JP2013181591A - バイプレーンバルブ - Google Patents

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Hirotoshi Nishikawa
裕俊 西川
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Kurimoto Ltd
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Abstract

【課題】低コストで製作でき、小型軽量で流量特性に優れたバイプレーンバルブを、高圧に対応できるようにする。
【解決手段】流路が形成された弁胴1内に、弁棒2を中心に回転する弁体3を備え、この弁体3は、弁板4と補強板5とをリブ板6を介して接合した構成とし、弁板4の外周に、弁座7に接離する弾性部材の弁体シート8を設け、弁棒2の中心軸Pを、弁体シート8を含む平面Sからずらし、弁胴1の流路の中心軸Fからもずらしたバイプレーンバルブにおいて、弁座7を含む仮想円錐の頂点が、流路の中心軸Fからの弁棒2の中心軸Pのずれ方向に偏位するように、仮想円錐の中心軸Eを流路の中心軸Fから傾け、弁板4が流路の軸方向に対する垂直面から傾斜した状態で、弁体シート8が弁座7に押し当てられて、強い摺動摩擦を伴うことなく、流路が全閉されるようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、バタフライ弁の一種であるバイプレーンバルブに関するものである。
水力発電所の水車へ至る配管等、大口径の配管において、流路を開閉するバルブには、軽量で安価に製造でき、圧力損失が小さく流量特性に優れ、面間も小さくできるバイプレーンバルブ(複葉弁)が多用されている(下記特許文献1,2参照)。
例えば、下記特許文献1には、図4に示すように、流路が形成された弁胴51内に、流路に交差する方向に延びる弁棒52を回転軸とする弁体53を備え、弁体53は、流路を開閉する弁板54と、これに対し間隔をあけて配置した補強板55とを、リブ板56を介して接合した構成とし、弁板54の外周が弁胴51の内周の弁座57に接するバイプレーンバルブが記載されている。
また、特許文献2には、図5に示すように、弁板54の外周に、弁胴51の内周の弁座57に接離する弾性部材の弁体シート58を設け、弁棒52の中心軸Pを弁体シート58の外周中心位置Sから偏心量aだけずらし、弁胴51の流路の中心軸Fからも偏心量bだけ離した二次偏心構造のバイプレーンバルブが記載されている。
このような二次偏心構造とすると、弁体53が全開状態から全閉状態へ至る間、弁体53の回動中心となる弁棒52の中心軸Pに対して、弁板54の上流側部分が下流側部分よりも大きな受圧面積を有するので、自己閉止性を有するものとなる。
特開昭63−158367号公報 特許第2660071号公報
しかしながら、バイプレーンバルブを含むバタフライ弁では、高圧が作用する配管において、流路を確実に閉止しようとすると、全閉状態で弁体シートが強く圧縮されるように設計しなければならなない。
その場合、弁体シートと弁座との摩擦によって、弁体の操作トルクが非常に大きくなったり、弁体シートの脱落や破損のおそれが高くなったりするという問題が生じる。
このため、実際には、高圧(30kg/cm程度以上)が作用する条件の場合、バイプレーンバルブを採用することができず、高価な球形弁等を用いる必要があった。
そこで、この発明は、低コストで製作でき、小型軽量で流量特性に優れたバイプレーンバルブを、高圧に対応できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するため、この発明は、流路が形成された弁胴内に、流路に交差する方向に延びる弁棒を中心に回転する弁体を備え、この弁体は、流路を開閉する弁板と、これに対し間隔をあけて配置した補強板とを、リブ板を介して接合した構成とし、弁板の外周に、弁胴内周の弁座に接離する弾性部材の弁体シートを設け、弁棒の中心軸を、弁体シートを含む平面からずらし、弁胴の流路の中心軸からもずらしたバイプレーンバルブにおいて、前記弁座を含む仮想円錐の頂点が、流路の中心軸からの弁棒の中心軸のずれ方向に偏位するように、仮想円錐の中心軸を流路の中心軸から傾け、弁板が流路の軸方向に対する垂直面から傾斜した状態で、流路が全閉されるようにしたのである。
また、前記弁体シートは、円環状の金属板とゴム板とを少なくとも3層となるように交互に積層して形成したのである。
このバイプレーンバルブでは、弁座を含む仮想円錐の中心軸が流路の中心軸から傾く三次偏心構造としたことにより、弁体シートを弁座に押し当てるだけで、強い摺動摩擦を伴うことなく、流路を確実に閉止できるので、弁体シートの脱落や破損を防止しつつ、高圧に対応することができ、大口径配管の設備に要するコストを抑制することができる。
また、弁板が傾斜した状態で全閉となる構造としたので、シール性や加工性を損なわない範囲で、弁座を含む仮想円錐の中心軸を大きく傾けて、三次偏心の効果を向上させることができる。
さらに、弁体シートを、金属板とゴム板の積層構造とすることで、より破損しにくく、止水性の高いものとすることができる。
この発明の実施形態に係るバイプレーンバルブの縦断側面図 同上の弁胴径面からの正面図 同上の弁体シートの拡大断面図 特許文献1に記載のバイプレーンバルブの横断平面図 特許文献2に記載のバイプレーンバルブの縦断側面図
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、このバイプレーンバルブは、従来のものと同様、流路が形成された円筒状の弁胴1の内部に、流路に交差する方向に延びる弁棒2を中心に回転する弁体3を備えたものであり、弁体3は、流路を開閉する円板状の弁板4と、これに対し間隔をあけて配置した補強板5とを、リブ板6を介して接合した構成とされている。
弁板4の外周には、弁胴1の内周の弁座7に接離する弾性部材の弁体シート8が設けられ、弁棒2の中心軸Pは、弁体シート8を含む平面Sから偏心量aだけずらされると共に、弁胴1の流路の中心軸Fからも偏心量bだけずらされている。
そして、図1に二点鎖線で示すように、弁座7を含む仮想円錐の頂点Tが、流路の中心軸Fからの弁棒2の中心軸Pのずれ方向に偏位するように、仮想円錐の中心軸Eは、流路の中心軸Fから偏心角cだけ傾斜している。
また、弁板4は、流路を全閉したとき、流路の軸線に対する垂直面から閉傾角θだけ傾斜した状態で、弁座7に接するようになっている。
さらに、弁体シート8は、図3に示すように、円環状の金属板9とゴム板10とを少なくとも合計3層(図示のものでは、金属板9が4層とその間にゴム板10が3層で、合計7層)となるように交互に積層して形成されている。
この弁体シート8は、押圧体11と弁板4の間に挟まれ、押圧体11を介しボルト12を弁板4にねじ込むことにより、弁板4に固定されている。
上記のようなバイプレーンバルブでは、弁座7を含む仮想円錐の中心軸Eが流路の中心軸Fから傾く三次偏心構造としたので、弁体シート8を弁座7に押し当てるだけで、強い摺動摩擦を伴うことなく、流路を確実に閉止でき、弁体シート8の脱落や破損を防止しつつ、高圧に対応することができる。
また、弁板4が傾斜した状態で全閉となる構造としたので、シール性や加工性を損なわない範囲で、弁座7を含む仮想円錐の中心軸Eを大きく傾けて、三次偏心の効果を向上させることができる。
さらに、弁体シート8を、剛性のある金属板9と柔軟なゴム板10との積層構造としたので、金属板9により弁体シート8の剛性が高められ、弁板4からの弁体シート8の抜け出しを防止することができる。
そして、軽量で安価に製造でき、圧力損失が小さく流量特性に優れ、面間も小さくできるというバイプレーンバルブの特性を生かして、大口径配管の設備に要するコストを抑制することができる。
1 弁胴
2 弁棒
3 弁体
4 弁板
5 補強板
6 リブ板
7 弁座
8 弁体シート
9 金属板
10 ゴム板
11 押圧体
12 ボルト
P 弁棒の中心軸
S 弁体シートを含む平面
F 流路の中心軸
E 仮想円錐の中心軸
T 仮想円錐の頂点
a,b 偏心量
c 偏心角
θ 閉傾角

Claims (2)

  1. 流路が形成された弁胴(1)内に、流路に交差する方向に延びる弁棒(2)を中心に回転する弁体(3)を備え、この弁体(3)は、流路を開閉する弁板(4)と、これに対し間隔をあけて配置した補強板(5)とを、リブ板(6)を介して接合した構成とし、弁板(4)の外周に、弁胴(1)内周の弁座(7)に接離する弾性部材の弁体シート(8)を設け、弁棒(2)の中心軸(P)を、弁体シート(8)を含む平面(S)からずらし、弁胴(1)の流路の中心軸(F)からもずらしたバイプレーンバルブにおいて、前記弁座(7)を含む仮想円錐の頂点が、流路の中心軸(F)からの弁棒(2)の中心軸(P)のずれ方向に偏位するように、仮想円錐の中心軸(E)を流路の中心軸(F)から傾け、弁板(4)が流路の軸方向に対する垂直面から傾斜した状態で、流路が全閉されるようにしたことを特徴とするバイプレーンバルブ。
  2. 前記弁体シート(8)は、円環状の金属板(9)とゴム板(10)とを少なくとも3層となるように交互に積層して形成したことを特徴とする請求項1に記載のバイプレーンバルブ。
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