JP2013181501A - 浸透圧発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】浸透圧発電システムの発電効率を高める。
【解決手段】半透膜13と、半透膜13の一方の膜面側に形成され、海水淡水化プラント31で海水を淡水化時に生成された濃縮海水14が供給される高濃度水区画15と、前記半透膜13の他方の膜面側に形成され、濃縮海水14よりも濃度が低い低濃度水16が供給される低濃度水区画17とを有する半透膜装置12と、タービン19を回転させて発電する発電機18を備える。高濃度水区画15に供給される濃縮海水14に、製塩プラント41で塩を製塩する工程で副産物として生成された塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁25を添加する。
【効果】高濃度水として苦汁25を添加した濃縮海水14を用いるので、浸透圧エネルギーが飛躍的に高くなる。濃縮海水32,42による海洋生態系への影響も低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、浸透圧を飛躍的に高めると共に、海水淡水化プラント及び製塩プラントと組み合わせることにより、濃縮海水による海洋生態系への影響も低減できる浸透圧発電システムに関する。
半透膜を介して例えば海水と淡水を接触させると、淡水側の水分子が半透膜を透過して海水側に移動し、海水側の区画の水位が淡水側の区画の水位よりも高くなる。この水位差に相当する静水圧が浸透圧であり、海水と淡水の間では約2.5MPaの浸透圧が得られる。
浸透圧発電は、上記のような塩分濃度差から生じる浸透圧を利用し、水流発電機のタービンを回転させて発電するものであり、自然エネルギーを利用した発電方式の一つとして従来から提案されている。
例えば、特許文献1の浸透圧発電システムは、海水淡水化装置から排出される濃縮海水を有効利用することを目的としている。この濃縮海水は塩分濃度が約7%であり、通常の海水の塩分濃度が約3.5%であることと比較すると、塩分濃度が約2倍に濃縮されている。そのため、半透膜を介して濃縮海水と淡水と接触させた場合、約6MPaの浸透圧が得られる。
しかしながら、従来の浸透圧発電システムには、次の(1)〜(3)の課題があった。
(1)発電効率が低いこと
従来の浸透圧発電システムの発電コストは、例えば14〜18円/KWh程度にとどまっている。これは風力発電と比較すると同程度、太陽光発電と比べると半分以下の発電コストであるから、浸透圧発電は、自然エネルギー発電の中では比較的優位性を保っていると言うことができる。また、浸透圧エネルギーを利用するので、風力や太陽光のように天候に左右されないという有利な点もある。
しかし、例えば原子力発電の発電コストが5.3円/KWhであることや、石油による火力発電の発電コストが10.7円/KWhであることと比較すると、何れの自然エネルギー発電も、発電コストが高く、普及が進んでいないのが現状である。よって、浸透圧発電に関しても、発電効率を更に向上することが課題となっている。
(2)塩の漏出による濃度分極により半透膜の膜透過流量が低下すること
従来の浸透圧発電システムは、専用の半透膜を使用するのではなく、例えば海水淡水化プラントなどで使われている逆浸透膜(RO膜)を利用している。このRO膜は、塩の除去率が99.6%程度であるから、これを浸透圧発電システムで利用した場合、海水側から淡水側へ僅かではあるが塩が漏出する。そのため、RO膜の淡水側の表面に塩濃度の高い領域が形成され、この濃度分極によって膜透過流量が著しく低下する。
この濃度分極を防止する手段の一つとして、半透膜の塩除去率を99.6%よりも高くすることが考えられる。しかし、半透膜の塩除去率を更に高くすると、水の透過率が著しく低下し、また、海水や淡水中の不純物が吸着するファウリングも生じやすくなって、かえって膜透過流量が低下してしまう。よって、浸透圧発電では、半透膜の塩除去率を現状よりも高くすることなく、濃度分極による膜透過流量の低下を防止することが課題となっている。
(3)濃縮海水が海洋生態系に悪影響を及ぼすこと
例えば特許文献2に示すような海水淡水化装置を設置する場合、海水を淡水化する際に同時に生成される濃縮海水をそのまま海洋に排出すると、海洋の生態系に悪影響を及ぼすことが懸念される。特に、波浪や潮流が少ない海域では、排出された濃縮海水が拡散されにくく生態系に影響を及ぼすおそれが高まるため、海水淡水化プラントの建設を困難にしている。そこで、濃縮海水を周辺の海域にそのまま放出しないようにする手段の一つとして、特許文献1では、海水淡水化装置と浸透圧発電システムを並設し、海水淡水化装置から排出される濃縮海水を、浸透圧発電システムで利用することが提案されている。
しかし、特許文献1の方式では、浸透圧発電システムにおいて水流発電機のタービンを回転させた後に排出される濃縮海水の再利用は考慮されていない。浸透圧発電システムから排出される濃縮海水は、半透膜を介して淡水側から水が流入するため、海水淡水化装置から導水された当初の濃度よりは希釈されているが、自然の海水よりは塩濃度が高い場合もあるため、そのまま排出する場合は海洋生態系への影響が懸念される。
また、特許文献1の方式は、海水淡水化装置から副産物として生成される濃縮海水の量が、浸透圧発電システムで利用可能な濃縮海水の量を上回る場合、余剰の濃縮海水は別の手段で希釈する必要がある。
特許第4166464号公報 特開昭59−147691号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の浸透圧発電システムは、1)発電効率が低い点、2)塩の漏出による濃度分極により半透膜の膜透過流量が低下する点、3)海水淡水化装置と組み合わせる場合でも、浸透圧発電システムから排出される濃縮海水が海洋生態系に悪影響を及ぼすおそれがあり、余剰の濃縮海水が生じた場合は別の手段で希釈する必要がある点である。
本発明は、半透膜を介して接触させる高濃度水と低濃度水の間に生じる浸透圧エネルギーを飛躍的に高めてタービン発電量を増加させ、発電効率を高めて発電コストを低くすることを第1の目的としている。また、濃度分極により半透膜の膜透過流量が低下するのを防止することを第2の目的としている。さらに、浸透圧発電システムから排出される濃縮海水の塩濃度が高い場合や、海水淡水化プラントから副産物として生成される濃縮海水が余剰になった場合でも、これらを有効利用して環境保全対策をより万全にすることを第3の目的としている。
本発明は、上記の目的を達成するためになされたものであって、
半透膜と、前記半透膜の一方の膜面側に形成され、海水淡水化プラントで海水を淡水化時に生成された濃縮海水が供給される高濃度水区画と、前記半透膜の他方の膜面側に形成され、前記濃縮海水よりも濃度が低い低濃度水が供給される低濃度水区画とを有する半透膜装置と、前記低濃度水が前記半透膜を介して前記濃縮海水に浸透することによって生じる浸透圧エネルギーを利用してタービンを回転させて発電する発電機と、を備えた浸透圧発電システムにおいて、
前記高濃度水区画に供給される濃縮海水に、製塩プラントで塩を製塩する工程で副産物として生成された塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁を添加することを最も主要な特徴としている。
上記本発明によれば、高濃度水区画に供給される濃縮海水に、製塩プラントで塩を製塩する工程で副産物として生成された塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁を添加するので、低濃度水区画に供給される低濃度水との間に生じる浸透圧エネルギーが飛躍的に高まる。
具体的には、濃縮海水(塩分濃度:約7%)と淡水の間の浸透圧は、上述のとおり約6MPaにとどまるが、苦汁を添加することによって主要成分である塩化マグネシウム(MgCl2)のモル濃度が例えば5Mとなるようにした場合は、約100MPaの極めて高い浸透圧が得られる。
本発明では、高濃度水として塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁を添加した濃縮海水を用いるので、低濃度水との間の浸透圧エネルギーが飛躍的に高くなる。よって、この苦汁によって高められた浸透圧エネルギーを利用して発電機のタービンを回せば、極めて発電効率が高い浸透圧発電システムを実現できる。
また、本発明では、苦汁によって高められた浸透圧エネルギーを利用するので、2価の塩である塩化マグネシウムさえ半透膜を通過しなければ高浸透圧性を維持できる。そのため、仮に塩化マグネシウム以外の塩が僅かに低濃度水側に漏出して濃度分極が生じても、それによる膜透過流量低下の影響は非常に小さなものとなる。
また、本発明では、塩化マグネシウムさえ半透膜を通過しなければ高浸透圧性を維持できるので、逆浸透膜(RO膜)を用いる必要はない。例えば、ナノ濾過膜(NF膜)のようにCa2+、Mg2+などの2価のイオンは透過しにくく、膜透過水量が大きい膜も適用することができる。透過水量が多いほど発電コストは低下するため、現状のRO膜適用よりも大幅に発電コストを低下することができる。このように透水性の高い膜の適用が浸透圧発電の鍵であり、透水性の高い正浸透膜の開発も進められているが、本発明のように分離対象を2価のイオンとすることで、どのような正浸透膜であっても優位性は確保される。そして、例えばNF膜を用いた場合は、逆浸透膜(RO膜)よりも細孔径が大きいので、不純物の吸着によるファウリングの影響も低減できる。
本発明は、海水淡水化プラントの副産物である濃縮海水を浸透圧発電システムで利用すると共に、この浸透圧発電システムから排出される濃縮海水は製塩プラントで利用するので、濃縮海水による海洋生態系への影響をより一層低減できる。
また、本発明では、海水淡水化プラントから副産物として生成される濃縮海水は、浸透圧発電システムのみならず、製塩プラントでも利用するので、濃縮海水が余剰になることがなく量的バランスが取りやすくなる。
本発明の浸透圧発電システムの全体構成の一例を示す図である。 高濃度水として苦汁を添加した濃縮海水を、低濃度水として淡水を用いる場合の、本発明の半透膜装置の一例を示す図である。 25℃における塩化マグネシウム水溶液、塩化カルシウム水溶液、その他の塩水溶液のモル濃度と浸透圧の関係を示したグラフである。 低濃度水として淡水を用いる場合の、浸透圧発電システム、海水淡水化プラント、製塩プラント間の、濃縮海水及び苦汁の循環利用方式を説明する図である。 (a)は海水中に塩分が占める割合を示したグラフ、(b)は海水の塩分の組成を示したグラフである。 高濃度水として苦汁を添加した濃縮海水を、低濃度水として海水を用いる場合の、本発明の半透膜装置の一例を示す図である。 低濃度水として海水を用いる場合の、浸透圧発電システム、海水淡水化プラント、製塩プラント間の、濃縮海水及び苦汁の循環利用方式を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図7を用いて詳細に説明する。本実施例の浸透圧発電システム11は、海水淡水化プラント31及び製塩プラント41と並設されている。
図1は、本実施例の浸透圧発電システム11の全体構成図であり、12は、半透膜13と、この半透膜13の一方の膜面側に形成され、濃縮海水14が供給される高濃度水区画15と、前記半透膜13の他方の膜面側に形成され、前記濃縮海水14よりも濃度が低い低濃度水16が供給される低濃度水区画17とを有した半透膜装置を示している。浸透圧発電システム11は、低濃度水16側の水分子が半透膜13を透過して濃縮海水14側に浸透することによって生じる浸透圧エネルギーを利用し、濃縮海水14側の流量を増加させて、発電機18のタービン19を回転させて発電するものである。
31は、蒸発法や逆浸透法による海水淡水化プラントである。海水淡水化プラント31は、海水を加熱して蒸気を発生させ、その蒸気を凝縮して淡水を得る方法や、逆浸透膜(RO膜)を利用し、海水を高圧でRO膜に送り込んでRO膜の表面から淡水を抽出する方法等により、海水を淡水化するものである。海水淡水化プラント31では、海水から淡水を生産する際に、塩分濃度が通常の海水に比べて約2倍に濃縮された濃縮海水32が副産物として生成される。33は、この副産物として生成された濃縮海水32を一時的に貯留しておくタンクである。本発明は、この濃縮海水32を送水ポンプ34により浸透圧発電システム11に送水し、高濃度水区画15において利用するものである。
また、本実施例では、低濃度水16としては河川や下水処理施設などから送水された淡水を使用している。なお、20は、半透膜13におけるファウリングを低減するために不純物を除去する前処理装置を、21は送水ポンプを、22はフィルターを、23は高濃度水14の圧力を最適な圧力に調節する圧力変換機を示している。
24は、製塩プラント41で塩を製塩する工程で副産物として生成された塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁25を水溶液の状態で一時的に貯留しておくタンクである。タンク24に接続された苦汁用送水管27は、半透膜装置12の高濃度水区画15に濃縮海水14を供給する送水管26と接続されており、ここで濃縮海水14中に苦汁25が添加される。なお、28は、分岐管27に設けた送水ポンプである。
また、43は、浸透圧発電システム11から送水された濃縮海水42を一時的に貯留しておくタンクである。製塩プラント41は、製塩の際に、発電機18で浸透圧エネルギーを利用後に排出された濃縮海水42を利用する。
図2は、図1の半透膜装置12を模式的に表した図である。図2に示すように、半透膜13を介して苦汁25が添加された濃縮海水14と淡水16aを接触させると、淡水16a側の水分子が半透膜13を透過して高濃度水区画15側に移動し、高濃度水区画15側の水位が低濃度水区画17側の水位より高くなる。
このとき、濃縮海水と淡水の間であれば、浸透圧は約6MPa程度にとどまるが、本発明は、濃縮海水14に上述のとおり塩化マグネシウムを主成分とする苦汁25を添加しているので、高い浸透圧が得られる。
具体的には、図3のグラフに示すように、苦汁の主成分である塩化マグネシウム(MgCl2)の水溶液や塩化カルシウム(CaCl2)の水溶液は、塩化ナトリウム(NaCl)や塩化カリウム(KCl)など他の塩溶液と比較すると、浸透圧が極めて高いものである。例えばモル濃度が5Mの塩化マグネシウム水溶液であれば、約100MPaの極めて高い浸透圧が得られる(1atm=101325Pa)。
そこで、本実施例では、高濃度水区画15中の塩化マグネシウムのモル濃度が例えば1Mとなるように苦汁25を添加し、濃縮海水14による約6MPaの浸透圧に、塩化マグネシウムによる約10MPaの浸透圧を加え、約16MPaの浸透圧でタービン19を回転させる。
なお、本実施例では、上記のとおり濃縮海水14に塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁25を添加したが、図3に示す通り、塩化カルシウムについても塩化マグネシウムとほぼ同程度の高い浸透圧が得られる。そこで、本発明は、高濃度水区画15に供給される濃縮海水14に、塩化カルシウムをさらに添加するように構成しても良い。
図4は、低濃度水として淡水16aを用いる場合の、浸透圧発電システム11、海水淡水化プラント31、製塩プラント41間の、濃縮海水32,42及び苦汁25の循環利用方式を説明する図である。
先ず、海水淡水化プラント31は、海水35(塩分濃度:約3.5%、1000t)を淡水化して生産水36(淡水、500t)を生成する。このとき、副産物として、濃縮海水32(塩分濃度:約7%、500t)が生成される。
また、製塩プラント41は、図5に示すとおり、海水中に約3.5%含まれる塩分中に約78%含まれる塩化ナトリウム(27.3t)を生成する。このとき、塩44(27.3t)以外に、副産物として、塩分中に約9.6%含まれる塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁25(塩化マグネシウムの量として3.36t)が生成される。
この濃縮海水32や苦汁25は、そのまま周辺海域に排出すると海水の塩分濃度が高まり、生態系への影響が懸念される。
そこで、本実施例は、浸透圧発電システム11と組み合わせることにより、海水淡水化プラント31で副産物として生成される濃縮海水32や、製塩プラント41で副産物として生成される苦汁25は、半透膜装置12の高濃度水区画15で利用する。よって、本実施例の構成によれば、濃縮海水32や苦汁25を有効利用できて、海洋生態系への影響は低減できる。
また、本実施例では、製塩プラント41は、海水淡水化プラント31で海水を淡水化時に生成された濃縮海水32(塩分濃度:約7%、500t)の内、半分の量(250t)と、浸透圧発電システム11の発電機18で浸透圧エネルギーを利用後に排出される濃縮海水42(塩分濃度:約3.5%、500t)を用いて製塩する。よって、本実施例の構成によれば、浸透圧発電システム11から排出される濃縮海水42についても有効利用できて、海洋生態系への影響は低減できる。
また、本実施例では、海水淡水化プラント31から排出される濃縮海水32(塩分濃度:約7%、500t)は、周辺海域に放出せずに、導水管を介して、半分の量(250t)を製塩プラント41に、残りの半分の量(250t)を浸透圧発電システム11の半透膜装置12の高濃度水区画15に給水する。よって、本実施例の構成によれば、濃縮海水32が余剰になることがなく、量的バランスが取りやすくなる。
また、本実施例の浸透圧発電システム11は、製塩プラント41との間で所要の量の塩化マグネシウムを循環利用するものである。
すなわち、本実施例では、浸透圧発電システム11から排出された濃縮海水42を製塩プラント41の供給海水として利用する一方、製塩プラント41の副産物である苦汁25を浸透圧発電システム11の高濃度水として利用するので、浸透圧発電システム11と製塩プラント41の間で所要の量の塩化マグネシウムを循環利用していることになる。よって、本実施例では、浸透圧発電システム11において塩化マグネシウムが不足することはなく、循環利用することで濃度調整も容易となる。
具体的には、図4の実施例では、塩化マグネシウムによる浸透圧が10MPa得られるよう塩化マグネシウムのモル濃度を1Mとするために、海水淡水化プラント11と製塩プラント41の間で循環させる塩化マグネシウムの量は23.8tとしている。浸透圧を更に高くするには、この塩化マグネシウムの循環畳を多くすることで対応可能となる。
このように、本発明は、浸透圧発電システム11と海水淡水化プラント31、更には製塩プラント41を組合せて濃縮海水32,42及び苦汁25を有効に利用することで、周辺海域の環境に負担の少ないシステムを提供できる。また、波浪や潮流の少ない海域であっても海水淡水化プラント31を建設しやすくなる。
また、本発明では、苦汁25によって高められた浸透圧エネルギーを利用するので、2価の塩である塩化マグネシウムさえ半透膜を通過しなければ高浸透圧性を維持できる。そのため、仮に塩化マグネシウム以外の塩が僅かに低濃度水側に漏出して濃度分極が生じても、それによる膜透過流量低下の影響は非常に小さなものとなる。
本発明は、前記の実施例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば、図2の実施例では低濃度水として淡水16aを用いる場合の例を開示したが、この場合、淡水16aを河川や下水処理施設等から取水することが必要となり、本システムの設置場所が限定されてしまう。
そこで、本発明においては、図6に示すように、低濃度水区画17に供給される低濃度水は、海水16bであっても良い。
本発明は、濃縮海水14に苦汁25を添加した高濃度水を使用することにより高い浸透圧が得られるので、低濃度水は、必ずしも淡水である必要はなく、海水16bであっても約3Mp程度の十分に高い浸透圧エネルギーが得られる。このような構成とすれば、河川や下水処理施設がない地域にも、浸透圧発電システム11を構築できる。
図7は、低濃度水として海水16bを用いる場合の、浸透圧発電システム11、海水淡水化プラント31、製塩プラント41間の、濃縮海水32,42及び苦汁25の循環利用方式を説明する図である。図4との違いは、浸透圧発電システム11が使用する低濃度水が海水16bになったため、浸透圧発電システム11から排出される濃縮海水42の塩濃度が4.76%と高くなり、質量も750tに増加している点である。
もっとも、本発明では、浸透圧発電システム11から排出された濃縮海水42は製塩プラント41の供給海水として利用するので、低濃度水として海水16bを用いたために、浸透圧発電システム11から排出される濃縮海水42の塩濃度が高くなり質量が増加しても、製塩プラント41において、塩44や苦汁25の生成量が増加するのみである(図7の例では、図4と比較すると、塩化ナトリウムにつき、27.3t→40.95t、塩化マグネシウムにつき、3.36t→5.04tに増加している。)。
よって、本発明では、低濃度水として海水16bを用いた場合でも、濃縮海水42による周辺海域の生態系への影響は低減できる。
11 浸透圧発電システム
12 半透膜装置
13 半透膜
14 濃縮海水
15 高濃度水区画
16 低濃度水
16a 淡水
16b 海水
17 低濃度水区画
18 発電機
19 タービン
25 苦汁
31 海水淡水化プラント
32 濃縮海水
41 製塩プラント
42 濃縮海水

Claims (6)

  1. 半透膜と、前記半透膜の一方の膜面側に形成され、海水淡水化プラントで海水を淡水化時に生成された濃縮海水が供給される高濃度水区画と、前記半透膜の他方の膜面側に形成され、前記濃縮海水よりも濃度が低い低濃度水が供給される低濃度水区画とを有する半透膜装置と、前記低濃度水が前記半透膜を介して前記濃縮海水に浸透することによって生じる浸透圧エネルギーを利用してタービンを回転させて発電する発電機と、を備えた浸透圧発電システムにおいて、
    前記高濃度水区画に供給される濃縮海水に、製塩プラントで塩を製塩する工程で副産物として生成された塩化マグネシウムを主要成分とする苦汁を添加することを特徴とする浸透圧発電システム。
  2. 前記低濃度水区画に供給される低濃度水は、海水であることを特徴とする請求項1に記載の浸透圧発電システム。
  3. 前記製塩プラントは、前記海水淡水化プラントで海水を淡水化時に生成された濃縮海水と、前記発電機で浸透圧エネルギーを利用後に排出される濃縮海水とを用いて製塩することを特徴とする請求項1又は2に記載の浸透圧発電システム。
  4. 前記製塩プラントとの間で所要の量の塩化マグネシウムを循環利用することを特徴とする請求項3に記載の浸透圧発電システム。
  5. 前記高濃度水区画に供給される濃縮海水に、塩化カルシウムをさらに添加することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の浸透圧発電システム。
  6. 前記海水淡水化プラントから排出される濃縮海水は、周辺海域に放出せずに、導水管を介して前記製塩プラントと前記半透膜装置に給水することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の浸透圧発電システム。
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