JP2013181010A - アルキルグリコシドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】糖縮合物の副生を抑制し、かつ低触媒量でもアルキルグリコシドを効率的に製造することができる、アルキルグリコシドの製造方法を実現できるようにする。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるアリールスルホン酸の存在下、糖とアルコールとを反応させる、アルキルグリコシドの製造方法。
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又は炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基であり、R3〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基である。但し、R1〜R5のうち少なくとも1つは、ニトロ基又はハロゲン化アルキル基である。〕
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(I)で表されるアリールスルホン酸の存在下、糖とアルコールとを反応させる、アルキルグリコシドの製造方法。
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又は炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基であり、R3〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基である。但し、R1〜R5のうち少なくとも1つは、ニトロ基又はハロゲン化アルキル基である。〕
【選択図】なし
Description
本発明はアルキルグリコシドの製造方法に関する。
アルキルグリコシドは皮膚に対する刺激性が低い界面活性剤であり、それ自体で安定な泡を生成するだけでなく、アニオン性界面活性剤に対して泡安定剤として作用することが知られている。このため、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤、食器用洗浄剤及び増泡剤等の分野において使用されている。
アルキルグリコシドの一般的な製造方法には、直接法と間接法とがある。直接法では、糖と高級アルコールとを酸触媒の存在下で直接反応させることにより目的とするアルキルグリコシドを得る。間接法では、糖と低級アルコールとを酸触媒の存在下で反応させて低級アルキルグリコシドを調製し、その後、高級アルコールとアセタール交換することにより目的とするアルキル鎖を有するアルキルグリコシドを得る。
アルキルグリコシドの製造においては、触媒使用量の低減及び反応時間の短縮等が求められている。反応コストを低減することを目的として、ペルフルオロ化したスルホン酸を触媒として用い、少量の触媒量でアルキルグリコシドが得られる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
一方、アルキルグリコシドの製造においては、高級アルコールを糖に対して過剰に用いるのが一般的である。高級アルコールを糖に対して過剰に用いると、大容量の反応装置が必要であるだけでなく、反応終了後のアルコール除去の負荷が大きくなる。そこで、アルコールの使用量を低減することが望まれている。しかし、アルコールの使用量を単純に低減しただけでは、糖の高縮合物(例えば、ポリグルコース)が副生し、アルキルグリコシドの収率が低下するという問題がある。そこで、糖縮合物の低減を目的として、特定の置換基を有するアルキル又はアリールスルホン酸を触媒として用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献1記載の方法では、副生物が生成し、アルキルグリコシドの収率が低下するという課題を解決できない。一方、特許文献2記載の方法では、反応速度が低く、生産性が低下するという課題がある。
本発明の課題は、糖縮合物の副生を抑制し、かつ低触媒量でもアルキルグリコシドを効率的に製造することができる、アルキルグリコシドを製造することである。
本発明は、下記一般式(I)で表されるアリールスルホン酸(以下、単に「アリールスルホン酸」ともいう。)の存在下、糖とアルコールとを反応させる、アルキルグリコシドの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)である。
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であり、R3〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基である。但し、R1〜R5のうち少なくとも1つは、ニトロ基又はハロゲン化アルキル基である。〕
本発明の製造方法によれば、糖縮合物の生成が抑制され、少ない触媒量でもアルキルグリコシドを効率よく製造することができる。
本実施形態の製造方法は、下記の一般式(I)で表されるアリールスルホン酸の存在下、糖とアルコールとを反応させる工程を含む。
本実施形態の製造方法により、糖縮合物の生成が抑制され、かつ少ない触媒量で生産性よくアルキルグリコシドを製造できる。これは、アリールスルホン酸中の嵩高い置換基が、反応中間体に対する糖ユニットの接近を阻害して、糖縮合物の生成を抑制するとともに、アリールスルホン酸中の電子吸引基が酸強度を強め、反応を促進するためであると推測される。
本実施形態の製造方法に用いられるアリールスルホン酸は、前記一般式(I)で表される。前記一般式(I)において、R1及びR2は水素原子よりも嵩高い置換基であることが好ましい。また、R1〜R5のうち少なくとも1つは電子吸引基である。
R1及びR2を嵩高い置換基とすることにより、反応中間体に対する糖ユニットの接近を阻害して、糖縮合物の生成を抑制が可能となる。具体的には、R1及びR2はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であればよく、アルキル基、ニトロ基、アリール基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましく、アルキル基、アリール基又はハロゲン化アルキル基であることがより好ましく、アルキル基、又はハロゲン化アルキル基であることが更に好ましい。
R3〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であればよく、水素原子、アルキル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
R1〜R5のうち少なくとも1つは電子吸引基とすることにより、酸強度を強め、反応を促進できる。電子吸引基とは、分子の特定の位置について、電子密度を低下させる効果を有する置換基である。具体的には、R1〜R5のうち少なくとも1つは、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基である。電子吸引基が多い方が反応を促進できるため、R1〜R5のうち2つ以上が、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
前記一般式(I)において、ハロゲン化アルキル基の置換位置は、特に限定されないが、糖縮合物の生成抑制の観点及び反応性向上の観点から、R1、R2、及びR5の少なくとも1つであることが好ましい。ニトロ基の置換位置も特に限定されないが、糖縮合物の生成抑制の観点及び反応性向上の観点から、R3及びR4の少なくとも1つであることが好ましい。
また、前記一般式(I)において、反応性向上及び糖縮合物の生成抑制の観点から、R1、R2、及びR5が、それぞれ独立して、アルキル基、ニトロ基、アリール基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましく、アルキル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であることがより好ましく、アルキル基、又はハロゲン化アルキル基であることが更に好ましい。
R1〜R5におけるアルキル基、アリール基、アルケニル基、及びハロゲン化アルキル基の具体例としては以下のようなものが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、2−エチルヘキシル基、及び3,5−ジメチルヘキシル基等が挙げられる。このうち、製造容易性の観点、糖縮合物の生成抑制、反応速度の向上の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基が好ましく、より好ましくは、メチル基、エチル基、又はプロピル基、更に好ましくはメチル基、又はエチル基、更に好ましくはメチル基である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、及びイミダゾリル基等並びにこれらの側鎖がアルキル基等により置換されたものが挙げられる。このうち、製造容易性の観点、糖縮合物の生成抑制の観点から、フェニル基が好ましい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、エチリデニル基、プロピリデニル基、ブチリデニル基、ペンチリデニル基、ヘキシリデニル基、ヘプチリデニル基、オクチリデニル基、ノニリデニル基、及びデシリデニル基等並びにこれらの側鎖がアルキル基等により置換されたものが挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、アルキル基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものであればよい。製造容易性の観点、糖縮合物の生成抑制、反応速度向上の観点から、ハロゲン化アルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2である。更に好ましくは1である。炭素数1〜4個のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、及びヨウ素が挙げられる。ハロゲン化アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、トリクロロメチル基、及びジブロモメチル基等が挙げられる。このうち、反応性向上の観点から、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、及びトリクロロメチル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
好ましいアリールスルホン酸の例としては、2,4,6-トリメチル-3-ニトロベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸、及び2,4,6−トリス(ブロモメチル)ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。このうち、糖縮合物の生成抑制、反応速度向上の観点から、2,4,6-トリメチル-3-ニトロベンゼンスルホン酸、又は2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸がより好ましい。これらの化合物は、例えば、市販品の2-ニトロメシチレン、又は1,3,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンをスルホン化することにより容易に製造することができる。
本実施形態の製造方法におけるアリールスルホン酸の使用量は、糖縮合物の生成抑制、反応速度向上の観点から、糖1モルに対して0.0001〜0.1モルが好ましく、より好ましくは0.001〜0.01モルであり、更に好ましくは0.001〜0.005モルである。なお、アリールスルホン酸は1種類である必要はなく、複数種類のアリールスルホン酸を混合して用いてもよい。
本実施形態の製造方法において、原料として用いられる糖には、単糖、オリゴ糖、及び多糖のいずれを用いることもできる。単糖としては、例えば、アロース、アルトース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、アラビノース、キシロース、及びリキソース等のアルドース類等が挙げられる。オリゴ糖としては、マルトース、ラクトース、スクロース、及びマルトトリオース等が挙げられる。多糖としては、ヘミセルロース、イヌリン、デキストリン、キシラン、デンプン、及び加水分解デンプン等が挙げられる。このうち反応性向上の観点から、単糖又はオリゴ糖が好ましく、単糖がより好ましく、グルコースが更に好ましい。原料とする糖は含水でも無水でもよいが、脱水工程の簡略化の観点から、無水糖が好ましく、水酸基に保護基を有していない無水糖がより好ましい。なお、糖は1種類である必要はなく、複数種類の糖を混合して用いてもよい。
本実施形態の製造方法において原料として用いるアルコールとしては、炭素数4〜22の直鎖若しくは分岐鎖の飽和又は不飽和アルコール、及びこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。具体例としては、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、及びオレイルアルコール、並びにこれらのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらのうち、アルキルグリコシドを洗浄剤に用いた場合の洗浄性能及び泡性能向上の観点から、炭素数8〜18の直鎖の飽和アルコールが好ましく、炭素数8〜14の直鎖の飽和アルコールがより好ましく、炭素数10〜12の直鎖の飽和アルコールが更に好ましい。なお、アルコールは1種類である必要はなく、複数種類のアルコールを混合して用いてもよい。
本発明の製造方法において、反応開始時における糖に対するアルコールの配合比(アルコール/糖)は、アルコールの使用量低減、生産効率の向上及び糖縮合物の生成抑制、反応速度向上の観点から、糖1モルに対して1〜7モルが好ましく、より好ましくは1.5〜4モル、更に好ましくは1.8〜3モルである。
本実施形態の製造方法は簡単に説明すると以下の通りである。まずアルコールと糖とを混合し、適宜攪拌しながら減圧下、加熱する。更に必要に応じて脱水操作を行う。次に、これに前記一般式(I)で表されるアリールスルホン酸を添加し反応させる。反応終了後、中和、未反応のアルコールの留去により、アルキルグリコシドが得られる。
反応時の加熱温度は、反応性の観点から、好ましくは90〜130℃、より好ましくは95〜120℃、更に好ましくは100〜110℃である。また、反応時の圧力は、水の除去効率の観点から、好ましくは0.6〜13.5kPa、より好ましくは1.3〜8kPa、更に好ましくは2.6〜6.0kPaである。
本実施形態の製造方法は、バッチ式の製造方法にも、連続式の製造方法にも適用可能である。
本実施形態の製造方法により得られるアルキルグリコシドは、好ましくは糖骨格の縮合度が1.0〜4.0であり、炭素数が8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキルグリコシドであり、より好ましくは縮合度が1.1〜2.0であり、炭素数が10〜12の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドである。
以上の実施形態に関し、本発明は更に以下の製造方法を開示する。
<1>
下記一般式(I)で表されるアリールスルホン酸の存在下、糖とアルコールとを反応させる、アルキルグリコシドの製造方法。
下記一般式(I)で表されるアリールスルホン酸の存在下、糖とアルコールとを反応させる、アルキルグリコシドの製造方法。
式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であり、R3〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基である。但し、R1〜R5のうち少なくとも1つは、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基であり、好ましくは、R1〜R5のうち2つ以上が、ニトロ基、又はハロゲン化アルキル基である。また、ハロゲン化アルキル基の置換位置は、R1、R2、及びR5の少なくとも1つであることが好ましい。ニトロ基の置換位置は、R3及びR4の少なくとも1つであることが好ましい。また、前記ハロゲン化アルキル基の炭素数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が更に好ましく、1が更に好ましい。
<2>
前記一般式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール
基、又はハロゲン化アルキル基である、前記<1>に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
前記一般式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール
基、又はハロゲン化アルキル基である、前記<1>に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
<3>
前記アリールスルホン酸が、 2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸又は2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸である、前記<1>に又は<2>に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
前記アリールスルホン酸が、 2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸又は2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸である、前記<1>に又は<2>に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
<4>
前記アリールスルホン酸の使用量が、前記糖1モルに対して0.0001〜0.1モルであり、好ましくは0.001〜0.01モルであり、より好ましくは0.001〜0.005モルである、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
前記アリールスルホン酸の使用量が、前記糖1モルに対して0.0001〜0.1モルであり、好ましくは0.001〜0.01モルであり、より好ましくは0.001〜0.005モルである、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
<5>
反応開始時における前記アルコールの配合比が、前記糖1モルに対して1〜7モルであり、好ましくは1.5〜4モルであり、より好ましくは2〜3モルである、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
反応開始時における前記アルコールの配合比が、前記糖1モルに対して1〜7モルであり、好ましくは1.5〜4モルであり、より好ましくは2〜3モルである、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
<6>
前記糖が単糖である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
前記糖が単糖である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
<7>
前記糖がグルコースである、前記<6>に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
前記糖がグルコースである、前記<6>に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
<8>
前記アルコールが、炭素数8〜18のアルコールであり、好ましくは炭素数8〜14のアルコールであり、より好ましくは炭素数10〜12のアルコールである、前記<1>〜<7>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
前記アルコールが、炭素数8〜18のアルコールであり、好ましくは炭素数8〜14のアルコールであり、より好ましくは炭素数10〜12のアルコールである、前記<1>〜<7>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
<9>
前記糖が1水和物又は無水物である、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
前記糖が1水和物又は無水物である、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のアルキルグリコシドの製造方法。
以下の実施例及び比較例において、特記しない限り、「%」は「質量%」を意味する。
グルコースの転化率は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定した。糖縮合物であるポリグルコースの生成量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。生成量の算出には、絶対検量線法を用いた。2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸及び2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸の生成の確認には核磁気共鳴(1H-NMR)を用いた。
<GC測定>
試料50mgにトリメチルシリル(TMS)化剤(GLサイエンス社製)を加え、2分間超音波処理した後、約5分静置し、生じた固体をろ過により取り除き、以下の条件でGC分析を行った。
・カラム:DB-1 15.0m×250μm×0.10μm(Agilent社製)、
・昇温条件:100℃で2分間保持し、10℃/分の速度で350℃に昇温し、そのまま10分間保持した
・内部標準:テトラデカン(和光純薬工業社製)
試料50mgにトリメチルシリル(TMS)化剤(GLサイエンス社製)を加え、2分間超音波処理した後、約5分静置し、生じた固体をろ過により取り除き、以下の条件でGC分析を行った。
・カラム:DB-1 15.0m×250μm×0.10μm(Agilent社製)、
・昇温条件:100℃で2分間保持し、10℃/分の速度で350℃に昇温し、そのまま10分間保持した
・内部標準:テトラデカン(和光純薬工業社製)
<HPLC測定>
試料10mgをアセトニトリル/水(50/50、w/w)溶液と混合し、濃度を約0.7%に調整して以下の条件でHPLC分析を行った。
・カラム:TSK-Gel amide80 4.6mm I.D.×250mm(東ソー株式会社製)
・溶離液:アセトニトリル/水=50/50(w/w)
・カラムオーブン温度;60℃
・検出器:Corona CAD
・標準試料:グルコース(和光純薬工業社製)、n-ドデシル-β-D-マルトシド(同仁化学社製)
試料10mgをアセトニトリル/水(50/50、w/w)溶液と混合し、濃度を約0.7%に調整して以下の条件でHPLC分析を行った。
・カラム:TSK-Gel amide80 4.6mm I.D.×250mm(東ソー株式会社製)
・溶離液:アセトニトリル/水=50/50(w/w)
・カラムオーブン温度;60℃
・検出器:Corona CAD
・標準試料:グルコース(和光純薬工業社製)、n-ドデシル-β-D-マルトシド(同仁化学社製)
<1H-NMR測定>
試料10mgを重溶媒(D2O、CDCl3)2mLと混合し、以下の条件でNMR分析を行った。
・測定機器:400MHz NMR(Oxford Instruments社製)
・D2O:(Aldrich社製)
・CDCl3:(Aldrich社製)
試料10mgを重溶媒(D2O、CDCl3)2mLと混合し、以下の条件でNMR分析を行った。
・測定機器:400MHz NMR(Oxford Instruments社製)
・D2O:(Aldrich社製)
・CDCl3:(Aldrich社製)
<製造例1>
2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸の製造
2−ニトロメシチレン(和光純薬工業社製)10g(60.57mol)、ニトロメタン100mLを200mL四つ口フラスコに入れ、窒素導入下、攪拌しながら0℃まで冷却した。次に、液体三酸化イオウ(SO3)を5.1g(63.61mmol)加えた後、還流する温度(100℃)まで昇温させて24時間攪拌した。次に、60℃まで温度を下げ、水を2mL加えて2時間攪拌を行った。攪拌後、25℃まで温度を下げ、生じた析出物をろ過により分離した。NMR測定により、2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸を得た(収率99%)。
2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸の製造
2−ニトロメシチレン(和光純薬工業社製)10g(60.57mol)、ニトロメタン100mLを200mL四つ口フラスコに入れ、窒素導入下、攪拌しながら0℃まで冷却した。次に、液体三酸化イオウ(SO3)を5.1g(63.61mmol)加えた後、還流する温度(100℃)まで昇温させて24時間攪拌した。次に、60℃まで温度を下げ、水を2mL加えて2時間攪拌を行った。攪拌後、25℃まで温度を下げ、生じた析出物をろ過により分離した。NMR測定により、2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸を得た(収率99%)。
<製造例2>
2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸の製造
1,3,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン(Aldrich社製)10.8g(38.1mmol)、ニトロメタン100mLを200mL四つ口フラスコに入れ、窒素導入下、攪拌しながら0℃まで冷却した。次に、液体三酸化イオウ(SO3)を3.2g(40.0mmol)加えた後、還流する温度(100℃)まで昇温させて24時間攪拌した。次に60℃まで温度を下げ、水を2mL加えて2時間攪拌を行った。攪拌後、25℃まで温度を下げ有機相と水相を分離した。分離した有機相の溶媒をエバポレーターにて除去した。NMR測定により、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸を得た(収率31%)。
2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸の製造
1,3,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン(Aldrich社製)10.8g(38.1mmol)、ニトロメタン100mLを200mL四つ口フラスコに入れ、窒素導入下、攪拌しながら0℃まで冷却した。次に、液体三酸化イオウ(SO3)を3.2g(40.0mmol)加えた後、還流する温度(100℃)まで昇温させて24時間攪拌した。次に60℃まで温度を下げ、水を2mL加えて2時間攪拌を行った。攪拌後、25℃まで温度を下げ有機相と水相を分離した。分離した有機相の溶媒をエバポレーターにて除去した。NMR測定により、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸を得た(収率31%)。
<実施例1>
ドデシルアルコール49.7g(0.267mol)、無水グルコース24.0g(0.133mol)を200mL五つ口フラスコに入れ、窒素導入下、圧力を4.76〜5.33 kPaに保ち、攪拌しながら105℃まで昇温した。次に、触媒として2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸0.114g(0.467mmol)を加え、そのまま8時間反応させて、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は97%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は3.8%であった。
ドデシルアルコール49.7g(0.267mol)、無水グルコース24.0g(0.133mol)を200mL五つ口フラスコに入れ、窒素導入下、圧力を4.76〜5.33 kPaに保ち、攪拌しながら105℃まで昇温した。次に、触媒として2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸0.114g(0.467mmol)を加え、そのまま8時間反応させて、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は97%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は3.8%であった。
<実施例2>
触媒を2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸とし、反応時間を6時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は93.3%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は7.5%であった。
触媒を2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸とし、反応時間を6時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は93.3%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は7.5%であった。
<比較例1>
触媒を2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)とし、反応時間を6時間に変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は55.7%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は17.7%であった。
触媒を2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)とし、反応時間を6時間に変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は55.7%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は17.7%であった。
<比較例2>
触媒をp-トルエンスルホン酸(和光純薬工業社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は99.2%、HPLC分析によるポリグルコース生成量12.6%であった。
触媒をp-トルエンスルホン酸(和光純薬工業社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は99.2%、HPLC分析によるポリグルコース生成量12.6%であった。
<比較例3>
触媒をヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸(東京化成工業社製)とし、反応時間を6時間に変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は99.4%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は16.4%であった。
触媒をヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸(東京化成工業社製)とし、反応時間を6時間に変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は99.4%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は16.4%であった。
<比較例4>
触媒を2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)、触媒量を1.33mmolに変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は98.6%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は13.6%であった。
触媒を2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)、触媒量を1.33mmolに変更した以外は実施例1と同様にして、アルキルグリコシドを得た。GC分析によるグルコース転化率は98.6%、HPLC分析によるポリグルコース生成量は13.6%であった。
表1に示されるように、本発明の製造方法によれば、反応開始時における、アルコールと糖との配合モル比が小さい場合においても、糖縮合物の生成が抑制された。また、触媒量が少ない場合においても高いグルコース転化率を示し、効率よくアルキルグリコシドを製造できた。
本発明は、アルキルグリコシドの製造方法として有用である。
Claims (9)
- 前記一般式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール
基又はハロゲン化アルキル基である、請求項1に記載のアルキルグリコシドの製造方法。 - 前記アリールスルホン酸が、 2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸又は2,4,6−トリメチル−3−ニトロベンゼンスルホン酸である、請求項1又は2に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
- 前記アリールスルホン酸の使用量が、前記糖1モルに対して0.0001〜0.1モルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
- 反応開始時における前記アルコールの配合比が、前記糖1モルに対して1〜7モルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
- 前記糖が単糖である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
- 前記糖がグルコースである、請求項6に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
- 前記アルコールが、炭素数8〜18のアルコールである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
- 前記糖が1水和物又は無水物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアルキルグリコシドの製造方法。
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2012
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