JP2013179872A - セルロース可溶化液の糖化方法及びそれに用いる糖化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルロース可溶化液中の金属イオンによる触媒活性の低下を防ぐことができ、稼働コストも低廉なセルロース可溶化液の糖化方法を提供する。
【解決手段】本発明のセルロース可溶化液の糖化装置は、固体酸触媒が充填された固体酸触媒ユニット13と、陽イオン交換物質が充填された第1及び第2の阻害物除去ユニット11,12とを備えている。第1の阻害物除去ユニット11は固体酸触媒ユニット13を経由して第2の阻害物除去ユニット12に直列に接続されており、セルロース可溶化液を第1の阻害物除去ユニット11から固体酸触媒ユニットを経由して第2の阻害物除去ユニット12へ流入する第1の流路と、セルロース可溶化液を第2の阻害物除去ユニット12から固体酸触媒ユニット13を経由して第1の阻害物除去ユニット11へ流入する第2の流路と、第1の流路と第2の流路とを切替可能とする三方バルブV1〜V4とが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースを可溶化した液を加水分解してグルコースやオリゴ糖などの水溶性の糖に変換する、セルロース可溶化液の糖化方法及びそれに用いる糖化装置に関する。
近年、石油代替燃料としてバイオ燃料が注目され、サトウキビやとうもろこし等のバイオマスを原料としたバイオエタノールの生産が実用化されている。しかし、食料品をバイオエタノールの原料とした場合、食料品との競合によって価格が大きく変動する等の問題が生ずる。このため、木材、草、稲わらなど非食料品であるセルロース系バイオマスを原料としたバイオ燃料の生産が望まれている。
ところが、強固なセルロースを糖に加水分解するのは容易ではない。硫酸等の液体の強酸を用いてセルロースを糖化する手法が古くから知られているが、強酸によって装置が腐食したり、強酸の中和処理した場合、石膏等が廃棄物として大量に発生したりするなどの問題があり、実用化に至っていない。
このため、固体酸触媒を用いてセルロースを含有する原料を糖化する方法もある。この方法は、反応塔内に固体酸触媒を充填し、反応搭の上から基質溶液を流して下から反応液を回収したり、バッチ処理によって基質溶液と固体酸触媒とを混合した後、ろ過等によって使用した固体酸触媒を回収したりすることができるため、リサイクル使用が容易であり、廃棄物の問題も少ない。
しかし、固体酸触媒を用いてセルロースを含有する原料を糖化するする方法では単糖化に長時間を要し、収率も低いという問題があった。このため、近年、触媒を用いることなく、加圧熱水によってセルロースを水に可溶な糖類とする水熱処理を行ってから、さらに酵素や固体酸等の触媒によりグルコースやオリゴ糖に変換するという2段階糖化法が注目されている(例えば特許文献1、2)。この水熱処理では「加圧熱水」が用いられる。加圧熱水とは、飽和蒸気圧以上に加圧されることにより、液体状態で存在する高温高圧の水のことをいう。加圧熱水はイオン積が増加するため、セルロースの加水分解反応を促進すると考えられている(特許文献1 段落番号[0024]参照)。このため、水熱処理法は、特別な薬品を使うことなく、短時間でセルロース原料を可溶化することができるという長所を有しており、環境に対する負荷も小さいセルロース原料の可溶化法であるということができる。このため、この水熱処理を前処理として行ってから、触媒によりさらに糖化を行えば、セルロースから触媒を用いて、いきなり糖化する方法に比べて、高収率かつ短時間に反応を行うことができる。
特開2010−166831号公報 特開2010−279255号公報
本発明者らは、上記2段階糖化法における第1段階の水熱処理によって得られたセルロース可溶化液中には様々な金属イオンが存在しており、この金属イオンが固体酸触媒表面の活性点となる水素イオンと置換され、触媒活性が低下するという問題を見出した。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、セルロース可溶化液中の金属イオンによる触媒活性の低下を防ぐことができ、稼働コストも低廉なセルロース可溶化液の糖化方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のセルロース可溶化液の糖化方法は、セルロースを含有する原料を分解抽出して得られたセルロース可溶化液を、陽イオン交換物質が充填された第1の阻害物除去ユニットに流入させる第1工程と、
該第1の阻害物除去ユニットからの流出液を固体酸触媒が充填された固体酸触媒ユニットに流入させて糖化液とする第2工程と、
該固体酸触媒ユニットから流出した糖化液を、陽イオン交換物質が充填された第2の阻害物除去ユニットに流入させて糖化液を得る第3工程と、を有し、
該第1〜3工程終了後、セルロース可溶化液を該第1〜3工程とは逆向きに第2の阻害物除去ユニットから固体酸触媒ユニットを経て第1の阻害物除去ユニットに流すことにより糖化液を得ることを特徴とする。
本発明のセルロース可溶化液の糖化方法では、第1工程において、セルロースを含有する原料を分解抽出して得られたセルロース可溶化液に含まれる金属イオンが、第1の阻害物除去ユニットに充填された陽イオン交換物質に捕捉された後、第2工程において、固体酸触媒ユニット中で糖化反応が行われる。このため、固体酸触媒ユニットに金属イオンが流入することがなく、金属イオンによる触媒活性の低下を防ぐことができる。このため、第2工程での糖化反応が迅速に行われる。さらに、第3工程においては、第2の阻害物除去ユニットに流入した後、糖化液として回収される。
こうして、第1〜3工程終了後、セルロース可溶化液を第1〜3工程とは逆向きに第2の阻害物除去ユニットから固体酸触媒ユニットを経て第1の阻害物除去ユニットに流すことにより、第2の阻害物除去ユニットでセルロース可溶化液に含まれる金属イオンが水素イオンと置換することによって捕捉された後、金属イオンが除去されたセルロース可溶化液が固体酸触媒ユニットに流入し、迅速に糖化反応が進行して糖化液となる。そして、固体酸触媒ユニットから流出した糖化液が第1の阻害物除去ユニットに流入し、陽イオン交換物質に捕捉されていた金属イオンが、糖化液中の水素イオンと置換され、陽イオン交換物質がふたたび陽イオンを捕捉できる状態に再生される。そして第1の阻害物除去ユニットから流出した糖化液を回収する。
以上の工程を繰り返すことにより、何らの薬剤も消費することなく、阻害物除去ユニット内の陽イオン交換物質による金属イオンの捕捉と再生とを繰り返しながら、糖化反応を迅速かつ連続で行うことができる。したがって、本発明のセルロース可溶化液の糖化方法によれば、セルロース可溶化液中の金属イオンによる触媒活性の低下を防ぐことができ、稼働コストも低廉なセルロース可溶化液の糖化を行うことができる。
陽イオン交換物質は陽イオン交換樹脂とすることができる。金属イオンは固体酸触媒状の酸点に存在する水素イオンと置換して触媒の活性を低下させる性質がある。このため、陽イオン交換物質によって金属イオンが捕捉されれば、固体酸触媒の活性を低下させることなく触媒活性を維持することができるからである。このような陽イオン交換物質として、例えば、ナフィオン(登録商標)等の陽イオン交換樹脂が挙げられる。
本発明のセルロース可溶化液の糖化方法は、本発明のセルロース可溶化液の糖化装置を用いて実施することができる。
すなわち、本発明のセルロース可溶化液の糖化装置は、
セルロースを含有する原料を分解抽出して得られた可溶化液に固体酸触媒を接触させて糖化液を得るセルロース可溶化液の糖化装置であって、
前記固体酸触媒が充填された固体酸触媒ユニットと、陽イオン交換物質が充填された第1及び第2の阻害物除去ユニットとを備え、
前記可溶化液を該第1の阻害物除去ユニットから該固体酸触媒ユニットを経由して該第2の阻害物除去ユニットへ流入する第1の流路と、
前記可溶化液を該第2の阻害物除去ユニットから該固体酸触媒ユニットを経由して該第1の阻害物除去ユニットへ流入する第2の流路と、
該第1の流路と該第2の流路とを切替可能とする切替手段と、が設けられているセルロース可溶化液の糖化装置である。
本発明の糖化装置の第2の局面として、固体酸触媒ユニットへ流入するセルロース可溶化液と、固体酸触媒ユニットから流出する糖化液との間で熱交換を行う熱交換器を設けることができる。こうであれば、固体酸触媒ユニットを加熱する場合において、投入する熱エネルギーの省エネが実現できる。
また、本発明の糖化装置の第3の局面は、
前記第1の流路の途中であって、前記第1の阻害物除去ユニットの上流側並びに途中及び/又は下流側にはpHセンサ及び/又は電気伝導度センサが設けられており、
前記第2の流路の途中であって、前記第2の阻害物除去ユニットの上流側並びに途中及び/又は下流側にはpHセンサ及び/又は電気伝導度センサが設けられており、
各該pHセンサ及び/又は各該電気伝導度センサの出力に応じて前記切替手段を制御する制御部が設けられているとした。
こうであれば、pHセンサ及び/又は電気伝導度センサの出力値によって、阻害物除去ユニットの金属イオン吸着量を把握することができる。すなわち、金属イオンの吸着は陽イオン交換物質に存在する水素イオンとの置換によって行われ、陽イオン交換能を有する間は水素イオンの放出によってpHや電気伝導度が変化するため、阻害物除去ユニットの流入液から流出液へのpHや電気伝導度を測定すれば、陽イオン交換の飽和度を測定できることとなる。したがって、pHセンサ及び/又は電気伝導度センサの出力値に基づいて制御部によって切替手段を制御することによって、切替手段の適切な制御が可能となる。
実施形態1の糖化装置において、セルロース可溶化液が第1阻害物質除去ユニット11から固体酸触媒ユニット13を経由して第2阻害物除去ユニット12へ流入している状態を示す模式図である。 実施形態1の糖化装置において、セルロース可溶化液が第2阻害物質除去ユニット12から固体酸触媒ユニット13を経由して第1阻害物除去ユニット11へ流入している状態を示す模式図である。 実施形態2の糖化装置の模式図である。 実施形態3の糖化装置の模式図である。
<実施形態1>
本発明のセルロース可溶化液の可溶化方法を具体化した実施形態1のセルロース可溶化液の糖化装置10を図1に示す。この糖化装置10は、第1阻害物除去ユニット11、第2阻害物除去ユニット12及び固体酸触媒ユニット13を備えている。両阻害物除去ユニット11、12の内部には、酸処理された陽イオン交換樹脂が充填されている。また、固体酸触媒ユニット13の内部には、固体酸触媒が充填されている。固体酸触媒としては、例えば、ゼオライト触媒、シリカアルミナ触媒、ヘテロポリ酸触媒、硫酸化ジルコニア触媒、スルホン化カーボン触媒等が挙げられる。ここでスルホン化カーボンとは、有機物を炭化処理してなるカーボンをスルホン化処理して得られるカーボンをいう。スルホン化カーボンはセルロースの加水分解に対して特に優れた触媒活性を有している。中でも、多孔性のカーボンをスルホン化処理して得られた多孔性スルホン化カーボンがさらに好ましい。また、異なる固体酸触媒を2種以上用いてもよい。
第1阻害物除去ユニット11の両端には三方バルブV1、V2が取り付けられており、第2阻害物除去ユニット12の両端には三方バルブV3、V4が取り付けられている。
また、セルロース化溶液を流入させるための流入管14が途中で枝分かれして三方バルブV1及びV3に接続されている。また、三方バルブV2と三方バルブV4とを接続する2つの配管15、16が配設されている。さらには、配管15の途中から配管17aが枝分かれして固体酸触媒ユニット13の一端に接続されており、固体酸触媒ユニット13の他端には配管17bの一端が接続されており他端が配管16の途中に接続されている。
次に、上記糖化装置10の使用方法について説明する。
図示しないセルロース可溶化装置から送られるセルロース可溶化液は、流入管14から流入し、以下の流路(図1中の太線で示す流路)を経由するように三方バルブV1〜V4が操作される。
まず、流入管14から流入したセルロース可溶化液は、三方バルブV1から第1阻害物除去ユニット11に入る。ここで、セルロース可溶化液に含まれる金属イオンが陽イオン交換樹脂に吸着される。こうして金属イオンが除去されたセルロース可溶化液は、三方バルブV2を経由して固体酸触媒ユニット13入り、糖化反応が行われる。ここで固体酸触媒ユニット13に流入したセルロース可溶化液は第1阻害物除去ユニットで金属イオンが除去されているので、金属イオンによって固体酸触媒の触媒活性が低下することはなく、糖化反応は迅速に進行する。そして、固体酸触媒ユニット13から流出した糖化液が三方バルブV4を経由して、第2阻害物除去ユニット12に入り、さらに三方バルブV3を経て糖化液を回収する。
所定時間経過後、図2に示すように、セルロース可溶化液を上記流れとは逆向きに、第2の阻害物除去ユニット12から固体酸触媒ユニット13を経て第1の阻害物除去ユニット11に流れるように、三方バルブV1〜V4を操作する。
すなわち、まずセルロース可溶化液が三方バルブV3から第2阻害物除去ユニット12に入る。ここで、セルロース可溶化液に含まれる金属イオンが陽イオン交換樹脂の水素イオンと交換されて吸着される。こうして金属イオンが除去されたセルロース可溶化液は、三方バルブV4を経由して固体酸触媒ユニット13入り、糖化反応が行われる。ここで固体酸触媒ユニット13に流入したセルロース可溶化液には金属イオンが含まれていないので、金属イオンが固体酸触媒の触媒活性を低下させることはなく、糖化反応は迅速に進行する。そして、固体酸触媒ユニット13から流出した糖化液が三方バルブV2を経由して、第1阻害物除去ユニット11に入り、陽イオン交換物質に捕捉されていた金属イオンが、糖化液中の水素イオンと置換され、陽イオン交換物質がふたたび陽イオンを捕捉できる状態に再生される。そして第1の阻害物除去ユニット11から流出した糖化液を三方バルブV3から回収する。
以上の工程を繰り返すことにより、何らの薬剤も消費することなく、阻害物除去ユニット11、12内の陽イオン交換物質による金属イオンの捕捉と再生とを繰り返しながら、糖化反応を迅速かつ連続で行うことができる。したがって、実施形態1のセルロース可溶化液の糖化装置によれば、セルロース可溶化液中の金属イオンによる触媒活性の低下を防ぎつつ、稼働コストも低廉なセルロース可溶化液の糖化を行うことができる。
<実施形態2>
実施形態2の糖化装置は、図3に示すように、固体酸触媒ユニット13に流入する配管と流出する配管との間で熱交換を行う熱交換器18が設けられている。その他の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
この糖化装置では、固体酸触媒ユニット13に流入する配管と流出する配管との間で熱交換を行う熱交換器18が設けられているので、固体酸触媒ユニット13を加熱する場合において、投入する熱エネルギーの省エネを実現することができる。
<実施形態3>
実施形態3の糖化装置は、図4に示すように、阻害物除去ユニット11が阻害物除去ユニット11a、11bの2つの部分に分かれており、阻害物除去ユニット12が阻害物除去ユニット12a、12bの2つの部分に分かれている。そして流入管14の途中に第1pHセンサーS1が設けられており、阻害物除去ユニット11a、11b間に第2pHセンサーS2が設けられており、阻害物除去ユニット12a、12b間に第3pHセンサーS3が設けられており、配管17aに第4pHセンサーS4が設けられている。第1〜第4pHセンサーはセンサーの出力に応じて三方バルブV1〜V4の制御を行う制御装置20に接続されている。その他の構成については実施形態2と同様であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態3の糖化装置では、第1〜第4pHセンサーの出力値によって、阻害物除去ユニット11a、11b、12a、12bの金属イオン吸着量を把握することができる。すなわち、金属イオンの吸着は陽イオン交換物質に存在する水素イオンとの置換によって行われ、陽イオン交換能を有する間は水素イオンの放出によってpHが低下するため、阻害物除去ユニットの流入液から流出液へのpHの低下度合いを測定すれば、陽イオン交換の飽和度を測定できることとなる。このため、阻害物除去ユニットの流入液と流出液へpHの差をもとに、阻害物除去ユニット11a、11b、12a、12b内の陽イオン交換物質の金属吸着割合をリアルタイムで把握することが可能となる。そして、このpHの差が小さくなった時点で、流す方向が逆向きになるように、三方バルブV1〜V4を制御装置20によって制御すればよい。なお、図4の太線で示す流路を流れている場合には、阻害物除去ユニットの途中に設置されたpHセンサーS2は、pHセンサーS4よりも早くpHの変化を把握でき、逆向きで流れている場合は、阻害物除去ユニットの途中に設置されたpHセンサーS3は、pHセンサーS4よりも早くpHの変化を把握できるため、阻害物除去ユニットの飽和度の迅速な把握をするためには、阻害物除去ユニットの途中に設置することが好ましい。
なお、上記実施形態3の変形例として、上記pHセンサーの替りに、あるいは上記pHセンサーに加えて、電気伝導度センサーを用いてもよい。陽イオン交換物質による金属イオンと水素イオンとの置換により、電気伝導度が変化するため、pHの変化の替りに電気伝導度の変化を把握することにより、陽イオン交換物質の飽和状態を把握することができ、これによっても制御装置20により三方バルブV1〜V4を制御することができる。
<セルロース可溶化液の調製>
本発明の糖化装置に原料として用いるセルロース可溶化液は以下のようにして調製することができる。
(原 料)
セルロースを含有する原料となるのは、セルロースを含む植物系の原料であり、セルロースの他に、でん粉、ヘミセルロース、ペクチンなど、セルロース以外の多糖を含むものであっても用いることができる。具体的には、稲わら、麦わら、バガス等の草類、竹、笹などの間伐材、おがくず、チップ、端材などの木材加工木屑、街路樹剪定材、木質建築廃材、樹皮、流木等の木質系バイオマス、古紙等のセルロース製品からのバイオマス等が挙げられる。また、セルロースを原料として使用可能な程度含むものであれば、汚泥、畜糞、農業廃棄物、都市ゴミ等も用いることができる。
(粉砕工程)S1
これらの原料は、セルロースの可溶化を促進させるために、前処理として粉砕を行い、セルロースの結晶化度を下げておくことが好ましい。粉砕方法としては特に限定されず、原料の形態に応じて適当な方法を適宜選択すればよいが、まず数〜数十mm程度に粗粉砕してハンドリングし易い状態にしてから、さらに細かく粉砕すると、微粉砕を効率的に行なうことができる。粗粉砕にはハンマーミルやカッターミルなどの汎用粉砕機が使用できる。また、微粉砕には、振動ミル、ボールミル、ロッドミル、ローラーミル、コロイドミル、ディスクミル、ジェットミルなどの汎用粉砕機が使用でき、原料を数〜数十ミクロンに微細化するとともに、セルロース結晶性を低下させることができる。微粉砕処理は、乾式、湿式いずれの方式も適用できるが、セルロースの結晶性を低下させる面で、乾式粉砕が望ましい。原料の含水量が多い場合には、あらかじめ遠心脱水や熱風乾燥などで含水率を30%以下にしてから乾式粉砕を行うことで、セルロースの結晶性を効率的に低下させることができる。
(可溶化工程)S2
粉砕の終わった原料に対して、その水分含有率を測定してから、水分の調整を行う。水分量の多すぎる場合は乾燥させ、水分量が少ない場合は水を添加した後、高温低圧下での可溶化工程S2を行う。実施形態のセルロースの糖化方法では、可溶化工程S2において、100℃以上300℃未満であって、且つ、全圧が0.05MPa以上10MPa未満という高温−低圧の領域で加水分解反応を行うことが好ましい。このような領域は、全圧が飽和水蒸気圧よりも小さい領域(すなわち、水が安定に存在せず、水蒸気のみが存在する領域)か、液体の水と水蒸気とが共存はするが全圧は10MPa未満と小さい領域であり、亜臨界領域や超臨界領域とは全く異なる状況である。この差異により、本発明のセルロースの可溶化方法では、乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物の生成がきわめて少ないというという特徴を有することとなる。
可溶化工程での反応容器は蓋付きの密閉容器を用いることができる。このような容器としては、耐食性金属からなるオートクレーブ装置や、PTFE等のフッ素樹脂からなる蓋付き容器を内側に収容する金属性耐圧容器といった、二重構造の容器を用いることもできる。
そして、これらの容器内にセルロースを含有する原料と水とを所定量投入し、蓋を閉めて温度を100℃以上300℃未満の所定の温度に設定する。これにより原料にもともと含まれていた水分及び添加した水は、水蒸気となり体積を増す。このとき、最終的に到達する圧力は、実ガスに対する補正がなされた状態方程式に、温度、水の量及び容器体積を代入することにより、容易に求めることができる。このため、可溶化工程に先立って行われる、粉砕されたセルロース原料の水分調整は、計算で求められた量となるように行う。加熱方法は特に制限されず、電気ヒータ、高周波、マイクロ波、スチーム等を用いることができる。
(水抽出工程)S3
こうして得られた可溶化混合物に対して0.1〜500倍量となるように水を加えて混合し、抽出を行う。
(固液分離工程)S4
抽出液を固液分離装置で固液分離を行い、セルロース可溶化液を得る。固液分離装置としては、例えば、重力沈降方式、遠心分離方式、膜分離方式、凝集分離方式、浮上分離方式等を用いた装置が挙げられる。こうして得られた可溶化液には、オリゴ糖等の低分子量多糖類やグルコースが主成分として含まれているほか、乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物も生成するが、その割合は上述した加圧熱水法に比べて極めて少ない。
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
10…糖化装置、13…固体酸触媒ユニットと、11…第1阻害物除去ユニット、12…第2阻害物除去ユニット、V1、V2、V3、V4…三方バルブ(切替手段)、18…熱交換器、糖化装置、S1、S2、S3、S4…pHセンサ、
20…制御装置

Claims (4)

  1. セルロースを含有する原料を分解抽出して得られたセルロース可溶化液を、陽イオン交換物質が充填された第1の阻害物除去ユニットに流入させる第1工程と、
    該第1の阻害物除去ユニットからの流出液を固体酸触媒が充填された固体酸触媒ユニットに流入させて糖化液とする第2工程と、
    該固体酸触媒ユニットから流出した糖化液を、陽イオン交換物質が充填された第2の阻害物除去ユニットに流入させて糖化液を得る第3工程と、を有し、
    該第1〜3工程終了後、セルロース可溶化液を該第1〜3工程とは逆向きに第2の阻害物除去ユニットから固体酸触媒ユニットを経て第1の阻害物除去ユニットに流すことにより糖化液を得ることを特徴とするセルロース可溶化液の糖化方法。
  2. セルロースを含有する原料を分解抽出して得られた可溶化液に固体酸触媒を接触させて糖化液を得るセルロース可溶化液の糖化装置であって、
    前記固体酸触媒が充填された固体酸触媒ユニットと、陽イオン交換物質が充填された第1及び第2の阻害物除去ユニットとを備え、
    前記可溶化液を該第1の阻害物除去ユニットから該固体酸触媒ユニットを経由して該第2の阻害物除去ユニットへ流入する第1の流路と、
    前記可溶化液を該第2の阻害物除去ユニットから該固体酸触媒ユニットを経由して該第1の阻害物除去ユニットへ流入する第2の流路と、
    該第1の流路と該第2の流路とを切替可能とする切替手段と、が設けられているセルロース可溶化液の糖化装置。
  3. 前記固体酸触媒ユニットへ流入する前記セルロース可溶化液と、該固体酸触媒ユニットから流出する前記糖化液との間で熱交換を行う熱交換器が設けられている請求項2記載のセルロース可溶化液の糖化装置。
  4. 前記第1の流路の途中であって、前記第1の阻害物除去ユニットの上流側並びに途中及び/又は下流側にはpHセンサ及び/又は電気伝導度センサが設けられており、
    前記第2の流路の途中であって、前記第2の阻害物除去ユニットの上流側並びに途中及び/又は下流側にはpHセンサ及び/又は電気伝導度センサが設けられており、
    各該pHセンサ及び/又は各該電気伝導度センサの出力に応じて前記切替手段を制御する制御部が設けられている請求項2又は3記載のセルロース可溶化液の糖化装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014033667A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Equos Research Co Ltd セルロース系バイオマス原料の糖化方法
JP2015142594A (ja) * 2015-05-12 2015-08-06 株式会社エクォス・リサーチ セルロース可溶化液の糖化方法及び糖化装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014033667A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Equos Research Co Ltd セルロース系バイオマス原料の糖化方法
JP2015142594A (ja) * 2015-05-12 2015-08-06 株式会社エクォス・リサーチ セルロース可溶化液の糖化方法及び糖化装置

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