JP2013179885A - クリーム様組成物 - Google Patents

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泰正 山田
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一郎 山田
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Abstract

【課題】ガレート型カテキンを含有しながらその苦渋味が低減され、コラーゲンを含有しながらその臭みや不快味がなく、健康増進効果及び美容効果に優れ、しかもクリーム様の官能特性を有しながら、脂肪分を全く含有していない又は顕著に脂肪分が低減されたクリーム様食品組成物及び該クリーム様食品組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)ガレート型カテキン及び/又はタンニン酸を0.3〜8.0重量%、(B)平均分子量4,000以上の水溶性コラーゲンを1.0〜16.0重量%、(C)アラビアガムを0.7〜8.0重量%、(D)二糖以下の糖質を50〜80重量%含有し、水分値が13〜23重量%、比重が0.5〜1.1の範囲にあるクリーム様食品組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼き菓子やチョコレートのフィリングとして使用できるクリーム様組成物であって、油脂性クリームに類似した口どけや濃厚さを有するクリーム様組成物及びその製造方法に関する。
世界中で、脂肪分の摂り過ぎによる肥満や、それに起因する心疾患などの生活習慣病が大きな問題となっている。脂質を多く含む食品として、焼き菓子やチョコレートにクリームを組み合わせた菓子は、クリームサンドクッキーやチョコレート菓子などの形態で世界中に流通しており、その口どけや濃厚さから非常に人気の高い商品である。これらに用いられるクリームは、常温で長期保存可能であり、(1)油脂相に砂糖などの固形粒子を分散させた油脂性クリームか、(2)油脂相に糖液などの水相を乳化させた油中水型乳化クリームか、もしくは(3)糖液などの水相に油脂相を乳化させた水中油型乳化クリームに分類される。上記クリーム類は口どけの軽さと脂肪の濃厚さを兼ね備えた嗜好性の高い食品であるが、いずれの場合も通常は多量の脂質を含むため、ダイエット志向や健康志向の消費者から敬遠される要因となっていた。
また、上記クリーム類の油脂には、クリームとしての半固形状の物性をもたせるため、液状の植物油脂に工業的に水素添加を行なったショートニングが一般的に用いられている。しかし、ショートニングに含まれるトランス脂肪酸には、LDLコレステロール値を上昇させ、心疾患のリスクを高めるという健康被害が指摘されており、近年、使用を規制する国が増加している。
以上から、上記クリーム類の脂肪含量を低減させることは、我々の健康にとって大きな意味があるといえる。しかし、脂肪含量を低減させると、クリームの濃厚さが失われることに加え、(1)や(2)の油脂を分散媒とするクリームでは口どけが悪く粉っぽくなり、(3)の水中油型乳化クリームでは分散媒である水相の食感に近似されていく。さらに、無脂肪にしようとした場合、(1)や(2)は分散媒がなくなるため不可能であり、(3)は水相成分そのものとなってしまう。
そのような中、脂肪代替品の開発は数多くなされており、イヌリンなどの多糖類、デンプン類、セルロース類などが一般的に使用されている(例えば特許文献1〜3)。しかし、これらの成分の使用は食感に糊感やざらつき、粘性をもたらし、さらに、これらの好ましくない性質は低水分下においてより顕著なものとなるため、殺菌工程の必要ない長期常温保存可能なクリーム代替物はこれまで存在しなかった。
また、上記の脂肪代替品の他に、水中油型乳化系における脂肪球様の官能特性を有する油脂代替品の提案が種々なされている(例えば特許文献4〜9)。しかし、いずれの発明も長期常温流通菓子への適用に関する記載はなく、実際に高水分値でのみ効果を発揮するため、常温保存可能なクリーム様組成物としての適用は不可能であった。
ところで、肥満やメタボリック症候群は、「生活習慣病」と言われるように、その治療には日々の生活習慣からの改善が必要であるが、普段の食生活の中に健康食品を効果的に取り入れることも重要である。その中で、脂肪吸収抑制効果を有する物質としてカテキン類が知られており、脂肪消費を助ける飲料や、コレステロールの吸収を抑える茶など、カテキン類の生理活性に着目した健康食品が既に種々販売されている。特にカテキン類の中でも、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)のような分子内にガロイル基を有するガレート型カテキンは、LDLコレステロールの酸化抑制などに対して生理活性が高いと言われている。しかし、ガレート型カテキンは、苦渋味を有するカテキン類の中でも収斂味とも表現される特有の渋味を有し、苦味に関してもエピカテキン(EC)、カテキン(C)の2〜3倍の強さをもつ。そのため、ガレート型カテキンの苦渋味を軽減することは非常に重要な課題であると言える。
カテキン類の苦渋味をマスキングする技術は種々提案され続けているが(例えば特許文献10〜12)、その効果は十分なものではなく、お菓子感覚で食後に無理なく摂取できる商品は市場に出されていない。食事に含まれる脂肪に対して効果的に作用させるために、食後のお菓子として手軽に食べられるカテキン含有食品が今後期待される。
特許第2946622号公報 特許第3138329号公報 特許第3302154号公報 特開平1−168244号公報 特公平6−75474号公報 特公平7−22497号公報 特公平7−32685号公報 特許第3626501号公報 特許第4637449号公報 特許第3378577号公報 特許第3579496号公報 特開2011−15632号公報
本発明の目的は、ガレート型カテキンを含有しながらその苦渋味が低減され、コラーゲンを含有しながらその臭みや不快味がなく、健康増進効果及び美容効果に優れ、しかもクリーム様の官能特性を有しながら、脂肪分を全く含有していない又は顕著に脂肪分が低減されたクリーム様食品組成物及び該クリーム様食品組成物の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ガレート型カテキン及び/又はタンニン酸、平均分子量4,000以上の水溶性コラーゲン、アラビアガム及び二糖以下の糖を水に特定量で含有させることにより、驚くべきことに油脂性クリームに代替可能なクリーム様食品組成物が得られ、さらにはガレート型カテキンの苦渋味やコラーゲンの不快味が顕著に低減されることを発見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕(A)ガレート型カテキン及び/又はタンニン酸を0.3〜8.0重量%、
(B)平均分子量4,000以上の水溶性コラーゲンを1.0〜16.0重量%、
(C)アラビアガムを0.7〜8.0重量%、
(D)二糖以下の糖質を50〜80重量%含有し、
水分値が13〜23重量%、比重が0.5〜1.1の範囲にあるクリーム様食品組成物、
〔2〕前記(A)成分、(B)成分、(C)成分の含有量(単位:重量%)が以下の式の範囲内にある前記〔1〕に記載のクリーム様食品組成物、
i)2.0≦((B)/(A))≦13.0
ii)1.0≦((B)/(C))≦5.0
〔3〕前記(A)成分を含有する溶液と、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する溶液とを混合し、その後エアレーションすることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のクリーム様食品組成物の製造方法
に関する。
本発明のクリーム様食品組成物は、健康増進に関する高い生理活性を持つガレート型カテキンを含有しながらその苦渋味が低減され、美容効果のあるコラーゲンを含有しながらその不快味もない、健康増進効果及び美容効果に優れたクリーム様食品組成物である。
図1は、試験例2で行った物性評価試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
「クリーム」とは、固体・液体・気体を分散質とした流動性の低い粘性液体全般をいう。とくに本発明でいう「クリーム様食品組成物」とは、気泡などの分散質によって流動性が失われ、室温下では一定以上の外力を受けない限り変形しない、保形性のある半固形状の物性を有するものである。
以下、本発明のクリーム様食品組成物(以下、単に組成物ともいう)を構成する各成分に関して説明する。
〔(A)ガレート型カテキン及び/又はタンニン酸〕
カテキンとは、緑茶、紅茶あるいはウーロン茶などのカメリア属に分類される植物の茶に多く含まれているポリフェノールの一種であり、主にエピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、カテキン(C)、カテキンガレート(Cg)などのフラバン−3−オール類の総称であるが、本発明において「ガレート型カテキン」とは、分子内にガロイル基を有するカテキンであり、具体的には、ECg、EGCg、Cgなどを指す。これらは、精製品の他、粗製品でも良く、これらを含有する天然物もしくはその加工品でも良い。夾雑物の少ないことが風味などの嗜好性の点で好ましいため、茶葉から熱水や水溶性有機溶媒により抽出・濃縮された茶抽出物や、それをカラムなどで精製したものを使用することが好ましい。市販品としては、例えば、太陽化学(株)「サンフェノン」、三井農林(株)「ポリフェノン」などが挙げられる。
タンニン酸とは、五倍子、没食子などの植物に多く含まれるポリフェノールの一種であり、古くより漢方薬や収斂薬として利用されている成分である。タンニン酸の分子式はC765246であり、式(1):
Figure 2013179885
に示す化学構造を有する加水分解型タンニンである。本発明においてタンニン酸は、工業的に精製されたものを用いることもできるが、五倍子、没食子などタンニン酸を多量に含む高タンニン酸含有天然植物の抽出物又はその半精製物をそのまま用いてもよい。
本発明の組成物中の(A)ガレート型カテキン及び/又はタンニン酸の含有量は0.3〜8.0重量%であり、0.4〜6.0重量%であることが好ましい。前記含有量が0.3重量%より小さすぎると、クリーム様の口当たりに乏しいものとなってしまう。一方、前記含有量が8.0重量%より大きすぎると、苦渋味を強く感じてしまい、ざらつきを生じる場合もある。なお、ガレート型カテキン及びタンニン酸を併用する場合は、両者の総含有量が上記範囲内にあればよい。
〔(B)平均分子量4,000以上の水溶性コラーゲン〕
コラーゲンは、動物組織における主要な構成タンパク質であり、皮膚、血管、内臓、骨などの至るところに存在していることが知られている。コラーゲンを加熱・変性させて得られるゼラチンの他、それをさらに酵素などで加水分解したコラーゲンペプチドも包含して水溶性コラーゲンという。
本発明において水溶性コラーゲンは、由来生物や製法に関して特に限定されずに使用することができる。ゼリー強度に関しては特に限定はないが、200ブルーム以下であることが口どけの良い滑らかな食感を得られる点で好ましい。
本発明では、平均分子量4,000以上のコラーゲンを使用することでガレート型カテキンの苦渋味を効果的にマスキングできる。好ましくは、平均分子量5,000以上である。なお、コラーゲンの分子量に関する情報は、粘度測定やHPLC及びゲルろ過法等の定量方法によって得られ、すでに公知の手法を使用することが可能である。ここで平均分子量とは重量平均分子量をいう。
本発明の組成物中の(B)平均分子量4,000以上の水溶性コラーゲンの含有量は1.0〜16.0重量%であり、2.0〜15.0重量%であることが好ましい。前記含有量が1.0重量%より小さすぎると、苦渋味のマスキング効果が弱く、濃厚さや起泡性に乏しく、クリーム感に欠けるものとなってしまう。一方、前記含有量が16.0重量%より大きすぎると、ゲル化などの不都合な現象が生じてしまう。
〔(C)アラビアガム〕
アラビアガムは、アカシアガム、アラビアゴム又はアカシア食物繊維とも呼ばれ、熱帯地方に生育するマメ科のアラビアゴムノキ(学名Acacia senegal)から採取される多糖類である。
本発明の組成物中の(C)アラビアガムの含有量は0.7〜8.0重量%であり、0.8〜7.0重量%であることが好ましい。前記含有量が0.7重量%より小さすぎると、(A)成分と(B)成分が凝集を起こしてざらついた食感になりやすい。一方、前記含有量が8.0重量%より大きすぎると、アラビアガム自身の粘性により、クリーム様の物性とならない。
特に、本発明の組成物においては、(A)成分、(B)成分、(C)成分の含有量(重量%)を、以下の式の範囲内に調整することが好ましい。
i)2.0≦([B]/[A])≦13.0
ii)1.0≦([B]/[C])≦5.0
前記i)について、([B]/[A])が2.0未満では、ガレート型カテキン由来の苦渋味のマスキングが不十分になる。また、([B]/[A])が13.0を超えるとゲル化や粘度上昇などの不都合な現象が生じてしまう。
前記ii)について、([B]/[C])が1.0未満では、多量のアラビアガムによって粘性や糸引きを生じてしまう。また、([B]/[C])が5.0を超えるとガレート型カテキンとコラーゲンが凝集を起こしやすくなる。
〔(D)二糖以下の糖質〕
二糖以下の糖質とは、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、イソマルツロース、セロビオース等の二糖類、また、アルドースやケトースの還元体である糖アルコール(キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等)をいう。
本発明の組成物では、二糖以下の糖質を合計して50〜80重量%含有する。好ましくは54〜77重量%含有する。二糖以下の糖質の含有量が50重量%未満では、粘性が高く、また長期常温流通が困難になる場合がある。一方、二糖以下の糖質の含有量が80重量%を越えると、非常に甘い味となり、食感も糖液様になり好ましくない。
本発明の組成物には、前記二糖以下の糖質に加えて、食品に添加できる三糖、四糖、オリゴ糖、多糖類等も含有することができる。
本発明の組成物における水分値は13〜23重量%であり、好ましくは14〜21重量%である。13重量%未満では非常に硬い食感となりクリーム様の口どけが得られず、23重量%を超えると保形性が不十分で、水分活性も高く、長期常温流通商品として適さないものとなる。なお、水分値は、本発明の組成物中に加える水の量を増減させたり、加熱して水分を揮発させたりして調整することができる。また、本発明の組成物における水分値は、減圧乾燥法により乾燥前後での組成物の重量差を測定することにより算出できる。
本発明の組成物は、クリーム様の官能特性を有しながら、脂肪分を全く含有していない又は顕著に脂肪分が低減されたものである。本発明の組成物中の脂肪分の含有量としては、3重量%以下が好ましく、実質的に含有していないことがより好ましい。
本発明の組成物には、所望により、果汁、野菜汁、豆乳、乳製品、茶類、コーヒー、チョコレート、アルコール類、グリセリン、酸味料、香料、着色料、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、タンパク質、乳化剤、安定剤、増粘多糖類、高甘味度甘味料などの任意成分を含有してもよい。これらの任意成分を適宜選択することで、嗜好性の幅を広げることができる。なお、前記任意成分は、嗜好性や物理的安定性に悪影響を与えない範囲で使用すればよい。
本発明の組成物における比重は0.5〜1.1であり、好ましくは0.6〜1.0である。前記比重を0.5未満にすることは製造上困難であり、また、前記比重が1.1を超えると保形性が不十分となるか粘性が高いものとなってしまう。なお、前記比重は、各成分の含有量及びエアレーションの程度により調整することができる。また、比重は、例えば、本発明の組成物を所定の容器に満杯まで充填して、該組成物の重量を測定し、同様に充填して測定した水の重量との比によって算出できる。
以上のような構成を有する本発明の組成物は、上記(A)を含有する溶液と、(B)、(C)、(D)を含有する溶液とをそれぞれ作製しておき、それら2種の溶液を混合し、その後エアレーションすることにより製造することができる。
また、その他の任意成分は、前記の任意の工程で添加すればよい。
なお、前記各成分を混合する際の条件については、60℃程度まで溶液を加温した状態で攪拌しながら混合することが好ましい。
本発明におけるエアレーションとは、気泡を内部に含有させる(含気させる)工程であり、その方法に特に限定はないが、例えば、強い攪拌によって空気を内部に取り込ませる方法(いわゆる泡立て)や、空気やその他のガスを通気させる方法、発泡剤などを添加することによってガスを発生させる方法などがある。
前記のようにして得られる本発明の組成物は、そのままで食べることも可能であるが、例えば、他の食材の表面に本発明の組成物を塗布したり、他の食材間で挟んだり、食材中に充填したり、いわゆるフィリングやトッピング材料として使用することができる。
前記食材としては、例えば、クッキー、ビスケット、ケーキ、スポンジケーキ、カステラなどの焼き菓子、チョコレート、キャンディ、ゼリーなどの砂糖菓子、和生菓子、饅頭、洋生菓子、菓子パンなどの生菓子、八つ橋、おこしなどの干菓子などが挙げられるが、特に限定はない。
本発明の組成物自身の水分活性は低いため、前記食材に日持ちのするものを選択すれば、長期常温流通可能な菓子となる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、本実施例において、「部」及び「%」は重量基準である。
(実施例1)
グラニュー糖120部、還元麦芽糖水飴(商品名:LYCASIN 75/77、ロケットジャパン株式会社製、Bx.75、固形分中のマルチトール含量75%以上かつ二糖以下の糖質の含量77%、以下同じ)75部、アラビアガム(商品名:インスタントガムAB、コロイドナチュレルジャパン社製、以下同じ)9部、水25部を混合加熱し、真空釜にて濃縮し、続いてコラーゲンペプチド(商品名:HBC−P20、新田ゼラチン株式会社製、平均分子量20,000)30部を水30部に溶かした溶液を添加混合して、糖液を調製した。そして、ガレート型カテキン(商品名:サンフェノンEGCg、ガレート型カテキン含有率95重量%以上、太陽化学株式会社製、以下同じ)6部を水12部に溶かした溶液を調製し、80℃に調整した糖液に添加混合して、その後、室温下に冷却しながらミキサーで比重が0.7になるまで泡立て、クリーム様の食品組成物を得た。得られた組成物は保形性が高く、水分値は18重量%、水分活性は0.68であり、長期常温流通可能なものであった。なお、水分活性は、水分活性恒温測定装置(「LabMaster−aw」、Novasina社製)にて測定した。
(実施例2〜8、比較例1〜3)
表1に示す配合で、実施例1と同様にして食品組成物を作製した。なお、各成分を混合後、必要に応じて真空釜で濃縮を行ない、規定の水分値になるように調整した。
(試験例1:官能評価試験)
実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた組成物について、5名のパネラーによる官能試験による評価を行なった。下記に示す官能評価方法によって得られた結果を表1に示す。
(1)食感に関する評価
5名のパネラーが、下記に示す内容に従って食感を3段階評価し、その平均値を四捨五入して整数で表したものを評点とする。
点数:内容
3:クリームのような口どけと濃厚さのある食感である。
2:口どけ・濃厚さのいずれかはやや不十分だが、クリームに近い食感である。
1:クリームとは程遠く、高い粘性もしくは弾力を感じる食感である。
本発明では、上記「3」又は「2」の評価のものをクリーム様の食感と判断した。
(2)苦渋味に関する評価
5名のパネラーが、下記に示す内容に従って苦渋味強度を3段階評価し、その平均値を四捨五入して整数で表したものを評点とする。
強度:内容
1:苦渋味をあまり感じない。
2:苦渋味を感じる。
3:苦渋味を強く感じる。
表1の結果から、実施例1〜5、7で得られた食品組成物はいずれも、クリーム様の食感を有しており、ガレート型カテキンに由来する苦渋味をあまり感じないものであった。実施例6の食品組成物は、苦渋味を若干感じたが、比較例3のものに比べると顕著な違いがあった。実施例8の食品組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分の含有量がいずれも少ないにも関わらず、クリームに近い食感を奏するものであった。
また、実施例1〜8の食品組成物は、いずれもコラーゲンの不快味も感じず、濃厚さとなめらかな口どけを併せ持ったクリーム様の官能特性を有するものであった。
さらに、実施例1〜8の食品組成物は、いずれも保形性も高く、水分活性は0.7以下であり、長期常温流通可能なものであった。
一方、比較例1は(D)成分の含有量が少なく粘り気の強いものとなった。比較例2は(A)成分の含有量が少なくコラーゲン臭を感じ、物性も弾力のあるゲルに近いものであった。比較例3については(A)成分の含有量が多く、強い苦渋味を感じるだけでなく、ざらついた食感となってしまった。
Figure 2013179885
(試験例2:物性評価試験)
続いて、実施例1及び比較例1、2で得られた食品組成物について、下記測定条件にてテクスチャーアナライザー(「Texture Analyzer TA.XT.plus」、Stable Micro System社製)による食感の評価を行なった。比較のため、市販品の半生タイプのソフトケーキ菓子中の油脂性クリームについても同様に測定した。結果を図1に示す。
[測定条件]
・試料の調製:各食品組成物を40〜50℃に加温して流動性を与え、内側の直径20mm、高さ10mmの円柱形容器に充填し、室温で12時間静置させた。
・プローブの動作:試料表面から8mm貫入後、元の位置まで戻る。
・プローブ:直径3mm円柱形ステンレス製プローブ
・試験速度:貫入時)2mm/秒、戻り時)10mm/秒
・測定温度:22℃
・グラフの縦軸:荷重(単位:kg)、グラフの横軸:貫入距離(単位:mm)
・貫入時の最大荷重を「硬さ(単位:kg)」、貫入後の戻り時の逆向きの最大荷重を「粘着力(単位:kg)」とする。
なお、油脂性クリームは、硬さ:0.075kg、粘着力:0.031kgであった。
図1に示す結果より、実施例1の食品組成物は、油脂性クリームと類似の硬さ、粘着力を示していることから、クリーム様の物性を有していることがわかる。さらに、実施例1の食品組成物は、油脂性クリームと比べると、硬さ(縦軸:Forceの正の部分の最大値)の数値が低く、粘着力(縦軸:Forceの負の部分の最小値)の数値が同程度であることから、油脂性クリームよりもやわらかい食感のものであることがわかる。
一方、比較例1、2の食品組成物は、実施例1の食品組成物、油脂性クリームと比べると硬さ、粘着力が顕著に異なることから、クリーム様とはいえないものであることがわかる。
(実施例9〜12)
表2に示す配合で、実施例1と同様にして食品組成物を作製した。なお、各成分を混合後、必要に応じて真空釜で濃縮を行ない、規定の水分値になるように調整した。得られた組成物について、上記と同様の官能試験による評価を行なった。結果を表2に示す。
いずれの場合もガレート型カテキンの苦渋味もコラーゲンの不快味もなく、濃厚さとなめらかな口どけを併せ持ったクリーム様の官能特性を有するものであった。また、保形性も高く、水分活性は0.7以下であり、長期常温流通可能なものであった。
Figure 2013179885
なお、表1、2では、食品組成物製造時の各成分の配合量、食品組成物中の物性及び各成分の含有量を示す。

Claims (3)

  1. (A)ガレート型カテキン及び/又はタンニン酸を0.3〜8.0重量%、
    (B)平均分子量4,000以上の水溶性コラーゲンを1.0〜16.0重量%、
    (C)アラビアガムを0.7〜8.0重量%、
    (D)二糖以下の糖質を50〜80重量%含有し、
    水分値が13〜23重量%、比重が0.5〜1.1の範囲にあるクリーム様食品組成物。
  2. 前記(A)成分、(B)成分、(C)成分の含有量(単位:重量%)が以下の式の範囲内にある請求項1に記載のクリーム様食品組成物。
    i)2.0≦((B)/(A))≦13.0
    ii)1.0≦((B)/(C))≦5.0
  3. 前記(A)成分を含有する溶液と、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する溶液とを混合し、その後エアレーションすることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーム様食品組成物の製造方法。
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