無を判定する離床判定部8とを備える。なお、これら各部のうち、少なくとも、信号強度算出部5、在床判定部6、体動検出部7、及び、離床判定部8は、例えば、信号処理を行うコンピュータにおけるCPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェアを用いて実行可能なプログラムとして実装したり、コンピュータに装着可能な拡張ボードに搭載されたDSP(Digital
Processing Unit)等の専用プロセッサを用いて実装したりすることができる。
生体信号検出部1は、判定対象者の微細な生体信号を検出する無侵襲且つ無拘束センサである。具体的には、生体信号検出部1は、圧力検出チューブ1aと、この圧力検出チューブ1aの内部に収容されている空気の微小な圧力変動を検出するセンサである微差圧センサ1bとから構成され、無侵襲且つ無拘束な生体信号の検出手段を構成している。
圧力検出チューブ1aとしては、生体信号の圧力変動範囲に対応して内部の圧力が変動するように適度な弾力を有するものを使用する。また、圧力検出チューブ1aとしては、圧力変化を適切な応答速度で微差圧センサ1bに伝達するために、チューブの中空部の容積を適切に選択する必要がある。圧力検出チューブ1aが適度な弾性と中空部容積とを同時に満足できない場合には、圧力検出チューブ1aの中空部に適切な太さの芯線をチューブ長さ全体にわたって装填し、中空部の容積を適切にとることができる。
このような圧力検出チューブ1aは、寝台21上に敷設された硬質シート22上に配置される。離床判定装置においては、硬質シート22上に弾性を有するクッションシート23が敷設されており、圧力検出チューブ1aの上に被介護者等の判定対象者が横臥することになる。なお、圧力検出チューブ1aは、クッションシート23等に組み込んだ構成とすることにより、圧力検出チューブ1aの位置を安定させる構造としてもよい。
微差圧センサ1bは、微小な圧力の変動を検出するセンサである。本実施の形態においては、微差圧センサ1bとして、低周波用のコンデンサマイクロフォンタイプのものを使用するが、これに限定されるものではなく、適切な分解能とダイナミックレンジとを有するものであればよい。本実施の形態において使用した低周波用のコンデンサマイクロフォンは、一般の音響用マイクロフォンが低周波領域に対して配慮されていないのに引き替え、受圧面の後方にチャンバーを設けることによって低周波領域の特性を大幅に向上させたものであり、圧力検出チューブ1a内の微小圧力変動を検出するのに好適なものである。また、このコンデンサマイクロフォンは、微小な差圧を計測するのに優れており、0.2Paの分解能と約50Paのダイナミックレンジとを有し、通常使用されるセラミックを利用した微差圧センサと比較して数倍の性能を持つものであり、生体信号が体表面に通して圧力検出チューブ1aに加えた微小な圧力を検出するのに好適なものである。また、周波数特性は、0.1Hz〜20Hzの間で略平坦な出力値を示し、心拍及び呼吸等の微小な生体信号を検出するのに適している。
本実施の形態においては、一方が判定対象者の胸部の部位の生体信号を検出し、他方が判定対象者の臀部の部位を検出するように、2組の圧力検出チューブ1aが設けられており、判定対象者の就寝の姿勢にかかわらず生体信号を検出するように構成されている。なお、離床判定装置においては、胸部の部位又は臀部の部位の一方のみに圧力検出チューブ1aを配置する構成としてもよい。このような生体信号検出部1によって検出された生体信号は、信号増幅部2に供給される。離床判定装置は、このような無侵襲且つ無拘束で生体信号を検出する構成とすることにより、日常生活において容易に使用することができ、特に高齢者の介護等への使用に極めて好適である。
信号増幅部2は、後の処理工程で処理できるように生体信号検出部1によって検出された信号を増幅し、さらに、明らかに異常なレベルの信号を除去する等して適切な信号整形処理を行う。この信号増幅部2によって増幅された生体信号は、フィルタ部3に供給される。
フィルタ部3は、信号増幅部2によって増幅された生体信号から不要な信号をバンドパスフィルタ等によって除去することにより、心拍信号及び呼吸信号を抽出する。すなわち、生体信号検出部1によって検出された生体信号は、人体から発する様々な振動が混ざり合った信号であり、その中に心拍信号や呼吸信号をはじめとして寝返りを示す体動信号等の様々な信号が含まれている。このうち、心拍信号は、心臓のポンプ機能に基づく圧力の変化(すなわち血圧)が振動となって生体信号に含まれるものである。また、呼吸信号は、肺の動きに基づく体動の変化が振動となって生体信号に含まれるものである。離床判定装置においては、これをフィルタ部3によって抽出することにより、心拍信号及び呼吸信号として認識する。このフィルタ部3を通過した心拍信号及び呼吸信号は、それぞれ、自動利得制御部4に供給される。
自動利得制御部4は、フィルタ部3の出力が所定の信号レベルの範囲内に入るように自動的に利得制御を行ういわゆるAGC回路である。この自動利得制御部4による利得制御は、例えば信号のピーク値が所定の上限閾値を超えた場合に出力信号の振幅が小さくなるように利得を設定するとともに、ピーク値が所定の下限閾値を下回った場合に振幅が大きくなるように利得を設定している。自動利得制御部4は、このような利得制御を行った際の利得の値(係数)を信号強度算出部5に供給する。
信号強度算出部5は、自動利得制御部4において心拍信号及び/又は呼吸信号に対して施した利得制御の係数に基づいて、心拍信号及び/又は呼吸信号の強度を算出する。なお、本願明細書においては、この利得制御の係数に基づく値を「強度」と称し、信号波形の振幅とは明確に区別している。具体的には、上述した自動利得制御部4から得られる利得の値は、信号の大きさが大きいときには小さく、また、信号の大きさが小さいときは大きく設定されることから、利得の値とは反比例の関係で信号強度が表されることになる。具体的には、後述する図9において、心拍信号波形の振幅とともに心拍信号の強度の時系列データを示しているが、利得の値は、波形振幅の包絡線と反比例したものに近似することができ、その結果、心拍強度は、波形振幅の包絡線に近似したものとなる。信号強度算出部5は、算出した心拍信号及び/又は呼吸信号の強度について個人差をなくして一般化するために、正規化して百分率表現値とした上で、在床判定部6に供給する。
在床判定部6は、信号強度算出部5によって算出された信号強度のデータに基づいて、判定対象者の在床の有無を判定する。具体的には、在床判定部6は、自動利得制御部4から得られる利得制御の係数に基づく心拍信号及び/又は呼吸信号の強度を正規化して百分率表現値としたとき、その強度が例えば40%以上といった所定値以上である場合に、判定対象者が在床しているものと判定する。在床判定部6は、判定結果を示すデータを離床判定部8に供給する。
体動検出部7は、自動利得制御部4によって利得制御された心拍信号及び/又は呼吸信号の波形に基づいて、体動の有無を検出する。具体的には、体動検出部7は、信号振幅が所定値A3を上回るか又は下回るかを検出することにより、信号の立ち上がり及び立ち下がりを検出する。特に、体動検出部7は、立ち上がり時の信号振幅をHInUPとし、立ち下がり時の信号振幅をHInDNとすると、上述した第4の状況に対応することと相俟って、信号のフルスケールレベルを1000としたとき、HInup>A3(750)及びHInDN<A3(750)となるときを検出する。そして、体動検出部7は、HInDN<A3(750)となったときからHInup>A3(750)となったときの間隔がt3(例えば0.8秒)以内である状態が1〜3秒程度の所定時間連続した場合、体動があったと判定する。なお、体動のうち、HInDN<A3(750)となったときからHInup>A3(750)となったときの間隔が所定時間t4(例えば1秒)以上である状態が連続している場合には、離床時の連続体動となる。体動検出部7は、このようにして体動を検出すると、その検出結果を示すデータを離床判定部8に供給する。
離床判定部8は、在床判定部6による判定結果と、体動検出部7による検出結果とに基づいて、判定対象者の離床の有無を判定する。具体的には、離床判定部8は、在床判定部6による判定結果が在床である旨を示す場合に、体動検出部7による検出結果が所定条件を満たした場合に、判定対象者が在床から離床へと移行したものと判定する。なお、体動がある場合には、信号が大きく振れる。そこで、離床判定部8は、このような異常値の影響を除去するため、所定値を超える信号振幅をその所定値で置換する等の異常値処理を行う。そして、離床判定部8は、心拍信号及び/又は呼吸信号の時系列データや体動検出結果を示すデータ等とともに、判定した離床情報を出力し、図示しない表示装置に表示させたり、印刷装置によって印刷させたり、記憶装置にデータとして記憶させたり、予め登録された介護者等が所持する外部の端末機器に対して送信したりする。
このような離床判定装置は、図8に示すような一連の手順にしたがって、離床の有無を判定する。なお、以下では、生体信号のうち心拍信号に基づいて処理を行うものとして説明する。
まず、離床判定装置においては、図8に示すように、ステップS1において、心拍信号を取り込む。すなわち、離床判定装置においては、生体信号検出部1によって検出された生体信号を信号増幅部2によって増幅し、フィルタ部3によって不要な信号をバンドパスフィルタ等によって除去することにより、心拍信号と体動信号とを検出する。なお、体動信号は心拍信号と比較して大きい信号であることから、心拍信号は体動信号に内包された信号となる。体動信号は覚醒及び浅い睡眠時に発生し、特に離床時は大きなものとなることから、離床判定装置においては、このような現象をも利用して離床の有無の判定を行う。
そして、離床判定装置においては、体動信号を含む心拍信号に対して自動利得制御部4によって利得制御を行うことによってピーク値を制御し、信号振幅を所定の範囲に制限する。特に、離床判定装置においては、上述した第4の状況に対応するために、離床判定部8の制御のもとに、例えば心拍信号のフルスケールレベルを1000としたとき、ピークレベルが750以上となるように利得制御を行う。また、離床判定装置においては、上述した第2の状況に対応するために、体動が検出された場合には、離床判定部8の制御のもとに、利得制御のレベルをロックするか又は一定レベル以下には利得を下げないようにする。これにより、離床判定装置においては、心拍信号に含まれる体動信号が異常に大きな値として検出・排除されることになり、データの信頼性が向上する効果があるとともに、体動後の信号減衰やベッドの特性に起因する誤判定を防止することができる。
その後、離床判定装置においては、2系統の処理が並列的に行われる。まず、離床判定装置においては、ステップS2において、信号強度算出部5により、自動利得制御部4によって心拍信号に適用された利得の値を用いて信号強度を算出する。このとき、心拍強度信号のデータは、例えば図9の上段に示すような20ミリ秒毎にサンプリングされた心拍信号の波形に基づいて、図9の下段に示すような心拍強度の時系列データが得られる。ここでは、利得の逆数と比例する関数を設定し、信号強度としている。なお、図9の心拍強度は、所定強度によって正規化したものである。
続いて、離床判定装置においては、ステップS3において、上述した手法により、在床判定部6による在床の有無の判定を行う。すなわち、在床判定部6は、心拍強度が例えば40%以上といった所定値以上である場合に、判定対象者が在床しているものと判定する。
一方、離床判定装置においては、ステップS4において、上述した手法により、体動検出部7によって体動の有無を検出する。そして、離床判定装置においては、ステップS5において、離床判定部8による離床の有無の判定を行う。
すなわち、離床判定部8は、ステップS3における在床判定部6による判定の結果、在床である旨が判定された状態で、体動検出部7によって体動があった旨が検出されると、上述した立ち上がり時の信号振幅HInUP及び立ち下がり時の信号振幅HInDNを用いた条件を満たした場合には、離床時の連続体動後に離床があったものと判定する。図1に示した心拍波形の時系列データを例にとると、大きい振幅が連続する区間は、判定対象者が起き上がった際の体動に相当するものであり、判定対象者が実際に離床すると、その後の振幅が略ゼロ値となる。したがって、離床判定部8は、大きい振幅が連続して発生した後に振幅が略ゼロ値となった場合に、離床があったものと判定する。特に、離床判定部8は、早期に離床を判定するために、連続した体動の終了後、所定時間t5(例えば約5秒)のみ行う。また、離床判定部8は、図10に示すように、所定時間t6(例えば15秒)以内に上述した所定時間t4(例えば1秒)以内の体動がある場合には、これも含めた時間t6のみ離床判定を行う。なお、離床判定部8は、上述した第3の状況に対応するために、所定時間継続する体動後に一定レベルの信号が検出された場合には、一定時間の不感帯を設け、心拍波形間の安定領域を検出しないように制御する。また、離床判定部8は、上述した第1の状況については、離床時の連続体動を適切に判定すれば、必然的に不整脈による信号減衰を誤判定することはなくなる。
離床判定部8は、このようにして離床があった旨を判定すると、予め登録された介護者等が所持する外部の端末機器に対してその旨を送信して報知する。なお、報知の形態としては、例えば、介護者等が所持する携帯電話機への発呼、電子メールの送信、ナースセンタへのナースコール、その他任意のものを採用することができる。また、離床判定部8は、判定対象者の離床傾向を解析するために、心拍信号及び/又は呼吸信号の時系列データ等とともに、判定した離床情報を図示しない表示装置に表示させたり、印刷装置によって印刷させたり、記憶装置にデータとして記憶させたりするようにしてもよい。
離床判定装置においては、このような一連の手順にしたがって、離床の有無を自動的に判定することができる。
なお、本願発明者は、心拍信号のフルスケールレベルを1000として、ピークレベルが750以上の高いレベルとなるように且つ利得を一定レベル以上に保持するように利得制御を行い、心拍信号を20ミリ秒毎にサンプリングしたときのデータを用いて、シミュレータによる上述した4つの状況に対する対応の有効性を確認した。その結果、全ての状況において誤判定を行うことなく、略リアルタイムで離床判定を行うことができることを確認した。
以上説明したように、本発明の実施の形態として示す離床判定装置においては、誤判定の要因となる各種状況の影響を最小限にするような制御を行いながら、心拍信号及び/又は呼吸信号に基づいて離床の有無を判定することから、略リアルタイムで且つ高精度に離床の有無を判定することができる。また、離床判定装置においては、従来のようなシート状部材を用いたり、判定対象者に電極を装着したりする必要がないことから、判定対象者にとって身体的及び心的負担を何ら負うことなく、且つ、安価に離床の有無を日常的に判定することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施の形態では、心拍信号を検出する方法として、判定対象者の身体の下に敷設した無拘束の生体信号検出部1によって得られた生体信号から心拍信号を抽出する方法を示したが、本発明は、継続的に心拍信号又は心拍信号と同等の信号が得られる検出手段であれば適用可能である。例えば、本発明は、手首や上腕部等の身体に装着するタイプの心拍計や脈拍計であってデータを連続的に記録することが可能なものであれば生体信号検出部1として適用可能である。
また、生体信号検出部1としては、上述した中空チューブを用いる代わりに、図11に示すようなエアマット式の検出手段を用いてもよい。すなわち、図11に示す生体信号検出部30は、内部に空気を封入したエアマット30aの一端にエアチューブ30bが接続され、さらに、このエアチューブ30bに微差圧センサ30cが接続されて構成される。なお、微差圧センサ30cは、中空チューブを用いた生体信号検出部1の場合において説明したものと同様のものを用いることができる。
さらに、上述した実施の形態では、心拍信号に基づく処理を中心に説明したが、本発明は、呼吸信号に基づいて離床判定を行うようにしてもよく、心拍信号による判定と呼吸信号による判定との論理積によって最終的な離床判定を行うようにしてもよい。
さらにまた、本発明は、離床判定信号と在床判定信号との論理積、すなわち、離床判定信号と生体信号が検出されている旨の信号との論理積に基づいて、離床判定のみならず死亡判定も行うようにしてもよい。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
1,30 生体信号検出部
1a 圧力検出チューブ
1b,30c 微差圧センサ
2 信号増幅部
3 フィルタ部
4 自動利得制御部
5 信号強度算出部
6 在床判定部
7 体動検出部
8 離床判定部
21 寝台
22 硬質シート
23 クッションシート
30a エアマット
30b エアチューブ

Claims (3)

  1. 判定対象者の生体信号を無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出手段と、
    前記生体信号検出手段によって検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号強度を算出する生体信号強度算出手段と、
    前記生体信号強度算出手段によって算出された生体信号強度に基づいて、前記判定対象者の在床を判定する在床判定手段と、
    前記利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御した生体信号の波形振幅に基づいて、前記判定対象者の体動の有無を検出する体動検出手段と、
    前記在床判定手段による判定結果と前記体動検出手段による検出結果とに基づいて、前記判定対象者の離床の有無を判定する離床判定手段とを備え、
    前記離床判定手段は、前記在床判定手段によって前記判定対象者の在床が判定された状態で、前記体動検出手段によって体動があった旨が検出された場合に前記利得制御のレベルをロックするか又は一定レベル以下には利得を下げないようにし、且つ、生体信号強度のピーク値が所定値以上となるように利得制御を行わせ、前記体動検出手段によって所定時間継続した体動があった旨が検出された後に生体信号の波形振幅が略ゼロ値となった場合に離床があったものと判定すること
    を特徴とする離床判定装置。
  2. 前記離床判定手段は、前記体動検出手段によって所定時間継続した体動があった旨が検出された後に一定レベルの信号が検出された場合には、離床判定を行わない一定時間の不感帯を設けること
    を特徴とする請求項1記載の離床判定装置。
  3. 所定の生体信号検出手段によって判定対象者の生体信号を無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出工程と、
    信号処理を行うプロセッサが、前記生体信号検出工程にて検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号強度を算出する生体信号強度算出工程と、
    前記プロセッサが、前記生体信号強度算出工程にて算出された生体信号強度に基づいて、前記判定対象者の在床を判定する在床判定工程と、
    前記プロセッサが、前記利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御した生体信号の波形振幅に基づいて、前記判定対象者の体動の有無を検出する体動検出工程と、
    前記プロセッサが、前記在床判定工程による判定結果と前記体動検出工程による検出結果とに基づいて、前記判定対象者の離床の有無を判定する離床判定工程とを備え、
    前記離床判定工程では、前記プロセッサが、前記在床判定工程にて前記判定対象者の在床が判定された状態で、前記体動検出工程にて体動があった旨が検出された場合に前記利得制御のレベルをロックするか又は一定レベル以下には利得を下げないようにし、且つ、生体信号強度のピーク値が所定値以上となるように利得制御を行わせ、前記体動検出工程にて所定時間継続した体動があった旨が検出された後に生体信号の波形振幅が略ゼロ値となった場合に離床があったものと判定すること
    を特徴とする離床判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018078980A (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズ 在不在センサ装置、及び在不在センサ装置の在不在判定方法

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JP2018078980A (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズ 在不在センサ装置、及び在不在センサ装置の在不在判定方法

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