JP2013179445A - ネットワーク設定装置およびネットワーク設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存のネットワークに影響を与えず、しかもトラヒックのループを発生させることなく、複数のネットワークを複数の経路で接続可能とすること。
【解決手段】通信装置から、装置情報受信部16及び装置情報入力部17を介して当該通信装置を中継元装置とする端末装置からのマルチキャスト通信要求を受信すると、仮想アドレス割当部23により当該マルチキャスト通信要求を送信した端末装置のアドレスとして仮想アドレスを割当て、これを仮想アドレス割当情報保持部14に登録し、当該仮想アドレス割当情報とともに、あるアドレスを送信元とするユニキャストフレームおよびマルチキャストフレームの経路情報、並びに各通信装置のネットワーク接続状況を基に、装置設定計算部31によりフレーム転送設定を計算し、装置設定部33により各通信装置に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数のネットワークを複数の経路で接続する技術に関する。
データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数のネットワークを接続する場合、ネットワークを跨ったトラヒックのループを発生させないために、それぞれのネットワークを結ぶ通信経路を一つのみにする必要がある。
たとえば、特許文献1に記載の技術では、リングトポロジを構成する2つの経路の状態を監視し、両方の経路を同時に疎通させないことで、上記のループを抑止している。
同様に、従来技術であるSpanning Tree Protocol(STP)においても、フレーム転送を行う通信装置が有する通信経路のうち、いくつかを疎通不可の状態にすることで論理的なツリー構造を構築し、ループの発生を抑止している。
しかし、上記の方法では、通常時には、物理的に接続された経路のうちの大半が使われず、通信リソースの利用効率が低下するという課題があった。たとえば、物理的に接続された2つの経路のうち1つのみを疎通可能にする場合、本来、使用可能な通信リソースの50%しか使用していないことになる。また、複数のネットワークを結ぶ経路が一つしかないことから、異なるネットワークに接続された端末装置間の通信は、当該端末装置間の物理的な距離に関係なく、唯一の通信経路を介して行われることになり、通信遅延やトラヒック集中が発生するという課題もあった。
上記の課題を解決する技術として、TRILL、SPB、MPLS等の新たなプロトコルが提案されているが、これらの新プロトコルを導入する方法は、既存のネットワークに大きな影響を与えるという問題があった。上記のプロトコル群はいずれも、通信装置間での自律分散的な経路構築(あるいは管理者による明示的な経路設計)と、フレームのカプセル化技術を併用することでループの発生を抑止し、トポロジーフリーなネットワークの構築を可能にしている。このため、複数のネットワークを複数の経路で接続することも可能となり、通信リソースの利用効率向上、通信トラヒックの転送の効率化が実現できる。
しかしながら、既存のネットワークに対してこれらのプロトコルを適用するためには、既存のネットワークを構成する通信装置を、当該プロトコル対応の通信装置に置き換える必要がある。既存のネットワークの規模が大規模であるほど、通信装置の置き換えに要するコストも大規模となるため、特に広域ネットワークを有する通信事業者にとって望ましくない。
本発明は上記の課題を鑑み、既存のネットワークに影響を与えず、しかもトラヒックのループを発生させることなく、複数のネットワークを複数の経路で接続することを可能にし、通信リソースの利用効率向上、通信トラヒックの転送の効率化を実現することを目的とする。
本発明では前記課題を解決するため、データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数のネットワークにそれぞれ属する端末装置同士を接続する少なくとも2つの通信装置に対してフレーム転送設定を行うネットワーク設定装置であって、各通信装置がネットワーク接続ポートから自身を中継元装置とする端末装置からのマルチキャスト通信要求を受信した際、当該マルチキャスト通信要求を送信した端末装置のアドレスとして仮想アドレスを割当て、当該割当仮想アドレスを登録する手段と、各通信装置におけるフレーム転送設定として、ネットワーク接続ポートから自身を中継元装置とする端末装置からのマルチキャストフレームを受信した場合は当該マルチキャストフレームの送信元アドレスを前記登録した割当仮想アドレスに書き換えて転送し、ネットワーク接続ポートから自身を中継元装置としない端末装置からのマルチキャストフレームを受信した場合は当該マルチキャストフレームを廃棄し、ネットワーク接続ポート以外から受信したマルチキャストフレームはそのまま転送するように設定する手段とを少なくとも備えたことを特徴とするネットワーク設定装置を提案する。
本発明によれば、異なるネットワークに属する2つの端末装置が通信を行う際に、唯一の通信装置がフレームの中継元および中継先装置となってネットワークを跨ぐ通信を実現することができ、通信リソースの利用効率を低下させることなく、ネットワークを跨ったトラヒックのループの発生を抑止することが可能となる。
本発明で想定するネットワーク構成の一例を示す構成図 本発明のネットワーク設定装置の実施の形態の一例を示す構成図 NW情報保持部が保持する情報の一例および仮想アドレス割当情報保持部が保持する初期設定情報の一例を示す説明図 装置NWトポロジ保持部が保持する情報の一例およびその情報を元に装置NW経路計算部によって生成され、装置NW経路保持部が保持する情報の一例を示す説明図 装置−端末対応保持部が保持する情報の一例を示す説明図 装置−端末対応登録部におけるフレーム受信時のフローチャート 装置−端末対応登録部におけるマルチキャストフレーム受信時の登録処理のフローチャート 装置−端末対応登録部におけるユニキャストフレーム受信時の登録処理のフローチャート 仮想アドレス割当部におけるフローチャート 仮想アドレス割当情報保持部およびマルチキャストフレーム保持部が保持する情報の一例を示す説明図 ユニキャスト経路保持部が保持する情報の一例を示す説明図 ユニキャスト経路計算部におけるフローチャート マルチキャスト経路保持部が保持する情報の一例を示す説明図 マルチキャスト経路計算部におけるフローチャート 仮想アドレス解放部におけるフローチャート 装置設定保持部が保持する情報の一例を示す説明図 装置設定計算部におけるフローチャート ユニキャスト経路設定計算のフローチャート ユニキャスト経路設定計算における装置設定保持部への情報登録処理のフローチャート マルチキャスト経路設定計算のフローチャート マルチキャスト経路設定計算における装置設定保持部への情報登録処理1のフローチャート 図21中の中継先装置の設定生成のフローチャート 情報登録処理1後の装置設定保持部が保持する情報の一例を示す説明図 マルチキャスト経路設定計算における装置設定保持部への情報登録処理2のフローチャート 図24中の中継先装置の設定生成のフローチャート 情報登録処理2後の装置設定保持部が保持する情報の一例を示す説明図
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明で想定するネットワーク構成の一例を示している。本例では、4台の通信装置1,2,3,4によって構成されるネットワーク(以下、装置NWと呼ぶ。)により、データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数、ここでは2つのネットワークNW[1]およびNW[2]を接続する構成とした。なお、ネットワークNW[1]およびNW[2]にはそれぞれ、端末固有のアドレスをA,B,CおよびD,Eとする5台の端末装置が属(存在)しているものとする。なお、(図面を含めて)単に「装置」と記した場合は通信装置を指し、「端末」と記した場合は端末装置を指すものとする。
図2は、本発明のネットワーク設定装置の実施の形態の一例を示すもので、図中、11はNW情報入力部、12はNW情報保持部、13はNW情報設定部、14は仮想アドレス割当情報保持部、15は仮想アドレス設定部、16は装置情報受信部、17は装置情報入力部、18は装置NWトポロジ保持部、19は装置NW経路計算部、20は装置NW経路保持部、21は装置−端末対応登録部、22は装置−端末対応保持部、23は仮想アドレス割当部、24はマルチキャストフレーム一時保持部、25はユニキャスト経路計算部、26はユニキャスト経路保持部、27はマルチキャスト経路計算部、28はマルチキャスト経路保持部、29は仮想アドレス解放部、30は設定情報入力部、31は装置設定計算部、32は装置設定保持部、33は装置設定部である。
図3は、NW情報保持部12が保持する情報の一例および仮想アドレス割当情報保持部14が保持する情報(初期設定情報)の一例を示している。この例では、NW情報保持部12は、図1のネットワーク構成に従い、各通信装置1〜4のどのポートがいずれのネットワークに接続されているかを示す、装置名、接続NW名および接続ポート(の番号)によって表される情報を記録・保持している。但し、装置4については、装置NW以外のネットワークと接続するポートが存在していないため、明示的に記録していない。これらの情報は、事前にNW情報入力部11から入力されて記録され、NW情報設定部13を通して各装置1〜4に設定されるものとする。
また、仮想アドレス割当情報保持部14では、各ネットワーク(送信元NW)に対して、マルチキャストフレーム中に割当可能な仮想アドレスの設定を、送信元アドレス(送信元端末名)、中継元アドレス(中継元装置名)および有効期限とともに保持する。この際、割当可能な仮想アドレスの数は任意とするが、他の装置や端末とは重複しないものを設定する。
この例では、NW[1]に存在する端末を送信元とするマルチキャストフレームに対して最大3つの仮想アドレス(仮想アドレス[1],[1]’,[1]”)を、また、NW[2]に存在する端末を送信元とするマルチキャストフレームに対しては最大2つの仮想アドレス(仮想アドレス[2],[2]’)を割当可能として、初期設定を行っている。本初期設定は、仮想アドレス設定部15により設定される。なお、初期設定において、送信元アドレスや中継元アドレス、有効期限の情報はnull(−)とし、以降では割当てられていない仮想アドレスを空き仮想アドレスと呼ぶものとする。
装置情報受信部16は、各通信装置から、受信したフレームの情報や当該装置のポートと接続しているネットワークの対応情報を受信する。装置情報入力部17は、装置情報受信部16で受信した情報を基に、装置NWにおける各装置間の隣接関係を表す装置NWのトポロジ情報を装置NWトポロジ保持部18に通知し、受信フレームおよび受信ポート情報を装置−端末対応登録部21に通知し、マルチキャスト通信要求を仮想アドレス割当部23に通知する。
図4は、装置NWトポロジ保持部18が保持する装置NWのトポロジ情報の一例およびその情報を元に装置NW経路計算部19によって生成され、装置NW経路保持部20が保持する装置NWの経路情報の一例を示している。
装置NWトポロジ保持部18では、装置情報入力部17から受信した、装置名(装置アドレス)、接続ポートおよび接続先装置名(接続先装置アドレス)によって表される装置NW内の各装置の隣接関係を示す情報、並びにその他の情報(たとえば、リンクの品質パラメータ等)よりなるトポロジ情報を保持する。
装置NW経路計算部19では、装置NWトポロジ保持部18に保持されているトポロジ情報に基づいて、任意の2装置間の最短転送経路や、マルチキャストフレームの転送をループの発生を抑止した上で実現できる経路の計算を行い、装置名(装置アドレス)、宛先装置名(宛先アドレス)および送出ポートによって表される装置NWの経路情報として装置NW経路保持部20に記録・保持する。
トポロジ情報の収集や経路計算には、TRILLやSPBにも応用されている技術であるIS−ISルーティングプロトコルを用いて行うことを想定するが、これに限定されない。また、これ以降、ある装置が装置NW内にマルチキャストフレームを中継転送する(宛先アドレス=Multicast)際に送出するポートをRelay ports(装置名)と記述するものとする(Relay portsは、装置NW内でループや重複転送が発生しないように設定されるものとする。)。
図5は、装置−端末対応保持部22が保持する情報の一例を示している。各情報は、各装置が接続しているネットワークに存在する端末に関する情報(装置−端末対応情報)を示しており、各装置が通知した受信フレームや受信ポート情報を基に、装置−端末対応登録部21によって登録される。装置−端末対応保持部22が保持する各情報は、NW名、情報を通知した装置のアドレス、通知された端末のアドレス(受信フレームの送信元アドレス)、装置がフレームを受信したポート、その端末の情報が登録された順位によって構成される。なお、本発明によりネットワーク設定を完了した場合、異なるネットワークに属する2つの端末が通信を行う際には、それぞれの端末の登録順位を1とする装置がフレームの中継元装置および中継先装置となり、ネットワークを跨ぐ通信を実現する。
図6は、装置−端末対応登録部21におけるフローチャートを示している。通信装置がフレームを受信した際、装置情報受信部16および装置情報入力部17を介して当該装置−端末対応登録部21に通知がなされ、そのフレームの種類によって登録処理を変更する(s1)。受信フレームの宛先アドレスがマルチキャストを示していた場合はマルチキャストフレーム受信時の登録処理を行い(s2)、ユニキャストを示していた場合はユニキャストフレーム受信時の登録処理を行う(s3)。なお、装置−端末対応登録部21への通知は、フレームを受信した通信装置が当該装置の(後述する)装置設定を参照した際に、該当する情報がなかった場合にのみ行っても良い。
図7は、装置−端末対応登録部21におけるマルチキャストフレーム受信時の登録処理のフローチャートを示している。
まず、フレームを受信したポートが当該通信装置のネットワーク接続ポートか否かを判別する(s11)。ネットワーク接続ポート以外のポートから受信したフレームに対しては、装置NW内を中継転送されているフレームであるとみなし、登録処理を行わない(s12)。なお、マルチキャストフレームに関しては、後述するように装置NW内を中継転送される際に、フレームの送信元アドレスが仮想アドレスに書き換えられるため、送信元アドレスが仮想アドレスか否かにより登録の必要の有無を判断することも可能である。
フレームをネットワーク接続ポートから受信していた場合は、フレームの送信元アドレスと、現在の装置−端末対応保持部22に保持されている情報とを比較し(s13)、同一端末の登録情報が既にあるか否かを判別する。登録がなかった場合、装置−端末対応保持部22に登録を行う(s14)。
この際、装置−端末対応保持部22に登録する各情報は、
装置アドレス=受信装置の装置アドレス、
NW名=受信ポートに接続されているNW名、
端末アドレス=受信フレームの送信元アドレス、
ポート=受信ポート番号、
登録順位=1、
とする。
一方、端末の情報が登録されていた場合、当該登録情報におけるNW名と受信ポートに接続されているNW名とを比較し(s15)、同一のNWから受信したフレームかどうかを判別する。受信ポートの接続NWと登録情報のNW名に差異があった場合、端末がネットワークを移動したものとみなし、当該端末に関する登録情報を全て消去し(s16)、新たに装置−端末対応保持部22に登録を行う(s14)。
この際、装置−端末対応保持部22に登録する各情報は、
装置アドレス=受信装置の装置アドレス、
NW名=受信ポートに接続されているNW名、
端末アドレス=受信フレームの送信元アドレス、
ポート=受信ポート番号、
登録順位=1、
とする。
また、受信ポートの接続NWと登録情報のNW名が等しかった場合、登録情報の中にフレームを受信した装置によって登録された情報(すなわち、装置アドレス=受信装置のアドレスである登録情報)があるか否かを判別する(s17)。フレームを受信した通信装置によって既に情報が登録してあった場合、登録処理を行わない(s18)。フレームを受信した通信装置による登録がなかった場合は、新たに登録処理を行う(s19)。
この際、装置−端末対応保持部22に登録する各情報は、
装置アドレス=受信装置の装置アドレス、
NW名=受信ポートに接続されているNW名、
端末アドレス=受信フレームの送信元アドレス、
ポート=受信ポート番号、
登録順位=現在の最大登録順位+1、
とする。
図8は、装置−端末対応登録部21におけるユニキャストフレーム受信時の登録処理のフローチャートを示している。まず、フレームを受信したポートが当該通信装置のネットワーク接続ポートか否かを判別する(s21)。ネットワーク接続ポート以外のポートから受信したフレームに対しては、装置NW内を中継転送されているフレームであるとみなし、登録処理を行わない(s22)。フレームをネットワーク接続ポートから受信していた場合は、フレームの送信元アドレスと、現在の装置−端末対応保持部22に保持されている情報とを比較し(s23)、同一端末の登録情報が既にあるか否かを判別する。登録がなかった場合、装置−端末対応保持部22に登録を行う(s24)。
この際、装置−端末対応保持部22に登録する各情報は、
装置アドレス=受信装置の装置アドレス、
NW名=受信ポートに接続されているNW名、
端末アドレス=受信フレームの送信元アドレス、
ポート=受信ポート番号、
登録順位=1、
とする。
一方、端末の情報が登録されていた場合、当該登録情報におけるNW名と受信ポートに接続されているNW名とを比較し(s25)、同一のNWから受信したフレームかどうかを判別する。受信ポートの接続NWと登録情報のNW名に差異があった場合、端末がネットワークを移動したものとみなし、当該端末に関する登録情報を全て消去し(s26)、新たに装置−端末対応保持部22に登録を行う(s24)。
この際、装置−端末対応保持部22に登録する各情報は、
装置アドレス=受信装置の装置アドレス、
NW名=受信ポートに接続されているNW名、
端末アドレス=受信フレームの送信元アドレス、
ポート=受信ポート番号、
登録順位=1、
とする。
また、受信ポートの接続NWと登録情報のNW名が等しかった場合、登録情報の中にフレームを受信した装置によって登録された情報(すなわち、装置アドレス=受信装置のアドレスである登録情報)があり、なおかつその登録順位が1であるか否かを判別する(s27)。フレームを受信した通信装置によって、登録順位を1とする情報が既に登録してあった場合、登録処理を行わない(s28)。
一方、フレームを受信した装置の登録順位を1とする登録がなかった場合、本来の中継元装置である「送信元端末の登録順位を1とする装置」とは異なる(同一のネットワークに接続された)装置にユニキャストフレームが到達したことになり、送信元端末の属するネットワーク内の通信経路が何らかの理由で変化した可能性があることを意味する。そこで、次に、受信フレームの宛先アドレスが、当該装置のアドレスか否か、つまり受信装置宛てに送信されたフレームかどうかを確認する(s29)。
宛先アドレスが当該装置のアドレスと一致した場合は、フレームが送信されてきたことが他のネットワークへのフレーム中継とは無関係であるとみなし、登録処理は行わない(s28)。一方、宛先アドレスと当該装置のアドレスが一致しなかった場合、ネットワーク内のユニキャスト経路が変更され、フレームの到達する通信装置が以前と変わったとみなし、それに合わせて中継元装置を変更する。そのために、当該端末に関する登録情報を全て消去し(s26)た上で、新たに装置−端末対応保持部22に登録を行う(s24)。
この際、装置−端末対応保持部22に登録する各情報は、
装置アドレス=受信装置の装置アドレス、
NW名=受信ポートに接続されているNW名、
端末アドレス=受信フレームの送信元アドレス、
ポート=受信ポート番号、
登録順位=1、
とする。
図9は、仮想アドレス割当部23におけるフローチャートを示している。マルチキャストフレーム(通信要求)を受信した際、マルチキャスト経路保持部28を参照し、受信装置のアドレスと送信元端末の中継元となる装置のアドレスが一致するか否かを判断する(s31)。一致しない場合は割当処理を行わない(s32)。当該受信装置のアドレスと中継元装置のアドレスが一致した場合は、仮想アドレス割当情報保持部14を参照し、送信元端末の存在するネットワークに割り当てられている(当該ネットワークを送信元NWとする)仮想アドレスのうち、空き状態となっているアドレスがあるか否かを判断する(s33)。
空き状態の仮想アドレスがあった場合、受信したマルチキャストフレームを異なるネットワークに中継転送するために、空き状態のアドレスのうちの一つを割り当て、仮想アドレス割当情報保持部14に登録する(s34)。
その際、仮想アドレス割当情報保持部14が保持する各情報は、
割当仮想アドレス=空きの仮想アドレス、
送信元NW=受信ポートに接続されたNW名、
中継元アドレス=受信装置のアドレス、
送信元アドレス=送信元端末のアドレス、
有効期限=任意の時間、
とする(但し、割当仮想アドレスおよび送信元NWは初期設定された情報である。)。
もし、空き状態の仮想アドレスがなかった場合、中継すべきマルチキャストフレームをマルチキャストフレーム一時保持部24に保存し(s35,s36)、仮想アドレスが空き状態となるのを待つ。一定時間間隔で仮想アドレス割当情報保持部14を参照し、空き状態となったアドレスがないかを確認する(s37,s38)。但し、マルチキャストフレームの送信待機回数の上限値はあらかじめ設定されるものとし、上限回数を超えても空き状態のアドレスがなかった場合は、フレームを廃棄する(s39,s40)。このため、割当可能な仮想アドレスの数は多いことが望ましい。
図10は、仮想アドレス割当部23によって登録された仮想アドレス割当情報保持部14およびマルチキャストフレーム一時保持部24が保持する情報の一例を示している。この例では、NW[1]に存在する端末A,Bがそれぞれマルチキャストフレームを送信し、NW[1]に対して割り当てられた3つの仮想アドレスのうち2つを使用している。また、NW[2]に存在する端末E,Dがそれぞれマルチキャストフレームを送信し、NW[2]に対して割り当てられた2つの仮想アドレスを使用している。そして、NW[2]に存在する他の2台の端末がマルチキャスト通信要求を出しているが、現状、仮想アドレスの空きがないため、マルチキャストフレーム一時保持部24に保存されている。
図11は、ユニキャスト経路保持部26が保持する情報の一例を示している。各情報は、装置NW経路情報、装置−端末対応情報、仮想アドレス割当情報を基に、あるアドレスを宛先とするユニキャストフレームの転送経路を計算するユニキャスト経路計算部25によって生成され、登録される。各情報は、装置アドレス、宛先NW名、宛先アドレス、中継先アドレス、送出ポートにより構成され、ある装置から所定の宛先に対してユニキャストフレームを送信する際の送出ポート、すなわち経路を表わしている。
図12は、ユニキャスト経路計算部25のフローチャートを示している。ユニキャスト経路計算は、以下の計算を実行することで行われる。
まず、装置NW経路設定計算を行い、計算対象となっている装置から装置NW内にある任意の装置に対しての(最短)経路を記録する(s41)。この経路情報は、装置NW経路保持部20が保持する情報(図4参照)から、宛先アドレスがMulticastでないすべての情報について、ユニキャスト経路保持部26に以下の登録を行うことで作成する。
この際、ユニキャスト経路保持部26に登録する各情報は、
装置アドレス=(当該装置NW経路情報の)装置アドレス、
宛先NW名=装置NW、
宛先アドレス=(当該装置NW経路情報の)宛先アドレス、
中継先アドレス=(当該装置NW経路情報の)宛先アドレス、
送出ポート=(当該装置NW経路情報の)送出ポート、
とする。
次に、仮想アドレス経路設定計算を行い、宛先アドレスを割当済み仮想アドレスとするフレームを各装置が受信した際の経路(送出ポート)を記録する(s42)。この経路情報は、全装置に対し、仮想アドレス割当情報保持部14に登録された情報のうち、割当済みの全ての仮想アドレス割当情報について、ユニキャスト経路保持部26に以下の登録を行うことで作成する。
このとき、計算対象装置アドレスと当該仮想アドレス割当情報の中継元アドレスが等しかった場合、計算対象装置が該当アドレス宛てに送信されるユニキャストフレームの中継先装置となるため、ユニキャスト経路保持部26に登録する情報は、
装置アドレス=計算対象装置アドレス、
宛先NW名=(当該仮想アドレス割当情報の)送信元NW、
宛先アドレス=(当該仮想アドレス割当情報の)割当仮想アドレス、
中継先アドレス=(当該仮想アドレス割当情報の)中継元アドレス、
送出ポート=(当該仮想アドレス割当情報の)送出ポート、
となる(なお、後述するように、上記の設定をした装置が該当する仮想アドレスを宛先アドレスとするフレームを受信した場合、受信フレームの宛先アドレスを当該仮想アドレス割当情報の送信元アドレスに変更した上でポートに送出することになる。)。
一方、計算対象装置アドレスと当該仮想アドレス割当情報の中継元アドレスが異なる場合、中継先となる装置にフレームを転送するように送出ポートを設定する必要があるため、ユニキャスト経路保持部26に登録する情報は、
装置アドレス=計算対象装置アドレス、
宛先NW名=(当該仮想アドレス割当情報の)送信元NW、
宛先アドレス=(当該仮想アドレス割当情報の)割当仮想アドレス、
中継先アドレス=(当該仮想アドレス割当情報の)中継元アドレス、
送出ポート=計算対象装置において、上記中継先アドレスを宛先とした場合の送出ポート(上記の装置NW経路設定計算の結果から決定可能)、
となる。
最後に、ユニキャスト中継経路設定計算を行い、異なるネットワークに存在する2つの端末間でのユニキャスト通信を行うための中継経路(送出ポート)を記録する(s43)。装置−端末対応保持部22を参照し、各端末アドレスに対して登録順位が1である(最も早く登録した)装置を、その端末にフレームを転送する中継先装置とする。但し、中継先装置の決定方法は上記の方法に限らない。この経路情報は、全装置に対し、装置−端末対応保持部22に登録された情報のうち、登録順位を1とするすべての情報について、ユニキャスト経路保持部26に以下の登録を行うことで作成する。
このとき、計算対象装置アドレスと当該装置−端末対応情報の装置アドレスが等しかった場合、計算対象装置が該当端末にユニキャストフレームを転送する中継先装置となるため、ユニキャスト経路保持部26に登録する情報は、
装置アドレス=計算対象装置アドレス、
宛先NW名=(当該装置−端末対応情報の)NW名、
宛先アドレス=(当該装置−端末対応情報の)端末アドレス、
中継先アドレス=上記のルールで決定した中継先装置のアドレス、
送出ポート=(当該装置−端末対応情報の)送出ポート、
とする。
一方、計算対象装置アドレスと当該装置−端末対応情報の装置アドレスが異なる場合、中継先装置にフレームを転送するように送出ポートを設定する必要がある。したがって、ユニキャスト経路保持部26に登録する情報は、
装置アドレス=計算対象装置アドレス、
宛先NW名=(当該装置−端末対応情報の)NW名、
宛先アドレス=(当該装置−端末対応情報の)端末アドレス、
中継先アドレス=上記のルールで決定した中継先装置のアドレス、
送出ポート=計算対象装置において、上記中継先アドレス(装置)を宛先とした場合の送出ポート、
とする。
図13は、マルチキャスト経路保持部28が保持する情報の一例を示している。マルチキャスト経路保持部28は、さらに「中継経路情報保持テーブル」、「中継元装置情報保持テーブル」および「中継先装置情報保持テーブル」の3つのテーブルにより構成される。
中継経路情報保持テーブルは、各通信装置が受信したマルチキャストフレームを装置NW内に中継転送する場合にフレームを送出するポートを保持する。
中継元装置情報保持テーブルは、各NWに存在する各端末が送信したマルチキャストフレームを異なるネットワークに中継転送する装置およびその受信ポートの情報を保持する。図1に示したネットワーク構成例において、たとえば端末Aが送信したマルチキャストフレームは、NW[1]に接続されている装置1と装置2の2台に到達する。このとき、両者の装置が中継転送を行ってしまうと、不要なフレーム転送が発生し、通信リソースの利用効率が低下する。したがって、それぞれの端末に対して1台の中継元装置を割り当てることが望ましい。
中継先端末情報保持テーブルは、各NWにマルチキャストフレームを転送する装置とその送出ポートの情報を保持する。1つのNWに対し、そのNWに接続する複数の装置がマルチキャストフレームを転送すると、通信リソースの利用効率が低下するだけでなく、ループが発生し、最悪の場合、ネットワーク全体がダウンする可能性がある。このため、マルチキャストフレームを各NWに転送する装置は、当該NWに接続されている装置のうち1台のみであることが望ましい。
上記各情報は、装置NW経路情報、装置−端末対応情報を基に、あるアドレスを送信元とするマルチキャストフレームの転送経路を計算するマルチキャスト経路計算部27によって生成され、登録される。
図14は、マルチキャスト経路計算部27のフローチャートを示している。まず、マルチキャスト中継経路設定計算を行い、計算対象となっている装置が受信したマルチキャストフレームを送出するポートをマルチキャスト経路保持部28の中継経路情報保持テーブルに記録する(s51)。具体的には、装置NW経路保持部20が保持する情報(図4参照)のうち、宛先アドレスがMulticastであるすべて情報について、中継経路情報保持テーブルに
装置アドレス=(当該装置NW経路情報の)装置アドレス、
送出ポート=(当該装置NW経路情報の)送出ポート、
の登録を行う。
次に、中継元装置設定計算を行い、各NWに存在する各端末の送信したマルチキャストフレームを異なるネットワークに中継転送する装置、および送出ポートの情報をマルチキャスト経路保持部28の中継元装置情報保持テーブルに記録する(s52)。装置−端末対応保持部22を参照し、端末アドレスの登録順位が1である(最も早く登録した)装置を、その端末が送信するマルチキャストフレームの「中継元装置」とする、具体的には、装置−端末対応保持部22に登録された情報のうち、登録順位を1とするすべての情報について、中継元装置情報保持テーブルに
送信元アドレス=(当該装置−端末対応情報の)端末アドレス、
送信元NW名=(当該装置−端末対応情報の)NW名、
中継元アドレス=(当該装置−端末対応情報の)装置アドレス、
受信ポート=(当該装置−端末対応情報の)ポート、
の登録を行う。
最後に、中継先装置設定計算を行い、各NWにマルチキャストフレームを転送する装置とその送出ポートの情報をマルチキャスト経路保持部28の中継先装置情報保持テーブルに記録する(s53)。ここでは、装置−端末対応保持部22を参照し、各NWにおいて、中継元となっている端末の数が最多である装置(登録順位を1とする登録情報が最多の装置)を当該NWの「中継先装置」とし、その装置アドレスと送出ポート(当該NWに接続するポート)の情報を作成する。但し、中継先装置の決定方法は上記の方法に限らない。具体的には、各NWについて、上記の中継先装置を決定し、中継先装置情報保持テーブルに
宛先NW名=当該NW名、
中継先アドレス=上記ルールで決定した中継先装置のアドレス、
送出ポート=中継先装置における、当該NW名に接続されているポート、
の登録を行う。
図15は仮想アドレス解放部29におけるフローチャートを示している。仮想アドレス割当情報保持部14に保持された仮想アドレス割当情報を適宜参照し(s61)、有効期限を過ぎた仮想アドレスがなければ何もせず(s62)、有効期限を過ぎた仮想アドレスがあった場合、仮想アドレス解放処理を行う(s63)。まず、仮想アドレス割当情報保持部14の、該当する仮想アドレスの登録情報から「中継元アドレス」、「送信元アドレス」および「有効期限」を消去し(nullを代入し)、アドレスを空き状態とする。次に、(ユニキャスト経路計算部25を介してあるいは直接的に)ユニキャスト経路保持部26から、該当する仮想アドレスを宛先アドレスまたは送信元アドレスとする経路情報を削除する。
設定情報入力部30は、各通信装置のネットワーク接続状況と、ユニキャスト経路情報と、マルチキャスト経路情報と、仮想アドレス割当情報とを装置設定計算部31に入力する。
装置設定計算部31は、入力された設定情報を基に、各通信装置に対し、ある受信ポートから所定の宛先アドレスと送信元アドレスを含むフレームを受信した場合におけるフレーム転送設定を計算し、装置設定保持部32に記録する。
図16は、装置設定保持部32が保持する情報の一例を示している。装置設定情報は、各装置が、ある受信ポートから所定の宛先アドレスと送信元アドレスを含むフレームを受信した場合におけるフレーム転送設定を示すものであり、設定対象、設定の適用条件、条件に該当するフレームの転送設定の情報により構成される。装置名は設定対象を表し、宛先アドレス、送信元アドレスおよび受信ポートは適用条件を表し、Action1、Action2および送出ポートは転送設定を表す。各装置はフレームを受信した際に、受信フレームの宛先アドレス、送信元アドレスおよび受信ポートを装置設定情報と比較し、適用条件に合致するものがあるか否かを判断する。なお、条件値がAny(無条件)の値をとっている場合は、その項目に関しては無視する。
Action1は、Receive、Transport、Dropの三種類の値をとる。
Receiveは受信処理を表し、通信装置のアドレスと受信したフレームの宛先アドレスが一致した場合にのみこの値をとるように設定される。
Transportは転送処理を表し、フレームをポートから送出する場合にこの値をとるように設定される。
Dropはフレーム廃棄処理を表し、受信フレームを廃棄する必要がある場合にこの値をとるよう設定される。
Action2は、Relay、Set Source Address(割当仮想アドレス)、Set Destination Address(宛先アドレス)、null(−)の四種類の値をとり、主にフレーム転送時に行う処理の種類を表す。したがって、Action1の値がReceiveまたはDropである場合にはnull値をとる。
Relayは、装置NW内にフレームを中継転送する際、ループ発生の抑止や効率的な転送を行うためにフレームの加工等が必要な場合に、Action2はこの値をとる。たとえば、TRILLやSPBでは通信装置間でフレームをやり取りする際に、フレームのカプセル化を行うことでループ発生の抑止や効率的なフレーム転送を可能にしている。本発明では装置NW内の中継転送はスコープ外であるため、上記のようにRelayとして表す。
Set Source Address(割当仮想アドレス)は、中継転送を行う前にフレームの送信元アドレスを書き換える必要がある場合にこの値をとる。具体的には、中継元装置がマルチキャストフレームを転送する際、転送フレームの送信元アドレスを()内に記載される割当仮想アドレスに書き換える。ユニキャストフレームを中継する装置とマルチキャストを中継する装置が異なる場合、既存ネットワーク内で経路の書き換えが発生してしまう。この書き換えが発生しないように、仮想アドレスを割り当てる。
Set Destination Address(送信元アドレス)は、ネットワークに対してフレーム送出を行う前にフレームの宛先アドレスを書き換える必要がある場合にこの値をとる。具体的には、通信装置が宛先アドレスを仮想アドレスとするフレームを受信した際に、フレームの宛先アドレスを対応する端末アドレスに変換した上でネットワークへの送出を行う。これにより、仮想アドレスに対するユニキャストフレームを正しい宛先端末に転送することが可能となる。
図17は、装置設定計算部31におけるフローチャートを示している。装置設定計算部31では、設定情報入力部30により入力される各通信装置のネットワーク接続状況と、ユニキャスト経路情報と、マルチキャスト経路情報と、仮想アドレス割当情報を基に、各通信装置の設定を計算する。各設定の計算は、まず設定の初期化を行い(s71)、現在の装置設定保持部32が保持する情報を消去した上で、全ての通信装置を対象に行われる。設定計算の対象とする装置を対象装置とし(s72)、その装置のユニキャスト経路およびマルチキャスト経路の設定計算を行う(s73,s74)。ここで、ユニキャスト経路設定計算は、宛先アドレスを端末アドレス(または装置アドレス)とするフレームを対象装置が受信した際の転送設定を計算するものであり、マルチキャスト経路設定計算は、宛先アドレスをマルチキャストアドレスとするフレームを対象装置が受信した際の転送設定を計算するものである。
図18は、ユニキャスト経路設定計算のフローチャートを示している。本計算では、ユニキャスト経路保持部26の保持する全経路情報に対して、装置設定保持部32への情報登録処理を行う(s81)。対象装置に関連する経路情報から、フレーム転送設定の計算を行う。
図19は、ユニキャスト経路設定計算における装置設定保持部32への情報登録処理のフローチャートを示している。まず、設定対象としている装置と参照しているユニキャスト経路情報の装置名が等しいかどうかを判別し(s101)、等しかった場合は処理を継続し、等しくなかった場合はその経路情報に対する処理を終了する。次に、ユニキャスト経路情報の中継先アドレスと対象装置のアドレスが等しいかどうかを判定する(s102)。アドレスが等しくなかった場合は、中継先である装置へ転送するための装置設定を作成する(s103)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=経路情報に記載された宛先アドレス、
送信元アドレス=Any、
受信ポート=Any、
Action1=Transport、
Action2=Relay、
送出ポート=経路情報に記載された送出ポート、
とする。
中継先アドレスと対象装置のアドレスが等しかった場合、次に経路情報の宛先アドレスと対象装置のアドレスが等しいか否かを判定する(s104)。アドレスが等しい、すなわち当該装置宛てに送信されたフレームに対しては、受信処理を行う必要があるため、装置設定情報を作成する(s105)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=参照中の経路情報に記載された宛先アドレス(対象装置名)、
送信元アドレス=Any、
受信ポート=Any、
Action1=Receive、
Action2=null、
送出ポート=null、
とする。
宛先アドレスと対象装置のアドレスが等しくなかった場合、次に宛先アドレスが仮想アドレスか否かを判定する(s106)。フレームの宛先が仮想アドレスとなるのは、たとえば、ある端末が異なるNWから送られてきたマルチキャストフレームに対して返信を行う場合に該当する。その場合、フレームの宛先アドレスを、本来の送信元端末のアドレスに変換してから転送をする必要がある。そこで、本計算では、仮想アドレス割当情報から該当するアドレスの情報を参照し(s107)、以下の装置設定情報を作成する(s108)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=参照中の経路情報に記載された宛先アドレス、
送信元アドレス=Any、
受信ポート=Any、
Action1=Transport、
Action2=Set destination Address(該当する仮想アドレス割当情報に記載された送信元アドレス)、
送出ポート=本来の送信元端末を宛先とした場合の送出ポート、
とする。
一方、仮想アドレスでなかった場合は、以下の装置設定情報を作成する(s109)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=参照中の経路情報に記載された宛先アドレス、
送信元アドレス=Any、
受信ポート=Any、
Action1=Transport、
Action2=null、
送出ポート=経路情報に記載された送出ポート、
とする。
一つのユニキャスト経路情報に対して、以上のいずれかの装置設定情報が作成される。最後に、作成した装置設定情報を装置設定保持部32に追加する(s110)ことで、登録処理を完了する。そして、同様の処理を、次のユニキャスト経路情報に対して行う。
図20は、マルチキャスト経路設定計算のフローチャートを示している。本計算では、仮想アドレス割当情報保持部14が保持する全情報に対して装置設定保持部32への情報登録処理1を行い(s91)、その後、マルチキャスト経路保持部28が保持する全ての中継元装置情報について装置設定保持部32への情報登録処理2を行う(s92)。それぞれ、情報登録処理1は対象装置が送信元アドレスを仮想アドレスとするフレームを受信した場合のフレーム転送設定の計算であり、情報登録処理2は対象装置が送信元アドレスを端末アドレス(物理アドレス)とするフレームを受信した場合のフレーム転送設定の計算である。
図21、図22は、マルチキャスト経路設定計算における装置設定保持部32への情報登録処理1のフローチャートを示している。まず、参照中の仮想アドレス割当情報に対して(空き状態かどうかに関係なく)、以下の装置設定情報を作成し(s111)、装置設定保持部32の末尾に追加する(s112)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=Multicast(マルチキャストアドレス)、
送信元アドレス=参照中の仮想アドレス、
受信ポート=NW接続ポート(いずれかのポートで受信した場合)、
Action1=Drop、
Action2=null、
送出ポート=null、
とする。
この設定は、マルチキャストフレームが送信元ネットワークと異なるネットワークを介してループされることを防ぐためのものである。全てのマルチキャストフレームは、中継元装置によって送信元アドレスを仮想アドレスに変換されて別のネットワークに転送される。したがって、各ネットワークに接続されている装置が、送信元を仮想アドレスとするマルチキャストフレームを廃棄することによって、ネットワークを跨ぐループの発生を防止する。
次に、以下の装置設定情報を作成し(s113)、装置設定保持部32の末尾に追加する(s114)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=Multicast、
送信元アドレス=仮想アドレス、
受信ポート=NW接続ポート以外(いずれかのポートで受信した場合)、
Action1=Transport、
Action2=Relay、
送出ポート=Relay ports(対象装置名)、
とする。
本設定は、対象装置がマルチキャストフレームを受信した際、装置NW内の他の装置に転送するための設定を表す。
次に、対象装置がNWの中継先装置であった場合に、受信したマルチキャストフレームを中継先NWに転送するための装置設定情報を作成する(s115)。マルチキャスト経路保持部28の全ての中継先装置情報について、以下の計算を行う(図22)。
まず、参照している中継先装置情報の中継先アドレスと対象装置アドレスが等しいか否かを判定する(s121)。等しくなかった場合は、参照情報に対する処理を終了する。等しかった場合は、次に、参照中の仮想アドレス割当情報の送信元NWと、参照中の中継先装置情報の中継先NWが等しくないことを確認する(s122)。2つのNWが等しい場合は参照情報に対する処理を終了する。2つのNWが等しくない場合は、以下の装置設定情報を作成し(s123)、装置設定情報保持部32の末尾に追加する(s124)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=Multicast、
送信元アドレス=参照中の仮想アドレス、
受信ポート=NW接続ポート以外、
Action1=Transport、
Action2=null、
送出ポート=中継先装置情報の送出ポート、
とする。
図23は、上記の装置設定保持部32への情報登録処理1を全仮想アドレス割当情報に対して行った場合に得られる設定計算結果の一例を示している。この例では、装置1と装置2に対して処理を行った場合に得られる結果の一部を示している。
図24、図25は、マルチキャスト経路設定計算における装置設定保持部32への情報登録処理2のフローチャートを示している。まず、対象装置が、参照中の中継元装置情報の送信元NWに対する接続ポートを持っているかを確認する(s131)。対象装置が該当するポートを持っていない場合は、参照中の情報に対する処理を終了する。
対象装置が該当するポートを持っている場合は、次に、参照中の中継元装置情報の中継元アドレスと対象装置のアドレスが等しいかどうかを判定する(s132)。アドレスが等しくなかった場合は、中継元装置以外はフレームを廃棄するため、以下の装置設定情報を作成する(s133)。
このとき作成される情報は、
宛先アドレス=Multicast、
送信元アドレス=参照中の中継元装置情報の送信元アドレス、
受信ポート=送信元NWの接続ポート、
Action1=Drop、
Action2=null、
送出ポート=null、
とする。
参照中の中継元装置情報の中継元アドレスと対象装置のアドレスが等しい場合は、接続NW中の端末からのマルチキャストフレームを中継元装置が装置NWに転送するため、以下の装置設定情報を作成する(s134)。
このとき作成される情報は、
宛先アドレス=Multicast、
送信元アドレス=送信元アドレス、
受信ポート=受信ポート、
Action1=Transport
Action2=Set source Address(割当仮想アドレス),Relay、
送出ポート=Relay ports(対象装置名)、
とする。
上記で作成したいずれかの装置設定情報を装置設定保持部32の末尾に追加し(s135)、続いて、対象装置が(中継元装置、かつ)NWの中継先装置であった場合に、受信したマルチキャストフレームを中継先NWに転送するための装置設定情報を作成する(s136)。マルチキャスト経路保持部28の全ての中継先装置情報について、以下の計算を行う(図25)。
まず、参照している中継先装置情報の中継先アドレスと対象装置アドレスが等しいか否かを判定する(s141)。等しくなかった場合は、参照情報に対する処理を終了する。等しかった場合は、次に、参照中の中継元装置情報の送信元NWと、参照中の中継先装置情報の中継先NWが等しくないことを確認する(s142)。2つのNWが等しい場合は参照情報に対する処理を終了する。2つのNWが等しくない場合は、以下の装置設定情報を作成し(s143)、装置設定情報保持部32の末尾に追加する(s144)。
このとき作成される情報は、
装置名=対象装置名、
宛先アドレス=Multicast、
送信元アドレス=参照中の中継元装置情報の送信元アドレス、
受信ポート=NW接続ポート以外、
Action1=Transport、
Action2=Set source Address(割当仮想アドレス)、
送出ポート=中継先装置情報の送出ポート、
とする。
図26は、上記の情報登録処理2を全仮想アドレス割当情報に対して行った場合に得られる設定計算結果の一例を示している。この例では、装置1と装置2に対して処理を行った場合に得られる結果の一部を示している。
以上の装置設定計算により得られた装置設定は、装置設定保持部32により保持され、装置設定部33により該当する装置に設定される。
先述したように、各装置は、フレームを受信した際、受信フレームの宛先アドレスおよび送信元アドレス、受信ポートと装置設定を比較し、条件に合致する設定があるか否かを検索する。該当する設定があった場合、そこに記述されたフレーム転送処理(たとえば、ある送出ポートに対してフレームを送出)を行う。もし、該当する装置設定がなかった場合は、装置情報受信装置を通して改めて設定計算等を行い、フレーム転送を行う。
なお、実施の形態では、装置NWを構成する通信装置を4つとしたが、複数のネットワーク間に複数の経路を設定可能な最小限の数、すなわち2つ以上であれば良い。また、本発明は、データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数のネットワークとして、物理的な複数のネットワークだけでなく、一つの物理的なネットワーク上に構成された複数の仮想的なネットワークに対しても適用可能である。
11:NW情報入力部、12:NW情報保持部、13:NW情報設定部、14:仮想アドレス割当情報保持部、15:仮想アドレス設定部、16:装置情報受信部、17:装置情報入力部、18:装置NWトポロジ保持部、19:装置NW経路計算部、20:装置NW経路保持部、21:装置−端末対応登録部、22:装置−端末対応保持部、23:仮想アドレス割当部、24:マルチキャストフレーム一時保持部、25:ユニキャスト経路計算部、26:ユニキャスト経路保持部、27:マルチキャスト経路計算部、28:マルチキャスト経路保持部、29:仮想アドレス解放部、30:設定情報入力部、31:装置設定計算部、32:装置設定保持部、33:装置設定部。
特開2007−19698号公報(「リング型冗長通信路制御方法」)

Claims (4)

  1. データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数のネットワークにそれぞれ属する端末装置同士を接続する少なくとも2つの通信装置に対してフレーム転送設定を行うネットワーク設定装置であって、
    各通信装置がネットワーク接続ポートから自身を中継元装置とする端末装置からのマルチキャスト通信要求を受信した際、当該マルチキャスト通信要求を送信した端末装置のアドレスとして仮想アドレスを割当て、当該割当仮想アドレスを登録する手段と、
    各通信装置におけるフレーム転送設定として、ネットワーク接続ポートから自身を中継元装置とする端末装置からのマルチキャストフレームを受信した場合は当該マルチキャストフレームの送信元アドレスを前記登録した割当仮想アドレスに書き換えて転送し、ネットワーク接続ポートから自身を中継元装置としない端末装置からのマルチキャストフレームを受信した場合は当該マルチキャストフレームを廃棄し、ネットワーク接続ポート以外から受信したマルチキャストフレームはそのまま転送するように設定する手段とを少なくとも備えた
    ことを特徴とするネットワーク設定装置。
  2. データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数のネットワークにそれぞれ属する端末装置同士を接続する少なくとも2つの通信装置に対してフレーム転送設定を行うネットワーク設定装置であって、
    各通信装置のポートと接続しているネットワークとの対応情報を保持するNW情報保持部と、
    NW情報保持部に保持された各通信装置のポートと接続しているネットワークとの対応情報を各通信装置に設定するNW情報設定部と、
    各ネットワークに対して割当可能な仮想アドレスを保持する仮想アドレス割当情報保持部と、
    各通信装置から、受信したフレームの情報や当該通信装置のポートと接続しているネットワークとの対応情報を受信する装置情報受信部と、
    前記装置情報受信部で受信した情報を基に、通信装置のみにより構成されるネットワークである装置NWのトポロジ情報、受信フレームおよび受信ポート情報、マルチキャスト通信要求をそれぞれ装置NWトポロジ保持部、装置−端末対応登録部、仮想アドレス割当部に通知する装置情報入力部と、
    前記通知された装置NWのトポロジ情報を保持する装置NWトポロジ保持部と、
    装置NWトポロジ保持部に保持された装置NWのトポロジ情報に基づいて装置NWの経路情報を計算する装置NW経路計算部と、
    前記装置NW経路計算部で計算された装置NWの経路情報を保持する装置NW経路保持部と、
    前記通知された受信フレームおよび受信ポート情報から、各通信装置が接続しているネットワークに属する端末装置に関する情報を登録する装置−端末対応登録部と、
    前記装置−端末対応登録部によって登録された各通信装置が接続しているネットワークに属する端末装置に関する情報を保持する装置−端末対応保持部と、
    前記通知されたマルチキャスト通信要求から、当該マルチキャストフレームの送信元端末に対し、所定の有効期限を設けて仮想アドレスを割当て、当該割当情報を仮想アドレス割当情報保持部に登録する仮想アドレス割当部と、
    装置NW経路情報、装置−端末対応情報、仮想アドレス割当情報を基に、あるアドレスを宛先とするユニキャストフレームの転送経路を計算するユニキャスト経路計算部と、
    ユニキャスト経路計算部で計算したユニキャスト経路情報を保持するユニキャスト経路保持部と、
    装置NW経路情報、装置−端末対応情報を基に、あるアドレスを送信元とするマルチキャストフレームの転送経路を計算するマルチキャスト経路計算部と、
    マルチキャスト経路計算部で計算したマルチキャスト経路情報を保持するマルチキャスト経路保持部と、
    仮想アドレス割当情報保持部に割り当てられた仮想アドレスが有効期限を過ぎた場合にその割当仮想アドレスの解放処理を行う仮想アドレス解放部と、
    各通信装置のネットワーク接続状況と、ユニキャスト経路情報と、マルチキャスト経路情報と、仮想アドレス割当情報とを基に、各通信装置に対し、ある受信ポートから所定の宛先アドレスおよび送信元アドレスを含むフレームを受信した場合におけるフレーム転送設定を計算する装置設定計算部と、
    装置設定計算部で計算したフレーム転送設定を保持する装置設定保持部と、
    装置設定保持部に保持されたフレーム転送設定を各通信装置に対して設定する装置設定部とを少なくとも備えた
    ことを特徴とするネットワーク設定装置。
  3. 一つの物理的なネットワーク上に構成された複数の仮想的なネットワークを接続する通信装置に対してフレーム転送設定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク設定装置。
  4. データ通信の送受信アドレスとしてネットワークの識別子を用いない複数のネットワークにそれぞれ属する端末装置同士を接続する少なくとも2つの通信装置に対してフレーム転送設定を行うネットワーク設定方法であって、
    各通信装置がネットワーク接続ポートから自身を中継元装置とする端末装置からのマルチキャスト通信要求を受信した際、当該マルチキャスト通信要求を送信した端末装置のアドレスとして仮想アドレスを割当て、当該割当仮想アドレスを登録する工程と、
    各通信装置におけるフレーム転送設定として、ネットワーク接続ポートから自身を中継元装置とする端末装置からのマルチキャストフレームを受信した場合は当該マルチキャストフレームの送信元アドレスを前記登録した割当仮想アドレスに書き換えて転送し、ネットワーク接続ポートから自身を中継元装置としない端末装置からのマルチキャストフレームを受信した場合は当該マルチキャストフレームを廃棄し、ネットワーク接続ポート以外から受信したマルチキャストフレームはそのまま転送するように設定する工程とを少なくとも備えた
    ことを特徴とするネットワーク設定方法。
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CN104504485A (zh) * 2014-11-18 2015-04-08 国家电网公司 一种电力系统继电保护一体化整定计算方法

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