JP2013183596A - 無線電力伝送装置および無線電力伝送システム - Google Patents

無線電力伝送装置および無線電力伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】無線電力伝送装置において、送信アンテナと受信アンテナの位置ずれに対して電力伝送効率の低下が少なく、またインピーダンス整合回路を不要とする。
【解決手段】無線電力伝送装置50Aは、自己共振周波数が同一の超低姿勢逆L型アンテナを送信アンテナ20および受信アンテナ40として用い、それらを近接して対向配置し、近傍電磁界領域で共振させて電力伝送を行う。送信アンテナ20および受信アンテナ40の途中に設けた給電位置を送受信アンテナ別々に変えることで、送信機1、受信機3とのインピーダンス整合を個別に取ることを可能とする。
【選択図】図2

Description

この発明は電気自動車等の非接触給電に用いる無線電力伝送装置およびそれを用いた無線電力伝送システムに関する。
近年、電気自動車の普及拡大に伴って、自動車に搭載される二次電池等へワイヤレスで充電するための無線電力伝送技術が多く開発されている。無線電力伝送技術の主な方式としては、電磁誘導方式や電磁界共振方式などがある。
電磁誘導方式は、送電コイルと受電コイルを対向させて配置し、いわゆる変圧器を構成して電力の授受を行うものである。送受電コイルの位置合わせが重要であるため、特許文献1には送電コイルもしくは受電コイルのいずれかを可動させる機構を有すること、特許文献2には送受電コイルの位置合わせのためのセンサーとしてそれぞれにループアンテナを備えることが開示されている。また電力伝送効率を上げるために、特許文献1および非特許文献1に、送電コイル、受電コイルのそれぞれが鉄心を有している例が開示されている。
一方、電磁界共振方式は、送信アンテナと受信アンテナを対向配置し、両アンテナを共振させて電力の授受を行うものである。送受信アンテナの位置合わせに電磁誘導方式よりも精度が必要ではないとされているが、送受信アンテナの位置ずれは電力伝送効率を低下させるため、特許文献3、4、5には、送信アンテナおよび受信アンテナをループアンテナで形成し、いずれかを可動させる機構を有すること、もしくは送信アンテナを複数個備えておき最も伝送効率の良いものを選択することが開示されている。特許文献6は、同じく送受信アンテナにループアンテナを用いるが、送受信アンテナの位置ずれによって共振周波数が変化することを補償するために、受信アンテナの自己共振周波数を可変にして、最も伝送効率の良い周波数に調整することが開示されている。また、特許文献4の図2には、周波数を13.5MHzもしくは135KHzとする場合、送信アンテナに電力を供給する送信機および受信アンテナから電力を取り出す受信機の中に、それぞれインピーダンスを整合させる整合回路を備えることが開示されている。非特許文献2には、ループアンテナの形状がコイル状のもの及びスパイラル状のものの特性例が開示されている。また非特許文献3には、逆L型アンテナを軸方向に対向させて配置させたときの特性例が開示されている。
特開2011−188736号公報 特開2012−5308号公報 特開2010−246348号公報 特表2011−527884号公報 特開2010−183812号公報 特許第4453741号 昭和飛行機工業非接触給電システムカタログ(同社ホームページ2012年1月掲載) 電子情報通信学会技術報告 A・P2011-118(2011-11) 161頁-166頁 電子情報通信学会技術報告 A・P2010-104(2010-11) 69頁-74頁
電磁誘導方式は、送電コイルと受電コイルの位置合わせを厳密に行う必要があり、精密な位置合わせ機構が必要である。また電力伝送効率を上げるために鉄心付きのコイルとすると、自動車側に搭載する受電コイルの重量が大きくなり、自動車の軽量化の要求と相容れない。
ループアンテナを用いる電磁界共振方式においても、送信アンテナと受信アンテナの位置ずれによる電力伝送効率の低下が大きく、位置合わせ機構もしくは共振周波数可変機構などを必要としている。また送信機および受信機にインピーダンス整合回路が必要である。整合回路を設けると、構成素子における電力消費が発生し、電力伝送装置としての総合効率が低下する。また特に受信機側は、受信回路の整流回路の入力インピーダンスが低いため、受信アンテナと受信回路のインピーダンス整合が難しいという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、電磁界共振方式の無線電力伝送装置において、送信アンテナと受信アンテナの位置ずれに対して電力伝送効率の低下が少なく、また送受信機とのインピーダンス整合回路が不要な送受信アンテナとそれを用いた無線電力伝送装置および無線電力伝送システムを提供するものである。
発明者は先に、表面が接地電位である長方形導体板上に、外導体と中心導体から成る同軸ケーブルを折り曲げ、水平部分が導体板と平行になるように取り付けて成る逆L型アンテナを発明し、特許出願(特開2011−82951号公報)している。この逆L型アンテナは、上記同軸ケーブルの水平部分と導体板との距離を1波長の約1/30という超低姿勢にすることによって、水平部分の長さが送受信信号の1波長の約1/4、と小形で簡単な構造ながら高い利得が得られることを特徴としている。また同軸ケーブルの外導体の水平部分の終端位置を変えることでインピーダンスを変化させることが出来るという特徴を有している。
本発明は、この超低姿勢逆L型アンテナを無線電力伝送装置の送信アンテナおよび受信アンテナとして用いるものであり、送受信アンテナの自己共振周波数が同一となるように上記導体板および同軸ケーブルの寸法を同一とし、それらを同軸ケーブルの水平部分が対向するように配置し、近傍電磁界領域で共振させて電力伝送を行うようにしたものである。また、同軸ケーブルの途中に設けた給電位置を送受信アンテナ別々に変えることで、送信機、受信機とのインピーダンス整合を個別に取ることができるようにしたものである。
本発明に係る無線電力伝送システムは、送信アンテナを有する送信機を備えた自動車の駐車場であって、自動車の前輪もしくは後輪の少なくとも一つの車輪の接地面と当接して進行方向の動きを阻害する車止めと、左もしくは右の前輪および後輪の少なくとも一つの車輪の側面を規制して左右方向の位置を制約する溝を備えた駐車場であって、送信アンテナを、進行方向には、車止めの進行方向基準位置から所定の位置、左右方向には、溝の左右方向の基準位置から所定の位置、高さ方向には、地表面から所定の位置に設置した駐車場と、駐車場に駐車する、受信アンテナを有する受信機を備えた自動車であって、受信アンテナを、進行方向には、車止めに当接する車輪の車止めの進行方向基準位置に相当する基準位置から、送信アンテナの所定の位置と同じもしくは所定の距離短い位置、左右方向には、溝に規制される車輪の左右方向の基準位置から、送信アンテナの所定の位置と同じ位置、高さ方向には、送信アンテナから所定の距離高い位置に設置した自動車から成り、自動車が駐車場に、車止めに当接する車輪が車止めに当接もしくはその近傍にあって、溝に規制される車輪が溝に規制された状態で駐車した後、送信アンテナから受信アンテナに電力を伝送するものである。
本発明によれば、電界および磁界を同軸ケーブル周辺に集中させることが出来るため、送受信アンテナの位置ずれによる電力伝送効率の低下が少ない無線電力伝送装置を得ることができる。またアンテナのインピーダンスを容易に調整することが出来るため、送信機および受信機のインピーダンス整合回路を不要とし、したがって整合回路での電力消費がなく、総合効率の高い無線電力伝送装置を得ることができ、電気自動車等の非接触給電に用いる無線電力伝送システムを得ることができる。
本発明の第1の実施の形態による送信アンテナ構成例を示す斜視図 本発明の第1の実施の形態による無線電力伝送装置の構成図 本発明の第1の実施の形態による受信アンテナの整流回路を示す斜視図 本発明の第1の実施の形態による電圧透過特性および電圧反射特性を示す特性図 本発明の第1の実施の形態による送受信アンテナ近傍での最大電界強度、最大磁界強度の周波数特性を示す特性図 本発明の第1の実施の形態による伝送効率とw方向間隔の関係を示す特性図 本発明の第1の実施の形態による伝送効率とx方向距離の関係を示す特性図 本発明の第1の実施の形態による伝送効率とy方向距離の関係を示す特性図 本発明の第2の実施の形態による無線電力伝送装置の構成図 本発明の第3の実施の形態による無線電力伝送システムの駐車場を示す図 本発明の第3の実施の形態による無線電力伝送システムの自動車を示す図(その1) 本発明の第3の実施の形態による無線電力伝送システムの自動車を示す図(その2) 本発明の第4の実施の形態による無線電力伝送システムの駐車場と自動車を示す図 本発明の第4の実施の形態による無線電力伝送システムの動作を示す図
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。
<1.第1の実施の形態>
[送信側のアンテナ構成例]
まず、本発明に係る無線電力伝送装置50Aを構成する送信側のアンテナ構成の一例について説明する。受信側のアンテナ構成については、送信側のアンテナ構成と給電位置が異なる点や、整流回路および平滑回路を備える点を除いては略同一の構成であるので、詳細な説明は便宜上省略する。図1は、第1の実施の形態の例の送信側のアンテナ構成を示した図である。以下に示す図面では、説明の便宜上、X軸、Y軸、及びZ軸で規定される3次元の直角座標系を定義する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上拡張されており、実際の比率と異なる場合がある。
本実施の形態においては、超低姿勢逆L型アンテナとして構成したものである。図1に基づいて構成を説明すると、四角形の所定サイズとされた有限導体としての導体板10を使って、送信アンテナ20として構成してある。導体板10は、少なくとも表面を接地電位部としてある。導体板10のサイズについては後述する。
送信アンテナ20は、同軸ケーブル27を有している。導体板10の表面の所定箇所には、同軸ケーブル27の一方の端部を接続した接続点21を設けてある。この同軸ケーブル27は、中心導体24と外導体26とを備える。後述する図2に断面で示すように、同軸ケーブル27は、中心に配置された中心導体24の外側を囲むように絶縁体(誘電体)25が配置してあり、その絶縁体25の外側を囲むように外導体26が配置してある。同軸ケーブル27は、導体板10との接続点21で、接地電位部である導体板10の表面と外導体26とを電気的に接続してあり、外導体26が接地電位部となっている。
この接続点21に一方の端部が接続された同軸ケーブル27は、所定距離hだけ導体板10の表面と離れた位置を曲折箇所22として折り曲げて、その折り曲げられた同軸ケーブル27の先端側が、導体板10の表面と平行になるように配置してある。導体板10の表面と同軸ケーブル27の中心とを離す距離hについては、同軸ケーブル27と導体板10との結合を強くし、電磁波をアンテナ近傍のみに励振させるために、例えば本例のアンテナで送信する信号の1波長の約1/40とする。
曲折箇所22で折り曲げられて導体板10と平行に伸びた同軸ケーブル27は、中心導体24だけを中心導体端部24aまで長さLに伸ばしてあり、外導体26については、その長さLよりも短い長さLの位置を、外導体端部23としてある。この外導体26を切断した位置が、このアンテナの給電点となる。この外導体端部23の位置の近傍で、絶縁体25についても端部として、切断してある。
曲折箇所22から中心導体端部24aまでの長さLについては、例えばこの送信アンテナ20で送信する信号の1波長の約1/4とする。このように伸ばされた中心導体24と長さLの外導体26が、本例の超低姿勢逆L型アンテナのアンテナ素子として機能する。外導体26の長さLについては、送信アンテナ20のインピーダンスが所望の値になるように設定する。即ち、このように構成した場合、中心導体24の長さと、曲折箇所22から外導体26の外導体端部23までの長さとの設定で、インピーダンスを任意の値に設定できる。ここでは、このインピーダンスを、給電線のインピーダンス値と一致させて、給電線と整合させてある。これらの値の具体的な例については後述する。
[無線電力伝送装置の構成例]
次に、本発明の第1の実施例の無線電力伝送装置50Aの構成例について説明する。図2は、無線電力伝送装置50Aの断面構成の一例を示している。図2に示すように、無線電力伝送装置50Aは、送信機1と、この送信機1と所定の距離を隔てて対向配置された受信機3とを備えている。
送信機1は、所定の大きさの筐体11を有している。筐体11の内部には、送信アンテナ20と発振回路12とが設置されている。送信アンテナ20を構成する導体板10は、筐体11の内壁面に設けられた段差部11aに取り付けられている。導体板10の接続点21には、上面から下面まで貫通した孔10aが設けてあり、その孔10aに、同軸ケーブル27の中心導体24を通過させてある。例えば絶縁体25についても孔10aを貫通させて、中心導体24が導体板10の表面などと電気的に接触しない構成としてある。このとき、送信アンテナ20は、受信機3の受信アンテナ40と対向するように、同軸ケーブル27の水平部を導体板10の上面側に向けて導体板10の孔10aに取り付けられている。
送信機1の外部には、電源13が設置されている。電源13は、ケーブル等を介して発振回路12に接続されており、例えば交流電力を発振回路12に供給する。発振回路12は、導体板10の下面側に引き出された外導体26と中心導体24とにそれぞれ接続されており、電源13から供給される電力を所定の周波数の電力に変換して外導体26および中心導体24に供給する。
受信機3は、送信機1と同様に、所定の大きさの筐体31を有している。筐体31の内部には、受信アンテナ40と平滑回路33とが設置されている。受信アンテナ40を構成する導体板30は、筐体31の内壁面に設けられた段差部31aに取り付けられている。導体板30の同軸ケーブル接続部41には、上面から下面まで貫通した孔30aが設けてあり、その孔30aに、同軸ケーブル47の中心導体44を通過させてある。例えば絶縁体45についても孔30aを貫通させて、中心導体44が導体板30の表面などと電気的に接触しない構成としてある。このとき、受信アンテナ40は、送信機1の送信アンテナ20と対向するように、同軸ケーブル47の水平部を導体板30の下面側に向けて導体板30の孔30aに取り付けられている。また、同軸ケーブル47の延在方向は、送信機1側の同軸ケーブル27の延在方向と平行とされる。なお、本実施例において対向とは、後述するように、送信機1の送信アンテナ20と受信機3の受信アンテナ40とがx方向、y方向、z方向に多少ずれて配置された場合も含むものとする。
導体板30の下面側に引き出された同軸ケーブル47の先端側の開口部48には、中心導体44と外導体43の端部の間に、ダイオードで構成される整流回路32が接続されている。整流回路32は、受信機3の同軸ケーブル47で受信した電力を整流して平滑回路33に供給する。なお、整流回路32の詳細については後述する。平滑回路33は、例えばコンデンサ等から構成され、この導体板30の上面側に引き出された外導体46と中心導体44との間に設けられた整流回路32に接続されている。平滑回路33は、外導体46と中心導体44との間に設けられた整流回路32で整流された電力を平滑化し、平滑化した電力を二次電池34に供給する。
二次電池34は、充放電可能な直流電池であり、例えばリチウムイオンやニッケル水素等の二次電池から構成されている。二次電池34の電圧は、例えば200Vである。二次電池34は、例えば筐体31の外部に設置され、平滑回路33から供給される平滑化された電力を蓄電する。
受信アンテナ40の同軸ケーブル47の水平部の長さLおよび高さhは、送信アンテナ20の同軸ケーブル27の長さLおよび高さhと等しい。また受信アンテナ40の導体板30と送信アンテナ20の導体板10の寸法は等しい。したがって、送信アンテナ20および受信アンテナ40のそれぞれの自己共振周波数が等しくなる。さらに受信アンテナ40の同軸ケーブル47と送信アンテナ20の同軸ケーブル27の間隔wは、近傍電磁界領域となる距離である。受信アンテナ40の同軸ケーブル47の外導体46の長さLは、一般的には受信機3の回路インピーダンスが送信機1より低いため、送信アンテナ20の外導体26の長さLよりも短い。
[受信機の整流回路の構成例]
次に、受信機3の整流回路32について説明する。図3は、整流回路32を示す斜視図である。図3に示すように、整流回路32は、整流素子32a,32bを有している。整流素子32a,32bはダイオードである。整流素子32aは、一端が中心導体44と接続点32a1で、他端が外導体43と接続点32a2で接続されている。整流素子32bは、一端が中心導体44と接続点32b1で、他端が外導体43と接続点32b2で接続されている。整流素子32aおよび32bは、中心導体44から外導体43の方向に電流が流れる向きに接続されている。
[送信機および受信機の設計例]
次に、送信機1および受信機3の設計例について図1および図2を用いて説明する。なお、L,L以外の寸法については送信機1と受信機3との間で同一の値であるので、以下の説明では主として図1に示した送信機1の寸法について説明する。
計算例では、設計周波数(共振周波数)を100MHzとし、導体板の大きさを、pxm=pxp=275mm,pym=208mm,pyp=1075mmに固定している。同軸ケーブル27と導体板10との結合を強くして、同軸ケーブル27の近傍に電磁界を集中させるために、超低姿勢逆L型アンテナの高さhを70mm(約43分の1波長)と極めて低くしている。同軸ケーブル27の直径は、同軸ケーブル27の基部から給電点までは3.58mm、給電点から中心導体24の先端までは0.91mmである。L、LおよびLはアンテナ間隔wに応じて、送信回路、受信回路とインピーダンス整合を取るように最適化している。例えば、送信アンテナ20、受信アンテナ40のいずれの入力インピーダンスも50オームに整合させる場合には、h=70mm,w=140mmのとき、L=727.3mm,L=L=583.2mmであった。以下に、これらの送信機1および受信機3の設計例を前提とした各種特性について説明する。前述のように一般的にはL < Lであるが、以下の各種特性については両者が一致していても違いがないため、このような設計例とした。
(電圧透過係数と電圧反射係数の周波数特性例)
まず、電圧透過係数と電圧反射係数の周波数特性について説明する。図4は、電圧透過係数と電圧反射係数の周波数特性を示す。図4において縦軸はSパラメータ(電圧透過係数・電圧反射係数)であり、横軸は周波数である。図4の細線に示すように、送信アンテナ20の電圧反射係数|S11|、および受信アンテナ40の電圧反射係数|S22|は、設計周波数100MHzで約−30dBと極めて深い単峰性の谷となっており、送信アンテナ20および受信アンテナ40の入力インピーダンスが50オームに整合されていることを示している。同図の太線に示す電圧透過係数|S21|は同じく設計周波数100MHzで−0.35dBと大きな単峰性の山となっており、送信機1の送信アンテナ20から受信機3の受信アンテナ40に効率よく電力が伝送されていることを示している。このとき、後述するように、電力伝送効率は92.2%となる。
これに対して、非特許文献2の図1に示すコイル状のループアンテナでは、同文献の図2のようなSパラメータ特性を示す。すなわち電圧反射係数|S11|は双峰性の谷を有し、電圧透過係数|S21|はこれに呼応して、中央部がわずかに凹んだ双峰性の山となっている。これは送信アンテナと受信アンテナの相互作用によるものであり、このようなアンテナに不可避の現象である。同文献の図9に示すスパイラル状のループアンテナにおいても、同文献の図10に示すように、電圧透過係数|S21|が同様の特性となっている。また非特許文献3の図1に示す逆L型アンテナを軸方向に対向するように配置した系においても、同文献の図2のように、電圧反射係数|S11|は双峰性の谷を有し、電圧透過係数|S21|はこれに呼応して、中央部がわずかに凹んだ双峰性の山となっている。結果として、これらのアンテナでは、電圧透過係数すなわち電力伝送効率|S21|のピーク値が低くなり、効率的な電力伝送が行えない。また送受信アンテナの相互作用は、両アンテナの相対位置によって変化するため、アンテナの位置ずれによって系全体の共振周波数が変化する。したがって送信アンテナから発信する電力の周波数が一定の場合、アンテナの位置ずれによって電力伝送効率が変動、低下する。
本実施の形態の超低姿勢逆L型アンテナは、送信アンテナ20の導体板10と同軸ケーブル27間の高さ、および受信アンテナ40の導体板30と同軸ケーブル47間の高さを1波長の約1/40以下として結合を強くしたこと、および送受信アンテナを同軸ケーブル27,47の水平部分が対向するように配置したことによって、送受信アンテナの相互作用を受けにくくしている。それにより電力伝送効率が良く、また送受信アンテナの位置ずれに強い電力伝送を行うことができる。
(送受信アンテナ近傍の最大電界強度、最大磁界強度の周波数特性)
次に、送受信アンテナの同軸ケーブル27,47近傍での最大電界強度、最大磁界強度の周波数特性の一例について説明する。図5は、設計例における送受信アンテナの同軸ケーブル27,47近傍での最大電界強度、最大磁界強度の周波数特性を示す。図5(a)が電界強度、図5(b)が磁界強度である。図5(a)において縦軸は最大電界強度であり、横軸は周波数である。図5(b)において縦軸は最大磁界強度であり、横軸は周波数である。
図5(a)に示すように、送受信アンテナの共振周波数(100MHz)で、送受信アンテナの同軸ケーブル27,47近傍に電界が強く励振されている。同様に、図5(b)に示すように、送受信アンテナの共振周波数(100MHz)で、送受信アンテナの同軸ケーブル27,47近傍に磁界が強く励振されている。したがって、本実施の形態の超低姿勢逆L型アンテナは、所定の設計周波数において電磁界を局所に集中させることができ、それにより電力伝送効率が良く、また送受信アンテナの位置ずれに強い電力伝送を行うことができる。
(送受信アンテナ間の間隔(Z方向)と電力伝送効率との関係例)
次に、送受信アンテナ間の間隔w(図2参照)と電力伝送効率との関係の一例について説明する。図6は、送受信アンテナ間の間隔wと電力伝送効率との関係を示す特性図である。図6において、縦軸は電力伝送効率であり、横軸は送受信アンテナ間の間隔wである。電力伝送効率の最大値は、送受信アンテナ間の間隔wが約140mmのところで92.2%である。送受信アンテナのアンテナ間隔wを120mmから160mmまで変えても、電力伝送効率は90%以上である。
(送受信アンテナ間のx方向の距離と電力伝送効率との関係例)
次に、送受信アンテナをx方向にずらした場合の電力伝送効率を示す特性の一例について説明する。図7は、アンテナ間距離を140mmとして、送受信アンテナをx方向にずらした場合の電力伝送効率を示す特性図である。図7において、縦軸は電力伝送効率であり、横軸は送受信アンテナ間のx方向の距離である。電力伝送効率の最大値は、0mmすなわち送受信アンテナの位置が一致したところで92.2%である。送受信アンテナをx方向に70mmずらしても、伝送効率は90%以上である。
(送受信アンテナ間のy方向の距離と電力伝送効率との関係例)
次に、送受信アンテナをy方向にずらした場合の電力伝送効率を示す特性の一例について説明する。図8は、アンテナ間距離を140mmとして、送受信アンテナをy方向にずらした場合の電力伝送効率を示す特性図である。図8において、縦軸は電力伝送効率であり、横軸は送受信アンテナ間のy方向の距離である。
電力伝送効率の最大値は、0mmすなわち送受信アンテナの位置が一致したところで92.2%である。送受信アンテナをy方向に70mmずらしても、電力伝送効率は90%以上である。
したがって本実施例によれば、w(z)方向、x方向、y方向に対する距離の変動に強く、インピーダンス整合が不要で総合効率が良い、無線電力伝送装置50Aを得ることができる。また、導体板10,30で送信アンテナ20および受信アンテナ40の上下を挟み込んだ格好になるので、電磁波遮蔽が容易である。アンテナ構造が簡便なこと、かつ整合回路が不要なので低コスト、という効果もある。さらに、送信アンテナ20および受信アンテナ40の高さを約40分の1波長とするので、送信アンテナ20と導体板10および受信アンテナ40と導体板30の結合を強くし、電磁波をアンテナ近傍のみに励振させることができる。これにより、周囲への電磁波の漏洩を抑えることができ、送受信アンテナの位置ずれによる電力伝送効率の低下が少ない無線電力伝送装置50Aを得ることができる。
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、送信アンテナ20および受信アンテナ40の同軸ケーブルを複数本で構成している点において、送信アンテナ20および受信アンテナ40の同軸ケーブルを単数で構成している上記第1の実施の形態とは相違している。なお、その他のアンテナの構成および機能は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9(a)および図9(b)は、第2の実施の形態に係る無線電力伝送装置50Bの構成の一例を示す断面図である。無線電力伝送装置50Bは、送信機2と受信機4とを備えている。送信機2は、筐体11の内部に3本の同軸ケーブル27a,27b,27cを有している。3本の同軸ケーブル27a,27b,27cは、これらの基部が各水平部(同軸ケーブル)の延在方向(y方向)と直交する方向(x方向)に等間隔で並んで導体板10上に配置されると共に、各同軸ケーブル27a,27b,27cの各水平部がy方向に沿って平行で延在している。
受信機4も受信機3と同様に、筐体31の内部に3本の同軸ケーブル47a,47b,47cを備えている。3本の同軸ケーブル47a,47b,47cは、これらの基部が各水平部の延在方向(y方向)と直交する方向(x方向)に等間隔で並んで導体板10上に配置されると共に、各同軸ケーブル47a,47b,47cの各水平部(同軸ケーブル)がy方向に沿って平行で延在している。同軸ケーブル47a,47b,47cの配置間隔は、送信機2側の同軸ケーブル27a,27b,27cの配置間隔と同一ピッチとなっている。
したがって本実施例によれば、同軸ケーブル1本当たりの許容電力の3倍の電力の伝送が可能であり、高い電力を供給するのに好適な無線電力伝送装置を得ることができる。なお、同軸ケーブル27,47の本数は、導体板10,30のx方向中心振り分けで2本でもよく、また4本、5本以上でもよい。
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、上記第1の実施の形態で説明した無線電力伝送装置50Aを自動車の非接触充電に適用した無線電力伝送システム500Aの一実施例を図10,図11を用いて説明をする。なお、本実施例で説明する無線電力伝送装置50Aの構成および機能は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
[駐車場の構成例]
無線電力伝送システム500Aは、駐車場100と自動車200とから構成されている。まず、図10を用いて駐車場100の構成例について説明する。図10(a)は、駐車場100の構成の一例を示す平面図である。本駐車場100は自動車をバックで駐車することを前提としている。図10(a)に示すように、駐車場100は、車止め101と、対となる右溝ブロック102および左溝ブロック103と、白線104と、送信機1と、阻害ブロック105とを備えている。
車止め101は、自動車の後退端に対応した地上面に設置され、例えば右後輪201の接地面と当接して進行方向の動きを阻害する。前向き駐車の場合には、例えば左前輪の接地面と当接して進行方向の動きを阻害する。右溝ブロック102と左溝ブロック103は、自動車の右側車輪位置に対応した地上面に設置され、両者で車輪(例えば右後輪201)の側面を規制する溝123を形成している。この溝123は、左後輪側に設けても良いし、右後輪側および左後輪側の双方に設けることもできる。また、前向き駐車の場合、溝123は自動車の前輪の側面を規制する。白線104は溝123の位置を明示する位置に、駐車場100の地上面に描かれている。送信機1は駐車場100の地面に埋設されている。阻害ブロック105は、自動車の車輪が誤って送信機1の上を通過しないよう、送信機1よりも入口側の地上面に設置されている。
送信機1のアンテナを構成する同軸ケーブル27は、その長手方向すなわちY方向が、車止め101と平行になるように設置されている。送信アンテナ基準位置27acが、左右方向が溝123の中心である左右方向基準位置RoからRpの距離、進行方向が車止め101の進行方向基準位置DoからDpの距離になるよう設置されている。このように送信機1の埋設位置を設定することで、駐車される自動車に内蔵された受信機3の受信アンテナ40と対向する位置に送信機1の送信アンテナ20を位置させることができるようになる。
図10(b)は、図10(a)のA矢印方向から見た駐車場100の側面図である。図10(b)では、送信機1の付近を断面にしている。車止め101の駐車される自動車と対向する面は、その上面から地上面に向かって車止め101が幅広となるような傾斜面101aとなっている。進行方向基準位置Doは、車止め101の傾斜面101aが地面と交わる箇所である。阻害ブロック105は、自動車の車輪が誤って送信機1の上を通過しないよう、十分な高さを有している。
図10(c)は、図10(a)のB矢印方向から見た断面図である。右溝ブロック102と左溝ブロック103は左右対称の形状であり、溝123の中心が左右方向基準位置Roである。右溝ブロック102および左溝ブロック103のそれぞれ対向する面は、上面から地上面に向かってブロック幅が幅広となるような傾斜面となっている。送信機1の同軸ケーブル27の垂直部分の中心が、送信アンテナ基準位置27acであり、左右方向基準位置RoからRpの距離に位置している。
[自動車を駐車場に駐車した場合の自動車と駐車場の位置関係例]
次に、図11を用いて自動車200を駐車場100に駐車した場合の自動車200と駐車場100との位置関係の一例について説明する。図11(a)は自動車200を駐車場100に駐車した場合の自動車200と駐車場100との位置関係例を示す平面図である。図11(a)に示すように、右後輪201と左後輪202が、車止め101と当接する位置に駐車してある。右後輪201は、後述するように溝123に規制された位置にある。受信機3は、駐車場100に埋設された送信機1と対向するような自動車200の底部の位置に搭載されている。
受信機3のアンテナを構成する同軸ケーブル47は、その長手方向すなわちY方向が、車止め101と平行になるように設置されている。受信アンテナ基準位置47acは、左右方向では右後輪201の左右方向中心RToからRcの距離であり、このRcは送信アンテナ基準位置27acの距離Rpと同一である。進行方向では、車止め101の進行方向基準位置Doに相当する基準位置DToからDcの距離になるように同軸ケーブル47が設置されている。基準位置DToは、車輪の直径と車止め101の傾斜面101aの傾斜角から決定される仮想位置であって、車輪が車止め101に当接している状態では進行方向基準位置Doと一致する。
図11(b)は、図11(a)のA矢印方向から見た側面図である。送信機1、受信機3の付近を断面にしている。受信機3の同軸ケーブル47の水平部の中心は、高さ方向では、送信機1の同軸ケーブル27の水平部の中心よりも間隔(距離)Wだけ高い位置に設置されている。進行方向では、受信アンテナ基準位置47acが基準位置DToからDcの位置にある。送信機1の同軸ケーブル27の水平部の中心は、進行方向基準位置DoからDpの距離にあり、DpとDcの差はdである。
図12(a)は、自動車200が車止め101に当接して停止した後、駐車ブレーキを入れる前に、リバンウンドして、前進方向にΔD戻った状態を示す。図11(b)におけるDpとDcとの差dは、このΔDの見積もり最大値の1/2となるように設定される。
図12(b)は、図11(a)のB矢印方向から、自動車200の車輪部分を見た側面図である。右後輪201は、その側面を、右溝ブロック102の斜面部102aと左溝ブロック103の斜面部103aに規制されている。右溝ブロック102と左溝ブロック103が対称形であるため、右後輪201の左右方向中心RToは、溝123の左右方向基準位置Roと概略一致する。溝123の底部の幅Tpは、右後輪201の幅Tの最小値よりも小さい値とする。
続けて、以上述べた図10から図12の構成において、以下具体的な数値を入れて、その作用について説明する。
(高さ方向)
図11(b)における受信機3の同軸ケーブル47の中心と送信機1の同軸ケーブル27の中心との高さ方向間隔Wを、例えば150mm近傍とする。実際の高さ方向間隔wは、タイヤの空気圧および積載荷重により変化する。タイヤ空気圧が正常最大値、積載荷重が最小値のとき、すなわち最も高い場合のw=Wとする。タイヤ空気圧が正常最低値、積載荷重が最大値のとき、w=W−20mmと想定する。その中間であるw=W−10mmすなわち140mmのとき、図6のように電力伝送効率が最大となるように設計する。そうすると、20mmの変動の範囲内での電力伝送効率は91.4(150mm)%から92.2%(140mm)および92.2%(130mm)となり、高い伝送効率を維持してその変化を少なくすることができる。
(進行方向)
図12(a)における進行方向リバンウンド量ΔDを、100mmと想定する。そうすると図11(b)におけるDpとDcの差dは、ΔDの1/2の50mmに設定する。自動車の実際の進行方向距離dc=Dc−50mmになったとき、受信機3の同軸ケーブル47の中心と送信機1の同軸ケーブル27の中心が同じ位置で正対して、伝送効率が最大となる。進行方向はアンテナのX方向であり、図7に示すように、±50mmの変動の範囲内での電力伝送効率は91.6%(±50mm)から92.2%(0mm)となり、高い伝送効率を維持することができる。
(左右方向)
受信アンテナ基準位置47acは右後輪201の左右方向中心RToからRcの距離であり、送信アンテナ基準位置27acは溝123の中心である左右方向基準位置RoからRpの距離であり、Rc=Rpである。図12(b)のように、右後輪201の左右方向中心RToは、溝123の左右方向基準位置Roと概略一致しているが、左右のずれが±20mmであると想定する。左右方向はアンテナのY方向であり、図8に示すように±20mmの変動の範囲内での電力伝送効率は92.1%(±20mm)から92.2%(0mm)となり、高い電力伝送効率を維持することができる。
したがって本実施例によれば、送受信アンテナの位置合わせのための特別な機構を設けなくても、電力を無線で駐車場100から自動車200に供給するための、伝送効率の高い無線電力伝送システム500Aを得ることができる。なお、送信アンテナ20の同軸ケーブル27および受信アンテナ40の同軸ケーブル47の向きは、Y方向を進行方向にしてもよい。
<4.第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、図13、図14を用いて本発明に係る無線電力伝送システムの別の実施例を説明をする。なお、本実施例で説明する無線電力伝送システム500Bの構成および機能は、受信機4以外は上記第3の実施の形態の無線電力伝送システム500Aと略同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図13(a)は駐車場110および自動車200の側面図である。図13(a)では送信機1および受信機4の付近を断面にしている。駐車場110の地面には、車止め101の右後輪201および左後輪202側に、地上面から車止め101に向かって下り勾配となる傾斜106が設けられている。傾斜106は、自動車200が車止め101に当接して停止した後、駐車ブレーキを入れる前に、リバンウンドする量を少なくするための規制部材として機能する。送信機1の同軸ケーブル27および受信機4の同軸ケーブル47の水平部分の方向すなわちY方向は、自動車200の進行方向と一致するよう設置されている。
図13(b)は、図12(b)と同じ方向から、車輪部分を見た側面図である。溝123の底部の幅Tpは、右後輪201の幅Tのよりも大きい値に設定されている。
図13(c)は、図13(a)のB方向から見た断面図である。受信機4は、3本の同軸ケーブル47a,47b,47cを有しており、その間隔は距離Xpで等間隔に設置されている。右後輪201の左右方向中心RToと溝123の左右方向基準位置Roが一致しているとき、受信機4の同軸ケーブル47bと送信機1の同軸ケーブル27の位置が一致するように、設置してある。
したがって、本実施例によれば、駐車場110に傾斜106を設けたことにより、自動車200が車止め101に当接して停止した後、駐車ブレーキを入れる前に、リバンウンドする量を少なくすることができる。また、駐車場110の溝123の幅Tpを広くしたことにより、駐車し易くなる。一方で、左右方向に位置ずれが生じやすくなるが、受信機4の同軸ケーブル47の本数を送信機1の同軸ケーブル27よりも多くしたことにより、左右方向の位置ずれに強くすることで、高い電力伝送効率を実現することができる。
続けて、本実施例の無線電力伝送システム500Bにおいて高い電力伝送効率を実現できることを図13(c)および図14を用いて説明する。前述の図13(c)のように、右後輪201の左右方向中心RToと溝123の左右方向基準位置Roが一致しているとき、受信機4の同軸ケーブル47bと送信機1の同軸ケーブル27の位置が一致しており、電力伝送は主として、同軸ケーブル27から同軸ケーブル47bに対して行われる。このとき、同軸ケーブル47bに隣接する同軸ケーブル47a,47cも若干の電力を受信するため、同軸ケーブル47が1本の場合よりも、受信する電力は多い。
図14(a)は、自動車200が右方向すなわち図13(c)では右方向にずれ、受信機4の同軸ケーブル47aと47bが、送信機1の同軸ケーブル47から等しい距離に位置した場合を示す。この場合、電力伝送は同軸ケーブル27から同軸ケーブル47a,47bに同等に行われる。2本の同軸ケーブル47a,47bで電力を受信するので、1本で構成した同軸ケーブル47がXp/2位置ずれしたときよりも多くの電力を伝送することができる。
図14(b)は、自動車200が更に右方向にずれ、受信機4の同軸ケーブル47aが、送信機1の同軸ケーブル27と同じ位置になった場合を示す。この場合、電力伝送は主として、同軸ケーブル27から同軸ケーブル47aに対して行われる。同軸ケーブル47bからも若干の電力を受信することができるため、同軸ケーブル47が1本の場合よりも、受信する電力は多くなる。
したがって本実施例によれば、送受信アンテナの位置合わせのための特別な機構を設けなくても、電力を無線で駐車場から自動車に供給するための、伝送効率の高い無線電力伝送システムを得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。上記実施例では、導体板10,30の表面と同軸ケーブル27,47の中心とを離す距離hを本例のアンテナで送受信する信号の1波長の約1/40としたが、これに限定されることはなく、距離hを1波長の約1/40未満とした場合でも、電磁波をアンテナ近傍に集中させて励振させることができる。
また、上述した実施例では、本発明に係る無線電力伝送装置を自動車の非接触充電に適用した例について説明したが、これに限定されることはない。例えば、UHF帯(915〜928MHz)あるいは2.45GHzのRFIDシステムの周波数を用いることで、送信アンテナをRFIDリーダアンテナとして用いて微弱電波を送信し、受信機側に設置したRFIDタグのID情報を読み取った後で、電力送信を行うこともできる。さらに、本発明に係る送信アンテナ20を携帯機器向けの送電台(充電器)に用い、受信アンテナ40を例えば携帯電話等の携帯機器に用いることで、無線で携帯機器に電力を伝送するワイヤレス給電にも応用することができる。
1,2 送信機
3,4 受信機
10,30 導体板
20 送信アンテナ
27 同軸ケーブル
40 受信アンテナ
47 同軸ケーブル
100 駐車場
101 車止め
106 傾斜
123 溝
200 自動車
50A,50B 無線電力伝送装置
500A,500B 無線電力伝送システム

Claims (7)

  1. 無線電力伝送装置として、同じ大きさの2個の、有限導体板上に外導体と中心導体から成る同軸ケーブルを折り曲げ、水平部分が前記有限導体板と平行になるように取り付けて成る不平衡給電超低姿勢逆Lアンテナを、前記同時ケーブルの水平部分が対向するように配置した送受信アンテナであって、前記同軸ケーブルの途中に設けた給電位置を送受信アンテナ別々に変えることで、送信機、受信機とのインピーダンス整合を個別に取ることが可能な、無線電力伝送装置。
  2. 請求項1に記載の超低姿勢逆Lアンテナにおいて、送受信アンテナ間で電力を最大に伝送し、周囲への電磁波の漏洩を抑えるために、前記同軸ケーブルの高さを40分の1波長以下として、前記同軸ケーブルと前記有限導体板の結合を強くし、電磁波を前記同軸ケーブル近傍のみに励振させた無線電力伝送装置。
  3. 請求項1および請求項2に記載の無線電力伝送装置であって、前記送信アンテナおよび前記受信アンテナの前記同軸ケーブルが複数本であって、同一本数であることを特徴とする無線電力伝送装置。
  4. 請求項1および請求項2に記載の無線電力伝送装置であって、前記受信アンテナの前記同軸ケーブルの本数が、前記送信アンテナの前記同軸ケーブルの本数よりも多いことを特徴とする無線電力伝送装置。
  5. 送信アンテナを有する送信機を備えた自動車の駐車場であって、
    自動車の前輪もしくは後輪の少なくとも一つの車輪の接地面と当接して進行方向の動きを阻害する車止め、と
    左もしくは右の前輪および後輪の少なくとも一つの車輪の側面を規制して左右方向の位置を制約する溝
    を備えた駐車場であって、
    前記送信アンテナを、
    進行方向には、前記車止めの進行方向基準位置から所定の位置、
    左右方向には、前記溝の左右方向の基準位置から所定の位置、
    高さ方向には、地表面から所定の位置
    に設置した駐車場と、
    前記駐車場に駐車する、受信アンテナを有する受信機を備えた自動車であって、
    前記受信アンテナを、
    進行方向には、前記車止めに当接する車輪の前記車止めの進行方向基準位置に相当する基準位置から、前記送信アンテナの前記所定の位置と同じもしくは所定の距離短い位置、
    左右方向には、前記溝に規制される車輪の左右方向の基準位置から、前記送信アンテナの所定の位置と同じ位置、
    高さ方向には、前記送信アンテナから所定の距離高い位置
    に設置した自動車
    から成り、
    前記自動車が前記駐車場に、
    前記車止めに当接する車輪が前記車止めに当接もしくはその近傍にあって、
    前記溝に規制される車輪が前記溝に規制された状態で駐車した後、
    前記送信アンテナから前記受信アンテナに電力を伝送する無線電力伝送システム。
  6. 請求項5に記載の無線電力伝送システムであって、
    前記駐車場は、前記車止めの進行方向手前側に、前記車止めに向かって下り勾配となる傾斜を有することを特徴とする無線電力伝送システム。
  7. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線電力伝送装置を用いる無線電力伝送システムであって、
    前記同軸ケーブルの折り曲げ後の中心導体の方向が、前記進行方向もしくは前記左右方向となるように前記送信アンテナおよび前記受信アンテナを配置した
    ことを特徴とする請求項5もしくは請求項6のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
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