JP2013182457A - 商品読取装置および商品読取プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】オブジェクト認識の結果に関する何らかの処理のための操作の効率化を図る。
【解決手段】実施形態の商品読取装置は、認識手段、識別手段、判定手段、処理手段および確定手段を含む。認識手段は、撮像手段が撮像した画像からその画像に含まれるオブジェクトを認識する。識別手段は、前記認識手段が認識した前記オブジェクトから買上商品の候補となる候補商品を識別する。判定手段は、前記認識手段が認識した前記オブジェクトのうちの特定のオブジェクトの前記画像内での変化パターンを判定する。処理手段は、前記判定手段が判定した変化パターンに関連付けられた処理を前記識別手段による識別の結果に関連して行う。確定手段は、予め定められた確定条件が成立した場合、前記候補商品のうちで選択候補となっている商品を識別する商品コードを買上商品の商品コードとして確定する。
【選択図】 図4

Description

本発明の実施形態は、商品読取装置および商品読取プログラムに関する。
CCDカメラ等の撮像手段によって撮像された商品の画像から商品をオブジェクト認識し、認識した商品の商品コードを判定する商品読取装置は知られている。
しかしながら、商品画像から商品を認識するオブジェクト認識では、従来のバーコード読取に比べて認識精度が十分でないため、その買上登録にはオペレータによる確認を経るようにすることがある。また、オブジェクト認識では、画像に映っている商品が、類似する複数の商品のいずれであるかを絞り込めない場合があり、この場合には複数の候補のうちの1つをオペレータに選択させる場合がある。
そしてこれらのいずれの場合においても、キーボードなどの入力デバイスを用いてオペレータの操作を入力している。
特開平8−227480号公報
オペレータは、商品を撮像手段にかざしたのちに入力デバイスを操作しなければならず、操作性が良いとは言えなかった。
このような事情から、オブジェクト認識の結果に関する何らかの処理のための操作の効率化が望まれていた。
実施形態の商品読取装置は、認識手段、識別手段、判定手段、処理手段および確定手段を含む。認識手段は、撮像手段が撮像した画像からその画像に含まれるオブジェクトを認識する。識別手段は、前記認識手段が認識した前記オブジェクトから買上商品の候補となる候補商品を識別する。判定手段は、前記認識手段が認識した前記オブジェクトのうちの特定のオブジェクトの前記画像内での変化パターンを判定する。処理手段は、前記判定手段が判定した変化パターンに関連付けられた処理を前記識別手段による識別の結果に関連して行う。確定手段は、予め定められた確定条件が成立した場合、前記候補商品のうちで選択候補となっている商品を識別する商品コードを買上商品の商品コードとして確定する。
一実施形態に係る商品読取装置を含んだ店舗会計システムの外観図。 図1に示す店舗会計システムにおける電気的要素のブロック図。 モーションテーブルの構造を示す図。 商品読取装置が備えるCPUが商品読取プログラムに基づき実行する商品読取処理のフローチャート。 商品読取装置に商品を読み取らせる状況を示す斜視図。 候補商品のリストを表した画面の一例を示す図。 操作のための動作の一例を示す斜視図。 操作のための動作の一例を示す斜視図。 操作のための動作の一例を示す斜視図。 操作のための動作の一例を示す斜視図。
以下、商品読取装置の実施形態について、図面を用いて説明する。この実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に設けられた会計カウンタに立設される縦型の商品読取装置に適用した場合である。
図1は本実施形態に係る商品読取装置を含んだ店舗会計システムの外観図である。この店舗会計システムは、商品読取装置100およびPOS(point of sales)端末200を含む。商品読取装置100は、会計カウンタ300の上に取り付けられる。POS端末200は、レジ台400に載置されたドロワ500の上に設置される。商品読取装置100とPOS端末200とは、図示しない通信ケーブルにより電気的に接続される。ドロワ500に代えて、自動釣銭機が設置される場合もある。
商品読取装置100は、ハウジング101、キーボード102、タッチパネル103、客用ディスプレイ104および撮像部105を含む。
ハウジング101は、平型の箱状をなし、会計カウンタ300の上に立つ。ハウジング101は、上端においてキーボード102、タッチパネル103、客用ディスプレイ104を支持し、内部において撮像部105を支持する。ハウジング101は、撮像部105に対向して読取窓101aを有し、読取窓101aの前に位置する物体(オブジェクト)を読取窓101aを介して撮像部105により撮像可能とする。
POS端末200は、ハウジング201、キーボード202、オペレータ用ディスプレイ203、客用ディスプレイ204およびプリンタ205を含む。
ハウジング201は、キーボード202をその一部を外部に露出する状態で支持し、オペレータ用ディスプレイ203および客用ディスプレイ204を外部に位置する状態で支持し、プリンタ205を内部にて支持する。
会計カウンタ300は、細長い天板300aを含む。会計カウンタ300は、天板の長手方向に沿った顧客通路(図1における奥側)とオペレータスペース(図1における手前側)とを分ける。ハウジング101は、天板300aの長手方向の略中央に位置し、キーボード102、タッチパネル103および読取窓101aをそれぞれオペレータスペース側に向けるとともに、客用ディスプレイ104を顧客通路側に向ける。天板300aの上面は、商品読取装置100を挟んで顧客移動方向の上流側の領域は、買物客が購入しようとする商品のうちの買上登録が済んでいない商品を置くためのスペースとして使用され、また、下流側の領域は、買上登録が済んだ商品を置くためのスペースとして使用される。
レジ台400は、顧客通路における顧客の移動方向に対して下流側の会計カウンタ300の端部に並ぶようにオペレータスペース側に位置する。
図2は図1に示す店舗会計システムにおける電気的要素のブロック図である。なお、図2に示される要素のうちで図1に示されるのと同一の要素には図1と同一の符号を付する。
商品読取装置100は電気的要素として、キーボード102、タッチパネル103、客用ディスプレイ104のほかに、撮像デバイス105a、CPU(central processing unit)106、ROM(read-only memory)107、RAM(random-access memory)108、キーボードインタフェース(キーボードI/F)109、パネルインタフェース(パネルI/F)110、表示インタフェース(表示I/F)111、撮像インタフェース(撮像I/F)112、POS端末インタフェース(POS端末I/F)113およびバスライン114を含む。なお、バスライン114は、アドレスバスおよびデータバスなどを含み、CPU106、ROM107、RAM108、キーボードインタフェース109、パネルインタフェース110、表示インタフェース111、撮像インタフェース112およびPOS端末インタフェース113を互いに接続する。
キーボード102は、複数のキースイッチを含み、これらのキースイッチに対するオペレータによる操作の内容を表したコマンドを出力する。
タッチパネル103は、例えばLCD(liquid crystal display)などの表示デバイスと、この表示デバイスの表示画面に重ねて配置された透明な二次元タッチセンサとを含む。タッチパネル103は、CPU106の制御の下に任意の画像を表示デバイスにおいて表示する。タッチパネル103は、表示デバイスの表示画面におけるオペレータのタッチ位置を二次元タッチセンサにて検出し、そのタッチ位置を表す座標データを出力する。タッチパネル103は、オペレータに対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示したり、オペレータの操作を入力するために利用される。
客用ディスプレイ104は、CPU106の制御の下に任意の文字列または画像を表示する。客用ディスプレイ104は、客に対して提示するべき各種の文字列や画像を表示するために利用される。客用ディスプレイ104としては、例えば蛍光管表示器またはLCDが利用できる。
撮像デバイス105aは、図示しない撮像レンズとともに撮像部105に含まれる。撮像デバイス105aは、エリアイメージセンサであるCCD(charge coupled device)撮像素子とその駆動回路とを含む。撮像レンズは、撮像領域の画像をCCD撮像素子に結像する。撮像領域とは、読取窓101aから撮像レンズを通してCCD撮像素子のエリアに結像する領域を指す。撮像デバイス105aは、撮像領域の画像(フレーム画像)を表すフレームデータを一定の時間間隔で取得し、当該フレームデータを出力する。
CPU106は、ROM107およびRAM108に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、商品読取装置100としての各種の動作を実現するべく商品読取装置100の各要素を制御する。
ROM107は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM107は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM107は、CPU106が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。ROM107は、モーションテーブルを記憶する。
図3はモーションテーブルの構造を示す図である。図3では、モーションテーブルに記述されるデータの一例を模式的に示している。
モーションテーブルは、対象とするオブジェクトと、そのオブジェクトのフレーム画像内での変化と、行うべき処理の内容とを関連付けて記述したデータレコードを複数含む。
例えば図3に示すモーションテーブルの最上部に示されるデータレコードは、認識された商品がフレーム画像の右方向にフレームアウトした際には、認識された商品を買い上げ商品として確定する処理を行うべきであることを表す。
RAM108は、CPU106が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM108は、CPU106が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。モーションテーブルは、RAM108が記憶しても良い。
ROM107またはRAM108に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する処理に関して記述した商品読取プログラムを含む。なお、商品読取装置100の譲渡は、一般的に決済商品読取プログラムがROM107に記憶された状態にて行われる。商品読取装置にEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、ハードディスクドライブ、あるいはSSD(solid state drive)などの補助記憶デバイスを設けて、この補助記憶デバイスに商品読取プログラムを記憶した状態にて商品読取装置100の譲渡がなされても良い。しかし、決済商品読取プログラムがROM107や補助記憶デバイスに記憶されない状態で商品読取装置100が譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して商品読取プログラムが譲渡され、この商品読取プログラムが上記の別途に譲渡された商品読取装置100のRAM108や補助記憶デバイスに書き込まれても良い。
キーボードインタフェース109は、キーボード102とCPU106とのデータの授受をインタフェースする。キーボードインタフェース109としては、例えばPS/2規格またはUSB(universal serial bus)規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
パネルインタフェース110は、タッチパネル103とCPU106とのデータおよび映像信号の授受をインタフェースする。パネルインタフェース110は、表示デバイス用のインタフェースとタッチセンサ用のインタフェースとを含む。表示デバイス用のインタフェースとしては、例えばVGA(video graphics array)規格(アナログRGB規格)、DVI(digital video interface)規格またはLVDS(low voltage differential signaling)規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。タッチセンサ用のインタフェースとしては、例えばUSB規格またはRS(recommended standard)−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
表示インタフェース111は、客用ディスプレイ104とCPU106との映像信号の授受をインタフェースする。表示インタフェース111としては、客用ディスプレイ104が蛍光表示器である場合には例えばUSB規格またはRS−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用でき、客用ディスプレイ104がLCDである場合には例えばVGA規格、DVI規格またはLVDS規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
撮像インタフェース112は、撮像デバイス105aとCPU106とのデータの授受をインタフェースする。撮像インタフェース112としては、例えばUSB規格またはIEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
POS端末インタフェース113は、POS端末200とCPU106とのデータの授受をインタフェースする。POS端末インタフェース113としては、例えばUSB規格またはRS−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
POS端末200は電気的要素として、キーボード202、オペレータ用ディスプレイ203、客用ディスプレイ204およびプリンタ205のほかに、CPU206、ROM207、RAM208、補助記憶ユニット209、キーボードインタフェース210、表示インタフェース(表示I/F)211,212、プリンタインタフェース(プリンタI/F)213、読取装置インタフェース(読取装置I/F)214、ドロワインタフェース(ドロワI/F)215、通信デバイス216およびバスライン217を含む。なお、バスライン217は、アドレスバスおよびデータバスなどを含み、CPU206、ROM207、RAM208、補助記憶ユニット209、キーボードインタフェース210、表示インタフェース211、表示インタフェース212、プリンタインタフェース213、読取装置インタフェース214、ドロワインタフェース215および通信デバイス216を互いに接続する。
キーボード202は、複数のキースイッチを含み、これらのキースイッチに対するオペレータによる操作の内容を表したコマンドを出力する。
オペレータ用ディスプレイ203は、CPU206の制御の下に任意の画像を表示する。オペレータ用ディスプレイ203は、オペレータに対して提示するべき各種の画像を表示するために利用される。オペレータ用ディスプレイ203としては、例えばLCDが利用できる。
客用ディスプレイ204は、CPU206の制御の下に任意の文字列または画像を表示する。客用ディスプレイ204は、客に対して提示するべき各種の文字列や画像を表示するために利用される。客用ディスプレイ204としては、例えば蛍光管表示器またはLCDが利用できる。
プリンタ205は、CPU206の制御の下に、取引の内容を表したレシート画像をレシート用紙に対してプリントする。プリンタ205としては、周知の各種方式の既存のプリンタが利用できる。典型的にはプリンタ205は、サーマルプリンタである。
CPU206は、ROM207およびRAM208に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末200としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM207は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM207は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM207は、CPU206が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM208は、CPU206が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM208は、CPU206が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM208の記憶領域の一部は、買上登録された商品についての情報を管理するための商品リストエリアとして使用される。
補助記憶ユニット209は、例えばハードディスクドライブやSSDなどであり、CPU206が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU206での処理によって生成されたデータを保存する。
キーボードインタフェース210は、キーボード202とCPU206とのデータの授受をインタフェースする。キーボードインタフェース210としては、例えばPS/2規格またはUSB規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
表示インタフェース211は、オペレータ用ディスプレイ203とCPU106との映像信号の授受をインタフェースする。表示インタフェース211としては、例えばVGA規格、DVI規格またはLVDS規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
表示インタフェース212は、客用ディスプレイ204とCPU206との映像信号の授受をインタフェースする。表示インタフェース212としては、客用ディスプレイ204が蛍光表示器である場合には例えばUSB規格またはRS−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用でき、客用ディスプレイ204がLCDである場合には例えばVGA規格、DVI規格またはLVDS規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
プリンタインタフェース213は、プリンタ205とCPU206とのデータの授受をインタフェースする。プリンタインタフェース213としては、例えばUSB規格、RS−232C規格またはIEEE1284規格(いわゆるセントロニクス仕様)などに準拠した周知のデバイスを利用できる。
読取装置インタフェース214は、商品読取装置100とCPU206とのデータの授受をインタフェースする。読取装置インタフェース214としては、POS端末インタフェース113が準拠する規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
ドロワインタフェース215は、CPU206からドロワ開放が指示されたことに応じてドロワ500を開放させるための駆動信号をドロワ500に対して出力する。
通信デバイス216は、通信ネットワーク600を介してサーバ700と通信する。通信デバイス216としては、例えば既存のLAN通信デバイスを適用できる。
次に以上のように構成された店舗会計システムにおける商品読取装置100の動作について説明する。
図4はCPU106が商品読取プログラムに基づき実行する商品読取処理のフローチャートである。
例えばキーボード202でのオペレータによる所定の操作により買上商品の登録の開始が指示されるなどにより登録処理の開始条件が成立すると、CPU206は読取装置インタフェース214より読取開始コマンドを商品読取装置100へ送る。この読取開始コマンドは、POS端末インタフェース113によりCPU106に通知される。そして読取開始コマンドを受けるとCPU106は、図4に示す商品読取処理を開始する。あるいは、キーボード102またはタッチパネル103でのオペレータによる所定の操作により買上商品の登録の開始が指示されるなどにより登録処理の開始条件が成立すると、CPU106は図4に示す商品読取処理を開始する。
ステップSa1においてCPU106は、撮像インタフェース112より撮像デバイス105aに対して撮像オン信号を出力する。この撮像オン信号を受けて撮像デバイス105aは、撮像を開始する。かくして、この状態において図5に示すようにオペレータが手で把持した商品Mを読取窓101aにかざすと、商品Mおよびオペレータの手が撮像デバイス105aにより撮像される。なお、図5においては、オペレータの手の図示は省略している。
ステップSa2においてCPU106は、撮像デバイス105aが出力するフレームデータをRAM108に保存する。
ステップSa3においてCPU106は、RAM108に保存したフレームデータを解析して、当該フレームデータが表すフレーム画像に含まれる商品Mを認識する。具体的には、CPU106は先ず、フレーム画像から肌色領域の検出を試みる。肌色領域を検出できた場合、すなわちオペレータの手がフレーム画像に映り込んでいる場合にCPU106は、フレーム画像を二値化した上で、これにより得られた二値化画像から輪郭線などを抽出する。これにより、CPU106は、オペレータの手が把持していると想定される商品Mの輪郭を抽出する。商品Mの輪郭を抽出したならばCPU106は、その輪郭内の画像から、商品の形状、表面の色合い、模様、凹凸状況等の特徴量を読み取る。そしてCPU106は、読み取った特徴量と、各商品に予め関連付けられた特徴量とのマッチングからフレーム画像に映り込んでいる商品を識別する。このようにCPU106は、手および商品Mをそれぞれオブジェクトとして認識している。
このような画像中に含まれるオブジェクトを認識する技術は、一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれる。この一般物体認識の技術については、下記の文献において各種認識技術が解説されており、この技術を上記のオブジェクト認識に利用できる。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16[平成22年8月10日検索],インターネット< URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
また、画像をオブジェクト毎に領域分割することによって、一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されており、この技術も上記のオブジェクト認識に利用できる。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット< URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=repl&type=pdf >
このようにしてCPU106は商品を認識するが、特徴量が類似する商品は少なからず存在することが一般的であるため、1つの商品に絞り込めるとは限らず、複数の商品を認識する場合もある。そこでCPU106は、認識した1つまたは複数の商品をそれぞれ候補商品とする。CPU106は、候補商品のそれぞれに関する1つまたは複数の商品コードを含んだ結果情報をRAM108に保存しておく。
かくしてCPU106は、フレーム画像に含まれる商品や手などのオブジェクトを認識する認識手段と、この認識手段が認識したオブジェクトから買上商品の候補となる候補商品を識別する識別手段として機能する。
ステップSa4においてCPU106は、少なくとも1つの商品の認識に成功したか否かを確認する。そしてここでYESと判定したならばCPU106は、ステップSa5へ進む。
ステップSa5においてCPU106は、候補商品のリストを表示するようタッチパネル103を制御する。
図6は候補商品のリストを表した画面の一例を示す図である。
図6に示す画面は、画像I1と画像I2とを含む。画像I1は、RAM107に記憶されたフレームデータが表すフレーム画像、つまりステップSa3の商品認識処理の対象となったフレーム画像である。画像I2は、候補商品のリストを表す画像である。なお、CPU106は、候補商品のうちの1つを選択候補として定め、候補商品のうちのいずれが選択候補となっているかを画像I2において表す。図6では、「リンゴ(ふじ)」が選択候補である。なお、選択候補は、候補商品のうちのいずれか1つを予め定めた任意のルールにしたがって選出すれば良い。例えば、フレーム画像から読み取った特徴量と最もマッチする特徴量が関連付けられた商品を選択候補とすることが考えられる。
ステップSa6においてCPU106は、モーション検出処理を開始する。モーション検出処理は、撮像デバイス105aが繰り返し出力するフレームデータの変化を解析することにより、フレーム画像に映り込んでいるオブジェクト(手および商品)を認識するとともに、このオブジェクトのフレーム画像内での変化パターンを監視し、モーションテーブルに記述された変化の発生を検出する処理である。具体的には例えば、CPU106は、フレーム画像に映り込んでいるオブジェクトを商品認識処理のときと同様な処理によって認識する。そしてCPU106は、認識したオブジェクトの動きを、例えば周知のモーションキャプチャ技術によって検出し、これがモーションテーブルに記述された変化のそれぞれに合致するか否かを確認する。この場合、規定の変化が生じる時のオブジェクトの動きを上記のモーションキャプチャ技術によって検出した結果に相当するデータをモーションテーブルに記述しておけば、検出結果とモーションテーブルに記述された変化とをCPU106が容易に照合できる。
このようにCPU106は、認識手段が認識したオブジェクトのうちの特定のオブジェクトの画像内での変化パターンを判定する判定手段として機能する。
ステップSa7においてCPU106は、モーションテーブルに記述された変化の発生がモーション検出処理により検出されるのを待ち受ける。そして該当する変化の発生が検出されてYESと判定したならばCPU106は、ステップSa7からステップSa8へ進む。
ステップSa8においてCPU106は、モーション検出処理を停止する。
ステップSa9においてCPU106は、検出された変化にモーションテーブルにて関連付けられた処理が「キャンセル」であるか否かを確認する。そしてここでNOと判定したならばCPU106は、ステップSa10へと進む。
ステップSa10においてCPU106は、検出された変化にモーションテーブルにて関連付けられた処理が「確定」であるか否かを確認する。そしてここでNOと判定したならばCPU106は、ステップSa11へと進む。
ステップSa11においてCPU106は、検出された変化に対してモーションテーブルにて処理が未定義であるか否かを確認する。そしてここでNOと判定したならばCPU106は、ステップSa12へと進む。
ステップSa12においてCPU106は、検出された変化にモーションテーブルにて関連付けられた処理を行う。以下に、このときの処理の具体例をいくつか示す。
(処理例1) 商品が画像の縦方向に回転したのであるならば、CPU106は選択候補を候補商品のリスト中で、商品の回転方向に応じた方向に変更する。具体的には、図6に示す画面がタッチパネル103にて表示されている状態にあるときに商品が画像の下方向に回転したならば、CPU106は選択候補を「リンゴ(ふじ)」から「リンゴ(ジョナゴールド)」に変更する。ちなみに「下方向に回転」とは、商品における画像内手前側が下方に移動するような回転を指す。
(処理例2) オペレータが読取窓101aの前で手をグーにしたのちに指を何本か立てたならば、CPU106は数量を立てた指の本数だけ増加させる。ただし、この数量の初期値は1である。具体的には、数量が初期値の1である状態から、オペレータが読取窓101aの前で手をグーにしたのちに指を2本立てたならば、CPU106は数量を2つ増加して3とする。
(処理例3) オペレータが読取窓101aの前で指を一本立て、かつその指を上下に動かしたならば、CPU106選択候補を候補商品のリスト中で、指の移動方向に応じた方向に変更する。具体的には、図6に示す画面がタッチパネル103にて表示されている状態にあるときに、図7に示すようにオペレータの手Hの指が下方向に移動したならば、CPU106は選択候補を「リンゴ(ふじ)」から「リンゴ(ジョナゴールド)」に変更する。
そして検出された変化にモーションテーブルにて関連付けられた処理を完了したならばCPU106は、ステップSa6以降の処理を繰り返す。つまりCPU106は、新たな変化の発生を待ち受けることとする。
検出された変化に対してモーションテーブルにて処理が未定義である場合、CPU106はステップSa11にてYESと判定することとなり、ステップSa11からステップSa13へと進む。
ステップSa13においてCPU106は、モーションと処理との関連付けをオペレータに知らせるためのガイダンス画面を表示するようタッチパネル103を制御する。ガイダンス画面の具体例としては、例えば図3に示すモーションテーブルを表す画面を利用できる。そしてこののちにCPU106は、ステップSa6以降の処理を繰り返す。これにより商品読取装置100は、処理が関連付けられていない動作を行ってしまったオペレータに対して、どのような動作を行うべきかを案内することができる。そしてこののちにCPU106は、ガイダンスを参照した上でのオペレータの動作による新たな変化の発生を待ち受けることになる。
なお、モーションテーブルにて処理が未定義である変化に対しては、例えばユーザによる設定によって任意の処理を割り当てられるようにしても良い。この場合、割り当てた処理の内容を、モーションテーブルのデータレコードを識別するための識別コードに関連付けて例えばRAM108に記憶しておくようにする。そしてこのようにする場合には、CPU106は、RAM108に記憶された上記のユーザ設定に係わる情報も確認した上で、変化に対する処理の関連付の状況を判断する。また、モーションテーブルをRAM108または別途備えた不揮発性の補助記憶デバイスに保存しておき、ユーザ設定を反映するようにモーションテーブルを変更することも可能である。
検出された変化に対してモーションテーブルにて関連付けられた処理が「確定」である場合、CPU106はステップSa10にてYESと判定することとなり、ステップSa10からステップSa14へ進む。具体的には、図8に示すように商品Mがオペレータによって左方向に撮像デバイス105aの撮像範囲外まで移動させるか、あるいは図9に示すようにオペレータの手Hをパーの状態として読取窓101aの前にかざすと、CPU106はステップSa10にてYESと判定する。なお、オペレータが商品を左方向に移動させると、フレーム画像においては商品は右方向へと移動することになるので、図3における「画像の右方向にフレームアウト」に合致することになる。
ステップSa14においてCPU106は、登録要求コマンドをPOS端末インタフェース113からPOS端末200へ送る。ここでCPU106は登録要求コマンドには、その時点で選択候補となっている候補商品の商品コードと、その時点で設定されている数量とを含む。そしてこののちにCPU106は、ステップSa2以降の処理を繰り返し、他の商品の読み取りを試みる。
このようにCPU106は、「確定」が関連付けられた変化が生じたことに応じて、その時点で選択候補となっている候補商品の商品コードを買上商品の商品コードとして確定しているのであり、CPU106は確定手段として機能する。
この登録要求コマンドは、読取装置インタフェース214によりCPU206に通知される。そして登録要求コマンドを受けるとCPU206は、この登録要求コマンドに含まれた商品コードと数量とを含むようにRAM208中の商品リストエリアの情報を更新する。
検出された変化に対してモーションテーブルにて関連付けられた処理が「キャンセル」である場合、CPU106はステップSa9にてYESと判定することとなり、ステップSa9からステップSa15へ進む。具体的には、図10に示すように商品Mがオペレータによって右方向に撮像デバイス105aの撮像範囲外まで移動させると、CPU106はステップSa9にてYESと判定する。
ステップSa15においてCPU106は、RAM108に保存してある結果情報をクリアし、ステップSa3における商品認識の結果をキャンセルする。そしてこののちにCPU106は、ステップSa2以降の処理を繰り返し、他の商品の読み取りを試みる。
このようにCPU106は、判定手段が判定した変化パターンに関連付けられた処理を識別手段による識別の結果に対して行う処理手段として機能する。
以上のように商品読取装置100によれば、フレーム画像から認識した候補商品についての識別結果に関する、確定したり、キャンセルしたり、数量を変更したり、複数の候補商品のうちの選択候補を変更したりといった処理を、オペレータが商品を動かしたり、手を動かしたりすることでオペレータが操作することができる。従って、それらの操作のために、オペレータが商品から手を離してキーボード102やタッチパネル103に触れることにより行う必要がなく、操作性が向上する。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
撮像部105を商品読取装置100に備えず、外付けの撮像デバイスで得られたフレームデータを取り込んで上記の処理を行うようにしても良い。
オブジェクトの各種の画像内での変化に応じて行う処理の内容は、任意に変更が可能である。つまり本願は、オブジェクトの各種の画像内での変化をトリガとして何らかの処理を行うことを特徴の1つとし、どのような処理を行うかは主たる特徴ではない。
キーボード102、タッチパネル103またはキーボード202におけるオペレータの操作により確定が指定された際に選択候補となっている候補商品を買上商品として確定しても良い。また、商品認識処理により1つの商品候補に絞り込むことができた場合には、その商品候補をオペレータの指示なしに買上商品として確定しても良い。つまり、確定条件は任意に変更が可能である。
商品読取装置100の機能を内蔵したPOS端末やキャッシュレジスタとして実現することも可能である。
また、商品読取装置100の機能を秤装置に備えたセルフチェックアウト端末に組み込んで実現することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…商品読取装置、101…ハウジング、101a…読取窓、102…キーボード、103…タッチパネル、104…客用ディスプレイ、105…撮像部、105a…撮像デバイス、106…CPU、107…ROM、108…RAM、109…キーボードインタフェース、110…パネルインタフェース、111…表示インタフェース、112…撮像インタフェース、113…POS端末インタフェース、114…バスライン、200…POS端末。

Claims (6)

  1. 撮像手段が撮像した画像からその画像に含まれるオブジェクトを認識する認識手段と、
    前記認識手段が認識した前記オブジェクトから買上商品の候補となる候補商品を識別する識別手段と、
    前記認識手段が認識した前記オブジェクトのうちの特定のオブジェクトの前記画像内での変化パターンを判定する判定手段と、
    前記判定手段が判定した変化パターンに関連付けられた処理を前記識別手段による識別の結果に関連して行う処理手段と、
    予め定められた確定条件が成立した場合、前記候補商品のうちで選択候補となっている商品を識別する商品コードを買上商品の商品コードとして確定する確定手段とを具備することを特徴とする商品読取装置。
  2. 前記判定手段は、前記候補オブジェクトまたは人間の手を前記特定のオブジェクトとし、当該オブジェクトの前記画像内での動きのパターンを前記変化パターンとして判定することを特徴とする請求項1に記載の商品読取装置。
  3. 前記処理手段は、前記確定条件が成立したと判定する処理、前記識別手段による識別結果をキャンセルする処理、前記識別手段が識別した複数の候補商品のうちの1つを選択候補に設定する処理、買上数量を変更する処理のうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1または2に記載の商品読取装置。
  4. 前記処理手段は、前記判定手段が判定した変化パターンにいずれの処理も関連付けられていない場合には、前記変化パターンと処理との関連付けを表した画像を表示デバイスで表示するための処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品読取装置。
  5. 前記撮像手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の商品読取装置。
  6. コンピュータを、
    撮像手段が撮像した画像からその画像に含まれるオブジェクトを認識する認識手段と、
    前記認識手段が認識した前記オブジェクトのうちから買上商品の候補となる候補オブジェクトを選出する選出手段と、
    前記認識手段が認識した前記オブジェクトのうちの特定のオブジェクトの前記画像内での変化パターンを判定する判定手段と、
    前記選出手段が前記候補オブジェクトを選出した後に前記判定手段が判定した変化パターンに関連付けられた処理を前記選出手段による選出の結果に対して行う処理手段と、
    予め定められた確定条件が成立した場合、前記選出手段が選出している前記候補オブジェクトに合致する商品を識別する商品コードを買上商品の商品コードとして判定する確定手段として機能させるための商品読取プログラム。
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