JP2013180635A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハイブリッド車両の高圧系システムに異常がある場合に電動機の回転数を下げて電圧上昇に対する保護を行うことで、電動機等の小型化を実現する。
【解決手段】 第2変速機構のいずれか1つの変速段が係合した状態で第2断接手段を係合状態にすると共に、第1変速機構のいずれか1つの変速段を係合するプレシフト制御を行う。第1断接手段が非係合状態つまり内燃機関出力軸と第1入力軸とが非係合状態にあるときは、第1入力軸に電動機のみが接続された状態にあるので、プレシフト制御に伴い係合された変速段によって電動機の回転数が下がる。電動機の回転数が低下したら、高圧制御装置と第1蓄電装置との電気的な接続を遮断する。こうすると、従来のように電動機の回転数が上昇せずに、電動機の回転に伴い生じる電圧上昇が低くに抑えられて発生する誘起電圧は従来に比べると低くなるので、高圧系システムを構成する電動機及び高圧制御装置を小型化できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、駆動源として内燃機関と電動機とを備えた車両(いわゆるハイブリッド車両)に関する。特に、複数クラッチ式の変速機を備えたハイブリッド車両において、電動機及び高圧電装装置の小型化を実現するための技術に関する。
最近では、駆動源として内燃機関(エンジン)の他に電動機(モータ)を更に具えたハイブリッドタイプの車両が知られている。ハイブリッド車両は、直流電源(バッテリ)からの直流電力を交流電力に変換してモータを駆動するものが一般的であり、エンジンのみで車両を走行するエンジン単独走行、モータのみで車両を走行するモータ単独走行、エンジンとモータとを組み合わせて車両を走行するハイブリッド走行のいずれかで車両を走行させることのできるようになっている(例えば、下記に示す特許文献1参照)。また、特許文献1には、動力伝達機構として2つの入力軸を備えたデュアルクラッチで構成された自動変速機を搭載したハイブリッド車両が開示されている。
ハイブリッド車両においては、駆動源であるモータ、バッテリから供給される電力に基づいてモータを制御する高圧電装装置の少なくとも一方に異常が発生したか否かを診断し、例えばレゾルバ故障や一部箇所の断線あるいは短絡発生さらにはセンサ異常などの軽度の異常(弱フェイルなどと呼ばれる)の発生を検知したような場合に、エンジンのみを用いて確実に最寄りのディーラーなどの目的地まで車両を安全に走行させるための制御、所謂リンプホームなどと呼ばれる制御を行うことが知られている(例えば、下記に示す特許文献2参照)。例えば特許文献2に記載の発明ではリンプホームとして、クラッチをオフしてモータとエンジンとを断接するときにエンジンを低速定回転で駆動することによって、エンジンからの出力を制限しつつ車両を走行させるようにしている。なお、本明細書では前記モータと前記高圧電装装置とを含めて高圧系システム(又はモータ動力系システム)と呼ぶ。
特開2010‐164192号 特開2000‐152416号
ところで、モータとエンジンとをクラッチによって断接可能であり、クラッチを接続することでモータとエンジンとが直結して動作する特許文献1に記載したようなハイブリッド車両においては、弱フェイルの検知に伴ってリンプホームを行う場合に、メインコンタクタをオフすることによってバッテリから供給される電力を遮断して、モータを駆動できない状態にすることが行われる。すなわち、モータ及び高圧電装装置(つまり高圧系システム)とバッテリとはメインコンタクタ(電磁接触器)を介して接続されており、機械的なスイッチ動作可能な前記メインコンタクタをオフ(スイッチ開)することによって、高圧系システムとバッテリとが切り離されるようになっている。
しかし、従来ではメインコンタクタをオフしたとしてもすぐにはモータの回転数を落とすことができなかったが故に、高圧電装装置やモータを小型化することは難しいという問題があった。すなわち、高圧電装装置は指定されたトルクあるいは回転数を発生するようにモータを制御するものであり、スイッチング素子、インバータ(PDU)、DC-DCコンバータ、コンデンサ等の高圧系回路並びに素子を含んでなる。上述のように弱フェイルの発生に伴ってメインコンタクタがオフされた場合には、モータの回転に伴い生ずる電流が影響してコンデンサに電荷が蓄積されて電圧が上昇していく。このときに、PDUを動作させたままでいると、前記上昇する電圧がPDUの耐圧を超えてしまいPDU自体にも故障が生じる恐れがある。
そこで、弱フェイルの発生に伴うメインコンタクタのオフ後にはPDU自体を保護するPDU自己保護動作を行うようになっている。ただし、PDU自己保護動作の完了時(詳しくはゲートオフ時)には、短時間の間に一時的に電圧が急激に上昇するサージ電圧がどうしても発生する。このサージ電圧はPDUを含む高圧電装装置及びモータに影響し、場合によってはそれらの故障を引き起こす原因となる。
上記サージ電圧による高圧電装装置及びモータの故障を防止するために、高圧電装装置に関してはPDU等の各素子の耐圧値をモータの回転に伴って発生する電圧上昇分にサージ電圧が加算されたとしてもそれに耐え得るだけの余裕を持って予め高くしておく必要がある。また、モータをそのまま放置すると、モータから発生される誘起電圧は回転数に対応した電圧まで上昇することから、この回転数に応じて高くなる電圧値に耐えられる耐圧値の高い素子を用いる必要もある。このように、高圧電装装置に関しては耐圧値の高い素子を用いる必要があるが、高圧電装装置が大型化しまたコストが高くなることから問題である。
一方、高圧電装装置に耐圧値の高い素子を用いると損失が増えることからすれば、モータの誘起電圧は低く設定しなければならない。ここで、モータの誘起電圧係数はモータのトルク定数と比例することが知られている。そうであるなら、モータの誘起電圧を低く設定するには、トルク定数をある程度低く設定すればよい。しかし、それは、モータの定格電圧に対し十分に高いトルク定数を設定できないことを意味する。その結果、所定のモータトルクを得るために相電流を大きく設定せざるを得なくなり、どうしてもモータの体格が大きくなってしまう。また、相電流を大きく設定することに伴って、高圧電装装置においても各素子や三相ケーブル等の容量を大きくする必要があり、高圧電装装置が大型化するしまたコストが上がることから問題となる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、デュアルクラッチで構成された自動変速機を搭載したハイブリッド車両において電動機及び高圧電装装置の少なくとも一方に異常が発生した場合に、電動機の回転数を下げて回転に応じて発生する電圧上昇に対するシステム保護を行うことによって、モータ及び高圧電装装置の小型化を実現したハイブリッド車両を提供しようとするものである。
本発明に係るハイブリッド車両は、駆動源に内燃機関と電動機とを有してなり、前記内燃機関出力軸及び前記電動機からの機械的動力を該電動機に接続された第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合して前記第1入力軸と駆動輪とを係合させることが可能な第1変速機構と、前記内燃機関出力軸からの機械的動力を第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合して前記第2入力軸と駆動輪とを係合させることが可能な第2変速機構と、前記内燃機関出力軸と前記第1入力軸との係合及び非係合を切り替え可能な第1断接手段と、前記内燃機関出力軸と前記第2入力軸との係合及び非係合を切り替え可能な第2断接手段とを備えたハイブリッド車両において、前記電動機の電源であり且つ前記電動機が発電した電力で充電される第1蓄電装置と、前記第1蓄電装置から供給される電力に基づいて前記電動機を制御する高圧電装装置と、前記高圧電装装置と前記第1蓄電装置とを電気的に接続する接続手段と、車両走行中に前記電動機又は前記高圧電装装置の少なくとも一方に異常が発生したか否かを診断する診断手段と、前記診断手段により前記電動機又は前記高圧電装装置の少なくとも一方に異常が発生したと診断された場合に、前記第2変速機構のいずれか1つの変速段が係合した状態で前記第2断接手段を係合状態にすると共に、前記第1変速機構のいずれか1つの変速段を係合するプレシフト制御によって前記電動機の回転数を下げた後に、前記接続手段による前記高圧電装装置と前記第1蓄電装置との電気的な接続を遮断することを特徴とする制御手段とを備える。
本発明にかかるハイブリッド車両では、車両走行中に電動機又は高圧電装装置の少なくとも一方に異常が発生したことを検知すると、第2変速機構のいずれか1つの変速段が係合した状態で第2断接手段を係合状態にする。第2断接手段を係合状態にすると内燃機関出力軸と第2入力軸とが係合されるので、内燃機関からの出力による車両走行状態となる。前記第2断接手段を係合状態にするのにあわせ、第1変速機構のいずれか1つの変速段を係合する。すなわち、プレシフト制御を行う。第1断接手段が非係合状態つまり内燃機関出力軸と第1入力軸とが非係合状態にあるときは、第1入力軸に電動機のみが接続された状態にあるので、前記プレシフト制御に伴い係合された変速段によって電動機の回転数が下げられる。そして、高圧電装装置と第1蓄電装置との電気的な接続を遮断する。このようにすると、従来のように電動機の回転数が上昇しないので、電動機の回転に伴い生じる電圧上昇を低くに抑えることができる。すなわち、第1変速機構において係合したいずれか1つの変速段によって電動機の回転数を任意の回転数に抑えることが可能となり、従来のように電動機の回転数が上昇しないので、電動機の回転に伴い生ずる電圧上昇を低くに抑えることができるようになる。
これに伴い、前記電圧上昇分に例えサージ電圧が加算されたとしても従来に比べれば低い電圧となるし、また電動機から発生される誘起電圧が回転数に対応して上昇するとしても、この回転数に応じて高くなる電圧を従来に比べて低くできることから、高圧電装装置の各素子の耐圧値を大きく高める必要がなく、それ故、高圧電装装置が大型化しまたコストが高くなることもない。さらに、高圧電装装置に耐圧値の高い素子を用いなければ、電動機の相電流を大きく設定する必要もないことから、電動機の体格を大きくしなくてよい。このように、本発明では電動機の回転に伴い発生する電圧上昇分に応じた誘起電圧を従来に比べ低く制御することにより、高い電圧値に耐え得る大型の電動機及び高圧電装装置を用いなくとも小型の電動機及び高圧電装装置を用いればよい。
本発明によれば、第2断接手段を係合状態にするのにあわせて、第1変速機構のいずれか1つの変速段を係合するプレシフト制御によって電動機の回転数を下げ、電動機の回転数を下げた後に電動機と高圧電装装置との電気的な接続を遮断するようにした。これにより、電動機の回転に伴い生じる電圧上昇が低くに抑えられまた電動機に発生する誘起電圧は従来に比べると低くなることから、電動機及び高圧電装装置を小型化することができる、という効果を奏する。
本発明の一実施形態における車両の概略的な接続構成図。 図1に示すトランスミッションのスケルトン図。 図1に示す電子制御ユニットにより実行される異常時制御処理の一例を示すフローチャート。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
まず、本実施形態における車両の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態における車両の概略的な接続構成図である。本実施形態の車両1は、いわゆるハイブリッド車両であり、図1に示すように、駆動源としての内燃機関2(以下、エンジン)及び電動機3(以下、モータ)と、モータ3を制御するための高圧電装装置(以下、「PCU」と記す。)20と、モータ3に対して電力を供給する高電圧(例えば144V)のバッテリ30(第1蓄電装置)と、当該車両の車載機器に対して電力を供給する低電圧(例えば12V)のバッテリ35(第2蓄電装置)と、バッテリ30とモータ3とを電気的に接続してバッテリ30とモータ3間の電力供給を機械的なオンオフ動作によって制御するメインコンタクタ(電磁接触器)40と、トランスミッション(変速機)4と、ディファレンシャル機構5と、左右のドライブシャフト6R、6Lと、左右の駆動輪7R、7Lとを備える。ここで、前記モータ3はモータジェネレータを含み、前記バッテリ30,35は蓄電器でありキャパシタを含み、前記PCU20はスイッチング素子、インバータ(整流部)、DC-DCコンバータ(電圧変換部)、コンデンサ等の高圧系回路並びに素子を含む。エンジン2とモータ3の回転駆動力は、トランスミッション4、ディファレンシャル機構5およびドライブシャフト6R、6Lを介して左右の駆動輪7R、7Lに伝達される。
車両1は、エンジン2、モータ3、トランスミッション4、ディファレンシャル機構5、PCU20、バッテリ30、コンタクタ40をそれぞれ制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)10をさらに備える。この電子制御ユニット10は1つのユニットとして構成されるだけでなく、例えばエンジン2を制御するためのエンジンECU、PCU20さらにはコンタクタ40を制御するためのモータジェネレータECU、バッテリ30を制御するためのバッテリECU、トランスミッション4を制御するためのATECUなど複数のECUから構成されてもよい。
電子制御ユニット10は、各種の運転条件に応じて、モータ3のみを動力源とするモータ単独走行(EV走行)をするように制御したり、エンジン2のみを動力源とするエンジン単独走行をするように制御したり、エンジン2とモータ3の両方を動力源として併用する協働走行(HEV走行)をするように制御する。また、車両走行中にモータ異常を検知した場合、この実施形態における電子制御ユニット10では後述の異常時制御処理(図3参照)を行うようになっている。その際に参照する制御パラメータとして、例えばギヤ段(変速段)を検出するシフトセンサA1からのシフト位置、モータ3の回転数を検出する回転数センサA2からのモータ回転数、車両の速度を検出する車速センサA3からの車速などの各種信号が、電子制御ユニット10に入力されるようになっている。勿論、ここに記載した以外の信号が入力されてもよい。
エンジン2は、燃料を空気と混合して燃焼することにより車両1を走行させるための駆動力を発生する内燃機関である。モータ3は、エンジン2とモータ3との協働走行やモータ3のみのEV走行の際には、バッテリ30の電気エネルギーを利用して車両1を走行させるための駆動力を発生するモータとして機能するとともに、車両1の減速時にはモータ3の回生により電力を発電する発電機としても機能する。モータ3は例えば界磁に永久磁石を利用した永久磁石式3相交流モータ等のブラシレスDCモータであって、PCU20に接続されている。
PCU20は、電子制御ユニット10によるスイッチング制御に従ってバッテリ30から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータ3へ出力する。これにより、モータ3は指定されたトルクを発生するように駆動される。また、PCU20は、エンジン2の出力を受けてモータ3が発電した3相交流電圧を電子制御ユニット10によるスイッチング制御に従って直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をバッテリ30へ出力する、あるいはDC-DCコンバータを介して低電圧バッテリ35へ出力する。このモータ3の回生時に、バッテリ30や低電圧バッテリ35はモータ3により発電された電力(回生エネルギー)により充電される。このようなモータ3を駆動させる駆動状態とモータ3を回生させて電力を発生させる回生状態との切り換えは、電子制御ユニット10がPCU20を制御することにより行われる。さらに、PCU20はモータ3の回転数や温度などを検知する各種センサを含んでいてよい。
次に、本実施形態のトランスミッション4の構成を説明する。図2は、図1に示すトランスミッション4のスケルトン図である。ここに示すトランスミッション4は、前進7速、後進1速の平行軸式トランスミッションであり、乾式のデュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)である。
トランスミッション4には、エンジン2の機関出力軸をなすクランクシャフト(図示せず)およびモータ3に接続される内側メインシャフト100(第1入力軸)と、この内側メインシャフト100の外筒をなす外側メインシャフト101(第2入力軸)と、内側メインシャフト100にそれぞれ平行なセカンダリシャフト400(第2入力軸)、アイドルギヤ300、リバースシャフト500と、これらのシャフトに平行で出力軸をなすカウンタシャフト200とが設けられる。
これらのシャフトのうち、外側メインシャフト101がアイドルギヤ300を介してリバースシャフト500およびセカンダリシャフト400に常時係合し、カウンタシャフト200がさらに図3では図示しないディファレンシャル機構5に常時係合するように配置される。
また、トランスミッション4は、奇数段用の第1クラッチC1(第1断接装置)と、偶数段用の第2クラッチC2(第2断接装置)とを備える。第1および第2クラッチC1、C2は乾式のクラッチである。第1クラッチC1は内側メインシャフト100(第1入力軸)に結合される。第2クラッチC2は、外側メインシャフト101(第2入力軸の一部)に結合され、外側メインシャフト101上に固定されたギヤ48からアイドルギヤ300を介してリバースシャフト500およびセカンダリシャフト400(第2入力軸の一部)に連結される。
内側メインシャフト100(第1入力軸)のモータ3よりの所定箇所にはプラネタリギヤ機構70が固定配置されており、プラネタリギヤ機構70のサンギヤ71はモータ3のロータに、キャリヤ73は3速駆動ギヤ43にそれぞれ接続されている。リングギヤ75は、1速シンクロメッシュ機構41により変速機ケース等の不動部に解除自在に固定される。内側メインシャフト100(第1入力軸)の外周には、図3において左側から順に、1速駆動ギヤとなるプラネタリギヤ機構70のキャリヤ73と、3速駆動ギヤ43と、7速駆動ギヤ47と、5速駆動ギヤ45が配置される。3速駆動ギヤ43、7速駆動ギヤ47、5速駆動ギヤ45はそれぞれ内側メインシャフト100に対して相対的に回転可能であり、また上記したようにギヤ43はプラネタリギヤ機構70のキャリヤ73に連結されている。更に、内側メインシャフト100上には、3速駆動ギヤ43と7速駆動ギヤ47との間に3−7速シンクロメッシュ機構(セレクタ機構)81が軸方向にスライド可能に設けられ、かつ、5速駆動ギヤ45に対応して5速シンクロメッシュ機構(セレクタ機構)82が軸方向にスライド可能に設けられる。所望のギヤ段に対応するシンクロメッシュ機構(セレクタ機構)をスライドさせて該ギヤ段のシンクロを入れることにより、該ギヤ段が内側メインシャフト100(第1入力軸)に連結される。メインシャフト100(第1入力軸)に関連して設けられたこれらのギヤ及びシンクロメッシュ機構によって、奇数段の変速段を実現するための第1変速機構が構成される。第1変速機構の各駆動ギヤは、カウンタシャフト200上に設けられた対応する従動ギヤに噛み合い、カウンタシャフト200を回転駆動する。
セカンダリシャフト400(第2入力軸)の外周には、図2において左側から順に、2速駆動ギヤ42、6速駆動ギヤ46と、4速駆動ギヤ44とが相対的に回転可能に配置される。更に、セカンダリシャフト400上には、2速駆動ギヤ42と6速駆動ギヤ46との間に2−6速シンクロメッシュ機構83が軸方向にスライド可能に設けられ、かつ、4速駆動ギヤ44に対応して4速シンクロメッシュ機構(セレクタ機構)84が軸方向にスライド可能に設けられる。この場合も、所望のギヤ段に対応するシンクロメッシュ機構(セレクタ機構)をスライドさせて該ギヤ段のシンクロを入れることにより、該ギヤ段がセカンダリシャフト400(第2入力軸)に連結される。セカンダリシャフト400(第2入力軸)に関連して設けられたこれらのギヤ及びシンクロメッシュ機構によって、偶数段の変速段を実現するための第2変速機構が構成される。第2変速機構の各駆動ギヤも、カウンタシャフト200上に設けられた対応する従動ギヤに噛み合い、カウンタシャフト200を回転駆動する。なお、セカンダリシャフト400に固定されたギヤ49はアイドルギヤ300に結合しており、該アイドルギヤ300から外側メインシャフト101を介して第2クラッチC2に結合される。
なお、第1変速機構において、任意の或る変速段を選択するとは、当該変速段に対応するギヤのシンクロが入れられて該ギヤが内側メインシャフト100(第1入力軸)に連結されることを意味する。また、この第1変速機構において、エンジン走行用の変速段(又は駆動ギヤ段)を実現するとは、該変速段(又は駆動ギヤ段)を上記のように選択した(シンクロを入れた)上で、対応する第1クラッチC1を係合させて内側メインシャフト100(第1入力軸)をエンジン出力軸に連結することを意味する。
同様に、第2変速機構において、任意の或る変速段を選択するとは、当該変速段に対応するギヤのシンクロが入れられて該ギヤがセカンダリシャフト400(第2入力軸)に連結されることを意味する。また、この第2変速機構において、エンジン走行用の変速段(又は駆動ギヤ段)を実現するとは、該変速段(又は駆動ギヤ段)を上記のように選択した(シンクロを入れた)上で、対応する第2クラッチC2を係合させてセカンダリシャフト400(第2入力軸)をエンジン出力軸に連結することを意味する。
リバースシャフト500の外周には、リバース駆動ギヤ46が相対的に回転可能に配置される。また、リバースシャフト500上には、リバース駆動ギヤ46に対応してリバースシンクロメッシュ機構85が軸方向にスライド可能に設けられ、また、アイドルギヤ300に係合するギヤ50が固定されている。リバース走行する場合は、シンクロメッシュ機構85のシンクロを入れて、第2クラッチC2を係合することにより、第2クラッチC2の回転が外側メインシャフト101及びアイドルギヤ300を介してリバースシャフト500に伝達され、リバース駆動ギヤ46が回転される。リバース駆動ギヤ46は内側メインシャフト100上のギヤ56に噛み合っており、リバース駆動ギヤ46が回転するとき内側メインシャフト100は前進時とは逆方向に回転する。また、リバース走行する場合は、1速シンクロメッシュ機構41がリングギヤ75をロックするように選択され、内側メインシャフト100の逆方向の回転はプラネタリギヤ機構70のキャリヤ73からそれに連結したギヤ43を介してカウンタシャフト200に伝達される。
カウンタシャフト200上には、図2において左側から順に、2−3速従動ギヤ51と、6−7速従動ギヤ52と、4−5速従動ギヤ53と、パーキング用ギヤ54と、ファイナル駆動ギヤ55とが固定的に配置される。ファイナル駆動ギヤ55は、ディファレンシャル機構5のディファレンシャルリングギヤ(図示せず)と噛み合うようになっており、これにより、カウンタシャフト200の出力軸の回転がディファレンシャル機構5の入力軸(つまり車両推進軸)に伝達される。また、プラネタリギヤ機構70のリングギヤ75には、該リングギヤ75の回転を停止するため、リングギヤ75をギヤケースに係合する1速シンクロメッシュ機構41が設けられる。
2−6速シンクロメッシュ機構83のシンクロスリープを左方向にスライドすると、2速駆動ギヤ42がセカンダリシャフト400に結合され、右方向にスライドすると、6速駆動ギヤ46がセカンダリシャフト400に結合される。また、4速シンクロメッシュ機構84のシンクロスリープを右方向にスライドすると、4速駆動ギヤ44がセカンダリシャフト400に結合される。このように偶数の駆動ギヤ段を選択した状態で、第2クラッチC2を係合することにより、トランスミッション4は偶数の変速段(2速、4速、又は6速)に設定される。
3−7速シンクロメッシュ機構81のシンクロスリープを左方向にスライドすると、3速駆動ギヤ43が内側メインシャフト100に結合されて3速の変速段が選択され、右方向にスライドすると、7速駆動ギヤ47が内側メインシャフト100に結合されて7速の変速段が選択される。また、5速シンクロメッシュ機構82のシンクロスリープを右方向にスライドすると、5速駆動ギヤ45が内側メインシャフト100に結合されて5速の変速段が選択される。シンクロメッシュ機構81、82がどのギヤ43、47、45も選択していない状態で且つ1速シンクロメッシュ機構41がリングギヤ75をギヤケースに係合した状態では、プラネタリ機構70のキャリヤ73の回転がこれに連結したギヤ43を介してカウンタシャフト200に伝達され、1速の変速段が選択されることになる。奇数の駆動ギヤ段を選択した状態で第1クラッチC1を係合することにより、トランスミッション4は奇数の変速段(1速、3速、5速、又は7速)に設定される。
ハイブリッド車両においては、公知のように、モータ3に軽度の異常(弱フェイル)が発生した場合にモータ3を切り離しエンジン2のみを用いて車両を走行させるリンプホームを行うが、本実施形態ではリンプホームを行う際にモータ異常の検知に応じてすぐにメインコンタクタ40をオフすることなく、少なくともモータ3の回転数を下げる制御を行ってからメインコンタクタ40をオフすることによって、モータ3の回転に伴って生じ得る電圧上昇により引き起こされるPCU20やモータ3への影響を最小限に抑制しようとするものである。以下、説明する。
電子制御ユニット10が高圧系システムの異常時に実行する制御処理について、図3を用いて説明する。図3は、異常時制御処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す異常時制御処理は、車両が運転に供されることを検知した場合、例えば運転者によりイグニッションキーがオンされることに応じて開始される。
ステップS1は、車両走行中に図示を省略した公知の高圧系システム異常診断により高圧系システムの異常を検知したか否かを判定する。公知の高圧系システム異常診断としては、例えばモータ回転数やモータ温度あるいはバッテリ電圧値などの各種センサの出力値の監視による異常診断や、制御データとセンサ出力値との整合性のチェックによる故障診断等がある。高圧系システムの異常を検知していないと判定した場合には(ステップS1のNO)、ステップS1の処理を繰り返す。
高圧系システムの異常を検知したと判定した場合には(ステップS1のYES)、車両停止時におけるエンジン2の自動停止、所謂アイドルストップを禁止する(ステップS2)。これは、一般的にハイブリッド車両の発進時には駆動源をモータ3のみとするEV走行が行われるが、モータ異常を検知した場合においてはモータ3が正常に駆動せず、車両が発進できなくなる恐れがある。そこで、車両停止時のアイドルストップを禁止して、車両が停車したとしてもエンジン2を自動停止する制御が行われないようにすることによって、車両発進時にエンジン2の駆動力を利用できるようにしている。
ステップS3は、モータ回転数ダウン制御を実行する。この制御についての詳細は後述するが、エンジン走行用の変速段として奇数段(第1変速機構)の利用を禁止して偶数段(第2変速機構)を利用した車両走行状態にする。すなわち、車両の現走行状態に関わらず、エンジン2のみを動力源とする偶数段でのエンジン単独走行状態(奇数段走行禁止)とする。また、それに伴い、エンジン2を利用しての走行を禁止した奇数段(第1変速機構)を使ってモータ3の回転数を下げる処理を行う。詳しくは後述するが、主には奇数段(第1変速機構)において最も高速側の変速段(7段)を利用してモータ3の回転数を下げる。最高速側の変速段(7段)を利用するのは、減速比を1:1に近づけてモータ3の回転数を短い時間内で大きく低下させるためである。ステップS4は、コンタクタ40をオフする(開放する)。このようにして、本実施形態ではモータ異常の検知に応じて、モータ3の回転数を下げてからコンタクタ40をオフする。ステップS5は、モータ3の回転に伴いモータ3から発生される電力をPCU20に含まれるコンデンサに蓄積させないための発電電力調整を実行する。
ここで、ステップS5の発電電力調整処理では、スロットルオフによって車速を低下させる車速制限処理をエンジン2に対して行い、モータ3が機能している場合とモータ3が機能していない場合とで異なる処理を行う。モータ3が機能していない場合には、奇数段の利用を禁止し偶数段を利用する車両走行状態として(ステップS3参照)、奇数段(第1変速機構)においていずれの変速段をも係合させずに且つ第1クラッチを解放した状態とすることによって、モータ3の回転を停止させる。ただし、この場合におけるエンジン2による車両走行は、低電圧バッテリ35から電力供給可能な時間だけに限られる。
一方、モータ3が機能している場合には、さらにPCU20に含まれるインバータが機能している場合とインバータが機能していない場合とで異なる処理を行う。インバータが機能している場合には、モータ3を奇数段の変速段のうち現時点での車速に応じたギヤにシフトする。そして、電圧上昇を引き起こさせないために、インバータで弱め界磁制御等を行い、モータ3の回転に応じて発生される発電電力を制限する制御が行われる。
他方、インバータが機能していない場合には、モータ3を奇数段の変速段のうち最も高速側のギヤにシフトする。そして、モータ3の回転に伴い発生される電力はインバータのダイオードで整流されて、PCU20に含まれるDC−DCコンバータ(図示せず)で低電圧バッテリ35に吸収させることにより、バッテリ30のバッテリ端が0となるようにする。このようにして、PCU20(詳しくはDC−DCコンバータ)によってモータ3の回転に応じて発生される発電電力を制限する制御が行われる。
次に、電子制御ユニット10によって車両走行時のモータ異常時に行われる上述したモータ回転数ダウン制御(図3のステップS3)の具体的な制御例について、場合を分けて説明する。ただし、ここでは図2に示した前進7速、後進1速のデュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)を備えた車両を例に説明する。
(1)現走行段が7速である場合。
第2変速機構において6速駆動ギヤ46をセカンダリシャフト400に連結するプレシフトが行われていない場合には、6速駆動ギヤ46をセカンダリシャフト400に連結する偶数段プレシフト制御を行う。第1クラッチC1の解除及び第2クラッチC2の締結を行って、現走行段を7速から6速へシフトダウンする(奇数段走行禁止)。7速での走行時においては、もともとモータ回転数がPCU20の各素子を破壊する電圧上昇を引き起こすには足りない十分に低い回転数であるが、7速から6速へのシフトによる車速の低下に応じて、モータ3の回転数は7速走行時よりも低下する。そして、7速駆動ギヤ47の連結を解除することにより(モータ3の切り離し)、モータ3をその回転数が比較的に時間をかけて自然に低下するフリーラン状態とする。
(2)現走行段が6速である場合。
第1変速機構において7速駆動ギヤ47を内側メインシャフト100に連結するプレシフトが行われていない場合には(5速駆動ギヤ45がプレシフト済みである場合を含む)、7速駆動ギヤ47を内側メインシャフト100に連結する奇数段プレシフト制御を行う。この場合には、もともと偶数段でのエンジン単独走行(奇数段走行禁止)であり第1クラッチC1が締結されていないことから、第1変速機構において7速駆動ギヤ47が連結されることに応じて、モータ3の回転数が低下する。この際には、現走行段の6速駆動ギヤ46よりも高速側の7速駆動ギヤ47(第1変速機構において最高変速段)を連結することから、モータ回転数を比較的短時間に大きく低下させることができる。モータ回転数あるいはモータ回転に伴い発生される電圧が所定値以下になったら7速駆動ギヤ47の連結を解除して(モータ3の切り離し)、モータ3をフリーラン状態とする。
(3)現走行段が5速である場合。
第2変速機構において6速駆動ギヤ46をセカンダリシャフト400に連結するプレシフトを行う必要があるにも関わらず未だ行われていない場合には、6速駆動ギヤ46をセカンダリシャフト400に連結する偶数段プレシフト制御を行う。第1クラッチC1の解除及び第2クラッチC2の締結を行って、現走行段を5速から6速へシフトアップする(奇数段走行禁止)。一方、第2変速機構において4速駆動ギヤ44をセカンダリシャフト400に連結するプレシフトを行う必要があるにも関わらず未だ行われていない場合には、4速駆動ギヤ44をセカンダリシャフト400に連結する偶数段プレシフト制御を行う。第1クラッチC1の解除及び第2クラッチC2の締結を行って、現走行段を5速から4速へシフトダウンする(奇数段走行禁止)。そして、第1変速機構において5速駆動ギヤ45の内側メインシャフト100への連結を解除して、7速駆動ギヤ47を内側メインシャフト100に連結する奇数段プレシフト制御を行う。第1クラッチC1の解除に伴いエンジン2から駆動力が伝達されなくなった第1変速機構では、7速駆動ギヤ47が連結された内側メインシャフト100を介してモータ3の回転数が低下する。モータ回転数あるいはモータ回転に伴い発生される電圧が所定値以下になったら7速駆動ギヤ47の連結を解除して(モータ3の切り離し)、モータ3をフリーラン状態とする。
(4)現走行段が4速又は2速である場合。
この場合、上記した現走行段が6段のときと同様に制御すればよい。すなわち、7速駆動ギヤ47を内側メインシャフト100に連結する。ただし、この場合には、7速駆動ギヤ47を内側メインシャフト100に連結することに限らず、現走行段よりも高速側の奇数段の適当な変速段(図2の例では5速駆動ギヤ45)を内側メインシャフト100に連結してもよい。また、モータ3の切り離しを行ってモータ3をフリーラン状態とする。
(5)現走行段が3速である場合。ただし、この場合には、さらにモータ3の駆動力を利用してのエンジン押し掛け(クランキング)によって偶数段でのエンジン2の始動が完了している場合と、エンジン2の始動が完了していない場合とに分けて説明する。
現走行段が3速であり且つ押し掛けによってプレシフトした偶数段でのエンジン2の始動が完了している場合には、第1クラッチC1の解除を行う一方で第2クラッチC1の締結をそのまま維持することによって、プレシフトした偶数段でのエンジン単独走行に移行する(奇数段走行禁止)。すなわち、現走行段が3速から偶数段へシフトされる。その後は、上記した現走行段が偶数段(6速,4速,2速のいずれか)である場合と同様に制御すればよいことから、ここでの説明を省略する。
他方、現走行段が3速であり且つ押し掛けによってプレシフトした偶数段でのエンジン2の始動が完了していない場合には、偶数段へのプレシフト後に、第1クラッチC1の解除及び第2クラッチC2の締結を行って、現走行段を3速から偶数段へシフトする。ただし、この時点ではエンジン2が始動していないため偶数段でのエンジン単独走行には移行しない。現走行段を3速から偶数段へシフトすることに伴ってエンジン2に対して負荷がかかるので、これによりエンジン2は押し掛け始動されて偶数段でのエンジン単独走行に移行する(奇数段走行禁止)。つまりは、エンジン2を惰性走行のイナーシャで押し掛け始動する。こうして偶数段でのエンジン単独走行に移行すれば、その後は上記した現走行段が偶数段(6速,4速,2速のいずれか)である場合と同様に制御すればよいことから、ここでの説明を省略する。ただし、この場合には、エンジン2に対して負荷がかかる際に車速が低下するのでスロットルオフは行わなくてもよい。
上述したモータ回転数ダウン制御(図3のステップS3)において、奇数段走行禁止のための制御の後に続いて行われる奇数段プレシフト制御については、モータ3の回転数が高い場合にのみ実行するようにしてよい。一方、モータ3の回転数が低い場合には、奇数段走行禁止のための制御の後に続いて、現走行段よりも高速側の奇数段の適当な変速段を内側メインシャフト100に連結する奇数段プレシフト制御を行うことなく、奇数段における変速段の連結を解除してモータ3を切り離して、モータ3をフリーラン状態としてよい。すなわち、モータ3の回転数が低い場合には、モータ回転数を下げなくともPCU20に含まれるコンデンサへの荷電量が十分に少ないことから、特には奇数段プレシフト制御により素早くモータ回転数を下げる必要がない。なお、上述したプレシフト制御を行う際には、予めスロットルオフしておくとよい。
以上のように、本実施形態では、車両走行中に高圧系システムに異常が発生したことを検知すると、第2変速機構のいずれか1つのギヤ段(偶数段)が係合した状態で第2クラッチC2を係合状態にすると共に、第1変速機構のいずれか1つのギヤ段(奇数段)を第1クラッチC1が非係合状態にあるときに係合するプレシフト制御を行う。第2クラッチC2を係合状態にするとエンジン出力軸と外側メインシャフト101とが係合され、エンジン2からの出力による車両走行状態となる。第1クラッチC1が非係合状態つまりエンジン出力軸と内側メインシャフト100とが非係合状態にあるときは、内側メインシャフト100にモータ3のみが接続された状態にあるので、前記プレシフト制御に伴い係合されたギヤ段によってモータ3の回転数が下げられる。そして、モータ3の回転数を下げた後に、メインコンタクタ40をオフすることによってモータ3と高圧電装装置(PCU)20との電気的な接続を遮断する。
このようにすると、第1変速機構において係合したいずれか1つのギヤ段によってモータ3の回転数を任意の回転数に抑えることが可能となり、従来のようにモータ3の回転数が上昇しないので、モータ3の回転に伴いPCU20に含まれるコンデンサ(図示せず)に生じる電圧上昇を低くに抑えることができ、またモータ3に発生する誘起電圧を従来に比べると低くすることができるようになる。すなわち、モータ3の回転にともない発生する電圧上昇分に例えメインコンタクタ40のオフに伴い生じるサージ電圧が加算されたとしても従来に比べれば低い電圧となるし、またモータ3から発生される誘起電圧が回転数に対応して上昇するとしても、この回転数に応じて高くなる電圧を従来に比べて低くに制御することができる。したがって、PCU20の各素子の耐圧値を大きく高める必要がないために、PCU20が大型化しまたコストが高くなることがない。さらに、PCU20の各素子に耐圧値の高い素子を用いなければ、モータ3の相電流を大きく設定する必要もないことから、モータ3の体格を大きくしなくてよい。このように、本発明ではモータ3の回転に伴い発生する電圧上昇分に応じた誘起電圧を従来に比べ低く制御することにより、高い電圧値に耐え得る大型のモータ3及びPCU20を用いなくとも小型のものを用いればよい。なお、モータ3が小型化されると、ロータイナーシャを小さくでき応答性をよくできることから、エンジンの始動性が向上するという利点もある。
以上、図面に基づいて実施形態の一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な実施形態が可能であることは言うまでもない。
1 ハイブリッド車両
2 エンジン
3 電動機(モータ)
4 トランスミッション(変速機)
5 ディファレンシャル機構
6R,6L ドライブシャフト
7R,7L 駆動輪
10 電子制御ユニット
20 高圧電装装置(PCU)
30 バッテリ
35 低電圧バッテリ
40 メインコンタクタ(電磁接触器)
70 プラネタリギヤ機構
71 サンギヤ
72,74 プラネタリギヤ
73 キャリヤ
75 リングギヤ
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
OP オイルポンプ
90 オイルポンプ駆動シャフト
100 内側メインシャフト
101 外側メインシャフト
200 カウンタシャフト
300 アイドルギヤ
400 セカンダリシャフト
500 リバースシャフト

Claims (12)

  1. 駆動源に内燃機関と電動機とを有してなり、
    前記内燃機関出力軸及び前記電動機からの機械的動力を該電動機に接続された第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合して前記第1入力軸と駆動輪とを係合させることが可能な第1変速機構と、
    前記内燃機関出力軸からの機械的動力を第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合して前記第2入力軸と駆動輪とを係合させることが可能な第2変速機構と、
    前記内燃機関出力軸と前記第1入力軸との係合及び非係合を切り替え可能な第1断接手段と、
    前記内燃機関出力軸と前記第2入力軸との係合及び非係合を切り替え可能な第2断接手段と
    を備えたハイブリッド車両において、
    前記電動機の電源であり且つ前記電動機が発電した電力で充電される第1蓄電装置と、
    前記第1蓄電装置から供給される電力に基づいて前記電動機を制御する高圧電装装置と、
    前記高圧電装装置と前記第1蓄電装置とを電気的に接続する接続手段と、
    車両走行中に前記電動機又は前記高圧電装装置の少なくとも一方に異常が発生したか否かを診断する診断手段と、
    前記診断手段により前記電動機又は前記高圧電装装置の少なくとも一方に異常が発生したと診断された場合に、前記第2変速機構のいずれか1つの変速段が係合した状態で前記第2断接手段を係合状態にすると共に、前記第1変速機構のいずれか1つの変速段を係合するプレシフト制御によって前記電動機の回転数を下げた後に、前記接続手段による前記高圧電装装置と前記第1蓄電装置との電気的な接続を遮断することを特徴とする制御手段と
    を備えたハイブリッド車両。
  2. 前記制御手段は、車両停止時に前記内燃機関を自動停止する制御を禁止することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記制御手段は、前記電動機が低回転状態にある場合に、前記第1変速機構においていずれか1つの変速段が係合した状態にあれば、前記プレシフト制御を行うことなく当該変速段の係合を解除することによって前記電動機の回転数を下げることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記制御手段は、前記第1変速機構の複数の変速段のうち最も高速側の変速段を係合することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記高圧電装装置は少なくとも整流部及び電圧変換部を含んでなり、
    前記制御手段は、前記整流部に異常がない場合、前記整流部により前記電動機の回転に伴って発生された電力を調整することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  6. 当該車両の車載機器の電源である第2蓄電装置をさらに備えてなり、
    前記制御手段は、前記整流部に異常がある場合、前記電動機の回転に伴って発生される電力を前記電圧変換部によって前記第2蓄電装置に供給させることにより、前記電動機の回転に伴って発生された電力を調整することを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両。
  7. 前記制御手段は、現走行段が前記第1変速機構において最も高速側の変速段である場合、前記第1断接手段を非係合状態にする一方で前記第2変速機構において最も高速側の変速段を係合した状態で前記第2断接手段を係合状態にすることにより前記電動機の回転数を下げてから、前記第1変速機構の変速段の係合を解除することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  8. 前記制御手段は、現走行段が前記第1変速機構において最も高速側の変速段以外である場合、前記第1断接手段を非係合状態にする一方で前記第2変速機構のいずれか1つの変速段を係合した状態で前記第2断接手段を係合状態にし、前記第1変速機構の変速段の係合を最も高速側の変速段に切り換えることにより前記電動機の回転数を下げてから、前記第1変速機構の変速段の係合を解除することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  9. 前記制御手段は、現走行段が前記第2変速機構におけるいずれか1つの変速段である場合、前記第1変速機構において最も高速側の変速段への切り換えにより前記電動機の回転数を下げてから、前記切り換えた最も高速側の変速段の係合を解除することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  10. 前記制御手段は、前記電動機のみによる車両走行時において前記第2変速機構を利用した押し掛けによる前記内燃機関の始動が完了している場合、前記第1断接手段を非係合状態にすると共に、前記第1変速機構において最も高速側の変速段への切り換えにより前記電動機の回転数を下げてから、前記切り換えた最も高速側の変速段の係合を解除することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  11. 前記制御手段は、前記電動機のみによる車両走行時において前記第2変速機構を利用した押し掛けによる前記内燃機関の始動が完了していない場合、前記第1断接手段を非係合状態にする一方で前記第2変速機構のいずれか1つの変速段に係合した状態で前記第2断接手段を係合状態にすると共に、前記第1変速機構において最も高速側の変速段への切り換えにより前記電動機の回転数を下げてから、前記切り換えた最も高速側の変速段の係合を解除することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  12. 前記高圧電装装置の許容電圧は、前記制御手段により低下された回転数での回転に応じて生じ得る誘起電圧と略同一であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
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