JP2013180085A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2013180085A
JP2013180085A JP2012046364A JP2012046364A JP2013180085A JP 2013180085 A JP2013180085 A JP 2013180085A JP 2012046364 A JP2012046364 A JP 2012046364A JP 2012046364 A JP2012046364 A JP 2012046364A JP 2013180085 A JP2013180085 A JP 2013180085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bending
slider
housing
bending portion
chain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012046364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5840033B2 (ja
Inventor
Ryosuke Ishizaki
良輔 石崎
Hiroaki Miyoshi
弘晃 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Medical Systems Corp
Original Assignee
Olympus Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Medical Systems Corp filed Critical Olympus Medical Systems Corp
Priority to JP2012046364A priority Critical patent/JP5840033B2/ja
Publication of JP2013180085A publication Critical patent/JP2013180085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5840033B2 publication Critical patent/JP5840033B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)
  • Endoscopes (AREA)

Abstract

【課題】牽引部材の張り具合を調整可能で、かつ、牽引機構を動作させたときに牽引部材に負荷をかけ難くすることが可能な内視鏡を提供する。
【解決手段】内視鏡は、挿入部と操作入力部と牽引部材と牽引機構と連結機構とを有する。挿入部は、先端硬質部と、複数の方向に湾曲可能な湾曲部とを有する。牽引部材は先端硬質部又は湾曲部に一端が連結され、他端が操作入力部に向かって延出されている。牽引機構は操作入力部の操作の入力に応じて牽引部材の一端を牽引することが可能である。連結機構は、牽引部材の他端と牽引機構との間に配設されている。連結機構は牽引部材の他端と牽引機構とを牽引部材の軸方向に相対的に移動させるスライダ機構を有する。連結機構は、スライダ機構に設けられ牽引部材を牽引した状態でのスライダ機構と牽引部材の一端との間の牽引部材の張り具合を調整する調整機構を有する。
【選択図】図3A

Description

この発明は、医療用や工業用等、種々の用途に用いられる内視鏡に関する。
例えば特許文献1の内視鏡の操作部では、挿入部の湾曲部を湾曲させるために、スプロケットに2つの端部を有するチェーンが巻回された状態でそのスプロケットを操作部の操作により回転させると、例えばチェーンの一端及びチェーンの一端に連結されたアングルワイヤを張り、チェーンの他端側を撓ませる。このとき、チェーンと、チェーンの外側を覆ってチェーンの動きを案内する側壁部との間の空間でチェーンの他端側の撓みを許容することができる。そして、チェーンの他端側が撓むことにより、チェーンの他端側に連結されたアングルワイヤが撓むのを防止し、そのアングルワイヤに負荷をかけるのを防いでいる。
アングルワイヤは例えば湾曲部の湾曲動作を繰り返して牽引回数が増えるにしたがって、挿入部に対して伸びる傾向がある。特許文献1には、内視鏡の湾曲部を湾曲させるために牽引されるアングルワイヤの張り具合を調整可能であることが開示されている。具体的には、チェーンの一端及び他端にはそれぞれアングルワイヤの基端に接続された留め部材を引っかける部位が長手方向に複数ある。このため、留め部材をチェーンの一端及び他端の適宜の位置に引っかけることで、アングルワイヤの張り具合を調整可能である。
特開2000−51146号公報
例えば特許文献1の内視鏡の場合、湾曲部を2方向に湾曲させるためにスプロケット(牽引機構)を2方向に回転可能であるので、チェーン(牽引機構)の一端側の部位及び他端側の部位とチェーンを覆う側壁部との間にチェーンの撓みを許容するための空間をそれぞれ形成する必要がある。このため、それぞれの空間の分だけ操作部を幅方向に大きくしてしまう。
一方、チェーンとチェーンを覆う側壁部との間にチェーンの撓みを許容する空間をそれぞれ形成しないと、スプロケットを回転させたときに挿入部の先端側に押し出したチェーンの端部を撓ませ難くなる。このため、チェーンを挿入部の先端側に押し出したときにアングルワイヤ(牽引部材)を撓ませる可能性があり、アングルワイヤに負荷をかけ易くなる。
また、特許文献1のようなアングルワイヤの張り具合の調整機構を用いても、アングルワイヤの基端に接続された留め部材と、チェーンの端部に配置された留め部材を引っかける部位との相対位置は維持される。このため、特許文献1のようなアングルワイヤの張り具合の調整機構を用いると、アングルワイヤに負荷をかけ易い状態が維持される。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、牽引部材の張り具合を調整可能で、かつ、牽引機構を動作させたときに牽引部材に負荷をかけ難くすることが可能な内視鏡を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明に係る内視鏡は、先端硬質部と複数の方向に湾曲可能な湾曲部とを有する挿入部と、前記挿入部の基端部に設けられた操作入力部と、前記先端硬質部又は前記湾曲部に一端が連結され他端が前記操作入力部に向かって延出された牽引部材と、前記操作入力部の操作の入力に応じて前記牽引部材の一端を牽引可能な牽引機構と、前記牽引部材の他端と前記牽引機構とを前記牽引部材の軸方向に相対的に移動させるスライダ機構と前記スライダ機構に設けられ前記牽引部材を牽引した状態での前記スライダ機構と前記牽引部材の一端との間の前記牽引部材の張り具合を調整する調整機構とを有し前記牽引部材の他端と前記牽引機構との間に配設された連結機構とを有する。
この発明によれば、牽引部材の張り具合を調整可能で、かつ、牽引機構を動作させたときに牽引部材に負荷をかけ難くすることが可能な内視鏡を提供することができる。
図1Aは第1実施形態に係る内視鏡を示す概略図である。 図1Bは第1実施形態に係る内視鏡の挿入部の湾曲部の湾曲管の一部を示す概略的な斜視図である。 図2Aは第1実施形態に係る内視鏡の挿入部及び操作部の内部構造を示すとともに、挿入部の湾曲部を真っ直ぐにした状態を示す概略的な縦断面図である。 図2Bは第1実施形態に係る内視鏡の挿入部及び操作部の内部構造を示すとともに、挿入部の湾曲部をU方向に湾曲させた状態を示す概略的な縦断面図である。 図2Cは第1実施形態に係る内視鏡の挿入部の図2A及び図2B中の2C−2C線に沿う概略的な横断面図である。 図3Aは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、ハウジングの下端にスライダを配置しアングルワイヤを張った状態を示す概略図である。 図3Bは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構のスライダをハウジングから取り外して、ハウジングの下端にスライダを配置したときのアングルワイヤの張り具合を調整可能とした状態を示す概略図である。 図3Cは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、アングルワイヤの張り具合を図3Aに示す状態に対して調整した状態でハウジングの下端にスライダを配置しアングルワイヤを張った状態を示す概略図である。 図4Aは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構の図3A中の4A−4A線に沿う概略的な横断面図である。 図4Bは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構の図3A中の4B−4B線に沿う概略的な横断面図である。 図4Cは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構の図3B中の4C−4C線に沿う概略的な横断面図である。 図5Aは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部のU方向の連結機構を示し、ハウジングの下端にスライダを配置しアングルワイヤを張って湾曲部をU方向に湾曲させようとする状態を示す概略図である。 図5Bは第1実施形態に係る内視鏡の操作部の内部のD方向の連結機構を示し、ハウジングの下端からスライダを離しアングルワイヤをハウジングの案内部に沿って上端側に移動させようとする状態を示す概略図である。 図6Aは第1実施形態の第1の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、ハウジングの下端にスライダを配置しアングルワイヤを張った状態を示す概略図である。 図6Bは第1実施形態の第1の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構の図6A中の6B−6B線に沿う概略的な横断面図である。 図7は第1実施形態の第2の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、ハウジングの下端にスライダを配置しアングルワイヤを張った状態を示す概略図である。 図8Aは第1実施形態の第3の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、ハウジングの下端にスライダ及びスペーサを配置しアングルワイヤを張った状態を示す概略図である。 図8Bは第1実施形態の第3の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構の図8A中の8B−8B線に沿う概略的な横断面図である。 図8Cは第1実施形態の第3の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構の図8A中の8C−8C線に沿う概略的な横断面図である。 図8Dは第1実施形態の第3の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構のハウジングからスライダ及びスペーサを取り出した状態を示す、図8A中の8C−8C線に沿う概略的な横断面図である。 図8Eは第1実施形態の第3の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、ハウジングの下端にスライダ及び図8Aのスペーサとは異なるスペーサを配置しアングルワイヤを張った状態を示す概略図である。 図9は第1実施形態の第4の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、ハウジングの係合部に係合部材を配置しアングルワイヤを張った状態を示す概略図である。 図10Aは第1実施形態の第5の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、ハウジングの上端にスライダを配置し接続ワイヤを張った状態を示す概略図である。 図10Bは第1実施形態の第5の変形例に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構を示し、接続ワイヤの張り具合を図10Aに示す状態に対して調整した状態でハウジングの上端にスライダを配置し接続ワイヤを張った状態を示す概略図である。 図11は第2実施形態に係る内視鏡を示す概略図である。 図12Aは第2実施形態に係る内視鏡の挿入部及び操作部の内部構造を示すとともに、挿入部の湾曲部を真っ直ぐにした状態を示す概略的な縦断面図である。 図12Bは第2実施形態に係る内視鏡の挿入部及び操作部の内部構造を示すとともに、挿入部の湾曲部をU方向に湾曲させた状態を示す概略的な縦断面図である。 図12Cは第2実施形態に係る内視鏡の挿入部の図12A及び図12B中の12C−12C線に沿う概略的な横断面図である。 図13Aは第2実施形態に係る内視鏡の挿入部の内部の第2スプロケットに装着されるドラム及び基端側牽引部材を示す概略的な斜視図である。 図13Bは第2実施形態に係る内視鏡の挿入部の内部の第2スプロケットに装着されるドラム及び基端側牽引部材を示す概略的な斜視図である。 図13Cは第2実施形態に係る内視鏡の挿入部の内部の第2スプロケットに装着されるドラム及び基端側牽引部材を示す概略的な縦断面図である。 図14Aは第2実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の連結機構及び緩衝部を示し、連結機構のハウジングの下端にスライダを配置し、緩衝部の先端側連結部材の下端に対してスライダを遊びを有するように配置した状態を示す概略図である。 図14Bは第2実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の緩衝部の先端側連結部材を示す概略的な正面図である。 図14Cは第2実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の緩衝部を示し、連結機構のハウジングの下端にスライダを配置してアングルワイヤを引っ張りながら、緩衝部の先端側連結部材の下端にスライダを配置した状態を示す概略図である。 図14Dは第2実施形態に係る内視鏡の操作部の内部の緩衝部を示し、連結機構のハウジングの下端にスライダを配置してアングルワイヤを引っ張りながら、緩衝部の先端側連結部材の下端にスライダを配置して先端側牽引部材を引っ張って第2湾曲部に圧縮力を発生させた状態を示す概略図である。 図15Aは第2実施形態に係る内視鏡の操作部の内部構造のうち、第2湾曲駆動機構の緩衝部を示す概略的な斜視図である。 図15Bは第2実施形態に係る内視鏡の操作部の内部構造のうち、第2湾曲駆動機構の緩衝部に対してカバー部材を配置した状態を示す概略的な斜視図である。 図16は第2実施形態に係る内視鏡の操作部の内部構造を示し、地板に配置した第1及び第2の湾曲駆動機構に対して、カバー及び水密を図るための蓋をする状態を示す概略的な斜視図である。 図17Aは第2実施形態に係る内視鏡の操作部のカバーに配置する蓋を示す概略的な斜視図である。 図17Bは第2実施形態に係る内視鏡の操作部のカバーに形成され蓋を配置するための、開口を有する凹部を示す概略的な斜視図である。 図18は第2実施形態の第1変形例に係る内視鏡の操作部の内部の緩衝部を示し、連結機構のハウジングの下端にスライダを配置し、緩衝部の先端側連結部材の下端に対してスライダを遊びを有するように配置し、かつ、緩衝部の基端側連結部材の上端に対してスライダを遊びを有するように配置した状態を示す概略図である。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について図1Aから図5Bを用いて説明する。
図1Aに示すように、この実施の形態に係る内視鏡10は、例えば体腔内等の狭い孔内に挿入される細長い挿入部12と、挿入部12の基端部に設けられ使用者に保持されて操作される操作部(操作入力部)14とを有する。内視鏡10の内部には図示しない観察光学系及び照明光学系が一般的な内視鏡と同様に配設されている。また、内視鏡10には送気、送水に用いたり、処置具を挿通するチャンネル(図示しない)が形成されていることが好適である。
挿入部12は、先端硬質部22と、湾曲部24と、可撓管部(管状部)28とを先端側から基端側に向かって順に有する。可撓管部28の基端は操作部14に連結されている。
図1Aに示す湾曲部24は、図1Bに示す複数の湾曲駒34a,34b,…が軸方向に沿って並設された湾曲管34を有する。湾曲管34は、各湾曲駒34a,34b,…に設けられた図示しないワイヤガイドにより、後述するアングルワイヤ60a,60bをその軸方向に移動可能に支持している。なお、アングルワイヤ60a,60bの先端(牽引部材の一端)は湾曲管34の最も先端の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定され、基端(牽引部材の他端)が操作部14に向かって延出されている。
湾曲部24の湾曲管34は中心軸Cに対して湾曲可能であり、ここでは、それぞれ真っ直ぐ(湾曲角度が0度)の状態に対して2方向(上方向(U方向)及び下方向(D方向))に湾曲可能である。なお、湾曲管34の長さはそれぞれ適宜に設定できる。
この実施形態では湾曲部24が2方向に湾曲するものとして説明するが、湾曲部24が4方向に湾曲可能な構造とすることも好適である。
湾曲部24は、例えば湾曲管34の外側にブレード(図示せず)が配設され、ブレードの外側に例えばゴム材製で弾性を有する外皮24aが配設されている。
図2A及び図2Bに示すように、内視鏡10は、湾曲部24を複数の方向に湾曲させるための湾曲駆動機構44を有する。すなわち、挿入部12及び操作部14には、湾曲駆動機構44が配設されている。
湾曲駆動機構44は、操作部14の内部に配置されたスプロケット(牽引機構)52と、湾曲部用操作ノブ(湾曲操作入力部)54と、スプロケット52に噛み合わせられて巻回されたチェーン(牽引機構)56と、チェーン56の各端部(チェーンエンド)56a,56bに配置された連結機構(スライダ機構)58a,58bと、アングルワイヤ60a,60bと、アングルワイヤ60a,60bを挿通するコイルパイプ62a,62bとを有する。後述するが、連結機構58a,58bはチェーン56の端部56a,56bとアングルワイヤ60a,60bとを所定の範囲で相対的に移動可能に連結する。
操作部14はその内部に湾曲駆動機構44の一部が配設された地板64を備えている。地板64は、例えば挿入部12の軸方向に沿った方向が、挿入部12の軸方向に対して直交する方向に比べて長く形成されていることが好適である。地板64の領域には、湾曲駆動機構44のうち、例えば、スプロケット(牽引機構)52、チェーン(牽引機構)56、及び、連結機構58a,58bが配置されていることが好適である。連結機構58a,58bのチェーン56の端部56a,56bは、地板64の領域から外れることも可能である。
スプロケット52は地板64に対して回転可能に支持され、スプロケット52の中心軸C回りに回動可能である。湾曲部用操作ノブ54は、操作部14の外部に配置されスプロケット52をその中心軸C回りに回動させることができる。すなわち、スプロケット52及び湾曲部用操作ノブ54は操作部14に対して一体的に動く。このため、湾曲部用操作ノブ54の操作量がスプロケット52の移動量、すなわち回動量に反映する。
チェーン56は、端部56a,56bを挿入部12の先端側に向けた状態で、スプロケット52に巻回されている。地板64には、チェーン56の外側に略U字状にチェーンガイド64aが形成されている。そして、チェーン56は、チェーンガイド64aを含む地板64によりスプロケット52に噛み合わせられた状態を維持することができる。このため、スプロケット52をその中心軸C回りに回動させたときに、スプロケット52から外れることなくチェーン56の端部56a,56bを所定の方向(挿入部12の先端に対して近接及び離隔する方向)に移動させることができる。なお、チェーン56とチェーンガイド64aとの間にはチェーン56自体が撓む際にその撓みを許容する空間は不要である。このため、チェーンガイド64aは、チェーン56に対して常に隣接した状態に形成でき、操作部14の内部構造を従来に比べて小さく形成できる。
アングルワイヤ60a,60bの先端は、先端硬質部22の基端であって、湾曲部24の湾曲管34の先端に固定されている。アングルワイヤ60a,60bの基端は、連結機構58a,58bに支持されている。コイルパイプ62a,62bの先端は、湾曲部24の湾曲管34の基端であって、可撓管部28の先端の位置に固定されている。コイルパイプ62a,62bの基端は、例えば挿入部12の基端部と操作部14との境界付近で支持されている。コイルパイプ62a,62bの基端が地板64に固定されていることも好適である。
このように、この実施形態に係る内視鏡10の第1湾曲部24を真っ直ぐの状態から互いに逆方向であるU方向及びD方向に湾曲させることが可能な構造(湾曲部24の湾曲機構)は、一般的な内視鏡の構造(湾曲機構)と同様である。
図3Aから図3Cに示すように、連結機構(スライダ機構)58aは、チェーン56の端部56aに配設されたハウジング102と、ハウジング102に対して所定の範囲内を移動可能でアングルワイヤ60aの基端が連結されたスライダ104とを有する。ハウジング102はチェーン56の端部56aから挿入部12の先端側に向かって延設されている。図4Aから図4Cに示すように、ハウジング102の内周面は円形以外に形成され、ここでは略矩形状の横断面を有する空間がアングルワイヤ60aの軸方向に沿って形成されている。
図3Aから図3Cに示すように、ハウジング102は、内視鏡10のメンテナンス時にスライダ104を出し入れ可能な窓部112と、スライダ104の出し入れを防止しアングルワイヤ60aの出し入れを許容する幅を備えるスリット114aを有する案内部114とを連続して有する。窓部112は案内部114よりもチェーン56の端部56aに近接する側に形成されている。図4Cに示すように、ハウジング102の下端にはスライダ104の後述するボルト124の軸部124aを挿通し、ナット122よりも小さい開口114bが形成されている。開口114bはスリット114aに連続している。
なお、図3Aから図3C、図5A及び図5B中、チェーン56の端部56aに直接ハウジング102を配設した状態を示しているが、チェーン56の端部56aとハウジング102との間に図示しないロッド、ワイヤ、軸受等が配置されていることも好適である。
図3Bに示すように、スライダ104は、ナット122と、ボルト124とを有する。ボルト124は、ナット122に対して回転可能に螺合された軸部124aと、軸部124aに一体的に形成された頭部124bとを有する。軸部124aのうち、頭部124bに対する遠位端(軸部124aの先端)には、アングルワイヤ60aの基端が連結されている。
ナット122の外形はハウジング102の内周面に合わせて例えば略矩形状に形成され、ナット122の横断面はハウジング102の案内部114の横断面よりも僅かに小さく形成されている。このためナット122は、ハウジング102の案内部114内での回転が防止される。ボルト124の頭部124bはハウジング102の内周面に対して回動可能な大きさを有し、円形状や六角形等に形成されていることが好ましい。ハウジング102の案内部114において、ナット122に対してボルト124が回動可能であるので、ボルト124に連結されたアングルワイヤ60aの捩じれを防止可能である。
図3Aから図3Cに示すように、ナット122及びボルト124の頭部124bは窓部112からハウジング102の空間内に対して出し入れ可能である。そして、図3Bに示すように、ハウジング102の外側にスライダ104を取り出し、ナット122に対するボルト124の螺合状態を調整し、すなわち、ナット122とボルト124の頭部124bとの距離Lを調整することができる。このため、ハウジング102の下端114bにスライダ104が配設されてアングルワイヤ60aが張ったときの、アングルワイヤ60aの先端と、ハウジング102の下端114b及びボルト124の軸部124aの端部のうちアングルワイヤ60aの先端に近接する位置との間の距離を調整することができる。したがって、アングルワイヤ60aが延びたときにも、アングルワイヤ60aの張り具合を適宜に調整することができる。このように、ナット122及びボルト124を有するスライダ104は、ハウジング102と協働してアングルワイヤ60a,60bの張り具合を調整する調整機構を形成する。また、ナット122及びボルト124は、スライダ104がハウジング102の下端114bに配設されたときの、アングルワイヤ60a,60bの先端(一端)と、ハウジング102の下端114b及びボルト124の軸部124aのうち頭部124bに対する遠位端部のうちの近い方との間の距離を調整する距離調整部を形成する。
内視鏡10の湾曲部24を真っ直ぐにした状態で、スライダ104はハウジング102の下端(チェーン56の端部56aに対する遠位端であって、挿入部12の先端側)に当接又は近接した位置に配置される。このため、スプロケット52を回動させてチェーン56の一端56aを引っ張ると、スライダ104のナット122がハウジング102の下端114bに押し付けられる。一方、スプロケット52を回動させることによりチェーン56の一端56aを押し出すと、スライダ104がハウジング102の下端からチェーン56の一端56a側に向かって相対的に移動する。このとき、スライダ104が窓部112から取り出し可能な位置までは到達しない程度に相対的に移動する。その後、後述するがスライダ104はハウジング102の下端側に戻っていく。
このように、スライダ104により、アングルワイヤ60aの基端をチェーン56の端部56aに対して相対的に移動させることができる。一方、スライダ104はハウジング102に対して軸方向に移動することは可能であるが、軸方向から外れる方向には移動が規制されているので、通常の動作において、スライダ104がハウジング102から外れることがないように支持されている。すなわち、内視鏡10の使用時の、ハウジング102に対するスライダ104の可動範囲は適宜に設定可能である。例えばチェーン56の一端56aを挿入部12の先端に向かって押し出したときに、スライダ104のボルト124の頭部124bが窓部112に到達せず、スライダ104のナット122が案内部114の下端に当接した状態となる範囲であることが好ましい。
なお、連結機構58bの構造は連結機構58aの構造と同一であるため、ここでの説明を省略する。
図1Aに示すように、操作部14はカバー90を有する。カバー90は、例えば地板64、スプロケット52、チェーン56、連結機構58a,58bの基端を覆うとともに、内視鏡10の使用者に例えば左手で把持される把持部を形成する。なお、湾曲部用操作ノブ54はカバー90の外部にあり、例えば左手で操作可能である。
次に、この実施形態に係る内視鏡10の作用について説明する。
例えば湾曲部24が真っ直ぐの状態で、連結機構58a,58bのそれぞれのスライダ104のナット122は図5Aに示すようにハウジング102の案内部114の下端に近接又は当接した状態にある。
この状態から湾曲部用操作ノブ54を湾曲部24がU方向に湾曲するように回動させる。湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、チェーン56の一端56a及び連結機構58aのハウジング102が牽引される。連結機構58aのスライダ104のナット122の下端がハウジング102の案内部114の下端に近接していき当接し、案内部114の下端に対する当接力が増す。この状態から、連結機構58aのハウジング102はアングルワイヤ60aを牽引し始める。
一方、湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、チェーン56の他端56b及び連結機構58bのハウジング102が挿入部12の先端に向かって押し出される。図5Bに示すように、連結機構58bのスライダ104のナット122の下端がハウジング102の案内部114の下端114bから離隔しチェーン56の他端56bに近接していく。このように、チェーン56の他端56bに対してスライダ104が相対的に移動することにより、チェーン56の他端56bが急激に撓んだりしてチェーンガイド64aにチェーン56の他端56bが衝突することが防止される。また、チェーン56の他端56bに対してハウジング102内のスライダ104が相対的に移動することにより、アングルワイヤ60bの基端に、挿入部12の先端側に向かって押し出される力が付加されることが防止される。このため、アングルワイヤ60bに負荷がかかることが防止され、アングルワイヤ60bが撓むことが防止される。
アングルワイヤ60aの先端(一端)は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、アングルワイヤ60aが連結機構58aにより引っ張られると、湾曲駒34aのU方向側が基端側に引っ張られて湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34がU方向側に湾曲する。このため、湾曲部24がU方向に湾曲する。
アングルワイヤ60bの先端(一端)は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34がU方向側に湾曲することにより、アングルワイヤ60bはその先端側に向かって引っ張られる。このため、スライダ104のナット122がハウジング102の案内部114の下端に向かって移動する。このときのスライダ104の移動タイミングはチェーン56の他端56bの移動タイミングに対して遅れる。
湾曲部24がU方向に湾曲した状態から真っ直ぐの状態に戻すように回動させる場合について説明する。
湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、チェーン56の他端56b及び連結機構58bのハウジング102が牽引される。連結機構58bのスライダ104のナット122の下端がハウジング102の案内部114の下端に近接していき当接し、案内部114の下端に対する当接力が増す。この状態から、連結機構58bのハウジング102はアングルワイヤ60bを牽引し始める。
一方、湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、チェーン56の一端56a及び連結機構58aのハウジング102が挿入部12の先端に向かって押し出される。連結機構58aのスライダ104のナット122の下端がハウジング102の案内部114の下端から離隔していく。このように、チェーン56の一端56aに対してスライダ104が相対的に移動することにより、チェーン56の一端56aが急激に撓んだりしてチェーンガイド64aにチェーン56の一端56aが衝突することが防止される。また、チェーン56の一端56aに対してハウジング102内のスライダ104が相対的に移動することにより、アングルワイヤ60aの基端に、挿入部12の先端側に向かって押し出される力が付加されることが防止される。このため、アングルワイヤ60aに負荷がかかることが防止され、アングルワイヤ60bが撓むことが防止される。
アングルワイヤ60bの先端は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、アングルワイヤ60bが連結機構58bにより引っ張られると、湾曲駒34aのD方向側が基端側に引っ張られて湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34が真っ直ぐに戻ろうとする。このため、湾曲部24が真っ直ぐに戻ろうとする。
アングルワイヤ60aの先端は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34が真っ直ぐに戻ろうとすることにより、アングルワイヤ60aはその先端側に向かって引っ張られる。このため、スライダ104のナット122がハウジング102の案内部114の下端114bに向かって移動する。このときのスライダ104の移動タイミングはチェーン56の一端56aの移動タイミングに対して遅れる。
このため、湾曲部24が真っ直ぐの状態で、連結機構58a,58bのそれぞれのスライダ104のナット122はハウジング102の案内部114の下端に近接又は当接した状態にある。
この状態から湾曲部用操作ノブ54を湾曲部24がD方向に湾曲するように回動させる場合については説明を省略する。
湾曲部24を繰り返し湾曲させると、特に牽引の作用によりアングルワイヤ60a,60bが次第に延びていくので、アングルワイヤ60a,60bを張らせたときのアングルワイヤ60a,60bの長さが次第に長くなる。このため、湾曲管34の最も先端の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されたアングルワイヤ60a,60bの先端と、ハウジング102の案内部114の下端にスライダ104が当接した場合のアングルワイヤ60a,60bの基端との間のアングルワイヤ60a,60bの張り具合は、湾曲部24を繰り返し湾曲させると、弛んでくる。したがって、湾曲管34の最も先端の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されたアングルワイヤ60a,60bの先端と、ハウジング102の案内部114の下端にスライダ104が当接した場合のアングルワイヤ60a,60bの基端との間のアングルワイヤ60a,60bの張り具合を調整する必要がある。この場合、操作部14のカバー90を地板64に対して取り外して、連結機構58a,58bを露出させる。
例えば図3Aに示す連結機構58aのスライダ104を、図3Bに示すようにハウジング102の窓部112から取り出す。図3Bに示す状態のボルト124とナット122とを相対的に回転させて、ボルト124の頭部124bとナット122との距離Lを調整する。そして、ハウジング102の案内部114に対して、アングルワイヤ60a,60bが捩じれていない状態にナット122の向きを調整して、図3Cに示すように、ハウジング102の窓部112にスライダ104を入れて、スライダ104を案内部114の下端に向けて移動させる。図3A及び図3Cに示すように、このように、ボルト124の頭部124bとナット122との間の距離Lを調整したスライダ104をハウジング102に対して出し入れするだけでアングルワイヤ60aの基端の位置を変えることができるので、アングルワイヤ60aの張り具合の調整を行うことができる。
連結機構58bも必要に応じて同様にアングルワイヤ60bの張り具合の調整を行う。
以上説明したように、この実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
この実施の形態によれば、アングルワイヤ60a,60bの長さ調整可能なスライダ104がハウジング102の案内部114内に移動可能に配設されている。例えばチェーン56の他端56bを挿入部12の先端に向けて押し出したときに、チェーン56の他端56bとアングルワイヤ60bの基端及びスライダ104との間の距離を相対的に近接させることができるので、チェーン56の他端56bを撓ませる必要がない。このため、チェーン56とチェーンガイド64aとの間にチェーン56の撓み用の空間を形成する必要がない。したがって、操作部14の各構成部材を配置する空間を従来よりも小さくすることができる。また、チェーン56の他端56bを挿入部12の先端に向けて押し出したとき、アングルワイヤ60bの基端及びスライダ104をチェーン56の他端56bに向かってアングルワイヤ60bの軸方向に相対的に移動させるだけであり、アングルワイヤ60bを撓ませることもない。このため、内視鏡10の湾曲操作時にアングルワイヤ60bに大きな負荷がかけられるのを防止できる。
また、ハウジング102に対するスライダ104の移動を許容しつつ、ボルト124及びナット122を有しナット122の螺合状態を調整可能なスライダ104でアングルワイヤ60a,60bの張り具合を適宜に調整できる。したがって、内視鏡10のメンテナンス時に簡単な作業でアングルワイヤ60a,60bの張り具合を調整できる。
[第1の変形例]
次に、この実施の形態の第1の変形例について図6A及び図6Bを用いて説明する。
図6Aに示すように、ハウジング102の内部には、スライダ104と、ハウジング102の内部で回転又は回動が防止されるように外形が略矩形状で筒状のスペーサ106とが配設されている。スライダ104のナット122aはボルト124に螺合され、スペーサ106はボルト124の軸部124aに貫通されている。
なお、スペーサ106は横断面が例えば略C字状等、環状である必要はない。ナット122aの外形は略円形や略六角形状であり、ハウジング102の内部で回転可能であることが好ましい。スペーサ106の内側は例えば円形状であることが好適であり、ボルト124の軸部124aの外径よりも大きな内径を有する。
ハウジング102及びボルト124は第1の実施の形態と同様に形成されていることが好ましい。そして、ボルト124の軸部124aが挿通された状態でナット122とスペーサ106とが近接及び離隔可能に当接されている。
スペーサ106の外形を矩形状に形成するだけで、ナット122aについて特別な外形に形成する必要がないので、コストダウンを図ることができる。そして、スライダ104をハウジング102の窓部112に対して出し入れする際に、ナット122の向きを考慮する必要がないので、アングルワイヤ60a,60bの張り具合の調整を第1の実施の形態に対して容易にすることができる。
なお、この変形例において、ナット122a及びボルト124を有するスライダ104及びスペーサ106は、ハウジング102と協働してアングルワイヤ60a,60bの張り具合を調整する調整機構を形成する。また、ナット122a及びボルト124を有するスライダ104及びスペーサ106は、スペーサ106がハウジング102の下端114bに配設されスライダ104のナット122aがスペーサ106に配設されたときの、アングルワイヤ60a,60bの先端(一端)と、ハウジング102の下端114b及びボルト124の軸部124aのうち頭部124bに対する遠位端部のうちの近い方との間の距離を調整する距離調整部を形成する。
[第2の変形例]
次に、この実施の形態の第2の変形例について図7を用いて説明する。この変形例は第1の変形例の更なる変形例である。
図7に示すように、ハウジング102の案内部114には、スペーサ106が配設される収容部116が形成されている。収容部116はスペーサ106を軸方向及び周方向に移動を規制することが可能である。収容部116は案内部114に連通部118を通して連通している。連通部118はナット122aの外径よりも大きく、収容部116よりも小さな内径を有する開口としていることが好ましいが、ボルト124の軸部124aだけを挿通可能としても良い。
他の作用は第1の変形例と同様であるので、ここでの説明を省略する。
[第3の変形例]
次に、この実施の形態の第3の変形例について図8Aから図8Eを用いて説明する。
図8Aから図8Cに示すように、ハウジング102の案内部114には、縦断面が略T字状のスライダ104と、横断面が略U字状のスペーサ136とが配設されている。スライダ104は軸部134aと頭部134bとを有し、軸部134aは円柱状に形成され、頭部134bは略円盤状に形成されている。軸部134aのうち頭部134bに対する遠位端には、アングルワイヤ60aの基端が連結されている。頭部134bはスペーサ136の上端(挿入部12の先端に対して離隔した端部)に近接及び離隔可能に当接される。
スペーサ136は横断面が略U字状であるので、その横断面が環状ではなく切欠部136aを有する。また、スペーサ136は横断面が同じ形状に形成され、高さ(挿入部12の先端に対して近接した端部と、離隔した端部との間の距離)が同じ又は異なる複数のものが準備されていることが好ましい。
アングルワイヤ60aの張り具合の調整を行う場合、図8Dに示すようにハウジング102の窓部112からスライダ104及びスペーサ136を取り出す。そして、図8Eに示すように複数のスペーサ群から長さが異なるものを選択して配置する。この場合、長さH1のスペーサ136を長さH2(>H1)のスペーサ137に交換する例である。
次に、ハウジング102の案内部114にスペーサ136を追加して配置する例について説明する。
アングルワイヤ60aの張り具合の調整を行う場合、ハウジング102の窓部112からスライダ104を取り出す。そして、複数のスペーサ群からアングルワイヤ60aが延びた分だけの長さのスペーサ136を選択して配置する。
このように、スペーサ136自体を交換したり、複数のスペーサ136を用いるなどして、スペーサ136全体の長さを適宜に変更することにより、アングルワイヤ60aの張り具合を適宜に調整できる。
なお、この変形例において、軸部134aと頭部134bとを有するスライダ104及びスペーサ136,137は、ハウジング102と協働してアングルワイヤ60a,60bの張り具合を調整する調整機構を形成する。また、スライダ104及びスペーサ136,137は、スペーサ136,137がハウジング102の下端114bに配設されスライダ104の頭部134bがスペーサ136,137に配設されたときの、アングルワイヤ60a,60bの先端(一端)と、ハウジング102の下端114b及びスライダ104の軸部134aのうち頭部134bに対する遠位端部のうちの近い方との間の距離を調整する距離調整部を形成する。
[第4の変形例]
次に、この実施の形態の第4の変形例について図9を用いて説明する。
図9に示すように、ハウジング102は、軸方向に直交する方向に広い広部(係合部)142と広部142に対して狭い狭部144とを軸方向に繰り返し有する。広部142及び狭部144は例えば軸方向に直交する方向が円形状に形成されていることが好適である。なお、図9中、広部142の径をD1、狭部144の径をD2とするとき、D1がD2よりも大きく広部142及び狭部144の中心は共通である。
複数の広部142のうち、適宜に選択された位置には、狭部144の径D2よりも大きく、広部142の径D1よりも小さい外径d1を有する係合部材146が配設される。係合部材146は内径が後述する外径d2よりも小さい略円環状やC字状等に形成されている。係合部材146にはアングルワイヤ60aの基端が挿通され、アングルワイヤ60aの基端にはスライダ104が固定されている。なお、スライダ104は例えば円柱状で、係合部材146に引っかかるように形成されているとともに、狭部144の径D2よりも小さい外径d2を有する。したがって、スライダ104は湾曲機構44の動作に応じて狭部144の内側を自在に移動可能である。
そして、複数の広部(係合部)142から係合部材146を配置する位置を選択することにより、アングルワイヤ60aの張り具合を適宜に調整できる。この変形例では、係合部材146の配置位置を複数の広部(係合部)142から選択すればアングルワイヤ60aの張り具合を適宜に調整できるので、複数種のスペーサを準備する必要がない。
また、挿入部12の湾曲部24をD方向に湾曲させる際にも、スライダ104は係合部材146から離れる方向に移動するようにアングルワイヤ60aの軸方向に動くので、アングルワイヤ60aが撓む等、アングルワイヤ60aに大きな負荷が加えられることが防止される。
なお、この変形例において、スライダ104及びスペーサ146は、ハウジング102と協働してアングルワイヤ60a,60bの張り具合を調整する調整機構を形成する。また、ハウジング102の係合部142、スライダ104及び係合部材146は、係合部材146がハウジング102の係合部142に配設されスライダ104が係合部材146に配設されたときの、アングルワイヤ60a,60bの先端(一端)と、係合部材146との間の距離を調整する距離調整部を形成する。
[第5の変形例]
次に、この実施の形態の第5の変形例について図10A及び図10Bを用いて説明する。
図10A及び図10Bに示すように、この変形例では、第1の実施の形態に対してハウジング102の向きを反対にしている。
図10Aに示すように、連結機構58aは、例えばチェーン56の端部56aに一端が接続された接続ワイヤ160aと、ハウジング102と、スライダ104とを有する。ハウジング102及びスライダ104は第1の実施の形態のハウジング102及びスライダ104と同様に形成されている。そして、ハウジング102の下端(挿入部12の先端に近接する端部)には、アングルワイヤ60aの基端が連結されている。
スライダ104のボルト124の軸部124aのうち、挿入部12の先端に対する遠位端には、接続ワイヤ(牽引部材)160aの他端が接続されている。
連結機構58aの他の構造は第1の実施の形態で説明した連結機構58aと同様であるので、ここでの説明を省略する。また、連結機構58bも同様に形成されているので、ここでの説明を省略する。
なお、この変形例において、スライダ104は、ハウジング102と協働して接続ワイヤ160a,160bの張り具合を調整する調整機構を形成する。また、ナット122及びボルト124は、スライダ104がハウジング102の上端に配設されたときの、接続ワイヤ160a,160bの基端と、ハウジング102の上端及びボルト124の軸部124aのうち頭部124bに対する遠位端部のうちの近い方との間の距離を調整する距離調整部を形成する。
次に、この変形例に係る内視鏡10の作用について説明する。
例えば湾曲部24が真っ直ぐの状態で、連結機構58a,58bのそれぞれのスライダ104のナット122は図10Aに示すようにハウジング102の案内部114の上端に当接した状態にある。
この状態から湾曲部用操作ノブ54を湾曲部24がU方向に湾曲するように回動させる。湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、チェーン56の一端56aと、連結機構58aの接続ワイヤ160a及びスライダ104とが牽引される。このため、連結機構58aのスライダ104のナット122の上端は、案内部114の上端に対する当接力が増す。この状態から、ハウジング102はアングルワイヤ60aを牽引し始める。
一方、湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、図示しないが、チェーン56の他端56bと、連結機構58bの接続ワイヤ160b及びスライダ104とが挿入部12の先端に向かって押し出される。このため、連結機構58bのスライダ104のナット122の上端がハウジング102の案内部114の上端から離隔していく。このように、チェーン56の他端56bに対してハウジング102が近接するように相対的に移動することにより、チェーン56の他端56bが急激に撓んだりしてチェーンガイド64aにチェーン56の他端56bが衝突することが防止される。また、チェーン56の他端56bに対してハウジング102が相対的に移動することにより、アングルワイヤ60bの基端に、挿入部12の先端側に向かって押し出される力が負荷されることが防止される。このため、アングルワイヤ60bが撓むことが防止される。
アングルワイヤ60aの先端は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、アングルワイヤ60aが連結機構58aにより引っ張られると、湾曲駒34aのU方向側が基端側に引っ張られて湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34がU方向側に湾曲する。このため、湾曲部24がU方向に湾曲する。
アングルワイヤ60bの先端は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34がU方向側に湾曲することにより、アングルワイヤ60bはその先端側に向かって引っ張られる。このため、ハウジング102がチェーン56の他端56bに対して離隔してスライダ104のナット122がハウジング102の案内部114の上端に向かって相対的に移動する。
湾曲部24がU方向に湾曲した状態から真っ直ぐの状態に戻すように回動させる場合について説明する。
湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、チェーン56の他端56bと、連結機構58bの接続ワイヤ160b及びスライダ104とが牽引される。このため、連結機構58bのスライダ104のナット122の上端は、ハウジング102の案内部114の上端に対する当接力が増し、ハウジング102はアングルワイヤ60bを牽引し始める。
一方、湾曲部用操作ノブ54の回動に伴ってスプロケット52が回動すると、チェーン56の一端56aと、連結機構58aの接続ワイヤ160a及びハウジング102とが挿入部12の先端に向かって押し出される。連結機構58aのスライダ104のナット122の上端がハウジング102の案内部114の上端から離隔していく。このように、チェーン56の一端56aに対してスライダ104が相対的に移動することにより、チェーン56の一端56aが急激に撓んだりしてチェーンガイド64aにチェーン56の一端56aが衝突することが防止される。また、チェーン56の一端56aに対してハウジング102が相対的に移動することにより、アングルワイヤ60aの基端に、挿入部12の先端側に向かって押し出される力が付加されることが防止される。このため、アングルワイヤ60aが撓むことが防止される。
アングルワイヤ60bの先端は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、アングルワイヤ60bが連結機構58bにより引っ張られると、湾曲駒34aのD方向側が基端側に引っ張られて湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34が真っ直ぐに戻ろうとする。このため、湾曲部24が真っ直ぐに戻ろうとする。
アングルワイヤ60aの先端は湾曲部24の先端側の湾曲駒34a又は先端硬質部22に固定されているので、湾曲駒34a,34b,…が順次回動して湾曲管34が真っ直ぐに戻ろうとすることにより、アングルワイヤ60aはその先端側に向かって引っ張られる。このため、ハウジング102がチェーン56の一端56aに対して離隔して、スライダ104のナット122がハウジング102の案内部114の上端に向かって相対的に移動する。
このため、湾曲部24が真っ直ぐの状態で、連結機構58a,58bのそれぞれのスライダ104のナット122はハウジング102の案内部114の上端に当接又は近接した状態にある。
この状態から湾曲部用操作ノブ54を湾曲部24がD方向に湾曲するように回動させる場合については説明を省略する。
湾曲部24を繰り返し湾曲させると、特に牽引の作用によりアングルワイヤ60a,60b及び接続ワイヤ160a,160bが次第に延びていくので、アングルワイヤ60a,60bを張らせたときのアングルワイヤ60a,60bの長さが次第に長くなる。このため、アングルワイヤ60a,60bの先端と基端との間のアングルワイヤ60a,60bの張り具合は、湾曲部24を繰り返し湾曲させると、弛んでくる。したがって、アングルワイヤ60a,60bの張り具合を調整する必要がある。この場合、操作部14のカバー90を地板64に対して取り外して、連結機構58a,58bを露出させる。
例えば図10Aに示す連結機構58aのスライダ104をハウジング102の下端側にある窓部112から取り出す。ボルト124とナット122とを相対的に回転させて、ボルト124の頭部124bとナット122との距離Lを調整する。そして、ハウジング102の案内部114に対して、アングルワイヤ60a,60bが捩じれていない状態にナット122の向きを調整して、図10Bに示すように、ハウジング102の下端側にある窓部112にスライダ104を入れて、スライダ104を案内部114の上端に向けて移動させる。このように、ボルト124の頭部124bとナット122との間の距離Lを調整したスライダ104をハウジング102に対して出し入れするだけでアングルワイヤ60aの張り具合の調整を行うことができる。
連結機構58bも必要に応じて同様にアングルワイヤ60bの張り具合の調整を行う。
以上説明したように、この変形例による効果は第1の実施の形態で説明したので、ここでの説明を省略する。
なお、この変形例は第1の実施の形態の変形例であるとともに、第1から第4の変形例の更なる変形例である。すなわち、第1から第4の変形例で説明した連結機構58a,58bの適宜の構造を採用可能である。
上述した各変形例を含む実施の形態では、2方向に湾曲する湾曲部24を有する例について説明したが、4方向に湾曲する湾曲部を有する場合であっても、同様にスライダ機構58a,58bを用いることができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について、図11から図17Bを用いて説明する。この実施の形態は各変形例を含む第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図11に示すように、この実施の形態に係る内視鏡10の挿入部12は、先端硬質部22と、第1湾曲部24と、第2湾曲部26と、可撓管部(管状部)28とを先端側から基端側に向かって順に有する。
後述するが、第1湾曲部24は操作部14を操作することにより湾曲させることができる、いわゆる能動湾曲部として機能する。また、第2湾曲部26は、第1湾曲部24の湾曲角度が小さい(湾曲量が少ない)ときには、いわゆる受動湾曲部として機能する。第1湾曲部24の湾曲角度(湾曲量)が大きくなるにつれて第2湾曲部26が第1湾曲部の湾曲方向と同じ方向に曲がりやすく反対方向に曲がりにくくなる。
第2湾曲部26は第1湾曲部24の湾曲管34と同様に形成され、複数の湾曲駒(図示せず)が軸方向に沿って並設された第2湾曲管36を有する。第2湾曲管36は、図示しないワイヤガイドにより、後述する先端側牽引部材178a,178bをその軸方向に移動可能に支持している。なお、先端側牽引部材178a,178bの先端は第2湾曲管36の最も先端の湾曲駒に固定されている。
第1湾曲部24の第1湾曲管34、及び、第2湾曲部26の第2湾曲管36は共通の中心軸Cに対して湾曲可能であり、ここでは、それぞれ真っ直ぐ(湾曲角度が0度)の状態に対して2方向(上方向(U方向)及び下方向(D方向))に湾曲可能である。なお、第1及び第2湾曲管34,36の長さはそれぞれ適宜に設定できる。
この実施形態では第1湾曲部24及び第2湾曲部26がそれぞれ2方向に湾曲するものとして説明するが、第1湾曲部24が4方向に湾曲可能、かつ、第2湾曲部26が2方向に湾曲可能であったり、第1湾曲部24が4方向に湾曲可能、かつ、第2湾曲部26が4方向に湾曲可能な構造とすることも好適である。
第1湾曲部24及び第2湾曲部26は、例えば第1湾曲管34及び第2湾曲管36の外側にブレード(図示せず)が配設され、ブレードの外側に例えばゴム材製で弾性を有する外皮24a,26aが配設されている。
図12A及び図12Bに示すように、内視鏡10は、第1湾曲部24を複数の方向に湾曲させるための第1湾曲駆動機構44と、第1湾曲駆動機構44の駆動に追従し、第2湾曲部26が真っ直ぐの状態を維持し又は第1湾曲部24の湾曲方向と同じ方向に第2湾曲部26を湾曲させるための第2湾曲駆動機構46とを有する。すなわち、挿入部12及び操作部14には、第1湾曲駆動機構44及び第2湾曲駆動機構46が配設されている。
なお、第1湾曲駆動機構44は第1の実施の形態で説明したのでここでの説明を省略する。
第2湾曲駆動機構46は、第1湾曲駆動機構44に連動して動き、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態であっても前記第2湾曲部に外力が加われば、第2湾曲部26を複数の方向に受動的に湾曲させることが可能で、第1湾曲部24の湾曲角度を真っ直ぐの状態に対して増大させた際に、第2湾曲部26のうち第2湾曲管36の中心軸Cに対して第1湾曲部24の湾曲方向側に圧縮力を発生させる構造を有する。
第2湾曲駆動機構46は、操作部14の内部に配置され、ドラム172aが配設された第2スプロケット(チェーンドラム)172と、ドラム172aから延出された基端側牽引部材(第1牽引部材)174a,174bと、基端側牽引部材174a,174bの先端にそれぞれ配設された緩衝部176a,176bと、緩衝部176a,176bの先端にそれぞれ配設された先端側牽引部材(第2牽引部材)178a,178bと、先端側牽引部材178a,178bが挿通されたコイルパイプ180a,180bとを有する。すなわち、緩衝部176a,176bは、基端側牽引部材(第1牽引部材)174a,174bと先端側牽引部材(第2牽引部材)178a,178bとの間に配設されている。なお、地板64には、チェーンガイド64aとは別に後述する案内路252a,252b(図15A参照)が形成されている。この案内路252a,252bの範囲において、基端側牽引部材174a,174b及び緩衝部176a,176bが所定の方向(軸方向)に沿って移動可能である。
第2スプロケット172は、操作部14の内部に配置された地板64によりその中心軸C回りに回動可能に支持されていても良いし、例えば第1スプロケット52から延出された延出部(図示せず)によりその中心軸C回りに回動可能に支持されていても良いし、両者により支持されていても良い。そして、第2スプロケット172には第1スプロケット52に噛み合わせられたチェーン56が噛み合わせられている。このため、第1湾曲部用操作ノブ54がその中心軸C周りに回動させられると、第1スプロケット52に加えて、第2スプロケット172がその中心軸C周りに第1スプロケット52と同じ方向に回動する。すなわち、第1湾曲駆動機構44に連動して第2湾曲駆動機構46が駆動される。
なお、ドラム172aの軸と第2スプロケット172の軸とは同一軸(中心軸C)であり、ドラム172aの径は第2スプロケット172の径よりも小さい。このため、チェーン56と基端側牽引部材174a,174bや緩衝部176a,176bとの干渉を防止でき、操作部14の外殻を大きくせずに済む。
図13Aから図13Cに示すように、ドラム172aは略円盤状に形成され、一側面192aに基端側牽引部材174aが、他側面192bに基端側牽引部材174bが巻回されている。一側面192aには基端側牽引部材174aの基端を収容する収容部194aが形成され、他側面192bには基端側牽引部材174bの基端を収容する収容部194bが形成されている。各収容部194a,194bはドラム172aの軸(中心軸C)上を通るように形成されている。
図13A及び図13Cに示すように、ドラム172aの一側面192aのうち中心軸Cから外れた位置には、収容部194aに連通したネジ部196aを通してビス196bが螺合されている。このため、基端側牽引部材174aが収容部194aに収容された状態でビス196bがネジ部196aに螺合されたとき、基端側牽引部材174aが位置決めされる。
図13Bに示すように、ドラム172aの他側面192bには、第2スプロケット172に連結するための筒状のボス198が形成されている。ボス198はドラム172aの軸(中心軸C)を形成する。図13B及び図13Cに示すように、ドラム172aの他側面のボス198の中心軸Cには収容部194bに連通したネジ部198aを通してビス198bが螺合されている。このため、基端側牽引部材174bが収容部194bに収容された状態でビス198bがネジ部198aに螺合されたとき、基端側牽引部材174bが位置決めされる。
図12A、図12B及び図14Aに示すように、緩衝部176a,176bは、例えば伸縮性を有するコイルバネや伸縮性を有するゴム材等で形成された弾性部材182a,182bを有する。この実施形態では、弾性部材182a,182bとして1つのコイルバネが用いられるものとする。各緩衝部176a,176bに対して弾性部材182a,182bは1つに限らず、複数用いても良い。
緩衝部176a,176bの弾性部材182a,182bは、後述するが、第1湾曲部24を湾曲させたときに第2湾曲部26が第1湾曲部24の湾曲方向に対する逆方向には曲がり難くなる力量を発生させるように調整されている。例えば、第2湾曲部26を真っ直ぐの状態にし、第2湾曲部26に何ら外力が加えられない状態で、第1湾曲部24を最大に湾曲させたときに、第2湾曲部26が第1湾曲部24の湾曲方向と同じ方向に湾曲せず真っ直ぐの状態を維持し、第2湾曲部26に第1湾曲部24の湾曲方向に対して逆方向等、異なる方向の力が加えられたときに逆方向等の異なる方向に湾曲するのが防止されるように、緩衝部176a,176bの弾性部材182a,182bが調整されている。なお、内視鏡10のメンテナンス時に弾性部材182a,182bの調整と例えば先端側牽引部材178a,178bの長さの調整とを併せて行うことも好適である。
緩衝部176a,176bの弾性部材(コイルバネ)182a,182bの初期長さは内視鏡10の向き、特に操作部14の向きによりわずかに変化する。挿入部12及び操作部14が横向きの場合、緩衝部176a,176bの弾性部材182a,182bは例えば自然長であり、縦向き(上下方向)の場合、緩衝部176a,176bの弾性部材182a,182bは弾性部材182a,182bの自重や先端側牽引部材178a,178bの重力により伸びた状態となる。ここでは、弾性部材182a,182bの伸びにかかわらず、第2湾曲部26が真っ直ぐの状態をニュートラル状態と称することとする。
先端側牽引部材178a,178bの先端は、第1湾曲部24の湾曲管34の基端であって、第2湾曲部26の第2湾曲管36の先端に固定されている。先端側牽引部材178a,178bの基端は、緩衝部176a,176bに固定されている。すなわち、先端側牽引部材178a,178bは、第2湾曲部26に一端が連結され挿入部12の基端に向かって延出されている。第2コイルパイプ180a,180bの先端は、第2湾曲部26の湾曲管36の基端であって、可撓管部28の先端の位置に固定されている。第2コイルパイプ180a,180bの基端は、例えば挿入部12の基端部と操作部14との境界付近で支持されている。第2コイルパイプ180a,180bの基端が地板64に固定されていることも好適である。
なお、基端側牽引部材174a,174b及び先端側牽引部材178a,178bに加えられる引っ張り力は第1アングルワイヤ60a,60bに加えられる引っ張り力に比べて小さいので、基端側牽引部材174a,174b及び先端側牽引部材178a,178bは第1アングルワイヤ60a,60bよりも引っ張り耐性が低いもの、例えば細いものを用いても良い。また、コイルパイプ180a,180bはコイルパイプ62a,62bよりも細くても良い。
図14Aに示すように、緩衝部176aは、基端側連結部材(連結機構)202aと、コイルバネ等の弾性部材182aと、連結機構206aとを有する。弾性部材182aは基端側連結部材202aと連結機構206aとの間に配設されている。基端側牽引部材174aの先端には係合凸部(係合部)212aが形成されている。基端側連結部材202aには係合凹部(係合部)214aが形成されている。そして、係合凸部212aは係合凹部214aに係合され、通常の動作において外れることがないように支持されている。
連結機構206aは弾性部材182aと先端側牽引部材178aの基端とを移動可能に連結する。連結機構206aは弾性部材182aの端部に配設されたハウジング(先端側連結部材)222と、ハウジング222に対して所定の範囲内を移動可能で先端側牽引部材178aの基端に連結されたスライダ224とを有する。すなわち、緩衝部176aのハウジング(先端側連結部材)222は先端側牽引部材178aの基端と協働してスライダ機構220を形成する。図14Bに示すように、ハウジング222は、内視鏡10のメンテナンス時にスライダ224を出し入れ可能な窓部232と、スライダ224の出し入れを防止し先端側牽引部材178aの出し入れを許容する幅を備えるスリット234aを有する案内部234とを連続して有する。窓部232は案内部234よりも弾性部材182aに近接する側に形成されている。ハウジング222の下端にはスライダ224の後述するボルト244の軸部244aを挿通し、ナット242よりも小さい開口234bが形成されている。開口234bはスリット234aに連続している。
図14Aに示すように、案内部234はスライダ224を先端側牽引部材178aの軸方向にスライド可能に係合する。スライダ224は例えば第1の実施の形態のスライダ104と同様に、ナット242とボルト244とを有する。ボルト244は、ナット242に対して回転可能に螺合された軸部244aと、軸部244aに一体的に形成された頭部244bとを有する。軸部244aのうち、頭部244bに対する遠位端(軸部244aの先端)には、先端側牽引部材178aの基端が連結されている。このため、スライダ224をハウジング222の案内部234に沿って相対的に移動させることができるとともに、ボルト244の軸部244aに対するナット242の螺合位置を調整することにより先端側牽引部材178aの張り具合の調整を行うことができる。このように、ナット242及びボルト244を有するスライダ224は、ハウジング222と協働して先端側牽引部材(牽引部材)178a,178bの張り具合を調整する調整機構を形成する。また、ナット242及びボルト244は、スライダ224がハウジング222の下端234bに配設されたときの、先端側牽引部材178a,178bの先端(一端)と、ハウジング222の下端234b及びボルト244の軸部244aのうち頭部244bに対する遠位端部のうちの近い方との間の距離を調整する距離調整部を形成する。なお、ナット242はハウジング222の案内部234に対して回転できないように形成されている。
そして、ハウジング222の案内部234に対してスライダ224は先端側牽引部材178aの軸方向に移動可能である。なお、スライダ224はハウジング222の案内部234の軸方向から外れる方向には移動が規制され、通常の動作においてスライダ224が案内部234から外れることがないように支持されている。弾性部材182aが例えば自然長やその重力により伸びた状態等のニュートラル状態又はそれに近い状態であれば、スライダ224はハウジング222の案内部234の下端(図14A中の左側端部)234bから例えば距離L1だけ離されている。すなわち、スライダ224とハウジング222の案内部234の下端(開口234b)との間には遊びが形成されている。
なお、緩衝部176bの構造は緩衝部176aの構造と同一であるため、説明を省略する。
また、図14Aに示す第1湾曲駆動機構44の連結機構58aは各変形例を含む第1の実施の形態で説明した湾曲駆動機構44の連結機構58aの構造と同一であるので、ここでの説明を省略する。
図15Aに示すように、地板64には、緩衝部176a,176bを挿入部12の軸方向(長手方向)に案内する案内路252a,252bがそれぞれ形成又は配設されている。案内路252a,252bは略U字溝状に形成されている。そして、案内路252a,252bには、具体的には、基端側牽引部材174a,174b、基端側連結部材202a,202b,弾性部材182a,182b、連結機構206a,206b及び先端側牽引部材178a,178bの基端がそれぞれ配設されている。図15Bに示すように、地板64にはカバー部材254が配設され、案内路252a,252b内の緩衝部176a,176bが外側(案内路252a,252bの所定範囲外)に飛び出すのを規制している。
操作部14は開口90aを有するカバー90を有する。カバー90には、開口90aを通して地板64が配設されて支持されている。カバー90は、例えば、地板64に配設された第1スプロケット52、第2スプロケット172、チェーン56、第1連結機構58a,58b、第1アングルワイヤ60a,60b、基端側牽引部材174a,174b、緩衝部176a,176b、先端側牽引部材178a,178bを覆うとともに、内視鏡10の使用者に例えば左手で把持される把持部の一部を形成する。なお、第1湾曲部用操作ノブ54はカバー90の外部にあり、例えば左手で操作可能である。
図16に示すように、カバー90には、ビス266を通す開口264を有するとともに、その開口264に蓋270を配設するための凹部262が形成されている。カバー90の凹部262の開口264は、地板64を挿脱する開口90aとは異なる。凹部262は円形状に形成され、凹部262の中心に開口264が形成されている。図17Aに示すように、蓋270は円盤状の基部272と、基部272から延出された略円柱状の軸部274と、軸部274から互いに反対方向に延出された1対のタブ276a,276bと、基部272とタブ276a,276bとの間に配設されたOリング278とを有する。タブ276a,276bのうち、基部272に近接する面はそれぞれ斜面280a(,280b)として形成されている。Oリング278は基部272に配設され、Oリング278とタブ276a,276bの斜面280a(,280b)との間には空間がある。タブ276a,276bの延出方向は、軸部274の中心軸に対して直交する方向であることが好ましい。なお、蓋270の軸部274の径は図16に示すビス266の最大径(頭部の径)よりも大きい。
図17Bに示すように、開口264は蓋270の軸部274及びタブ276a,276bをカバー90の表面側から裏面側に向かって挿脱可能なように形成されている。このため、蓋270の軸部274及びタブ276a,276bを開口264を通してカバー90の表面側から裏面側に挿入して蓋270の基部272を回転させると、タブ276a,276bの斜面280a(,280b)が、開口264の位置から凹部262の裏面に移動するにつれて、凹部262の表面と裏面との間の部位を挟持する力を大きくするので、Oリング278が凹部262の表面に押し付けられていく。このため、蓋270によってカバー90の内部の水密を図ることができる。
次に、この実施形態に係る内視鏡10の作用について説明する。
例えば第1湾曲部24及び第2湾曲部26が真っ直ぐの状態で、第1湾曲部用操作ノブ54を第1湾曲部24がU方向に湾曲するように回動させる。第1湾曲部用操作ノブ54の回動に伴って第1スプロケット52が回動すると、チェーン56及び第1連結機構58a,58bを介して、第1アングルワイヤ60a,60bのうち、一方のワイヤ60aが引っ張られる。ワイヤ60aの先端は湾曲駒34aに固定されているので、ワイヤ60aが引っ張られると、湾曲駒34aのU方向側が基端側に引っ張られて湾曲駒34a,34b,…が順次回動して第1湾曲管34がU方向側に湾曲する。このため、第1湾曲部24がU方向に湾曲する。
このとき、第1の実施の形態で説明したように、連結機構58a,58bが動く。
第1スプロケット52が回動すると、第2スプロケット172も同じ方向に同時に回動するので、第2スプロケット172と同軸(中心軸C)上のドラム172aが一体的に回動する。このため、基端側牽引部材174a,174bのうち、一方の基端側牽引部材174aが引っ張られる。したがって、緩衝部176a,176bのうち、一方の緩衝部176aの弾性部材182aが例えば自然長やその重力により伸びた状態等のニュートラル状態又はそれに近い状態で、基端側に移動する。
このとき、図14Aに示すように、スライダ224とスライダ案内部234の下端234bとの間には遊びが存在しているので、先端側牽引部材178aには重力以外の力が働いていない。第1湾曲部24の湾曲量が小さい状態においては外力を加えることにより第2湾曲部26をU方向及びD方向のいずれにも湾曲させることができる。
図14Cに示すように、第1湾曲部24をU方向に湾曲させるようにして、基端側牽引部材174aが基端側に引っ張られ、弾性部材182aが延びると、ハウジング222が基端側に引っ張られていく。このため、スライダ案内部234の下端(挿入部12の先端側の部位)234bにスライダ224が当接する。このときまで、先端側牽引部材178aには引っ張り力は加えられていない。すなわち、緩衝部176aのスライダ機構220は、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態で遊びが最大となり、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態から湾曲角度が増大するにつれて徐々に遊びを小さくするように構成されている。
図14Cに示す状態からさらに基端側牽引部材174aが基端側に引っ張られると、図14Dに示すように、弾性部材182aが延び、ハウジング222が基端側に引っ張られる。このため、ハウジング222及びスライダ224を介して先端側牽引部材178aに対して徐々に引っ張り力が加えられていく。
このように、基端側牽引部材174aに緩衝部176aの弾性部材182aが引っ張られた際、弾性部材182aの伸張し始めには先端側牽引部材178aに対する引っ張り力は弱い。そして、緩衝部176aの弾性部材182aが伸張していくにつれて、徐々に先端側牽引部材178aに対する引っ張り力が強くなり、緩衝部176aは緩衝機能を発揮することができる。
ドラム172aの回転により、他方の基端側牽引部材174b、緩衝部176bの弾性部材182b及びハウジング222は、先端側牽引部材178bの基端のスライダ224に対して挿入部12の先端側に移動する。このように、ハウジング222が挿入部12の先端側に移動し、スライダ224がハウジング222の基端側に移動するが、スライダ224はハウジング222の案内部234の基端(上端)が当接しないように形成されているので、先端側牽引部材178bに負荷をかけることがない。
このように、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態(初期の状態)からU方向に湾曲角度(湾曲量)を大きくしていくときに、初期の状態では第2湾曲駆動機構46の先端側牽引部材178a,178bには殆ど引っ張り力は加えられていないので、第2湾曲部26は外力を受けると受動的に湾曲させられる受動湾曲部として機能する。第1湾曲部24の湾曲角度(湾曲量)を大きくするにつれて、徐々に、先端側牽引部材178aに加えられる引っ張り力が増していくが、第1湾曲部24の湾曲角度が小さいときには初期の状態と同様に第2湾曲部26が受動湾曲部として機能する。第1湾曲部24の湾曲角度をさらに大きくすると、先端側牽引部材178aに加えられる引っ張り力がさらに増していく。したがって、第2湾曲部26の湾曲管36の先端と基端との間の先端側牽引部材178aについて、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態から湾曲させていくときにすぐには力が加えられず、第1湾曲部24の湾曲量が大きくなるにしたがって、第2湾曲部26の湾曲管36の中心軸Cに対して第1湾曲部24の湾曲方向側に圧縮力が加えられていく。
なお、この実施形態において、第1湾曲部24を湾曲させる際に、先端側牽引部材178aに最大引っ張り力が加えられても、第2湾曲部26に負荷される圧縮力は第2湾曲部26の湾曲管36の湾曲駒を回動させない程度、すなわち、第2湾曲部26を真っ直ぐに保つ程度に負荷されている。言い換えると、このような状態となるように緩衝部176aの弾性部材182aが選択されて用いられたり、緩衝部176aの弾性部材182aの調整や先端側牽引部材178aの長さの調整等が行われている。
また、第2湾曲部26の湾曲管36の例えばゴム材製の外皮26aの弾性力や先端側牽引部材178aの伸びにより、第2湾曲部26が真っ直ぐの状態を維持するように補助することができる。
このように、第1湾曲部24が例えばU方向に最大湾曲角度の状態で、第2湾曲部26の湾曲管36の先端と基端との間では、U方向側の先端側牽引部材178aには圧縮力が加えられ、D方向側の先端側牽引部材178bには何ら力が加えられていない。このため、第1湾曲部24が例えばU方向に最大湾曲角度の状態で第2湾曲部26に外力が加えられたとき、D方向側から押圧力が負荷されたときには先端側牽引部材178aの圧縮力により予めU方向に湾曲し易くなっているので第2湾曲部26がU方向に湾曲することができる。このように第2湾曲部26が第1湾曲部24の湾曲方向と同じ方向に湾曲する場合、第1湾曲部24の湾曲角度が大きい程、第2湾曲部26は湾曲しやすい。一方、U方向側から押圧力を負荷されたときには、第2湾曲部26に負荷されている圧縮力により第2湾曲部26がD方向に曲げられるのに対する耐性を発揮し、真っ直ぐの状態を維持しようとする。
第1湾曲部24を最大湾曲量まで湾曲させた後、第1湾曲部用操作ノブ54を操作して第1湾曲部24を真っ直ぐの状態に戻すと、第2スプロケット172が第1スプロケット52と同じ方向に回動する。このとき、第1湾曲駆動機構44の連結機構58a,58bは第1の実施の形態で説明したように動く。
基端側牽引部材174a、基端側連結部材202a及び弾性部材182aが挿入部12の先端側に向かって移動し、スライダ224がハウジング222内の案内部234の下端234bから相対的に離されて、緩衝部176aの弾性部材182aの長さがニュートラル状態に戻される。したがって、第1湾曲部24の湾曲角度が小さくなると、第2湾曲部26の先端と基端との間に先端側牽引部材178aにより付加された圧縮力が解消される。
この実施形態では内視鏡10の挿入部12及び操作部14が中心軸Cに対して対称に形成されているので、第1湾曲部24をD方向に湾曲させた場合については説明を省略する。
したがって、この実施形態に係る内視鏡10の挿入部12の第2湾曲部26は、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態又は湾曲角度が小さいときには受動湾曲部として機能する。そして、第1湾曲部24の湾曲角度が大きくなるにつれて、第2湾曲部26は、第1湾曲部24の湾曲方向と同じ方向には外力を受けたときに湾曲する受動湾曲部として機能し、第1湾曲部24の湾曲方向と逆方向等の異なる方向には外力を受けたときに湾曲しないような耐性又は湾曲し難くする耐性を発揮する。すなわち、第2湾曲部26は、第1湾曲部24の湾曲角度(湾曲量)及び湾曲方向に応じて、第1湾曲部24と同じ方向に曲がりやすく反対方向に曲がりにくい状態に自動的に切り替えられる。
基端側牽引部材174a及び先端側牽引部材178aは第1の実施の形態で説明したアングルワイヤ60aのように使用により延びていく。すなわち、第2湾曲駆動機構46が第2湾曲部26のうち第1湾曲部24を湾曲させた方向と同じ方向側に圧縮力を発生させたときの先端側牽引部材178a,178bの張り具合が次第に弱められる。このため、基端側牽引部材174a及び先端側牽引部材178aのうちの少なくとも一方の調整が必要である。この実施の形態では、スライダ224がナット242にボルト244を螺合して形成しているので、ナット242とボルト244の頭部244bとの間の距離を調整することによって先端側牽引部材178aの張り具合を調整できる。
以上説明したように、この実施形態によれば、以下の効果が得られる。
第2湾曲駆動機構46は、第1湾曲駆動機構44に連動して動き、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態で第2湾曲部26を複数の方向に受動的に湾曲させることが可能で、第1湾曲部24の湾曲角度を真っ直ぐの状態に対して増大させた際に、第2湾曲部26の第2湾曲管36の中心軸Cに対して第1湾曲部24の湾曲方向側に圧縮力を発生させる構造である。このため、第2湾曲駆動機構46は、第1湾曲部24が真っ直ぐの状態のとき又は真っ直ぐの状態に近いときには第2湾曲部26は自在に受動湾曲させることができる。そして、第1湾曲駆動機構44により第1湾曲部24の湾曲角度を増大させたときに第2湾曲駆動機構44が連動して動き、第2湾曲駆動機構46は、第2湾曲部26のうち第1湾曲部24を湾曲させた方向と同じ方向側に圧縮力を発生させることができる。このため、第1湾曲部24を湾曲させた方向と反対の方向に第2湾曲部26が湾曲するのを規制し、かつ、第2湾曲部26が真っ直ぐの状態を維持し又は第2湾曲部26が第1湾曲部24を湾曲させた方向と同じ方向に湾曲するのを補助することができる。すなわち、第1湾曲部24をU方向に湾曲させた状態で第2湾曲部26の例えばU方向側から外力を受けても、その外力に抗することができ、第2湾曲部26がD方向に湾曲させられることが防止でき、第2湾曲部26が真っ直ぐの状態又は略真っ直ぐの状態を維持できる。また、第2湾曲部26の先端と基端との間にU方向側に圧縮力が付加されていることによって、第2湾曲部26の例えばD方向側から外力を受けると、第2湾曲部26がU方向側に容易に湾曲する。したがって、この実施形態によれば、例えば第1湾曲部24をU方向に湾曲させた場合、第2湾曲部26をU方向に容易に湾曲させることができるが、D方向に曲がるのを防止できる。
また、第2湾曲駆動機構46は緩衝部176a,176bを有するので、第1湾曲駆動機構44から第2湾曲駆動機構46に動力が伝達されたときに、圧縮力を発生させるタイミングを調整する(遅らせる)ことができる。例えば、緩衝部176a,176bに伸縮性を有するコイルバネやゴム材等の弾性部材182a,182bを用いると、第1湾曲駆動機構44で第1湾曲部24を湾曲させたときに、所望のタイミングで第2湾曲部26のうち中心軸Cに対して第1湾曲部24を湾曲させた側に圧縮力を発生させることができ、また、圧縮力の調整を容易に行うことができる。また、スライダ224とハウジング222の案内部234との間に遊びを形成しているので、第1湾曲部24の例えばU方向の湾曲角度が大きい範囲に限って第2湾曲部26のU方向側に圧縮力を加えて、D方向に湾曲するのを防止できる。
また、緩衝部176a,176bが基端側牽引部材174a,174bと先端側牽引部材178a,178bとの間に配置されたことによって、挿入部12と操作部14との境界付近に緩衝部176a,176bを配置することができるので、カバー90の着脱により緩衝部176a,176bの調整を容易に行うことができる。
第2湾曲駆動機構46が第2湾曲部26のうち第1湾曲部24を湾曲させた方向と同じ方向側に圧縮力を発生させたときの先端側牽引部材178a,178bの張り具合の調整を行う場合、ハウジング222からスライダ224を取り出して、ナット242に対するボルト244の軸部244aの螺合位置を調整するだけで良い。したがって、先端側牽引部材178a,178bの調整を簡単に行うことができる。
なお、この実施の形態の連結機構206aの構造は、各変形例を含む第1の実施の形態の連結機構58aの構造を採用することも好適である。
[第1の変形例]
次に、第2の実施の形態の第1の変形例について図18を用いて説明する。この実施形態は第2の実施形態の変形例であって、第2実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この変形例は、第2の実施の形態で説明した緩衝部176a,176bの基端側連結部材(連結機構)202aの変形例である。図18に示すように、基端側連結部材202aの構造を連結機構206aと同様に形成している。
緩衝部176aの基端側連結部材(連結機構)202aは基端側牽引部材174aの先端と協働してスライダ機構330を形成する。このスライダ機構330は、弾性部材182aの端部に配設されたハウジング(基端側連結部材)332と、ハウジング332に対して所定の範囲内を移動可能で基端側牽引部材174aの先端に連結されたスライダ334とを有する。ハウジング332は図14Bに示すハウジング222と同様に形成されている。
ハウジング332の案内部336はスライダ334を基端側牽引部材174aの軸方向にスライド可能に係合する。スライダ334はナット342とボルト344とを有する。ボルト344は、ナット342に対して回転可能に螺合された軸部344aと、軸部344aに一体的に形成された頭部344bとを有する。軸部344aのうち、頭部344bに対する遠位端には、基端側牽引部材174aの先端が連結されている。このため、スライダ334をハウジング332の案内部336に沿って相対的に移動させることができるとともに、ボルト344の軸部344aに対するナット342の螺合位置を調整することにより基端側牽引部材174aの張り具合の調整を行うことができる。このように、ナット342とボルト344とを有するスライダ334は、ハウジング332と協働して基端側牽引部材(牽引部材)174a,174bの張り具合を調整する調整機構を形成する。また、ナット342及びボルト344は、スライダ334がハウジング332の上端に配設されたときの、基端側牽引部材174a,174bの基端と、ハウジング332の上端及びボルト344の軸部344aのうち頭部344bに対する遠位端部のうちの近い方との間の距離を調整する距離調整部を形成する。
このように、緩衝部176aの基端側において、ハウジング332の案内部336に対して相対的にスライダ334が移動可能であり、かつ、緩衝部176aの先端側において、ハウジング222の案内部234に対して相対的にスライダ224が移動可能であるので、第2スプロケット172がその中心軸C回りに回動して、第2湾曲部26に力を伝達するまでに遊びが形成されている。
次に、この変形例に係る内視鏡10の作用について説明する。
第1湾曲部24をU方向に湾曲させる際、基端側牽引部材174aが基端側に引っ張られる。このとき、ハウジング332の案内部336の基端にスライダ334が当接する。そして、弾性部材182aは例えば自然長やその重力により伸びた状態等のニュートラル状態又はそれに近い状態で、基端側に移動する。
このため、ハウジング222の案内部234の先端にスライダ224が当接する。ハウジング332内のスライダ334が案内部336の基端に当接し、かつ、ハウジング222内のスライダ224が案内部234の先端に当接した状態で、基端側牽引部材174aがさらに基端側に引っ張られると、弾性部材182aが伸張する。
このため、第2実施形態で説明したように、先端側牽引部材178aに対して徐々に引っ張り力が加えられていく。
ここで、スライダ224とハウジング222の案内部234との間に遊びが存在し、かつ、スライダ334とハウジング332の案内部336との間に遊びが存在している。このため、第1湾曲部24の湾曲量が小さい状態(真っ直ぐの状態を含む)においては第2湾曲部26をU方向及びD方向のいずれにも湾曲させることができる。一方、第1湾曲部24の湾曲量が大きくなり、2つのスライダ機構220,330の両者に遊びがなくなると、先端側牽引部材178aが張って第2湾曲部26に徐々に圧縮力が加えられていく。
すなわち、この変形例によれば、第1湾曲部24の例えばU方向の湾曲角度が大きい範囲に限って第2湾曲部26のU方向側に圧縮力を加えて、D方向に湾曲するのを防止できる。
この変形例に係る内視鏡10では、ハウジング222の案内部234に対して先端側牽引部材178aの基端のスライダ224をスライド可能とし、ハウジング332の案内部336に対して基端側牽引部材174aの基端のスライダ334をスライド可能としたことによって、第2実施形態で説明した場合に比べて第1湾曲部24を湾曲させたときに第2湾曲部26に圧縮力を加えるタイミングについて、調整の幅を広げることができる。
また、この変形例では、2つのハウジング222,332及び2つのスライダ224,334を用いる例について説明したが、第2の実施の形態とは異なり、ハウジング332及びスライダ334を有し、ハウジング222及びスライダ224を有さない構造であっても良い。
また、この変形例のスライダ機構330の構造は、各変形例を含む第1の実施の形態の連結機構58aの構造を採用することも好適である。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
C…中心軸、C…中心軸、10…内視鏡、12…挿入部、14…操作部、22…先端硬質部、24…湾曲部、24a…外皮、28…可撓管部、34…湾曲管、44…湾曲駆動機構、52…スプロケット、54…湾曲部用操作ノブ、56…チェーン、58a.58b…連結機構(スライダ機構)、60a,60b…アングルワイヤ、62a,62b…コイルパイプ、64…地板、64a…チェーンガイド、78a,78b…先端側牽引部材、90…カバー、90a…開口、102…ハウジング、104…スライダ、106…スペーサ、112…窓部、114a…スリット、114…案内部、114b…開口(ハウジングの下端)、116…収容部、118…連通部、122…ナット、124…ボルト、124a…軸部、124b…頭部。

Claims (7)

  1. 先端硬質部と、複数の方向に湾曲可能な湾曲部とを有する挿入部と、
    前記挿入部の基端部に設けられた操作入力部と、
    前記先端硬質部又は前記湾曲部に一端が連結され、他端が前記操作入力部に向かって延出された牽引部材と、
    前記操作入力部の操作の入力に応じて前記牽引部材の一端を牽引可能な牽引機構と、
    前記牽引部材の他端と前記牽引機構とを前記牽引部材の軸方向に相対的に所定範囲内に移動させるスライダ機構と、前記スライダ機構に設けられ前記牽引部材を牽引した状態での前記スライダ機構と前記牽引部材の一端との間の前記牽引部材の張り具合を調整する調整機構とを有し、前記牽引部材の他端と前記牽引機構との間に配設された連結機構と
    を具備する内視鏡。
  2. 前記調整機構は、前記牽引部材の一端と前記スライダ機構との間の距離を調整する距離調整部を有する請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記スライダ機構は、
    前記牽引部材の他端に連結されたスライダと、
    前記スライダを出し入れする開口と前記開口に連通し前記スライダを前記牽引部材の軸方向に沿って所定の範囲を移動させる案内部とを有するハウジングと
    を有する請求項1に記載の内視鏡。
  4. 前記スライダは、
    前記牽引部材の一端が連結された軸部を有するボルトと、
    前記ボルトの軸部に螺合されたナットと
    を有する請求項3に記載の内視鏡。
  5. 前記ハウジングの案内部及び前記ナットは前記牽引部材の軸回りに対して相対的な回転を防止する回転防止形状を有する請求項4に記載の内視鏡。
  6. 前記湾曲部は、第1の湾曲部と、前記第1の湾曲部の基端側に設けられた第2の湾曲部とを有し、
    前記牽引部材の一端は、前記第1の湾曲部に連結されている請求項1に記載の内視鏡。
  7. 前記湾曲部は、第1の湾曲部と、前記第1の湾曲部の基端側に設けられた第2の湾曲部とを有し、
    前記牽引部材の一端は、前記第2の湾曲部に連結されている請求項1に記載の内視鏡。
JP2012046364A 2012-03-02 2012-03-02 内視鏡 Active JP5840033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012046364A JP5840033B2 (ja) 2012-03-02 2012-03-02 内視鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012046364A JP5840033B2 (ja) 2012-03-02 2012-03-02 内視鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013180085A true JP2013180085A (ja) 2013-09-12
JP5840033B2 JP5840033B2 (ja) 2016-01-06

Family

ID=49271167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012046364A Active JP5840033B2 (ja) 2012-03-02 2012-03-02 内視鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5840033B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015118705A1 (ja) * 2014-02-07 2017-03-23 オリンパス株式会社 内視鏡
CN111938546A (zh) * 2020-08-31 2020-11-17 李广俊 一种胆道内窥镜
CN111938547A (zh) * 2020-08-31 2020-11-17 李广俊 一种多角度转向的内窥镜
JP2021041156A (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 テウン メディカル カンパニー リミテッド チェーンの引っ掛かり防止機能を有する内視鏡

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03109020A (ja) * 1989-09-21 1991-05-09 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡
JP2011177383A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Fujifilm Corp 内視鏡の操作ワイヤ連結装置及び内視鏡

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03109020A (ja) * 1989-09-21 1991-05-09 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡
JP2011177383A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Fujifilm Corp 内視鏡の操作ワイヤ連結装置及び内視鏡

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015118705A1 (ja) * 2014-02-07 2017-03-23 オリンパス株式会社 内視鏡
JP2021041156A (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 テウン メディカル カンパニー リミテッド チェーンの引っ掛かり防止機能を有する内視鏡
CN111938546A (zh) * 2020-08-31 2020-11-17 李广俊 一种胆道内窥镜
CN111938547A (zh) * 2020-08-31 2020-11-17 李广俊 一种多角度转向的内窥镜

Also Published As

Publication number Publication date
JP5840033B2 (ja) 2016-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10675062B2 (en) Spinal correction system actuators
JP5840033B2 (ja) 内視鏡
JP5566452B2 (ja) 内視鏡シャフト
US9968241B2 (en) Apparatus for maintaining a tensioned pull-wire in an endoscope
US20090299409A1 (en) Endoscopic suturing tension controlling and indication devices
WO2013154048A1 (ja) 内視鏡
CN108882932A (zh) 具有非对称关节运动构造的外科器械
JP5416311B2 (ja) 内視鏡
US20020165485A1 (en) Means for maintaining tension on a steering tendon in a steerable catheter
CN105188827A (zh) 用于可偏转导管的转向致动器
WO2011111258A1 (ja) 多段湾曲医療装置
EP1708609A1 (en) Instrument for fine-mechanical or surgical applications
US20170065153A1 (en) Bending portion for endoscope and endoscope including bending portion for endoscope
JP6025401B2 (ja) 医療器具
WO2017043124A1 (ja) 内視鏡
JP2008220972A (ja) 処置具
JP4145309B2 (ja) 処置具
JP2011027986A (ja) 内視鏡装置
JP6053102B2 (ja) 医療用マニピュレータ
JP3944514B2 (ja) 外科用器具
US20120277526A1 (en) Endoscopic device
CN108882934A (zh) 具有用于缆线驱动关节运动系统的张紧构造的外科器械
JP2005230184A (ja) 医療用具
JPS639281Y2 (ja)
JP2014083202A (ja) 挿入器具、内視鏡及び挿入器具の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150415

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20150422

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20150525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151110

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5840033

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250